リムーバブルメディア管理装置
【課題】DICOMメディアとして、大容量リムーバブルメディアを使用したときのデバイスの認識、リスト表示、データの読み書き等における応答性の遅さを解消する。
【解決手段】リムーバブルメディア管理装置101は、医用画像に関するデータファイルが記憶される外部メディアと接続されるコネクタ102と、外部リムーバブルメディアの記憶領域を複数の記憶区分に分割する記憶区分分割部105と、記憶区分のいずれかを所定の規則に従って、医用データファイルに対して割り当てる割当部と、割り当てた記憶区分における医用データファイルを特定する情報と医用データファイルの付帯情報とを含む管理ファイルを、複数の記憶区分にそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部109と、記憶区分のいずれかが選択されたとき、医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、ファイルリストを表示する表示部107とを具備する。
【解決手段】リムーバブルメディア管理装置101は、医用画像に関するデータファイルが記憶される外部メディアと接続されるコネクタ102と、外部リムーバブルメディアの記憶領域を複数の記憶区分に分割する記憶区分分割部105と、記憶区分のいずれかを所定の規則に従って、医用データファイルに対して割り当てる割当部と、割り当てた記憶区分における医用データファイルを特定する情報と医用データファイルの付帯情報とを含む管理ファイルを、複数の記憶区分にそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部109と、記憶区分のいずれかが選択されたとき、医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、ファイルリストを表示する表示部107とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用データファイルが記憶された機器に接続され、医用データファイルを保存するリムーバブルメディアを管理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置等の医療機器における医用データファイルの保存媒体として、近年リムーバブルメディアが使われている。リムーバブルメディアの一例として、USB(Universal Serial Bus)メモリやUSB−HDD(Universal Serial Bus - Hard Disk Drive)などが存在する。これらメディアへの医用データファイルの保存方法としては、DICOM(Digital Imaging Communication in Medicine)規格に則って行われることが主流になりつつある。
【0003】
ここでDICOMとは、米国放射線学会(American College of Radiology 以下ACR)と米国電機工業会(National Electrical Manufacturers Association 以下NEMA)とによる委員会が定めた「医用におけるディジタル画像と通信」に関する標準規格である。この標準規格に基づいて画像フォーマットや通信のプロトコルを設定することにより、X線CT装置やMRI装置のような異なる種類のモダリティで収集された医用画像や、メーカの異なるモダリティで収集された医用画像を含む医用情報が、共通の資産として活用できるようになっている。なお、DICOM規格に則って、医用データファイルと、この医用データファイルの管理情報(例えば、患者情報、検査情報、画像のシリーズ情報、画像情報)であるディレクトリレコード(Directory Record 以下DR)と、このディレクトリレコードについて階層化したDICOMDIRファイルとが保存される記憶媒体を以後DICOMメディアと称する。
【0004】
近年DICOMメディアとして、年々大容量化している上記USBメモリや、更に大容量の上記USB−HDDなどの大容量のリムーバブルメディアを使用したいというユーザの要望がある。このとき、リムーバブルメディアの大容量化に伴い、保存されるデータ量が増大し、かつこれらのデータを管理するファイルであるDICOMDIRファイルのサイズが大きくなる。
【0005】
これらのような大容量のリムーバブルメディアの使用は、DICOMの規格の想定を超えている。すなわち、従来どおりに上記大容量リムーバブルメディアを使用すると、応答性が遅い場合がある。具体的な問題点としては、例えば、デバイスの認識が遅いこと、データの閲覧であるリスト表示に時間がかかること、データの読み書きに時間がかかることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、DICOMメディアとして、大容量リムーバブルメディアを使用したときのデバイスの認識、リスト表示、データの読み書き等における応答性の遅さを向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
本発明の第1局面は、医用画像に関する医用データファイルが記憶される外部リムーバブルメディアと接続されるコネクタと、外部リムーバブルメディアの記憶領域を複数の記憶区分に分割する記憶区分分割部と、記憶区分のいずれかを所定の規則に従って、医用データファイルに対して割り当てる割当部と、所定の規則に従って割り当てた記憶区分における医用データファイルを特定する情報と医用データファイルの付帯情報とを含む管理ファイルを、複数の記憶区分にそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部と、複数の記憶区分のいずれかがユーザにより選択されたとき、選択された記憶区分に対応する管理ファイルに基づいて、医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、作成されたファイルリストを表示する表示部とを具備するリムーバブルメディア管理装置を提供する。
【0008】
本発明の第2局面は、医用画像に関する医用データファイルが記憶される外部リムーバブルメディアと接続されるコネクタと、医用データファイルの付帯情報に含まれる患者の情報を抽出し、この患者の情報を含む患者情報ファイルを作成する患者情報ファイル作成部と、医用データファイルを特定する情報と医用データファイルの付帯情報の少なくとも一部とを含む管理ファイルを、患者ごとにそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部と、患者情報ファイルの患者のいずれかがユーザにより選択されたとき、選択された患者に対応する管理ファイルに基づいて、上記医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、作成されたファイルリストを表示する表示部とを具備するリムーバブルメディア管理装置を提供する。
【0009】
本発明の第3局面は、医用画像に関する医用データファイルが記憶される外部リムーバブルメディアと接続されるコネクタと、外部リムーバブルメディアの記憶領域を複数の記憶区分に分割する記憶区分分割部と、複数の記憶区分を、一患者の医用データファイルに対して、複数の記憶区分に複数の患者がそれぞれ対応するように所定の規則に従って割り当てる割当部と、この規則に従って割り当てた記憶区分における医用データファイルのアドレス情報と医用データファイルの付帯情報の少なくとも一部とを含む管理ファイルを、複数の記憶区分にそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部と、医用データファイルの付帯情報に含まれる患者の情報と管理ファイルのアドレス情報とを含む患者情報ファイルを作成する患者情報ファイル作成部と、患者情報ファイルの患者のいずれかがユーザにより選択されたとき、選択された患者に対応する管理ファイルに基づいて、医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、作成されたファイルリストを表示する表示部とを具備するリムーバブルメディア管理装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のリムーバブル管理装置によれば、DICOMメディアとして、大容量リムーバブルメディアを使用したときのデバイスの認識、リスト表示、データの読み書き等における応答性の遅さを解消することができ、大容量リムーバブルメディアの応答性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明による第1実施形態に係るリムーバブル管理装置101を表した図である。
【図2】図2は、第1の実施形態において、図1のリムーバブル管理装置101により外部リムーバブルメディア115内に構築されるDICOMメディア1のデータ構造の一例を示した図である。
【図3】図3は、図1のリムーバブルメディア管理装置101のブロック構成図を示している。
【図4】図4は、第1の実施形態において、複数の記憶区分それぞれに作成される管理ファイルの一例である。
【図5】図5は、第1の実施形態において、本リムーバブル管理装置101へ外部リムーバブルメディア115を接続したときに、表示部で表示される画面の一例である。
【図6】図6は、第1の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置101による外部リムーバブルメディア115への保存処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、第1の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置101による外部リムーバブルメディア115に保存された医用データファイルの読出し処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、第1の実施形態において、リスト作成部106が、選択された仮想メディア内の医用データファイルに対して作成したファイルリストの一例である。
【図9】図9は、第2の実施形態によるリムーバブルメディア管理装置201のブロック構成図を示している。
【図10】図10は、第2の実施形態において、全記憶領域に記憶された全ての医用データファイルを対象とした患者情報ファイルの一例である。
【図11】図11は、第2の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置201による外部リムーバブルメディア115への最初の接続時での保存処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第2の実施形態において、それぞれの患者に作成される管理ファイルの一例である。
【図13】図13は、第2の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置201による外部リムーバブルメディア115への追加保存の処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、第2の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置201による外部リムーバブルメディア115に保存された医用データファイルの読出し処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、第2の実施形態および第3の実施形態において、本リムーバブル管理装置201へ外部リムーバブルメディア115を接続したときに、表示部で表示される画面の一例である。
【図16】図16は、第2の実施形態および第3の実施形態において、リスト作成部106が作成した医用データファイルのファイルリストの一例である。
【図17】図17は、第2の実施形態において、本リムーバブル管理装置201により外部リムーバブルメディア115内に構築されるデータ構造の一例を示した図である。
【図18】図18は、第3の実施形態によるリムーバブルメディア管理装置301のブロック構成図を示している。
【図19】図19は、第3の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置301による外部リムーバブルメディア115への最初の接続時での保存処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】図20は、第3の実施形態において、複数の記憶区分それぞれに複数の患者がそれぞれ対応するように作成される管理ファイルの一例である。
【図21】図21は、第3の実施形態において、全記憶区分に記憶された全ての管理ファイルを対象とした患者情報ファイルの一例である。
【図22】図22は、第3の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置301による外部リムーバブルメディア115への追加保存の処理の手順を示すフローチャートである。
【図23】図23は、第3の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置301による外部リムーバブルメディア115に保存された医用データファイルの読出し処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】図24は、第3の実施形態において、本リムーバブル管理装置301により外部リムーバブルメディア115内に構築されるデータ構造の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係わるリムーバブルメディア管理装置を説明する。本実施形態に係るリムーバブルメディア管理装置は、X線コンピュータ断層撮影装置、X線診断装置、超音波診断装置、ガンマカメラ、磁気共鳴イメージング装置などの医用画像発生装置により発生された医用画像に関する医用データファイルを記憶している機器から外部リムーバブルメディアへ保存する際の管理および、医用データファイルが保存されている外部リムーバブルメディアから表示を行う際の管理を行う装置である。本実施形態に係る保存形態は、特に限定されず如何なる保存形態にも適用可能である。
【0013】
(第1の実施形態)
発明の構成および機能の概略図である図1を参照としながら、まず本発明の構成を説明する。図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るリムーバブルメディア管理装置101は、外部リムーバブルメディア115(例えば大容量USB−HDD又はUSBメモリ)を着脱可能に接続する。以降、本実施形態の説明を具体的に行うため、保存形態は、DICOM(Digital Imaging Communication in Medicine)規格で行うものとする。
【0014】
はじめに、リムーバブルメディア管理装置101によって外部リムーバブルメディア115へ構築されるDICOM規格でのデータ構造の一例である図2について説明する。
【0015】
図2に示すように、外部リムーバブルメディア115の記憶領域は、リムーバブルメディア管理装置101によって複数の記憶区分に分割される。それぞれの記憶区分は、DICOM規格におけるデータ構造を有するDICOMメディア1(ディスクイメージ)として定義される。DICOMメディア1には、医用データファイルを主とするオブジェクトファイル3、4、5とディレクトリレコード(Directory Record 以下DR)から構成されるDICOMDIRファイル2とがマウントされる。医用データファイルは、主にX線コンピュータ断層撮影装置(Computed Tomography : CT)、X線診断装置、超音波診断装置、磁気共鳴イメージング装置、ガンマカメラなどのモダリティで発生された医用画像データファイルである。以下オブジェクトファイルを医用データファイルという。この他に、DICOM形式ではない非DICOMファイル6を持つことも可能である。
【0016】
DICOMDIRファイル2は、外部リムーバブルメディア115の記憶区分に記憶される全ての医用データファイル3、4、5を対象とした管理情報である。DICOMDIRファイル2には、複数のDRがマウントされる。複数のDRには、例えば、Patient DR7−a、Study DR8−a、Series DR9−a、Image DR10−a、Image DR11−a、Image DR12−aがある。ルートディレクトリの直下にPatient DR7−aがマウントされる。Patient DR7−aの下位にStudy DR8−aがマウントされる。Study DR8−aの下位にSeries DR9−aがマウントされる。Series DR9−aの下位にImage DR10−a、Image DR11−a、Image DR12−aがマウントされる。添え字のaは、ある患者aについてのDRおよび医用データファイルを表している。Patient DR7−a、Study DR8−a、Series DR9−a、Image DR10−a、Image DR11−a、Image DR12−aには、それぞれのDRの階層情報とそれぞれのDRに対応したそれぞれの医用データファイルへのアドレス情報とともに以下詳述する内容が記述されている。以下上記それぞれのDRについて説明する。
【0017】
Patient DR7−aは、患者名や患者ID等の患者情報を記述したDRである。Study DR8−aは、検査日付や検査時刻等の検査情報を記述したDRである。Series DR9−aは、画像のモダリティ(modality)や画像同士の関連性等のシリーズ情報を記述したDRである。Image DR10、Image DR11、Image DR12は、それぞれの画像に対応した画素数や画像階調度(画素当たりのビット数)等の画像情報を記述したDRである。上記患者情報、検査情報、シリーズ情報、画像情報は、医用データファイル3、4、5の付帯情報を構成する情報である。
【0018】
このように、DICOMメディア1には、医用データファイルとともに、この医用データファイルの付帯情報と関連するDICOMDIRファイル2が記憶される。医用データファイルに対応するDRが、階層構造に組まれてDICOMDIRファイル2を構成する。
【0019】
図3は、図1における本実施形態に係るリムーバブルメディア管理装置101のブロック構成図を示している。図3に示すように、本リムーバブルメディア管理装置101は、外部リムーバブルメディア115と接続されるコネクタ102を有する。外部リムーバブルメディア115は、例えばUSB−HDDまたは、USBメモリである。USB−HDDとは、USB接続の外付けハードディスク装置である。外部リムーバブルメディア115は、USB−HDDであっても、USBメモリであっても、その他の記憶媒体であっても、以下説明するリムーバブルメディア管理装置101の動作は同一である。本リムーバブルメディア管理装置101は、外部リムーバブルメディア115との接続を検出する接続検出部103と、記憶区分認識部104と、記憶区分分割部105と、リスト作成部106と、表示部107と、認識部108と、管理ファイル作成部109と、割当部110とから構成される。加えてリムーバブルメディア管理装置101には、医用データファイルを記憶している例えばPACS(picture archiving and communication system:医用画像保管通信システム)を構成する機器111が別途接続されている。医用データファイルを記憶している機器111は、入力部112、選択部114、医用データファイル記憶部から構成される。
【0020】
接続検出部103は、コネクタ102を介して外部リムーバブルメディア115との接続を検出し、検出された信号を記憶区分認識部104へ送る。記憶区分認識部104は、接続検出部103からの信号に基づいて、コネクタ102を経由して外部リムーバブルメディア115における記憶領域の分割の有無、つまり、初めて接続されたか否かについての情報を認識する。外部リムーバブルメディア115の記憶領域が分割されていないならば、上記記憶領域の未分割の信号を記憶区分分割部105へ送る。記憶区分分割部105は、上記記憶領域の未分割の信号に基づいて、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を複数の記憶区分(以下複数の仮想メディア)に分割する。
【0021】
入力部112は、図示しないが、外部リムーバブルメディア115へ保存する医用データファイルを選択するためのマウス、キーボードなどの操作装置を有する。ユーザによる入力部112を介した保存対象の医用データファイルの選択操作に基づいて、選択部114が医用データファイル記憶部113から医用データファイルの付帯情報を認識部108に読み出させる。
【0022】
認識部108は、読み出された医用データファイルの付帯情報と、外部リムーバブルメディア115の各々の仮想メディアに保存されている医用データファイルの付帯情報を管理する管理ファイル(以下DICOMDIRファイル2)の情報とを割当部110に送る。また、外部リムーバブルメディア115に保存されている医用データファイルを読み出すとき、外部リムーバブルメディア115との接続を検出後、外部リムーバブルメディア115の記憶区分(以下仮想メディア)それぞれに保存されているDICOMDIRファイル2を認識し、認識したDICOMDIRファイル2の情報を表示部107へ送る。
【0023】
割当部110は、認識部108から送られた医用データファイルの付帯情報と、外部リムーバブルメディア115の仮想メディアに保存されている医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイル2の情報との関連性の情報に基づいて、所定の規則に従って、送られた医用データファイルに仮想メディアのいずれかを保存先として割り当てる。ここで所定の規則とは、複数の仮想メディアのいずれかにおいて、仮想メディアに保存されている医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイル2の患者の情報(患者ディレクトリレコード以下患者DR)と、保存対象である医用データファイルの付帯情報の一部である患者の情報とが一致したならば、上記DICOMDIRファイル2が保存されている記憶区分を、当該医用データファイルに割り当てるように規定されている。なお、医用データファイルの付帯情報の一部である患者の情報における氏名のアルファベットに基づいて、仮想メディアを保存対象の医用データファイルに割り当てる規則や、医用データファイルが作成された日時に基づいて、保存対象の医用データファイルに仮想メディアを割り当てる規則を用いることも可能である。また、上記割当後、当該医用データファイルを上記仮想メディアへ保存する。
【0024】
管理ファイル作成部109は、割当部110によって割り当てられた仮想メディアにおける医用データファイルの保存アドレス情報とこの医用データファイルの付帯情報を含むDICOMDIRファイル2とを、複数の仮想メディア各々に作成する。DICOM規格に従って、例えば図4のように、DICOMDIRファイル2の一つのレコードには、一つの医用データファイルの付帯情報と関連する各DRと、この医用データファイルの保存アドレスが記載される。管理ファイル作成後、割当部108において医用データファイルへ割り当てられた仮想メディアと関連したDICOMDIRファイル2は、この医用データファイルを保存している仮想メディアと同じ仮想メディアへ保存される。複数の仮想メディアのいずれかにおいて、仮想メディアに保存されている医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイル2の患者DRと、保存対象である医用データファイルの付帯情報の一部である患者の情報とが一致したならば、割り当てられた仮想メディアにおける医用データファイルの保存アドレス情報とこの医用データファイルの付帯情報とに基づいて、割り当てられた仮想メディアのDICOMDIRファイル2を更新する。
【0025】
医用データファイルを保存している外部リムーバブルメディア115を本リムーバブルメディア管理装置101へ接続し、ユーザにより複数の仮想メディアのいずれかが選択されたとき、リスト作成部106は、選択された仮想メディアに対応するDICOMDIRファイルに基づいて、医用データファイルのファイルリストを作成する。このファイルリストの情報は、表示部107へ送られ、リスト表示される。
【0026】
表示部107は、上記ファイルリストの表示のほかに、認識部108で認識したDICOMDIRファイル2の情報に基づいて、仮想メディアのリスト表示を行う。表示部107において複数の仮想メディアのリストは、例えば図5のように表示される。
【0027】
(動作)
次に、本リムーバブルメディア管理装置101において、外部リムーバブルメディア(以下実体メディア)115への保存および読出しの動作について説明する。図6は、本リムーバブルメディア管理装置101において、実体メディア115への保存処理の手順を示すフローチャートである。
【0028】
はじめに、接続検出部103が実体メディア115の接続を検出(ステップSa1)し、記憶区分認識部104が上記実体メディアの記憶領域について、複数の記憶区分(以下複数の仮想メディア)に分割されているのか否かを判断(ステップSa2)する。分割されていなければ、記憶区分分割部105が、上記実体メディアの記憶領域を複数の仮想メディアに分割する(ステップSa3)。例えば、実体メディアの記憶領域の大きさが400GBのとき、一つの記憶区分の大きさを均等に10GBとして、実体メディアの記憶領域を40個の記憶区分に分割する。このように、実体メディアを複数の仮想メディアに分割するとともに、仮想メディアに対して個々にDICOMDIRファイルを設けることにより、アクセスの応答性を向上させる。
【0029】
次に、認識部108が、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された保存対象の医用データファイルを認識(ステップSa4)し、割当部110が所定の規則に従って、保存対象の医用データファイルに記憶区分(以下仮想メディア)のいずれかを保存先として、保存対象の医用データファイルの付帯情報に基づいて割り当てる(ステップSa5)。この割当に基づいて、保存対象の医用データファイルを割り当てられた仮想メディアに保存する(ステップSa6)。割り当てられた仮想メディアに保存された医用データファイルと関連した管理ファイル(以下DICOMDIRファイル)が、割り当てられた仮想メディアに存在しなければ、管理ファイル作成部109がDICOMDIRファイルを作成し、割り当てられた仮想メディアに保存する。割り当てられた仮想メディアに保存された医用データファイルと関連したDICOMDIRファイルが、割り当てられた仮想メディアに存在すれば、割り当てられた仮想メディアに保存された医用データファイルの保存アドレス情報とこの医用データファイルの付帯情報とに基づいて、上記DICOMDIRファイルのレコードへ、保存対象の医用データファイルの付帯情報を新たに組み入れる(ステップSa7)。
【0030】
また、ユーザが上記実体メディアの取り外しを選択する(ステップSa8)まで、認識部108がユーザによって選択された保存対象の医用データファイルの認識する処理(ステップSa4)から上記実体メディアの取り外しを選択する判断処理(ステップSa8)までの手順を繰り返し行う。
【0031】
次に、外部リムーバブルメディア(以下実体メディア)115に保存された医用データファイルの読出し処理の手順について、図7のフローチャートを参照としながら解説する。
【0032】
はじめに、接続検出部103が実体メディア115の接続を検出(ステップSb1)し、認識部108がそれぞれの記憶区分(以下仮想メディア)に存在するそれぞれの管理ファイル(以下DICOMDIRファイル)を読み出す(ステップSb2)。読み出されたDICOMDIRファイルに基づいて、複数の記憶区分(以下複数の仮想メディア)と対応した複数のドライブネームを表示部107がリスト表示する(ステップSb3)。このリスト表示は、例えば図5のように画面上に複数の仮想メディアとして表される。
【0033】
リスト表示された複数の仮想メディアのいずれかが、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択されると、選択された仮想メディアに対応するDICOMDIRファイルのDRに基づいて、リスト作成部106が、選択された仮想メディア内の医用データファイルに対してファイルリストを作成する(ステップSb4)。図8にリスト作成部が作成するファイルリストの一例を示す。作成されるファイルリストの項目は、例えば、患者氏名、検査名、シリーズナンバー、画像ナンバーなどである。
【0034】
次に、表示部107が作成したファイルリストを表示する(ステップSb5)。表示されたファイルリストからユーザが選択した医用データファイルに基づいて、選択された医用データファイルを保存している仮想メディアから、ユーザが選択した医用データファイルを読み出す(ステップSb6)。医用データファイルの読出しの終了を選択する(ステップSb7)まで、ファイルリストを作成する処理(ステップSb4)から医用データファイルの読出しの終了を判断する処理(ステップSb7)までの手順を繰り返し行う。
【0035】
以上図6、図7では、DICOM規格の一例として、管理ファイルについてはDICOMDIRファイル2を用いて解説してきたが、管理ファイルとしては、DICOM規格以外のものを用いることも可能である。また、外部リムーバブルメディア115としてUSB−HDDやUSBメモリ、他の記憶媒体を用いることも可能である。
【0036】
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
【0037】
本リムーバブルメディア管理装置101は、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を複数の記憶区分である複数の仮想メディアに分割し、分割された記憶領域に対応する仮想メディアに、医用データファイルと当該医用データファイルの付帯情報に基づく管理ファイルを保存する。また、外部リムーバブルメディア115から医用データファイル読み出すとき、複数の記憶区分である複数の仮想メディアと対応した複数のドライブネームをリスト表示する。続いてユーザにより複数の仮想メディアのいずれかが選択されると選択された仮想メディアの管理ファイルを読み込む。読み込んだ管理ファイルに基づいて選択した仮想メディア内の医用データファイルをリスト表示する。以上のことから、本リムーバブルメディア管理装置101は、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を複数の記憶区分に分割し、それぞれの記憶区分ごとに医用データファイルを管理する。従って、外部リムーバブルメディア115へアクセスするとき、記憶区分ごとにアクセスすることによりアクセス時のデータ量を少なく制限でき、外部リムーバブルメディア115へのアクセス時の応答性が遅いといった問題を解消することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係るリムーバブルメディア管理装置201のブロック構成図を示している。本実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置201の構成について、上述した第1の実施形態の構成図である図3と同一である構成要素においては、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略し、異なる構成要素について説明する。また、コネクタ112と接続される外部リムーバブルメディア115や本実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置201に別途接続されている医用データファイルを記憶している例えばPACSを構成する機器111についても、その構成要素は図3と同一であり、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0039】
図3と異なる構成要素は、図3における記憶区分認識部104と記憶区分分割部105が存在せず、患者情報ファイル作成部220を具備していることである。
【0040】
患者情報ファイル作成部220は、外部リムーバブルメディア115の全記憶領域に記憶された全ての医用データファイルを対象とした患者情報に関する患者情報ファイルを作成する。患者情報ファイル77の概念図の一例を図10に示す。図10において、患者情報ファイル77は、複数の患者情報と複数の患者それぞれの医用データファイルを管理する管理ファイルの保存アドレス情報とから構成される。
【0041】
本実施形態におけるリムーバブル管理装置201は、外部リムーバブルメディア115に対して、一例として図17に示すデータ構造をDICOM規格に基づいて構築する。構築されるデータ構造は、第1の実施形態と比較して以下の相違点がある。一点目の相違点は、本実施形態では、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を記憶区分に分割していない点である。二点目の相違点は、本実施形態では、図2に示されたDICOMDIRファイル2が、患者情報ファイルと管理ファイルとに分割されている点である。図17および患者情報ファイル、管理ファイルについては、以下の動作において詳述する。
【0042】
(動作)
次に、本リムーバブルメディア管理装置201において、外部リムーバブルメディア115への最初の接続による保存、追加保存および読出しの動作について説明する。外部リムーバブルメディア115は、例えばUSB−HDDまたはUSBメモリであり、他の記憶媒体であっても以下説明するリムーバブルメディア管理装置201の動作は同一である。図11は、本リムーバブルメディア管理装置201において、外部リムーバブルメディア115への最初の接続による保存処理の手順を示すフローチャートである。
【0043】
はじめに、接続検出部103が外部リムーバブルメディア115の接続を検出する(ステップSc1)。認識部108が、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された保存対象の医用データファイルを読み出し(ステップSc2)、読み出した医用データファイルの付帯情報から患者の情報を抽出する(ステップSc3)。患者情報ファイル作成部220が、抽出された患者情報を含み、外部リムーバブルメディア115の全記憶領域に記憶された全ての医用データファイルを対象とした患者情報ファイル77を作成する(ステップSc4)。読み出した保存対象の医用データファイルと作成した患者情報ファイル77とを、接続した外部リムーバブルメディア115の記憶領域へ保存する(ステップSc5)。
【0044】
次に、管理ファイル作成部109が、複数の患者それぞれに対応する複数の管理ファイルをそれぞれ作成する(ステップSc6)。作成された管理ファイルの概念図の一例を図12に示す。図12において、作成された管理ファイルは、一人の患者における複数の医用データファイルを管理対象としており、保存された医用データファイルの保存アドレス情報と保存された医用データファイルの付帯情報の一部とを含む。
【0045】
本実施形態での管理ファイルと、図4に示された第1の実施形態で作成された管理ファイル、すなわち記憶区分それぞれに作成されたDICOMDIRファイルとは、管理対象範囲が異なるファイルである。図12に示された本実施形態での管理ファイルは、一人の患者における複数の医用データファイルを管理対象としている。一方、図4に示された第1の実施形態で作成された管理ファイルは、複数の患者における複数の医用データファイルを管理対象としている。このように、医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイル2を、患者情報ファイル77とそれぞれの患者に対応した管理ファイルとに分割することで、外部リムーバブルメディア115へのアクセスの応答性を向上させる。
【0046】
フローチャートに戻って、管理ファイル作成部109で作成された管理ファイルを、接続した外部リムーバブルメディア115の記憶領域に、患者情報ファイル77の患者情報と管理ファイルの患者情報とを関連付けて保存する(ステップSc7)。
【0047】
次に、本リムーバブルメディア管理装置201において、外部リムーバブルメディア115への追加保存の処理について説明する。図13は、本実施形態における追加保存の処理の手順を示すフローチャートである。それぞれの処理が図11と同一であるものについては、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略し、異なる処理についてのみ説明する。
【0048】
図13と図11における異なる処理は、図11におけるステップSc4およびステップSc6における作成という処理である。作成という処理を更新という処理に変えることで、図13のステップSc44およびステップSc66が得られる。ステップSc44における更新という処理は、最初の接続による保存処理で作成された患者情報ファイル77へ、追加保存対象である医用データファイルの患者情報を新たに組み入れる処理である。
【0049】
また、ステップSc66における更新という処理は、管理ファイルの患者情報と、追加保存対象である医用データファイルの患者情報とが同一であるならば、追加保存対象の医用データファイルの付帯情報を上記管理ファイルに組み入れる処理である。一方、管理ファイルの患者情報と、追加保存対象である医用データファイルの患者情報とが同一でないならば、ステップSc66における更新という処理は、追加保存対象である医用データファイルの患者情報に基づいて、新たに管理ファイルを作成する処理である。また、複数回の保存を行う手順として、ユーザによって医用データファイルの保存の終了が選択(ステップSc8)されない限り、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された保存対象の医用データファイルを認識する処理(ステップSc2)から管理ファイルを外部リムーバブルメディア115の記憶領域へ保存する処理(ステップSc7)までの手順を繰り返し行う。
【0050】
続いて、外部リムーバブルメディア115に保存された医用データファイルの読出し処理の手順について、図14のフローチャートを参照にしながら解説する。
【0051】
はじめに、接続検出部103が外部リムーバブルメディア115の接続を検出する(ステップSd1)。外部リムーバブルメディア115を検出後、表示部107で表示される画面の一例を図15の左側に示す。外部リムーバブルメディア115を検出すると、例えば図15の矢印の左側に示されたメディアが一つだけ表される。
【0052】
続いて認識部108が、全記憶領域に記憶された全ての医用データファイルを対象とした患者情報ファイル77を読み出す(ステップSd2)。読み出された患者情報ファイル77に基づいて、リスト作成部106が患者リストを作成する(ステップSd3)。作成される患者リストの項目は、例えば、氏名、生年月日、性別などである。
【0053】
ユーザが図15の矢印の左側に示されたメディアを選択すると、リスト作成部が作成した患者リストを表示部107が表示する(ステップSd4)。表示部107が作成された患者リストを表示する画面の一例を、図15の矢印の右側に示す。図15の患者リストの一例では、患者リストの項目の一例として、患者氏名、患者ID、生年月日、性別が表示されている。
【0054】
図15の矢印の右側に示された患者リストにおいて、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された患者に基づいて、選択された患者と対応する管理ファイルを読み込む(ステップSd5)。読み込んだ管理ファイルに基づいて、リスト作成部106が医用データファイルのファイルリストを作成する(ステップSd6)。図16にリスト作成部106が作成するファイルリストの一例を示す。作成されるファイルリストの項目は、例えば、検査名、シリーズナンバー、画像ナンバーなどである。ファイルリストの項目について、図16に示されたファイルリストと第1の実施形態における図8で示されたファイルリストとの違いは、患者氏名が含まれていないことである。本実施形態におけるファイルリストの項目において、患者氏名が含まれていない理由は、患者リストからユーザによる患者の選択に基づいて、ファイルリストが作成されるためである。次に、表示部107が作成されたファイルリストを表示する(ステップSd7)。このとき、ユーザの都合に合わせて患者情報をファイルリストに加えていてもよい。
【0055】
表示されたファイルリストにおいて、ユーザによって選択された医用データファイルに基づいて、選択された医用データファイルを上記外部リムーバブルメディア115から読み出す(ステップSd8)。医用データファイルの読出しの終了が選択(ステップSd9)されない限り、ユーザによって選択された患者と対応する管理ファイルを読み込む処理(ステップSd5)から医用データファイルの読出しを終了する判断処理(ステップSd9)までの手順を繰り返し行う。
【0056】
本実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置201によって外部リムーバブルメディア115へ構築されるDICOM規格でのデータ構造の一例である図17について、上述した第1の実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置101によって外部リムーバブルメディア115へ構築されるDICOM規格でのデータ構造の一例である図2と同一である構成要素については、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略し、異なる構成要素について説明する。
【0057】
図17に示すように、外部リムーバブルメディアの記憶領域は、DICOM規格におけるデータ構造を有するDICOMメディア(ディスクイメージ)として定義される。DICOM規格との対応における患者情報ファイル77は、患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイルである。DICOM規格との対応における管理ファイルは、管理対象の範囲が患者一人であるという点を除いて、DICOMDIRファイル2と同一な構成となっている。一人の患者についてのDICOMDIRファイルの総数は、患者情報ファイル77に含まれる患者DRの総数と等しい。すなわち、患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイル77におけるある患者bについての患者DR7−bと、患者bについてのDICOMDIRファイル2−bとが関連付いている。
【0058】
DICOMメディアには、医用データファイルを主とするオブジェクトファイル3、4、5と、患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイル77と、患者の総数と同数存在する一人の患者についてのDICOMDIRファイルとがマウントされる。患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイル77には、複数の患者DRがマウントされる。一人の患者についてのDICOMDIRファイル2−bには、複数のDRがマウントされる。すなわち、Patient DR7−bの下位にStudy DR8−bがマウントされる。Study DR8−bの下位にSeries DR9−bがマウントされる。Series DR9−bの下位にImage DR10−b、Image DR11−b、Image DR12−bがマウントされる。また、Image DR10−b、Image DR11−b、Image DR12−bからの点線の矢印は、Image DR10−b、Image DR11−b、Image DR12−bと記憶領域に保存されているオブジェクトファイル3−b、オブジェクトファイル4−b、オブジェクトファイル5−bとが、それぞれ関連付けられていることを示している。添え字のbは、ある患者bについてのDRおよび医用データファイルを表している。
【0059】
以上図11、図13、図14では、DICOM規格と対応する一例として、患者情報ファイルについては患者情報DRのみで構成されたDICOMDIRファイルを、管理ファイルについては一人の患者についてのDICOMDIRファイルを用いることも可能である。また、外部リムーバブルメディア115として、USB−HDDやUSBメモリおよび他の記憶媒体を用いることも可能である。
【0060】
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
【0061】
本リムーバブルメディア管理装置201は、外部リムーバブルメディア115の記憶領域に保存される医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイルを、患者情報ファイル77と管理ファイルとに分割し、階層化して保存する。また、外部リムーバブルメディア115から医用データファイル読み出すとき、まず外部リムーバブルメディア115の記憶領域に保存されている患者情報ファイル77を読み込み、読み込んだ患者情報ファイル77に基づいて患者をリスト表示する。次にユーザが患者を選択すると、選択した患者の管理ファイルを読み込み、選択した患者に関連した医用データファイルをリスト表示する。以上のことから、本実施形態のリムーバブルメディア管理装置201は、外部リムーバブルメディア115へ保存される医用データファイルの付帯情報を管理する管理ファイルを分割、階層化して管理する。従って、外部リムーバブルメディア115へアクセスするとき、階層ごとに管理ファイルへアクセスするため、アクセス時のデータ量を少なく制限でき、外部リムーバブルメディア115へのアクセス時の応答性の遅さといった問題を解消することができる。
【0062】
(第3の実施形態)
図18は、本実施形態に係るリムーバブルメディア管理装置301のブロック構成図を示している。本実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置301の構成について、上述した第1の実施形態の構成図である図3および第2の実施形態の構成図である図9と同一である構成要素には、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略し、異なる処理を行う構成要素について符号を変えて説明する。また、コネクタ112と接続される外部リムーバブルメディア115や、本実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置301に接続されている医用データファイルを記憶している例えばPACSを構成している機器111についても、その構成要素は図3および図9と同一なので、説明の重複を避けるため同符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0063】
図3および図9と異なる処理を行う構成要素は、割当部310と管理ファイル作成部309である。割当部310は、保存対象の医用データファイルの付帯情報から抽出された患者情報に基づいて、所定の規則に従って、複数の記憶区分に複数の患者がそれぞれ対応するように、保存対象の医用データファイルに記憶区分のいずれかを保存先として割り当てる。すなわち、複数の記憶区分と複数の患者がそれぞれ対応し、患者氏名や患者IDなどの患者情報が同一である医用データファイルに対して、同一の記憶区分を割り当てる。ここで所定の規則とは、医用データファイルの患者情報における氏名のアルファベットに基づいて、保存対象の医用データファイルに、それぞれの患者に対してそれぞれの記憶区分を割り当てるように規定されている。なお、保存対象の医用データファイルが作成された日時に基づいて、保存対象の医用データファイルに記憶区分を割り当てる規則を用いることも可能である。
【0064】
管理ファイル作成部309は、複数の記憶区分それぞれに対応する複数の管理ファイルをそれぞれ作成する。すなわち上記割当部310で割り当てられた一つの記憶区分対して、一つの管理ファイルが作成される。上記割当については、以下の動作で詳述する。
【0065】
本実施形態におけるリムーバブル管理装置301は、外部リムーバブルメディア115に対して、一例として図24に示すデータ構造をDICOM規格に基づいて構築する。以下図24のデータ構造を概説する。外部リムーバブルメディア115の記憶領域が複数の記憶区分に分割されている。医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイルが、患者DRのみから構成される患者情報ファイルと複数の患者それぞれに対して作成される管理ファイルとに分割されている。患者情報ファイルは、外部リムーバブルメディア115の記憶領域へ保存されている。管理ファイルと管理ファイルに関連した医用データファイルとが、一つのDICOMメディア1を形成する。患者それぞれに形成されたDICOMメディア1が、それぞれの記憶区分に割り当てられている。図24および患者情報ファイル、管理ファイルについては、以下の動作において詳述する。
【0066】
(動作)
次に、本リムーバブルメディア管理装置301において、外部リムーバブルメディア115への最初の接続による保存、追加保存および読出しの動作について説明する。外部リムーバブルメディア115は、例えばUSB−HDDまたはUSBメモリであり、その他の記憶媒体であっても、以下説明するリムーバブルメディア管理装置301の動作は同一である。図19は、本リムーバブルメディア管理装置301において、外部リムーバブルメディア115への最初の接続による保存処理の手順を示すフローチャートである。
【0067】
はじめに、接続検出部103が外部リムーバブルメディア115の接続を検出(ステップSe1)し、記憶区分分割部104が接続した外部リムーバブルメディア115の記憶領域を複数の記憶区分に分割する(ステップSe2)。例えば、外部リムーバブルメディア115の記憶領域が400GBのとき、一つの記憶区分の大きさを均等に10GBとして、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を40個の記憶区分に分割する。このように、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を複数の記憶区分に分割することで、外部リムーバブルメディア115への応答性を向上させる。
【0068】
次に、認識部108がユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された保存対象の医用データファイルを認識し(ステップSe3)、認識した医用データファイルの付帯情報から患者の情報を抽出する(ステップSe4)。抽出した患者情報に基づいて、割当部310が所定の規則に従って、複数の記憶区分に複数の患者がそれぞれ対応するように、認識した医用データファイルに記憶区分のいずれかを保存先として割り当てる(ステップSe5)。この割当に基づいて、上記医用データファイルを割り当てられた記憶区分に保存する(ステップSe6)。
【0069】
次に、管理ファイル作成部309が、複数の記憶区分それぞれに対応する複数の管理ファイルをそれぞれ作成する(ステップSe7)。本実施形態での管理ファイルの概念図の一例を図20に示す。図20において、作成された管理ファイルは、一人の患者についての複数の医用データファイルを管理対象としており、保存された医用データファイルの保存アドレス情報と保存された医用データファイルの付帯情報の一部とを含む。
【0070】
本実施形態での管理ファイルと、図4に示された第1の実施形態で作成された管理ファイル、すなわち記憶区分それぞれに作成されたDICOMDIRファイルとは、管理対象範囲が異なるファイルである。図20に示された本実施形態での管理ファイルは、一人の患者についての複数の医用データファイルを管理対象としている。一方、図4に示された第1の実施形態で作成された管理ファイルは、複数の患者における複数の医用データファイルを管理対象としている。ここまでの管理ファイルの説明は、図12に示された第2の実施形態の管理ファイルと同じである。本実施形態と第2の実施形態の管理ファイルとの相違点は、本実施形態の管理ファイルの保存先として、複数の記憶区分それぞれに対応して、本実施形態のそれぞれの管理ファイルが割り当てられる点である。
【0071】
フローチャートに戻って、管理ファイル作成部309で作成された管理ファイルを、保存した上記医用データファイルと同じ記憶区分へ保存(ステップSe8)し、管理ファイルの付帯情報から保存アドレス情報を抽出する(ステップSe9)。
【0072】
患者情報ファイル作成部220が、保存対象の医用データファイルの付帯情報から抽出した患者情報と、保存した管理ファイルの保存アドレス情報とに基づいて、全記憶区分に記憶された全ての医用データファイルを対象とした患者情報ファイル77を作成する(ステップSe10)。作成された患者情報ファイルの概念図の一例を図21に示す。図21において患者情報ファイルは、複数の患者情報と、複数の患者それぞれに対応した管理ファイルのアドレス情報とから構成される。ここまでの患者情報ファイルの説明は、図10に示された第2の実施形態の患者情報ファイルと同じである。本実施形態における患者情報ファイルと第2の実施形態の患者情報ファイルとの相違点は、複数の記憶区分それぞれに割り当てられたそれぞれの管理ファイルのアドレス情報を含む点である。このように、医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイル2を、患者情報ファイル77とそれぞれの患者および記憶区分に対応した管理ファイルとに分割することで、外部リムーバブルメディア115へのアクセスの応答性を向上させる。
【0073】
作成された患者情報ファイル77を、接続した外部リムーバブルメディア115へ、患者情報ファイル77の患者情報と管理ファイルの患者情報とを関連付けて保存する(ステップSe11)。
【0074】
次に本リムーバブルメディア管理装置301において、外部リムーバブルメディア115への追加保存の処理について説明する。図22は、本実施形態における追加保存の処理の手順を示すフローチャートである。それぞれの処理が図19と同一であるものについては、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略し、異なる処理についてのみ説明する。
【0075】
図22と図19における異なる処理は、図19におけるステップSe7およびステップSe10における作成という処理である。作成という処理を更新という処理に変えることで、図22のステップSe77およびステップSe101が得られる。ステップSe77における更新という処理は、最初の接続による保存処理で作成された管理ファイルの患者情報と、追加保存対象の医用データファイルの患者情報とが同一であるならば、追加保存対象の医用データファイルの付帯情報を上記管理ファイルに組み入れる処理である。一方、最初の接続による保存処理で作成された管理ファイルの患者情報と、追加保存対象の医用データファイルの患者情報とが同一でないならば、ステップSe77における更新という処理は、新たに管理ファイルを作成する処理である。また、ステップSe101における更新という処理は、最初の接続による保存処理で作成された患者情報ファイルである77へ、追加保存対象の医用データファイルの患者情報を新たに組み入れる処理である。また、複数回の保存を行う手順として、ユーザによって医用データファイルの保存の終了が選択(ステップSe12)されない限り、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された保存対象の医用データファイルを認識する処理(ステップSe3)から患者情報ファイルを更新する処理(ステップSe101)までの手順を繰り返し行う。
【0076】
続いて、外部リムーバブルメディア115に保存された医用データファイルを読み出す動作について、図23のフローチャートを参照しながら、各処理の解説を行う。
【0077】
はじめに、接続検出部103が外部リムーバブルメディア115の接続を検出(ステップSf1)し、認識部108が全記憶区分に記憶された全ての医用データファイルを対象とした患者情報ファイル77を認識する(ステップSf2)。このとき、表示部107で表示される画面の一例として図15を示す。外部リムーバブルメディア115を検出後、例えば図15の矢印の左側に示された外部リムーバブルメディア115のドライブネームを、表示部107が一つだけ表示する。第1の実施形態との相違点は、ユーザに対しては1つのドライブネームとして外部リムーバブルメディア115を表示し、ユーザに複数の記憶区分を意識させないことである。ユーザが上記ドライブネームを選択後、認識した患者情報ファイル77に基づいて、リスト作成部106が患者リストを作成(ステップSf3)する。続いて、表示部107が作成した患者リストを表示する(ステップSf4)。このときの表示部では、例えば図15の矢印の右側ように患者のリストを表示する。作成される患者リストの項目は、例えば、氏名、生年月日、性別などである。
【0078】
次に、図15の矢印の右側に示された患者リストにおいて、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された患者に基づいて、選択された患者と対応する記憶区分における管理ファイルを読み込む(ステップSf5)。読み込まれた管理ファイルに基づいて、リスト作成部106が医用データファイルのファイルリストを作成(ステップSf6)し、表示部107が作成されたファイルリストを表示する(ステップSf7)。図16にリスト作成部106が作成するファイルリストの一例を示す。作成されるファイルリストの項目は、例えば、検査名、シリーズナンバー、画像ナンバーなどである。ファイルリストの項目について、図16に示されたファイルリストと第1の実施形態における図8で示されたファイルリストとの違いは、患者氏名が含まれていないことである。本実施形態におけるファイルリストの項目において、患者氏名が含まれていない理由は、患者リストからユーザによる患者の選択に基づいて、ファイルリストが作成されるためである。また、本実施形態と第2の実施形態において、医用データファイルのファイルリストを作成する相違点は、第2の実施形態では全てのファイルが記憶されている記憶領域から作成しているのに対し、本実施形態ではユーザによって選択された患者と対応する記憶区分から作成している点である。
【0079】
表示されたファイルリストにおいて、ユーザによって選択された医用データファイルに基づいて、選択された医用データファイルを、選択された医用データファイルが保存されている記憶区分から読み出す(ステップSf8)。このように、それぞれの患者に対応する個々の記憶区分から医用データファイルを読出すことで、外部リムーバブルメディア115への応答性を向上させる。
【0080】
医用データファイルの読出しの終了が選択(ステップSf9)されない限り、ユーザによって選択された患者と対応する記憶区分における管理ファイルを読み込む処理(ステップSf5)から医用データファイルの読出しを終了する判断処理(ステップSf9)までの手順を繰り返し行う。
【0081】
本実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置301によって外部リムーバブルメディア115へ構築されるDICOM規格でのデータ構造の一例である図24について、上述した第1の実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置101および上述した第2の実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置201によって外部リムーバブルメディア115へ構築されるDICOM規格でのデータ構造の一例である図2、図17と同一である構成要素については、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略し、異なる構成要素について説明する。
【0082】
図24に示すように、外部リムーバブルメディア115の記憶領域は、リムーバブルメディア管理装置301によって複数の記憶区分に分割される。それぞれの記憶区分は、DICOM規格におけるデータ構造を有するDICOMメディア1(ディスクイメージ)として定義される。DICOM規格との対応における患者情報ファイル77は、患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイルである。DICOMメディア1におけるDICOM規格と対応する管理ファイルは、管理対象の範囲が患者一人であるという点を除いて、DICOMDIRファイル2と同一な構成となっている。一人の患者についてのDICOMDIRファイルを含むDICOMメディアの総数は、患者情報ファイル77に含まれる患者DRの総数と等しい。すなわち、患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイル77におけるある患者bについての患者DR7−bと、患者bについてのDICOMメディア1とが関連付いている。
【0083】
外部リムーバブルメディア115の記憶領域には、患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイル77がマウントされる。患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイル77には、複数の患者DRがマウントされる。DICOMメディア1には、医用データファイルを主とするオブジェクトファイル3−b、4−b、5−bと、一人の患者についてのDICOMDIRファイルと非DICOMファイル6がマウントされる。一人の患者についてのDICOMDIRファイル2−bには、複数のDRがマウントされる。すなわち、Patient DR7−bの下位にStudy DR8−bがマウントされる。Study DR8−bの下位にSeries DR9−bがマウントされる。Series DR9−bの下位にImage DR10−b、Image DR11−b、Image DR12−bがマウントされる。また、Image DR10−b、Image DR11−b、Image DR12−bからの実線の矢印は、Image DR10−b、Image DR11−b、Image DR12−bとオブジェクトファイル3−b、オブジェクトファイル4−b、オブジェクトファイル5−bとが、それぞれ関連付けられていることを示している。添え字のbは、ある患者bについてのDRおよび医用データファイルを表している。
【0084】
以上図19、図22、図23では、DICOM規格の一例として、患者情報ファイルについては患者情報DICOMDIRファイル77を、管理ファイルについては記憶区分DICOMDIRファイルを用いて解説してきたが、患者情報ファイルおよび管理ファイルとしては、DICOM規格以外のものを用いることも可能である。また、外部リムーバブルメディア115として、USB−HDDやUSBメモリおよび他の記憶媒体を用いることも可能である。
【0085】
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
【0086】
本リムーバブルメディア管理装置301によれば、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を複数の記憶区分に分割し、複数の記憶区分に複数の患者がそれぞれ対応するように医用データファイルを割り当てて保存する。外部リムーバブルメディア115の記憶領域に保存される医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイルを、患者情報ファイル(患者情報DICOMDIRファイル)77とそれぞれの記憶区分の患者情報にそれぞれ対応した管理ファイル(記憶区分DICOMDIRファイル)とに分割、階層化して保存する。また、外部リムーバブルメディア115から医用データファイル読み出すとき、外部リムーバブルメディア115のルートディレクトリに保存されている患者情報ファイル77を読み込み、その後複数の記憶区分とそれぞれ対応した患者リストを表示する。次にユーザが患者を選択すると、選択した患者と対応する記憶区分にある管理ファイルを読み込み、選択した患者に関連した医用データファイルをリスト表示する。以上のことから、本実施形態のリムーバブル管理装置301は、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を自動的に分割する。次に、本実施形態のリムーバブル管理装置301は、それぞれの患者と対応したそれぞれの記憶区分において、保存された医用データファイルの付帯情報を管理する管理ファイルであるDICOMDIRファイルを分割、階層化して管理する。従って、外部リムーバブルメディア115へアクセスするとき、それぞれの記憶区分ごとに管理ファイルへアクセスするため、アクセス時のデータ量を少なく制限でき、外部リムーバブルメディア115へのアクセス時の応答性の遅さといった問題を解消することができる。さらに、記憶区分を別のリムーバブルメディアにコピーすると、記憶区分DICOMDIRファイルは、従来用いられているDICOMメディア1となる。
【0087】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…DICOMメディア、2…DICOMDIRファイル、2-b…ある患者bについてのDICOMDIRファイル、3…オブジェクトファイル、4…オブジェクトファイル、5…オブジェクトファイル、6…非DICOMファイル、7…Patient DR、8…Study DR、9…Series DR、10…Image DR、11…Image DR、12…Image DR、77…患者情報ファイル、101…第1の実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置、102…コネクタ、103…接続検出部、104…記憶区分認識部、105…記憶区分分割部、106…リスト作成部、107…表示部、108…認識部、109…第1の実施形態における管理ファイル作成部、110…第1の実施形態における割当部、111…医用データファイルを記憶している機器、112…入力部、113…医用データファイル記録部、114…選択部、115…外部リムーバブルメディア、201…第2の実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置、210…第2の実施形態における割当部、220…患者情報ファイル作成部、301…第3の実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置、309…第3の実施形態における管理ファイル作成部、310…第3の実施形態における割当部
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用データファイルが記憶された機器に接続され、医用データファイルを保存するリムーバブルメディアを管理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置等の医療機器における医用データファイルの保存媒体として、近年リムーバブルメディアが使われている。リムーバブルメディアの一例として、USB(Universal Serial Bus)メモリやUSB−HDD(Universal Serial Bus - Hard Disk Drive)などが存在する。これらメディアへの医用データファイルの保存方法としては、DICOM(Digital Imaging Communication in Medicine)規格に則って行われることが主流になりつつある。
【0003】
ここでDICOMとは、米国放射線学会(American College of Radiology 以下ACR)と米国電機工業会(National Electrical Manufacturers Association 以下NEMA)とによる委員会が定めた「医用におけるディジタル画像と通信」に関する標準規格である。この標準規格に基づいて画像フォーマットや通信のプロトコルを設定することにより、X線CT装置やMRI装置のような異なる種類のモダリティで収集された医用画像や、メーカの異なるモダリティで収集された医用画像を含む医用情報が、共通の資産として活用できるようになっている。なお、DICOM規格に則って、医用データファイルと、この医用データファイルの管理情報(例えば、患者情報、検査情報、画像のシリーズ情報、画像情報)であるディレクトリレコード(Directory Record 以下DR)と、このディレクトリレコードについて階層化したDICOMDIRファイルとが保存される記憶媒体を以後DICOMメディアと称する。
【0004】
近年DICOMメディアとして、年々大容量化している上記USBメモリや、更に大容量の上記USB−HDDなどの大容量のリムーバブルメディアを使用したいというユーザの要望がある。このとき、リムーバブルメディアの大容量化に伴い、保存されるデータ量が増大し、かつこれらのデータを管理するファイルであるDICOMDIRファイルのサイズが大きくなる。
【0005】
これらのような大容量のリムーバブルメディアの使用は、DICOMの規格の想定を超えている。すなわち、従来どおりに上記大容量リムーバブルメディアを使用すると、応答性が遅い場合がある。具体的な問題点としては、例えば、デバイスの認識が遅いこと、データの閲覧であるリスト表示に時間がかかること、データの読み書きに時間がかかることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、DICOMメディアとして、大容量リムーバブルメディアを使用したときのデバイスの認識、リスト表示、データの読み書き等における応答性の遅さを向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
本発明の第1局面は、医用画像に関する医用データファイルが記憶される外部リムーバブルメディアと接続されるコネクタと、外部リムーバブルメディアの記憶領域を複数の記憶区分に分割する記憶区分分割部と、記憶区分のいずれかを所定の規則に従って、医用データファイルに対して割り当てる割当部と、所定の規則に従って割り当てた記憶区分における医用データファイルを特定する情報と医用データファイルの付帯情報とを含む管理ファイルを、複数の記憶区分にそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部と、複数の記憶区分のいずれかがユーザにより選択されたとき、選択された記憶区分に対応する管理ファイルに基づいて、医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、作成されたファイルリストを表示する表示部とを具備するリムーバブルメディア管理装置を提供する。
【0008】
本発明の第2局面は、医用画像に関する医用データファイルが記憶される外部リムーバブルメディアと接続されるコネクタと、医用データファイルの付帯情報に含まれる患者の情報を抽出し、この患者の情報を含む患者情報ファイルを作成する患者情報ファイル作成部と、医用データファイルを特定する情報と医用データファイルの付帯情報の少なくとも一部とを含む管理ファイルを、患者ごとにそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部と、患者情報ファイルの患者のいずれかがユーザにより選択されたとき、選択された患者に対応する管理ファイルに基づいて、上記医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、作成されたファイルリストを表示する表示部とを具備するリムーバブルメディア管理装置を提供する。
【0009】
本発明の第3局面は、医用画像に関する医用データファイルが記憶される外部リムーバブルメディアと接続されるコネクタと、外部リムーバブルメディアの記憶領域を複数の記憶区分に分割する記憶区分分割部と、複数の記憶区分を、一患者の医用データファイルに対して、複数の記憶区分に複数の患者がそれぞれ対応するように所定の規則に従って割り当てる割当部と、この規則に従って割り当てた記憶区分における医用データファイルのアドレス情報と医用データファイルの付帯情報の少なくとも一部とを含む管理ファイルを、複数の記憶区分にそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部と、医用データファイルの付帯情報に含まれる患者の情報と管理ファイルのアドレス情報とを含む患者情報ファイルを作成する患者情報ファイル作成部と、患者情報ファイルの患者のいずれかがユーザにより選択されたとき、選択された患者に対応する管理ファイルに基づいて、医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、作成されたファイルリストを表示する表示部とを具備するリムーバブルメディア管理装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のリムーバブル管理装置によれば、DICOMメディアとして、大容量リムーバブルメディアを使用したときのデバイスの認識、リスト表示、データの読み書き等における応答性の遅さを解消することができ、大容量リムーバブルメディアの応答性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明による第1実施形態に係るリムーバブル管理装置101を表した図である。
【図2】図2は、第1の実施形態において、図1のリムーバブル管理装置101により外部リムーバブルメディア115内に構築されるDICOMメディア1のデータ構造の一例を示した図である。
【図3】図3は、図1のリムーバブルメディア管理装置101のブロック構成図を示している。
【図4】図4は、第1の実施形態において、複数の記憶区分それぞれに作成される管理ファイルの一例である。
【図5】図5は、第1の実施形態において、本リムーバブル管理装置101へ外部リムーバブルメディア115を接続したときに、表示部で表示される画面の一例である。
【図6】図6は、第1の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置101による外部リムーバブルメディア115への保存処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、第1の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置101による外部リムーバブルメディア115に保存された医用データファイルの読出し処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、第1の実施形態において、リスト作成部106が、選択された仮想メディア内の医用データファイルに対して作成したファイルリストの一例である。
【図9】図9は、第2の実施形態によるリムーバブルメディア管理装置201のブロック構成図を示している。
【図10】図10は、第2の実施形態において、全記憶領域に記憶された全ての医用データファイルを対象とした患者情報ファイルの一例である。
【図11】図11は、第2の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置201による外部リムーバブルメディア115への最初の接続時での保存処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】図12は、第2の実施形態において、それぞれの患者に作成される管理ファイルの一例である。
【図13】図13は、第2の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置201による外部リムーバブルメディア115への追加保存の処理の手順を示すフローチャートである。
【図14】図14は、第2の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置201による外部リムーバブルメディア115に保存された医用データファイルの読出し処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、第2の実施形態および第3の実施形態において、本リムーバブル管理装置201へ外部リムーバブルメディア115を接続したときに、表示部で表示される画面の一例である。
【図16】図16は、第2の実施形態および第3の実施形態において、リスト作成部106が作成した医用データファイルのファイルリストの一例である。
【図17】図17は、第2の実施形態において、本リムーバブル管理装置201により外部リムーバブルメディア115内に構築されるデータ構造の一例を示した図である。
【図18】図18は、第3の実施形態によるリムーバブルメディア管理装置301のブロック構成図を示している。
【図19】図19は、第3の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置301による外部リムーバブルメディア115への最初の接続時での保存処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】図20は、第3の実施形態において、複数の記憶区分それぞれに複数の患者がそれぞれ対応するように作成される管理ファイルの一例である。
【図21】図21は、第3の実施形態において、全記憶区分に記憶された全ての管理ファイルを対象とした患者情報ファイルの一例である。
【図22】図22は、第3の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置301による外部リムーバブルメディア115への追加保存の処理の手順を示すフローチャートである。
【図23】図23は、第3の実施形態において、本リムーバブルメディア管理装置301による外部リムーバブルメディア115に保存された医用データファイルの読出し処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】図24は、第3の実施形態において、本リムーバブル管理装置301により外部リムーバブルメディア115内に構築されるデータ構造の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係わるリムーバブルメディア管理装置を説明する。本実施形態に係るリムーバブルメディア管理装置は、X線コンピュータ断層撮影装置、X線診断装置、超音波診断装置、ガンマカメラ、磁気共鳴イメージング装置などの医用画像発生装置により発生された医用画像に関する医用データファイルを記憶している機器から外部リムーバブルメディアへ保存する際の管理および、医用データファイルが保存されている外部リムーバブルメディアから表示を行う際の管理を行う装置である。本実施形態に係る保存形態は、特に限定されず如何なる保存形態にも適用可能である。
【0013】
(第1の実施形態)
発明の構成および機能の概略図である図1を参照としながら、まず本発明の構成を説明する。図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るリムーバブルメディア管理装置101は、外部リムーバブルメディア115(例えば大容量USB−HDD又はUSBメモリ)を着脱可能に接続する。以降、本実施形態の説明を具体的に行うため、保存形態は、DICOM(Digital Imaging Communication in Medicine)規格で行うものとする。
【0014】
はじめに、リムーバブルメディア管理装置101によって外部リムーバブルメディア115へ構築されるDICOM規格でのデータ構造の一例である図2について説明する。
【0015】
図2に示すように、外部リムーバブルメディア115の記憶領域は、リムーバブルメディア管理装置101によって複数の記憶区分に分割される。それぞれの記憶区分は、DICOM規格におけるデータ構造を有するDICOMメディア1(ディスクイメージ)として定義される。DICOMメディア1には、医用データファイルを主とするオブジェクトファイル3、4、5とディレクトリレコード(Directory Record 以下DR)から構成されるDICOMDIRファイル2とがマウントされる。医用データファイルは、主にX線コンピュータ断層撮影装置(Computed Tomography : CT)、X線診断装置、超音波診断装置、磁気共鳴イメージング装置、ガンマカメラなどのモダリティで発生された医用画像データファイルである。以下オブジェクトファイルを医用データファイルという。この他に、DICOM形式ではない非DICOMファイル6を持つことも可能である。
【0016】
DICOMDIRファイル2は、外部リムーバブルメディア115の記憶区分に記憶される全ての医用データファイル3、4、5を対象とした管理情報である。DICOMDIRファイル2には、複数のDRがマウントされる。複数のDRには、例えば、Patient DR7−a、Study DR8−a、Series DR9−a、Image DR10−a、Image DR11−a、Image DR12−aがある。ルートディレクトリの直下にPatient DR7−aがマウントされる。Patient DR7−aの下位にStudy DR8−aがマウントされる。Study DR8−aの下位にSeries DR9−aがマウントされる。Series DR9−aの下位にImage DR10−a、Image DR11−a、Image DR12−aがマウントされる。添え字のaは、ある患者aについてのDRおよび医用データファイルを表している。Patient DR7−a、Study DR8−a、Series DR9−a、Image DR10−a、Image DR11−a、Image DR12−aには、それぞれのDRの階層情報とそれぞれのDRに対応したそれぞれの医用データファイルへのアドレス情報とともに以下詳述する内容が記述されている。以下上記それぞれのDRについて説明する。
【0017】
Patient DR7−aは、患者名や患者ID等の患者情報を記述したDRである。Study DR8−aは、検査日付や検査時刻等の検査情報を記述したDRである。Series DR9−aは、画像のモダリティ(modality)や画像同士の関連性等のシリーズ情報を記述したDRである。Image DR10、Image DR11、Image DR12は、それぞれの画像に対応した画素数や画像階調度(画素当たりのビット数)等の画像情報を記述したDRである。上記患者情報、検査情報、シリーズ情報、画像情報は、医用データファイル3、4、5の付帯情報を構成する情報である。
【0018】
このように、DICOMメディア1には、医用データファイルとともに、この医用データファイルの付帯情報と関連するDICOMDIRファイル2が記憶される。医用データファイルに対応するDRが、階層構造に組まれてDICOMDIRファイル2を構成する。
【0019】
図3は、図1における本実施形態に係るリムーバブルメディア管理装置101のブロック構成図を示している。図3に示すように、本リムーバブルメディア管理装置101は、外部リムーバブルメディア115と接続されるコネクタ102を有する。外部リムーバブルメディア115は、例えばUSB−HDDまたは、USBメモリである。USB−HDDとは、USB接続の外付けハードディスク装置である。外部リムーバブルメディア115は、USB−HDDであっても、USBメモリであっても、その他の記憶媒体であっても、以下説明するリムーバブルメディア管理装置101の動作は同一である。本リムーバブルメディア管理装置101は、外部リムーバブルメディア115との接続を検出する接続検出部103と、記憶区分認識部104と、記憶区分分割部105と、リスト作成部106と、表示部107と、認識部108と、管理ファイル作成部109と、割当部110とから構成される。加えてリムーバブルメディア管理装置101には、医用データファイルを記憶している例えばPACS(picture archiving and communication system:医用画像保管通信システム)を構成する機器111が別途接続されている。医用データファイルを記憶している機器111は、入力部112、選択部114、医用データファイル記憶部から構成される。
【0020】
接続検出部103は、コネクタ102を介して外部リムーバブルメディア115との接続を検出し、検出された信号を記憶区分認識部104へ送る。記憶区分認識部104は、接続検出部103からの信号に基づいて、コネクタ102を経由して外部リムーバブルメディア115における記憶領域の分割の有無、つまり、初めて接続されたか否かについての情報を認識する。外部リムーバブルメディア115の記憶領域が分割されていないならば、上記記憶領域の未分割の信号を記憶区分分割部105へ送る。記憶区分分割部105は、上記記憶領域の未分割の信号に基づいて、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を複数の記憶区分(以下複数の仮想メディア)に分割する。
【0021】
入力部112は、図示しないが、外部リムーバブルメディア115へ保存する医用データファイルを選択するためのマウス、キーボードなどの操作装置を有する。ユーザによる入力部112を介した保存対象の医用データファイルの選択操作に基づいて、選択部114が医用データファイル記憶部113から医用データファイルの付帯情報を認識部108に読み出させる。
【0022】
認識部108は、読み出された医用データファイルの付帯情報と、外部リムーバブルメディア115の各々の仮想メディアに保存されている医用データファイルの付帯情報を管理する管理ファイル(以下DICOMDIRファイル2)の情報とを割当部110に送る。また、外部リムーバブルメディア115に保存されている医用データファイルを読み出すとき、外部リムーバブルメディア115との接続を検出後、外部リムーバブルメディア115の記憶区分(以下仮想メディア)それぞれに保存されているDICOMDIRファイル2を認識し、認識したDICOMDIRファイル2の情報を表示部107へ送る。
【0023】
割当部110は、認識部108から送られた医用データファイルの付帯情報と、外部リムーバブルメディア115の仮想メディアに保存されている医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイル2の情報との関連性の情報に基づいて、所定の規則に従って、送られた医用データファイルに仮想メディアのいずれかを保存先として割り当てる。ここで所定の規則とは、複数の仮想メディアのいずれかにおいて、仮想メディアに保存されている医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイル2の患者の情報(患者ディレクトリレコード以下患者DR)と、保存対象である医用データファイルの付帯情報の一部である患者の情報とが一致したならば、上記DICOMDIRファイル2が保存されている記憶区分を、当該医用データファイルに割り当てるように規定されている。なお、医用データファイルの付帯情報の一部である患者の情報における氏名のアルファベットに基づいて、仮想メディアを保存対象の医用データファイルに割り当てる規則や、医用データファイルが作成された日時に基づいて、保存対象の医用データファイルに仮想メディアを割り当てる規則を用いることも可能である。また、上記割当後、当該医用データファイルを上記仮想メディアへ保存する。
【0024】
管理ファイル作成部109は、割当部110によって割り当てられた仮想メディアにおける医用データファイルの保存アドレス情報とこの医用データファイルの付帯情報を含むDICOMDIRファイル2とを、複数の仮想メディア各々に作成する。DICOM規格に従って、例えば図4のように、DICOMDIRファイル2の一つのレコードには、一つの医用データファイルの付帯情報と関連する各DRと、この医用データファイルの保存アドレスが記載される。管理ファイル作成後、割当部108において医用データファイルへ割り当てられた仮想メディアと関連したDICOMDIRファイル2は、この医用データファイルを保存している仮想メディアと同じ仮想メディアへ保存される。複数の仮想メディアのいずれかにおいて、仮想メディアに保存されている医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイル2の患者DRと、保存対象である医用データファイルの付帯情報の一部である患者の情報とが一致したならば、割り当てられた仮想メディアにおける医用データファイルの保存アドレス情報とこの医用データファイルの付帯情報とに基づいて、割り当てられた仮想メディアのDICOMDIRファイル2を更新する。
【0025】
医用データファイルを保存している外部リムーバブルメディア115を本リムーバブルメディア管理装置101へ接続し、ユーザにより複数の仮想メディアのいずれかが選択されたとき、リスト作成部106は、選択された仮想メディアに対応するDICOMDIRファイルに基づいて、医用データファイルのファイルリストを作成する。このファイルリストの情報は、表示部107へ送られ、リスト表示される。
【0026】
表示部107は、上記ファイルリストの表示のほかに、認識部108で認識したDICOMDIRファイル2の情報に基づいて、仮想メディアのリスト表示を行う。表示部107において複数の仮想メディアのリストは、例えば図5のように表示される。
【0027】
(動作)
次に、本リムーバブルメディア管理装置101において、外部リムーバブルメディア(以下実体メディア)115への保存および読出しの動作について説明する。図6は、本リムーバブルメディア管理装置101において、実体メディア115への保存処理の手順を示すフローチャートである。
【0028】
はじめに、接続検出部103が実体メディア115の接続を検出(ステップSa1)し、記憶区分認識部104が上記実体メディアの記憶領域について、複数の記憶区分(以下複数の仮想メディア)に分割されているのか否かを判断(ステップSa2)する。分割されていなければ、記憶区分分割部105が、上記実体メディアの記憶領域を複数の仮想メディアに分割する(ステップSa3)。例えば、実体メディアの記憶領域の大きさが400GBのとき、一つの記憶区分の大きさを均等に10GBとして、実体メディアの記憶領域を40個の記憶区分に分割する。このように、実体メディアを複数の仮想メディアに分割するとともに、仮想メディアに対して個々にDICOMDIRファイルを設けることにより、アクセスの応答性を向上させる。
【0029】
次に、認識部108が、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された保存対象の医用データファイルを認識(ステップSa4)し、割当部110が所定の規則に従って、保存対象の医用データファイルに記憶区分(以下仮想メディア)のいずれかを保存先として、保存対象の医用データファイルの付帯情報に基づいて割り当てる(ステップSa5)。この割当に基づいて、保存対象の医用データファイルを割り当てられた仮想メディアに保存する(ステップSa6)。割り当てられた仮想メディアに保存された医用データファイルと関連した管理ファイル(以下DICOMDIRファイル)が、割り当てられた仮想メディアに存在しなければ、管理ファイル作成部109がDICOMDIRファイルを作成し、割り当てられた仮想メディアに保存する。割り当てられた仮想メディアに保存された医用データファイルと関連したDICOMDIRファイルが、割り当てられた仮想メディアに存在すれば、割り当てられた仮想メディアに保存された医用データファイルの保存アドレス情報とこの医用データファイルの付帯情報とに基づいて、上記DICOMDIRファイルのレコードへ、保存対象の医用データファイルの付帯情報を新たに組み入れる(ステップSa7)。
【0030】
また、ユーザが上記実体メディアの取り外しを選択する(ステップSa8)まで、認識部108がユーザによって選択された保存対象の医用データファイルの認識する処理(ステップSa4)から上記実体メディアの取り外しを選択する判断処理(ステップSa8)までの手順を繰り返し行う。
【0031】
次に、外部リムーバブルメディア(以下実体メディア)115に保存された医用データファイルの読出し処理の手順について、図7のフローチャートを参照としながら解説する。
【0032】
はじめに、接続検出部103が実体メディア115の接続を検出(ステップSb1)し、認識部108がそれぞれの記憶区分(以下仮想メディア)に存在するそれぞれの管理ファイル(以下DICOMDIRファイル)を読み出す(ステップSb2)。読み出されたDICOMDIRファイルに基づいて、複数の記憶区分(以下複数の仮想メディア)と対応した複数のドライブネームを表示部107がリスト表示する(ステップSb3)。このリスト表示は、例えば図5のように画面上に複数の仮想メディアとして表される。
【0033】
リスト表示された複数の仮想メディアのいずれかが、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択されると、選択された仮想メディアに対応するDICOMDIRファイルのDRに基づいて、リスト作成部106が、選択された仮想メディア内の医用データファイルに対してファイルリストを作成する(ステップSb4)。図8にリスト作成部が作成するファイルリストの一例を示す。作成されるファイルリストの項目は、例えば、患者氏名、検査名、シリーズナンバー、画像ナンバーなどである。
【0034】
次に、表示部107が作成したファイルリストを表示する(ステップSb5)。表示されたファイルリストからユーザが選択した医用データファイルに基づいて、選択された医用データファイルを保存している仮想メディアから、ユーザが選択した医用データファイルを読み出す(ステップSb6)。医用データファイルの読出しの終了を選択する(ステップSb7)まで、ファイルリストを作成する処理(ステップSb4)から医用データファイルの読出しの終了を判断する処理(ステップSb7)までの手順を繰り返し行う。
【0035】
以上図6、図7では、DICOM規格の一例として、管理ファイルについてはDICOMDIRファイル2を用いて解説してきたが、管理ファイルとしては、DICOM規格以外のものを用いることも可能である。また、外部リムーバブルメディア115としてUSB−HDDやUSBメモリ、他の記憶媒体を用いることも可能である。
【0036】
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
【0037】
本リムーバブルメディア管理装置101は、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を複数の記憶区分である複数の仮想メディアに分割し、分割された記憶領域に対応する仮想メディアに、医用データファイルと当該医用データファイルの付帯情報に基づく管理ファイルを保存する。また、外部リムーバブルメディア115から医用データファイル読み出すとき、複数の記憶区分である複数の仮想メディアと対応した複数のドライブネームをリスト表示する。続いてユーザにより複数の仮想メディアのいずれかが選択されると選択された仮想メディアの管理ファイルを読み込む。読み込んだ管理ファイルに基づいて選択した仮想メディア内の医用データファイルをリスト表示する。以上のことから、本リムーバブルメディア管理装置101は、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を複数の記憶区分に分割し、それぞれの記憶区分ごとに医用データファイルを管理する。従って、外部リムーバブルメディア115へアクセスするとき、記憶区分ごとにアクセスすることによりアクセス時のデータ量を少なく制限でき、外部リムーバブルメディア115へのアクセス時の応答性が遅いといった問題を解消することができる。
【0038】
(第2の実施形態)
図9は、本発明の第2の実施形態に係るリムーバブルメディア管理装置201のブロック構成図を示している。本実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置201の構成について、上述した第1の実施形態の構成図である図3と同一である構成要素においては、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略し、異なる構成要素について説明する。また、コネクタ112と接続される外部リムーバブルメディア115や本実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置201に別途接続されている医用データファイルを記憶している例えばPACSを構成する機器111についても、その構成要素は図3と同一であり、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0039】
図3と異なる構成要素は、図3における記憶区分認識部104と記憶区分分割部105が存在せず、患者情報ファイル作成部220を具備していることである。
【0040】
患者情報ファイル作成部220は、外部リムーバブルメディア115の全記憶領域に記憶された全ての医用データファイルを対象とした患者情報に関する患者情報ファイルを作成する。患者情報ファイル77の概念図の一例を図10に示す。図10において、患者情報ファイル77は、複数の患者情報と複数の患者それぞれの医用データファイルを管理する管理ファイルの保存アドレス情報とから構成される。
【0041】
本実施形態におけるリムーバブル管理装置201は、外部リムーバブルメディア115に対して、一例として図17に示すデータ構造をDICOM規格に基づいて構築する。構築されるデータ構造は、第1の実施形態と比較して以下の相違点がある。一点目の相違点は、本実施形態では、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を記憶区分に分割していない点である。二点目の相違点は、本実施形態では、図2に示されたDICOMDIRファイル2が、患者情報ファイルと管理ファイルとに分割されている点である。図17および患者情報ファイル、管理ファイルについては、以下の動作において詳述する。
【0042】
(動作)
次に、本リムーバブルメディア管理装置201において、外部リムーバブルメディア115への最初の接続による保存、追加保存および読出しの動作について説明する。外部リムーバブルメディア115は、例えばUSB−HDDまたはUSBメモリであり、他の記憶媒体であっても以下説明するリムーバブルメディア管理装置201の動作は同一である。図11は、本リムーバブルメディア管理装置201において、外部リムーバブルメディア115への最初の接続による保存処理の手順を示すフローチャートである。
【0043】
はじめに、接続検出部103が外部リムーバブルメディア115の接続を検出する(ステップSc1)。認識部108が、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された保存対象の医用データファイルを読み出し(ステップSc2)、読み出した医用データファイルの付帯情報から患者の情報を抽出する(ステップSc3)。患者情報ファイル作成部220が、抽出された患者情報を含み、外部リムーバブルメディア115の全記憶領域に記憶された全ての医用データファイルを対象とした患者情報ファイル77を作成する(ステップSc4)。読み出した保存対象の医用データファイルと作成した患者情報ファイル77とを、接続した外部リムーバブルメディア115の記憶領域へ保存する(ステップSc5)。
【0044】
次に、管理ファイル作成部109が、複数の患者それぞれに対応する複数の管理ファイルをそれぞれ作成する(ステップSc6)。作成された管理ファイルの概念図の一例を図12に示す。図12において、作成された管理ファイルは、一人の患者における複数の医用データファイルを管理対象としており、保存された医用データファイルの保存アドレス情報と保存された医用データファイルの付帯情報の一部とを含む。
【0045】
本実施形態での管理ファイルと、図4に示された第1の実施形態で作成された管理ファイル、すなわち記憶区分それぞれに作成されたDICOMDIRファイルとは、管理対象範囲が異なるファイルである。図12に示された本実施形態での管理ファイルは、一人の患者における複数の医用データファイルを管理対象としている。一方、図4に示された第1の実施形態で作成された管理ファイルは、複数の患者における複数の医用データファイルを管理対象としている。このように、医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイル2を、患者情報ファイル77とそれぞれの患者に対応した管理ファイルとに分割することで、外部リムーバブルメディア115へのアクセスの応答性を向上させる。
【0046】
フローチャートに戻って、管理ファイル作成部109で作成された管理ファイルを、接続した外部リムーバブルメディア115の記憶領域に、患者情報ファイル77の患者情報と管理ファイルの患者情報とを関連付けて保存する(ステップSc7)。
【0047】
次に、本リムーバブルメディア管理装置201において、外部リムーバブルメディア115への追加保存の処理について説明する。図13は、本実施形態における追加保存の処理の手順を示すフローチャートである。それぞれの処理が図11と同一であるものについては、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略し、異なる処理についてのみ説明する。
【0048】
図13と図11における異なる処理は、図11におけるステップSc4およびステップSc6における作成という処理である。作成という処理を更新という処理に変えることで、図13のステップSc44およびステップSc66が得られる。ステップSc44における更新という処理は、最初の接続による保存処理で作成された患者情報ファイル77へ、追加保存対象である医用データファイルの患者情報を新たに組み入れる処理である。
【0049】
また、ステップSc66における更新という処理は、管理ファイルの患者情報と、追加保存対象である医用データファイルの患者情報とが同一であるならば、追加保存対象の医用データファイルの付帯情報を上記管理ファイルに組み入れる処理である。一方、管理ファイルの患者情報と、追加保存対象である医用データファイルの患者情報とが同一でないならば、ステップSc66における更新という処理は、追加保存対象である医用データファイルの患者情報に基づいて、新たに管理ファイルを作成する処理である。また、複数回の保存を行う手順として、ユーザによって医用データファイルの保存の終了が選択(ステップSc8)されない限り、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された保存対象の医用データファイルを認識する処理(ステップSc2)から管理ファイルを外部リムーバブルメディア115の記憶領域へ保存する処理(ステップSc7)までの手順を繰り返し行う。
【0050】
続いて、外部リムーバブルメディア115に保存された医用データファイルの読出し処理の手順について、図14のフローチャートを参照にしながら解説する。
【0051】
はじめに、接続検出部103が外部リムーバブルメディア115の接続を検出する(ステップSd1)。外部リムーバブルメディア115を検出後、表示部107で表示される画面の一例を図15の左側に示す。外部リムーバブルメディア115を検出すると、例えば図15の矢印の左側に示されたメディアが一つだけ表される。
【0052】
続いて認識部108が、全記憶領域に記憶された全ての医用データファイルを対象とした患者情報ファイル77を読み出す(ステップSd2)。読み出された患者情報ファイル77に基づいて、リスト作成部106が患者リストを作成する(ステップSd3)。作成される患者リストの項目は、例えば、氏名、生年月日、性別などである。
【0053】
ユーザが図15の矢印の左側に示されたメディアを選択すると、リスト作成部が作成した患者リストを表示部107が表示する(ステップSd4)。表示部107が作成された患者リストを表示する画面の一例を、図15の矢印の右側に示す。図15の患者リストの一例では、患者リストの項目の一例として、患者氏名、患者ID、生年月日、性別が表示されている。
【0054】
図15の矢印の右側に示された患者リストにおいて、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された患者に基づいて、選択された患者と対応する管理ファイルを読み込む(ステップSd5)。読み込んだ管理ファイルに基づいて、リスト作成部106が医用データファイルのファイルリストを作成する(ステップSd6)。図16にリスト作成部106が作成するファイルリストの一例を示す。作成されるファイルリストの項目は、例えば、検査名、シリーズナンバー、画像ナンバーなどである。ファイルリストの項目について、図16に示されたファイルリストと第1の実施形態における図8で示されたファイルリストとの違いは、患者氏名が含まれていないことである。本実施形態におけるファイルリストの項目において、患者氏名が含まれていない理由は、患者リストからユーザによる患者の選択に基づいて、ファイルリストが作成されるためである。次に、表示部107が作成されたファイルリストを表示する(ステップSd7)。このとき、ユーザの都合に合わせて患者情報をファイルリストに加えていてもよい。
【0055】
表示されたファイルリストにおいて、ユーザによって選択された医用データファイルに基づいて、選択された医用データファイルを上記外部リムーバブルメディア115から読み出す(ステップSd8)。医用データファイルの読出しの終了が選択(ステップSd9)されない限り、ユーザによって選択された患者と対応する管理ファイルを読み込む処理(ステップSd5)から医用データファイルの読出しを終了する判断処理(ステップSd9)までの手順を繰り返し行う。
【0056】
本実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置201によって外部リムーバブルメディア115へ構築されるDICOM規格でのデータ構造の一例である図17について、上述した第1の実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置101によって外部リムーバブルメディア115へ構築されるDICOM規格でのデータ構造の一例である図2と同一である構成要素については、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略し、異なる構成要素について説明する。
【0057】
図17に示すように、外部リムーバブルメディアの記憶領域は、DICOM規格におけるデータ構造を有するDICOMメディア(ディスクイメージ)として定義される。DICOM規格との対応における患者情報ファイル77は、患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイルである。DICOM規格との対応における管理ファイルは、管理対象の範囲が患者一人であるという点を除いて、DICOMDIRファイル2と同一な構成となっている。一人の患者についてのDICOMDIRファイルの総数は、患者情報ファイル77に含まれる患者DRの総数と等しい。すなわち、患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイル77におけるある患者bについての患者DR7−bと、患者bについてのDICOMDIRファイル2−bとが関連付いている。
【0058】
DICOMメディアには、医用データファイルを主とするオブジェクトファイル3、4、5と、患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイル77と、患者の総数と同数存在する一人の患者についてのDICOMDIRファイルとがマウントされる。患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイル77には、複数の患者DRがマウントされる。一人の患者についてのDICOMDIRファイル2−bには、複数のDRがマウントされる。すなわち、Patient DR7−bの下位にStudy DR8−bがマウントされる。Study DR8−bの下位にSeries DR9−bがマウントされる。Series DR9−bの下位にImage DR10−b、Image DR11−b、Image DR12−bがマウントされる。また、Image DR10−b、Image DR11−b、Image DR12−bからの点線の矢印は、Image DR10−b、Image DR11−b、Image DR12−bと記憶領域に保存されているオブジェクトファイル3−b、オブジェクトファイル4−b、オブジェクトファイル5−bとが、それぞれ関連付けられていることを示している。添え字のbは、ある患者bについてのDRおよび医用データファイルを表している。
【0059】
以上図11、図13、図14では、DICOM規格と対応する一例として、患者情報ファイルについては患者情報DRのみで構成されたDICOMDIRファイルを、管理ファイルについては一人の患者についてのDICOMDIRファイルを用いることも可能である。また、外部リムーバブルメディア115として、USB−HDDやUSBメモリおよび他の記憶媒体を用いることも可能である。
【0060】
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
【0061】
本リムーバブルメディア管理装置201は、外部リムーバブルメディア115の記憶領域に保存される医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイルを、患者情報ファイル77と管理ファイルとに分割し、階層化して保存する。また、外部リムーバブルメディア115から医用データファイル読み出すとき、まず外部リムーバブルメディア115の記憶領域に保存されている患者情報ファイル77を読み込み、読み込んだ患者情報ファイル77に基づいて患者をリスト表示する。次にユーザが患者を選択すると、選択した患者の管理ファイルを読み込み、選択した患者に関連した医用データファイルをリスト表示する。以上のことから、本実施形態のリムーバブルメディア管理装置201は、外部リムーバブルメディア115へ保存される医用データファイルの付帯情報を管理する管理ファイルを分割、階層化して管理する。従って、外部リムーバブルメディア115へアクセスするとき、階層ごとに管理ファイルへアクセスするため、アクセス時のデータ量を少なく制限でき、外部リムーバブルメディア115へのアクセス時の応答性の遅さといった問題を解消することができる。
【0062】
(第3の実施形態)
図18は、本実施形態に係るリムーバブルメディア管理装置301のブロック構成図を示している。本実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置301の構成について、上述した第1の実施形態の構成図である図3および第2の実施形態の構成図である図9と同一である構成要素には、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略し、異なる処理を行う構成要素について符号を変えて説明する。また、コネクタ112と接続される外部リムーバブルメディア115や、本実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置301に接続されている医用データファイルを記憶している例えばPACSを構成している機器111についても、その構成要素は図3および図9と同一なので、説明の重複を避けるため同符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0063】
図3および図9と異なる処理を行う構成要素は、割当部310と管理ファイル作成部309である。割当部310は、保存対象の医用データファイルの付帯情報から抽出された患者情報に基づいて、所定の規則に従って、複数の記憶区分に複数の患者がそれぞれ対応するように、保存対象の医用データファイルに記憶区分のいずれかを保存先として割り当てる。すなわち、複数の記憶区分と複数の患者がそれぞれ対応し、患者氏名や患者IDなどの患者情報が同一である医用データファイルに対して、同一の記憶区分を割り当てる。ここで所定の規則とは、医用データファイルの患者情報における氏名のアルファベットに基づいて、保存対象の医用データファイルに、それぞれの患者に対してそれぞれの記憶区分を割り当てるように規定されている。なお、保存対象の医用データファイルが作成された日時に基づいて、保存対象の医用データファイルに記憶区分を割り当てる規則を用いることも可能である。
【0064】
管理ファイル作成部309は、複数の記憶区分それぞれに対応する複数の管理ファイルをそれぞれ作成する。すなわち上記割当部310で割り当てられた一つの記憶区分対して、一つの管理ファイルが作成される。上記割当については、以下の動作で詳述する。
【0065】
本実施形態におけるリムーバブル管理装置301は、外部リムーバブルメディア115に対して、一例として図24に示すデータ構造をDICOM規格に基づいて構築する。以下図24のデータ構造を概説する。外部リムーバブルメディア115の記憶領域が複数の記憶区分に分割されている。医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイルが、患者DRのみから構成される患者情報ファイルと複数の患者それぞれに対して作成される管理ファイルとに分割されている。患者情報ファイルは、外部リムーバブルメディア115の記憶領域へ保存されている。管理ファイルと管理ファイルに関連した医用データファイルとが、一つのDICOMメディア1を形成する。患者それぞれに形成されたDICOMメディア1が、それぞれの記憶区分に割り当てられている。図24および患者情報ファイル、管理ファイルについては、以下の動作において詳述する。
【0066】
(動作)
次に、本リムーバブルメディア管理装置301において、外部リムーバブルメディア115への最初の接続による保存、追加保存および読出しの動作について説明する。外部リムーバブルメディア115は、例えばUSB−HDDまたはUSBメモリであり、その他の記憶媒体であっても、以下説明するリムーバブルメディア管理装置301の動作は同一である。図19は、本リムーバブルメディア管理装置301において、外部リムーバブルメディア115への最初の接続による保存処理の手順を示すフローチャートである。
【0067】
はじめに、接続検出部103が外部リムーバブルメディア115の接続を検出(ステップSe1)し、記憶区分分割部104が接続した外部リムーバブルメディア115の記憶領域を複数の記憶区分に分割する(ステップSe2)。例えば、外部リムーバブルメディア115の記憶領域が400GBのとき、一つの記憶区分の大きさを均等に10GBとして、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を40個の記憶区分に分割する。このように、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を複数の記憶区分に分割することで、外部リムーバブルメディア115への応答性を向上させる。
【0068】
次に、認識部108がユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された保存対象の医用データファイルを認識し(ステップSe3)、認識した医用データファイルの付帯情報から患者の情報を抽出する(ステップSe4)。抽出した患者情報に基づいて、割当部310が所定の規則に従って、複数の記憶区分に複数の患者がそれぞれ対応するように、認識した医用データファイルに記憶区分のいずれかを保存先として割り当てる(ステップSe5)。この割当に基づいて、上記医用データファイルを割り当てられた記憶区分に保存する(ステップSe6)。
【0069】
次に、管理ファイル作成部309が、複数の記憶区分それぞれに対応する複数の管理ファイルをそれぞれ作成する(ステップSe7)。本実施形態での管理ファイルの概念図の一例を図20に示す。図20において、作成された管理ファイルは、一人の患者についての複数の医用データファイルを管理対象としており、保存された医用データファイルの保存アドレス情報と保存された医用データファイルの付帯情報の一部とを含む。
【0070】
本実施形態での管理ファイルと、図4に示された第1の実施形態で作成された管理ファイル、すなわち記憶区分それぞれに作成されたDICOMDIRファイルとは、管理対象範囲が異なるファイルである。図20に示された本実施形態での管理ファイルは、一人の患者についての複数の医用データファイルを管理対象としている。一方、図4に示された第1の実施形態で作成された管理ファイルは、複数の患者における複数の医用データファイルを管理対象としている。ここまでの管理ファイルの説明は、図12に示された第2の実施形態の管理ファイルと同じである。本実施形態と第2の実施形態の管理ファイルとの相違点は、本実施形態の管理ファイルの保存先として、複数の記憶区分それぞれに対応して、本実施形態のそれぞれの管理ファイルが割り当てられる点である。
【0071】
フローチャートに戻って、管理ファイル作成部309で作成された管理ファイルを、保存した上記医用データファイルと同じ記憶区分へ保存(ステップSe8)し、管理ファイルの付帯情報から保存アドレス情報を抽出する(ステップSe9)。
【0072】
患者情報ファイル作成部220が、保存対象の医用データファイルの付帯情報から抽出した患者情報と、保存した管理ファイルの保存アドレス情報とに基づいて、全記憶区分に記憶された全ての医用データファイルを対象とした患者情報ファイル77を作成する(ステップSe10)。作成された患者情報ファイルの概念図の一例を図21に示す。図21において患者情報ファイルは、複数の患者情報と、複数の患者それぞれに対応した管理ファイルのアドレス情報とから構成される。ここまでの患者情報ファイルの説明は、図10に示された第2の実施形態の患者情報ファイルと同じである。本実施形態における患者情報ファイルと第2の実施形態の患者情報ファイルとの相違点は、複数の記憶区分それぞれに割り当てられたそれぞれの管理ファイルのアドレス情報を含む点である。このように、医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイル2を、患者情報ファイル77とそれぞれの患者および記憶区分に対応した管理ファイルとに分割することで、外部リムーバブルメディア115へのアクセスの応答性を向上させる。
【0073】
作成された患者情報ファイル77を、接続した外部リムーバブルメディア115へ、患者情報ファイル77の患者情報と管理ファイルの患者情報とを関連付けて保存する(ステップSe11)。
【0074】
次に本リムーバブルメディア管理装置301において、外部リムーバブルメディア115への追加保存の処理について説明する。図22は、本実施形態における追加保存の処理の手順を示すフローチャートである。それぞれの処理が図19と同一であるものについては、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略し、異なる処理についてのみ説明する。
【0075】
図22と図19における異なる処理は、図19におけるステップSe7およびステップSe10における作成という処理である。作成という処理を更新という処理に変えることで、図22のステップSe77およびステップSe101が得られる。ステップSe77における更新という処理は、最初の接続による保存処理で作成された管理ファイルの患者情報と、追加保存対象の医用データファイルの患者情報とが同一であるならば、追加保存対象の医用データファイルの付帯情報を上記管理ファイルに組み入れる処理である。一方、最初の接続による保存処理で作成された管理ファイルの患者情報と、追加保存対象の医用データファイルの患者情報とが同一でないならば、ステップSe77における更新という処理は、新たに管理ファイルを作成する処理である。また、ステップSe101における更新という処理は、最初の接続による保存処理で作成された患者情報ファイルである77へ、追加保存対象の医用データファイルの患者情報を新たに組み入れる処理である。また、複数回の保存を行う手順として、ユーザによって医用データファイルの保存の終了が選択(ステップSe12)されない限り、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された保存対象の医用データファイルを認識する処理(ステップSe3)から患者情報ファイルを更新する処理(ステップSe101)までの手順を繰り返し行う。
【0076】
続いて、外部リムーバブルメディア115に保存された医用データファイルを読み出す動作について、図23のフローチャートを参照しながら、各処理の解説を行う。
【0077】
はじめに、接続検出部103が外部リムーバブルメディア115の接続を検出(ステップSf1)し、認識部108が全記憶区分に記憶された全ての医用データファイルを対象とした患者情報ファイル77を認識する(ステップSf2)。このとき、表示部107で表示される画面の一例として図15を示す。外部リムーバブルメディア115を検出後、例えば図15の矢印の左側に示された外部リムーバブルメディア115のドライブネームを、表示部107が一つだけ表示する。第1の実施形態との相違点は、ユーザに対しては1つのドライブネームとして外部リムーバブルメディア115を表示し、ユーザに複数の記憶区分を意識させないことである。ユーザが上記ドライブネームを選択後、認識した患者情報ファイル77に基づいて、リスト作成部106が患者リストを作成(ステップSf3)する。続いて、表示部107が作成した患者リストを表示する(ステップSf4)。このときの表示部では、例えば図15の矢印の右側ように患者のリストを表示する。作成される患者リストの項目は、例えば、氏名、生年月日、性別などである。
【0078】
次に、図15の矢印の右側に示された患者リストにおいて、ユーザによって入力部112を介して選択部114で選択された患者に基づいて、選択された患者と対応する記憶区分における管理ファイルを読み込む(ステップSf5)。読み込まれた管理ファイルに基づいて、リスト作成部106が医用データファイルのファイルリストを作成(ステップSf6)し、表示部107が作成されたファイルリストを表示する(ステップSf7)。図16にリスト作成部106が作成するファイルリストの一例を示す。作成されるファイルリストの項目は、例えば、検査名、シリーズナンバー、画像ナンバーなどである。ファイルリストの項目について、図16に示されたファイルリストと第1の実施形態における図8で示されたファイルリストとの違いは、患者氏名が含まれていないことである。本実施形態におけるファイルリストの項目において、患者氏名が含まれていない理由は、患者リストからユーザによる患者の選択に基づいて、ファイルリストが作成されるためである。また、本実施形態と第2の実施形態において、医用データファイルのファイルリストを作成する相違点は、第2の実施形態では全てのファイルが記憶されている記憶領域から作成しているのに対し、本実施形態ではユーザによって選択された患者と対応する記憶区分から作成している点である。
【0079】
表示されたファイルリストにおいて、ユーザによって選択された医用データファイルに基づいて、選択された医用データファイルを、選択された医用データファイルが保存されている記憶区分から読み出す(ステップSf8)。このように、それぞれの患者に対応する個々の記憶区分から医用データファイルを読出すことで、外部リムーバブルメディア115への応答性を向上させる。
【0080】
医用データファイルの読出しの終了が選択(ステップSf9)されない限り、ユーザによって選択された患者と対応する記憶区分における管理ファイルを読み込む処理(ステップSf5)から医用データファイルの読出しを終了する判断処理(ステップSf9)までの手順を繰り返し行う。
【0081】
本実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置301によって外部リムーバブルメディア115へ構築されるDICOM規格でのデータ構造の一例である図24について、上述した第1の実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置101および上述した第2の実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置201によって外部リムーバブルメディア115へ構築されるDICOM規格でのデータ構造の一例である図2、図17と同一である構成要素については、説明の重複を避けるため、同符号を付してその詳細な説明は省略し、異なる構成要素について説明する。
【0082】
図24に示すように、外部リムーバブルメディア115の記憶領域は、リムーバブルメディア管理装置301によって複数の記憶区分に分割される。それぞれの記憶区分は、DICOM規格におけるデータ構造を有するDICOMメディア1(ディスクイメージ)として定義される。DICOM規格との対応における患者情報ファイル77は、患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイルである。DICOMメディア1におけるDICOM規格と対応する管理ファイルは、管理対象の範囲が患者一人であるという点を除いて、DICOMDIRファイル2と同一な構成となっている。一人の患者についてのDICOMDIRファイルを含むDICOMメディアの総数は、患者情報ファイル77に含まれる患者DRの総数と等しい。すなわち、患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイル77におけるある患者bについての患者DR7−bと、患者bについてのDICOMメディア1とが関連付いている。
【0083】
外部リムーバブルメディア115の記憶領域には、患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイル77がマウントされる。患者DRのみで構成されたDICOMDIRファイル77には、複数の患者DRがマウントされる。DICOMメディア1には、医用データファイルを主とするオブジェクトファイル3−b、4−b、5−bと、一人の患者についてのDICOMDIRファイルと非DICOMファイル6がマウントされる。一人の患者についてのDICOMDIRファイル2−bには、複数のDRがマウントされる。すなわち、Patient DR7−bの下位にStudy DR8−bがマウントされる。Study DR8−bの下位にSeries DR9−bがマウントされる。Series DR9−bの下位にImage DR10−b、Image DR11−b、Image DR12−bがマウントされる。また、Image DR10−b、Image DR11−b、Image DR12−bからの実線の矢印は、Image DR10−b、Image DR11−b、Image DR12−bとオブジェクトファイル3−b、オブジェクトファイル4−b、オブジェクトファイル5−bとが、それぞれ関連付けられていることを示している。添え字のbは、ある患者bについてのDRおよび医用データファイルを表している。
【0084】
以上図19、図22、図23では、DICOM規格の一例として、患者情報ファイルについては患者情報DICOMDIRファイル77を、管理ファイルについては記憶区分DICOMDIRファイルを用いて解説してきたが、患者情報ファイルおよび管理ファイルとしては、DICOM規格以外のものを用いることも可能である。また、外部リムーバブルメディア115として、USB−HDDやUSBメモリおよび他の記憶媒体を用いることも可能である。
【0085】
以上に述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
【0086】
本リムーバブルメディア管理装置301によれば、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を複数の記憶区分に分割し、複数の記憶区分に複数の患者がそれぞれ対応するように医用データファイルを割り当てて保存する。外部リムーバブルメディア115の記憶領域に保存される医用データファイルの付帯情報を管理するDICOMDIRファイルを、患者情報ファイル(患者情報DICOMDIRファイル)77とそれぞれの記憶区分の患者情報にそれぞれ対応した管理ファイル(記憶区分DICOMDIRファイル)とに分割、階層化して保存する。また、外部リムーバブルメディア115から医用データファイル読み出すとき、外部リムーバブルメディア115のルートディレクトリに保存されている患者情報ファイル77を読み込み、その後複数の記憶区分とそれぞれ対応した患者リストを表示する。次にユーザが患者を選択すると、選択した患者と対応する記憶区分にある管理ファイルを読み込み、選択した患者に関連した医用データファイルをリスト表示する。以上のことから、本実施形態のリムーバブル管理装置301は、外部リムーバブルメディア115の記憶領域を自動的に分割する。次に、本実施形態のリムーバブル管理装置301は、それぞれの患者と対応したそれぞれの記憶区分において、保存された医用データファイルの付帯情報を管理する管理ファイルであるDICOMDIRファイルを分割、階層化して管理する。従って、外部リムーバブルメディア115へアクセスするとき、それぞれの記憶区分ごとに管理ファイルへアクセスするため、アクセス時のデータ量を少なく制限でき、外部リムーバブルメディア115へのアクセス時の応答性の遅さといった問題を解消することができる。さらに、記憶区分を別のリムーバブルメディアにコピーすると、記憶区分DICOMDIRファイルは、従来用いられているDICOMメディア1となる。
【0087】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0088】
1…DICOMメディア、2…DICOMDIRファイル、2-b…ある患者bについてのDICOMDIRファイル、3…オブジェクトファイル、4…オブジェクトファイル、5…オブジェクトファイル、6…非DICOMファイル、7…Patient DR、8…Study DR、9…Series DR、10…Image DR、11…Image DR、12…Image DR、77…患者情報ファイル、101…第1の実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置、102…コネクタ、103…接続検出部、104…記憶区分認識部、105…記憶区分分割部、106…リスト作成部、107…表示部、108…認識部、109…第1の実施形態における管理ファイル作成部、110…第1の実施形態における割当部、111…医用データファイルを記憶している機器、112…入力部、113…医用データファイル記録部、114…選択部、115…外部リムーバブルメディア、201…第2の実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置、210…第2の実施形態における割当部、220…患者情報ファイル作成部、301…第3の実施形態におけるリムーバブルメディア管理装置、309…第3の実施形態における管理ファイル作成部、310…第3の実施形態における割当部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像に関する医用データファイルが記憶される外部リムーバブルメディアと接続されるコネクタと、
前記外部リムーバブルメディアの記憶領域を複数の記憶区分に分割する記憶区分分割部と、
前記記憶区分のいずれかを、所定の規則に従って、前記医用データファイルに対して割り当てる割当部と、
前記規則に従って割り当てた前記記憶区分における前記医用データファイルを特定する情報と前記医用データファイルの付帯情報とを含む管理ファイルを、前記複数の記憶区分にそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部と、
前記複数の記憶区分のいずれかがユーザにより選択されたとき、前記選択された記憶区分に対応する前記管理ファイルに基づいて、前記医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、
前記作成されたファイルリストを表示する表示部と、
を具備するリムーバブルメディア管理装置。
【請求項2】
医用画像に関する医用データファイルが記憶される外部リムーバブルメディアと接続されるコネクタと、
前記医用データファイルの付帯情報に含まれる患者の情報を抽出し、当該患者の情報を含む患者情報ファイルを作成する患者情報ファイル作成部と、
前記医用データファイルを特定する情報と前記医用データファイルの付帯情報の少なくとも一部とを含む管理ファイルを、前記患者ごとにそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部と、
前記患者情報ファイルの患者のいずれかがユーザにより選択されたとき、前記選択された患者に対応する前記管理ファイルに基づいて、上記医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、
前記作成されたファイルリストを表示する表示部と、
を具備するリムーバブルメディア管理装置。
【請求項3】
医用画像に関する医用データファイルが記憶される外部リムーバブルメディアと接続されるコネクタと、
前記外部リムーバブルメディアの記憶領域を複数の記憶区分に分割する記憶区分分割部と、
前記複数の記憶区分を、一患者の前記医用データファイルに対して、前記複数の記憶区分に複数の患者がそれぞれ対応するように所定の規則に従って割り当てる割当部と、
前記規則に従って割り当てた前記記憶区分における、前記医用データファイルのアドレス情報と前記医用データファイルの付帯情報の少なくとも一部とを含む管理ファイルを、前記複数の記憶区分にそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部と、
前記医用データファイルの付帯情報に含まれる患者の情報と前記管理ファイルのアドレス情報とを含む患者情報ファイルを作成する患者情報ファイル作成部と、
前記患者情報ファイルの患者のいずれかがユーザにより選択されたとき、前記選択された患者に対応する前記管理ファイルに基づいて、前記医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、
前記作成されたファイルリストを表示する表示部と、
を具備するリムーバブルメディア管理装置。
【請求項1】
医用画像に関する医用データファイルが記憶される外部リムーバブルメディアと接続されるコネクタと、
前記外部リムーバブルメディアの記憶領域を複数の記憶区分に分割する記憶区分分割部と、
前記記憶区分のいずれかを、所定の規則に従って、前記医用データファイルに対して割り当てる割当部と、
前記規則に従って割り当てた前記記憶区分における前記医用データファイルを特定する情報と前記医用データファイルの付帯情報とを含む管理ファイルを、前記複数の記憶区分にそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部と、
前記複数の記憶区分のいずれかがユーザにより選択されたとき、前記選択された記憶区分に対応する前記管理ファイルに基づいて、前記医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、
前記作成されたファイルリストを表示する表示部と、
を具備するリムーバブルメディア管理装置。
【請求項2】
医用画像に関する医用データファイルが記憶される外部リムーバブルメディアと接続されるコネクタと、
前記医用データファイルの付帯情報に含まれる患者の情報を抽出し、当該患者の情報を含む患者情報ファイルを作成する患者情報ファイル作成部と、
前記医用データファイルを特定する情報と前記医用データファイルの付帯情報の少なくとも一部とを含む管理ファイルを、前記患者ごとにそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部と、
前記患者情報ファイルの患者のいずれかがユーザにより選択されたとき、前記選択された患者に対応する前記管理ファイルに基づいて、上記医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、
前記作成されたファイルリストを表示する表示部と、
を具備するリムーバブルメディア管理装置。
【請求項3】
医用画像に関する医用データファイルが記憶される外部リムーバブルメディアと接続されるコネクタと、
前記外部リムーバブルメディアの記憶領域を複数の記憶区分に分割する記憶区分分割部と、
前記複数の記憶区分を、一患者の前記医用データファイルに対して、前記複数の記憶区分に複数の患者がそれぞれ対応するように所定の規則に従って割り当てる割当部と、
前記規則に従って割り当てた前記記憶区分における、前記医用データファイルのアドレス情報と前記医用データファイルの付帯情報の少なくとも一部とを含む管理ファイルを、前記複数の記憶区分にそれぞれ対応して作成する管理ファイル作成部と、
前記医用データファイルの付帯情報に含まれる患者の情報と前記管理ファイルのアドレス情報とを含む患者情報ファイルを作成する患者情報ファイル作成部と、
前記患者情報ファイルの患者のいずれかがユーザにより選択されたとき、前記選択された患者に対応する前記管理ファイルに基づいて、前記医用データファイルのファイルリストを作成するリスト作成部と、
前記作成されたファイルリストを表示する表示部と、
を具備するリムーバブルメディア管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−128716(P2011−128716A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284329(P2009−284329)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]