説明

リフトオフ・パターニング向けの向上したエッチング技法

基板上に材料のパターンを形成する向上したプロセスが、材料のパターンの像に対応するようにパターニングされたレジスト材料上に材料を異方的に堆積する。材料を等方的にエッチングして、レジスト・パターンの側壁上の材料の厚さを除去する一方、レジスト・パターンの最上面上の材料および基板の表面の部分を残す。溶解によってレジスト・パターンを除去し、それによって、レジスト・パターンの最上面上の材料をリフトオフする一方、基板表面上の材料を材料のパターンとして残す。あるいは、第1の材料の層をレジスト・パターン上に堆積し、第2の材料の層を堆積しかつ平坦にする。第2の材料の層をエッチングして、第1の材料を露出させる一方、レジスト・パターンのフィーチャの中に第2の材料を残す。第1の材料およびレジストを除去して第1の材料のパターンを残す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(連邦政府の委託研究または委託開発に関する声明)
米国政府は、本発明における支払い済の実施権およびサンディエゴの宇宙・海事戦闘システム司令部(SPAWAR)によって授与されたN66001−66−C2003の諸条項によって与えられた適切な諸条項に基づいて、特許権者に対して他者の特許実施を許諾することを命じるための限定された状況における権利を有する。
【0002】
本特許出願は、米国特許仮出願第60/826,124号および米国特許仮出願第60/824,762号の優先権を主張するものであり、これらは参照によって本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明の分野は、一般に構造物のナノ製造に関する。より詳細には、本発明は基板をパターニングする方法を対象とする。
【背景技術】
【0004】
ナノ製造は、例えばナノメートル台以下の程度のフィーチャを有する、非常に小さな構造体の製造を伴う。ナノ製造の、かなり大きな影響があった1つの領域は集積回路の加工である。半導体加工産業は、より大きな生産歩留りを求めて努力を続ける一方、基板上に形成される単位面積当りの回路を増加させるので、ナノ製造はますます重要になる。ナノ製造によって、より優れたプロセス制御がもたらされる一方、形成された構造体の最小フィーチャ寸法のさらなる低減が可能になる。ナノ製造を用いた開発のその他の領域には、バイオテクノロジー、光技術、機械システムなどが含まれる。
【0005】
例示的ナノ製造技法は、一般にインプリント・リソグラフィと称される。例示的インプリント・リソグラフィ・プロセスは、米国特許出願第10/264,960号として出願された「Method and a Mold to Arrange Features on a Substrate to Replicate Features having Minimal Dimensional Variability」という名称の米国特許出願公開第2004/0065976号(引用文献1)、米国特許出願第10/264,926号として出願された「Method of Forming a Layer on a Substrate to Facilitate Fabrication of Metrology Standards」という名称の米国特許出願公開第2004/0065252号(引用文献2)、および「Functional Patterning Material for Imprint Lithography Processes」という名称の米国特許第6,936,194号(引用文献3)など、多数の公示に詳細に説明されており、これらのすべてが本発明の譲受人に譲渡されていて、参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
前述の米国特許出願公開および米国特許の各々で開示されたインプリント・リソグラフィ技法は、重合に適した層の中にレリーフ・パターンを形成して、レリーフ・パターンに対応するパターンを下にある基板の中へ転写することを含む。所望位置を得てパターニングを容易にするために、基板は運動ステージ上に配置されてよい。その目的のために、基板から離隔されたテンプレートが使用され、テンプレートと基板の間に成形可能な液体が存在する。液体を凝固して、液体に接するテンプレートの表面形状に適合する書き込まれたパターンを内蔵する凝固層を形成する。次いで、テンプレートと基板が離隔されるように、凝固層からテンプレートを分離する。次いで、基板および凝固層を処理して、凝固層中のパターンに対応するレリーフ像を基板中へ転写する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0065976号
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0065252号
【特許文献3】米国特許第6,936,194号
【特許文献4】米国特許第6,932,934号
【特許文献5】米国特許出願公開第2004/0124566号
【特許文献6】米国特許出願公開第2004/0188381号
【特許文献7】米国特許出願公開第2004/0211754号(引用文献7)
【発明の概要】
【0008】
高分解能でパターニングするとき、垂直なレジスト・プロファイルまたはリエントラント型レジスト・プロファイルを生成するのは困難なことがあり、すなわち、レジスト・プロファイルがいくらかの傾斜を含み得る。これは高い面密度を有するパターンに当てはまることがある。結果として、リフトオフ・パターニングによって高分解能構造体を形成するのは困難であった。レジスト・プロファイルの問題を解決するのが困難であるため、レジスト側壁上に堆積される材料を減らすかまたは実質的に除去する溶液の特定が望まれることがある。リフトオフ手法によってパターニングされた様々な材料の等方的除去向けに、リアクティブ・イオン・エッチング(RIE)が効果的である。ドライ・エッチング・プロセスは、一般に、リフトオフ・プロセスよりはるかに低い欠陥レベルで動作する。プロセス欠陥を低減する一方、リフトオフ・プロセスの総合的な成果を維持するために、異物の選択的エッチングを可能にするようにレジスト・パターンの最上部に平坦化コーティングを施してよい。高解像度リフトオフ・パターニング向けの既存の手法は、レジスト側壁上に堆積される材料に中程度の物理的ダメージを与える恐れがある。本発明は、実質的に側壁材料を除去することにより既存の手法を改善する。これらの実施形態および他の実施形態が、以下でより十分に説明される。
【0009】
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細が、添付図面および以下の説明に示される。本発明の他の特徴、目的および利点は、説明および図面ならびに特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】基板から離隔されたテンプレートを有するリソグラフィ・システムの簡略化した側面図である。
【図2A】図1に示された基板の側面図であり、リエントラント型側壁のあるレジスト・パターンを有する。
【図2B】図2Aに示された基板の側面図であり、レジスト・パターンの上に異方性の堆積材料が配置されて不連続のフィルムを形成する。
【図2C】図2Bに示された基板の側面図であり、溶剤中に浸漬された後に、レジスト物質が溶解され、異物はリフトオフによって溶液の中へ除去されて、基板上に残る材料が元のレジスト・パターンの反転像を形成する。
【図3A】図1に示された基板の側面図であり、傾斜した側壁のあるレジスト・パターンを有する。
【図3B】図3Aに示された基板の側面図であり、傾斜した側壁を有するレジスト・パターン上に材料の堆積があって、基板に結合される連続したフィルムをもたらす。連続したフィルムは、リフトオフ液体がレジストを溶解するのを抑止し、また、基板につながれているので除去するのが困難である。
【図4A】図1に示された基板の側面図であり、傾斜した側壁のあるレジスト・パターン上の材料の堆積が側壁被覆をもたらす。堆積プロセスの異方性の性質の結果として、側壁の被覆は基板の被覆より薄く、このステップで追加の材料が堆積されて、後続のエッチング・ステップの間中除去されることになる材料を補う。
【図4B】図4Aに示された基板の側面図であり、等方性エッチングを用いてパターンの側壁から材料が実質的に除去され、リフトオフ液体がレジスト物質を浸透して溶解することが可能になり、結果として基板上の材料が薄くなる。
【図4C】図4Bに示された基板の側面図であり、溶剤中に浸漬した後に、レジスト物質を溶解し、かつ異物をリフトオフによって溶液の中へ除去し、基板上に残る材料で元のレジスト・パターンの反転像を形成する。
【図5A】図1に示された基板の側面図であり、傾斜した側壁のあるレジスト・パターン上の材料の堆積の後に側壁被覆がもたらされ、堆積プロセスの異方性の性質の結果として、側壁の被覆は基板の被覆より薄い。
【図5B】図5Aに示された基板の側面図であり、実質的に平面状の最上面をもたらす平坦化コーティングを施した後のものである。
【図5C】図5Bに示された基板の側面図であり、レジスト・フィーチャの最上部の材料が除去されるように平坦化コーティングが部分的にエッチングされた後も、材料のかなりの部分がレジスト・フィーチャ間に残されている。
【図5D】図5Cに示された基板の、堆積された材料がレジスト・フィーチャの最上部からエッチングされた後の側面図である。
【図5E】図5Dに示された基板の、レジストが溶解して除かれた後の側面図であり、堆積された材料が基板上に残って、元のレジスト・パターンの反転像を形成している。
【0011】
様々な図面において同じ参照符号は同じ要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、基板12上にレリーフ・パターンを形成するためのシステム8にはステージ10が含まれてその上に基板12が支持され、またテンプレート14も含まれてその上にパターニング面18がある。別の実施形態では、基板12は基板チャック(図示せず)に結合されてよく、基板チャック(図示せず)は、真空式チャックおよび電磁式チャックを含む任意のチャックであるがこれらには限定されない。
【0013】
テンプレート14および/またはモールド16は、融解石英、水晶、シリコン、有機ポリマー、シロキサン・ポリマー、硼珪酸ガラス、フルオロカーボン・ポリマー、金属、および硬化サファイアを含むがこれらに限定されないような材料から形成されてよい。図示のように、パターニング面18は、複数の離隔された凹部17および突部19によって画定されたフィーチャを備え、凹部17は、パターニング面18に狭間胸壁の形状を与える突部19と平行な方向に沿って延びる。しかし、凹部17および突部19は、実質的に任意の所望のフィーチャに対応することができ、集積回路を形成するためのフィーチャを含み、かつ数ナノメートルと非常に小さくてよい。しかし、別の実施形態では、パターニング面18が実質的に滑らかでかつ/または平坦なことがある。パターニング面18は、基板12上に形成されることになるパターンの基礎を形成する元のパターンを画定してよい。
【0014】
テンプレート14の運動を容易にし、したがってモールド16の運動を容易にするために、テンプレート14はインプリント・ヘッド20に結合されてよい。別の実施形態では、テンプレート14はテンプレート・チャック(図示せず)に結合されてよく、テンプレート・チャック(図示せず)は、真空式チャックおよび電磁式チャックを含む任意のチャックであるがこれらには限定されない。流体分配システム22は、基板12の上にモノマー材料24を堆積するように、基板12と流体伝達して選択的に配置されるように結合される。モノマー材料24は、例えば、滴下分配、スピンコーティング、浸漬コーティング、化学気相蒸着法(CVD)、物理気相蒸着法(PVD)など任意の既知の技法を用いて堆積され得ることを理解されたい。モノマー材料24は、紫外線(UV)露光で重合される。
【0015】
エネルギー28のソース26が結合されて、エネルギー28を経路30に沿って方向づける。インプリント・ヘッド20およびステージ10は、それぞれモールド16および基板12を経路30に整列させ、重ねて配設するように構成される。インプリント・ヘッド20、ステージ10の一方または両方は、モールド16と基板12の間の距離を変化させ、その間に所望の容積を画定するが、そこはモノマー材料24で充填される。
【0016】
例示的ソース26は、紫外線エネルギーを生成してよい。熱式、電磁式、その他など、他のエネルギー源が使用されてよい。モノマー材料24の重合を開始するために使用されるエネルギーの選択は当業者に既知であり、一般に、所望の特定用途次第である。
【0017】
図1を参照すると、一般に、モールド16と基板12の間に所望の容積が画定される前に、基板12上にモノマー材料24が配設される。しかし、所望の容積が得られた後に、この容積をモノマー材料24で充填してよい。所望の容積がモノマー材料24で充填された後、ソース26はエネルギー28(例えば、モノマー材料24を凝固させかつ/または架橋して基板12の表面25の形状に順応させ、かつ表面18をパターニングする広帯域エネルギー)を生成する。
【0018】
広帯域エネルギーは、紫外線波長、熱エネルギー、電磁エネルギー、可視光線その他を含んでよいがこれらには限定されない化学線の成分を含み得る。用いられる化学線の成分は当業者に既知であり、一般に、インプリント層12を形成する材料次第である。このプロセスの制御は、ステージ10、インプリント・ヘッド20、流体分配システム22、ソース26とデータ通信し、メモリ34に保存されたコンピュータ読取り可能なプログラムによって動作するプロセッサ32によって管理される。
【0019】
前述のものは、インプリント・リソグラフィ・プロセスならびに「Formation of Discontinuous Films During an Imprint Lithography Process 」という名称の米国特許第6,932,934号(引用文献4)、米国特許出願第10/194,991号として出願された「Step and Repeat Imprint Lithography Processes」という名称の米国特許出願公開第2004/0124566号(引用文献5)、米国特許出願第10/396,615号として出願された「Positive Tone Bi−Layer Imprint Lithography Method」という名称の米国特許出願公開第2004/0188381号(引用文献6)、および米国特許出願10/432,642として出願された「Method of Forming Stepped Structures Employing Imprint Lithography」という名称の米国特許出願公開第2004/0211754号(引用文献7)で参照されたシステムにさらに使用されてよく、これらのすべてが参照によって本明細書に組み込まれる。
【0020】
その目的のために、材料中にパターンを形成するためのリソグラフィ技法は、一般に「アディティブ」または「サブトラクティブ」と位置付けられる。サブトラクティブ法は、一般に、材料の最上部にレジストをパターニングし、次いで、エッチング処理中にレジストをマスクとして使用することにより動作する。レジストは、エッチング・プロセス中に材料を保護するものであり、したがって、レジスト・パターンは下にある材料へ転写される。次いで、レジストは除去されてよい。サブトラクティブ法では、しばしば高度に調整され異方性のリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)プロセスが必要となる。
【0021】
図2A〜図2Cを参照すると、アディティブ・プロセスは、一般にRIEエッチング・プロセスを用いない。最も広く用いられる「アディティブ」技法は、「リフトオフ・パターニング」と称され、これは、レジスト50を結像し、次いでレジスト・パターン50にわたって材料52を堆積することを伴う。したがって、材料52aは、基板112上でレジストが存在しない領域に直接堆積される。材料52bもレジスト50の最上部に堆積される。この余分な材料52bは、下にあるレジスト50を液体(通常有機溶剤)中で溶解して、上に重なる材料52bを液体溶液中に「リフトオフ」することにより除去される。図2Cに示されるように、リフトオフ・プロセスは、レジスト・パターンの「陰画の色調」の像を用いて堆積された材料52aにパターニングする。
【0022】
図3A〜図3Bを参照すると、リフトオフ・パターニング・プロセスを実行するとき、材料52が高い指向性で堆積される(通常は真空蒸着による)のが好ましい。これによって、レジスト側壁56をコーティングするのと対照的に、材料52aが、主として下にある基板112上およびレジスト・フィーチャの最上部上に堆積することを確かにする。レジスト・フィーチャの側壁上への材料52bの蒸着が、いくつかの問題をもたらすことがある。まず、図2A〜図2Cに関して前述したように、堆積された材料は、リフトオフ溶解プロセスの間に液体がレジスト50へ達するのを妨げる連続した層を形成することがある。材料52bは、液体溶液中へ材料52bが放出されるのを抑止し得る物理的テザーももたらす。レジスト側壁56上に堆積された材料52bは、リフトオフ・プロセスの後に残存する可能性もより高く、不規則なパターニングまたは望ましくない残留物が生じる。
【0023】
レジスト側壁56上に材料52bが堆積するのを防がないにしても最小化する手法の1つに、レジスト・パターン50にリエントラント型プロファイルを組み込むことがある。堆積された材料52が不連続のフィルムを形成するように、レジスト側壁56のリエントラント部分は「影で覆われる」。したがって、基板112上の材料52aは、リフトオフされることになる材料52bに結合されない。リエントラント型プロファイルは、多層のレジスト、レジスト組成物を変更する化学物質表面処理、およびレジスト表面の優先的露光を用いることにより形成された。しかし、リエントラント型レジスト・プロファイルを組み込むのは困難なことがある。非常に小さなフィーチャが必要なとき、あるいはインプリントによってレジスト・パターンを形成するとき、リエントラント型プロファイルを形成するのは困難である。
【0024】
図3Aをさらに参照すると、示されたプロファイルは、当分野で周知の電子ビーム・リソグラフィを用いたプロセスによって形成されてよい。一実施形態では、レジスト50は、スピンコーティングおよび焼付けによって基板112上にコーティングされた電子ビーム・レジストである。基板は、シリコン、融解石英または他の材料を含んでよく、1つまたは複数のコーティングを含んでよい。この実施形態では、導電性を与えるために、融解石英ウェーハの最上面上にタンタルの層が5nmの厚さにコーティングされる。レジスト50は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ZEP520A(日本ゼオン株式会社)または他の電子ビーム・レジスト材料でよい。レジスト50のフィルムの厚さは、10nmから150nmの範囲でよい。所望のパターンに対応するレジスト50の選択された領域は、微細に合焦された電子ビームにさらされる。レジスト材料50は、溶剤溶液中に基板を浸漬することにより成長される。PMMAを成長させるためのプロセスの1つに、70%のイソプロピルアルコールと30%の水の溶液中に0℃で60秒間浸漬するのに続いて窒素の下で乾燥させるものがある。ZEP520Aレジストを成長させるためのプロセスの1つに、酢酸アミル中に0℃で60秒間浸漬するのに続いてイソプロピルアルコールで洗い落とし、窒素の下で乾燥させるものがある。この処理に続いて、図3Aに示されたものに類似のレジスト・プロファイルが形成される。基板の現在の露出面からレジスト残渣を除去するのに、短い「ディスカム」のリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)プロセスが用いられてよい。ディスカムは、成長後のプラズマ動作として定義され、遮蔽物がない領域からレジストを完全に除去することを確かにする。1つのディスカム・プロセスは、50ボルト〜200ボルトのDC(直流)バイアスで、アルゴン(75%〜100%)と酸素(0〜25%)の気体供給混合物を用いて、5ミリトルから50ミリトルの圧力で、0〜60秒間処理することを含む。
【0025】
図4A〜図4Cを参照すると、これの寄与は、リエントラント型プロファイルを生成しないレジスト処理と互換性のある高度なリフトオフ法を説明している。まず、基板112上にレジスト・パターン50を形成する。このレジスト・パターン50は、傾斜した側壁56を有してよい。指向性の堆積技法(例えば真空蒸着)によって、レジスト・パターン50の最上部に材料52を堆積する。指向性の蒸着によって、レジスト側壁56上の材料52bが、基板112上に直接堆積された材料52aより薄いことが確かになる。次いで、露出した材料52がすべて同様の割合でエッチングされるように、堆積された材料52は、実質的に等方性のエッチング・プロセスでエッチングされる。これは、レジスト側壁56上に堆積された材料52bの除去につながる。等方性のエッチングは、基板112上に堆積された材料52aもエッチングするが、この材料52aはより厚いので、側壁材料52bが実質的に除去された後に材料52aが残ることになる。(等方性エッチングも、実質的にレジスト材料を減らすかエッチングするように調整されてよい。例えば放射線誘導のレジスト損傷またはRIEが利用されてよく、レジスト材料を減らし、したがってリフトオフをさらに助長する。)RIEプロセスは、フィーチャの側壁またはレジストの最上面から材料が除去される速度より遅く基板表面から材料を除去するように調整されてもよい。図2A〜図2Cに関して前述したように、等方性エッチングの後に、レジスト50は液体で除去されるが、液体は攪拌および/または超音波処理によってじょう乱されてよい。レジスト・パターン50上に配置された余分な材料52aは溶液中へリフトオフされ、また、基板上に残る材料52aは、図4Cに示されるように、元のレジスト・パターン50の陰画の色調の像である。
【0026】
図3Bおよび図4Aを参照すると、異方性の堆積向けの方法の1つに、高真空システムにおける電子ビーム蒸着がある。このプロセスは、0.1nm/秒から0.5nm/秒の割合でCr(クロム)金属を3nmから20nm堆積する。
【0027】
図4Bを参照すると、等方性エッチング向けのプロセスの1つは、15ボルトから150ボルトのDC(直流)のバイアスで、塩素(60%〜80%)と酸素(20%〜40%)の気体供給混合物を用いて、50ミリトルから150ミリトルの圧力で、30秒〜120秒間RIEエッチングすることを含む。
【0028】
図4Cを参照すると、リフトオフ処理向けのプロセスの1つは、レジスト材料を急速に溶解すると知られている溶剤中に基板を浸漬することを含む。PMMAについては、そのような溶剤の1つはジクロルメタンである。ZEP520A向け溶剤の1つにジメチルアセトアミドがある。リフトオフ・プロセスは、リフトオフ中にレジスト表面から放出された粒子が基板上に堆積しないように、基板を逆向きにして実行してよい。一実装形態では、このプロセスは超音波浴で実行され、リフトオフ・プロセスを容易にする。
【0029】
図5A〜図5Cを参照すると、さらなる実施形態が示されている。まず、基板112上にレジスト・パターン50を形成する。レジスト・パターン50は、傾斜した側壁56を有してよい。レジスト・パターン50の最上部に材料52が堆積される。その上、側壁56上の材料52bは、基板112上に直接配置された材料52aより薄くなくてよい。次に、例えば実質的に平面状の最上面66をもたらすスピンコーティングによって、コーティング65が塗布される。平坦化コーティング65は、面66とレジスト・フィーチャ50の最上部の間で画定された厚さを有し、これはレジスト・フィーチャ50間で画定された厚さより薄い。エッチバック・ステップは、レジスト・フィーチャ50の最上部上からコーティング65の一部分を除去するが、コーティング65のかなりの厚さはレジスト・フィーチャ50の間に残る。ウエットまたはドライ/プラズマ・エッチングの例では、次いで、レジスト・フィーチャ50の最上部上に堆積された材料52を除去するためにエッチング・ステップが用いられてよく、このことは下にあるレジスト・パターン50を露出させる。次いで、レジスト50は除去されてよい(すなわち溶剤中の溶解または化学的エッチングによって)基板上に残っている材料67は、元のレジスト・パターン50の陰画の色調の像である。この手法の利点の1つに、溶剤リフトオフ・プロセスより欠陥生成の傾向が非常に低いプロセスで異物が除去されることがある。
【0030】
前述の本発明の実施形態は例示的なものである。本発明の範囲内にありながら、上記に列挙された開示に対して多くの変形形態および変更形態を作製することができる。したがって、本発明の範囲は、上記の説明によって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲をそれらの完全な等価物とともに参照して決定されるべきである。
【符号の説明】
【0031】
13 入力/出力ユニット; 20 インプリント・ヘッド;
22 流体分配システム; 26 ソース; 32 プロセッサ;
34 メモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面上に材料のパターンを形成するためのプロセスであって、
前記材料のパターンの像に対応するようにパターニングされたレジスト材料上に前記材料を異方的に堆積するステップと、
前記材料を等方的にエッチングして、前記レジスト・パターンの側壁上の前記材料の厚さを除去する一方、前記レジスト・パターンの最上面上の前記材料および前記基板の前記表面の部分を残すステップと、
溶解によって前記レジスト・パターンを除去し、それによって、前記レジスト・パターンの前記最上面上の前記材料をリフトオフする一方、前記基板表面上の前記材料の厚さを前記材料のパターンとして残すステップとを含むプロセス。
【請求項2】
前記レジスト・パターンの前記最上面上の材料および前記基板の前記表面上の前記材料が、前記レジスト・パターンの前記側壁上の前記材料より厚い請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記材料の前記等方性エッチングが、前記レジスト材料を実質的に減らすように調整される請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
放射線誘導のレジスト損傷またはリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)を用いて前記レジスト材料を減らし、前記材料のリフトオフを助長する請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記基板の領域にわたってレジスト材料を堆積するステップと、
エネルギー源に対して前記レジスト材料を露光して、前記レジスト材料の選択された部分を前記材料のパターンとして画定するステップと、
前記レジスト材料の前記選択された部分を除去して前記材料のパターンの前記像を形成するステップとをさらに含む請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
基板の表面上に第1の材料のパターンを形成するためのプロセスであって、
前記材料のパターンの像に対応するようにパターニングされたレジスト材料上に前記第1の材料を堆積するステップと、
前記第1の材料上に第2の材料を堆積することにより、前記第1の材料によって覆われた前記レジスト・パターン中のあらゆるフィーチャくぼみを充填するステップと、
前記第2の材料を平坦化して、平坦化されたコーティングを形成するステップと、
前記第2の材料をエッチングして前記レジスト・パターンの最上面および側壁から前記平坦化されたコーティングを除去する一方、前記基板の前記表面上に前記第1の材料上の前記第2の材料の厚さを残すステップと、
前記レジスト・パターンを溶解によって除去し、前記基板の前記表面上に前記第2の材料がある状態で前記第1の材料を残すことによって、前記第1の材料のパターンを形成するステップとを含むプロセス。
【請求項7】
前記レジスト・パターンの前記最上面上の前記第2の材料が、前記第1の材料のパターンのフィーチャを画定する前記レジスト・パターンのくぼみ中の前記材料より薄い請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記第2の材料の前記エッチングが、前記レジスト材料を実質的に減らすように調整される請求項6に記載のプロセス。
【請求項9】
放射線誘導のレジスト損傷またはリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)を用いて前記レジスト材料を減らし、前記レジスト材料の除去を助長する請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記第1の材料の前記堆積が異方性である請求項6に記載のプロセス。
【請求項11】
基板の領域にわたってレジスト材料を堆積するステップと、
エネルギー源に対して前記レジスト材料を露光して、前記レジスト材料の選択された部分を前記材料のパターンとして画定するステップと、
前記レジスト材料の前記選択された部分を除去して前記材料のパターンの前記像を形成するステップとをさらに含む請求項6に記載のプロセス。
【請求項12】
前記第2の材料がスピンコーティング・プロセスを用いて堆積される請求項6に記載のプロセス。
【請求項13】
前記第2の材料がインプリント・プロセスによって堆積される請求項6に記載のプロセス。
【請求項14】
基板の表面上に材料のパターンを形成するためのシステムであって、
前記材料のパターンの像に対応するようにパターニングされたレジスト材料上に前記材料を異方的に塗布するための堆積ツールと、
前記材料を等方的にエッチングして、前記レジスト・パターンの側壁上の前記材料の厚さを除去する一方、前記レジスト・パターンの最上面上の前記材料および前記基板の前記表面の部分を残すためのエッチング・ツールと、
前記レジスト・パターンの前記最上面上の前記材料をリフトオフする一方、前記基板表面上の前記材料の厚さを前記材料のパターンとして残す、前記レジスト・パターンを除去するための溶解ツールとを備えるシステム。
【請求項15】
前記レジスト・パターンの前記最上面上の材料および前記基板の前記表面上の前記材料が、前記レジスト・パターンの前記側壁上の前記材料より厚い請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記材料の前記等方性エッチングが、前記レジスト材料を実質的に減らすように調整される請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
放射線誘導のレジスト損傷またはリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)を用いて前記レジスト材料を減らし、前記材料のリフトオフを助長する請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記基板の領域にわたってレジスト材料を堆積するための堆積ツールと、
エネルギー源に対して前記レジスト材料を露光して、前記レジスト材料の選択された部分を前記材料のパターンとして画定するための露光ツールと、
前記レジスト材料の前記選択された部分を除去して前記材料のパターンの前記像を形成するための除去ツールとをさらに備える請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
基板の表面上に第1の材料のパターンを形成するためのシステムであって、
前記材料のパターンの像に対応するようにパターニングされたレジスト材料上に前記第1の材料を堆積するための第1の堆積ツールと、
前記第1の材料上に第2の材料を堆積することにより、前記第1の材料によって覆われた前記レジスト・パターン中のあらゆるフィーチャくぼみを充填するための第2の堆積ツールと、
前記第2の材料を平坦化して、平坦化されたコーティングを形成するための平坦化ツールと、
前記第2の材料をエッチングして前記レジスト・パターンの最上面および側壁から前記平坦化されたコーティングを除去する一方、前記基板の前記表面上に前記第1の材料上の前記第2の材料の厚さを残すためのエッチング・ツールと、
前記レジスト・パターンを溶解によって除去し、前記基板の前記表面上に前記第2の材料がある状態で前記第1の材料を残すことによって、前記第1の材料のパターンを形成するための除去ツールとを備えるシステム。
【請求項20】
前記レジスト・パターンの前記最上面上の前記第2の材料が、前記第1の材料のパターンのフィーチャを画定する前記レジスト・パターンのくぼみ中の前記材料より薄い請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第2の材料の前記エッチングが、前記レジスト材料を実質的に減らすように調整される請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
放射線誘導のレジスト損傷またはリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)を用いて前記レジスト材料を減らし、前記レジスト材料の除去を助長する請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1の材料の前記堆積が異方性である請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
基板の領域にわたってレジスト材料を堆積するためのツールと、
エネルギー源に対して前記レジスト材料を露光して、前記レジスト材料の選択された部分を前記材料のパターンとして画定するための露光ツールと、
前記レジスト材料の前記選択された部分を除去して前記材料のパターンの前記像を形成するための除去ツールとをさらに備える請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記第2の堆積ツールがインプリント装置であり、前記平坦化ツールが平坦なテンプレートである請求項19に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【公表番号】特表2010−503993(P2010−503993A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528345(P2009−528345)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/020234
【国際公開番号】WO2008/097278
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(503193362)モレキュラー・インプリンツ・インコーポレーテッド (94)
【Fターム(参考)】