説明

リポソームインフルエンザワクチンの組成物および方法

【課題】有害な副作用なしに強い体液性およびCTLの免疫応答を惹起し得る改良されたサブユニットインフルエンザワクチンを提供すること
【解決手段】インフルエンザH/N抗原およびサイトカイン免疫賦活薬を含むサブユニットインフルエンザワクチンが記載される(ここで、少なくとも一方、そして好ましくは両方がリポソーム中にカプセル化されている)。ワクチンは、強い体液性およびCTL応答を刺激する。また、このようなワクチンを使用する免疫化の方法が記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、抗原およびサイトカイン免疫賦活薬がリポソーム内でカプセル化されるサブユニットインフルエンザワクチン組成物、およびこのような組成物を使用する免疫化の方法に関する。
参考文献
【0002】
【表A】

【背景技術】
【0003】
発明の背景
高度に伝染性のインフルエンザウイルスは、急性の呼吸性感染に対する主要な一因である。従来のインフルエンザワクチンは、不活性化された微生物または弱毒化された生存微生物を含む。このようなワクチン調製物の不利な点として、長期的産生の困難さ、操作および生成における安全性の考慮、および弱毒化された生ワクチンで高齢者または免疫不全の個体を免疫することに関する危険性が挙げられる。
【0004】
ウイルス粒子の単離された成分を利用するサブユニットワクチンが、従来のワクチン(Arnon)のより安全な代替物として開発されている。この成分は、代表的には、組み換えタンパク質または合成性の短いペプチドである。表面タンパク質HA(赤血球凝集素)およびNA(ノイラミニダーゼ)を含むインフルエンザサブユニットワクチンは、不活化された全体のウイルスを非活性化するよりも低い毒性であるが、より劣った保護能力および免疫原性であることが証明された(Engelhard,Potter)。詳細には、サブユニットワクチンは、CTL(細胞傷害性Tリンパ球)応答(Arnon)を誘発することにおいて無効であった。CTL応答は、異常であると認知した細胞(ウイルス感染細胞を含む)を攻撃するTリンパ球の産生を刺激する。可溶性のサブユニットワクチンは、一般には、Bリンパ球を刺激して抗体を産生する体液性の免疫応答のみを惹起する。このような応答は、細胞外媒体において細菌およびウイルスを攻撃することにおいて効果的であるが、細胞内細菌、寄生虫、およびウイルス感染細胞の誘発においては効果的ではない。
【0005】
それゆえ、有害な副作用なしに強い体液性およびCTLの免疫応答を惹起し得る改良されたサブユニットインフルエンザワクチンを提供することが所望される。即時性の免疫応答を生成することに加えて、理想的なワクチンはまた、頻繁な追加免疫用量の必要性なしに長期生命保護効果を提供するべきである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の要旨
本発明は、1つの局面において、インフルエンザウイルスに対して哺乳動物被験体を免疫化することにおける使用のためのリポソームワクチン組成物を提供する。ワクチンは、インフルエンザサブユニット抗原および少なくとも1つの免疫刺激サイトカインをカプセル化するリポソームの懸濁物から構成される。抗原は、被験体において免疫応答を刺激するのに効果的であり、そしてサイトカイン(単数または複数)は、免疫応答を増強するのに効果的である。好ましくは、ワクチンは、このような被験体において、投与後6ヶ月まで、そしてより好ましくは9ヶ月以上、100%の抗体陽転を産生するのに有効である。
【0007】
1つの実施態様において、抗原およびサイトカイン(単数または複数)は組成物中の同じリポソーム中に同時カプセル化される。あるいは、それらは組成物中のリポソームの異なる集団においてカプセル化され得る。
【0008】
インフルエンザサブユニット抗原は、インフルエンザウイルスのHA(赤血球凝集素)およびNA(ノイラミニダーゼ)ウイルス表面タンパク質、またはこれらのタンパク質の抗原性変異体を含む。サイトカインは、好ましくは、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-12、IL-15、IFN-γ、およびGM-CSFからなる群から選択される。好ましいサイトカインは、インターロイキン-2(IL-2)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、またはこの2つの組合せである。
【0009】
リポソーム組成物の1つの実施態様において、リポソームは、少なくとも70モルパーセントのジミリストイル(dimyristoyl)ホスファチジルコリン(DMPC)を含む。腹腔内、皮下または筋肉内投与のために使用される組成物は、好ましくは約0.25μ〜5.0μの平均直径を有する大きな多層状小胞(MLV)の形態のリポソームを含む。静脈内、鼻腔内、または筋肉内投与における使用のために、リポソームは、好ましくは、約30〜80nmの平均直径を有する小さな単層小胞(SUV)である。SUVは、750と10,000ダルトンとの間の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)鎖で誘導体化された、極性の頭部基を有する1〜25モルパーセントの脂質(代表的には頭部基を有するホスフェート)を含む。
【0010】
また、先に提供されるようなインフルエンザサブユニット抗原および少なくとも1つの免疫刺激サイトカインを含むリポソームワクチン組成物が提供される。ここで、これらの成分の少なくとも1つがリポソーム懸濁物中にカプセル化され、そして生成する組成物は、投与後6ヶ月まで、そして好ましくは9ヶ月以上哺乳動物被験体において100%の抗体陽転を生成するのに有効である。この型の特に好ましい組成物は、赤血球凝集阻害(HI)アッセイにより測定される場合、投与後6ヶ月まで少なくとも200の抗H抗体力価を産生する。
【0011】
別の局面において、本発明は、インフルエンザウイルスによる哺乳動物被験体の感染を防止する方法を提供する。これは有効量のリポソームワクチン組成物を被験体に投与することを含む。この組成物は、上記のようなインフルエンザサブユニット抗原および少なくとも1つの免疫刺激サイトカインをカプセル化するリポソームの懸濁物を含む。静脈内、鼻腔内、または筋肉内投与を介する免疫化の方法における使用のために、リポソームは、好ましくは約30〜80nmの平均直径を有する小さな単層小胞(SUV)である。SUVは、750と10,000ダルトンとの間の分子量を有するPEG鎖で誘導体化された、極性の頭部基を有する1〜25モルパーセントの脂質(代表的には頭部基を有するホスフェート)を含む。
【0012】
この方法の関連実施態様において、先に提供されるようなインフルエンザサブユニット抗原および少なくとも1つの免疫刺激サイトカインを含む有効量のリポソームワクチン組成物が投与される。ここで、これらの成分の少なくとも1つはリポソーム懸濁物中でカプセル化され、そして生成する組成物は、投与後6ヶ月まで哺乳動物被験体において100%の抗体陽転を生成するのに有効である。
【0013】
本発明は、例えば、以下の手段を提供する。
(項目1)インフルエンザウイルスに対する哺乳動物被験体の免疫化に使用するためのリポソームワクチン組成物であって、
リポソームの懸濁物であって、その中にカプセル化された、
該被験体において免疫応答を刺激するのに有効なインフルエンザサブユニット抗原、および
該免疫応答を増強するのに有効な少なくとも1つの免疫刺激サイトカインを有する、懸濁物、
を含有する、組成物。
(項目2)前記抗原および前記サイトカインが、前記組成物中で同じリポソームに同時カプセル化されている、項目1に記載の組成物。
(項目3)前記抗原および前記サイトカインが、前記組成物中で異なるリポソーム集団にカプセル化されている、項目1に記載の組成物。
(項目4)前記インフルエンザサブユニット抗原が、インフルエンザウイルスのHA(赤血球凝集素)およびNA(ノイラミニダーゼ)ウイルス表面タンパク質、またはそれらの抗原性変異体を含む、項目1に記載の組成物。
(項目5)前記サイトカインが、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-12、IL-15、IFN-γ、およびGM-CSFからなる群から選択される、項目1に記載の組成物。
(項目6)前記サイトカインがインターロイキン-2(IL-2)である、項目5に記載の組成物。
(項目7)前記サイトカインが、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)である、項目5に記載の組成物。
(項目8)前記サイトカインが、IL-2およびGM-CSFの組合せである、項目5に記載の組成物。
(項目9)前記リポソームが、少なくとも70モルパーセントのジミリストイル(dimyristoyl)ホスファチジルコリン(DMPC)を含む、項目1に記載の組成物。
(項目10)前記リポソームが、約0.25μ〜5.0μの平均直径を有する大きな多層状小胞である、腹腔内、筋肉内、または皮下投与に使用するための、項目1に記載の組成物。
(項目11)前記リポソームが、約30〜80nmの平均直径を有する小さな単層小胞である、静脈内投与、鼻腔内投与、または筋肉内投与に使用するための、項目1に記載の組成物。
(項目12)前記リポソームが、750と10,000ダルトンとの間の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)鎖で誘導体化された極性の頭部基を有する1〜25モルパーセントの脂質を含む、項目11に記載の組成物。
(項目13)前記組成物が、投与後6ヶ月までに前記被験体において100%の抗体陽転を産生するのに有効である、項目1に記載の組成物。
(項目14)前記組成物が、投与後9ヶ月までに前記被験体において100%の抗体陽転を産生するのに有効である、項目13に記載の組成物。
(項目15)インフルエンザウイルスに対する哺乳動物被験体の免疫化に使用するためのリポソームワクチン組成物であって、
該被験体において免疫応答を刺激するのに有効なインフルエンザサブユニット抗原、および
該免疫応答を増強するのに有効な少なくとも1つの免疫刺激サイトカイン
を含む組成物であり、ここで、該抗原および該サイトカインの少なくとも一方がリポソーム懸濁物内でカプセル化され、そして該組成物は、投与後6ヶ月までに該被験体において100%の抗原陽転を産生するのに有効である、組成物。
(項目16)前記組成物が、投与後9ヶ月までに前記被験体において100%の抗体陽転を産生するのに有効である、項目15に記載の組成物。
(項目17)インフルエンザウイルスによる哺乳動物被験体の感染を防止する方法であって、該方法は、:
リポソーム懸濁物であって、その中にカプセル化された、
被験体において免疫応答を刺激するのに有効なインフルエンザサブユニット抗原、および
該免疫応答を増強するのに有効な少なくとも1つの免疫刺激サイトカインを有する、リポソーム懸濁物を含有するリポソームワクチン組成物の有効量を該被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目18)前記リポソームが、約30〜80nmの平均直径を有する小さな単層小胞である、静脈内、鼻腔内、または筋肉内投与に使用するための、項目17に記載の方法。
(項目19)前記リポソームが、750と10,000ダルトンとの間の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)鎖で誘導体化された極性の頭部基を有する1〜25モルパーセントの脂質を含む、静脈内、鼻腔内、または筋肉内投与に使用するための、項目18に記載の方法。
(項目20)インフルエンザウイルスによる哺乳動物被験体の感染を防止方法であって、該方法は、:
該被験体において免疫応答を刺激するのに有効なインフルエンザサブユニット抗原、および
該免疫応答を増強するのに有効な少なくとも1つの免疫刺激サイトカイン
を含有するリポソームワクチン組成物の有効量を該被験体に投与する工程を含み、
ここで、該抗原および該サイトカインの少なくとも一方がリポソームの懸濁物中にカプセル化され、そして該組成物は、投与後6ヶ月までに該被験体において100%の抗原陽転を産生するのに有効である、方法。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
発明の詳細な説明
I.定義
下記の用語は他に示さなければ、以下の意味を有する。
【0015】
「小胞形成脂質」は、両親媒性脂質をいう。これは疎水性および極性頭部基部分を有し、(a)リン脂質により例証されるように水中で二重層小胞を自発的に形成し得るか、または(b)内部の二重層膜の疎水性領域、および外部(膜の極性表面)に向かった極性頭部基部分と接触した疎水性部分とともに脂質二重層へ安定に組み込まれる。
【0016】
この型の小胞形成脂質は、代表的には、1または2の疎水性アシル炭化水素鎖またはステロイド基を含み、そして極性頭部基にアミン、酸、エステル、アルデヒド、またはアルコールのような化学反応基を含み得る。このクラスには、2つの炭素鎖が代表的には約14〜22炭素原子長であり、そして可変性の不飽和度を有するリン脂質(例えば、ホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジル酸(PA)、ホスファチジルイノシトール(PI)、およびスフィンゴミエリン(SM))が含まれる。他の小胞形成脂質は、セレブロシドおよびガングリオシドのような糖脂質、およびコレステロールのようなステロイドを含む。
【0017】
インフルエンザウイルスの「変異体」または表面タンパク質HAおよび/もしくはNAの「変異体」は外来DNAの取り込みを介して誘導されないウイルスゲノムにおける遺伝的変化から生じた、変化したウイルス、またはその表面タンパク質である。このような変化(変異)は、より初期の株に対する防御性免疫を回避し得る新規の株を生じる。
【0018】
「Cetus単位」(CU)は、免疫学的活性の6つの国際単位(IU)、インターロイキン-2(IL-2)の生物学的調製物の国際基準標準と等しい。サイトカインレベルに関して本明細書中で使用される用語「単位」は、Cetus単位をいう。
【0019】
「抗体陽転」は、以前に特定の抗体に対してネガティブであった個体の血清におけるその抗体の発現(demonstration)をいう。特異的な抗H抗体を測定するために本明細書中で使用される赤血球凝集阻害(HI)アッセイ(Shapira-Nahor)において、40以上の力価(すなわち、阻害が40×以上の血清希釈で見られる)が、抗体陽転の証拠とみなされる。
【0020】
抗原およびサイトカインのようなリポソームカプセル化薬剤に関する「個々にカプセル化された」は、所定の小胞または小胞の集団そのような薬剤の1つだけを含むことを示す。「同時カプセル化された」は、所定の小胞または小胞の集団が、好ましくはそのような薬剤の組合せまたは全てを含むことを示す。
【0021】
II.リポソームインフルエンザワクチン組成物
本発明は、サブユニット抗原および1つ以上の免疫刺激サイトカインを含むインフルエンザワクチンに関する。サイトカインは、抗原により、特に、抗原提示細胞(APC)ならびにBおよびT細胞反応性を増強することにより誘発される免疫応答を増強するのに有効である。抗原およびサイトカインの少なくとも1つ、そして好ましくは両方の成分がリポソーム中にカプセル化される。リポソームは抗原送達およびプロセシングを改善し、そして投与の部位でサイトカインの持続的な放出を提供する。成分は、上記のように、同時カプセル化されるか、または個々にカプセル化され得る。個々にカプセル化された組成物は、一般に簡便さの目的のために好ましく、そして先行する結果は、それらの有効性が同時カプセル化されたワクチンと等しいかまたはより優れていることを示す。
【0022】
インフルエンザウイルスの多くの株が知られており、そして抗原ドリフト(変異)は一般的である。インフルエンザウイルス粒子は、二重層脂質外被で囲まれており、ここに、2つのウイルス性コード糖タンパク質、赤血球凝集素(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)が包埋されている。タンパク質マトリックス(M)は、8つの1本鎖RNA分子、核タンパク質(NP)および3つのポリメラーゼ(P1〜P3)の下に位置し、囲まれている。3つのウイルス型(A、B、およびC)が、NPおよびMタンパク質の抗原性差異に関して知られている。Aウイルスは、HAおよびNAの多様性に基づくサブタイプにさらに区分される。通常のサブタイプは、H1N1、H2N2、およびH3N2と命名されたものを含む。頻繁なインフルエンザ発生は、表面HAおよびNA糖タンパク質のかなりの抗原性多様性に主として起因し、感染に対して再生された感受性を生じる。新規のサブタイプは、AタイプおよびBタイプの両方における点変異(ドリフト)から生じ得、HAおよびNA(両方)において時間にともなって経時的に生じる小さな抗原性変化を誘導する。インフルエンザサブユニットワクチンに対する体液性応答において産生される抗原は、高度に株特異的であり、従って、異なる株または頻繁に変異する株に曝露される場合にはそれらの防御効果を損失する。
【0023】
本発明の組成物および方法は、上記のインフルエンザウイルスの任意の種々の株(すなわち、A、B,またはC株、これらの株のサブタイプ、およびそれらの変異体)に適用可能である。可能なサブユニット抗原には、例えば、2つのサブユニットタンパク質(赤血球凝集素/ノイラミニダーゼ、またはH/N)の全ての組合せ例えば、H1N1、H2N2、およびH3N2、ならびにそれらの変異体)である。
【0024】
免疫応答を増強するのに有用なサイトカインには、IL-1、IL-2、IL-4、IL-6、IL-7、IL-12、IL-15、IFN-γ、およびGM-CSFが挙げられる。本発明のために好ましいサイトカインは、マクロファージおよび樹状細胞(抗原提示細胞、またはAPC)の増殖因子および成熟因子として作用するGM-CSF(顆粒球マクロファージコロニー刺激因子)、ならびにTリンパ球の増殖因子および成熟因子として作用するIL-2(インターロイキン-2)である。
【0025】
A.脂質成分
上記の種々の小胞形成脂質が、当該分野に周知の方法に従って、リポソーム組成物を形成するために使用されている。本発明に好ましい脂質は、リポソームカプセル化抗原およびサイトカインの長期保存、ならびにこれらの成分の投与における効果的な放出を可能にする。代表的な脂質には、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、コレステロール、エッグホスファチジルコリン(egg PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルイノシトール(PI)、1,2−ジステアロイル-3-トリエチルアンモニウムプロパン(DSTAP)、1,2−ジミリストイル-3-トリメチルアンモニウムプロパン(DMTAP)、およびこれらの組合せ(例えば、DMPC/コレステロール、DMPC/DMPG、DMPC/DSTAP、およびDMPG/DMTAP)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい組成物は、10〜100モルパーセントのDMPCを含む。特に好ましい組成物は、9:1(モル/モル)DMPC/DMPGおよび100%DMPCが挙げられる。
【0026】
リポソームは、下記のように、約0.25μ〜5.0μの平均直径を有する大きい多層状小胞(MLV)であり得る。あるいは、それらは約30〜80nmの平均直径を有する小さな単層小胞(SUV)であり得る。後者の場合では、リポソームを形成する小胞形成脂質は、約750と10,000ダルトンとの間の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)鎖と共に誘導体化された極性頭部基(代表的にはホスフェート含有基)を有する1〜25モルパーセントの脂質を含み得る。
【0027】
このような脂質の調製は、例えば、Woodleに記載されている。PEG鎖は、リン脂質のホスファチジン酸頭部基に直接結合し得る。他の種々の結合が可能である;例えば、ホスファチジルエタノールアミン(PE)または他のアミノ頭部基を含む脂質は、ブロム化されたPEGとの反応を介して活性化されたPEG鎖に都合良くカップリングされ得る。Woodleは、脂質アミン(特にPE)のPEGとの他のカップリング方法を記載しており、これは、カルボニルジイミダゾールカップリング試薬とのヒドロキシ末端PEGの活性化、およびそれに続くカルバメート結合を形成するための脂質アミンとの反応を含む。カルボキシル基で末端をキャップされたPEGは、脂質アミンと反応し、アミド結合を形成し得る(Sears)。
【0028】
このような脂質から調製されたリポソームは、インビボで長い循環時間を有することが知られている(Woodle)。このようなリポソームがRESにより迅速に取り込まれないので、それらは樹状細胞へのワクチン成分(抗原およびサイトカイン)の送達のために効果的に使用され、従って、上記のように、CTL免疫応答を増強し得る。
【0029】
B.リポソームおよびリポソーム組成物の調製
以下の節は、本発明に従ってリポソーム懸濁物を調製する方法、およびリポソームに更なる成分を組み込む方法を記載する。
【0030】
リポソームは、Szokaらに詳述されるような種々の技術により調製され得る。多層状小胞(MLV)を形成するために、適切な溶媒に溶解された小胞形成脂質の混合物は、容器内で蒸発されて、薄いフィルムを形成する。次いでこれは水性媒体により水和されて、代表的には約0.1〜10ミクロンの間の大きさを有するMLVを形成する。tert-ブタノールはこの工程に好ましい溶媒であり、そしてこの溶媒を用いて調製されるMLVは、TB-MLVと命名される。次いで、MLVは、選択された均一の細孔サイズ、代表的には0.05〜1.0ミクロンを有するポリカーボネート膜を通して水性懸濁物を排除することにより、1.0ミクロン以下の範囲の所望の大きさに縮小され得る。
【0031】
MLVまたはREVの調製物(下記)は、例えば、押し出し、超音波処理、または均質化により処理され、0.03〜0.08ミクロンの範囲の大きさにより特徴付けられる小さな単層小胞(SUV)を生成する。あるいは、SUVは、脂質の水性分布の均質化により直接形成され得る。
【0032】
種々の方法が、リポソーム内に他の薬剤をカプセル化するために利用可能である。例えば、逆相蒸発方法(Szoka,米国特許第4,235,871号)において、小胞形成脂質の非水性溶液が、より少ない容量の水性媒体と共に分散され、油中水(water-in-oil)エマルジョンを形成する。組み込まれる薬剤は、親油性薬剤の場合脂質溶液、または水溶性薬剤の場合には水性培地のいずれかの中に含まれる。脂質溶媒を除去した後に、生じたゲルは、リポソームに変換される。これらの逆相蒸発小胞(REV)は、約2〜4ミクロンの間の代表的な平均サイズを有し、そして主にオリゴ層であり、すなわち、1つまたは2、3の脂質二重層外被を含有する。REVは、所望される場合は、約0.05〜1.5ミクロンの最大選択サイズを有するオリゴ層小胞を産生するために、押し出しによってサイズ調製され得る。
【0033】
リポソーム組成物にさらなる組成物を添加するための他の方法は、以下の実施例に示される。実施例1では、水性リポソーム分散は、他の成分と共に同時凍結乾燥され、そして生じる固体はMLVを形成するように再分布される。実施例2は、カプセル化される薬剤の水性溶液が、脂質のt-ブタノール溶液に添加される方法(Adler)を示す。この混合物は、超音波処理そして凍結乾燥され、そして生じる粉体は再水和化される。
【0034】
包括された薬剤を含有するリポソーム組成物は、最終的なサイズ調製の後に、必要ならば、遊離(包括されていない)薬剤を除去するために処置され得る。従来の分離技術(例えば、遠心分離、ダイアフィルトレーション、および分子ふるいクロマトグラフィー)は、この目的に適切である。この組成物は、従来の0.45ミクロン深度フィルターを介する濾過によって滅菌され得る。
【0035】
本発明の組成物を形成するために、脂質中の抗原および/またはサイトカイン濃度は、好ましくは約1:100と1:1000との間のモル比のタンパク質/脂質分子比を生じるために効果的である。
【0036】
C.リポソーム組成物のカプセル化効率および貯蔵安定性
実施例1〜4に記載のように調製された組成物に関して、カプセル化効率は、抗原、IL-2、およびGM-CSFに関して、それぞれ95%、92%、および40%であった(実施例6を参照のこと)。4℃での貯蔵において、リポソームキャリアは、1年間完全に安定であり、そして包括された薬剤は少なくとも3〜6ヶ月間それらの初期活性の75〜95%を保持し、IL-2脂質は特に安定であった。IL-2および抗原リポソームは、6ヶ月まで10%より低い活性の損失を示した。
【0037】
安定化剤もまた、リポソーム組成物に添加され得る。例えば、DesferalTMまたはジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)のような金属キレート剤が、100μMの濃度で凍結乾燥媒体中に含まれる場合、IL-2生物学的活性の損失さらに減少した。BHT(実施例2を参照のこと)またはビタミンE(実施例3を参照のこと)のような保存剤もまた含まれ得る。
【0038】
長期保存のために、組成物は乾燥した凍結乾燥パウダーとして貯蔵され得、これは少なくとも1年間安定であり、そして使用の前に水和化されて、水性懸濁物を形成する。
【0039】
2つのサイトカインIL-2およびGM-CSFはまた、同じ小胞内に組み込まれ得る(実施例5)。この場合、カプセル化効率はそれぞれ85%および40%であった。
【0040】
D.投与
ヒトでの使用に関して、好ましい抗原用量は1〜20μgの範囲内にある。非経口的な投与は、注射による投与(例えば、腹腔内(ip)、皮下(sc)、静脈内(iv)、または筋肉内(im))であり得る。ivまたはim投与のために、組成物のリポソームは、上記(IIA節およびllB節)のように好ましくは小さな単層リポソームであり、そしてより好ましくは上記(llA節)のように1〜25モルパーセントのPEG誘導体化脂質を含む。ワクチンはまた、粘膜を介して鼻腔内に投与され得る。
【0041】
III. リポソームワクチンの免疫学的活性
A.組成物および方法
以下に記載される試験について、インフルエンザAウイルス赤血球凝集素/ノイラミニダーゼ(図および考察において、「H/N」または「HN」と命名される)およびサイトカインGM-CSFならびにIL-2を、以下の実施例1〜4に記載されるジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)から構成される大きな(平均直径、1.5μ)多層状小胞(MLV)にそれぞれ個別にカプセル化した。
【0042】
以下の図1、6、7および9ならびに表Iに示される結果について、抗原1と命名した、Sulvay Duphar B.V., Netherlandsにより提供される、インフルエンザAウイルスの市販の1993調製物(ShandongH3N2)を使用した。図2〜5および8ならびに表II〜Vに示される結果について、抗原2と命名した、Swiss Serum and VaccineInstitute, Berne, Switzerland由来の1994調製物を使用した。
【0043】
免疫の後の体液性応答の測定のために、BALB/Cマウスを、下記の組成物を用いて腹腔内(i.p.)または皮下(s.c.)に一回注射した。注射あたりの全抗原は、0.15〜2.0μgの範囲であり、代表的な用量は0.5μgであった。血清抗体を、特異的抗H抗体(Shapira-Nahor)に関する赤血球凝集素阻害(HI)アッセイ、特異的抗N抗体に関する酵素(ノイラミニダーゼ、すなわちNA)中和、および全抗H/N抗体に関するELISA(Ben-Ahmeida,1993)を用いて、種々の間隔(ワクチン接種後11〜360日)で試験した。コントロール実験は、空のMLVリポソームがHIアッセイにおいて測定可能な応答を産生しないことを示した。
【0044】
ELISAおよびNA試験において、吸収の50%最大阻害を産生する最後の血清希釈物をそれぞれ、測定した。全ての群は、各々5〜6匹のマウスからなっていた。HI試験において、40またはそれ以上の力価(すなわち、阻害を示す最大血清希釈物)は、抗体陽転(すなわち、ウイルス感染に対する防御)の証拠であると考えられる。
【0045】
ウイルス感染に対する長期防御を評価するために、ワクチン接種の10または14ヶ月後に、マウスを生ウイルス(2000赤血球凝集素単位)の鼻腔内投与によって感染させた。動物を、肺検査のために6日後に屠殺した。ウイルスに感染したマウスにおいて、複数の壊死病巣が見られた。肺が完全に病巣を有さない場合には完全(100%)防御を記録した。
【0046】
B. 体液性応答および長期防御:遊離のサイトカインを有する、および有さない、遊離抗原、ミョウバン支持抗原およびリポソーム抗原
試験の最初のシリーズにおいて(以下の実施例7)、遊離サイトカイン(IL-2および/またはGM-CSF)でのさらなる処理を有する、および有さない、非カプセル化(遊離)抗原およびカプセル化(リポソーム)抗原で免疫したマウスの体液性免疫応答を測定した。BALB/cマウスを、0.5μgF-H/N(抗原1、遊離)、AL-H/N(ミョウバン支持)、またはLip-H/N(リポソーム、以下の実施例1に記載されるように調製した)でi.p.に一回免疫した。各抗原を、単独、および45000単位のIL-2、GM-CSF、またはIL-2/GM-CSFの組み合わせと組み合わせて試験した。
【0047】
ワクチン接種の40日後に測定したELISA抗体力価を図1Aに示す。Lip-H/N(サイトカインを有さない)でワクチン接種したマウスの平均抗体力価は、AL-H/NおよびF-H/Nそれぞれで免疫したマウスよりも7および20倍高かった。GM-CSFまたはIL-2(非カプセル化)のいずれかを伴う上記の抗原の各々の同時注射は、応答をさらに(5〜20倍)増強した。このパターンはまた、応答のより後の段階、ワクチン接種の150〜240日後で見出された(データ示さず)。
【0048】
類似の組成物の抗-H(HI)および抗-N(NA)抗体応答をまた、ワクチン接種の40日後に試験し、図1Bに示される結果を得た。この図から理解され得るように、抗原のリポソームカプセル化は、両方の場合において、力価を約200倍増大し、そしてGM-CSFの添加は、約3倍HI力価を、そして約10倍NA力価をさらに増大させた。NA表面タンパク質は、HIタンパク質よりも種々のインフルエンザウイルス株で変化しにくいので、強力な抗NA免疫応答を付与する組成物が、広範なこのようなウイルスに対して広範な防御を提供するようである。
【0049】
表Iは、上記の組成物での免疫の10ヶ月後の生インフルエンザウイルスを投与した場合にBALB/cマウスで示された長期防御を示す。防御を、投与して6日後に、壊死病巣の非存在により評価した。サイトカイン、特にIL-2を含むリポソーム抗原および組成物は、高いレベルの防御を示し、これらの特徴の両方を有する組成物については代表的には100%の防御を示した。
【0050】
ワクチン接種の8ヶ月後までの血清変換のレベル(すなわち、40またはそれより多いHI力価)を表IIに示す。リポソーム抗原調製物(抗原2)は、初期(11日)および後期(240日)の両方の段階で、最も高いレベルの抗体陽転を示した。特に、リポソーム抗原+GM-CSFは、試験の全ての段階で、100%の抗体陽転を産生した。
【0051】
表I
ワクチン接種の10ヶ月後の長期防御(%)
【0052】
【表1】

【0053】
表II
非リポソームおよびリポソームインフルエンザA H/NワクチンでのBalb/Cマウスのワクチン接種後の抗体陽転(力価≧40)
【0054】
【表2】

【0055】
C. 体液性応答:遊離サイトカインおよびリポソームサイトカインを有する、および有さない、遊離抗原およびミョウバン支持抗原
このシリーズの試験において(実施例8)、マウスを、0.5μg H/N(抗原2)、遊離(F-H/N)またはミョウバン吸着(AL-H/N)でi.p.に一回免疫した。さらなる群を、以下の実施例2に記載されるように調製した5×103、15×103または45×103U(Cetus単位)の遊離またはリポソームカプセル化IL-2と組み合わせたAL-H/Nでワクチン接種した。この応答を、14、45、および167日目にHI(図2A〜2C)およびELISA(図3A〜3B)によって測定した。図2A〜2Cにおいて、バーの上の数字は、試験した動物の群における抗体陽転のパーセント(最小力価40)を示す。
【0056】
図2A〜2Cにおいて理解され得るように、弱いHI応答のみが、AL-H/N単独で免疫されたマウスにおいて観察された。遊離IL-2の添加は、14日目に低い応答を誘発し、そして45日目および167日目により高い用量で中程度の応答を誘発した。抗H抗体力価における顕著および持続的な増大は、リポソームIL-2とともにAL-H/Nを与えたマウスにおいて示された(IL-2の全ての用量で167日目に少なくとも10倍)。
【0057】
リポソームIL-2を含有する全ての組成物が、全ての段階で、100%抗体陽転をを示し、H.I.力価で代表的に200以上、およびより後期の段階で400以上を示した。類似の結果が、全抗体のELISAアッセイによって示され、より高い用量でより高い応答を示した(図3A〜3C)。
【0058】
このシリーズの試験を、IL-2のかわりにGM-CSFを用いて繰り返して、図4A〜4D(抗H力価)および図5A〜5D(全抗体力価)に示される結果を得た。図4A〜4Dにおいて、バーの上の数字は、試験した動物の群における抗体陽転のパーセントを示す。さらに、サイトカインに加えて、特にリポソーム中に包括した場合に、抗体力価において、有意な増大を産生した。全てのリポソームサイトカイン組成物は、9ヶ月までの全ての段階で100%の抗体陽転を示し、観察したより後期の段階で1000程高いH.I.力価、そして4000〜8000の全抗体力価を生成した。
【0059】
D.体液性応答および長期防御:遊離サイトカインおよびリポソームサイトカインを有する、および有さない遊離抗原およびリポソーム抗原
マウスを、遊離、ミョウバン吸着、またはリポソームカプセル化した0.5μg H/N(抗原1)でi.p.に一回免疫した。Lip-H/Nを単独または遊離IL-2、遊離GM-CSF、リポソームIL-2、もしくはリポソームGM-CSFとともに同時投与した(45000C.U.; 以下の実施例1〜2に記載されるように調製した)。マウスを抗H抗体応答について11〜360日目に試験し、図6に示される結果を得た。
【0060】
この図で理解され得るように、F-H/NまたはAL-H/N単独でワクチン接種したマウスは、低く、そして比較的短いHI力価を示し、約3ヶ月間続いた。1年続いた、非常に高い力価は、Lip-H/Nを注射したマウスで観察された。
【0061】
非カプセル化IL-2またはGM-CSFの同時投与は、ワクチン接種後3〜5ヶ月間Lip-H/Nに対する応答を穏やかに増強した。対照的に、Lip-IL-2またはLip-GM-CSF(組み合わせリポソームワクチン)の同時投与は、観察期間(360日間)を通してずっとLip-H/Lに対する応答を有意に増強した。3ヶ月後、例えば、組み合わせたワクチンについて得られた力価(黒丸および三角)を、抗原のみがカプセル化されたものについて観察された力価(白丸および三角)よりも2倍高かった。5および9ヶ月目に、3倍よりも大きな差異を観察した。1年後、組み合わせワクチンは、約150〜200のH.I.力価を依然として示していた。
【0062】
抗体応答のさらなる分析は、Lip-H/N+Lip-IL-2またはLip-GM-CSFでワクチン接種したマウスはまた、非リポソームワクチンで免疫したマウスよりも大いに高い力価のIgG1、IgG2aおよびIgG3抗体を発生したことを明らかにした(図7A〜7C)。これらの観察は、リポソームワクチンがTh1およびTh2(ヘルパーT細胞)応答の両方を引き起こすことを示唆する。さらに、組み合わせリポソームワクチンは代表的には、他のワクチン組成物よりも数倍高い力価を付与した。
【0063】
上記のように種々の投与形態の抗原をワクチン接種したマウスの抗体陽転のレベル(すなわち、40以上のHI力価)(ここでは、リポソーム抗原を遊離サイトカインおよびリポソームサイトカインと組み合わせた)を表IIIに示す。この表に示されるように、組み合わせリポソームワクチン(Lip-HN+Lip-サイトカイン)は、ワクチン接種後の初期の段階(11日目)〜1年目まで100%の抗体陽転を示した。
【0064】
表III
非リポソームおよびリポソームインフルエンザA H/NワクチンでのBalb/Cマウスのワクチン接種後の抗体陽転(力価≧40)
【0065】
【表3】

【0066】
図8は、単独またはリポソームIL-2をともなう遊離およびリポソームH/N(抗原2)の投与の45日後に、ELISAによって測定した、全抗体応答を示す。低い(0.15μg)用量の抗原への遊離IL-2の添加は、応答にわずかな効果を有したが、リポソームIL-2の添加は有意に応答を増大させた。
【0067】
最後に、マウスをワクチン接種の14ヶ月後の長期防御について試験した(図9)。Lip-H/N(抗原2)+リポソームサイトカインの同時ワクチン接種における防御のレベルは、Lip-H/N+遊離サイトカインで免疫したマウスにおける40〜50%、およびサイトカインを有さない遊離、リポソームまたはAL-H/Nで免疫したマウスにおける防御なしと比較して、14ヶ月目で70%であった。従って、組み合わせリポソームワクチンでの単独免疫は、1年にわたって高レベルの防御を付与した。
【0068】
E.細胞障害性応答:リポソームサイトカインを有するリポソーム抗原
強力な抗ウイルス細胞障害性応答を、組み合わせリポソームワクチン(リポソームH/N+リポソームIL-2またはGM-CSF)で免疫したマウスにおいて見出した。表IVに示したデータを得るために、BALB/Cマウスを、示した組み合わせにおいて、5×104Uのサイトカインを有するか、または有さない0.5μgのH/Nでの0および90日目にs.c.免疫した。
【0069】
第2のワクチン接種の18日後に得られた脾細胞を、5日間、インフルエンザウイルス感染照射同系脾細胞と1:1の比でインビトロで刺激した。細胞障害性を、ウイルス感染P815細胞に感染したウイルスに対する4時間の51Cr放出アッセイ(Gazit)によって測定した。細胞障害性を、LU/106の細胞に関して表す。ここで、1LUは、30%細胞障害性に対応する。
【0070】
表IVに示されるように、組み合わせリポソームワクチンで免疫したマウス由来の細胞は、ウイルス感染標的細胞に対して強力な細胞障害活性を示し、より高いE/T(エフェクター対標的細胞)比で活性を増大した。
【0071】
表IV
インフルエンザA H/Nワクチンaでのワクチン接種の後の
Balb/C脾臓細胞の細胞障害活性
【0072】
【表4】



【0073】
a s.c.免疫の90日後に得た脾臓細胞を、試験の前に、ウイルス感染同系脾細胞とともに5日間共培養した。
b 細胞障害性を、4時間の51Cr放出アッセイを用いて、種々のエフェクター/標的細胞比でウイルス感染標的細胞および非感染標的細胞に対して試験した。1LU=30%障害性。
【0074】

表Vに示したデータを得るために、マウスを、示したワクチン組成物を用いて上記のように免疫した。免疫の90日後に得た脾細胞を、試験の前に、インフルエンザウイルス感染照射同系脾細胞とともに5日間共培養した。細胞障害性を、ウイルス感染および非感染P815標的細胞の両方に対して、再び4時間の51Cr放出アッセイによって試験した。表Vに示したように、組み合わせワクチン(H/N+サイトカイン)で免疫したマウス由来の細胞は、有意な細胞障害性を示し、ウイルス感染細胞に対してより大きな活性を示した。
【0075】
表V
非リポソームおよびリポソームH/Nで免疫したマウス由来の
脾細胞の細胞障害性活性



【0076】
a Balb/Cマウスを、0日および90日目に、0.5μg HN±サイトカイン(5×104U)でs.c.免疫した。
b 第2のワクチン接種の18日後に得られた脾細胞を、5日間、ウイルス感染照射同系脾細胞と1:1の比でインビトロで刺激した。細胞障害性を、ウイルス感染P815標的細胞に対する4時間の51Cr放出アッセイによって測定した。
【0077】
上記の結果は、抗原およびIL-2またはGM-CSFのいずれかのリポソームカプセル化が、免疫応答(CTL応答を含む)をサブ単位ワクチンに対してかなり改善することを示す。リポソーム抗原およびリポソームIL-2またはGM-CSF(組み合わせリポソームワクチン)の同時投与は、高い力価のIgG1、IgG2a、IgG3およびIgM抗体を誘発し、これはTh1およびTh2応答の両方、ならびに強力なCTL応答、および最も効率的な長期防御実験であったことを示す。組み合わせリポソームワクチンは、現在入手可能なインフルエンザワクチンおよび試験した匹敵するワクチンと比較して、より初期の応答、より強力な応答、およびより延長した応答を示す。
【0078】
以下の実施例は、本発明を例示するが、限定することを決して意図しない。
【0079】
IV.材料および方法
A. 抗原
インフルエンザAウイルス赤血球凝集素/ノイラミニダーゼの市販の調製物は、SulvayDuphar B.V., Netherlands(Shandong [9/93] H3N2)、およびSwiss Serumand VaccineInstitute, Berne, Switzerlandによって提供された。
【0080】
B. サイトカイン
組換えマウス顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF,>97%純粋、4×107 U/mg)および組換えヒトインターロイキン-2(IL-2,97%純粋、3×106 Cetus単位/mg=18×106 IU/mg)は、Immunex(Seattle,WA, USA)およびCetus Oncology(Chiron, Emeryville, CA, USA)のそれぞれによって提供された。サイトカインは、供給業者の指導書に従って取り扱い、そして1mg/mlのウシ血清アルブミン(BSA)を含有するHank'sBalanced Salt Solution(HBSS)に希釈した。
【0081】
C. マウス
6〜12週齡の特定の病原フリー(SPF)雌BALB/cマウス(Harlan,Jerusalem)をSPF条件下で維持した。
【0082】
D. サイトカインバイオアッセイ
遊離サイトカインおよびリポソーム包括サイトカインの増殖を誘導する能力を、48[3H]-チミジン取り込み試験(Gillis)または比色MTT試験(Mossmann)によって評価した。GM-CSF依存性32-Dマウス骨髄細胞株およびIL-2依存性CTLL-2マウスT細胞株を、指示細胞として使用した。MTTアッセイにおいてリポソームカプセル化サイトカインを試験するために、0.1NHCl中の20%Triton x-100を用いて、呈色結晶およびリポソームを溶解させ、そして濁度放出アーチファクトを防止した。
【0083】
E. ミョウバン吸着抗原の調製
H/Nタンパク質を、以前に記載されたように(Harlow)、1mgのAl(OH)3あたり100μgのH/Nを用いて、ミョウバン、Al(OH)3に吸着させた。
【0084】
F. 体液性応答の免疫化および測定
他に示さない限り、BALB/Cマウスに、代表的には0.5μgの投薬量レベルで、H/Nを一回腹腔内(i.p.)に注射し、遊離抗原(F-H/N)、ミョウバンと組み合わせ(AL-H/N)、またはリポソーム中(Lip-H/N)(下記の実施例1に示されるように調製した)のいずれかで投与した。各々の抗原調製物を、単独、または5×102〜4.5×104Cetus単位(CU)の遊離サイトカインあるいはリポソームカプセル化サイトカイン(実施例2〜3のように調製した)とともに与えた。
【0085】
血清抗体を、特異的抗H抗体(Shpira-Nahor)に関する赤血球凝集素阻害(HI)アッセイ、特異的抗N抗体に関する酵素中和、および全抗H/N抗体に関するELISA(Ben-Ahmeida,1993)を用いて、種々の間隔(ワクチン接種して11〜360日後)で試験した。HI試験において、40以上の力価を防御であるとみなす。抗NおよびELISA試験において、50%最大阻害または吸収を産生する最終血清希釈度を、それぞれ測定した。全ての群は、各々5〜6匹のマウスから構成された。
【0086】
G. ウイルス感染に対する防御
ワクチン接種の10または14ヶ月後、マウスを生ウイルス(2000赤血球凝集素単位)の鼻腔内投与によって感染させた。このウイルス株は、BALB/Cマウスに対してほとんど致命的ではないので、動物を肺検査のために6日目に屠殺した。このウイルスに感染したマウスにおいて、複数の壊死病巣を観察した。肺が病巣を全く含まない場合に、完全な防御を記録した。
【0087】
H. 統計学的分析
群間の差異を、両側Student's-検定を用いて分析した。
【実施例】
【0088】
実施例1:リポソームH/Nの調製
抗原を、以下のように、脱水-再水和技術を用いてDMPCリポソーム中に包括した。ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC, Avanti Polar Lipids,Pelham, AL, USA、またはLipoid, Ludwigshafen, Germany)4gを、40mlの二重滅菌蒸留水(DDW)に添加し、そして40〜45℃で溶解させた。この溶液を3分間、高圧(10,000psi)で、RannieMinilab 8.30 H High Pressure Homogenizer (APV Rannie, Denmark)を用いてホモジナイズし、小さな単層小胞(50nm,SUV)の形成を生じた。SUVを、0.2μm孔サイズフィルターを通す濾過によって滅菌した。H/N(0.2ml中66μg)を、750μlのSUV(脂質/タンパク質比1000/1)に添加し、そしてこの混合物を手短にボルテックスし、次いで一晩同時凍結乾燥させた。脂質-タンパク質パウダーを、最初に0.1mlDDWを、次いでpH 7.4で0.65mlリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を添加し、それに続いてボルテックスすることによって水和させて、H/Nを含有する大きな(平均直径、1.5μm)の多層状小胞(MLV)の形成を生じた。
【0089】
リポソーム中に包括させたタンパク質の量を、Coomassie brilliant blue G(Minamide)を用いて、濾紙染料結合アッセイによって測定した。
【0090】
実施例2:リポソームサイトカインの調製
DMPC(0.57g)および0.02mlのBHT(ブチル化水酸化トルエン、抗酸化剤)の1%エタノール溶液を9mlの三級ブタノールとともに混合し、そしてこの混合物を、37℃で20分間超音波処理して、脂質を溶解させた。引き続いて、GM-CSFまたはIL-2(9mlのHBSS+0.1%BSA中に1〜5×106U)を添加し、そして脂質-サイトカイン混合物を室温で20分間さらに超音波処理し、そして一晩凍結乾燥させた。このパウダーを、9mlのDDWを添加し、そして直ちに室温で30分間振盪(LablineMulti Wrist Shaker, Melrose Park,IL,USA)することによって水和させた。上記のGM-CSF-負荷リポソームおよびIL-2負荷リポソーム(平均直径、1.5±0.5μm)をHBSS/0.1%BSAに希釈し、そして4℃で保存した。サイトカインを含有するリポソームを、14,000rpmで15〜20分間の遠心分離(Eppendorf centrifugemodel 5415C)によって遊離、非カプセル化サイトカインから分離した。この技術は、リポソーム画分においてリポソーム脂質のほとんど100%の回収を生じた。
【0091】
カプセル化効率を測定するために、リポソームを、上記のような培地から最初に分離した。次いで、生物学的に活性なサイトカインのレベルを、最初の調製物、リポソームフリー培地、および上記のようなバイオアッセイによる単離されたリポソームにおいて測定した。リポソームサイトカインの最大の暴露(>95%)に関しては、リポソームを4〜8℃で30〜40分間超音波処理した。この手順は、サイトカインの最高の回収を生じ、サイトカイン生物学的活性の>90%を保持した。
【0092】
実施例3
BHTを0.1〜0.2モル%(DMPCと比較して)のビタミンEで置換した以外は、リポソームサイトカインを実施例2に記載のように調製した。
【0093】
実施例4
タンパク質への金属関連損傷の転移を防止するために、≧50μM(最終濃度)のレベルでの金属キレート剤(例えば、DTPA(ジエチレントリアミンペンタ酢酸)またはDesferal)の添加をともなって、実施例2に記載のように、リポソームサイトカインを調製した。
【0094】
実施例5
H/Nタンパク質およびサイトカイン(IL-2、GM-CSF、または2つの組み合わせ)をDMPCとともに同時凍結乾燥させた以外は、MLVを実施例1に記載のように調製した。
【0095】
実施例6:リポソーム中への抗原およびサイトカインのカプセル化ならびにリポソーム調製物の安定性
インフルエンザAH3N2抗原ならびに組換えサイトカインIL-2およびGM-CSFを、DMPCからなる大きなMLV(平均直径、1.5μm)中にカプセル化した。カプセル化効率を、上記のような遠心分離後の上清およびリポソーム画分中でタンパク質(H3N2)およびサイトカイン生物学的活性(GM-CSF、IL-2)を測定することによって試験した。抗原、IL-2およびGM-CSF(各々3バッチ)の平均カプセル化効率は、それぞれ、95%、92%および40%であった。
【0096】
さらに、リポソームを液体形状で4℃で2〜8時間保存し、その期間に調製物を、新鮮な調製物と比較して、残存活性について定期的に試験した。カプセル化IL-2およびH3N2は、いかなる有意な活性の損失(<10%)をも伴うことなく、それぞれ、6および8ヶ月間まで保存された。カプセル化GM-CSFは、2ヶ月目に10〜25%の活性の減少を示し、5ヶ月目にはさらなる減少(40〜50%)を示した。従って、リポソームIL-2調製物は、リポソームGM-CSFよりもはるかに安定である。GM-CSF活性の損失は、リポソームからのサイトカイン漏出に一部起因し、そしてサイトカイン不活化/分解に一部起因した。
【0097】
他の実験(データ示さず)において、IL-2およびGM-CSFの両方を、同一の小胞に取り込ませた。この場合、カプセル化効率は、それぞれ、約85%および40%であった。安定性研究は、これらのリポソームでは行わなかった。
【0098】
リポソームサイトカインのi.v.播種の後、血液循環時間は、非カプセル化サイトカインのそれよりも10〜20倍長かった(データ示さず)。
【0099】
実施例7:遊離サイトカインの同時投与を有する、および有さない遊離またはリポソームH/Nで免疫したマウスの体液性免疫応答
BALB/cマウスを、0.5μgのF-H/N、AL-H/N、またはLip-H/N(実施例1のように調製)の各々単独、または遊離IL-2、GM-CSF、もしくはIL-2+GM-CSF(各々4.5×104単位)との組み合わせでipに一回免疫した。抗体力価を、11〜240日目にELISAおよびHI(特異的抗H抗体に対する)によって測定した。肺防御を、ワクチン接種後270日目に、上記のように試験した。結果を、上記のように図1〜2に示す。
【0100】
実施例8.ミョウバン-吸着H/Nに対する体液性免疫応答における遊離IL-2およびリポソームIL-2の効果
マウスを、遊離またはミョウバン吸着した0.5μgのH/Nでipで1回免疫した。他の群を、実施例2に記載のように調製した、5×103、15×103または45×103のCetus単位の遊離またはカプセル化IL-2もしくはGM-CSFと組み合わせたAL-H/Nでワクチン接種した。応答を、14、45、167、および(GM-CSFについては)276(9ヶ月)日目にHIおよびELISA試験によって測定した。結果を、上記のように図2〜5に示す。
【0101】
実施例9. 遊離サイトカインまたはリポソームサイトカインの同時投与を伴う、および伴わない遊離H/NまたはリポソームH/Nで免疫したマウスの体液性免疫応答
比較を、可溶性およびリポソーム包括IL-2と、Lip-H/Nとともに同時投与したGM-CSFとの間で行った。マウスを、抗H抗体応答について11〜360日目に試験し、図6に示す結果を得た。抗体応答のさらなる分析を行い、IgG1、IgG2aおよびIgG3抗体の力価を測定した。結果を図8A〜8Cに示す。
【0102】
マウスを、上記のように長期防御について420日目に試験して、図9に示す結果を得た。
【0103】
実施例10. 細胞障害性応答
強力な抗ウイルス細胞障害性応答を、組み合わせリポソームワクチン(Lip-H/N+Lip-IL-2またはLip-GM-CSF)で免疫したマウスにおいて見出した。従って、インフルエンザA感染同系脾細胞で6日間インビトロで刺激した3ヶ月前にワクチン接種したマウスの脾細胞は、ウイルス感染標的細胞(P815)に対して強力な細胞障害活性を示した。結果を、上記の表IVおよびVに示す。
【0104】
本発明は、特定の方法および実施態様に関して記載されているが、種々の改変が、本発明から逸脱することなく作製され得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】図1Aは、0.5μgの遊離H3N2(「H/N」)抗原、AL-H/N(ミョウバンアジュバントを有するH/N抗原)、およびLip-H/N(DMPCリポソームで送達されるH/N抗原)で、BALB/cマウスをi.p.免疫化して40日後のELISAにより測定された総血清抗体のレベルを示す。ここで、それぞれの抗原は、各々単独であるか、または45000CUの遊離IL-2、GM-CSF、もしくはIL-2とGM-CSFとの組合せと組み合わせられている;図1Bは、0.5μgの遊離H/NまたはLip-H/N(DMPCリポソームで送達されるH/N抗原)で、BALB/cマウスをi.p.免疫して40日後のHI(赤血球凝集阻害)アッセイにより測定された抗H抗体のレベル、および酵素中和により測定された抗NA抗体のレベルを示す。ここで、それぞれの抗原は、図1Aのように各々単独であるか、または45000CUGM-CSFと組み合わせられている;
【図2】図2A-2Cは、0.5μgの遊離H/NまたはAL-H/N(Alumアジュバントを有するH/N抗原)で、BALB/cマウスをi.p.免疫化して、14日、45日、および167日後に測定された抗H抗体のレベルを示す。後者は、単独で、または3用量の遊離IL-2もしくはLip-IL-2(リポソーム中にカプセル化されたIL-2)との組合せである;
【図3】図3A-3Cは、図2A-2Cについて記載された組成物で、BALB/cマウスをi.p.免疫化して、14日、45日、および167日後にELISAにより測定された総血清抗体のレベルを示す;
【図4−1】図4A-4Bは、0.5μgの遊離H/NまたはAL-H/Nで、BALB/cマウスをi.p.免疫化して、14日、45日、173日、および276日(9ヶ月)後に測定された抗H抗体のレベルを示す。後者は、単独で、または3用量の遊離GM-CSFまたはLip-GM-CSF(リポソーム中にカプセル化されたGM-CSF)との組合せである;
【図4−2】図4C-4Dは、0.5μgの遊離H/NまたはAL-H/Nで、BALB/cマウスをi.p.免疫化して、14日、45日、173日、および276日(9ヶ月)後に測定された抗H抗体のレベルを示す。後者は、単独で、または3用量の遊離GM-CSFまたはLip-GM-CSF(リポソーム中にカプセル化されたGM-CSF)との組合せである;
【図5−1】図5A-5Bは、0.5μgの遊離H/NまたはAL-H/Nで、BALB/cマウスをi.p.免疫化して、14日、45日、173日、および276日(9ヶ月)後に測定された総血清抗体のレベルを示す。後者は、単独で、または3用量の遊離GM-CSFもしくはLip-GM-CSFとの組合せである;
【図5−2】図5C-5Dは、0.5μgの遊離H/NまたはAL-H/Nで、BALB/cマウスをi.p.免疫化して、14日、45日、173日、および276日(9ヶ月)後に測定された総血清抗体のレベルを示す。後者は、単独で、または3用量の遊離GM-CSFもしくはLip-GM-CSFとの組合せである;
【図6】図6は、0.5μgの遊離H/N、AL-H/N、およびLip-H/Nで、BALB/cマウスをi.p.免疫化して、11、40、70、150、270、および360日後に測定された抗H血清抗体のレベルを示す。最後のものは、単独で、または45000C.U.のIL-2、Lip-IL-2、GM-CSFもしくはLip-GM-CSFとの組合せである;
【図7】図7A、7B、および7Cは、図6に記載の組成物でBALB/cマウスをi.p.免疫して70日後にELISAにより測定された、それぞれ特異的抗体サブタイプIgG1、IgG2a、およびIgG3のレベルを示す。;
【図8】図8は、遊離およびリポソームIL-2と共に、またはなしで、0.15μgの遊離およびリポソームH/NでBALB/cマウスをi.p.注射した後に、ELISAにより測定された総抗体レベルを示す。
【図9】図9は、図6に記載の組成物で免疫化(i.p.またはs.c.)した14ヶ月後、生インフルエンザウイルスを鼻腔的に投与したときの、BALB/cマウスにおける長期防御を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載される発明。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4−1】
image rotate

【図4−2】
image rotate

【図5−1】
image rotate

【図5−2】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−260779(P2008−260779A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149959(P2008−149959)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【分割の表示】特願平10−502632の分割
【原出願日】平成9年6月24日(1997.6.24)
【出願人】(504303573)イッサム リサーチ ディベロプメント カンパニー オブ ザ ヘブリュー ユニバーシティ オブ エルサレム (10)
【Fターム(参考)】