説明

リモコン操作装置

【課題】煩わしい操作をすることなく、複数種類の農作業機に対して共通に使用できるリモコン操作装置を提供する。
【解決手段】リモコン操作装置1は、複数種類の農業機械に対して共通に使用可能なものであり、複数種類の農業機械の各操作が可能な操作スイッチ11を表示する操作表示部10を有する。操作表示部10は、これを見る角度に応じて複数種類の農作業機のいずれかに対応する操作スイッチ11を表示する。操作表示部10は、複数種類の農作業機の各操作に使用される操作スイッチの画像が描かれたスイッチ画像シートと、スイッチ画像シートの画像上に配置された複数のレンチキュラーレンズとを有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の機械に対して共通に使用可能なリモコン操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなリモコン操作装置は、例えば、特許文献1に記載されているように、金属又はプラスチック等の薄板で作られて操作スイッチ部の内容が表示された複数のパネル体から、走行機体に連結された農作業機に対応するものを選択し、この選択したパネル体をリモコン操作装置の装置本体に装着して使用されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−151920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このリモコン操作装置は、複数種類の農作業機に対応した複数枚のパネル体から選択した一のパネル体を装置本体に脱着可能に取り付けて使用する構成であるので、走行機体に連結する農作業機を変えるたびに、パネル体の煩わしい付け換え作業を行う必要があるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、煩わしい操作をすることなく、複数種類の機械に対して共通に使用できるリモコン操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような課題を解決するため、本発明は、複数種類の機械に対して共通に使用可能なリモコン操作装置であって、複数種類の機械の各操作が可能な操作スイッチの画像を表示する操作表示部を有し、操作表示部は、これを見る角度に応じて複数種類の機械のいずれかに対応する操作スイッチの画像を表示することを特徴とする(請求項1)。
【0007】
また、本発明の操作表示部は、複数種類の機械の各操作に使用される操作スイッチの画像が描かれたスイッチ画像部と、スイッチ画像部上に配置された複数のレンチキュラーレンズとを有してなることを特徴とする(請求項2)。
【0008】
また、本発明の機械は農業機械であることを特徴とする(請求項3)。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係わるリモコン操作装置によれば、複数種類の機械の各操作が可能な操作スイッチの画像を表示する操作表示部を有し、操作表示部は、これを見る角度に応じて複数種類の機械のいずれかに対応する操作スイッチの画像を表示することで、煩わしい操作をすることなく、複数種類の機械に対して共通に使用できるリモコン操作装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係わるリモコン操作装置を示し、同図(a)はリモコン操作装置の操作表示部に代かき作業機用の操作スイッチの画像が表示されたリモコン操作装置の平面図であり、同図(b)はリモコン操作装置の側面図であり、同図(c)は作業者がリモコン操作装置を持って視認する様子を図示した説明図である。
【図2】本発明のリモコン操作装置によって操作される畦塗り作業機の平面図を示す。
【図3】畦塗り作業機の平面図を示し、同図(a)は畦塗り作業機が前進しながら作業な可能な前進作業位置に移動した状態の畦塗り作業機の平面図であり、同図(b)は畦塗り作業機が後進しながら作業な可能な後進作業位置に移動した状態の畦塗り作業機の平面図である。
【図4】本発明のリモコン操作装置によって操作される代かき作業機の背面側斜視図を示す。
【図5】本発明のリモコン操作装置のブロック図を示す。
【図6】このリモコン操作装置の操作表示部の原理を説明するための図であり、同図(a)は操作表示部の側面側から見た概略構造図であり、同図(b)はリモコン操作装置の平面側から見た概略構造図である。
【図7】リモコン操作装置の操作表示部の一部であるスイッチ部を示し、同図(a)はスイッチ部の平面図であり、同図(b)は同図(a)のVII−VII矢視に相当するスイッチ部の断面図である。
【図8】操作表示部を構成するスイッチ基板及びスイッチ画像シートの平面図を示し、同図(a)はスイッチ基板を180°反転させる前後のスイッチ基板の平面図であり、同図(b)はスイッチ画像シートを180°反転させる前後のスイッチ画像シートの平面図である。
【図9】リモコン操作装置を180°反転させた状態のリモコン操作装置の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。本発明に係るリモコン操作装置は、走行機体の後部に設けられた図示しない3点リンク連結機構に連結される複数種類の機械、例えば2種類の農作業機(代かき作業機、畦塗り作業機)に対して共通に使用できるものである。なお、本実施例では、リモコン操作装置1は、走行機体に連結された農作業機に設けられて農作業機の作動を制御する電子基板を備えた無線通信制御装置を遠隔操作するための無線式のリモコン操作装置を例にして説明する。
【0012】
先ず、本発明に係わるリモコン操作装置を説明する前に、このリモコン操作装置によって操作される畦塗り作業機及び代かき作業機について、図2(平面図),図3(a)(平面図)、図3(b)(平面図)、図4(背面側斜視図)を用いて概説する。
【0013】
畦塗り作業機60は、図2に示すように、走行機体90の後部に装着されて、走行機体90の前進及び後進に応じて進行して畦塗り作業を行うものであり、走行機体90に装着される装着部61と、装着部61に取り付けられて走行機体90に対して左右方向に移動可能なオフセット機構部63と、この後端側(移動端側)に設けられて畦塗り作業を行う作業部65とを有して構成される。
【0014】
オフセット機構部63は、前端側が装着部61に回動自在に連結されて後方側へ延び、装着部61とオフセット機構部63との間に接続された揺動シリンダ64の伸縮によって左右方向に揺動可能である。
【0015】
作業部65は、オフセット機構部63の後端下部に回動自在に取り付けられてオフセット機構部63の左右方向の揺動に拘わらずに、常に畦塗り作業が可能な方向を向くように設けられ、進行方向前側から後側に、天場処理部66、前処理部67、整畦部68を有してなる。
【0016】
作業部65は、図3(a)、図3(b)に示すように、走行機体90の幅方向一方側に位置して走行機体90が前進走行しながら畦塗り作業が可能な前進作業位置Pfと、走行機体90の幅方向他方側に位置して走行機体90が後進走行しながら畦塗り作業が可能な後進作業位置Prに移動可能である。
【0017】
装着部61には、後述するリモコン操作装置からの信号を受信して、オフセット機構部63を揺動させて作業部65を前進作業位置Pf又は後進作業位置Prに移動させる無線通信制御装置69が設けられている。
【0018】
次に、代かき作業機70について、図4を用いて概説する。代かき作業機70は、走行機体90の後部に装着されて走行機体90の前進走行とともに進行して代かき作業を行うものである。代かき作業機70は、機体前進方向に対して左右方向の中央部に配置された作業機本体71と、この左右両端部に上下方向に回動可能に取り付けられた左作業体77L及び右作業体77Rとを備え、作業機本体71、左作業体77L、右作業体77Rによって3分割構造になっている。
【0019】
作業機本体71は、走行機体90の後部に連結されて、走行機体90のPTO軸から動力が伝達されるようになっている。作業機本体71には、多数の耕耘爪を取り付けた耕耘ロータ72が回転自在に支持され、作業機本体71に伝達された動力は作業機本体71の耕耘ロータ72と左作業体77L、右作業体77Rに設けられた耕耘ロータ左78L、耕耘ロータ右78Rに伝達されるように構成されている。
【0020】
作業機本体71の上部には耕耘ロータ72の上部を覆うシールドカバー73が設けられ、シールドカバー73の後端部には、第1整地板74が上下方向に回動自在に取り付けられ、第1整地板74の後端部には、第2整地板75が上下方向に回動自在に取り付けられている。
【0021】
作業機本体71の左右両端部には、シールドカバー73の上方位置に前後方向に延びる軸部が設けられ、この軸部を中心として左作業体77L、右作業体77Rが上下方向に回動自在に設けられている。これら左作業体77L及び右作業体77Rは、作業機本体71との間に設けられた伸縮シリンダ76の伸縮によって作業機本体71の上方に折り畳まれる格納位置と、作業機本体71の側方に展開される展開位置との間を移動する。
【0022】
左作業体77L及び右作業体77Rは、左右対称の構造であり、左作業体77Lで説明すると、左作業体77Lは、回転自在に支持された耕耘ロータ左78Lを有し、耕耘ロータ左78Lの上部には耕耘ロータ左78Lを覆うシールドカバー左79Lが設けられ、シールドカバー左79Lの後端部には、第1整地板左80Lが上下方向に回動自在に取り付けられ、第1整地板左80Lの後端部には第2整地板左81Lが上下方向に回動自在に取り付けられている。
【0023】
第1整地板左80L及び第2整地板左81Lは、左作業体77Lの展開姿勢時に、作業機本体71の第1整地板74及び第2整地板75に接合して、第1整地板左80L及び第2整地板左81Lに設けられた連結部材82,83を介して連結され、左作業体77Lの折り畳み姿勢時には、連結部材82,83の連結が解除されて第1整地板左80L及び第2整地板左81Lが作業機本体71の外端部から離反して第1整地板74及び第2整地板75との接合が解除されるようになっている。
【0024】
第2整地板左81Lの外側端部には、延長整地板左84Lが上下方向に回動自在に設けられている。延長整地板左84Lは、展開状態時には第2整地板左81Lの外側に延びて第2整地板左81Lの整地作業を補助し、折り畳んだ状態(不使用状態)時には第2整地板左81Lの表面側に折り畳まれて格納される。延長整地板左84Lは左作業体77Lに設けられた開閉装置左85Lによって展開位置と折り畳み位置との間を移動可能である。
【0025】
作業機本体71の第2整地板75と作業機本体71の上部に設けられたマスト86との間には、第2整地板75を第1整地板74に対して上下方向に回動させるリンク機構部87が設けられている。リンク機構部87には、これを上下方向に揺動させる揺動駆動部が接続され、この揺動駆動部の駆動によって、第2整地板75は、代かきが可能な位置と土地寄せが可能な位置に移動可能である。
【0026】
このように構成された代かき作業機70の作業機本体71には、後述するリモコン操作装置1からの信号を受信して、左作業体77L及び右作業体77Rを開閉させ、延長整地板左84L及び延長整地板右84Rを開閉させ、第2整地板75を回動させる無線通信制御装置が設けられている。
【0027】
次に、リモコン操作装置1について説明する。リモコン操作装置1は、図1(a)(平面図)、図1(b)(側面図)、図5(ブロック図)、図9等に示すように、複数種類の農業機械(代かき作業機70及び畦塗り作業機60)の各操作に使用される複数の操作スイッチ11、11'の画像を表示する操作表示部10が設けられ、操作スイッチ11、11'の押圧操作に応じた操作指令の無線信号を出力するように構成されている。
【0028】
リモコン操作装置1は、作業者が手で把持可能な大きさを有した操作ボックス2を有し、この操作ボックス2の表面に操作表示部10が設けられている。操作ボックス2の内部には、無線信号を出力する通信部28、バッテリ等の電源29、制御部30、記憶部31が収容され、操作スイッチ11が押圧操作されると、操作スイッチ11に応じた操作指令(コマンド)を無線信号で通信部28から出力するようになっている。無線信号は、FM波長域の微弱電波や赤外線等の無線媒体が用いられる。
【0029】
操作表示部10は、図6(a)(概略構造図)に示すように、電子基板16上に複数のスイッチ部17が実装されたスイッチ基板15と、スイッチ基板15上に配置されて複数種類の農作業機の各操作に使用される操作スイッチ11,11'の画像が描かれたスイッチ画像シート20と、スイッチ画像シート20上に配置された複数のレンチキュラーレンズ25とを有してなる。
【0030】
スイッチ画像シート20は、図6(a)及び図6(b)に示すように、2種類の農作業機の各操作を可能にする2種類の操作スイッチ11,11'の画像を細長く短冊状に切り、切った画像11a、11a'を農作業機の種類毎に一本おきに(インターレース状に)順番に並べて1枚の画像に形成したものである。本実施例では、切った画像11a、11a'はリモコン操作装置1の長手方向一端側から他端側に順番に並べられている。図6(a)の図面では、1種類目の農作業機の短冊状の画像11aが斜線で示され、2種類目の農作業機の短冊状の画像11a'が白抜きで示されている。
【0031】
この1種類目と2種類目の隣接する一組の短冊状の画像11bの上に1つのレンチキュラーレンズ25が設けられている。レンチキュラーレンズ25は凸レンズであり、透明で柔軟性を有した合成樹脂材料で形成されている。その結果、図1(a)、図1(b)、図1(c)に示すように、リモコン操作装置1の長手方向他端側1bから操作表示部10を矢印A方向に向かって視認すると、1種類目の農作業機(代かき作業機)の操作スイッチ11の画像を見ることができ、また、リモコン操作装置1の長手方向一端側1aから操作表示部10を矢印B方向に向かって視認すると、図9に示すように、2種類目の農作業機(畦塗り作業機の操作スイッチ11の画像を見ることができる。つまり、1種類目の農作業機(代かき作業機)の操作スイッチ11の画像が見える状態で、リモコン操作装置を180°反転させた状態で操作表示部10を見ると、2種類目の農作業機(畦塗り作業機の操作スイッチ11の画像を見ることができる。
【0032】
スイッチ画像シート20に表示される代かき作業機70用の操作スイッチ11の画像は、図8(b)の左側の図に示すように、操作表示部10の長手方向一端側から他端側に向かって、電源の「入」、「切」、作業体や延長整地板の「左」、「右」、作業体の「開」、「閉」、延長整地板の「開」、「閉」、第2整地板に関する「代かき」、「土寄せ」等の文字、代かき作業機70の概略構造を示す図形等からなる。
【0033】
一方、スイッチ画像シート20に表示される畦塗り作業機用の操作スイッチ11'の画像は、図8(b)の右側の図に示すように、操作表示部10の長手方向他端側から一端側に向かって、電源の「入」、「切」、前進作業の「前進」、後進作業の「後進」、散布装置の「入」、「切」等の文字、畦塗り作業機を示す図形等からなる。
【0034】
スイッチ画像シート20に表示される操作スイッチ11,11'の画像の下方に配設されたスイッチ基板15に設けられた複数のスイッチ部17a〜17iは、図7(a)(平面図)及び図7(b)(断面図)に示すように、スイッチ基板15の長手方向一端側から他端側に向かって所定距離を有して配設されている。スイッチ部17aは、スイッチ基板15の長手方向一端部の短手方向中央部に配設され、スイッチ部17bはスイッチ部17aよりもスイッチ基板15の長手方向他端側の短手方向中央部に配設されている。スイッチ部17c及びスイッチ部17dはスイッチ部17bよりもスイッチ基板15の長手方向他端側の短手方向両側に配設され、スイッチ部17e及びスイッチ部17fはスイッチ部17c及びスイッチ部17dよりもスイッチ基板15の長手方向他端側の短手方向両側に配設され、スイッチ部17g及びスイッチ部17hはスイッチ部17e及びスイッチ部17fよりもスイッチ基板15の長手方向他端側の短手方向両側に配設されている。またスイッチ部17iはスイッチ部17g及びスイッチ部17hよりもスイッチ基板15の長手方向他端側の短手方向中央部に配設されている。
【0035】
またスイッチ部17a及びスイッチ部17bの各両側のスイッチ基板15上には、ランプ18a、ランプ18b、ランプ18c、ランプ18dが実装され、スイッチ部17iの左側のスイッチ基板15上には、ランプ18eが実装されている。
【0036】
これらのスイッチ部17a〜17iは、図8(a)及び図8(b)の各左側の図に示すように、後述する電源スイッチとなるスイッチ部17aが押されてリモコン操作装置1が代かき作業用に設定されると、操作表示部10に表示された代かき作業機用の操作スイッチ11の画像の下方に位置するスイッチ部17a〜スイッチ部17hが有効になり、スイッチ部17iが無効になるように構成されている。
【0037】
そして、スイッチ部17aはスイッチ画像シート20に表示される画像と相まって電源の操作スイッチ11となり、スイッチ部17bは、スイッチ画像シート20に表示される画像と相まって開閉させたい作業体及び延長整地体を左右切り替え操作する操作スイッチ11となり、スイッチ部17cは、スイッチ画像シート20に表示される画像と相まって選択された作業体を折り畳み方向(閉方向)に回動させる操作スイッチ11となり、スイッチ部17dは、スイッチ画像シート20に表示される画像と相まって選択された作業体を展開する方向(開方向)に回動させる操作スイッチとなる。またスイッチ部17eは、スイッチ画像シート20に表示される画像と相まって選択された延長整地体を折り畳み方向(閉方向)に回動させる操作スイッチ11となり、スイッチ部17fは、スイッチ画像シート20に表示される画像と相まって選択された延長整地体を展開する方向(開方向)に回動させる操作スイッチ11となる。スイッチ部17gは、スイッチ画像シート20に表示される画像と相まって第2整地板75の回動をフリーにして代かき作業を可能にする操作スイッチ11となり、スイッチ部17hは、スイッチ画像シート20に表示される画像と相まって第2整地板75で土寄せ作業を行うことができる状態にする操作スイッチとなる。
【0038】
また、リモコン操作装置1が代かき作業機用に設定されると、ランプ18b、ランプ18c、ランプ18dが点灯可能な状態とされ、ランプ18a、ランプ18eは消灯状態にされる。具体的には、ランプ18bは、代かき作業時に電源ランプとなり、電源の操作スイッチ11となったスイッチ部17aが押されると点灯し、スイッチ部17aが再度押されると消灯する。ランプ18c、ランプ18dは、開閉左ランプ、開閉右ランプとなり、代かき作業時に切り替えの操作スイッチ11となったスイッチ部17bが押されるとランプ18c(開閉左ランプ)が点灯してランプ18d(開閉右ランプ)が消灯し、スイッチ部17bが再度押されるとランプ18c(開閉左ランプ)が消灯してランプ18d(開閉右ランプ)が点灯する。
【0039】
一方、図8(a)及び図8(b)の右側の図に示すように、後述する電源の操作スイッチ11'となるスイッチ部17iが長押しされてリモコン操作装置1が畦塗り作業用に設定されると、操作表示部10に表示された畦塗り作業機用の操作スイッチ11'の画像の下方に位置するスイッチ部17a、17e、17f、17iが有効になり、それ以外のスイッチ部17b〜スイッチ部17d、17g、17hは無効になるように構成されている。
【0040】
そして、スイッチ部17iがスイッチ画像シート20に表示される画像と相まって電源スイッチとなり、スイッチ部17e、スイッチ部17fは、スイッチ画像シート20に表示される画像と相まって作業部65を前進作業位置又は後進作業位置に移動させる切替の操作スイッチ11'となり、スイッチ部17eはスイッチ画像シート20に表示される画像と相まって作業部65を前進作業位置に移動させる操作スイッチ11'となり、スイッチ部17fはスイッチ画像シート20に表示される画像と相まって作業部65を後進作業位置に移動させる操作スイッチ11'となる。またスイッチ部17aは、スイッチ画像シート20に表示される画像と相まって散布装置駆動及び停止させる操作スイッチ11'となる。
【0041】
また、リモコン操作装置1が畦塗り作業機用に設定された場合には、ランプ18a、ランプ18eが点灯可能な状態とされ、ランプ18b〜ランプ18dは消灯状態にされる。具体的には、ランプ18aは、図示しない散布装置の散布ランプとなり、散布スイッチとなったスイッチ部17aが押されると点灯し、再度押されると消灯する。ランプ18eは、電源ランプとなり、電源の操作スイッチとなったスイッチ部17iが押されると点灯し、再度押されると消灯する。なお、散布装置は図2には示されていないが、畦に水を散布するための装置である。
【0042】
これらのスイッチ部17a〜17iの有効及び無効の設定は制御部30によって行われる。このため、畦塗り作業中又は代かき作業中に、無効とされたスイッチ部が押されても、この操作は無視される。
【0043】
電源ランプとなるランプ18b及びランプ18eは、電源が投入されると、電波圏内で通信が確立された場合に点灯する。電波圏外で通信が確立されなかった場合には、通信エラーとなり点滅する。
【0044】
制御部30は、図5に示すように、電源の操作スイッチ11,11'となるスイッチ部17a又はスイッチ部17iが押されると、記憶部31に記憶された代かき作業機用又は畦塗り作業機用の各スイッチ部に対応するコマンドデータを読み込み、通信部28に送り、また、制御部30はスイッチ部17a又はスイッチ部17iが長押しされると(例えば、少なくとも1秒以上)、リモコン操作する作業機の対称を切り替える。但し、作業中にスイッチ部17a又はスイッチ部17iが長押しされた場合には、作業機の対称の切り替えは行わない。また、制御部30は、スイッチ部17a、17b、17iが押されたときに、記憶部31に記憶されたスイッチ部17a、17b、17iに対応するランプ18a、18b、18c、18d、18eを点灯させる。
【0045】
通信部28は、アンテナ33を介して、各スイッチ部が押されたときに記憶部31に記憶されるコマンドデータを電波に載せて、アンテナ33を介して無線通信制御装置69(図2参照)に送信する。
【0046】
このように構成されたリモコン操作装置1によって代かき作業機70を操作する場合には、図1(a)に示すように、作業者は、リモコン操作装置1の長手方向の他端側1bから操作表示部10を視認することができるようにリモコン操作装置1を把持する。その結果、操作表示部10には、代かき作業機70を作動させる際に押圧操作される操作スイッチ11の画像が表示される。そして、電源スイッチに対応する画像が表示された操作スイッチ11を押し、また所望の他の操作スイッチ11を押して代かき作業を行う。
【0047】
一方、リモコン操作装置1で畦塗り作業機を操作する場合には、図9に示すように、作業者は、リモコン操作装置1の長手方向の一端側1aから操作表示部10を視認することができるように、リモコン操作装置1を図1(a)に示す状態から180°反転させて把持する。その結果、操作表示部10には、畦塗り作業機を作動させる際に押圧操作される操作スイッチ11'が表示される。そして、電源スイッチに対応する画像が表示された操作スイッチ11'を押し、また所望の他の操作スイッチ11'を押して畦塗り作業を行う。
【0048】
このように、本願発明のリモコン操作装置1は、操作表示部10を視認する角度を変えるだけで、操作表示部10に表示される種類の異なる農作業機の操作スイッチ11、11'の画像に変えることができる。このため、煩わしい操作をすることなく、複数種類の農作業機に対して共通に使用可能なリモコン操作装置1を提供することができる。
【0049】
また、本願発明のリモコン操作装置1は、代かき作業機用のリモコン操作装置と畦塗り機のリモコン操作装置を1つにまとめたものであるので、これらの農作業機を使用する使用者はリモコン操作装置を1個持てばよい。このため、リモコン操作装置1の管理が容易となり、また農作業機に対応しない別のリモコン操作装置を持ってきて使用する事態を防止することができる。また、複数種類の農作業機に対して生産するリモコン操作装置の数を減少させることができ、生産コストを低減することができる。
【0050】
なお、前述した実施形態では、リモコン操作装置1の前面2aに操作表示部10を設けた例を示したが、リモコン操作装置1の裏面にも操作表示部10を設けてもよい。この場合、裏面側に設けられる操作表示部10は表面側の場合と同様に2種類の農業機械に対応する操作スイッチを表示するように構成すると、リモコン操作装置1の表面側と裏面側で併せて4種類の農業機械に対応する操作スイッチを表示させることができる。
【0051】
また前述した実施形態では、図1(b)に示すように、リモコン操作装置1の操作表示部10をリモコン操作装置1の長手方向一方側と他方側から見る場合を示したが、リモコン操作装置1の短手方向一方側と他方側から見る場合にしてもよい。また、リモコン操作装置1を長手方向に一方側に対して他方側を傾けて、複数種類の農業機械に対応する操作スイッチの画像を表示させるようにしてもよい。
【0052】
また前述したリモコン操作装置1は無線式のリモコン操作装置を示したが、リモコン操作装置1は農作業機と有線で電気的に接続されたリモコン操作装置でもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 リモコン操作装置
10 操作表示部
11、11' 操作スイッチ
20 スイッチ画像シート(スイッチ画像部)
25 レンチキュラーレンズ
60 畦塗り作業機(機械、農作業機)
70 代かき作業機(機械、農作業機)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の機械に対して共通に使用可能なリモコン操作装置であって、
前記複数種類の機械の各操作が可能な操作スイッチの画像を表示する操作表示部を有し、
前記操作表示部は、これを見る角度に応じて前記複数種類の機械のいずれかに対応する操作スイッチの画像を表示することを特徴とするリモコン操作装置。
【請求項2】
前記操作表示部は、前記複数種類の機械の各操作に使用される操作スイッチの画像が描かれたスイッチ画像部と、
前記スイッチ画像部上に配置された複数のレンチキュラーレンズとを有してなることを特徴とする請求項1に記載のリモコン操作装置。
【請求項3】
前記機械は農業機械であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリモコン操作装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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