説明

リモコン信号送受信システム、電子機器及びリモコン送信機

【課題】 ユーザがAVアンプの取扱説明書を見ることなく、リモコン送信機にTV受像機のメーカー番号を登録することができるリモコン信号送受信システムを提供すること。
【解決手段】 AVアンプ20は、TV受像機40のベンダーIDとメーカー番号とを関連付けて記憶しており、ユーザ操作によってメーカー番号表示指示が入力されると、TV受像機40からHDMIのCECラインを介してベンダーIDを取得する。AVアンプ20は、取得したベンダーIDに関連付けられたTV受像機40のメーカー番号を特定し、表示部29に表示させる。ユーザは、表示部29に表示されたメーカー番号を見て、リモコン送信機50にTV受像機40のメーカー番号を登録することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の電子機器と、第1の電子機器および第2の電子機器を遠隔制御するリモコン送信機とを備えるリモコン信号送受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
AVアンプ(第1の電子機器)は、HDMIケーブルを介して、DVDプレーヤ(第2の電子機器)及びTV受像機(第2の電子機器)が接続可能である。AVアンプは、DVDプレーヤから画像データ及び音声データを受信し、音声データを増幅してスピーカーに出力し、映像データをTV受像機に送信する。AVアンプはリモコン送信機を備えており、ユーザは、リモコン送信機を使ってAVアンプを操作することができる。リモコン送信機は、AVアンプ以外にもTV受像機やDVDプレーヤを操作することができる。つまり、ユーザがTV受像機及びDVDプレーヤのメーカー番号をリモコン送信機に入力して登録することによって、リモコン送信機は、AVアンプのメーカーと異なるメーカーのTV受像機やDVDプレーヤであっても、対応するリモコンコードを出力して、これらの機器を制御することができる。従来においては、AVアンプの取扱説明書にTV受像機やDVDプレーヤのメーカー番号が記載されており、ユーザは、取扱説明書を見て、該当するTV受像機やDVDプレーヤのメーカー番号を確認し、AVアンプのリモコン送信機にメーカー番号を登録する必要があり、その操作が非常に煩雑である。例えば、TV受像機を他のメーカーのものに買い替えた場合には、AVアンプのリモコン送信機に再度メーカー番号を登録し直す必要があるので、その都度AVアンプの取扱説明書を見る必要がある。
【0003】
この問題を解決するために、下記特許文献2には以下の技術を記載する。DVDプレーヤにHDMIケーブルを介してテレビジョン受像機が接続されると、HDMI認証が行われ、EDIDデータがテレビジョン受像機から取得され、テレビジョン受像機のメーカー名が判別される。メーカー名が例えばA社であると判別された場合には、メーカー名とリモコンコードとの対応関係を示すテーブルが参照され、判別されたメーカー名A社に対応するリモコンコードが選択される。A社のリモコンコードの選択が行われた後、選択されたリモコンコードが送信される。リモコン装置では、複数の操作キーに予め割り当てされた操作キー番号に対応させて、DVDプレーヤから受信したメーカー名A社に対応するリモコンコードがメモリに記憶される。
【0004】
しかし、特許文献2に記載の技術によると、リモコンの操作キーが多い等の理由により、操作キーに割り当てるべきリモコンコードが多い場合には、非常に長い時間、DVDプレーヤからリモコン装置にリモコンコードを送信する必要がある。従って、ユーザは、リモコン装置のリモコン受信部を非常に長い間DVDプレーヤに向けておく必要があり、その操作が非常に煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−208290号
【特許文献2】特許第4187037号
【特許文献3】特開2003−61166号
【特許文献4】特開2002―252887号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、煩雑な操作を要することなく、リモコン送信機に第2の電子機器のメーカー番号を登録することができるリモコン信号送受信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態によるリモコン信号送受信システムは、第1の電子機器と、前記第1の電子機器および第2の電子機器を遠隔制御するリモコン送信機とを備えるリモコン信号送受信システムであって、前記第1の電子機器が、前記第2の電子機器の第1識別情報と第2識別情報とを関連付けて記憶する識別情報記憶手段と、前記第2の電子機器から前記第2の電子機器の前記第1識別情報を取得する取得手段と、取得した前記第1識別情報に関連付けられた前記第2識別情報を表示装置に表示させる表示制御手段とを有し、前記リモコン送信機が、前記第2の電子機器の前記第2識別情報と、前記第2の電子機器用のリモコンコードとを関連付けて記憶するリモコンコード記憶手段と、複数の前記第2識別情報の中から選択された前記第2識別情報を登録する登録手段と、ユーザ操作に応じて、前記登録手段によって登録されている前記第2識別情報に関連付けられたリモコンコードを出力する出力手段とを有する。
【0008】
第2の電子機器の第2識別情報が表示装置に表示されるので、ユーザは、表示装置に表示された第2識別情報を確認して、リモコン送信機に第2識別情報を入力して登録することができる。従って、ユーザは、第1の電子機器の取扱説明書を見て第2の電子機器の第2識別情報を確認する必要がない。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記識別情報記憶手段が、同一の前記第1識別情報に関連付けて異なる複数の前記第2識別情報を記憶し、前記表示制御手段が、取得した前記第1識別情報に関連付けられた複数の前記第2識別情報を前記表示装置に表示させる。
【0010】
この場合、1つの第1識別情報に対して複数の第2識別情報が存在する場合に、ユーザは、複数の第2識別情報の中から所望の第2識別情報を選択し、リモコン送信機に入力して登録することができる。
【0011】
本発明の別の好ましい実施形態によるリモコン信号送受信システムは、第1の電子機器と、前記第1の電子機器および第2の電子機器を遠隔制御するリモコン送信機とを備えるリモコン信号送受信システムであって、前記第1の電子機器が、前記第2の電子機器の第1識別情報と第2識別情報とを関連付けて記憶する識別情報記憶手段と、前記第2の電子機器から前記第2の電子機器の前記第1識別情報を取得する取得手段と、取得した前記第1識別情報に関連付けられた前記第2識別情報を前記リモコン送信機に送信する送信手段とを有し、前記リモコン送信機が、前記第2の電子機器の前記第2識別情報と、前記第2の電子機器用のリモコンコードとを関連付けて記憶するリモコンコード記憶手段と、前記送信手段から送信された前記第2識別情報を受信する受信手段と、複数の前記第2識別情報の中から、前記受信手段によって受信された前記第2識別情報を登録する登録手段と、ユーザ操作に応じて、前記登録手段によって登録されている前記第2識別情報に関連付けられたリモコンコードを出力する出力手段とを有する。
【0012】
第2の電子機器の第2識別情報がリモコン送信機に送信され、リモコン送信機は受信した第2識別情報を自動的に登録するので、ユーザは、第1電子機器の取扱説明書を見て第2の電子機器の第2識別情報を確認する必要がなく、第2識別情報をリモコン送信機に入力する必要もない。また、ユーザが、間違った第2識別情報をリモコン送信機に入力することもないので、リモコン送信機によって第2の電子機器を操作できなくなるという問題も防止できる。また、上記特許文献2のようにリモコンコード自体を第1の電子機器からリモコン送信機に送信するのではなく、第2識別情報を第1の電子機器からリモコン送信機に送信するので、直ぐに送信が完了する。従って、ユーザは、リモコン送信機を非常に長い間第1の電子機器に向けておく必要がない。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記識別情報記憶手段が、同一の前記第1識別情報に関連付けて異なる複数の前記第2識別情報を記憶し、前記送信手段が、取得した前記第1識別情報に関連付けられた複数の前記第2識別情報のうち、ユーザ操作によって選択された1つの前記第2識別情報を前記リモコン送信機に送信する。
【0014】
この場合、1つの第1識別情報に対して複数の第2識別情報が存在する場合に、ユーザは、複数の第2識別情報の中から所望の第2識別情報を選択し、リモコン送信機に登録することができる。
【0015】
好ましい実施形態においては、前記送信手段が、取得した前記第1識別情報に関連付けられた前記第2識別情報と、製品種別とを前記リモコン送信機に送信し、前記登録手段が、複数の前記第2識別情報の中から、前記受信手段によって受信された前記第2識別情報を、前記受信手段によって受信された製品種別に対する前記第2識別情報として登録する。
【0016】
この場合、リモコン送信機が、複数の製品種別(特に限定されないが、例えば、TV、DVD等)の第2の電子機器のリモコンコードを記憶しており、複数の第2の電子機器を遠隔制御できる場合に、取得した第1識別情報に関連付けられた第2識別情報を、ユーザ操作によって選択された製品種別に対する第2識別情報として、登録することができる。
【0017】
好ましい実施形態においては、前記第1識別情報がベンダーIDであり、前記第2識別情報がメーカー番号である。
【発明の効果】
【0018】
ユーザが第1の電子機器の取扱説明書を見ることなく、リモコン送信機に第2の電子機器のメーカー番号を登録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるAVアンプ20、DVDプレーヤ10、TV受像機40及びリモコン送信機を示すブロック図である。
【図2】TV受像機のリモコンコードテーブルを示す図である。
【図3】TV受像機用メーカー番号テーブルを示す図である。
【図4】AVアンプ20とTV受像機10との動作を示すフローチャートである。
【図5】AVアンプ20の動作を示すフローチャートである。
【図6】AVアンプ20の動作を示すフローチャートである。
【図7】リモコン送信機50の動作を示すフローチャートである。
【図8】TV受像機用メーカー番号テーブルを示す図である。
【図9】AVアンプ20の動作を示すフローチャートである。
【図10】メーカー番号登録画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0021】
図1は、DVDプレーヤ10(第2の電子機器)、AVアンプ20(第1の電子機器)、TV受像機40(第2の電子機器)、及び、リモコン送信機50を示すブロック図である。AVアンプ20には、例えば、HDMIケーブルを介してDVDプレーヤ10及びTV受像機40が接続されている。AVアンプ20は、DVDプレーヤ10から画像データ及び音声データを受信し、音声データを増幅し、スピーカー60に出力する。AVアンプ20は、画像データをTV受像機40に送信し、画像を表示させる。AVアンプ20にはリモコン送信機50が付属されており、リモコン送信機50から送信されるリモコン信号(リモコンコード)によって、AVアンプ20、DVDプレーヤ10及びTV受像機40は制御される。
【0022】
[DVDプレーヤ10の構成]
DVDプレーヤ10は、再生部11と、HDMI送信部13と、制御部14と、操作表示部15と、メモリ16と、出力端子17と、リモコン受信部18とを備える。
【0023】
再生部11は、DVDディスク(以下、単にディスクという。)に記録されている画像データ(映像データの意味を含む、以下同様。)及び音声データをディスクから読み出して、HDMI送信部13に供給する。HDMI送信部13は再生部11から供給された画像データ及び音声データを、HDMI規格のデータ(以下、HDMIデータという。)に変換する。HDMI送信部13は、HDMIデータを出力端子17を介してAVアンプ20に送信する。
【0024】
制御部14は、メモリ16に格納されているDVDプレーヤ10の動作プログラムに基づいて、DVDプレーヤ10の各部を制御するものであり、例えば、マイコンやCPU等である。リモコン受信部18は、リモコン送信機50から送信されたDVDプレーヤ10用のリモコン信号を受信して、制御部14に供給する。制御部14は、当該リモコン信号に応答して各処理を実行する。
【0025】
制御部14は、HDMIのCECラインを介してAVアンプ20の制御部23に接続され、制御部23とコマンドを送受信する。制御部14は、制御部23からCECラインを介してベンダーIDの要求コマンドを受信すると、DVDプレーヤ10のベンダーIDをメモリ16から読み出して、制御部23にCECラインを介して送信する。
【0026】
[ディスプレイ装置40の構成]
ディスプレイ装置40は、HDMI受信部41と、制御部42と、画像処理部43と、表示部44と、メモリ45と、操作部46と、入力端子47と、リモコン受信部48とを備える。
【0027】
HDMI受信部41は、AVアンプ20から送信されたHDMIデータを受信して、受信したHDMIデータから元の画像データを生成し、画像処理部43に供給する。画像処理部43は、供給された画像データに対して所定の画像処理を実行し、表示部44に供給する。表示部44は、画像処理部43から画像データが供給され、当該画像データに基づいて画像を表示するものであり、例えば、LCDまたはCRT等である。
【0028】
制御部42は、メモリ45に格納されたTV受像機40の動作プログラムに基づいて、TV受像機40の各部を制御するものであり、例えば、マイコンやCPU等である。リモコン受信部48は、リモコン送信機50から送信されたTV受像機用のリモコン信号を受信し、制御部42に供給する。制御部42は、当該リモコン信号に応じて各処理を実行する。
【0029】
制御部42は、HDMIのCECラインを介してAVアンプ20の制御部23に接続され、制御部23とコマンドを送受信する。制御部42は、制御部23からCECラインを介してベンダーIDの要求コマンドを受信すると、TV受像機40のベンダーIDをメモリ45から読み出して、制御部23にCECラインを介して送信する。
【0030】
[AVアンプの構成]
AVアンプ20は、HDMI受信部21と、HDMI送信部22と、制御部23と、画像処理部24と、音声処理部25と、メモリ26と、入力端子27aと、出力端子27bと、操作部28と、表示部29と、リモコン受信部30とを備える。
【0031】
HDMI受信部21は、DVDプレーヤ10から供給されたHDMIデータを受信して、受信したHDMIデータから元の画像データ(HDMI変換前の画像データ)を生成して、画像処理部24に供給する。また、HDMI受信部21は、受信したHDMIデータから元の音声データを生成して、音声処理部25に供給する。
【0032】
画像処理部24は、HDMI受信部21から供給された画像データに所定の画像処理を実行し、HDMI送信部22に出力する。HDMI送信部22は、画像処理部24から供給された画像データをHDMIデータに変換する。HDMI送信部22は、変換したHDMIデータを、出力端子27bを介して、TV受像機40に送信する。
【0033】
音声処理部25は、HDMI受信部21から供給された音声データに所定の音声処理(デコード、遅延処理、イコライザ処理、D/A変換処理、音量調整処理、増幅処理等)を実行し、外部に接続されたスピーカー60に音声信号を供給する。
【0034】
制御部23は、メモリ26に記憶されているAVアンプ20の動作プログラムに基づいて、AVアンプ20の各部を制御するものであり、例えば、マイコンやCPU等である。制御部23は、HDMIのCECラインを介してDVDプレーヤ10の制御部14に接続され、制御部14とコマンドを送受信する。制御部23は、CECラインを介してディスプレイ装置40の制御部42に接続され、制御部42とコマンドを送受信する。
【0035】
操作部28は、ユーザ操作が入力されるものであり、AVアンプ20の筐体に設けられた操作ボタン等である。操作部28は、例えば、メーカー番号表示指示を入力するためのメーカー番号表示ボタンを含む。表示部29は、DVDプレーヤ10及び/又はTV受像機40のメーカー番号を表示するものであり、LCDやFL管等である。リモコン受信部30は、リモコン送信機50から送信されたAVアンプ20用のリモコン信号を受信して、制御部23に供給する。制御部23は、当該リモコン信号に応じて各処理を実行する。
【0036】
ここで、AVアンプ20に付属されているリモコン送信機50について説明する。リモコン送信機50は、制御部51と、操作部52と、メモリ53と、リモコン送信部54とを備える。
【0037】
操作部52は、AVアンプ20用の操作ボタンと、DVDプレーヤ10用の操作ボタンと、TV受像機40用の操作ボタンとを含む。ユーザ操作によってAVアンプ10用の操作ボタンが操作されると、対応するAVアンプ10用のリモコンコードがメモリ53から読み出されて、リモコン送信部54を介して出力される。AVアンプ20のリモコン信号受信部30がAVアンプ20用のリモコン信号を受信すると、AVアンプ20はリモコン信号に応じた処理を実行する。
【0038】
ユーザ操作によってTV受像機40用の操作ボタンが操作されると、対応するTV受像機40用のリモコン信号がメモリ53から読み出されて、リモコン送信部54を介して出力される。TV受像機40のリモコン信号受信部48がTV受像機40用のリモコン信号を受信すると、TV受像機40はリモコン信号に応じた処理を実行する。DVDプレーヤ10についても同様である。
【0039】
リモコン送信機50は、メモリ53に、図2に示すTV受像機用リモコンコードテーブルを格納している。TV受像機用リモコンコードテーブルには、TV受像機のメーカー番号に対応付けて、当該メーカー番号で特定されるTV受像機を制御するためのリモコンコードが格納されている。つまり、当該リモコンコードには、操作部52の複数の操作ボタンに対応する複数のリモコンコードが登録されている。ユーザ操作に応じて、1つのメーカー番号が選択されて登録されると、登録されたメーカー番号に対応するリモコンコードがメモリ53から読み出されて、送信されるようになる。つまり、TV受像機40用の操作ボタンが操作されると、TV受像機に対して登録されたメーカー番号に対応するリモコンコードがメモリ53から読み出されて、送信される。なお、メーカー番号を登録するとは、メモリ53に、選択されたメーカー番号を記憶することをいう。
【0040】
同様に、図示しないが、リモコン送信機50は、メモリ53にDVDプレーヤ用リモコンコードテーブルを格納しており、ユーザ操作に応じて、1つのメーカー番号が選択されて登録されると、登録されたメーカー番号に対応するリモコンコードがメモリ53から読み出されて、送信されるようになる。
【0041】
AVアンプ20の説明に戻り、メモリ26には、図3に示すTV受像機用メーカー番号テーブルが格納されている。TV受像機用メーカー番号テーブルは、通し番号であるインデックスnに対応付けて、メーカー名と、ベンダーIDと、メーカー番号とがそれぞれ関連付けて登録されている。ベンダーIDは、電子機器の製造者や販売者を表す識別情報(第1識別情報)であり、HDMI規格に準拠した電子機器の各メーカーにおいて共通で使用されている識別情報である。一方、メーカー番号は、製造者や販売者を表す識別番号(第2識別情報)であり、AVアンプ20の製造者によって、リモコン送信機50にどのリモコンコードを出力するかを登録するために付与された識別情報である。同様に、図示しないが、メモリ26には、DVDプレーヤ用メーカー番号テーブルが格納されている。
【0042】
AVアンプ20の制御部23は、TV受像機40の制御部42にCECラインを介してベンダーIDを要求するコマンドを送信する。制御部23は、TV受像機40の制御部42からベンダーIDを受信すると、TV受像機用メーカー番号テーブルを参照し、受信したベンダーIDに関連付けられたメーカー番号を特定し、特定したメーカー番号を表示部29に表示させる(又は、メーカー番号を含むOSD画面をTV受像機40に送信し、TV受像機40の表示部44にメーカー番号を表示させてもよい)。ユーザは、表示部29に表示されたTV受像機40のメーカー番号を見ながら、リモコン送信機50にTV受像機40のメーカー番号を入力することにより、AVアンプ20の取扱説明書を見ることなく、TV受像機40のメーカー番号をリモコン送信機50に登録することができる。
【0043】
制御部23は、DVDプレーヤ10の制御部14にCECラインを介してベンダーIDを要求するコマンドを送信する。制御部23は、DVDプレーヤ10の制御部42からベンダーIDを受信すると、DVDプレーヤ用メーカー番号テーブルを参照し、受信したベンダーIDに対応付けられたメーカー番号を特定し、特定したメーカー番号を表示部29に表示させる。ユーザは、表示部29に表示されたDVDプレーヤ10のメーカー番号を見ながら、リモコン送信機50にDVDプレーヤ10のメーカー番号を入力することにより、AVアンプ20の取扱説明書を見ることなく、DVDプレーヤ10のメーカー番号をリモコン送信機50に登録することができる。
【0044】
以下、本発明の動作を説明する。本例では、TV受像機40のメーカー番号をリモコン送信機50に登録する場合を説明するが、DVDプレーヤ10のメーカー番号を登録する場合も同様である。図4に示すように、AVアンプ20の制御部23は、ユーザ操作によってメーカー番号表示指示が入力されたか否かを判断している(S1)。ユーザが操作部28のメーカー番号表示ボタンを操作(押下)することによって、メーカー番号表示指示が入力された場合(S1でYES)、制御部23は、CECラインを介して、TV受像機40の制御部42にベンダーIDの要求コマンドを送信する(S2)。
【0045】
TV受像機40の制御部42は、AVアンプ20の制御部23からベンダーIDの要求コマンドを受信すると、これに応答して、メモリ45からTV受像機40のベンダーIDを読み出して、CECラインを介して、AVアンプ20の制御部23に送信する(S11)。ここでは、TV受像機40のベンダーIDは、「6789AB」である。
【0046】
AVアンプ20の制御部23は、TV受像機40のベンダーIDを、CECラインを介してTV受像機40の制御部43から取得する(S2)。制御部23は、取得したTV受像機40のベンダーIDを、変数IDmに設定する(S3)。制御部23は、TV受像機用メーカー番号テーブルを参照し、取得したベンダーIDに対応するメーカー番号を特定し、表示部29に表示させる(S4)。
【0047】
S4の詳細を図5を参照して説明する。制御部23は、TV受像機用メーカー番号テーブルのインデックスnを示す変数iを1に初期化する(S21)。制御部23は、TV受像機用メーカー番号テーブルにおけるインデックスが変数iに対応するベンダーIDを特定し、変数IDtに設定する(S22)。ここでは、インデックス1に対応するベンダーID「012345」が特定され、変数IDtに設定される。
【0048】
制御部23は、変数IDmが変数IDtと等しいか否かを判断する(S23)。ここでは、変数IDmは「6789AB」であり、変数IDtは「012345」であるので、変数IDmが変数IDtと異なると判断される(S23でNO)。制御部23は、変数iを1増加させ(S25)、変数iがTV受像機用メーカー番号テーブルにおけるインデックスiの最大値n=6よりも大きいか否かを判断する(S26)。変数iがn=6よりも大きい場合(S26でYES)、処理を終了する。
【0049】
ここでは、インデックスiは1+1=2に設定され(S25)、変数i=2はn=6以下であると判断されるので(S26でNO)、S22に戻る。制御部23は、インデックス2のベンダーID「6789AB」を変数IDtに設定する(S22)。従って、変数IDmは変数IDtと等しいと判断され(S23でYES)、制御部23は、TV受像機用メーカー番号テーブルにおけるインデックスiのメーカー番号をTV受像機のメーカー番号であると特定し、当該メーカー番号を表示部29に表示させる(S24)。ここでは、インデックス2のメーカー番号「02001」が特定され、表示部29に表示される。このとき、ベンダーIDはTV受像機40から取得したものであるので、制御部23は、表示したメーカー番号がTV受像機40のメーカー番号である旨も表示する。つまり、製品種別(TV受像機であるか、又は、DVDプレーヤであるかの情報)は、TV受像機40からCECラインを介して取得する、又は、TV受像機から取得したEDIDに含まれている製品種別を参照するとよい。
【0050】
ユーザは、表示部29に表示されたメーカー番号「02001」をリモコン送信機50にTV受像機40のメーカー番号として入力する。リモコン送信機50の制御部51は、入力されたメーカー番号「02001」をTV受像機40のメーカー番号として登録する。従って、ユーザ操作によって、リモコン送信機50のTV受像機40用の操作ボタンが操作された場合、制御部51は、メーカー番号「02001」に対応するTV受像機のリモコンコードをメモリ53から読み出して、リモコン送信部54を介して出力する。
【0051】
以上のように、ユーザは、AVアンプ20の取扱説明書を見る必要なく、AVアンプ20のメーカー番号表示ボタンを操作するだけで、TV受像機のメーカー番号を知ることができ、リモコン送信機50にメーカー番号を登録することができる。
【0052】
次に、本発明の別の好ましい実施形態について説明する。本例では、AVアンプ20には、メーカー番号表示ボタンの代わりに、メーカー番号登録ボタンが設けられている。メーカー番号登録ボタンが操作されたとき、制御部23にメーカー番号登録指示が入力される。
【0053】
図6は、本例の処理を示すフローチャートであり、図5と比較して、S24がS31に変更されている。AVアンプ20の制御部23は、上記と同様に、TV受像機40(又はDVDプレーヤ10、以下同様。)の制御部43からベンダーIDを取得すると、ベンダーIDに関連付けられているメーカー番号を、TV受像機用メーカー番号テーブルを参照して特定し、表示部29に表示させる代わりに(又は表示部29に表示すると共に)、特定したメーカー番号と製品種別とを所定の通信方式によってリモコン送信機50に送信する。
【0054】
製品種別は、メーカー番号が、TV受像機のものであるか、又は、DVDプレーヤのものであるかを示す情報である。メーカー番号が、TV受像機と、DVDプレーヤとによって重複しない場合には、製品種別をリモコン送信機50に送信する必要がない。リモコン送信機50が、メーカー番号を参照することにより、TV受像機のメーカー番号として登録すべきか、DVDプレーヤのメーカー番号として登録すべきかを判別することができるからである。なお、製品種別は、TV受像機40からCECラインを介して取得する、又は、TV受像機から取得したEDIDに含まれている製品種別を参照するとよい。
【0055】
所定の通信方式は、例えば、赤外線、Bluetooth、又は、LAN等の任意のものが採用される。従って、AVアンプ20にはこれらいずれかの通信方式に対応する送信部が設けられ、リモコン送信機50にはこれらいずれかの通信方式に対応する受信部が設けられている。
【0056】
図7に示すように、リモコン送信機50の制御部51は、AVアンプ20からメーカー番号及び製品種別を受信すると(S41でYES)、製品種別に対応するメーカー番号として、受信したメーカー番号を登録する(S42)。例えば、受信した製品種別がTV受像機であり、メーカー番号が「02001」である場合には、制御部51は、TV受像機のメーカー番号として、受信したメーカー番号「02001」を登録する。従って、本例においては、ユーザはAVアンプ20のメーカー番号登録ボタンを操作するだけで、リモコン送信機50にメーカー番号を自動的に登録することができる。
【0057】
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。本例では、図8に示すように、同一のメーカー(ベンダーID)に対して複数のメーカー番号が付与されている。例えば、TV受像機40について、メーカーAには、3つのメーカー番号「01001」、「01002」、「01003」が設けられている。これら3つのメーカー番号に対応してメーカー名が便宜上「A−1」、「A−2」、「A−3」とされている。これら3つのメーカー番号に対応するベンダーIDはいずれも「012345」である。従って、AVアンプ20は、TV受像機40からベンダーID「012345」を取得した場合、必要に応じて最大3つのベンダーIDを表示部29に表示させる。
【0058】
図9は本例の処理を示すフローチャートであり、図5に対してS51が追加されている。AVアンプ20の制御部23は、TV受像機40の制御部43からベンダーID「012345」を取得して、変数IDmに設定する(図4のS3)。制御部23は、インデックス1のベンダーID「012345」を変数IDtに設定し(S22)、変数IDm=変数IDtであると判断し(S23でYES)、インデックス1のメーカー番号「01001」を表示部29に表示させる(S24)。ユーザは、表示されたメーカー番号「01001」が正しいと判断すると、リモコン送信機50にメーカー番号「01001」を入力し、登録する。
【0059】
一方、ユーザは、表示されたメーカー番号「01001」が間違いであると判断すると、再度メーカー番号表示ボタンを操作する。AVアンプ20の制御部23は、メーカー番号表示指示が再度入力されたか否かを判断しており(S51)、入力された場合(S51でYES)、変数iを1増加させ2とし(S25)、S22に戻る。制御部23は、インデックス2のベンダーID「012345」を変数IDtに設定し(S22)、変数IDm=変数IDtであると判断し(S23でYES)、インデックス2のメーカー番号「01002」を表示部29に表示させる(S24)。ユーザは、表示されたメーカー番号「01002」が正しいと判断すると、リモコン送信機50にメーカー番号「01002」を入力し、登録する。
【0060】
同様に、ユーザは、表示されたメーカー番号「01002」が間違いであると判断すると、再度メーカー番号表示ボタンを操作する。従って、表示部29には、メーカー番号「01003」が表示され、表示されたメーカー番号「01003」が正しいと判断すると、リモコン送信機50にメーカー番号「01003」を入力し、登録する。
【0061】
以上のように、同一メーカーに複数のメーカー番号が付されている場合には、必要に応じて当該メーカーのメーカー番号の全てを表示することができる。上記のように、メーカー番号表示指示が入力される度に1つずつ順番にメーカー番号を表示するのではなく、一度に全てのメーカー番号を表示してもよい。
【0062】
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。本例では、先の実施形態と同様に、図8に示すように、同一のメーカーに対して複数のメーカー番号が付与されている。AVアンプ20は、先の実施形態と同様に、取得したベンダーIDに基づいて、対応する複数のメーカー番号を特定する。そして、図10に示すように、AVアンプ20は、メーカー番号登録画面を表示部29またはTV受像器40に表示させる。図10では、メーカーAのメーカー番号として01001、01002、01003が表示され、ユーザ操作に応じてカーソルが移動されることによって、1つのメーカー番号が選択される。同様に、製品種別として、TV、DVD、GAMEが表示されており、ユーザ操作に応じてカーソルが移動されることによって、1つの製品種別が選択される。なお、製品種別は、TV受像機40から取得した製品種別を自動的に選択するようにしてもよい。1つのメーカー番号、および、1つの製品種別が選択されると、AVアンプ20は、リモコン送信機50に所定の通信方式でメーカー番号および製品種別を送信する。リモコン送信機50は、図7の処理と同様に、受信した製品種別に対応するメーカー番号として、受信したメーカー番号を登録する。
【0063】
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態を説明する。本例では、上記いずれかの実施形態において、AVアンプ20は、HDMIのCECラインを介してTV受像機40やDVDプレーヤ10からベンダーIDを取得する代わりに、MACアドレスに含まれているベンダーIDを利用する。つまり、DVDプレーヤ10、AVアンプ20およびTV受像機40が、LANインターフェースを備え、LAN等の任意のネットワーク経由で通信することができ、AVアンプ20は、LAN経由で接続されているDVDプレーヤ10およびTV受像機40からMACアドレスを取得する。
【0064】
MACアドレス(Media Access
Control address)は、ネットワーク上で、各ノードを識別するために設定されているLANカードなどのネットワーク機器のハードウェアに一意に割り当てられる物理アドレスである。イーサネット(登録商標)の場合、48ビットの符号である。
MACアドレスの表現には、04-A3-43-5F-43-23 や 32:61:3C:4E:B6:05 といったオクテット表現を用いる("04","5F"や"B6"が、それぞれオクテットである)。
このMACアドレスのうち、最初の24ビット04-A3-43がベンダーID、次の8ビット5Fが機種ID、最後の16ビット43-23がシリアルIDとなっている。
【0065】
MACアドレスに含まれるベンダーIDを使用することにより、LANに接続されている全ての機器についてベンダーIDを取得することができる。なお、MACアドレスからベンダーIDを取得すること以外は上記の各実施形態と同じであるので、説明を援用する。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。AVアンプ、DVDプレーヤ、TV受像機、又は、リモコン送信機の上記動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。また、第1の電子機器が、TV受像機40又はDVDプレーヤ10であり、第2の電子機器がAVアンプ20であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、AVアンプ、DVDプレーヤ、TV受像機、及び、リモコン送信機等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0068】
10 DVDプレーヤ
20 AVアンプ
40 TV受像機
50 リモコン送信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電子機器と、前記第1の電子機器および第2の電子機器を遠隔制御するリモコン送信機とを備えるリモコン信号送受信システムであって、
前記第1の電子機器が、前記第2の電子機器の第1識別情報と第2識別情報とを関連付けて記憶する識別情報記憶手段と、
前記第2の電子機器から前記第2の電子機器の前記第1識別情報を取得する取得手段と、
取得した前記第1識別情報に関連付けられた前記第2識別情報を表示装置に表示させる表示制御手段とを有し、
前記リモコン送信機が、前記第2の電子機器の前記第2識別情報と、前記第2の電子機器用のリモコンコードとを関連付けて記憶するリモコンコード記憶手段と、
複数の前記第2識別情報の中から選択された前記第2識別情報を登録する登録手段と、
ユーザ操作に応じて、前記登録手段によって登録されている前記第2識別情報に関連付けられたリモコンコードを出力する出力手段とを有する、リモコン信号送受信システム。
【請求項2】
前記識別情報記憶手段が、同一の前記第1識別情報に関連付けて異なる複数の前記第2識別情報を記憶し、
前記表示制御手段が、取得した前記第1識別情報に関連付けられた複数の前記第2識別情報を前記表示装置に表示させる、請求項1に記載のリモコン信号送受信システム。
【請求項3】
第1の電子機器と、前記第1の電子機器および第2の電子機器を遠隔制御するリモコン送信機とを備えるリモコン信号送受信システムであって、
前記第1の電子機器が、前記第2の電子機器の第1識別情報と第2識別情報とを関連付けて記憶する識別情報記憶手段と、
前記第2の電子機器から前記第2の電子機器の前記第1識別情報を取得する取得手段と、
取得した前記第1識別情報に関連付けられた前記第2識別情報を前記リモコン送信機に送信する送信手段とを有し、
前記リモコン送信機が、前記第2の電子機器の前記第2識別情報と、前記第2の電子機器用のリモコンコードとを関連付けて記憶するリモコンコード記憶手段と、
前記送信手段から送信された前記第2識別情報を受信する受信手段と、
複数の前記第2識別情報の中から、前記受信手段によって受信された前記第2識別情報を登録する登録手段と、
ユーザ操作に応じて、前記登録手段によって登録されている前記第2識別情報に関連付けられたリモコンコードを出力する出力手段とを有する、リモコン信号送受信システム。
【請求項4】
前記識別情報記憶手段が、同一の前記第1識別情報に関連付けて異なる複数の前記第2識別情報を記憶し、
前記送信手段が、取得した前記第1識別情報に関連付けられた複数の前記第2識別情報のうち、ユーザ操作によって選択された1つの前記第2識別情報を前記リモコン送信機に送信する、請求項3に記載のリモコン信号送受信システム。
【請求項5】
前記送信手段が、取得した前記第1識別情報に関連付けられた前記第2識別情報と、製品種別とを前記リモコン送信機に送信し、
前記登録手段が、複数の前記第2識別情報の中から、前記受信手段によって受信された前記第2識別情報を、前記受信手段によって受信された製品種別に対する前記第2識別情報として登録する、請求項3または4に記載のリモコン信号送受信システム。
【請求項6】
前記第1識別情報がベンダーIDであり、前記第2識別情報がメーカー番号である、請求項1〜5のいずれかに記載のリモコン信号送受信システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のリモコン送受信システムに適用される前記第1の電子機器。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載のリモコン送受信システムに適用される前記リモコン送信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−268442(P2010−268442A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85632(P2010−85632)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】