説明

リベット打ち装置

本発明のリベット打ち装置は、熱気を供給する熱気管と;中空の管状を成し、前記熱気管の下側に結合される連結管と;下面の縁部と中央部が下側に突出し、その間は上側に凹形に形成され、中央と側面に排出孔が形成され、前記連結管の下側に結合され、前記連結管を通じて伝達される熱気を排出孔を通じて排出して下側の突起を加熱成形するツールと;前記熱気管または連結管に結合され、前記ツールを上下に移動させる移動部と;前記ツールの周囲を取り囲み、ツールの側面に形成された排出孔を通じて排出される熱気が突起側に向かうようにするガイドと;を含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリベット打ち装置に係り、より詳しくはツールの軸方向及び放射状に形成された排出孔を通じて高温の空気を排出して突起を溶かした後、ツールが下降して突起に圧力を加えて成形し、ツールの上側に連結された連結管に冷却用空気を供給してツールの温度を下げて、ツールに接触した突起を冷却させるリベット打ち装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車内装材のように、多数のプラスチック素材を積層して結合する場合、一素材の縁部に多数の貫通孔を形成し、前記貫通孔に結合する相手素材の突起を挿入した後、前記突起をリベット打ちで成形する方法を使用することになる。
【0003】
前記自動車内装材の場合、前記突起を合成樹脂で製作するので、金属材の突起とは異なり、まず合成樹脂を溶かした後、ツールで圧力を加えて成形し、ついで突起を冷却させて作業を完了することになる。
【0004】
このようなリベット打ち作業のために、従来は、図1に示すように、突起1を成形するツール14の上側に電熱線が内蔵されたヒーター12を設けることで、電源が供給されれば、前記ヒーター12がツール14を加熱して温度を上昇させる装置が開発されている。
【0005】
前記装置はツール14そのものを加熱するので、ツール14を加熱した後、ツール14を下降させることにより、突起1の加熱と成形を同時に行うようにする。
【0006】
ところで、前記のように、ツール14を使用して突起1を溶かすように構成された装置は、構造が簡単で装置の製作費用が安くかかる点では有利であるが、加熱と加圧が同時に行われるため、まったく溶けなかった状態で圧力が加わるので、突起1の成形が完全になされなく、素材2に前記圧力が伝達されて素材2が潰れるか白化が生じることから、完成製品の品質が落ちるという欠点がある。
【0007】
また、冷却の際、ツールの温度が徐々に落ちるので、作業時間が長くかかるという問題点がある。
【0008】
前記のようにツールを直接加熱する方式の代わりに、図2の(a)のように、突起1の周囲に熱気を供給して突起1を溶かした後、ツール24が下降して成形する装置が開発された。
【0009】
前記装置は、素材と突起が所定位置に至ると、まず図2の(b)に示すように、熱気を供給する熱気供給部22が下降して突起の周囲を取り囲む状態で突起1の周囲に熱気を供給することになり、一定時間が経った後、図2の(c)に示すように、前記熱気供給部22は上昇し、ツール24が結合されたパンチが下降して突起を成形し、さらに冷気を供給して冷却させるように構成される。
【0010】
前記のように熱気を使用すれば、突起1が溶けた後、ツール24を下降させて成形することができるので、図1に示すように、加熱と成形が同時に行われるものに比べ、高品質のリベット打ちの結果を得ることができる。
【0011】
しかし、前記のような装置は、熱気供給部22を昇降させる駆動部とツールを下降させる駆動部を別に備えなければならないので、構造が複雑で装置が高価のものになり、熱気供給部を下降させて加熱した後、さらに熱気供給部を上昇させた後にパンチ作業が行われるので、作業時間が長くかかるという問題点がある。
【0012】
さらに他のリベット打ち装置としては、図3に示すように、ドイツのKIEFEL社で開発したものが知られている。
【0013】
前記装置は、図3に示すように、ツールの上側にヒーター32を設け、前記ヒーター32とツール34の周囲を取り囲んだ後、空気を供給し、前記ヒーター32によって加熱された高温の空気を突起1に供給して突起1を溶かした後、前記ツール34が下降して成形するようにしたものである。
【0014】
前記装置は構造が簡単で熱気を使用して突起を成形するので、品質を向上させることができるという利点がある。
【0015】
しかし、ツールとヒーターを取り囲む部分のサイズを増加させるのに限界があるので、内部に設置されるヒーターのサイズが制限され、加熱可能な空気量が限定されるので、突起を溶かすための時間が長くかかることになる。特に、突起の外周面にだけ熱気を供給するので、内側まで溶かすのに長時間がかかる。また、冷却の際、ツールとヒーターを一緒に冷却させなければならないので、冷却時間も長くかかり、反対に加熱の際には、ツールとヒーターを再び加熱しなければならないので、エネルギー損失が大きくて作業時間が長くかかるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明は前記の問題点を解決するためになされたもので、リベット打ち作業の品質が高くてエネルギー効率が良く、さらに作業時間が短縮して生産効率の高いリベット打ち装置を提供するにその目的がある。
【0017】
また、本発明は、構造が簡単で低費用で製作が容易であるリベット打ち装置を提供することに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するために、本発明の一面によれば、合成樹脂突起を加熱及び加圧によって成形して多数の板材を結合させるリベット打ち装置において、熱気を供給する熱気管と;中空の管状を成し、前記熱気管の下側に結合される連結管と;下面の縁部と中央部が下側に突出し、その間は上側に凹形に形成され、中央と側面に排出孔が形成され、前記連結管の下側に結合され、前記連結管を通じて伝達される熱気を排出孔を通じて排出して下側の突起を加熱成形するツールと;前記熱気管または連結管に結合され、前記ツールを上下に移動させる移動部と;前記ツールの周囲を取り囲み、ツールの側面に形成された排出孔を通じて排出される熱気が突起側に向かうようにするガイドと;を含んでなる、リベット打ち装置が提供される。
【0019】
本発明の他の面によれば、前記連結管は外周面に多数の冷却用ピンを備えることができる。
【0020】
本発明のさらに他の面によれば、前記ガイドは、下側末端に多数の溝が形成されて、突起を加熱した熱気が外部に排出されるようにすることができる。
【0021】
本発明のさらに他の面によれば、前記ガイドは、冷気が供給される冷気管が連結されて、突起の成形後に冷気がツールと連結管を冷却することができる。
【0022】
本発明のさらに他の面によれば、前記ガイドは、上側が連結管を取り囲み、前記連結管に沿って上下動可能に設置され、スプリングが結合され、ツールの下降の際に前記スプリングの弾性力によって板材を押しつけることができる。
【0023】
本発明のさらに他の面によれば、前記ガイドは、外周面に下側末端より下側に突出した一つ以上のストリッパーが結合されて、ガイドの末端が直接素材の表面に接しないようにすることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、前述したように、熱気を受け、ツールに形成された排出孔を通じて突起を加熱した後に加圧することになるので、リベット打ち作業の品質が優秀で、エネルギー効率が高く、加熱時間と冷却時間が短縮して生産性が向上されるという効果がある。
【0025】
また、構造が簡単で装置の製作が容易であるので、経済的であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は従来のリベット打ち装置のツールと素材を示す断面図である。
【図2】図2は他の従来のリベット打ち装置の作動状態を示す断面図である。
【図3】はさらに他の従来のリベット打ち装置の断面図である。
【図4】は本発明のリベット打ち装置のツール部分を示す断面図である。
【図5】は本発明のリベット打ち装置のガイドの正面図である。
【図6】は本発明のリベット打ち装置で突起を加熱する状態を示す断面図である。
【図7】図7は突起の成形状態を示す断面図である。
【図8】図8は突起の成形状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例によるリベット打ち装置について詳細に説明する。
【0028】
図4は本発明の実施例によるリベット打ち装置のツール300及び前記ツール300の上部を示す断面図である。
【0029】
図4を参照すれば、本発明のリベット打ち装置は、大別して熱気管200、連結管100、ツール300、移動部、及びガイド500を含んでなる。
【0030】
まず、熱気管200について説明する。前記熱気管200は中空の管状を成して、上側から供給される熱気が下側に移動するようにする通路となる。
【0031】
前記連結管100は中空の管状を成し、前記熱気管200の下側末端に結合されて、前記熱気管200を通じて供給される熱気が下側に移動するようにする通路となる。
【0032】
この際、熱伝逹性能を一層高めるために、前記連結管100はアルミニウムなどの熱伝導率の高い金属材で製作される。
【0033】
つぎに、ツール300について説明する。前記ツール300は前記連結管100の下側末端に結合され、平たい円盤状を成し、中央は上下に貫通されて外周面には周囲に沿って前記中央の貫通部と連通する多数の貫通孔が形成されて排出孔310をなすことになる。
【0034】
前記のように、前記連結管100を通じて供給された熱気はツール300の下部中央と外周面に形成された排出孔310を通じて排出される。
【0035】
前記ツール300は、図4に示すように、下面の縁部と中央部が下側に突出し、その間は上側に凹んでいるので、突起1の成形の際、突起1の上側が前記凹面に沿って外側に広がって成形されるようにする。
【0036】
前記ツール300は、容易な加熱及び冷却のために、熱伝導率の高い金属材でなることが好ましい。
【0037】
つぎに、移動部について説明する。前記移動部は前記熱気管200または連結管100に結合され、スプリング520の作用によって前記ツール300が上下に移動するようにする。本発明においては、図4に示すように、油圧シリンダー410と前記油圧シリンダー410の上下運動を前記熱気管200に伝達するための伝達板420を含んでなる。
【0038】
この際、前記のように伝達板420を使用する理由は、多数の突起1を一度に成形するために、装置の内部に前述した多数のツール300を備え、前記伝達板420を移動させて前記ツール300を同時に上下に移動させるためである。
【0039】
しかし、前記のように伝達板420を使用してツール300を昇降させる代わりに、油圧シリンダー410を直ちにツール300の上側連結管100や熱気管200に連結しても構わなく、前記油圧シリンダー410の代わりにエアシリンダー、カムなどを使用することもできる。
【0040】
つぎに、ガイド500について説明する。前記ガイド500は、前記ツール300を取り囲み、前記ツール300の排出孔310を通じて排出される熱気が突起1側に向かうようにする。このために、前記ガイド500は上側から下側にいくほど直径が徐々に減少するようにして、熱気が前記ガイド500にぶつかって突起1の周囲に向かうようになる。
【0041】
ここで、前記ガイド500は、一側に冷気が供給される冷気管530が連結されることにより、突起1を成形した後、ツール300を冷却させるための冷気を受けるようにする。この際、ガイド500の内部に冷気を供給して冷却させるとき、冷却時間を減らし、ツール300とともに連結管100の下部末端も急速に冷却させるために、前記連結管100の外周面下側には多数の冷却ピン110が設けられ、前記ガイド500が前記冷却ピン110も一緒に取り囲むように構成される。
【0042】
前記ガイド500の下側は、図5に示すように、下端に多数の溝540を形成して、前記突起1を加熱した熱気またはツール300を冷却させた冷気が外部に排出されるようにする。これは、突起1またはツール300に接触した熱気や冷気を外部に排出させることにより、上側から供給される熱気や冷気が続いて突起1に接触して速かに加熱させるか冷却させるようにするためのものである。
【0043】
そして、前記ガイド500は前記連結管100に上下動可能に結合され、その上側にスプリング520が結合されることにより、前記スプリング520の弾性によってツール300を完全に取り囲む形態に構成される。
【0044】
この際、前記ガイド500の末端には多数のストリッパー510が結合されて、ツール300の下降の際にガイド500の末端が素材2に直接接触しないようにする。
【0045】
前記のようにストリッパー510を使用する理由は、ガイド500が直接素材2に接する場合、ガイド500の熱によって前記ガイド500と接触する素材2が溶けてきずが発生するおそれがあるので、これを防止するためである。
【0046】
このために、前記ストリッパー510はガイド500の末端より下側に突出した棒状のもので、前記ツール300の下降の際に先に素材2に接してガイド500の下降を防止することになる。この際、ガイド500の下降が中止された状態でもツール300は続いて下降するので、前記スプリング520が圧縮されて弾性力を保有することになる。
【0047】
前記ストリッパー510は素材2に接すれば、スプリング520の弾性力によって素材2を押しつけて固定することになるので、成形の際に素材2が動かないようにする。
【0048】
その後、ツール300が上昇すれば、前記ツール300が一定距離を移動する間には、前記スプリング520の弾性力によって前記ガイド500は続いて停止状態を維持し、前記ツール300がさらに上昇すれば、前記ガイド500も一緒に上昇することになる。
【0049】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例によるリベット打ち装置の作用及び効果について説明する。
【0050】
図6は素材2を位置させた状態で加熱する状態を示す断面図、図7及び図8は加圧状態のツール300と突起1を示す断面図である。
【0051】
まず、図6に示すように、ツール300を突起1の上側に位置させた状態で熱気を供給することになる。熱気管200と連結管100を通過した熱気はツール300の排出孔310を通じて中央及び周囲に排出される。この際、中央を通じて排出された熱気は突起1の内側を加熱し、周囲に排出された熱気はガイド500にぶつかって突起1の外周面を加熱してから外部に排出される。
【0052】
一定時間のうち加熱が行われた後、前記移動部が駆動されて前記ツール300が下降すれば、前記ツール300は突起1の上側に接し、さらに突起1を加圧すれば、前記突起1の上側はツール300の下面に形成された凹面に沿って外側に広がって図7及び図8に示すような形状に徐々に成形される。
【0053】
この際、前記ツール300が下降するうち、にともに下降するガイド500はストリッパー510が素材2に接すれば下降が中止され、ツール300がさらに下降することにより、スプリング520が圧縮されて弾性力を蓄積することになる。
【0054】
その後、ツール300が完全に下降して成形を完了すれば、熱気の供給が中断され、前記ガイド500の一側に形成された冷気管530を通じて冷気が供給されて連結管100の冷却ピン110とツール300に接触することで連結管100及びツール300を冷却させることになり、これによりツール300に接触している突起1が冷却される。
【0055】
ついで、冷却が完了すれば、冷気の供給を中断した後、ツール300が上昇し、ツール300が一定距離以上に上昇すれば、ガイド500がツール300とともに上昇することになる。
【0056】
ツール300がまったく上昇すれば、リベット打ちを完了した素材2を装置から取り除き、新しい素材2を投入して再びリベット打ち作業を行うことになる。
【符号の説明】
【0057】
1:突起
2:素材
12:ヒーター
14:ツール
22:熱気供給部
24:ツール
32:ヒーター
34:ツール
100:連結管
110:冷却ピン
200:熱気管
300:ツール
310:排出管
410:油圧シリンダー
420:伝達板
500:ガイド
510:ストリッパー
520:スプリング
530:冷気管
540:溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂突起を加熱及び加圧によって成形して多数の板材を結合させるリベット打ち装置において、
熱気を供給する熱気管と;
中空の管状を成し、前記熱気管の下側に結合される連結管と;
下面の縁部と中央部が下側に突出し、その間は上側に凹形に形成され、中央と側面に排出孔が形成され、前記連結管の下側に結合され、前記連結管を通じて伝達される熱気を排出孔を通じて排出して下側の突起を加熱成形するツールと;
前記熱気管または連結管に結合され、前記ツールを上下に移動させる移動部と;
前記ツールの周囲を取り囲み、ツールの側面に形成された排出孔を通じて排出される熱気が突起側に向かうようにするガイドと;
を含んでなることを特徴とする、リベット打ち装置。
【請求項2】
前記連結管は外周面に多数の冷却用ピンを備えることを特徴とする、請求項1に記載のリベット打ち装置。
【請求項3】
前記ガイドは、下側末端に多数の溝が形成されて、突起を加熱した熱気が外部に排出されるようにすることを特徴とする、請求項1に記載のリベット打ち装置。
【請求項4】
前記ガイドは、冷気が供給される冷気管が連結されて、突起の成形後に冷気がツールと連結管を冷却することを特徴とする、請求項1に記載のリベット打ち装置。
【請求項5】
前記ガイドは、上側が連結管を取り囲み、前記連結管に沿って上下動可能に設置され、スプリングが結合され、ツールの下降の際に前記スプリングの弾性力によって板材を押しつけることを特徴とする、請求項1に記載のリベット打ち装置。
【請求項6】
前記ガイドは、外周面に下側末端より下側に突出した一つ以上のストリッパーが結合されて、ガイドの末端が直接素材の表面に接しないようにすることを特徴とする、請求項5に記載のリベット打ち装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−527292(P2010−527292A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507339(P2010−507339)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006511
【国際公開番号】WO2009/061123
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(509215662)ギュンヤン トルネット コーポレーション リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Gunyang Trunet Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】194−7,Gamjeon−dong,Sasang−gu,Busan−si
【Fターム(参考)】