説明

リフレクタの位置調整装置と検査方法及び検査装置

【課題】より一層高精度にリフレクタの位置合わせを行なうことができるリフレクタの位置調整装置と検査方法及び検査装置を提供すること。
【解決手段】レーザー発信器30におけるレーザー光の発光口31を通りスクリーン部材300に略垂直な直線を回転軸TAとして、レーザー発信器30を回転方向に等間隔である3点以上で一時的に固定してスクリーン部材300に対して略垂直にレーザー光を照射し、スクリーン部材300におけるレーザー発信器30からのレーザー光が照射された3点以上のスポットの中心に、レーザー発信器30からのレーザー光が照射されるように発信器位置調整部材20にてレーザー発信器30におけるレーザー光の照射方向を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダ装置の検査を行うためのリフレクタの位置を調整する位置調整装置、リフレクタの位置調整を行なってレーダ装置の検査を行う検査方法及び検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被測定体と測定体とを高精度に位置合わせする一例として、特許文献1に示す電波暗室があった。
【0003】
特許文献1に示される電波暗室は、被測定アンテナを設置するターンテーブルと、被測定アンテナと対向するように被測定アンテナから離間する位置に設置された測定用アンテナとを備え、ターンテーブルの中心を通るレーザー光を照射する光照射機器を設け、その光照射機器からの光点を基準に被測定アンテナを設置するものである。
【特許文献1】特開2007−33254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、自動車に設けられるレーダ装置を検査する場合、例えば電波暗箱内において、レーダ装置とレーダ装置からの電磁波を反射するリフレクタとを正対配置するものである。このとき、レーダ装置は、載置台に固定された状態でリフレクタと正対する。通常、レーダ装置を検査する場合、載置台に固定するレーダ装置を取り換えて行うものである。したがって、レーダ装置が載置台に固定された段階でリフレクタと正対するように、載置台とリフレクタとを位置決めする。
【0005】
載置台とリフレクタとを位置決めする場合、例えば、特許文献1に示される技術のように、レーザー光を照射する光照射機器(レーザーポインタ)を用いて行うことが考えられる。ところが、レーザーポインタを用いて載置台とリフレクタとを位置決めする場合、位置決め精度がレーザーポインタの精度(±0.1度)によって決まってしまう。したがって、±0.1度以上の高精度な設置ひいては検査が不可能となる場合がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、より一層高精度にリフレクタの位置合わせを行なうことができるリフレクタの位置調整装置と検査方法及び検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載のリフレクタの位置調整装置は、固定台に固定されたレーダ装置に対向配置され、レーダ装置からの電磁波を反射するリフレクタの位置を調整するものであって、地面に対して略垂直な面を有するスクリーン部材と、スクリーン部材と対向配置されるものであり、スクリーン部材に対して略垂直にレーザー光を照射する発光部と、発光部におけるレーザー光の発光口を通りスクリーン部材に略垂直な直線を回転軸として回転する発光部を回転方向に等間隔である3点以上で一時的に固定する固定部材と、スクリーン部材における発光部からのレーザー光が照射された3点以上のスポットの中心に、発光部からのレーザー光が照射されるように発光部におけるレーザー光の照射方向を調整する発光部位置調整手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
このように、地面に対して略垂直な面を有するスクリーン部材に対して、発光口を通りスクリーン部材に略垂直な直線を回転軸として回転する発光部を回転方向に等間隔である3点以上で一時的に固定すると、この固定された位置で発光部から照射されたレーザー光のスクリーン部材上の照射点(3点以上)は、発光部がずれていない場合の照射点を中心とする円上の点となる。つまり、位置調整装置における地面に対して垂直な基準面に対して直角にレーザー光を照射した場合の照射点を中心とする円上の点となる。
【0009】
したがって、発光部からのレーザー光がスクリーン部材上の照射点(3点以上)の中心に照射されるように、発光部におけるレーザー光の照射方向を調整することによって、発光部のずれをなくすことができる。このレーザー光は、リフレクタの位置を調整する際の基準となる光である。よって、このようにずれのない発光部を有する位置調整装置を用いてリフレクタの位置を調整することによって、より一層高精度にリフレクタの位置合わせを行なうことができる。
【0010】
また、上記目的を達成するために請求項2に記載の検査方法は、固定台に固定されたレーダ装置とレーダ装置からの電磁波を反射するリフレクタとを用いて、レーダ装置から電磁波を照射し、リフレクタにて反射した電磁波を受信することによってレーダ装置の検査を行うための検査方法であって、リフレクタの位置を調整するための位置調整装置の発光部から地面に対して略垂直に設けられたスクリーン部材に対して略垂直にレーザー光を照射する工程であって、発光部におけるレーザー光の発光口を通りスクリーン部材に略垂直な直線を回転軸として発光部を回転させて、回転方向に等間隔に3点以上で発光部を一時的に固定して発光部からレーザー光を照射する回転照射工程と、スクリーン部材における発光部からのレーザー光が照射された3点以上のスポットの中心に、発光部からのレーザー光が照射されるように発光部におけるレーザー光の照射方向を調整する発光部調整工程と、発光部調整工程にて調整された位置調整装置を固定台に載置することによってリフレクタと対向配置し、発光部からのレーザー光に基づいてリフレクタの位置を調整するリフレクタ調整工程とを備えることを特徴とするものである。
【0011】
このように、地面に対して略垂直な面を有するスクリーン部材に対して、発光口を通りスクリーン部材に略垂直な直線を回転軸として回転する発光部を回転方向に等間隔である3点以上で一時的に固定すると、この固定された位置で発光部から照射されたレーザー光のスクリーン部材上の照射点(3点以上)は、発光部がずれていない場合の照射点を中心とする円上の点となる。つまり、位置調整装置における地面に対して垂直な基準面に対して直角にレーザー光を照射した場合の照射点を中心とする円上の点となる。
【0012】
したがって、発光部からのレーザー光がスクリーン部材上の照射点(3点以上)の中心に照射されるように、発光部におけるレーザー光の照射方向を調整することによって、発光部のずれをなくすことができる。このレーザー光は、リフレクタの位置を調整する際の基準となる光である。よって、このように調整された位置調整装置を固定台に載置することによってリフレクタと対向配置し、発光部からのレーザー光に基づいてリフレクタの位置を調整することによって、より一層高精度にリフレクタの位置合わせを行なうことができる。
【0013】
また、位置調整装置を用いてリフレクタの位置を調整する場合、請求項3に示すように、リフレクタの中心にミラーを取り付けるミラー取付工程を備えるものであり、リフレクタ調整工程では、ミラー取付工程後のリフレクタに対してレーザー光を照射して、ミラーにて反射したレーザー光が所定の範囲内に当たるようにリフレクタの位置を調整するようにしてもよい。
【0014】
このようにすることによって、ミラーにて反射したレーザー光が所定の範囲内に当たるようにするだけで、簡単にリフレクタの位置合わせを行なうことができる。
【0015】
また、このようにミラーを用いる場合、レーザー光のスポット径に対してミラーの面積がばらつくと位置合わせ精度もばらついてしまう。そこで、請求項4に示すように、リフレクタ調整工程においては、ミラーとして、レーザー光のスポット径と略同じ大きさミラーを用いるようにすると位置合わせ精度のばらつきを抑制できるので好ましい。
【0016】
また、請求項5に示すように、固定台に固定されたレーダ装置とリフレクタとは、側壁面が電波吸収体で覆われた電波暗箱内に配置されるものであり、固定台に固定されたレーダ装置を自動で電波暗箱内に搬送する自動搬送工程を備えるようにしてもよい。
【0017】
このようにすることによって、作業者の工数を低減できるので好ましい。
【0018】
また、請求項6に示すように、固定台に固定されたレーダ装置に対して電源供給用のコネクタを自動で抜き挿しする自動電源接続工程を備えるようにしてもよい。
【0019】
このようにすることによって、作業者の工数を低減できるので好ましい。
【0020】
また、上記目的を達成するために請求項7に記載の計測装置は、固定台に固定されたレーダ装置とレーダ装置からの電磁波を反射するリフレクタとを用いて、レーダ装置から電磁波を照射し、リフレクタにて反射した電磁波を受信することによってレーダ装置の検査を行う検査装置であって、地面に対して略垂直な面を有するスクリーン部材と、スクリーン部材と対向配置されるものであり、スクリーン部材に対して略垂直にレーザー光を照射する発光部と、発光部におけるレーザー光の発光口を通りスクリーン部材に略垂直な直線を回転軸として回転する発光部を回転方向に等間隔である3点以上で一時的に固定する固定部材と、スクリーン部材における発光部からのレーザー光が照射された3点以上のスポットの中心に、発光部からのレーザー光が照射されるように発光部におけるレーザー光の照射方向を調整する調整手段とを含む発光部位置調整手段を用いて、リフレクタの位置を調整するリフレクタ位置調整手段を備えることを特徴とするものである。
【0021】
このように、地面に対して略垂直な面を有するスクリーン部材に対して、発光口を通りスクリーン部材に略垂直な直線を回転軸として回転する発光部を回転方向に等間隔である3点以上で一時的に固定すると、この固定された位置で発光部から照射されたレーザー光のスクリーン部材上の照射点(3点以上)は、発光部がずれていない場合の照射点を中心とする円上の点となる。つまり、位置調整装置における地面に対して垂直な基準面に対して直角にレーザー光を照射した場合の照射点を中心とする円上の点となる。
【0022】
したがって、発光部からのレーザー光がスクリーン部材上の照射点(3点以上)の中心に照射されるように、発光部におけるレーザー光の照射方向を調整することによって、発光部のずれをなくすことができる。このレーザー光は、リフレクタの位置を調整する際の基準となる光である。よって、リフレクタは、このように調整された位置調整装置で位置調整されるので、より一層高精度に位置合わせされる。つまり、リフレクタの芯だしができる。
【0023】
また、請求項8に示すように、リフレクタの中心に取り付けられるミラーを供え、リフレクタ位置調整手段は、発光部から照射され、ミラーにて反射したレーザー光が所定の範囲内に当たるようにリフレクタの位置を調整するようにしてもよい。
【0024】
このようにすることによって、ミラーにて反射したレーザー光が所定の範囲内に当たるようにするだけで、簡単にリフレクタの位置合わせを行なうことができる。
【0025】
また、このようにミラーを用いる場合、レーザー光のスポット径に対してミラーの面積がばらつくと位置合わせ精度もばらついてしまう。そこで、請求項9に示すように、ミラーとして、レーザー光のスポット径と略同じ大きさミラーを用いるようにすると位置合わせ精度のばらつきを抑制できる検査装置とすることができるので好ましい。
【0026】
また、請求項10に示すように、固定台に固定されたレーダ装置とリフレクタとは、側壁面が電波吸収体で覆われた電波暗箱内に配置されるものであり、固定台に固定されたレーダ装置を自動で電波暗箱内に搬送する自動搬送手段を備えるようにしてもよい。
【0027】
このようにすることによって、作業者の工数を低減できる検査装置とすることができるのでの好ましい。
【0028】
また、請求項11に示すように、固定台に固定されたレーダ装置に対して電源供給用のコネクタを自動で抜き挿しする自動電源接続手段を備えるようにしてもよい。
【0029】
このようにすることによって、作業者の工数を低減できる検査装置とすることができるのでの好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態に検査装置を図に基づいて説明する。
【0031】
本実施の形態における検査装置は、自動車に搭載されるレーダ装置W(例えば、ミリ波レーダ装置)の検査に用いられるものである。後ほど詳しく説明するが、検査装置は、固定台700に固定されたレーダ装置Wとレーダ装置Wからの電磁波を反射するリフレクタ410とを用いて、レーダ装置Wから電磁波を照射し、リフレクタ410にて反射した電磁波を受信することによってレーダ装置の検査を行うものである。また、本実施の形態における検査装置は、位置調整装置を用いてリフレクタ410の位置合わせを行なうものである。
【0032】
まず、図1〜図4に基づいて、リフレクタ410の位置を調整する位置調整装置100に関して説明する。図1は、本発明の実施の形態における位置調整装置100の概略構成を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態における校正用ステーの概略構成を示す斜視図である。図3(a)〜(e)は、本発明の実施の形態における位置調整装置100の照射方向の調整処理を示す工程別の斜視図である。図4は、本発明の実施の形態における位置調整装置100の的部材50の概略構成を示す斜視図である。
【0033】
位置調整装置100は、リフレクタ410の位置を調整(位置合わせ)するための基準となるレーザー光を照射するものである。位置調整装置100は、レーザー発信器30が発するレーザー光が真っ直ぐ(位置調整装置100における地面に対して垂直な基準面に対して直角)に照射できるようにレーザー発信器30の位置が調整(校正)される。なお、リフレクタ410は、後ほど詳しく説明するが、レーダ装置Wの検査に用いられるものであり、固定台に固定されたレーダ装置Wに対向配置され、レーダ装置Wからの電磁波を反射するものである。
【0034】
図1に示すように、位置調整装置100は、略平坦な取り付けプレート10における一方の表面(地面に対して垂直な基準面)の略中央に、取り付けプレート10に対して略直角に発信器位置調整部材(発光部位置調整手段)20が設けられている。そして、この発信器位置調整部材20の先端(取り付けプレート10との接続面とは反対の面)には、レーザー発信器(発光部)30が発信器固定具40によって固定されている。
【0035】
取り付けプレート10は、レーザー発信器(発光部)30におけるレーザー光の発光口31を通り地面に対して略垂直な面を有するスクリーン部材300に略垂直な直線を回転軸TAとして、レーザー発信器(発光部)30を一方向の回転方向に等間隔である3点以上(本実施の形態では4点)で一時的に固定するための固定用穴11〜14と、等間隔とするための基準となる位置基準ボルト15を備える。
【0036】
これに対して、取り付けプレート10が取り付けられる校正用ステー200は、例えば、図2に示すように、台210と、台210から略垂直に設けられた固定部220と、固定部220に設けられた位置調整装置100の発信器位置調整部材20とレーザー発信器30とを通す調整部材挿入孔240とを含む。また、校正用ステー200の固定部220には、位置調整装置100の固定用穴11〜14に対応する固定用突起221〜228と、位置基準ボルト15に対応する位置基準穴231〜234とが設けられる。位置基準穴231〜234は、調整部材挿入孔240の中心に対して90度ずつずれた位置に設けられる。つまり、位置基準穴231は3時の方向、位置基準穴232は12時の方向、位置基準穴233は6時の方向、位置基準穴234は9時の方向に設けられる。
【0037】
発信器位置調整部材20は、レーザー発信器30の位置(レーザー光の照射方向)を左右上下方向(XY方向)に調整するためのX−Yステージ21と、角度方向に調整するための角度調整ステージ24とを備える。X−Yステージ21は、レーザー発信器30を左右上下方向に動かすための調整つまみ22,23を備える。角度調整ステージ24は、レーザー発信器30を角度方向に動かすための調整つまみ25,26を備える。
【0038】
レーザー発信器30は、半導体レーザーチップなどを含み、発光口31からレーザー光を照射する。ただし、レーザー発信器30は、レーザー光の照射方向にばらつきがある場合ある。つまり、レーザー光が真っ直ぐ(位置調整装置100における地面に対して垂直な基準面に対して直角)に照射されない場合がある。
【0039】
ここで、本実施の形態における位置調整装置100におけるレーザー発信器30の位置の調整(校正)に関して説明する。これは、位置調整装置100と地面に対して略垂直な面を有するスクリーン部材300とを対向配置する。そして、レーザー発信器30におけるレーザー光の発光口31を通りスクリーン部材300に略垂直な直線を回転軸TAとして、レーザー発信器30を回転方向に90度毎に一時的に固定してレーザー発信器30からレーザー光を照射させる。このとき、スクリーン部材300上におけるレーザー光のスポット(4つ)をマークしておく。そして、4つのマークの中心にレーザー発信器30からレーザー光が照射されるように、発信器位置調整部材20のX−Yステージ21及び/又は角度調整ステージ24にてレーザー発信器30の位置(レーザー光の照射方向)を調整する。
【0040】
具体的には、まず、図3(a)に示すように、位置調整装置100とスクリーン部材300とを対向配置させ、3時方向にレーザー発信器30からレーザー光を照射する。そして、スクリーン部材300上のレーザー光が照射されているスポットP1にマーク(例えば、けがくなどして)をする。このとき、位置調整装置100は、位置基準ボルト15を位置基準穴231に挿入して、固定用穴11に固定用突起222、固定用穴12に固定用突起221、固定用穴13に固定用突起226、固定用穴14に固定用突起225が挿入されて校正用ステー200に固定する。なお、校正用ステー200は、基準面(例えば、固定部220の表面)がスクリーン部材300と正対するように作業台に万力などで固定しておく。
【0041】
次に、図3(b)に示すように、回転軸TAを中心に位置調整装置100を回転させて、6時方向にレーザー発信器30からレーザー光を照射する。そして、スクリーン部材300上のレーザー光が照射されているスポットP2にマーク(例えば、けがくなどして)をする。このとき、位置調整装置100は、位置基準ボルト15を位置基準穴234に挿入して、固定用穴11に固定用突起228、固定用穴12に固定用突起227、固定用穴13に固定用突起224、固定用穴14に固定用突起223が挿入されて校正用ステー200に固定する。
【0042】
次に、図3(c)に示すように、回転軸TAを中心に位置調整装置100を回転させて、9時方向にレーザー発信器30からレーザー光を照射する。そして、スクリーン部材300上のレーザー光が照射されているスポットP3にマーク(例えば、けがくなどして)をする。このとき、位置調整装置100は、位置基準ボルト15を位置基準穴233に挿入して、固定用穴11に固定用突起226、固定用穴12に固定用突起225、固定用穴13に固定用突起222、固定用穴14に固定用突起221が挿入されて校正用ステー200に固定する。
【0043】
次に、図3(d)に示すように、回転軸TAを中心に位置調整装置100を回転させて、12時方向にレーザー発信器30からレーザー光を照射する。そして、スクリーン部材300上のレーザー光が照射されているスポットP4にマーク(例えば、けがくなどして)をする。このとき、位置調整装置100は、位置基準ボルト15を位置基準穴232に挿入して、固定用穴11に固定用突起224、固定用穴12に固定用突起223、固定用穴13に固定用突起228、固定用穴14に固定用突起227が挿入されて校正用ステー200に固定する。
【0044】
そして、このように4つのスポットP1〜P4のマークが終了すると、図3(e)に示すように、P1〜P4の中心にレーザー発信器30からのレーザー光が照射されるように、発信器位置調整部材20のX−Yステージ21及び/又は角度調整ステージ24にてレーザー発信器30の位置(レーザー光の照射方向)を調整する。これで、位置調整装置100におけるレーザー発信器30の位置の調整(校正)は終了する。
【0045】
このように、地面に対して略垂直な面を有するスクリーン部材300に対して、発光口31を通りスクリーン部材300に略垂直な直線を回転軸TAとして回転するレーザー発信器30を回転方向に等間隔である3点以上で一時的に固定すると、この固定された位置でレーザー発信器30から照射されたレーザー光のスクリーン部材300上の照射点(3点以上)は、レーザー発信器30がずれていない場合の照射点を中心とする円上の点となる。つまり、位置調整装置100における地面に対して垂直な基準面に対して直角にレーザー光を照射した場合の照射点を中心とする円上の点となる。
【0046】
したがって、レーザー発信器30からのレーザー光がスクリーン部材300上の照射点(3点以上)の中心に照射されるように、レーザー発信器30におけるレーザー光の照射方向を調整することによって、レーザー発信器30のずれをなくすことができる。
【0047】
なお、確認のために、12時〜9時のスポットを再度マークし、そのずれ量を測定するようにしてもよい。±校正後のレーザー発信器30のずれ角度θ°は、arcTAN(マークのずれ量(mm)/位置調整装置100からスクリーン部材300の距離(mm))×1/2である。
【0048】
また、本実施の形態においては、3時方向、6時方向、9時方向、12時方向の順番でレーザー光を照射したが本件はこれに限定されるものではない。また、3時方向、6時方向、9時方向、12時方向の4つ方向にレーザー光を照射したが本件はこれに限定されるものではない。つまり、本発明においては、レーザー発信器30におけるレーザー光の発光口31を通りスクリーン部材300に略垂直な直線を回転軸TAとして、レーザー発信器30を回転方向に等間隔である3点以上にレーザー光を照射すれば目的は達成できるものである。
【0049】
また、位置調整装置100は、リフレクタ410の位置を調整する際の基準となるレーザー光を照射するものである。そして、後ほど説明するように、リフレクタ410の位置を調整する場合は、位置調整装置100からのレーザー光がリフレクタ410(ミラー540)にて反射してきた位置に応じて行なう。そこで、図4に示すように、レーザー発信器30の前面(レーザー光の照射方向)に、発信口31から照射されたレーザー光が通るレーザー光発信穴51を備え、リフレクタ410(ミラー540)にて反射してきたレーザー光が照射され、リフレクタ410の位置を調整する際の目安となるものでありレーザー光発信穴51を中心とする複数の円からなる的52を備えた的部材50を設けるようにしてもよい。
【0050】
次に、図5〜図8に基づいて、上述のような位置調整装置100を用いて位置合わせをするリフレクタ410に関して説明する。
【0051】
図5は、本発明の実施の形態におけるリフレクタ装置400の概略構成を示す斜視図である。図6は、本発明の実施の形態におけるミラー治具500の概略構成を示す斜視図である。図7は、本発明の実施の形態におけるミラー治具500をリフレクタ410に取り付けた場合の概略構成を示す斜視図である。図8は、本発明の実施の形態におけるミラー治具500とリフレクタ410との位置決めを説明するための平面である。
【0052】
リフレクタ装置400は、レーダ装置Wからの電磁波を反射するものであり、例えば三反射面が角錐形状に凹んだ形状をなすリフレクタ410と、リフレクタ410の角度を調整する角度調整ステージ420、リフレクタ410の左右の位置を調整する(調整ステージの)左右調整ボルト430、リフレクタ410、角度調整ステージ420、左右調整ボルト430などを支持する足部441〜443と、足部441〜443の長さを調整することによってリフレクタ410の高さを調整する上下調整ボルト451〜453などを備える。
【0053】
このリフレクタ410の位置を調整する際には、上述の位置調整装置100から発せられたレーザー光をリフレクタ410に照射して、その反射したレーザー光が照射する位置に応じて行なうものである。しかしながら、レーダ装置Wの検査に用いられるリフレクタ410は、電磁波を反射するものであり、レーザー光を反射するには適しないものがある。
【0054】
そこで、本実施の形態においては、図6に示すような、ミラー治具500をリフレクタ装置400に搭載して、リフレクタ410の位置を調整する。図6に示すように、ミラー治具500は、中央にミラー540を有し(中央の穴にミラー540がセットされている)、リフレクタ410の三辺に対応して設けられるクランプ部材510〜530を備えるものである。そして、ミラー治具500は、図7に示すように、リフレクタ410の反射面側にクランプ部材510〜530によって取り付けられる。例えば、図8に示すように、リフレクタ410の2辺を基準面(基準面410a,410b)として、鉛直方向に対して、ミラー治具500を紙面右下に寄せて、3つのクランプ位置510a〜530cでクランプする。なお、ミラー治具500は、リフレクタ410に取り付けた際に、リフレクタ410の中心にミラー540が配置されるように設計されている。
【0055】
このようにすることによって、ミラー540にて反射したレーザー光が所定の範囲内に当たるようにするだけで、簡単にリフレクタ410の位置合わせを行なうことができる。
【0056】
また、レーザー光のスポット径に対してミラー540の面積がばらつくと、リフレクタ410の位置合わせ精度もばらついてしまう。そこで、ミラー540の径とレーザー光のスポット径とを略同じ大きさとする(例えば、Φ4〜Φ6)。
【0057】
例えば、レーザー発信器30として、レーザー光の広がり角度が0.0687°を用いた場合を考える。レーザー発信器30から5000mm離れた位置でのスポット径は、tan0.0687×5000=5.99となる。したがって、ミラー540の径はΦ6とする。
【0058】
なお、このとき、ミラー540の面積自体をスポット径と略同じにしてもよいし、ミラー治具500の穴の径をスポット径と略同じにすることによってミラー540が露出する面積がスポット径と略同じになるようにしてもよい。
【0059】
このようにすることによって、リフレクタ410の位置合わせ精度のばらつきを抑制できるので好ましい。
【0060】
次に、図9〜図10に基づいて、上述のような位置調整装置100を用いて位置合わせしたリフレクタ410を用いる検査装置に関して説明する。
【0061】
図9は、本発明の実施の形態における電波暗箱600の概略構成を示す上面から見た断面図である。図10は、本発明の実施の形態における電波暗箱600の概略構成を示す側面から見た断面図である。
【0062】
検査装置は、固定台700に固定されたレーダ装置Wとレーダ装置Wからの電磁波を反射するリフレクタ410とを用いて、レーダ装置Wから電磁波を照射し、リフレクタ410にて反射した電磁波を受信することによってレーダ装置Wの検査を行うものである。
そして、電波暗箱600、左右調整ボルト430、角度調整ステージ420、左右調整ボルト430、上下調整ボルト451〜453(リフレクタ位置調整手段)、位置調整装置100で位置合わせされるリフレクタ410(リフレクタ装置400)、レーダ装置Wを固定する固定台700などを備えるものである。
【0063】
レーダ装置Wの検査は、図9、図10に示すように、電波暗箱600の内部で行なわれる。電波暗箱600は、一つの面がレーダ装置Wなどを挿入するために開口しており(挿入孔660)、他の面(底面610、側面620、側面630、奥面640、上面(天井)650)には、電波吸収体670が設けられている。
【0064】
また、この電波暗箱600は、内部の奥面640側にリフレクタ410が配置されるようにリフレクタ装置400が設けられると共に、内部の挿入孔660側にレーダ装置W及び位置調整装置100を固定する固定台700が設けられる。なお、このようにリフレクタ410は、電波暗箱600の内部に設けられるものであるため、位置調整もこの電波暗箱600内で行われる。
【0065】
固定台700は、ガイド710と、ガイド710に移動可能な状態で設置される台座720などを含む。レーダ装置W及び位置調整装置100は、台座720に載置されて、固定部材(図示省略)にて固定される。そして、レーダ装置W及び位置調整装置100は、台座720に固定された状態で所定の位置まで搬送される。所定の位置とは、レーダ装置Wの検査を行なう位置である(例えば、リフレクタ410からの5mの位置)。
【0066】
ここで、このような検査装置にてレーダ装置Wを検査する検査方向に関して説明する。
【0067】
まず、リフレクタ410の位置を調整するリフレクタ調整工程を実施する。台座720に位置調整装置100を固定して、台座720をガイド710に沿って移動させて、レーダ装置Wの検査を行なう位置に配置する。このとき、位置調整装置100はリフレクタ410と対向するように配置する。
【0068】
そして、位置調整装置100のレーザー発信器30からリフレクタ410に設けたミラー540に対してレーザー光を照射する。ミラー540に照射されたレーザー光は、反射してレーザー発信器30側に照射される。そして、反射したレーザー光が的部材50に照射される位置によって、リフレクタ410のずれを把握することができる。したがって、反射したレーザー光が的52の略中心に照射されるように、左右調整ボルト430、角度調整ステージ420、左右調整ボルト430、上下調整ボルト451〜453を用いてリフレクタ410の位置を調整する(位置合わせする)。
【0069】
このように、リフレクタ410の位置合わせを行なった後は、台座720にレーダ装置Wを固定して、台座720をガイド710に沿って移動させて、検査を行なう位置に配置する。このとき、レーダ装置Wはリフレクタ410と対向するように配置する。そして、レーダ装置Wから電磁波を照射してリフレクタ410にて反射した電磁波を受信することによって行う。
【0070】
このように、リフレクタ410は、上述のようにして調整された位置調整装置100で位置調整されるので、より一層高精度に位置合わせされる。つまり、リフレクタ410の芯だしができる。
【0071】
なお、反射してきたレーザー光(的52に照射されたスポット)は、広がって外形がぼやけていることが多く、位置ずれ寸法を明確に測定することが困難である。そこで、位置ずれ寸法をセンター間最大ズレで代用してもよい。センター間最大ズレは、((的52に照射されたスポット径)―(レーザー光発信穴51の径))/2(mm)である。そして、位置合わせ完了後のリフレクタ410のずれ量を測定するようにしてもよい。リフレクタ410のずれ角度θ2°は、arcTAN(センター間最大ズレ(mm)/(2×(位置調整装置100からリフレクタ410の距離(mm)))である。
【0072】
(変形例1)
また、変形例1として、レーダ装置Wを電波暗箱600内に配置したり、電波暗箱600から取り出したりする作業を自動で行なうようにしてもよい。図11は、変形例1における自動搬送装置の概略構成を示す平面図である。図12は、変形例1における自動搬送装置の概略構成を示す側面図である。図13は、変形例1における自動搬送装置の概略構成を示す正面図である。
【0073】
図11〜図13に示すように、変形例1における自動搬送装置(自動搬送手段)700aは、ガイド710a、台座720a、固定部材721a、電動シリンダー730などを備える。ガイド710aは、電波暗箱600の挿入孔660付近に、電波暗箱600の内部と外側に渡って設けられる。台座720aは、ガイド710aに移動可能な状態で配置され、上部にレーダ装置Wを固定する固定部材721aを備える。また、台座720aは、電動シリンダー730によって駆動されて、ガイド710aに沿って電波暗箱600の外側から内側の間を移動する。なお、電動シリンダー730は、例えば、有線もしくは無線で制御装置(例えば、パソコンなど)と電気的に接続されており、制御装置からの制御信号に応じて動作するようにする。
【0074】
この自動搬送装置700を用いてレーダ装置Wを検査する場合について説明する。
【0075】
まず、電動シリンダー730を動作させて、電波暗箱600の外側に台座720aを移動させる。このとき、台座720aが電波暗箱600の外側にある場合は、電動シリンダー730を動作させる必要はない。
【0076】
次に、電波暗箱600の外側にある台座720aの固定部材721aにレーダ装置Wを固定する。次に、電動シリンダー730を動作させて、レーダ装置Wが固定された台座720aを電波暗箱600の内側の所定位置まで移動させる(自動搬送工程)。換言すると、台座720aに固定されたレーダ装置Wを自動で電波暗箱600内に搬送する。このとき、台座720aは、レーダ装置Wとリフレクタ410との間隔で決定される位置で停止するようにする。これは、ガイド710aの長さで停止位置を設定してもよいし、制御装置からの制御信号、つまり電動シリンダー730の駆動量(台座720aを移動させる量)で設定してもよい。
【0077】
そして、レーダ装置Wの検査が終わると、電動シリンダー730を動作させて、レーダ装置Wが固定された台座720aを電波暗箱600の外側まで移動させる。
【0078】
このように、レーダ装置Wを電波暗箱600内に配置したり、電波暗箱600から取り出したりする作業を自動で行なうようにすることによって、作業者の工数を低減できるので好ましい。
【0079】
(変形例2)
また、変形例2として、レーダ装置Wへの電源供給用のコネクタの抜き差しする作業を自動で行なうようにしてもよい。図14は、変形例2における自動電源接続装置の概略構成を示す側面図である。
【0080】
図14に示すように、変形例2における自動電源接続装置(自動電源接続手段)800は、ガイド810、電動シリンダー820、支持ピン830、コネクタホルダ840、コネクタ850、フローティング用バネ860などを備える。
【0081】
ガイド810は、固定台700に設けられるものであり、固定台700(台座720)の固定部材に固定されたレーダ装置Wの位置付近に設けられるものである。つまり、ガイド810は、固定部材に固定されたレーダ装置Wに対して、本体部870が地面に対して平行に移動してレーダ装置WのコネクタW1にコネクタ850を取り付けたり、コネク850をレーダ装置WのコネクタW1から取り外したりできるような位置に配置し、このように本体部870が移動できる長さがあれば充分である。
【0082】
本体部870は、レーダ装置WのコネクタW1と電気的に接続するコネクタ850などを備えるものであり、電動シリンダー820を介してガイド810に移動可能な状態で配置される。また、本体部870は、コネクタ850を保持するコネクタホルダ840が支持ピン830を中心にフローティング用バネ860でフローティング状態となるように設けられる。なお、電動シリンダー820は、例えば、有線もしくは無線で制御装置(例えば、パソコンなど)と電気的に接続されており、制御装置からの制御信号に応じて動作するようにする。
【0083】
レーダ装置WのコネクタW1は、組み付け精度により角度ばらつきが生じることがある。しかしながら、変形例2においては、上述のようにコネクタ850をフローティング状態とすることによって、レーダ装置WのコネクタW1の角度ばらつきを吸収することができる。
【0084】
この自動電源接続装置800を用いてレーダ装置Wを検査する場合について説明する。
【0085】
まず、レーダ装置Wの検査を開始する際に、電動シリンダー820を動作させて、固定台700(台座720)の固定部材に固定されたレーダ装置W(コネクタW1)のところまで本体部870を移動させる。このように本体部870を移動させることによって、レーダ装置WのコネクタW1にコネクタ850を取り付ける(自動電源接続工程)。そして、レーダ装置Wの検査が終了すると、電動シリンダー820を動作させて、固定台700(台座720)の固定部材に固定されたレーダ装置W(コネクタW1)から本体部870を検査開始時とは反対方向に移動させる。このように本体部870を移動させることによって、レーダ装置WのコネクタW1からコネクタ850を取り外す(自動電源接続工程)。
【0086】
このように、レーダ装置Wへの電源供給用のコネクタ850の抜き差しする作業を自動で行なうようにすることによって、作業者の工数を低減できるので好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施の形態における位置調整装置100の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態における校正用ステーの概略構成を示す斜視図である。
【図3】(a)〜(e)は、本発明の実施の形態における位置調整装置100の照射方向の調整処理を示す工程別の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態における位置調整装置100の的部材50の概略構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるリフレクタ装置400の概略構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるミラー治具500の概略構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるミラー治具500をリフレクタ410に取り付けた場合の概略構成を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態におけるミラー治具500とリフレクタ410との位置決めを説明するための平面である。
【図9】本発明の実施の形態における検査装置600の概略構成を示す上面から見た断面図である。
【図10】本発明の実施の形態における検査装置600の概略構成を示す側面から見た断面図である。
【図11】変形例1における自動搬送装置の概略構成を示す平面図である。
【図12】変形例1における自動搬送装置の概略構成を示す側面図である。
【図13】変形例1における自動搬送装置の概略構成を示す正面図である。
【図14】変形例2における自動電源接続装置の概略構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0088】
10 取り付けプレート、11〜14 固定用穴、15 位置基準ボルト、20 発信器位置調整部材(発光部位置調整手段)、21 X−Yステージ、22,23 調整つまみ、24 角度調整ステージ、25,26 調整つまみ、30 レーザー発信器、31 発信口、40 発信器固定具、50 的部材、51 レーザー光発信穴、52 的、100 位置調整装置、200 校正用ステー、210 台、220 固定部、221〜228 固定用突起、231〜234 位置基準穴、240 調整部材挿入孔、300 スクリーン部材、400 リフレクタ装置、410 リフレクタ、420 角度調整ステージ、430 左右調整ボルト、441〜443 足部、451〜453 上下調整ボルト、410a,410b 基準面、500 ミラー治具、510〜530 クランプ部材、540 ミラー、510a〜530c クランプ位置、600 電波暗箱、610 底面、620 側面、630 側面、640 奥面、650 上面(天井)、660 挿入孔、670 電波吸収体、700 固定台、710 ガイド、720 台座、700a 自動搬送装置(自動搬送手段)、710a ガイド、720a 台座、721a 固定部材、730 電動シリンダー、800 自動電源接続装置(自動電源接続手段)、810 ガイド、820 電動シリンダー、830 支持ピン、840 コネクタホルダ、850 コネクタ、860 フローティング用バネ、870 本体部、TA 回転軸、P1〜P4 スポット、PC 中心スポット、W レーダ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定台に固定されたレーダ装置に対向配置され、当該レーダ装置からの電磁波を反射するリフレクタの位置を調整するリフレクタの位置調整装置であって、
地面に対して略垂直な面を有するスクリーン部材と、
前記スクリーン部材と対向配置されるものであり、当該スクリーン部材に対して略垂直にレーザー光を照射する発光部と、
前記発光部におけるレーザー光の発光口を通り前記スクリーン部材に略垂直な直線を回転軸として回転する前記発光部を回転方向に等間隔である3点以上で一時的に固定する固定部材と、
前記スクリーン部材における前記発光部からのレーザー光が照射された3点以上のスポットの中心に、前記発光部からのレーザー光が照射されるように前記発光部におけるレーザー光の照射方向を調整する発光部位置調整手段と、
を備えることを特徴とするリフレクタの位置調整装置。
【請求項2】
固定台に固定されたレーダ装置と当該レーダ装置からの電磁波を反射するリフレクタとを用いて、前記レーダ装置から電磁波を照射し、前記リフレクタにて反射した電磁波を受信することによって前記レーダ装置の検査を行うための検査方法であって、
前記リフレクタの位置を調整するための位置調整装置の発光部から地面に対して略垂直に設けられたスクリーン部材に対して略垂直にレーザー光を照射する工程であって、
前記発光部におけるレーザー光の発光口を通り前記スクリーン部材に略垂直な直線を回転軸として前記発光部を回転させて、回転方向に等間隔に3点以上で前記発光部を一時的に固定して当該発光部からレーザー光を照射する回転照射工程と、
前記スクリーン部材における前記発光部からのレーザー光が照射された3点以上のスポットの中心に、前記発光部からのレーザー光が照射されるように前記発光部におけるレーザー光の照射方向を調整する発光部調整工程と、
前記発光部調整工程にて調整された前記位置調整装置を前記固定台に載置することによって前記リフレクタと対向配置し、前記発光部からのレーザー光に基づいて前記リフレクタの位置を調整するリフレクタ調整工程と、
を備えることを特徴とする検査方法。
【請求項3】
前記リフレクタの中心にミラーを取り付けるミラー取付工程を備えるものであり、前記リフレクタ調整工程では、前記ミラー取付工程後の前記リフレクタに対してレーザー光を照射して、前記ミラーにて反射したレーザー光が所定の範囲内に当たるように前記リフレクタの位置を調整することを特徴とする請求項2に記載の検査方法。
【請求項4】
前記リフレクタ調整工程においては、前記ミラーとして、前記レーザー光のスポット径と略同じ大きさミラーを用いることを特徴とする請求項3に記載の検査方法。
【請求項5】
前記固定台に固定されたレーダ装置と前記リフレクタとは、側壁面が電波吸収体で覆われた電波暗箱内に配置されるものであり、
前記固定台に固定されたレーダ装置を自動で前記電波暗箱内に搬送する自動搬送工程を備えることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の検査方法。
【請求項6】
前記固定台に固定された前記レーダ装置に対して電源供給用のコネクタを自動で抜き挿しする自動電源接続工程を備えることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の検査方法。
【請求項7】
固定台に固定されたレーダ装置と当該レーダ装置からの電磁波を反射するリフレクタとを用いて、前記レーダ装置から電磁波を照射し、前記リフレクタにて反射した電磁波を受信することによって前記レーダ装置の検査を行う検査装置であって、
地面に対して略垂直な面を有するスクリーン部材と、
前記スクリーン部材と対向配置されるものであり、当該スクリーン部材に対して略垂直にレーザー光を照射する発光部と、
前記発光部におけるレーザー光の発光口を通り前記スクリーン部材に略垂直な直線を回転軸として回転する前記発光部を回転方向に等間隔である3点以上で一時的に固定する固定部材と、
前記スクリーン部材における前記発光部からのレーザー光が照射された3点以上のスポットの中心に、前記発光部からのレーザー光が照射されるように前記発光部におけるレーザー光の照射方向を調整する調整手段とを含む発光部位置調整手段を用いて、
前記リフレクタの位置を調整するリフレクタ位置調整手段を備えることを特徴とする検査装置。
【請求項8】
前記リフレクタの中心に取り付けられるミラーを供え、前記リフレクタ位置調整手段は、前記発光部から照射され、前記ミラーにて反射したレーザー光が所定の範囲内に当たるように前記リフレクタの位置を調整することを特徴とする請求項7に記載の検査装置。
【請求項9】
前記ミラーは、前記レーザー光のスポット径と略同じ大きさであることを特徴とする請求項8に記載の検査装置。
【請求項10】
前記固定台に固定されたレーダ装置と前記リフレクタとは、側壁面が電波吸収体で覆われた電波暗箱内に配置されるものであり、
前記固定台に固定されたレーダ装置を自動で前記電波暗箱内に搬送する自動搬送手段を備えることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項11】
前記固定台に固定された前記レーダ装置に対して電源供給用のコネクタを自動で抜き挿しする自動電源接続手段を備えることを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれか一項に記載の検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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