説明

リベット締結用エアーツール

【課題】リベット締結用エアーツールに関し、リベットの供給用アクチュエータと打込用アクチュエータとを切換バルブを介して連動させることで、構造を簡便で且つ部品点数を減少することができ、小型化を可能にする。
【解決手段】ツール10には、リベット列を装填し、最前列のリベット20の脆弱部を引きちぎって装填位置に供給する供給用アクチュエータ180、打込用アクチュエータ100を備える。供給用アクチュエータ180に至るエアー供給路に切換バルブ120を設けている。リベット20の頭部を引く抜く方向に移動する際に、打込用アクチュエータ100により切換バルブ120を切り換え、供給用アクチュエータ180を復帰させるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リベット締結用エアーツールに関し、リベットの供給用アクチュエータと打込用アクチュエータとを切換バルブを介して連動させることで、構造を簡便で且つ部品点数を減少することができ、小型化を可能にしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、リベットの供給用アクチュエータの供給動作を空圧を利用し、その復帰動作をスプリングの作用を利用し、二系統で制御したリベット締結用ツールが知られている(例えば特許文献1の段落番号「0055」、段落番号「0058」、図1、図10参照)。
【特許文献1】特開平6-47475号公報(段落番号「0055」、段落番号「0058」、図1、図10参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記した従来のリベット締結用ツールでは、リベットの供給用アクチュエータの供給動作と復帰動作とを二系統で制御していたので、構造が複雑で、部品点数が多いという問題点があった。
【0004】
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を目的とする。
【0005】
すなわち、請求項1に記載の発明は、リベットの供給用アクチュエータと打込用アクチュエータとを切換バルブを介して連動させることで、構造を簡便で且つ部品点数を減少することができ、小型化を可能にすることができるようにしたものである。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0006】
すなわち、請求項2に記載の発明は、切換バルブの切換動作により、リベットの供給用アクチュエータを移送方向から反移送方向に復帰させることができるようにしたものである。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0007】
すなわち、請求項3に記載の発明は、リベットの打込用アクチュエータの全長の略中央に切換バルブを配置することで、一層の小型化を可能にすることができるようにしたものである。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0008】
すなわち、請求項4に記載の発明は、リベットの打込用アクチュエータの動作を利用して、残余のリベットを切断することができるようにしたものである。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0009】
すなわち、請求項5に記載の発明は、リベットの供給用アクチュエータの動作を利用して、残余のリベットを排出することができるようにしたものである。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0010】
すなわち、請求項6に記載の発明は、樹脂製のリベットに最適なリベット締結用エアーツールを提供することができるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
【0012】
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0014】
第1に、リベット(20)は、例えば図21〜24に示すように、次の構成から構成されている。
【0015】
(1)雌部材(70)
(2)雄部材(80)
第2に、雌部材(70)には、例えば図21〜25に示すように、次の構成を備える。
【0016】
(3)基部(71)
(4)脚部(72)
脚部(72)は、例えば図25に示すように、基部(71)から延設され、取付け相手(例えばパネルP)に設けられた取付穴(H)に挿入され、取付穴(H)の裏面側で屈曲することで拡径可能なものである。
【0017】
なお、取付け相手として、パネル(P)を例示したが、これに限定されない。
【0018】
(5)連通孔(73)
連通孔(73)は、例えば図23及び図24に示すように、基部(71)から脚部(72)に連通するものである。
【0019】
第3に、雄部材(80)には、例えば図21〜25に示すように、次の構成を備える。
【0020】
(6)頭部(81)
(7)軸部(82)
軸部(82)は、例えば図23〜25に示すように、頭部(81)から延設され、連通孔(73)内に引き抜き可能に挿入され、連通孔(73)内から引き抜く方向に移動させることにより、脚部(72)を拡開させるためのものである。
【0021】
第4に、例えば図21に示すように、脚部(72)を同一方向に向けて、隣り合う頭部(81)同士を脆弱部(83)を介して連結することで、複数個のリベット(20)を数珠繋ぎにつないだリベット列(60)とする。
【0022】
第5に、リベット締結用エアーツール(10)には、例えば図1に示すように、次の構成を備える。
【0023】
(8)供給用アクチュエータ(180)
供給用アクチュエータ(180)は、リベット列(60)を装填し、最前列のリベット(20)の脆弱部(83)を引きちぎって装填位置(A)に供給するものである。
【0024】
(9)打込用アクチュエータ(100)
打込用アクチュエータ(100)は、装填位置(A)に供給されたリベット(20)の頭部(81)を保持し、連通孔(73)内から引き抜く方向に移動させるためのものである。
【0025】
第6に、例えば図1に示すように、供給用アクチュエータ(180)に至るエアー供給路に切換バルブ(120)を設けている。
【0026】
第7に、例えば図14に示すように、リベット(20)の頭部(81)を引く抜く方向に移動する際に、打込用アクチュエータ(100)により切換バルブ(120)を切り換え、供給用アクチュエータ(180)を復帰させるようにしている。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0027】
すなわち、供給用アクチュエータ(180)は、常時は移送方向に付勢され、切換バルブ(120)の切換動作により、反移送方向に復帰させるようにしている。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0028】
すなわち、切換バルブ(120)は、図示しないが、打込用アクチュエータ(100)の全長の略中央に配置されている。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0029】
第1に、装填位置(A)には、例えば図4〜10に示すように、次の構成を設けている。
【0030】
(1)カッター装置(110)
カッター装置(110)は、開位置において互いに離れて対向し、対向間隔内に軸部(82)を挟み、閉位置において軸部(82)を切断して頭部(81)と切り離すものである。
【0031】
第2に、打込用アクチュエータ(100)には、例えば図1に示すように、次の構成を備える。
【0032】
(2)メインシリンダ(101)
(3)アウターピストン(102)
アウターピストン(102)は、メインシリンダ(101)内にスライド可能に収納されたものである。
【0033】
(4)インナーピストン(103)
インナーピストン(103)は、アウターピストン(102)内にスライド可能に収納されたものである。
【0034】
(5)メインシャフト(90)
メインシャフト(90)は、インナーピストン(103)に固定され、頭部(81)を保持するものである。
【0035】
(6)スライドカム(104)
スライドカム(104)は、アウターピストン(102)に連結され、カッター装置(110)を常時は開位置に保持し、アウターピストン(102)のスライドにより、カッター装置(110)を閉位置に移動させるためのものである。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0036】
すなわち、カッター装置(110)により切断されたリベット(20)の残部(21)を、図示しないが、供給用アクチュエータ(180)が、復帰後、最前列のリベット(20)の装填位置(A)に移送することにより、当該移送されたリベット(20)により、カッター装置(110)により切断されたリベット(20)の残部(21)を、装填位置(A)に連通する排出路に押し出すようにしている。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0037】
すなわち、リベット(20)は、樹脂製である。
【発明の効果】
【0038】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
請求項1に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
【0039】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、リベットの供給用アクチュエータと打込用アクチュエータとを切換バルブを介して連動させることで、構造を簡便で且つ部品点数を減少することができ、小型化を可能にすることができる。
(請求項2)
請求項2に記載の発明によれば、上記した請求項1に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0040】
すなわち、請求項2に記載の発明によれば、切換バルブの切換動作により、リベットの供給用アクチュエータを移送方向から反移送方向に復帰させることができる。
(請求項3)
請求項3に記載の発明によれば、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0041】
すなわち、請求項3に記載の発明によれば、リベットの打込用アクチュエータの全長の略中央に切換バルブを配置することで、一層の小型化を可能にすることができる。
(請求項4)
請求項4に記載の発明によれば、上記した請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0042】
すなわち、請求項4に記載の発明によれば、リベットの打込用アクチュエータの動作を利用して、残余のリベットを切断することができる。
(請求項5)
請求項5に記載の発明によれば、上記した請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0043】
すなわち、請求項5に記載の発明によれば、リベットの供給用アクチュエータの動作を利用して、残余のリベットを排出することができる。
(請求項6)
請求項6に記載の発明によれば、上記した請求項1〜5のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0044】
すなわち、請求項6に記載の発明によれば、樹脂製のリベットに最適なリベット締結用エアーツールを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
(図面の説明)
図1〜28は、本発明の実施の形態の一例をそれぞれ示すものである。
【0046】
図1は、エアーツールの空圧回路図、図2はエアーツールとリベット列との斜視図、図3はリベット列を装着した状態のエアーツールの斜視図、図4はリベットをカッター装置に装填した状態のエアーツールの斜視図、図5〜8はエアーツールの一部を拡大した斜視図、図9はエアーツールの一部縦断面図、図10はエアーツールを縦断とした一部斜視図、図11〜20は図1に対応し、各動作状態の空圧回路図をそれぞれ示すものである。
【0047】
図21〜26は、リベットを説明するためのものであり、図21はリベット列の一部正面図、図22はリベット列の側面図、図23はリベットの縦断面図、図24はリベットの他の縦断面図、図25はリベットの締結状態を説明するための正面図、図26はリベットの切断状態を説明するための正面図をそれぞれ示すものである。
【0048】
図27及び図28は回収ケースの着脱を説明するためのものであり、図27は回収ケースの取付前のエアーツールの斜視図、図28は回収ケースの取付後のエアーツールの斜視図をそれぞれ示すものである。
(リベット締結用エアーツール10)
図2〜4中、10は、リベット締結用エアーツールを示すものであり、このエアーツール10は、エアーを利用して、ブラインドタイプのリベット20を連続的に締結するためのものである。
【0049】
エアーツール10は、図2〜4に示すように、大別すると、次の構成を備える。
【0050】
(1)本体部30
本体部30は、前後に長い筒形を形成されている。
【0051】
(2)操作部40
操作部40は、本体部43の後方から下方に延び、エアーツール10の操作を行うためのものである。
【0052】
(3)供給部50
供給部50は、操作部40の前方に位置し、本体部30の装填位置Aにリベット20を1個ずつ連続的に供給するためのものである。
(工程の説明)
エアーツール10により、大別すると、次の工程が実行される。
【0053】
なお、エアーツール10の動作工程は、次の(1)〜(4)に限定されない。
【0054】
(1)リベット20の装填工程
供給部50から1個ずつ供給されたリベット20を装填位置Aで受け入れ、受け入れたリベット20を前進させて打込位置Bに保持するための工程である。
【0055】
(2)リベット20の締結工程
打込位置Bに保持されたリベット20を、図6に示すように、取付け相手であるパネルPに設けられた取付穴Hに合わせて挿入し、操作部40の操作をトリガーとして、リベット20を取付穴Hに対して締結するための工程である。
【0056】
なお、本実施の形態では、2枚のパネルにそれぞれ取付穴を設けておき、両パネルの重ね合わせてお互いの取付穴を整合させた状態で、リベット20を打ち込み、当該リベット20をかしめることで、両パネルを重合状態に固定している。もちろん、取付け相手として、パネルPを例示したが、これに限定されない。
【0057】
(3)リベット20の切断工程
締結のリベット20の残部21を、図26に示すように、切断するための工程である。
【0058】
(4)リベット20の排出工程
切断したリベット20の残部21を、打込位置Bから装填位置Aに後退させ、装填位置Aに連通する排出路31を通して排出するための工程である。
【0059】
なお、本実施の形態のエアーツール10では、リベット20の排出工程と前述したリベット20の装填工程とを一つの工程として連続的に行っている。
(リベット20)
リベット20は、図2及び図21に示すように、複数個、例えば6個が数珠繋ぎに一連に連結され、リベット列60を構成している。
【0060】
なお、リベット列60を構成するリベット20の個数として、6個を例示したが、2〜5個、或いは7個以上でも良い。
【0061】
リベット列60は、適度な弾性と剛性とを有する樹脂で一体成形されている。
【0062】
各リベット20には、図21〜24に示すように、大別すると、次のパーツから構成される。
【0063】
なお、次の(1)及び(2)については、後述する。
【0064】
(1)雌部材70
(2)雄部材80
なお、リベット20のパーツは、上記した(1)及び(2)に限定されない。
(雌部材70)
雌部材70には、図21〜24に示すように、次の各部を備える。
【0065】
なお、雌部材70の各部は、次の(1)〜(3)に限定されない。
【0066】
(1)基部71
基部71は、円盤状であり、図25に示すように、外径を取付け相手であるパネルPに設けられた取付穴Hの内形より大きく設定している。
【0067】
(2)脚部72
脚部72は、基部71から延設され、図25に示すように、パネルPの取付穴Hに挿入され、取付穴Hの裏面側で屈曲することで拡径可能なものである。
【0068】
なお、脚部72には、図21に示すように、互いに背向させて計2個の窓部を設け、窓部の無い部分がヒンジとなって、図25に示すように、脚部72が略「く」の字形、或いは略V字形に折れ曲がるようにしている。
【0069】
(3)連通孔73
連通孔73は、図23及び図24に示すように、基部71から脚部72に連通するものである。
(雄部材80)
雄部材80には、図21〜24に示すように、次の各部を備える。
【0070】
(1)頭部81
頭部81は、円盤状であり、図23及び図24に示すように、外径を連通孔73の内形より大きく設定している。
【0071】
(2)軸部82
軸部82は、頭部81から延設され、図23〜25に示すように、連通孔73内に引き抜き可能に挿入され、連通孔73内から引き抜く方向に移動させることにより、脚部72を拡開させるためのものである。
【0072】
なお、軸部81の長さの途中には、図21、図23及び図24に示すように、複数段の環状の凹凸部を設けている。凹凸部は、図25に示すように、略「く」の字形、或いは略V字形に折れ曲がった脚部72が戻らないようにするためである。
【0073】
(3)脆弱部83
脆弱部83は、図21に示すように、雌部材70の脚部72を同一方向に向けて、隣り合う頭部81同士を一連するためのものである。
(本体部30)
本体部30には、図1〜4、図9及び図10に示すように、次のパーツを備える。
【0074】
なお、次の(1)〜(5)については、後述する。
【0075】
(1)メインシャフト90
(2)打込用アクチュエータ100
(3)カッター装置110
(4)切換バルブ120
(5)逆戻り規制手段130
なお、本体部30のパーツは、上記した(1)〜(5)に限定されない。
(操作部40)
操作部40には、図1〜4に示すように、次のパーツを備える。
【0076】
なお、次の(1)〜(4)については、後述する。
【0077】
(1)操作レバー140
(2)トリガーバルブ150
(3)ホース連結部160
(4)分岐継手170
なお、操作部40のパーツは、上記した(1)〜(4)に限定されない。
(供給部50)
供給部50には、図1〜4、図9及び図10に示すように、次のパーツを備える。
【0078】
なお、次の(1)〜(2)については、後述する。
【0079】
(1)供給用アクチュエータ180
(2)供給機構190
なお、供給部50のパーツは、上記した(1)〜(2)に限定されない。
(メインシャフト90)
メインシャフト90は、図1に示すように、本体部30内に前後にスライド可能に支持され、先端部にリベット20の頭部81を保持するとともに、後端部が打込用アクチュエータ100の後述するインナーピストン103に連結されている。
【0080】
メインシャフト90には、図1に示すように、次の構成を備える。
【0081】
なお、メインシャフト90の構成は、次の(1)に限定されない。
【0082】
(1)切換溝91
切換溝91は、後述する切換バルブ120の切り換え動作をさせるためのものである。
【0083】
具体的には、切換溝91には、図1に示すように、後述する切換バルブ120の切換軸121がはまり込み、図14に示すように、メインシャフト90の後退時に、当該切換溝91の端面により切換軸121を押すことで、切換バルブ120を切り換える。
(打込用アクチュエータ100)
打込用アクチュエータ100は、打込位置Bに供給されたリベット20の頭部81をメインシャフト90を介して保持し、連通孔73内から引き抜く方向に移動させるためのものである。
【0084】
また、打込用アクチュエータ100は、後述するカッター装置110の駆動源としても機能する。
【0085】
具体的には、図1に示すように、打込用アクチュエータ100には、次のパーツを備える。
【0086】
なお、次の(1)〜(4)については、後述する。
【0087】
(1)メインシリンダ101
(2)アウターピストン102
(3)インナーピストン103
(4)スライドカム104
なお、打込用アクチュエータ100のパーツは、上記した(1)〜(4)に限定されない。
(メインシリンダ101)
メインシリンダ101は、図1〜4に示すように、本体部30の長さ方向に配置され、ヘッド側の一部を本体部30から露出させている。
【0088】
メインシリンダ101には、図1に示すように、2個の入力ポートを有する。2個の入力ポートのうち、1個は、メインシリンダ101のヘッド側に位置する。もう1個の入力ポートは、メインシリンダ101のロッド側に位置する。
【0089】
ヘッド側の入力ポートは、トリガーバルブ150のヘッド側の出力ポートに接続されている。ロッド側の入力ポートは、トリガーバルブ150のロッド側の出力ポートに接続されている。
【0090】
メインシリンダ101は、図1に示すように、初期状態では、空圧の流れはトリガーバルブ150のヘッド側の出力ポートからヘッド側の入力ポートとなり、後述するアウターピストン102はロッド側にスライドして前進する。
【0091】
後述するトリガーバルブ150の操作レバー140が操作されると、図11に示すように、空圧の流れはトリガーバルブ150のロッド側の出力ポートからロッド側の入力ポートとなり、アウターピストン102はヘッド側にスライドして後退する。
(アウターピストン102)
アウターピストン102は、図1に示すように、メインシリンダ101内にスライド可能に収納されたものであり、シリンダー型に形成されている。
【0092】
アウターピストン102には、2個の入力ポートを有する。2個の入力ポートのうち、1個は、シリンダー型のアウターピストン102のヘッド側に位置する。もう1個の入力ポートは、シリンダー型のアウターピストン102のロッド側に位置する。
【0093】
アウターピストン102は、図1に示すように、初期状態では、空圧の流れはメインシリンダ101のヘッド側の入力ポートからアウターピストン102のヘッド側の入力ポートとなり、後述するインナーピストン103はロッド側にスライドして前進する。
【0094】
後述するトリガーバルブ150の操作レバー140が操作されると、図11に示すように、空圧の流れはメインシリンダ101のロッド側の入力ポートからアウターピストン102のロッド側の入力ポートとなり、後述するインナーピストン103はヘッド側にスライドして後退する。
(インナーピストン103)
インナーピストン103は、図1に示すように、アウターピストン102内にスライド可能に収納されたものである。
【0095】
インナーピストン103には、メインシャフト90の後端部が連結される。
【0096】
インナーピストン103は、図1に示すように、初期状態では、アウターピストン102のロッド側にスライドして前進する。
【0097】
後述するトリガーバルブ150の操作レバー140が操作されると、図11に示すように、アウターピストン102のロッド側の入力ポートから空気が流入することで、アウターピストン102のヘッド側にスライドして後退する。
(スライドカム104)
スライドカム104は、図1に示すように、アウターピストン102に連結され、後述するカッター装置100を常時は開位置に保持し、アウターピストン102のスライドにより、図13に示すように、カッター装置100を閉位置に移動させるためのものである。
【0098】
スライドカム104の先端部には、図1に示すように、先端部に向かって略「ハ」の字形、或いは略V字形に開いたカム部を設けている。
【0099】
カム部は、後述するカッター装置110と係合し、スライドカム104が後退する際に、図13に示すように、カッター装置110を開位置から閉位置に切り換える。
(カッター装置110)
カッター装置110は、図1に示すように、打込用アクチュエータ100の先端部に位置し、開位置において互いに離れて対向し、対向間隔内にリベット20の軸部82を挟み、図13及び図14に示すように、閉位置において軸部82を切断して頭部81と切り離すものである。
【0100】
なお、カッター装置110により切断された軸部82の一部と頭部81とを合わせて、切断後のリベット20の残部21、或いは単に残部21ともいう(図26参照)。
【0101】
具体的には、カッター装置110は、図1〜10に示すように、開閉可能に軸止された上下一対の上側カッターピース111と下側カッターピース112から構成されている。
【0102】
なお、リベット20の供給方向を基準にみると、上側カッターピース111は供給方向の前方に位置し、下側カッターピース112は後方に位置する。
【0103】
上下のカッターピース111,112は、図1に示すように、長さの途中が上下方向に回転可能に支承され、前側の端部がカッターとなり、後ろ側の端部にはスライドカム104のカム部と係合すると係合面を設けている。上下の係合面は、スライドカム104のカム部と平行に傾斜し、具体的には後方に向かって略「ハ」の字形、或いは略V字形に閉じている。
【0104】
上下のカッターピース111,112には、図2〜10に示すように、次の各部を備える。
【0105】
(1)開口部113
開口部113は、下側カッターピース112に設けられ、後述する供給用アクチュエータ180に移送される最前列のリベット20が通過可能なものである。
【0106】
(2)上側支承部114
上側支承部114は、上側カッターピース111の軸を上下方向に回転可能に支承するものである。
【0107】
(3)下側支承部115
下側支承部115は、下側カッターピース112の軸を上下方向に回転可能に支承するものである。下側支承部115は、開口部113の両側に、独立して一対配置している。
(切換バルブ120)
切換バルブ120は、図示しないが、打込用アクチュエータ100の全長の略中央に配置される。
【0108】
具体的には、切換バルブ120は、図1に示すように、後述する供給用アクチュエータ180に至るエアー供給路に位置し、リベット20の頭部81を引く抜く方向に移動する際に、打込用アクチュエータ180により切り換えられる。供給用アクチュエータ180は、常時、すなわち図15に示すリベット20の供給時には、移送方向に付勢され、切換バルブの切換動作により、図17及び図18に示すように、反移送方向に復帰する。
【0109】
切換バルブ120のシリンダーには、図1に示すように、1個の入力ポートと、2個の出力ポートとを有する。2個の出力ポートのうち、1個はヘッド側に位置し、もう1個はロッド側に位置する。入力ポートは、ヘッド側の出力ポートと、ロッド側の出力ポートとの中間に位置する。
【0110】
初期状態では、ピストンは、図1に示すように、シリンダーのロッド側に位置し、空圧の流れは入力ポートとロッド側の出力ポートとなる。切換動作後は、ピストンは、図14及び図15に示すように、シリンダーのヘッド側にスライドし、空圧の流れは入力ポートからヘッド側の出力ポートとなる。
【0111】
切換バルブ120には、図1に示すように、次のパーツを備える。
【0112】
なお、切換バルブ120のパーツは、次の(1)に限定されない。
【0113】
(1)切換軸121
切換軸121は、図1に示すように、一端部がメインシャフト90の切換溝91にはまり込み、他端部が切換バルブ120のピストンロッドに連結されている。
【0114】
切換軸121は、メインシャフト90の後退時に、図14に示すように、切換溝91の端面に押されて、ピストンをシリンダーのヘッド側にスライドして、切換バルブ120を切り換えるためのものである。
(逆戻り規制手段130)
逆戻り規制手段130は、図9及び図10に示すように、排出路31内に突出し、残部21が装填位置Aに戻るのを規制するためのものである。
【0115】
逆戻り規制手段130には、図9及び図10に示すように、次のパーツを備える。
【0116】
なお、逆戻り規制手段130のパーツは、次の(1)〜(2)に限定されない。
【0117】
(1)プランジャー131
プランジャー131は、排出路31内に進退可能に支持されたものである。
【0118】
(2)付勢手段(図示せず)
付勢手段は、図示しないが、プランジャー131を排出路31内に突出する方向に付勢するためのものであり、例えばスプリング等から構成されている。
【0119】
切断後のリベット20の残部21は、装填位置Aに位置していると、図15に示すように、後述する供給用アクチュエータ180により、新しいリベット20が装填位置Aに供給されたときに、当該新しいリベット20に押されて、排出路31内に向かって押し出される。
【0120】
このとき、プランジャー131が、残部21に押されて、図示しないが、付勢手段の付勢力に抗して一旦、引っ込む。残部21がプランジャー131を通り過ぎると、付勢手段の復元力により、プランジャー131は排出路31内に再び突出し、残部21が排出路31から装填位置Aに戻るのを阻止する。
(操作レバー140)
操作レバー140は、図1〜4に示すように、引き金状で、後述するトリガーバルブ150のピストンに連結され、エアーツール10に装填されたリベット20を打ち込み動作を開始させるためのものである。
(トリガーバルブ150)
トリガーバルブ150は、図1に示すように、操作レバー140に連結されたピストンを有し、操作レバー140の押し込みにより、ピストンをヘッド側にスライドさせることで、2個の出力ポートの流路を切り換えるためのものである。
【0121】
トリガーバルブ150のシリンダーには、1個の入力ポートと、2個の出力ポートとを有する。2個の出力ポートのうち、1個はヘッド側に位置し、もう1個はロッド側に位置する。
【0122】
入力ポートは、後述する分岐継手170の2個の出力ポートのうち、1個に接続されている。ヘッド側の出力ポートは、メインシリンダ101のヘッド側の入力ポートに接続されている。ロッド側の出力ポートは、メインシリンダ101のロッド側の入力ポートに接続されている。
【0123】
トリガーバルブ150は、図1に示すように、操作レバー140を操作しない初期状態では、空圧の流れは入力ポートからロッド側の入力ポートとなる。
【0124】
操作レバー140を操作すると、図11に示すように、空圧の流れが切り替わり、入力ポートからロッド側の入力ポートとなる。
(ホース連結部160)
ホース連結部160は、図示しないが、エアーの供給用のホースを連結するためのものである。
(分岐継手170)
分岐継手170は、図1に示すように、ホース連結部160から供給されたエアを2方向に分岐させるためのものである。
【0125】
分岐継手170には、1個の入力ポートと、2個の出力ポートとを有する。
【0126】
入力ポートは、ホース連結部160に接続されている。2個の出力ポートのうち、1個はトリガーバルブ150の入力ポートに接続されている。もう1個の出力ポートは、切換バルブ120のロッド側の入力ポートに接続されている。
(供給用アクチュエータ180)
供給用アクチュエータ180は、図2〜4に示すように、リベット列60を装填し、最前列のリベット20の脆弱部83を引きちぎって装填位置Aに供給するためのものである。装填位置Aに供給されたリベット20は、その頭部81をメインシャフト90に保持された状態で、打込用アクチュエータ100により装填位置Aから打込位置Bに移送される。
【0127】
供給用アクチュエータ180のシリンダーには、図1に示すように、ヘッド側に1個の入力ポートと、ロッド側に1個の入力ポートとを有する。
【0128】
ヘッド側の入力ポートは、切換バルブ120のヘッド側の出力ポートに接続されている。ロッド側に入力ポートは、切換バルブ120のロッド側の出力ポートに接続されている。
【0129】
供給用アクチュエータ180は、初期状態では、図1に示すように、空圧の流れは切換バルブ120のロッド側の出力ポートから供給用アクチュエータ180のロッド側の入力ポートとなり、ピストンがヘッド側にスライドして下降する。
【0130】
これに対し、切換バルブ120が切り替わると、図14及び図15に示すように、空圧の流れは切換バルブ120のヘッド側の出力ポートから供給用アクチュエータ180のヘッド側の入力ポートとなり、ピストンがロッド側にスライドして上昇する。
(供給機構190)
供給機構190は、図9及び図10に示すように、供給用アクチュエータ180のピストンロッドに連結され、リベット列60の最前列のリベット20を、1個ずつ装填位置Aに供給するためのものである。
【0131】
具体的には、供給機構190には、次のパーツを備える。
【0132】
(1)スライダー191
スライダー191は、その下端部がピストンロッドに連結され、上下動可能に支持されている。
【0133】
(2)パウエル192
パウエル192は、スライダー191の上端部に回転可能に支持され、リベット列60の隣り合う頭部81の間隔内に向かって先の尖ったくちばし状に延びている。
【0134】
具体的には、パウエル192は、最前列のリベット20の頭部81と、2列目のリベット20の頭部81との間に間に入り込み、スライダー191が上昇した際に、最前列のリベット20を装填位置Aに押し出す。ついで、パウエル192は、スライダー191が下降した際に、2列目のリベット20の頭部81に押されて回転しながら下降し、2列目のリベット20の頭部81と3列目のリベット20の頭部81との間に入り込む。
(回収ケース200)
一方、本体部30の排出路31には、図27及び図28に示すように、排出路31を通って排出されたリベット20の残部21を回収可能な回収手段を設けている。
【0135】
上記回収手段としては、中空箱形の回収ケース200を、本体部30の上面に着脱可能に取り付けることができるようにしている。
【0136】
回収ケース200の底面には、図示しないが、排出路31と連通する穴を有する。また、回収ケース200は、上面が開放した中空箱形に形成し、開口正面には開閉蓋201を開閉可能に取り付けている。
【0137】
一方、本体部30の上面には、上方向かって突出した複数個のケース取付部32を設け、これらのケース取付部32を介して、回収ケース200を固定できるようにしている。
【0138】
なお、回収手段として、回収ケース200を例示したが、これに限定されず、例えば袋状のものを使用しても良い。
(動作の説明)
つぎに、上記した構成を備えるエアーツール10の動作について、図1及び図11〜20に示す空圧回路図を用いて説明する。
(図1の初期状態)
図1は、エアーツール10の初期状態を説明するための空圧回路図である。
【0139】
初期状態は、操作レバー140の非操作時である。
【0140】
このとき、リベット20は、既に装填され、その頭部81がメインシャフト90の先端部に保持されている。
【0141】
リベット20は、打込位置Bに移送されて、開放状態のカッター装置110の前方に、図4に示すように、雌部材70を突出させている。このとき、リベット20の軸部82は、上下のカッターピース111,112の間隔に位置する。
【0142】
打込用アクチュエータ100への空気の流れは、次の通りである。
【0143】
分岐継手170→トリガーバルブ150のヘッド側の出力ポート→メインシリンダ101のヘッド側の入力ポート→アウターピストン102のヘッド側の入力ポート
打込用アクチュエータ100のアウターピストン102及びインナーピストン103は共に、ロッド側にスライドして最前進位置にあり、メインシャフト90も最前進位置にある。
【0144】
供給用アクチュエータ180への空気の流れは、次の通りである。
【0145】
分岐継手170→切換バルブ120のロッド側の出力ポート→供給用アクチュエータ180のロッド側の入力ポート
供給用アクチュエータ180のピストンは、ヘッド側にスライドし、下降位置にある。
(図11の操作レバー140の操作時)
図11は、操作レバー140の操作時の状態を説明するための空圧回路図である。
【0146】
まず、図4に示すように、開放状態のカッター装置110の前方に突出するリベット20の脚部72を、図示しないが、パネルPの取付穴Hに合わせて挿入する(図25参照)。
【0147】
その後、操作レバー140を指で引く。
【0148】
操作レバー140を操作すると、トリガーバルブ150のピストンがシリンダーのヘッド側にスライドして後退する。
【0149】
ピストンが後退すると、打込用アクチュエータ100への空気の流れは、次のように切り換わる。
【0150】
分岐継手170→トリガーバルブ150のロッド側の出力ポート→メインシリンダ101のロッド側の入力ポート→アウターピストン102のロッド側の入力ポート
アウターピストン102が後退し、アウターピストン102に連結されたスライドカム104が後退する。このとき、スライドカム104の後退により、図示しないが、スライドカム104とメインシャフト90との凹凸部のはまり合いにより、メインシャフト90が連動して後退する。
【0151】
供給用アクチュエータ180への空気の流れは、図1の初期状態と同じである。
(図12のリベット20の締結時)
図12は、リベット20の締結時の状態を説明するための空圧回路図である。
【0152】
メインシャフト90が後退すると、図12及び図25に示すように、リベット20がかしめられる。
【0153】
すなわち、開放状態のカッター装置110から突出する雌部材70の基部71が、上下のカッターピース111,112の先端部の端面に当たって後退が阻止されることから、雄部材80の軸部82が、雌部材70の連通孔73から引き出されることで、図25に示すように、脚部72がパネルPの裏側で拡径する。
【0154】
脚部72がパネルPの裏側で拡径すると、メインシャフト90がそれ以上、後退できなくなり、メインシャフト90の後退が停止する。
(図13のリベット20の切断時)
図13は、リベット20の切断時の状態を説明するための空圧回路図である。
【0155】
メインシャフト90の後退の停止後、スライドカム104が更に後退しようとし、このとき、図示しないが、メインシャフト90との間の凹凸部のはまり合いが外れ、スライドカム104が単独で後退する。
【0156】
スライドカム104が後退すると、そのカム部が上下のカッターピース111,112の係合面に係合し、カッター装置110が閉じる。
【0157】
カッター装置110が閉じると、図26に示すように、リベット20の軸部82を切断する。
【0158】
リベット20の軸部82が切断すると、雌部材70及び雄部材80の軸部82の一部が、パネルPの取付穴Hに取り付いた状態で残る。
【0159】
同時に、リベット20の軸部82が切断すると、メインシャフト90の後退が可能となる。
(図14のメインシャフト90の後退時)
図14は、メインシャフト90の後退時の状態を説明するための空圧回路図である。
【0160】
メインシャフト90の後退が可能となると、インナーピストン103の後退に伴って、メインシャフト90が後退する。
【0161】
メインシャフト90の後退に伴って、リベット20の残部21が、打込位置Bから装填位置Aに移動する。
【0162】
同時に、メインシャフト90の後退時に、その切換溝91の端面により、切換バルブ120の切換軸121を押すことで、切換バルブ120を切り換える。
【0163】
切換バルブ120を切り換えると、供給用アクチュエータ180への空気の流れは、次の通り切り換わる。
【0164】
分岐継手170→切換バルブ120のヘッド側の出力ポート→供給用アクチュエータ180のヘッド側の入力ポート
(図15のリベット20の供給時及び排出時)
図15は、リベット20の供給時及び排出時の状態を説明するための空圧回路図である。
【0165】
切換バルブ120を切り換わると、供給用アクチュエータ180のピストンは、ロッド側にスライドし、上昇する。
【0166】
供給用アクチュエータ180のピストンが上昇すると、供給機構190により、先頭のリベット20が装填位置Aに供給される。
【0167】
このとき、装填位置Aに残っていたリベット20の残部21は、新たに供給されたリベット20に押されて、メインシャフト90の先端部から外れ、装填位置Aから排出路31に押し出される。
【0168】
排出路31に押し出された残部21は、逆戻り規制手段130により、装填位置Aへの逆進が規制される。
【0169】
同時に、新たに供給されたリベット20の頭部81が、メインシャフト90の先端部に保持される。
(図16の操作レバー140の開放時)
図16は、操作レバー140の開放時の状態を説明するための空圧回路図である。
【0170】
操作レバー140を指で引っ張る力を解放すると、図示しないが、コイルバネ等の付勢力により、操作レバー140が復元し、このとき、トリガーバルブ150のピストンがシリンダーのロッド側にスライドして前進する。
【0171】
ピストンが前進すると、打込用アクチュエータ100への空気の流れは、図1の初期状態に戻り、次のように切り換わる。
【0172】
分岐継手170→トリガーバルブ150のヘッド側の出力ポート→メインシリンダ101のヘッド側の入力ポート→アウターピストン102のヘッド側の入力ポート
トリガーバルブ150が切り換わると、アウターピストン102が前進する。
(図17のアウターピストン102の前進時、切換バルブ120の解放時)
図17は、アウターピストン102の前進時、切換バルブ120の解放時の状態を説明するための空圧回路図である。
【0173】
アウターピストン102が前進すると、アウターピストン102に連結されたスライドカム104も前進する。
【0174】
スライドカム104も前進すると、そのカム部が上下のカッターピース111,112の係合面から係脱し、カッター装置110が開く。
【0175】
スライドカム104が更に前進すると、図示しないが、スライドカム104とメインシャフト90との凹凸部が再度、はまり合い、メインシャフト90が連動して前進する。
【0176】
メインシャフト90が前進すると、その切換溝91が移動することで、切換バルブ120の切換軸121を開放され、切換バルブ120のピストンが、図示しないが、コイルバネ等の付勢力により、再度、前進して切り換わる。
【0177】
切換バルブ120が切り換わると、供給用アクチュエータ180への空気の流れは、図1の初期状態に戻り、次のように切り換わる。
【0178】
分岐継手170→切換バルブ120のロッド側の出力ポート→供給用アクチュエータ180のロッド側の入力ポート
(図18のアウターピストン102の最前進時、供給用アクチュエータ180の下降時)
図18は、アウターピストン102の最前進時、供給用アクチュエータ180の下降時の状態を説明するための空圧回路図である。
【0179】
アウターピストン102が前進すると、インナーピストン103も前進し、メインシャフト90が更に前進し、このとき新たに供給されたリベット20を、装填位置Aから前進する。
【0180】
このとき、新たに供給されたリベット20の脆弱部83が引き千切れる。
【0181】
また、切換バルブ120が切り換わると、供給用アクチュエータ180への空気の流れが図1の初期状態に戻り、供給用アクチュエータ180が下降する。
【0182】
このとき、供給機構190のパウエル192は、スライダー191が下降した際に、2列目のリベット20の頭部81に押されて回転しながら下降し、2列目のリベット20の頭部81と3列目のリベット20の頭部81との間に入り込む。
(図19のメインシャフト90の前進時)
図19は、メインシャフト90の前進時の状態を説明するための空圧回路図である。
【0183】
インナーピストン103の前進に伴って、メインシャフト90が前進し、新たに供給されたリベット20を、装填位置Aから更に前進させる。
(図20のメインシャフト90の最前進時、初期状態)
図20は、メインシャフト90の最前進時、初期状態を説明するための空圧回路図である。
【0184】
メインシャフト90は、更に前進し、新たに供給されたリベット20を、装填位置Aから打込位置Bに移送して、初期状態に戻る。
【図面の簡単な説明】
【0185】
【図1】エアーツールの空圧回路図である。
【図2】エアーツールとリベット列との斜視図である。
【図3】リベット列を装着した状態のエアーツールの斜視図である。
【図4】リベットをカッター装置に装填した状態のエアーツールの斜視図である。
【図5】エアーツールの一部を拡大した斜視図である。
【図6】エアーツールの一部を拡大した斜視図である。
【図7】エアーツールの一部を拡大した斜視図である。
【図8】エアーツールの一部を拡大した斜視図である。
【図9】エアーツールの一部縦断面図である。
【図10】エアーツールを縦断とした一部斜視図である。
【図11】図1に対応し、各動作状態の空圧回路図である。
【図12】図1に対応し、各動作状態の空圧回路図である。
【図13】図1に対応し、各動作状態の空圧回路図である。
【図14】図1に対応し、各動作状態の空圧回路図である。
【図15】図1に対応し、各動作状態の空圧回路図である。
【図16】図1に対応し、各動作状態の空圧回路図である。
【図17】図1に対応し、各動作状態の空圧回路図である。
【図18】図1に対応し、各動作状態の空圧回路図である。
【図19】図1に対応し、各動作状態の空圧回路図である。
【図20】図1に対応し、各動作状態の空圧回路図である。
【図21】リベット列の一部正面図である。
【図22】リベット列の側面図である。
【図23】リベットの縦断面図である。
【図24】リベットの他の縦断面図である。
【図25】リベットの締結状態を説明するための正面図である。
【図26】リベットの切断状態を説明するための正面図である。
【図27】回収ケースの取付前のエアーツールの斜視図である。
【図28】回収ケースの取付後のエアーツールの斜視図である。
【符号の説明】
【0186】
10 リベット締結用エアーツール
20 リベット 21 残部
30 本体部
31 排出路 32 ケース取付部
A 装填位置 B 打込位置
40 操作部 50 供給部
60 リベット列
70 雌部材
71 基部 72 脚部
73 連通孔
80 雄部材
81 頭部 82 軸部
83 脆弱部
90 メインシャフト 91 切換溝
100 打込用アクチュエータ
101 メインシリンダ 102 アウターピストン
103 インナーピストン 104 スライドカム
110 カッター装置
111 上側カッターピース 112 下側カッターピース
113 開口部
114 上側支承部 115 下側支承部
120 切換バルブ 121 切換軸
130 逆戻り規制手段 131 プランジャー
140 操作レバー 150 トリガーバルブ
160 ホース連結部 170 分岐継手
180 供給用アクチュエータ
190 供給機構
191 スライダー 192 パウエル
200 回収ケース(回収手段)
201 開閉蓋
P パネル(取付け相手) H 取付穴


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部、
前記基部から延設され、取付け相手に設けられた取付穴に挿入され、前記取付穴の裏面側で屈曲することで拡径可能な脚部、
前記基部から前記脚部に連通する連通孔を備える雌部材と、
頭部、
前記頭部から延設され、前記連通孔内に引き抜き可能に挿入され、前記連通孔内から引き抜く方向に移動させることにより、前記脚部を拡開させるための軸部を備える雄部材から構成されたリベットであって、
前記脚部を同一方向に向けて、隣り合う前記頭部同士を脆弱部を介して連結することで、複数個のリベットを数珠繋ぎにつないだリベット列とし、
前記リベット列を装填し、最前列のリベットの脆弱部を引きちぎって装填位置に供給する供給用アクチュエータと、
前記装填位置に供給されたリベットの前記頭部を保持し、前記連通孔内から引き抜く方向に移動させるための打込用アクチュエータとを備えるリベット締結用エアーツールにおいて、
前記供給用アクチュエータに至るエアー供給路に切換バルブを設けて、
前記リベットの頭部を引く抜く方向に移動する際に、前記打込用アクチュエータにより前記切換バルブを切り換え、前記供給用アクチュエータを復帰させるようにしていることを特徴とするリベット締結用エアーツール。
【請求項2】
請求項1に記載のリベット締結用エアーツールであって、
前記供給用アクチュエータは、
常時は移送方向に付勢され、前記切換バルブの切換動作により、反移送方向に復帰させるようにしていることを特徴とするリベット締結用エアーツール。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のリベット締結用エアーツールであって、
前記切換バルブは、
前記打込用アクチュエータの全長の略中央に配置されていることを特徴とするリベット締結用エアーツール。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のリベット締結用エアーツールであって、
前記装填位置には、
開位置において互いに離れて対向し、対向間隔内に前記軸部を挟み、
閉位置において前記軸部を切断して前記頭部と切り離すカッター装置を設け、
前記打込用アクチュエータには、
メインシリンダと、
前記メインシリンダ内にスライド可能に収納されたアウターピストンと、
前記アウターピストン内にスライド可能に収納されたインナーピストンと、
前記インナーピストンに固定され、前記頭部を保持するメインシャフトと、
前記アウターピストンに連結され、前記カッター装置を常時は開位置に保持し、前記アウターピストンのスライドにより、前記カッター装置を閉位置に移動させるためのスライドカムとを備えていることを特徴とするリベット締結用エアーツール。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のリベット締結用エアーツールであって、
前記カッター装置により切断されたリベットの残部を、
前記供給用アクチュエータが、復帰後、最前列のリベットの前記装填位置に移送することにより、当該移送されたリベットにより、前記カッター装置により切断されたリベットの残部を、前記装填位置に連通する排出路に押し出すようにしていることを特徴とするリベット締結用エアーツール。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のリベット締結用エアーツールであって、
前記リベットは、樹脂製であることを特徴とするリベット締結用エアーツール。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−5640(P2010−5640A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165487(P2008−165487)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】