説明

リリースクリップ

本発明は、流体を流すシステムに使用するチューブコネクタ用のリリースクリップ(1)に関する。チューブコネクタは、流体が通って流れる開口を備えたハウジング(11)を有し、チューブコネクタに挿入されるチューブ(10)を固定しかつシーリング連結するように構成されている。本発明のリリースクリップ(1)は、円管状のリリースボディ(2)を有し、該リリースボディにはその長手方向軸線に沿う割れ目部(5)が形成されている。また、リリースボディは一体ヒンジ(9、6)を有し、従って、解放すべきチューブの周囲に取付けることができる。リリースボディの長手方向の長さは、少なくとも、ハウジングの開口からグリッピングリングまでの距離に等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チューブコネクタからチューブを解放するためのリリースクリップに関する。リリースクリップは、解放すべきチューブの周囲のショルダとして提供され、チューブの外周のコネクタ内に押込まれる。
【背景技術】
【0002】
チューブコネクタ、特にプッシュ・イン形式の迅速解放コネクタに関しては、チューブがチューブコネクタ内に取付けられた後に、チューブを解放することがしばしば必要になる。これには、例えば、機械的故障または漏洩のためチューブを交換したい場合、改造のための分解の一環として、または不完全な組立体であることによる等の多くの異なる理由がある。
【0003】
例えば下記特許文献1から4の従来技術から、チューブコネクタ用の種々のリリース器具およびリリース工具が知られている。
【0004】
特許文献1には、チューブがロッキングリングにより固定される構成のチューブコネクタ内に押込まれる工具が開示されている。この既知の工具は、チューブとの係合から離脱させるべくロッキングリングを充分に引っ張って、チューブを解放させるものである。本発明では、リリースクリップが、ハウジング内の円錐面に沿ってロッキングリングを押しやり、これによりロッキングリングがその周方向に割れ目部する。このため、ロッキングリングは、円錐面に沿って押されるときにその固有の弾性に基いて拡大し、チューブの周囲のグリップ力およびクランプ力を喪失する。これにより、チューブが解放され、引出すことが可能になる。
【0005】
【特許文献1】ドイツ国実用新案DE 201 06 713号明細書
【特許文献2】米国特許第5,752,726号明細書
【特許文献3】ドイツ国特許DE69115231号明細書
【特許文献4】日本国特許第03264272号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
チューブコネクタ用のリリースクリップは容易に取付けられるべきであり、幾つかの理由から、チューブコネクタとは別体に構成しなければならない。別体として構成することにより、コネクタが不意に解放されることが防止される(不意の解放は一体形リリース器具の場合に生じる)。また、別体として構成すると、コネクタをより少数の部品で構成できるため、実際のコネクタをより安価に製造できる。更に、リリースクリップは、使用中にコネクタ(またはチューブ)を壊したり傷付けないように設計すべきである。また、容易に使用できなくてはならない。更に、関連工具を使用しないで、手で操作できるようにすることも本発明の一目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一態様によれば、コネクタ要素内に固定された状態から管状要素の端部を解放させることができる、管状本体を備えたリリースクリップにおいて、管状本体には、該管状本体の長手方向軸線に沿って延びる単一の割れ目部が形成され、管状本体は、この一領域により形成された一体ヒンジを有し、リリースクリップは、管状要素への取付けおよび管状要素からの取外しが可能であることを特徴とするリリースクリップが提供される。
【0008】
好ましくは、一体ヒンジは、管状本体の薄い壁厚の一領域により少なくとも一部が形成され、一体ヒンジはまた、割れ目部とはほぼ反対側に配置されている。この構成により、閉じ込められたスペース内で使用できるコンパクトな器具を提供できる。リリースクリップは、好ましくは、プラスチック材料で形成されかつ一体ヒンジ領域は管状要素への取付けおよび取外しを可能にする程度の可撓性を有している。リリースクリップは、射出成形またはプラスチック材料に適した他の任意の製造方法により、単一ユニットとして形成できる。
【0009】
これにより、流体を流すシステムに使用するチューブコネクタ用リリースクリップが提供される。チューブコネクタは、好ましくは、流体が通って流れる開口を有し、コネクタ内に挿入されるチューブを固定しかつシーリング連結するように構成されている。コネクタの内部には、貫通開口の周囲に沿う円錐部分が設けられ、該円錐部分は、コネクタの開口に向かう方向にテーパした直径を有している。コネクタには更に、円錐部分とコネクタの開口との間にシーリングリングが設けられている。コネクタの円錐部分には、チューブをグリップする円形グリッピングリングが取付けられている。このグリッピングリングは、コネクタ内部の円錐部分にほぼ一致する外側円錐面を有している。ロッキングリングはその円周方向に割れ目部しており、ロッキングリングが内側円錐部分に沿ってコネクタの長手方向に移動するときに、ロッキングリングの直径を変えることを可能にするセクション(部分)を有している。
【0010】
リリースボディの長手方向長さは、少なくとも、ハウジングの開口からグリッパリングまでの距離に等しい。
【0011】
本発明によるリリースクリップは、チューブがコネクタ内に挿入され、次にグリッパリングをコネクタ内で内側円錐部分に沿って、大きい直径を有する円錐部分に向けて押込まれる形式のチューブコネクタに適合される。グリッパリングは割れ目部しているので拡大でき、チューブの外径はコネクタ内でグリッパリングの内側を通る。次にチューブが、グリッパリングを通って完全に挿入されると、再びチューブを引出そうと試みることにより、グリッパリングは、コネクタ内で内側円錐部分に沿って、小さい直径を有する円錐部分に向かって移動し、グリッパリングは(依然として割れ目部しているため)、チューブの外面の周囲で圧縮されかつ緊締される。このため、グリッパリングは、チューブの外面をグリップし、コネクタ内に保持する。
【0012】
本発明によるリリースクリップに使用するグリッパリングの好ましい実施形態では、チューブの周囲で、グリッパリングの上方の内周面に円錐部分が設けられている。これにより、リリースクリップがグリッパリングに対して押付けられるときにリリースクリップを「キャッチ」することが確保される一方、同時に、リリースクリップはグリッパリングを拡大(グリッパリングが割れ目部していることによる)する補助をなし、チューブを容易に取外すことができるようにする。
【0013】
使用時に、リリースクリップは、長手方向に開いている長手方向割れ目部が設けられていることによりチューブの周囲に取付けられ、リリース器具は、リリースボディがコネクタに向くようにしてチューブの周囲に「スナップ」嵌合される。チューブを解放するには、リリースボディがチューブをぴったり包囲するようにしてリリースクリップをチューブの周囲にクランプし、次に、リリースクリップをコネクタの方向に押込む。リリースボディの前端部は、コネクタ内の前方シールと、グリッパリングとの間でチューブに沿って押込まれる。これにより、リリースクリップがグリッパリングに接触し、該グリッパリングをコネクタ内の円錐部分に沿って押しやる。次に、グリッパリングが拡大し(グリッパリングが割れ目部していることによる)、チューブの外面の周囲のグリッパを解放する。次にチューブが引出され、この後、リリースクリップを引出すことができる。
【0014】
コネクタの他の実施形態では、コネクタ内部の円錐部分は、コネクタと一体化でき、またはコネクタ内の別体のインサートと一体化できる。円錐部分は、一体形に形成するか、セグメント化することもできる。
【0015】
リリースクリップの他の実施形態では、リリースクリップは外側のグリップ面を有している。これは好ましい実施形態であり、リリースクリップの操作を容易にする。また、グリップ面は、グリッパボディに対してほぼ垂直にグリップ面から突出しているフランジを有することが好ましい。これは、手の力でリリースクリップをコネクタ内に押込むことを容易にしかつ作業者が片手で首尾良くグリップすることを可能にする。
【0016】
また、グリップ面およびフランジは、リリースクリップの長手方向割れ目部の反対側に位置する領域内でほぼ周方向に沿う凹部または開口を有するのが好ましい。これは、フランジの如何にかかわらずリリースクリップを充分に開くことを可能にし、長手方向割れ目部を拡大することによりチューブの周囲に取付けられるようにする。
【0017】
グリップ面およびフランジの各々は、好ましくは、2つの別個のセクションで形成される。各セクションは、それぞれ、リリースボディの周囲の一部の回りで、隣接ヒンジからリリースボディまで延びている。フランジおよびグリップ面の位置は、クリップのリリースボディに隣接して半径方向に延びており、従って、使用時に、作業者により加えられる力は、チューブコネクタ要素内に入れるまたはチューブコネクタ要素から出す軸線方向の力である。この構成は、リリースクリップをチューブコネクタ要素に入れるまたはチューブコネクタ要素から出すのに必要な力を低減できるため、機械的により効率的である。フランジは、作業者により加えられる挿入力を、コネクタ要素から引出されるチューブの表面に隣接させる手段を形成することに留意すべきである。
【0018】
また、グリップ面および/またはフランジは、リリースクリップの長手方向割れ目部と一体にまたは一部として、溝−舌形状に作ることができる。これにより、リリースクリップがチューブの周囲にぴったりクランプされたときに、リリースクリップが不整合位置にオーバーラップすることまたは不整合位置に位置決めされてしまうことが防止される。
【0019】
グリップ面はまた、リリースクリップがチューブコネクタ内に押込まれるときに、より良いグリップを得る摩擦力を付与する溝または隆起部を有しているのが好ましい。
また、作業者に好ましいグリップを付与するため、一実施形態では、フランジに、リリースボディへの湾曲遷移部が設けられている。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によるリリースクリップは容易に使用できるものである。なぜならば、リリースクリップは長手方向に割れ目部しておりかつ割れ目部とは反対側に「ヒンジ」効果を有しているため、例えば、リリースクリップがチューブの周囲に取付けられるときに、フランジがリリースクリップを剛くしてしまうことが防止されるからである。これは、リリースクリップをチューブの周囲に取付けるのに必要な可撓性をリリースクリップに付与する。摩擦発生グリップ面およびリリースボディへの湾曲遷移部を備えたフランジはまた、リリースクリップを、チューブに沿ってコネクタ内に押込むときに良好なグリップを付与する補助をする。
【0021】
また、リリースクリップは、好ましくはリリースボディの前縁部を薄壁にすることにより、例えば、コネクタの開口でのシールに損傷を与えることを防止できる。なぜならば、リリース器具は、コネクタ内部を容易に通り得るからである。
【0022】
リリースクリップを挿入する良好な表面を付与できるようにするには、フランジを比較的大きくすることも好ましい。
リリースクリップはプラスチックで作るのが好ましい。なぜならば、等価の金属クリップは、例えばごみおよび水分がコネクタに侵入することを防止する環境シールのような、チューブコネクタの入口とチューブを保持するグリッパリングとの間のシーリングリングに損傷を与える虞れがあるからである。
【0023】
また、リリースボディは薄壁にして、リリースボディがチューブとチューブコネクタのハウジングとの間のシールを通り得るようにし、更に、リリースボディがチューブにできる限り密着してグリッパリングに接触できるようにするのが好ましい。
【0024】
グリップ面は2つの別個セクションで形成するのが好ましく、各セクションは、それぞれ、隣接ヒンジおよび管状本体の周囲の一部から割れ目部まで延びている。
フランジは2つの別個セクションで形成するのが好ましく、各セクションは、それぞれ、隣接ヒンジおよび管状本体の周囲の一部から割れ目部まで延びている。
【0025】
本発明の一実施形態では、フランジの別個セクションの一方には、他方の別個セクションの一端に形成されたカットアウトセクションにより受入れられる端セクションを形成するのが好ましい。この構成により、使用時に、両フランジセクションがヒンジの回りで旋回運動(ピボット運動)するときに、端セクションがカットアウトにより受入れられる。
【0026】
好ましくは、2つの別個セクションのそれぞれの対向端セクションの各々には、それぞれの端セクション突出部が形成されており、該端セクション突出部は、それぞれのカットアウトセクションにより受入れられる。この構成は、使用時に、リリースクリップを管状要素上に配置すべくリリースクリップが開かれるときに、両フランジセクションがヒンジの回りで旋回運動して、第一端セクションが第一カットアウトにより受入れられるようにし、かつリリースクリップが管状要素の周囲で閉じられるときに、両フランジセクションがヒンジの回りで旋回運動して、第二端セクションが第二カットアウトにより受入れられるようにする。
【0027】
第一カットアウトおよび端セクション突出部は、リリースクリップのヒンジに隣接して配置されている。両セクションをヒンジの回りの旋回運動させることによりクリップが開かれるとき、第一端セクション突出部は第一カットアウトセクションの方向に移動されかつ第一カットアウトセクションにより受入れられる。第一突出部が第一カットアウトセクションの方向に延びているので、フランジの両別個セクション間の可視ギャップがほぼ小さくなり、使用者が、リリースクリップを管状要素上に正しくなく配置することが防止される。開位置では、第一端セクション突出部は、第一カットアウトにより受入れられかつフランジの一部上にオーバーラップする。この構成は、クリップに安定化機構を付与する。
【0028】
第二カットアウトおよび端セクション突出部は、リリースクリップの単一割れ目部に隣接して配置される。ヒンジの回りで両セクションを旋回運動させることによりクリップが管状要素の周囲で閉じられると、第二端セクション突出部が第二カットアウトセクションに向かって移動されて、第二カットアウトセクションにより受入れられる。第二突出部が第二カットアウトセクションにより受入れられるので、クリップにはストップ機能および安定化機能が付与される。
【0029】
クリップには1対のウェブを設けるのが好ましい。それぞれのウェブはヒンジの両側に配置され、クリップの割れ目部を開くのに使用できる。ウェブは、フランジから長手方向に延びているレバーとして作用する。両ウェブが近付く方向に押されると、クリップがヒンジの回りで旋回運動して、割れ目部を開く。
【0030】
ウェブは、使用者がクリップを一層容易に開くことを可能にし、従って管状要素上に一層容易に取付けられるようにする。ウェブは、クリップを開くことを補助するてこ手段を形成する。クリップは、これを管状要素上に配置するのに、ハンドルのような付加連結ピースを必要としない。本発明のクリップ設計の一体的でコンパクトな本質は、閉じ込められた狭小作業スペース内で使用する場合に長所を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
添付図面には、本発明によるリリースクリップ(解放クリップ)の幾つかの好ましい実施形態が示されている。
図1および図2には、本発明の好ましい実施形態によるリリースクリップ1が示されている。リリースクリップ1はリリースボディ(解放本体)2を有し、該リリースボディ2は薄壁であり、かつ上記説明および特許請求の範囲の記載に示された長さ、すなわち、少なくともコネクタの開口からグリッパリング(図3に示す)までの距離に等しい長さを有している。
【0032】
また、リリースクリップは、この長手方向の割れ目部(split/スプリット)5を有し、該割れ目部5には、クリップの両側が、特に薄壁領域においてオーバーラップすることを防止する溝−舌形状7、8が形成されている。
【0033】
リリースクリップ1はまたフランジ3を有しており、該フランジ3は、リリースボディ2の頂部に湾曲遷移部を有している。フランジ3およびリリースクリップ1には更に、リリースクリップ1を用いるときに、より良いグリップを付与する摩擦を生じさせる隆起部4を備えたグリップ面が設けられている。解放すべきチューブの周囲に取付けられるように、ヒンジ効果を生じさせ、従ってリリースクリップ1を開くことができるようにするため、フランジ3にはまた、凹部9と、長手方向割れ目部5とは反対側のカットアウト(切り出し部)6とが設けられている。フランジ3は、2つの別個の部分(セクション)3′、3″を形成している。
【0034】
また、図3には、本発明によるリリースクリップ1が、チューブ10とともにチューブコネクタ11内に押込まれているところが示されている。図3に示すように、チューブコネクタ11は、該コネクタ11の開口近くのシーリングリング12と、ロッキングリング13を備えた内側円錐部分15とを有している。ロッキングリング13は割れ目部しており、このため、円錐部分15に沿って、コネクタ11(およびチューブ10)の長手方向に移動できる。図3では、円錐部分15は、チューブコネクタ1内のインサート14に設けられているところが示されている。これはコネクタの一例であり、本発明はこの例とは独立している。なぜならば、円錐部分15は、コネクタ本体内のインサートに設けることもできるし、コネクタ本体の一部としてコネクタ本体に一体的に設けることもできるからである。
【0035】
図3には、薄壁のリリースボディ2を備えたリリースクリップ1が示されている。リリースクリップ1は、長手方向割れ目部(図1および図2)を拡大してチューブ10上に押込むことによりチューブ10の周囲に取付けられる。リリースボディ2は、上方のシーリングリンク12を通ってチューブコネクタ11内に押込まれ、更にグリッパリング13に当接するまで押込まれる。図3に示すように、グリッパリング13は、好ましくはその内周面に沿って円錐面16を有している。リリースクリップのリリースボディ2はこの円錐面16に接触し、次に、グリッパリング13をコネクタ内で押込む。グリッパリング13は割れ目部しているので、グリッパリングがチューブコネクタ11の円錐部分15に沿って移動すると、グリッパリングは拡大する。また、リリースボディ2は、グリッパリング13の内側円錐面16に沿って移動することにより、グリッパリング13を押拡げる。
【0036】
リリースクリップ1がグリッピングリング13を押込んでグリッピングリングを拡大させると、グリッピングリング13はチューブ10の周囲のグリップを解放し、チューブ10を引出すことができるようにする。これにより、リリースクリップ1も引出すことができ、チューブ10はチューブコネクタ11から解放される。
【0037】
図4から図7には本発明の他の実施形態が示されており、また、幾つかの付加特徴を有する上記リリースクリップが示されている。
図4から図7に示すように、フランジ3の一方の別個の部分(セクション)3′には端セクション突出部(端部分突出部)20が形成されており、該端セクション突出部20は、他方の別個の部分(セクション)3″の端セクション(端部分)に形成されたカットアウトセクション(切り出し部分)22により受入れられるようになっている。これは、使用時に、両フランジセクション(フランジ部分)3′、3″がヒンジ9の回りで旋回運動すると、端セクション突出部20がカットアウト22により受入れられる構成である。別個セクション3′の他端には、壁セクション26に配置された隆起ニブ24が形成されている。壁セクション26は、フランジセクション3′の縁部からほぼ半径方向外方に延びている。ニブ24は、壁セクション26に沿って、ほぼ長手方向に延びている。フランジ3のセクション3″には、チャネル30が形成された対応壁セクション28が形成されている。チャネル30は、クリップ1が管状要素の周囲で閉じられかつクリップ1がコネクタ11内に挿入されると、ニブ24を受け入れるようになっている。
【0038】
両セクション3′、3″をヒンジ9の回りで旋回運動させることによりクリップ1が開かれると、端セクション突出部20がカットアウト22により受入れられる。端セクション突出部20がカットアウト22の方向に移動する結果として、使用者は、リリースクリップ1が管状要素上に正しくなく配置されてしまうことを防止できる。なぜならば、フランジ3の両個別フランジ3′、3″間の可視ギャップ32がほぼ縮小されるからである。端セクション突出部20がカットアウト22により受入れられる結果として、クリップ1の安定性が増大される。クリップ1がヒンジ9の回りで旋回運動されるとき、端セクション突出部20の上面21は、カットアウトセクション22の下面42と摺動接触することができる。突出部20の形状は、カットアウト22の形状に一致させることができる。突出部20がカットアウト22により受入れられる結果として、クリップ1にはストップ機能および安定化機能が付与される。
【0039】
ヒンジ9の回りで両セクション3′、3″を旋回運動させることにより、クリップ1が管状要素10の回りで閉じられかつリリースクリップ1がコネクタ11内に挿入されるとき、ニブ24がチャネル30に向かって移動しかつ該チャネル30により受入れられる。クリップ1のニブ24がチャネル30により受入れられる結果として、クリップ1にはストップ機能および安定化機能が付与される。
【0040】
クリップ1はまた、ヒンジ9の両側に配置された1対のウェブ34、36を有している。これらのウェブは、クリップ1の割れ目部5を開くことを補助するのに使用される。両ウェブ34、36は、フランジ3から長手方向に延びているレバーとして機能する。両ウェブ34、36が、矢印40で示すように互いに近付く方向に押されると、割れ目部5が開かれる。両ウェブ34、36が解放されると、両ウェブは矢印40とは逆方向に自動的に移動し、割れ目部5のサイズは小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明によるリリースクリップを一方の側から見た斜視図である。
【図2】本発明によるリリースクリップを他方の側から見た斜視図である。
【図3】チューブを解放すべく、チューブコネクタ内に押込まれたときの、図1および図2のリリースクリップを示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態によるリリースクリップを上から見た斜視図である。
【図5】図4のリリースクリップを下から見た斜視図である。
【図6】図4のリリースクリップを下から見た第二斜視図である。
【図7】図4、図5および図6に示したリリースクリップの平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ要素内に固定された状態から管状要素の端部を解放させることができる、管状本体を備えたリリースクリップにおいて、管状本体には、該管状本体の長手方向軸線に沿って延びる単一の割れ目部が形成され、管状本体は、この一領域により形成された一体ヒンジを有し、リリースクリップは、管状要素への取付けおよび管状要素からの取外しが可能であることを特徴とするリリースクリップ。
【請求項2】
前記一体ヒンジは、管状本体の薄い壁厚の一領域により少なくとも一部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のリリースクリップ。
【請求項3】
前記一体ヒンジは、管状本体のカットアウト領域により少なくとも一部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のリリースクリップ。
【請求項4】
前記一体ヒンジは、前記割れ目部のほぼ反対側に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のリリースクリップ。
【請求項5】
外側のグリップ面を更に有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のリリースクリップ。
【請求項6】
前記グリップ面は、該グリップ面から、グリッピング本体に対してほぼ垂直に突出しているフランジを有していることを特徴とする請求項5記載のリリースクリップ。
【請求項7】
前記グリップ面およびフランジは、管状本体の長手方向割れ目部とはほぼ反対側に位置する領域において周方向に沿う凹部すなわち開口を有していることを特徴とする請求項6記載のリリースクリップ。
【請求項8】
前記リリースクリップおよび/またはフランジには、リリースクリップの長手方向割れ目部の全部または一部に溝−舌形状が形成されていることを特徴とする請求項7記載のリリースクリップ。
【請求項9】
前記グリップ面は、リリースクリップをチューブコネクタ内に押込むときに、より良いグリップを付与するための溝または隆起部を有していることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載のリリースクリップ。
【請求項10】
前記フランジは、リリースボディへの湾曲遷移部を有していることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載のリリースクリップ。
【請求項11】
プラスチック材料で作られていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載のリリースクリップ。
【請求項12】
前記リリースボディは薄壁であることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載のリリースクリップ。
【請求項13】
前記グリップ面は2つの別個の部分で形成されており、各部分は、それぞれ、管状本体の周囲の一部の回りで、ヒンジに隣接する位置から割れ目部まで延びていることを特徴とする請求項4から12のいずれか1項記載のリリースクリップ。
【請求項14】
前記フランジは2つの別個の部分で形成されており、各部分は、それぞれ、管状本体の周囲の一部の回りで、ヒンジに隣接する位置から割れ目部まで延びていることを特徴とする請求項4から13のいずれか1項記載のリリースクリップ。
【請求項15】
前記フランジの一方の別個部分には、他方の別個部分の端部分に形成されたカットアウト部分により受入れられることができる端部分が形成され、使用時に両フランジ部分がヒンジの回りで旋回運動するときに、端部分が切り出し部により受入れられるように構成されていることを特徴とする請求項14記載のリリースクリップ。
【請求項16】
前記2つの別個部分の2つのそれぞれの対向端部分の各々には、それぞれの切り出し部分により受入れられることができるそれぞれの端部分突出部が形成され、使用時に両フランジ部分がヒンジの回りで旋回運動するときに、第一端部分が第一切り出し部により受入れられてリリースクリップが開き、管状要素上に配置できるようになり、両フランジ部分がヒンジの回りで旋回運動するときに、第二端部分が第二切り出し部により受入れられてリリースクリップが管状要素の周囲で閉じられるように構成されていることを特徴とする請求項15記載のリリースクリップ。
【請求項17】
1対のウェブを有し、それぞれのウェブはヒンジの両側に配置されており、リリースクリップの割れ目部を開くのに使用できることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項記載のリリースクリップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−537081(P2008−537081A)
【公表日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507583(P2008−507583)
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際出願番号】PCT/NO2006/000145
【国際公開番号】WO2006/112727
【国際公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(506261545)コングスベルイ オートモーティヴ アクティーゼルスカブ (5)
【Fターム(参考)】