説明

リモコン送信器

【課題】補助光源を点灯させたときの光の漏れを防止して、点灯していないにもかかわらず信号送信用LEDが点灯しているように見える違和感を改善できるリモコン送信器を提供する。
【解決手段】暗所にてリモコン送信器10を操作する際に、本体20の長手方向一端側の端面22に設けられた補助光源53により送信目標を照らして、送信部50の信号送信用LED51,52によりリモコン信号を送信目標へ送信する。この際、補助光源53の周囲に設けられた遮光壁54が、補助光源53からの光が送信部50に漏れるのを防止するので、送信部50の信号送信用LED51,52を点灯させていないにもかかわらず、信号送信用LED51,52が点灯しているように見える違和感を改善できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば照明器具等を操作するリモコン送信器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、リモコン送信器を用いて配光を調整する照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図6に示すように、特許文献1に記載の照明器具(図示省略)を操作するリモコン送信器100は、矩形箱状を呈するリモコン本体101を有する。このリモコン本体101には、照明器具の明るさを調整するスイッチ102、103と、照明器具等にリモコン信号を発する送信部104が設けられている。
【0003】
また、リモコン本体101における送信部104とは反対側の端部には、暗所にて手元を照明できる補助光源105が設けられている。この補助光源105には、LED光源が用いられており、リモコン本体101には補助光源105の明るさを調整するスイッチ106が設けられている。補助光源105は、照明器具が消灯している場合のみ点灯可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−63742号公報(第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した特許文献1に記載のリモコン送信器100では、操作側面に信号送信用のLEDが実装されている場合には、補助光源105の光が透過して、信号送信用LEDが点灯していないにもかかわらず、信号送信用LEDが点灯しているように見えるという問題があった。
また、補助光源105を点灯させた場合、使用されるのが暗所であるため、補助光源105の光がリモコン本体101を透過して目立ってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、補助光源を点灯させたときの光の漏れを防止して、点灯していないにもかかわらず信号送信用LEDが点灯しているように見える違和感を改善できるリモコン送信器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のリモコン送信器は、上面に操作面を有する箱状の本体と、前記本体の長手方向一端側に設けられた信号送信用光源を有する送信部と、前記本体の長手方向一端側の端面に設けられた補助光源と、を有し、前記本体内側に、前記補助光源の光が前記送信部に漏れるのを防止する遮光壁を設けたものである。
【0008】
また、本発明のリモコン送信器は、前記送信部が、前記本体の長手方向一端側の端面および上面に設けられたものである。
【0009】
また、本発明のリモコン送信器は、前記遮光壁が、前記本体の長手方向一端側の端面に開口し、内部に前記補助光源を有する筒体であるものである。
【0010】
さらに、本発明のリモコン送信器は、前記遮光壁の内面および外面のうちの少なくとも一方が暗色であるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、補助光源の周囲に設けられた遮光壁が、補助光源からの光が送信部に漏れるのを防止するので、送信部の信号送信用LEDを点灯させていないにもかかわらず、信号送信用LEDが点灯しているように見える違和感を改善できるという効果を有するリモコン送信器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(A)は本発明に係る第1実施形態のリモコン送信器を上方から見た全体斜視図であり、(B)は下方から見た全体斜視図
【図2】(A)は図1(A)中II方向から見た端面図であり、(B)は(A)中B−B位置の断面図
【図3】(A)は本発明に係る第2実施形態のリモコン送信器の端面図であり、(B)は(A)中B−B位置の断面図
【図4】(A)は筒体を前方から見た斜視図であり、(B)は筒体を後方から見た斜視図
【図5】(A)は筒体の正面図であり、(B)は(A)中B方向から見た筒体の端面図であり、(C)は(A)中C方向から見た筒体の底面図であり、(D)は(A)中D方向から見た側面図
【図6】従来のリモコン送信器の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明に係る第1実施形態のリモコン送信器について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態のリモコン送信器10は、箱状の本体20を有しており、上面に操作面21を有する。
本体20は、例えば、断面矩形状を有するとともに、長手方向一端側の端面である送信方向前端面22の厚さが、他端側である手元側端面23の厚さに比して薄く形成されている。これにより、暗所でリモコン送信器10をつかんだときに、容易に送信方向前方が認識される。
なお、本体20の幅寸法を、送信方向前側と手元側とで変化させることも可能である。
【0014】
操作面21には、送信方向前側に液晶表示板24が設けられ、中央部から手元側に操作部30が設けられている。
操作部30には、手元側に,照明器具(図示省略)の主光源を操作するための全灯ボタン31,調光ボタン32,明暗ボタン33、消灯ボタン34、おやすみタイマーボタン35、常夜灯ボタン36、チャンネルボタン37等が配置されている。
これにより、例えば全灯ボタン31を押して照明器具の主光源を全て点灯させたり、消灯ボタン34を押して全ての主光源を消灯したり、明るさを調整したりすることができる。
【0015】
また、後述する補助光源である手元灯53を点灯あるいは消灯させる手元灯ボタン38が設けられている。
さらに、操作面21における送信方向前方側には、液晶表示板24の近傍に、設定ボタン39,時刻ボタン41,るすばんボタン42、エコナビボタン43等が設けられている。
なお、上述した各スイッチやボタンは例示であり、これらに限るものではない。さらに、その他のスイッチ等を設けることもできる。
また、本体20の下面には電池を収容する凹部(図示省略)が設けられており、凹部の開口を閉じる蓋44が、着脱可能に設けられている。
【0016】
図2に示すように、本体20内部における送信方向前端部には、リモコン信号を発する送信部50が設けられている。
図2(B)に示すように、送信部50は、本体20の送信方向前端面22に露出して,送信方向前方へリモコン信号を発する一対の信号送信用光源である第1の信号送信用LED51,51を有する。
さらに、図2(A)に示すように、送信部50は、本体20の上面である操作面21に露出して、送信方向と直交する方向へ信号を発する一対の信号送信用光源である第2の信号送信用LED52,52を有する。
【0017】
また、一対の第1の信号送信用LED51,51の間には、暗所でリモコン送信器10を操作する際に、前述した手元灯ボタン38を操作することにより、送信方向へ光を発する手元灯53が送信方向前端面22に露出して設けられている。
なお、第1の信号送信用LED51,51および手元灯53は、送信方向前端面22から外側に突出していない。同様に、第2の信号送信用LED52,52は操作面21から上方に突出していない。
【0018】
図2に示すように、第1の信号送信用LED51,51と手元灯53との間には、手元灯53の光が本体20内部の送信部50に漏れるのを防止する遮光壁54が設けられている。
ここでは、遮光壁54は、円筒部材を縦に割ったようなU字断面を有しており、内部に手元灯53が含まれる。また、遮光壁54は、少なくとも第1の信号送信用LED51,51と手元灯53との間に介在している。
【0019】
従って、遮光壁54は送信方向前端面22に開口しており,手元灯53は送信方向へ光を照射可能であるとともに、手元灯53の光が第1の信号送信用LED51,51に入射しないようになっている。
また、遮光壁54の少なくとも内面は暗色とするのが望ましい。
従って、暗色の樹脂で遮光壁54を形成することができるが、明色や透明な樹脂で遮光壁54を形成して、内面および外面のうちの少なくとも一方を暗色に塗装等で処理することも可能である。
なお、遮光壁54の形状は、上述したU字断面形状に限らず、手元灯53と第1の信号送信用LED51,51との間を遮光できるものであればよい。
【0020】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態のリモコン送信器10によれば、暗所にてリモコン送信器10を操作する際に、本体20の送信方向前端面22に設けられた手元灯53により送信目標を照らすことができる。そして、送信部50の第1の信号送信用LED51または第2の信号送信用LED52によりリモコン信号を送信目標へ送信する。
この際、手元灯53の周囲に設けられた遮光壁54は、手元灯53からの光が送信部50に漏れるのを防止する。これにより、送信部50の第1の信号送信用LED51および第2の信号送信用LED52を点灯させていないにもかかわらず、第1の信号送信用LED51および第2の信号送信用LED52が点灯しているように見える違和感を改善できる。
【0021】
また、送信部50の第1の信号送信用LED51が本体20の送信方向前端面22に設けられ、第2の信号送信用LED52が本体20の上面である操作面21に設けられているので、天井面等上方にある照明器具にリモコン信号を容易に送信できる。
【0022】
さらに、遮光壁54の内面および外面のうちの少なくとも一方を暗色にしたので、手元灯53の光が遮光壁54から漏れるのを効果的に防止できる。
【0023】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態のリモコン送信器10Bを図3に示す。
なお、前述した第1実施形態にかかるリモコン送信器10と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0024】
図3に示すように、本発明に係る第2実施形態のリモコン送信器10Bでは、遮光壁54Bが、本体20の送信方向前端面22に開口し、内部に手元灯53を収容する筒体55である。
図4および図5に示すように、筒体55は、円筒形状の筒体本体551を有し、前端には筒体本体551の周面に沿った一対のアーム部材552が周面から離れて設けられている。アーム部材552の先端には、前方に突出した突起553が設けられている。また、筒体本体551の後端部には、切欠554が設けられている。
【0025】
アーム部材552は、基端部が筒体本体551に片持ち式で取り付けられており、図5(B)中、矢印A方向へ弾性変形可能となっている。
従って、図3に示すように、本体20に取り付けた際に、左右の第1の信号送信用LED51、51の間で均等な距離を保つとともに、弾性力により保持される。
【0026】
なお、筒体本体551の少なくとも内面および外面のうちの少なくとも一方は暗色とするのが望ましい。
従って、暗色の樹脂で筒体55を形成することができるが、明色や透明な樹脂で筒体55を形成して、筒体本体551の内面や外面を暗色に塗装等で処理することも可能である。
これにより、筒体55は、手元灯53の光を確実に遮光できる。
【0027】
以上、説明した本発明に係る第2実施形態のリモコン送信器10Bによれば、手元灯53が筒体55の内部に収容されているので、手元灯53の光が筒体55の外部に漏れるのを確実に防止できる。
これにより、手元灯53の光が送信部50および本体20内部に透過することにより目立つのを防止できる。
【0028】
なお、本発明のリモコン送信器10,10Bは、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【符号の説明】
【0029】
10,10B リモコン送信器
20 本体
21 操作面(上面)
22 送信方向前端面(端面)
50 送信部
51 第1の信号送信用LED(信号送信用光源)
52 第2の信号送信用LED(信号送信用光源)
53 手元灯(補助光源)
54、54B 遮光壁
55 筒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面に操作面を有する箱状の本体と、
前記本体の長手方向一端側に設けられた信号送信用光源を有する送信部と、
前記本体の長手方向一端側の端面に設けられた補助光源と、を有し、
前記本体内側に、前記補助光源の光が前記送信部に漏れるのを防止する遮光壁を設けたリモコン送信器。
【請求項2】
請求項1に記載のリモコン送信器において、
前記送信部が、前記本体の長手方向一端側の端面および上面に設けられたリモコン送信器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のリモコン送信器において、
前記遮光壁が、前記本体の長手方向一端側の端面に開口し、内部に前記補助光源を有する筒体であるリモコン送信器。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載のリモコン送信器において、
前記遮光壁の内面および外面のうちの少なくとも一方が暗色であるリモコン送信器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−178796(P2012−178796A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41811(P2011−41811)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】