説明

リモコン装置

【課題】それぞれの使用者の好みに応じた節電モードを設定することが出来るリモコン装置を提供する。
【解決手段】機器の運転状態や設定条件を表示する表示部5aと、各種の運転指示を行う各スイッチを備えた操作部5hとを設けたリモコン装置5で、所定時間以上に渡って機器の使用がない場合、前記表示部5aの表示を消灯させるもので、前記表示部5aの消灯中に機器の使用や操作部5hの操作があった時に、表示部5aを点灯させるかどうかを選択可能としたので、それぞれの使用者の好みに応じたリモコン装置5の節電が選べるものであり、機器の使用で表示部が点灯する使用勝手を優先する節電と、機器の使用でも消灯を続け節電を優先とするものとを選択出来、極めて便利である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、給湯機等のリモコン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のリモコン装置では、機器の不使用を操作部の操作と水流の発生なしで検知し、一定時間使用されてないと場合は、表示部の表示を消灯して待機電力の削減を図るものであり、又機器を使用することによる水流の発生を検知することで、表示部を点灯させ、そして再び一定時間の不使用で消灯させるものであった。(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】特開2000−111151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでこの従来のものでは、折角節電スイッチを押して節電を希望しているのに、機器の使用で点灯し、また所定時間経たないと消灯しないのは、節電に反すると言う使用者もおり、それぞれの使用者の要望に応える事が出来ないものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明はこの点に着目し、上記欠点を解決する為、特にその構成を、機器の運転状態や設定条件を表示する表示部と、各種の運転指示を行う各スイッチを備えた操作部とを設けたリモコン装置で、所定時間以上に渡って機器の使用がない場合、前記表示部の表示を消灯させるものに於いて、前記表示部の消灯中に機器の使用や操作部の操作があった時に、表示部を点灯させるかどうかを選択可能としたものである。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、それぞれの使用者の好みに応じたリモコン装置の節電が選べるものであり、機器の使用で表示部が点灯する使用勝手を優先する節電と、機器の使用でも消灯を続け節電を優先とするものとを選択出来、極めて便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、この発明の一実施形態の住宅設備機器である時間帯別契約電力で24時間常に通電制御されるヒートポンプ式給湯機を図面に基づき説明する。
1は加熱部としてのヒートポンプユニット、2は貯湯タンク3を有した貯湯タンクユニット、4は台所等に設置された給湯栓、5は前記給湯栓4の近傍に設けられたリモコン装置である。
【0007】
前記ヒートポンプユニット1は、圧縮機、冷媒−水熱交換器としての凝縮器、減圧器、蒸発器(共に図示せず)が順次接続されてヒートポンプ回路を構成しており、これらを制御するヒーポン制御部6を有している。そして、ヒーポン循環ポンプ7を駆動して凝縮器に湯水を循環させることで、貯湯タンク3内に高温の湯を貯留するものである。
【0008】
8は貯湯タンク3とヒートポンプユニット2を循環可能に接続するヒーポン循環回路で、貯湯タンク3の下部に接続されたヒーポン往き管8a及び貯湯タンク3上部に接続されたヒーポン戻り管8bより構成され、貯湯タンク3下部の冷水をヒーポン往き管8aを介してヒートポンプユニット2で加熱し、加熱された高温の温水をヒーポン戻り管8bを介して貯湯タンク3上部に戻して貯湯タンク3内に上から湯を貯湯していくものである。
【0009】
9は貯湯タンク3の外周面に縦に所定間隔をあけて複数個設けられた貯湯温度センサで、上から9a、9b、9c、9dと呼ぶこととし、この貯湯温度センサ9a〜dのうち上から何個目までが所定温度以上を検出しているかにより残りの貯湯量を検知するものである。
【0010】
10は貯湯タンク3に水を供給する給水管、11は貯湯タンク3内の温水を出湯する出湯管、12は給水管10からの冷水と出湯管11からの温水を設定温度になるように混合する混合弁、13は混合された設定温度の温水を給湯する給湯管である。
【0011】
14は前記混合弁12の下流に設けた給湯温度センサ、15は給湯量をカウントする給湯流量センサである。なお、16は水道圧を所定の圧力に減圧する減圧弁、17は加熱されることによる過圧を逃す圧力逃し弁である。これらによって給湯回路18を構成しているものである。
【0012】
19は風呂循環回路で、貯湯タンク3内に設けられた間接熱交換器としての蛇管20と浴槽(図示せず)とを風呂往き管19a及び風呂戻り管19bとで循環可能に接続するものである。21は風呂循環回路19に設けられた風呂循環ポンプ、22は流水の有無を検出する流水センサ、23は風呂循環回路19を流れる浴槽水の温度を検出する風呂温度センサ、24は浴槽水の水圧から浴槽内の水位を検出する水位センサである。
【0013】
25は給湯管13途中から分岐されて風呂循環回路19に接続され浴槽への湯張りを行うための湯張り管、26はこの湯張り管25に設けられ浴槽への湯張りの開始、停止を行う湯張り弁、27は浴槽への湯張り量をカウントする風呂流量センサである。なお、28は湯張り管25と水位センサ24との間に設けられる二方弁で、湯張り時に一旦開弁して風呂戻り管19bの湯張り管25の接続位置から浴槽までの配管のエアパージを行った後、閉弁して水位センサ24で正確な水位を監視しながら湯張りを行えるようにするものである。
【0014】
前記リモコン装置5は、貯湯タンク3内の残り貯湯量や給湯設定温度等の貯湯式温水器の状態を表示するドットマトリクス方式の蛍光表示管より構成された表示部5aと、給湯設定温度を設定する給湯温度設定スイッチ5bや風呂設定温度を設定する風呂温度設定スイッチ5cや自動風呂運転を開始させる風呂自動スイッチ5dや表示部5aの点灯消灯を選択する表示選択スイッチ5eと、該表示選択スイッチ5eで消灯が選択された時には、出湯による表示自動点灯を「実施する」か「実施しない」かを選択するアップスイッチ5f、ダウンスイッチ5gとを有した操作部5hを備えているものである。
【0015】
29はこの住宅設備機器全体の制御を行うマイクロコンピュータを主に構成された本体制御部で、前記給湯温度センサ14や給湯流量センサ15等の各センサ類の出力が入力され、前記混合弁12や風呂循環ポンプ21等の各アクチュエータの駆動制御を行うと共に、前記リモコン装置5およびヒーポン制御部6と通信可能に設けられているものである。
【0016】
30は前記本体制御部29の一機能として設けられ時間をカウントするタイマーカウンタである。
【0017】
31は前記本体制御部29の一機能として設けられた作動制御手段で、貯湯タンクユニット2およびヒーポン制御部6を介してヒートポンプユニット1の各アクチュエータの作動を風呂自動運転や沸き増し運転などの予め定められたプログラムに沿って制御すると同時に、各運転を行っている最中はその旨をリモコン装置5の表示部5aに表示させる表示要求を出力すると共に、各センサ類の出力を監視して正常に作動しているかどうかをチェックし、正常に作動していない場合はエラー処理を行うと同時にエラー表示要求を出力するものである。
【0018】
32は前記本体制御部29の一機能として設けられ、前記リモコン装置5の表示部5aの表示内容を制御すると共に点灯と消灯を切換え制御する表示制御手段で、リモコン装置5の表示選択スイッチ5eの入力により表示部5aの点灯と消灯を選択るものであり、更に消灯モード選択時には、アップスイッチ5fとダウンスイッチ5gで、出湯による表示自動点灯を「実施する」か「実施しない」かを選択するものであって、表示部5aの消灯後に、給湯流量センサ15が所定流量以上を検出したり、操作部5hのいずれかのスイッチが操作されることで、即ち機器が使用されることで、「実施する」では、消灯を止めて表示部5aを点灯させて使用勝手を優先させるもので、又「実施しない」では、消灯を継続してあくまでも節電するものであり、使用者の好みに応じて選択されるものである。
【0019】
33は前記本体制御部29の一機能として設けられ、前記作動制御手段31から表示要求が出されると、前記表示制御手段32からの前記表示部5aの点灯消灯の状態と表示要求に応じた内容の表示(例えば、風呂自動運転であれば「風呂自動」と表示したり、沸き増し運転であれば表示部5aに描かれた貯湯タンク絵の隣の矢印を表示点滅させる等)を前記表示部5aに表示させるか否かを判断する表示可否判断手段である。
【0020】
そして、給湯栓4を開くと貯湯タンク3にかかる給水圧により下部の給水管10から冷水が貯湯タンク3内に流れ込んで高温の湯と冷水の境界層を上に押し上げると共に上部の高温の湯が出湯管11に流出し、流出した高温の湯が混合弁12にて給水管10の冷水と給湯設定温度に混合されて給湯栓4から給湯されるものである。
【0021】
また、風呂自動スイッチ5cを操作すると湯張り弁26が開かれ、貯湯タンク3にかかる給水圧により下部の給水管10から冷水が貯湯タンク3内に流れ込んで高温の湯と冷水の境界層を上に押し上げると共に上部の高温の湯が出湯管11に流出し、流出した高温の湯が混合弁12にて給水管10の冷水と混合弁12にて風呂設定温度に混合されて風呂循環回路19を介して浴槽に湯張りされる。そして、風呂循環回路19に設けられた水位センサ24により設定水位までの湯張りを確認すると、湯張り弁26を閉じて湯張りを完了する。そして、一定時間毎に風呂循環ポンプ21を駆動しながら風呂温度センサ23により浴槽内の湯温を検出し、風呂設定温度以下に低下していれば風呂循環ポンプ21の駆動を継続し、貯湯タンク3内の蛇管20によって循環する浴槽水を風呂設定温度まで加熱するもので、この風呂保温動作を所定時間(例えば4時間)繰り返すものである。
【0022】
そして、時間帯別契約電力の安価な時間帯(例えば23時から翌7時までの深夜時間帯)になると、作動制御手段31はヒーポン制御部6に沸き増し指令を出し、ヒーポン制御部6がヒートポンプユニット1を駆動すると共に、ヒーポン循環ポンプ7を駆動して貯湯温度センサ9a〜dで検出する残り湯量が翌日の予想使用湯量分を検知するまで沸き増しがされるが、昼間時間帯において貯湯量が少なく沸き増ししないと湯切れを起こすことが推測されると、強制的に沸き増しを行うようにしている。
【0023】
次に、この発明の表示制御を図4に示したフローチャートに基づいて説明すれば、今リモコン装置5の表示部5aは消灯中で、ステップ34でリモコン操作の有無を判断し、YESではステップ35に進み表示消灯待機時間計測をリセットした後、ステップ36で表示部5aの表示を点灯させて使用勝手を良くするものである。
【0024】
又ステップ34でNOの時は、ステップ37に進み出湯の有無を判断し、YESではステップ38でその出湯が60℃以上かを見て、YESの60℃以上の高温出湯状態ではステップ35、36に進んで表示点灯させて安全を確保するものであり、表示自動点灯を「実施しない」を選択した時も出湯が60℃以上の時には、例外的に表示点灯させて火傷等の危険を未然に防止するものである。
【0025】
更にステップ38でNOの場合は、ステップ39に進み表示自動点灯の設定状態に応じて、「実施する」ではステップ35、36に進んで表示点灯し、「実施しない」ではステップ40に進み表示消灯状態を継続するものである。
【0026】
従って、それぞれの使用者の好みに応じた節電が可能で、機器の使用で表示部が点灯する使用勝手を優先する節電と、機器の使用でも消灯を続け節電を優先とするものとを選択出来、極めて便利であり、消灯後の自動点灯を使用者自身が決定出来、自由度が増して自分だけのリモコン装置を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の一実施形態のリモコン装置付した給湯装置を示す概略説明図。
【図2】同リモコン装置の操作説明図。
【図3】同リモコン装置の他の操作説明図。
【図4】同要部の作動状態を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0028】
5 リモコン装置
5a 表示部
5e 表示選択スイッチ
5h 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の運転状態や設定条件を表示する表示部と、各種の運転指示を行う各スイッチを備えた操作部とを設けたリモコン装置で、所定時間以上に渡って機器の使用がない場合、前記表示部の表示を消灯させるものに於いて、前記表示部の消灯中に機器の使用や操作部の操作があった時に、表示部を点灯させるかどうかを選択可能とした事を特徴とするリモコン装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate