リヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造
【課題】リヤバンパとリヤコンビネーションランプの各部品を車体に取付ける場合に、取付け作業を効率化するとともに、車両の外観品質及び商品性を高める。
【解決手段】 リヤバンパ4の取付け面部に形成したボルト挿通孔24の近傍を、前記ランプの基部面部10に形成した下側挿通孔13の近傍に車両後方側から対向させるように構成し、ボルト挿通孔24の近傍と下側挿通孔13の近傍とのいずれか一方に、いずれか他方側に向かって突出する位置決めピン15を設け、前記いずれか他方に、前記位置決めピン15に嵌合する位置決め孔14を設け、位置決めピン15と位置決め孔14を嵌合させて、位置決めした後、下側挿通孔13及びボルト挿通孔24に取付けボルト5を挿通して締結することにより、リヤバンパ4とランプ3を車体に共締め固定する。
【解決手段】 リヤバンパ4の取付け面部に形成したボルト挿通孔24の近傍を、前記ランプの基部面部10に形成した下側挿通孔13の近傍に車両後方側から対向させるように構成し、ボルト挿通孔24の近傍と下側挿通孔13の近傍とのいずれか一方に、いずれか他方側に向かって突出する位置決めピン15を設け、前記いずれか他方に、前記位置決めピン15に嵌合する位置決め孔14を設け、位置決めピン15と位置決め孔14を嵌合させて、位置決めした後、下側挿通孔13及びボルト挿通孔24に取付けボルト5を挿通して締結することにより、リヤバンパ4とランプ3を車体に共締め固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リヤコンビネーションランプが車体後部に固定され、リヤコンビネーションランプに連続するようにリヤバンパが車体後部に固定さている。この場合、リヤコンビネーションランプ、リヤバンパのそれぞれが別個に独立して車体側にネジ止めされ、相互の位置は車体を介して位置決めされている。また、同じ車体パネルへの取付けでなく、スポット溶接された別パネルへの取付けとなっている。
【0003】
このため、リヤコンビネーションランプ、リヤバンパの相互の締付箇所の位置精度を良くすることが難しく、少なからずそれぞれの部品の取付け位置は車体パネルの精度の影響を受け、リヤコンビネーションランプの下端とリヤバンパの上端との間の見切り部の隙間の精度(隙間の大きさ)及び平行度(隙間の一定性)を保つことが非常に難しいものになっていた。そして、上記隙間の精度や平行度を満たすための調整作業に時間がかかる課題があった。
上記のような課題に対して、下記特許文献1に示すように、ランプとバンパを車体に共締め固定することも考えられる。
【特許文献1】特開2003−165401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、リヤコンビネーションランプとリヤバンパの各部品を共締め固定する方法では、リヤコンビネーションランプの下端とリヤバンパの上端との間の見切り部の隙間の大きさ及び平行度を保つことが可能となるが、依然下記の課題が解決できていなかった。
車体の締付位置の誤差を吸収するために、リヤコンビネーションランプとリヤバンパの各部品の締付け用の孔は大きく形成することになる。この場合、見切り部の精度及び平行度を向上できるように、各部品の締付位置を部品ごとに作業者が調整して締付固定することになり、調整作業に時間がかかる。また、リヤバンパが大型の部品で、比較的柔らかな部品であるため、車体にそれぞれの締付固定孔を精度良く一致させ、その一致させた状態で締付け用ボルトを挿入する調整作業に非常に時間がかかってしまい、組立ライン上の問題となっていた。
【0005】
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、リヤバンパとリヤコンビネーションランプの各部品を車体に取付ける場合に、調整時間を短縮して取付け作業を効率化できるとともに、見切り部の精度及び平行度を向上させて車両の外観品質及び商品性を高めることができるリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴は、リヤコンビネーションランプの下方にリヤバンパを連続して配置し、前記リヤコンビネーションランプと前記リヤバンパを車体に取付けボルトで固定してあるリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造であって、
前記リヤバンパの第1取付け面部に形成した第1ボルト挿通孔の近傍を、前記リヤコン
ビネーションランプの第2取付け面部に形成した第2ボルト挿通孔の近傍に車両後方側から対向させるように構成し、前記第1ボルト挿通孔の近傍と第2ボルト挿通孔の近傍とのいずれか一方に、いずれか他方側に向かって突出する嵌合凸部を設け、前記いずれか他方に、前記嵌合凸部に嵌合する嵌合凹部を設け、
前記嵌合凸部と嵌合凹部を嵌合させて、前記リヤバンパとリヤコンビネーションランプを位置決めするとともに、前記リヤバンパの第1取付け面部を前記リヤコンビネーションランプの第2取付け面部に車両後方側から重ね合わせ、前記第1ボルト挿通孔及び第2ボルト挿通孔に挿通させた前記取付けボルトで、前記リヤバンパとリヤコンビネーションランプを前記車体に共締め固定してある点にある。(請求項1)
【0007】
この構成によれば、嵌合凸部と嵌合凹部を嵌合させる操作によってリヤバンパとリヤコンビネーションランプの共締め固定のための位置決め作業を簡単に行うことができる。また、その位置決めされた状態において、取付けボルトで、リヤバンパとリヤコンビネーションランプを車体に共締め固定することによって、リヤバンパとリヤコンビネーションランプにおける見切り部の隙間の精度及び平行度を高めることができる。したがって、位置決め作業に手間取ることなく、取付け作業を効率化できるとともに、見切り部の精度を向上して車両の外観品質及び商品性を高めることができる。
【0008】
本発明において、前記嵌合凹部を、その嵌合凹部の底側に向かって窄まるテーパ穴状に形成することもできる。(請求項2)
この構成によれば、リヤバンパの第1取付け面部とリヤコンビネーションランプの第2取付け面部を接近させることで、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌合させる操作を無理なく、テーパ穴状に沿って自然に行うことができ、リヤバンパとリヤコンビネーションランプの共締め固定のための位置決め作業を簡単に行うことができる。
【0009】
本発明において、前記リヤバンパは、車幅方向に沿うバンパ本体と、前記バンパ本体の幅方向両端部からバックドアの側方側に立上がり、車幅方向内方側の側端部が前記バックドアの側部に覆われる立上がり部とを備え、前記立上がり部の側端部に、前記第1取付け面部と、前記第1ボルト挿通孔と、前記嵌合凸部又は嵌合凹部とを形成することもできる。(請求項3)
この構成によれば、リヤバンパの幅方向両端部に位置決め構造を設けたことになり、リヤバンパの組み付け性と位置決め精度が向上する。また、バックドアによって隠される位置に取付け構造が位置することになるので、外観に悪影響を与えずにすむ利点がある。
【0010】
本発明において、前記第1取付け面部に形成した前記第1ボルト挿通孔の近傍に前記嵌合凸部を車両前方側に突出する状態に設け、前記第2取付け面部に形成した第2ボルト挿通孔の近傍に前記嵌合凹部を設けることもできる。(請求項4)
【0011】
本発明において、前記第1取付け面部と、前記第1取付け面部の周りのリヤバンパ部分とを車両前方側に窪ませて締付座を形成し、その締付座の窪みを形成する斜面の起端に前記嵌合凸部を突出させることもできる。(請求項5)
この構成によれば、締付座の窪みを形成する斜面の起端に嵌合凸部を突出配置させることにより、外表面に稜線が形成される部分の裏面に係合凸部を設けることによって、引けが目立たないようにすることができて、外観品質の向上になる。また、締付座の窪みを形成する斜面の起端に嵌合凸部を突出させることで、剛性のある屈曲部分の内部に嵌合凸部を配置することができて、嵌合凸部の強度向上と成形性の向上となる。
【発明の効果】
【0012】
以上、説明したように、本発明であれば、リヤバンパとリヤコンビネーションランプの各部品を車体に取付ける場合に、取付け作業を効率化できるとともに、見切り部の精度を
向上させて車両の外観品質及び商品性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本取付け構造は、車体1のバックドア開口2の縁部に、一対のリヤコンビネーションランプ3(以下、リヤランプ3と称する)と、リヤバンパ4を共締め用の取付けボルト5によって締結する構成となっている。図1において符号6は車体のサイドパネルに固定されるバンパホルダを示し、リヤバンパ4と車体側部のアウタパネル(図示せず)との見切り部の精度を向上させる部品である。
【0014】
図2に示すように、リヤランプ3は、リヤランプ3の飾り面となる外表面部7から段差を持って形成された基部面部10(前記第2取付け面部に相当)を備え、その基部面部10の上下に取付けボルト11,5(図3参照)の挿通孔12,13が形成してある。上側挿通孔12は、車体パネル1aに取付けボルト11によって直接固定するためのものである。下側挿通孔13(前記第2ボルト挿通孔に相当)は、リヤバンパ4(図3参照)とリヤランプ3を取付けボルト5によって車体パネル1aに共締めするための挿通孔である。
【0015】
また、下側挿通孔13の下方に位置決め孔14(前記嵌合凹部に相当)が形成してあり、その位置決め孔14はリヤバンパ4に形成した位置決めピン15(前記嵌合凸部に相当)を受け入れる。位置決めピン15は図4において断面図で示されている。位置決め孔14は、位置決め孔14の底側に向かって窄まるテーパ穴状に形成してある。
なお、本実施形態においては、図2に示すように下側挿通孔13と位置決め孔14は近接配置されており、図3に示すように下側挿通孔13の締め付け座面と位置決め孔14の嵌合凹部の底面は同一面となっている。そして、基部面部10から車体側に窪んで形成されている下側挿通孔13の締め付け座面の周りの斜面と連続して、位置決め孔14は下側半分のみにテーパ穴が形成されている。
【0016】
図1に示すように、リヤバンパ4は車幅方向に沿うバンパ本体18と、そのバンパ本体18の幅方向両端部からバックドア21(図4参照)の側方側に立上がる立上がり部22とを備え、その立上がり部22の車幅方向内方側の側端部20がバックドア21の側部21aに覆われている。
図5に示すように、立上がり部22の側端部20に、取付け面部23(前記第1取付け面部に相当)と、ボルト挿通孔24(前記第1ボルト挿通孔に相当)と、位置決めピン15が形成してある。本実施形態においては、ボルト挿通孔24の下方の近傍に車両前方側に突出する位置決めピン15を設けてある。
また、取付け面部23の周りのリヤバンパ部分を車両前方側に窪ませて締付座25を形成し、その締付座25の窪み26を形成する斜面の起端から車体側に位置決めピン15を突出形成させてある。
【0017】
上記構成の作用について説明する。
まず、図2に示すように、リヤランプ3を、共締め位置となる下側挿通孔13を除き、上側挿通孔12を取付けボルト11によって固定するとともに、リヤランプ3の裏側をピン(図示せず)で車体1の車体パネル1aなどに取付ける。次に、リヤバンパ4を車体後方から車体1に接近させて、リヤバンパ4の左右両側部分を車体1に取付けたバンパホルダ6に嵌合固定する。
【0018】
次に、リヤバンパ4の位置決めピン15とリヤランプ3の位置決め孔14とを概略合わせた状態で、リヤバンパ4をリヤランプ3側に押すと、図4に示すように、位置決めピン15が位置決め孔14のテーパ穴面に案内されて位置決めピン15と位置決め孔14が嵌合することにより、ボルト挿通孔24と下側挿通孔13とが設定位置に正確に位置決めさ
れる。この位置決め状態において取付けボルト5によって締結する(図3の状態)。
なお、前記した構成では、リヤバンパ4側に位置決めピン15を設け、リヤランプ3側に位置決め孔14を設けた構成を示したが、逆にリヤバンパ4側に位置決め孔14を設け、リヤランプ3側に位置決めピン15を設けた構成も採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】リヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造の分解斜視図
【図2】リヤコンビネーションランプのみを車体に取付けた状態の正面図
【図3】図2においてリヤバンパを取付けた状態のA−A線縦断面図
【図4】図2においてリヤバンパを取付けた状態のB−B線横断面図
【図5】リヤバンパの裏側から取付け構造を見た斜視図
【符号の説明】
【0020】
1 車体
3 リヤコンビネーションランプ
4 リヤバンパ
5 取付けボルト
10 基部面部(第2取付け面部)
13 下側挿通孔(第2ボルト挿通孔)
14 位置決め孔(嵌合凹部)
15 位置決めピン(嵌合凸部)
18 バンパ本体
20 立上がり部の側端部
21 バックドア
22 立上がり部
23 取付け面部(第1取付け面部)
24 ボルト挿通孔(第1ボルト挿通孔)
25 締付座
26 窪み
【技術分野】
【0001】
本発明は、リヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リヤコンビネーションランプが車体後部に固定され、リヤコンビネーションランプに連続するようにリヤバンパが車体後部に固定さている。この場合、リヤコンビネーションランプ、リヤバンパのそれぞれが別個に独立して車体側にネジ止めされ、相互の位置は車体を介して位置決めされている。また、同じ車体パネルへの取付けでなく、スポット溶接された別パネルへの取付けとなっている。
【0003】
このため、リヤコンビネーションランプ、リヤバンパの相互の締付箇所の位置精度を良くすることが難しく、少なからずそれぞれの部品の取付け位置は車体パネルの精度の影響を受け、リヤコンビネーションランプの下端とリヤバンパの上端との間の見切り部の隙間の精度(隙間の大きさ)及び平行度(隙間の一定性)を保つことが非常に難しいものになっていた。そして、上記隙間の精度や平行度を満たすための調整作業に時間がかかる課題があった。
上記のような課題に対して、下記特許文献1に示すように、ランプとバンパを車体に共締め固定することも考えられる。
【特許文献1】特開2003−165401号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、リヤコンビネーションランプとリヤバンパの各部品を共締め固定する方法では、リヤコンビネーションランプの下端とリヤバンパの上端との間の見切り部の隙間の大きさ及び平行度を保つことが可能となるが、依然下記の課題が解決できていなかった。
車体の締付位置の誤差を吸収するために、リヤコンビネーションランプとリヤバンパの各部品の締付け用の孔は大きく形成することになる。この場合、見切り部の精度及び平行度を向上できるように、各部品の締付位置を部品ごとに作業者が調整して締付固定することになり、調整作業に時間がかかる。また、リヤバンパが大型の部品で、比較的柔らかな部品であるため、車体にそれぞれの締付固定孔を精度良く一致させ、その一致させた状態で締付け用ボルトを挿入する調整作業に非常に時間がかかってしまい、組立ライン上の問題となっていた。
【0005】
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、リヤバンパとリヤコンビネーションランプの各部品を車体に取付ける場合に、調整時間を短縮して取付け作業を効率化できるとともに、見切り部の精度及び平行度を向上させて車両の外観品質及び商品性を高めることができるリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴は、リヤコンビネーションランプの下方にリヤバンパを連続して配置し、前記リヤコンビネーションランプと前記リヤバンパを車体に取付けボルトで固定してあるリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造であって、
前記リヤバンパの第1取付け面部に形成した第1ボルト挿通孔の近傍を、前記リヤコン
ビネーションランプの第2取付け面部に形成した第2ボルト挿通孔の近傍に車両後方側から対向させるように構成し、前記第1ボルト挿通孔の近傍と第2ボルト挿通孔の近傍とのいずれか一方に、いずれか他方側に向かって突出する嵌合凸部を設け、前記いずれか他方に、前記嵌合凸部に嵌合する嵌合凹部を設け、
前記嵌合凸部と嵌合凹部を嵌合させて、前記リヤバンパとリヤコンビネーションランプを位置決めするとともに、前記リヤバンパの第1取付け面部を前記リヤコンビネーションランプの第2取付け面部に車両後方側から重ね合わせ、前記第1ボルト挿通孔及び第2ボルト挿通孔に挿通させた前記取付けボルトで、前記リヤバンパとリヤコンビネーションランプを前記車体に共締め固定してある点にある。(請求項1)
【0007】
この構成によれば、嵌合凸部と嵌合凹部を嵌合させる操作によってリヤバンパとリヤコンビネーションランプの共締め固定のための位置決め作業を簡単に行うことができる。また、その位置決めされた状態において、取付けボルトで、リヤバンパとリヤコンビネーションランプを車体に共締め固定することによって、リヤバンパとリヤコンビネーションランプにおける見切り部の隙間の精度及び平行度を高めることができる。したがって、位置決め作業に手間取ることなく、取付け作業を効率化できるとともに、見切り部の精度を向上して車両の外観品質及び商品性を高めることができる。
【0008】
本発明において、前記嵌合凹部を、その嵌合凹部の底側に向かって窄まるテーパ穴状に形成することもできる。(請求項2)
この構成によれば、リヤバンパの第1取付け面部とリヤコンビネーションランプの第2取付け面部を接近させることで、嵌合凸部を嵌合凹部に嵌合させる操作を無理なく、テーパ穴状に沿って自然に行うことができ、リヤバンパとリヤコンビネーションランプの共締め固定のための位置決め作業を簡単に行うことができる。
【0009】
本発明において、前記リヤバンパは、車幅方向に沿うバンパ本体と、前記バンパ本体の幅方向両端部からバックドアの側方側に立上がり、車幅方向内方側の側端部が前記バックドアの側部に覆われる立上がり部とを備え、前記立上がり部の側端部に、前記第1取付け面部と、前記第1ボルト挿通孔と、前記嵌合凸部又は嵌合凹部とを形成することもできる。(請求項3)
この構成によれば、リヤバンパの幅方向両端部に位置決め構造を設けたことになり、リヤバンパの組み付け性と位置決め精度が向上する。また、バックドアによって隠される位置に取付け構造が位置することになるので、外観に悪影響を与えずにすむ利点がある。
【0010】
本発明において、前記第1取付け面部に形成した前記第1ボルト挿通孔の近傍に前記嵌合凸部を車両前方側に突出する状態に設け、前記第2取付け面部に形成した第2ボルト挿通孔の近傍に前記嵌合凹部を設けることもできる。(請求項4)
【0011】
本発明において、前記第1取付け面部と、前記第1取付け面部の周りのリヤバンパ部分とを車両前方側に窪ませて締付座を形成し、その締付座の窪みを形成する斜面の起端に前記嵌合凸部を突出させることもできる。(請求項5)
この構成によれば、締付座の窪みを形成する斜面の起端に嵌合凸部を突出配置させることにより、外表面に稜線が形成される部分の裏面に係合凸部を設けることによって、引けが目立たないようにすることができて、外観品質の向上になる。また、締付座の窪みを形成する斜面の起端に嵌合凸部を突出させることで、剛性のある屈曲部分の内部に嵌合凸部を配置することができて、嵌合凸部の強度向上と成形性の向上となる。
【発明の効果】
【0012】
以上、説明したように、本発明であれば、リヤバンパとリヤコンビネーションランプの各部品を車体に取付ける場合に、取付け作業を効率化できるとともに、見切り部の精度を
向上させて車両の外観品質及び商品性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本取付け構造は、車体1のバックドア開口2の縁部に、一対のリヤコンビネーションランプ3(以下、リヤランプ3と称する)と、リヤバンパ4を共締め用の取付けボルト5によって締結する構成となっている。図1において符号6は車体のサイドパネルに固定されるバンパホルダを示し、リヤバンパ4と車体側部のアウタパネル(図示せず)との見切り部の精度を向上させる部品である。
【0014】
図2に示すように、リヤランプ3は、リヤランプ3の飾り面となる外表面部7から段差を持って形成された基部面部10(前記第2取付け面部に相当)を備え、その基部面部10の上下に取付けボルト11,5(図3参照)の挿通孔12,13が形成してある。上側挿通孔12は、車体パネル1aに取付けボルト11によって直接固定するためのものである。下側挿通孔13(前記第2ボルト挿通孔に相当)は、リヤバンパ4(図3参照)とリヤランプ3を取付けボルト5によって車体パネル1aに共締めするための挿通孔である。
【0015】
また、下側挿通孔13の下方に位置決め孔14(前記嵌合凹部に相当)が形成してあり、その位置決め孔14はリヤバンパ4に形成した位置決めピン15(前記嵌合凸部に相当)を受け入れる。位置決めピン15は図4において断面図で示されている。位置決め孔14は、位置決め孔14の底側に向かって窄まるテーパ穴状に形成してある。
なお、本実施形態においては、図2に示すように下側挿通孔13と位置決め孔14は近接配置されており、図3に示すように下側挿通孔13の締め付け座面と位置決め孔14の嵌合凹部の底面は同一面となっている。そして、基部面部10から車体側に窪んで形成されている下側挿通孔13の締め付け座面の周りの斜面と連続して、位置決め孔14は下側半分のみにテーパ穴が形成されている。
【0016】
図1に示すように、リヤバンパ4は車幅方向に沿うバンパ本体18と、そのバンパ本体18の幅方向両端部からバックドア21(図4参照)の側方側に立上がる立上がり部22とを備え、その立上がり部22の車幅方向内方側の側端部20がバックドア21の側部21aに覆われている。
図5に示すように、立上がり部22の側端部20に、取付け面部23(前記第1取付け面部に相当)と、ボルト挿通孔24(前記第1ボルト挿通孔に相当)と、位置決めピン15が形成してある。本実施形態においては、ボルト挿通孔24の下方の近傍に車両前方側に突出する位置決めピン15を設けてある。
また、取付け面部23の周りのリヤバンパ部分を車両前方側に窪ませて締付座25を形成し、その締付座25の窪み26を形成する斜面の起端から車体側に位置決めピン15を突出形成させてある。
【0017】
上記構成の作用について説明する。
まず、図2に示すように、リヤランプ3を、共締め位置となる下側挿通孔13を除き、上側挿通孔12を取付けボルト11によって固定するとともに、リヤランプ3の裏側をピン(図示せず)で車体1の車体パネル1aなどに取付ける。次に、リヤバンパ4を車体後方から車体1に接近させて、リヤバンパ4の左右両側部分を車体1に取付けたバンパホルダ6に嵌合固定する。
【0018】
次に、リヤバンパ4の位置決めピン15とリヤランプ3の位置決め孔14とを概略合わせた状態で、リヤバンパ4をリヤランプ3側に押すと、図4に示すように、位置決めピン15が位置決め孔14のテーパ穴面に案内されて位置決めピン15と位置決め孔14が嵌合することにより、ボルト挿通孔24と下側挿通孔13とが設定位置に正確に位置決めさ
れる。この位置決め状態において取付けボルト5によって締結する(図3の状態)。
なお、前記した構成では、リヤバンパ4側に位置決めピン15を設け、リヤランプ3側に位置決め孔14を設けた構成を示したが、逆にリヤバンパ4側に位置決め孔14を設け、リヤランプ3側に位置決めピン15を設けた構成も採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】リヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造の分解斜視図
【図2】リヤコンビネーションランプのみを車体に取付けた状態の正面図
【図3】図2においてリヤバンパを取付けた状態のA−A線縦断面図
【図4】図2においてリヤバンパを取付けた状態のB−B線横断面図
【図5】リヤバンパの裏側から取付け構造を見た斜視図
【符号の説明】
【0020】
1 車体
3 リヤコンビネーションランプ
4 リヤバンパ
5 取付けボルト
10 基部面部(第2取付け面部)
13 下側挿通孔(第2ボルト挿通孔)
14 位置決め孔(嵌合凹部)
15 位置決めピン(嵌合凸部)
18 バンパ本体
20 立上がり部の側端部
21 バックドア
22 立上がり部
23 取付け面部(第1取付け面部)
24 ボルト挿通孔(第1ボルト挿通孔)
25 締付座
26 窪み
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リヤコンビネーションランプの下方にリヤバンパを連続して配置し、前記リヤコンビネーションランプと前記リヤバンパを車体に取付けボルトで固定してあるリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造であって、
前記リヤバンパの第1取付け面部に形成した第1ボルト挿通孔の近傍を、前記リヤコンビネーションランプの第2取付け面部に形成した第2ボルト挿通孔の近傍に車両後方側から対向させるように構成し、前記第1ボルト挿通孔の近傍と第2ボルト挿通孔の近傍とのいずれか一方に、いずれか他方側に向かって突出する嵌合凸部を設け、前記いずれか他方に、前記嵌合凸部に嵌合する嵌合凹部を設け、
前記嵌合凸部と嵌合凹部を嵌合させて、前記リヤバンパとリヤコンビネーションランプを位置決めするとともに、前記リヤバンパの第1取付け面部を前記リヤコンビネーションランプの第2取付け面部に車両後方側から重ね合わせ、前記第1ボルト挿通孔及び第2ボルト挿通孔に挿通させた前記取付けボルトで、前記リヤバンパとリヤコンビネーションランプを前記車体に共締め固定してあるリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造。
【請求項2】
前記嵌合凹部を、その嵌合凹部の底側に向かって窄まるテーパ穴状に形成してある請求項1記載のリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造。
【請求項3】
前記リヤバンパは、車幅方向に沿うバンパ本体と、前記バンパ本体の幅方向両端部からバックドアの側方側に立上がり、車幅方向内方側の側端部が前記バックドアの側部に覆われる立上がり部とを備え、
前記立上がり部の側端部に、前記第1取付け面部と、前記第1ボルト挿通孔と、前記嵌合凸部又は嵌合凹部とを形成してある請求項1又は2記載のリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造。
【請求項4】
前記第1取付け面部に形成した前記第1ボルト挿通孔の近傍に前記嵌合凸部を車両前方側に突出する状態に設け、
前記第2取付け面部に形成した第2ボルト挿通孔の近傍に前記嵌合凹部を設けてある請求項1〜3のいずれか一つに記載のリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造。
【請求項5】
前記第1取付け面部と、前記第1取付け面部の周りのリヤバンパ部分とを車両前方側に窪ませて締付座を形成し、その締付座の窪みを形成する斜面の起端に前記嵌合凸部を突出させてある請求項4記載のリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造。
【請求項1】
リヤコンビネーションランプの下方にリヤバンパを連続して配置し、前記リヤコンビネーションランプと前記リヤバンパを車体に取付けボルトで固定してあるリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造であって、
前記リヤバンパの第1取付け面部に形成した第1ボルト挿通孔の近傍を、前記リヤコンビネーションランプの第2取付け面部に形成した第2ボルト挿通孔の近傍に車両後方側から対向させるように構成し、前記第1ボルト挿通孔の近傍と第2ボルト挿通孔の近傍とのいずれか一方に、いずれか他方側に向かって突出する嵌合凸部を設け、前記いずれか他方に、前記嵌合凸部に嵌合する嵌合凹部を設け、
前記嵌合凸部と嵌合凹部を嵌合させて、前記リヤバンパとリヤコンビネーションランプを位置決めするとともに、前記リヤバンパの第1取付け面部を前記リヤコンビネーションランプの第2取付け面部に車両後方側から重ね合わせ、前記第1ボルト挿通孔及び第2ボルト挿通孔に挿通させた前記取付けボルトで、前記リヤバンパとリヤコンビネーションランプを前記車体に共締め固定してあるリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造。
【請求項2】
前記嵌合凹部を、その嵌合凹部の底側に向かって窄まるテーパ穴状に形成してある請求項1記載のリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造。
【請求項3】
前記リヤバンパは、車幅方向に沿うバンパ本体と、前記バンパ本体の幅方向両端部からバックドアの側方側に立上がり、車幅方向内方側の側端部が前記バックドアの側部に覆われる立上がり部とを備え、
前記立上がり部の側端部に、前記第1取付け面部と、前記第1ボルト挿通孔と、前記嵌合凸部又は嵌合凹部とを形成してある請求項1又は2記載のリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造。
【請求項4】
前記第1取付け面部に形成した前記第1ボルト挿通孔の近傍に前記嵌合凸部を車両前方側に突出する状態に設け、
前記第2取付け面部に形成した第2ボルト挿通孔の近傍に前記嵌合凹部を設けてある請求項1〜3のいずれか一つに記載のリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造。
【請求項5】
前記第1取付け面部と、前記第1取付け面部の周りのリヤバンパ部分とを車両前方側に窪ませて締付座を形成し、その締付座の窪みを形成する斜面の起端に前記嵌合凸部を突出させてある請求項4記載のリヤコンビネーションランプ及びリヤバンパの車体への取付け構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2008−87614(P2008−87614A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270342(P2006−270342)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
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