説明

リン化合物の吸収のための経口組成物

本発明は、特に高リン酸塩血症に冒されている被験者における、血中リンレベルを低下するのに有用な医薬を提供する。より具体的には、本発明は、腸菅の液体、特に唾液からリン化合物を吸収する目的で、絶食時間に経口経路によって投与する医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学、特に医薬の分野に関し、そして特に、高リン酸塩血症に冒されている被験者における血中リンレベルを低下させるという問題を扱う。より具体的には、本発明は、腸菅の液体からリン化合物を吸収することができる経口経路によって投与する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
高リン酸塩血症は、透析を受けている患者における異なる疾患(例えば、不適当な腎機能、腎疾患、腎不全;上皮小体低下症;骨粗鬆症、アテローム硬化症)に起因する病理的な疾患である。この問題の総説については、米国特許第5,496,545号およびその中に引用されている文献を参照。
【0003】
血管、心筋、および心臓弁の石灰化に起因する循環器系の変質は、尿毒症患者における第1の死亡率および罹患率の原因である(ブルケ(Burke), S. K.による, Seminars in Nephrology, 24巻, n°5, 403-407, 2004;レビン(Levin), N. V.らによる; Seminars in Nephrology, 42巻, n°55, 396-400, 2004)。
【0004】
保存療法における、透析を受けているかまたは慢性腎不全に冒されている患者のほんどは、血中リンレベルの増大を示し、これは、骨組織以外の組織中での石灰化に関与し、そして循環器系の死亡率の危険の増大に関与する(モエ(Moe), S. M.による, Seminars in Nephrology, 24巻, n°5, 413-416, 2004;エクノヤン(Eknoyan), G.らによる, Am. Kidney Dis., 42, 4, 1-204, Oct. 2003)。
【0005】
リン摂取は食品に伴って生じ、それを回避すること非常に困難である。例えば、透析を受けている患者は肉、リンが豊富な食品を食べなければいけない。一方で、低タンパク質の食品は低量のリンを有するが、しかし、その使用により、栄養失調症を決定することがある。
【0006】
尿毒症患者における上皮小体低下症の予防および/または早期の処置は罹患率および死亡率の危険を低下することができることが、科学的な証拠によって実証されている。その上、血中リンレベルの増大は、細胞中でのより高いカルシウム沈着、骨組織タンパク質、酵素合成、および血管石灰化の危険の増大を刺激し得る(ブルケ(Burke)による、同書)。
【0007】
従って、血中リンレベルのコントロールは、この種の患者における循環器系の罹患率および死亡率を低下させるために必要な作用であるが、しかし、これは、個体群(特に、循環器系疾患の危険に曝露されている個体群)における一般的な健康の予防でもあり得る。
【0008】
今日では、高血中リンレベルは、ビタミンD、または経口経路によって投与する場合にキレート作用によってリンと結合し(リン結合剤)そして糞便経路によってそれを排除する物質によって処置する。リンを排除するというそれらの作用においては有効であるが、これらの物質のいくつかは、それらの副作用(これは、ある場合には非常に激しいことがあり得る)のために避けなければいけない。例えば、カルシウム、マグネシウム、またはアルミニウムを含有する物質は、当該分野における専門家によって回避される。ランタンは有効な吸収性物質であるが、しかし、その毒性は本分野におけるその使用を妨害する。
【0009】
現行の処置は、適当な薬物を食品に混入させて投与することによって、食品、リンの主要な供給源からリンを吸収することに焦点が当てられている。
【0010】
該先行療法は、非吸収性のカルシウムおよび金属なしのリン結合剤で代表される。成功裏に市販されている薬物は、ポリアリルアミンをベースとする、セベラマー(Sevelamer)(リナジェル(Renagel)(登録商標))である。米国特許第5,496,545号、米国特許第5,667,775号、米国特許第6,756,363号、および米国特許第6,562,329号を参照。
【0011】
現行の療法は、食品中のリン内容物と結合することによって食事性のリン摂取を制限するためだけに使用されるが、しかし、これは、血中リンレベルおよび細胞含有量にとっては効果がない。
【0012】
高いリンレベルの処置の改善の問題は、特に、腎疾患に冒されている患者(特に、透析を受けている尿毒症の患者)に関する該処置の重要さの観点から、当該分野における当業者によっていまなお強く望まれている。
【0013】
本発明者は、絶食期間中に、かなりの量のリンが唾液(これは、絶えず経口摂取される)および胃分泌液中に分泌され、その結果、食事時にとる薬物の治療学的なまたは予防学的な作用をいくらか無効にしていることを見出した。
【0014】
この現象によって、リンは身体中で再循環され、そして、高い血中レベルを保つのに寄与し、その結果、特に循環器系疾患の危険に曝されている患者(例えば、腎不全に冒されておりおよび/または定期的な透析を受けている患者)において、該危険の有効な対応を達成することを困難としている。
【発明の開示】
【0015】
(発明の概要)
本発明は、唾液および他の胃分泌物がかなりの量のリンを含むという発見に基づく。特に、唾液は、リンの主要な供給源(該リンは次いで、身体中で再循環される)であると考えられる。
【0016】
今回、絶食期間中に投与する場合にリンと結合することができる物質の経口組成物は、高リン酸塩血症の改善された処置を与えることを見出した。
【0017】
該改善された処置の特質により、該経口組成物は、リン化合物と結合することができる物質の連続的な徐放性(slow release)を特徴とする。
【0018】
従って、本発明の目的は、リン化合物と結合することができる物質の持続性の連続的な徐放性を特徴する、連続的な徐放性経口組成物である。
【0019】
本発明は、血中リンレベルを処置するための改善された方法をも含む。特に、本発明は、絶食期間中にリン化合物と結合することができる物質を含有する連続的な徐放性経口組成物を、該処置が必要な被験者に投与することによって、高い血中リンレベルを処置するための方法を提供する。
【0020】
本発明によれば、血中リンレベルのより良好な制御は、患者にとっての即効の利点および循環器系合併症の危険の低下を伴って達成される。
【0021】
本発明のこのおよび他の目的および利点は、実施例によっても詳細に開示する。
【0022】
(発明の詳細な記載)
本発明の目的のために、経口組成物は、被験者に経口経路によって投与することができるいずれかの組成物であると企図する。
【0023】
本発明の目的のために、連続的な徐放性経口組成物はまた、該有効成分を胃腸管、包含される経口的な環境中に連続的な様式で放出する組成物をも企図する。この特徴は、有効成分の胃腸管中での連続的な徐放性のために特別に設計された経口組成物(例えば、いわゆる「クロノイド(cronoids)」、または持効型もしくは遅延型の放出タイプ)だけでなく、十分な期間、口腔中に保持される時に該有効成分を徐放性様式で連続的に放出するいずれかの組成物をも包含する。
【0024】
経口組成物の例は、丸剤、トローチ剤、錠剤、カプセル剤、粉末状の組成物、液剤、懸濁剤、乳剤(ゲルの形態が好ましい)である。本発明によれば、食事性の分野に属する組成物(例えば、キャンディ、グミキャンディ、チューインガムなどの菓子)もまた、経口組成物と考える。
【0025】
本発明の目的のために、リン化合物を吸収することができる物質として、糞便経路による排除まで物質の胃腸管の通過の間に安定な様式でリンと結合することができる医薬としての使用のためのいずれかの物質を企図する。リン結合の例としては、いずれかの種類の化学的な結合(例えば、イオン結合、共有結合、ファンデルワールス相互作用、キレート現象)を挙げられる。
【0026】
リンを吸収することができる物質の例は、リン酸塩結合性高分子(例えば、米国特許第5,496,545号および関連特許に開示および記載されているもの)を挙げられる。現在市販されているこれらのリン酸塩結合性高分子は、ポリアリルアミン塩酸塩(セベラマー−リナジェル(登録商標))、ポリアリルアミンカーボネートおよびそれらの他の医薬的に許容し得る塩、ランタンの医薬的に許容し得る塩(例えば、炭酸塩)、水酸化アルミニウム、マグネシウムの医薬的に許容し得る塩(例えば、酢酸塩、炭酸塩)、カルシウムの医薬的に許容し得る塩(例えば、炭酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、アルギン酸塩)、およびケト酸の医薬的に許容し得る塩(例えば、上記米国特許第5,496,545号中に記載されているもの);医薬的に許容し得るアニオン性イオン交換樹脂(例えば、ダウエックス(Dowex)(登録商標)(スチレン−ジビニルベンゼンアニオン交換樹脂)としてよく知られるものを含む)、医薬的に許容し得るリン結合性多糖類を挙げられる。ポリアリルアミン塩酸塩は、リン酸塩結合性高分子のクラスとして本発明の好ましい実施態様である。リン酸塩結合性多糖類のクラスとしての本発明の最も好ましい実施態様は、キトサンである。
【0027】
本発明の最も好ましい実施態様において、キトサンはまた、食品からリン化合物を吸収する目的で、高リン酸塩血症の通常の処置(例えば、食事での該医薬の投与を含む)のための医薬の製造にも使用する。
【0028】
本発明の目的のために、リン化合物としては、身体中に吸収された場合に増大することによってリン酸塩血症に影響を及ぼす、リンを含有するいずれかの物質(例えば、リン酸塩)を企図する。
【0029】
胃腸管中に吸収され得るリンを吸収することができる物質またはそれらの投与が副作用を暗示し得る場合には、本発明は、リンと結合することができる物質の徐放性放出を特徴としそして該物質が胃腸管中には実質的に吸収されないことを特徴する、経口組成物で具現化される。この種類の物質の例としては、水酸化アルミニウム、および/または水酸化マグネシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウムを挙げられる。
【0030】
本発明の目的のために、胃腸管中に実質的に吸収されないこととして、吸収がないか若しくは検出できないか、血中リン酸塩レベルを増大しないか、または該物質を経口投与される被験者において副作用を伴わないことを企図する。
【0031】
本発明の第1の好ましい実施態様は、被験者の口腔中で長時間、保持され得る経口組成物である。該組成物の例としては、咀嚼錠、サッシェ、口腔洗浄薬、チューインガム、グミキャンディ、吸い型(sucking)錠剤、またはキャンディを挙げられる。これらの組成物は、連続的な徐放性性質を有しなければいけない。チューインガムは、長期間(何時間でさえも)、口腔中に保持し得るので、より好ましい実施態様である。
【0032】
本発明の第1の実施態様は、リン酸塩の分離(sequestration)が、口腔(特に、唾液(これは、再循環性のリンの主要な供給源である)から)中で生じ、そして、一旦該組成物がその範囲を達成する(すなわち、それがその吸収能力を枯渇される)と、該組成物を該口腔から直接に取り出すことができ、そして新規な単位用量を採用することができるという理由で有利である。これにより、該組成物を嚥下し、そして胃腸管がリンをロードされた組成物の存在と戦う(engage)ことを回避することができ、その結果、該被験者は胃腸管中でのリンのあり得る放出または該組成物の有効な排除について心配する必要はない。
【0033】
本発明の第2の好ましい実施態様は、被験者の口腔中に一定時間、部分的に保持することができそしてその後に嚥下することができる、経口組成物である。該組成物の例としては、咀嚼錠、グミキャンディ、またはキャンディを挙げられる。これらの組成物は、徐放性の特質を賦与されていなければいけない。
【0034】
本発明のこの第2の実施態様は、リンの分離(リン酸塩の形態が好ましい)が、口腔(特に、唾液(これは、再循環性のリンの主要な供給源である)から)中で生じ、そして、一旦、該組成物がその範囲を大部分達成する(すなわち、それがその吸収能力のかなりの部分を利用される)と、胃腸管からの吸収作用を続ける目的で嚥下することができるという理由で有利である。このことにより、該組成物の1回単位用量または1回投与を用いて該胃腸管からの意図する処置を行なうことが可能となる。
【0035】
この第2の実施態様はまた、本発明に従って組成物を経口摂取し、そして第1の実施態様に従って組成物を摂取し、吸収能力の枯渇までそのものを口腔中で長時間保持することによっても実施することができる。該2個の単位用量、直ちに嚥下される第1の単位用量、および治療ユニットとしての該結合剤の枯渇まで口腔中に保持される第2の単位用量は、単一の治療学的な単位用量中に有利にパッケージし得る。当該分野の当業者は、単位用量の数および形態を変え、次いで治療ユニットに、少なくとも1個の第1の単位用量および少なくとも1つの第2の単位用量を供することによって、該治療ユニットを修飾することができる。
【0036】
経口摂取される組成物の好ましい例は、粉末状組成物(例えば、粉末形態の組成物を含有するサッシェ)を挙げられる。嚥下可能な組成物の他の形態は当該分野においてよく知られ、例えば、カプセル剤、丸剤、シロップ剤、即座もしくは使用準備中の液剤、懸濁剤、乳剤を挙げられる。該粉末状組成物は、適当な飲用可能な液体中に可溶であり、一部可溶であり、不溶であり、または該液体中の懸濁液もしくは乳液を与え得る。
【0037】
該第1および該2の実施態様の興味深い組み合わせは、口腔洗浄液の形態で一定期間、口腔中に保持され、引き続いて嚥下することができる組成物である。
【0038】
本発明に記載する処置は、絶食期間中に実施する。興味深いことに、本発明に記載する方法は、当該分野の現状の1つ、すなわちリンを吸収することができる物質の食時時間での投与と有利に組み合わせることができる。この方法において、血中リンレベルの良好な制御を達成することができる。
【0039】
本発明の別の好ましい実施態様において、該組成物、特に口腔中に保持される組成物は、リンの完全な吸収、すなわち、該組成物の単位用量の吸収能力の枯渇、をシグナル伝達する検出手段を供する。この方法において、患者は、該枯渇した組成物を廃棄するかどうか、および医学的なアドバイスに従って別の組成物を採用するかどうかを決定することができる。
【0040】
検出手段の好ましい実施態様は、リンの存在下で色を変えたりまたは着色する物質である。当該分野の当業者は、本発明を実施する目的で、通常の一般的な知識内に上記の検出手段についての情報を見出すであろう。
【0041】
別法として、本発明に記載する組成物は、唾液中のリンレベル(例えば、リン酸塩の形態で)を調べ、そして処置の期間、すなわち、どれだけ長く該組成物を口腔中に保持するか、を測定する目的で、別の検出手段を供することができる。該検出手段の適当な例は、トーベイ(Tobey) S. L.による, Anslyn EV; Org. Lett., 2003 Jun 12; 5(12): 2029-31中に知ることができる。
【0042】
本発明は、セルフメディケーションに適当であると理解される。
【0043】
リン結合剤がセベラマーである本発明の実施態様において、好ましい医薬組成物は、250、500、または1,000mgのセベラマーを含有する徐放性錠剤によって示される。これらの錠剤は、それぞれ、唾液およびpHが約7の胃腸管の分泌液に由来するリンの約46.75mg、93.50mg、および187mgと結合する。該錠剤は、昼間および夜間の絶食の間に有効であるように設計するが、しかし、そのものはまた、医学的な処方に従って1日の異なる時期に使用することもできる。
【0044】
本発明の組成物中のリン結合性剤の用量は、標準的な用量発見試験に従って当該分野の当業者によって決定する。しかしながら、該結合剤の用量は、生理学的なレベルに関しては過剰量のリンを除去するのに十分な量であることが好ましい。歯への損傷を避ける目的で、そのものを生理学的なレベルよりも低いレベルでもたらすような量でリンを除去することは望ましくはない。
【0045】
徐放性錠剤は当該分野の当業者の通常の知識の範囲内であり、そして実施可能性の開示は、通常の教科書(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 最新版, Mack Publishing and Co.)中で知る。
【0046】
関心ある有効成分の徐放性のための適当な製剤の選択のために、多くの文献が当該分野の当業者にとって利用することができ、例えば、米国特許第5.686,094号およびその中に引用されている文献を参照。米国特許第5,879,710号およびその中に引用されている文献は、本発明の目的に適当な粘膜接着性の医薬的な剤形の1例である。米国特許第6,395,029号およびその中に引用されている文献は、ポリアニオン性有効成分(例えば、セベラマー)の徐放性を意味する。咀嚼性ソフトゲルは、米国特許出願2004/0076664号およびその中に引用されている文献中に記載されている。
【0047】
通常、該錠剤は、少なくとも1つの医薬的に許容し得るビヒクルおよび/または賦形剤を含む。該ビヒクルおよび賦形剤の例は、無水もしくはモノ水和物のラクトース、ポビドン、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカラメロース(croscaramellose)ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、E 171、E 172、マンニトール、ラウリル硫酸ナトリウム、イプロメロース(ipromellose)、メタクリル酸共重合体、マクロゴール、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、サッカロース、デンプン、ソルビトール、マンニトール、芳香剤、サッカリンナトリウム、コロイド状シリカを挙げられる。
【0048】
錠剤は、リン吸収の所望する効果が生じるであろう場所に応じて、咀嚼しまたは嚥下することができる。
【0049】
リン結合剤がセベラマーである本発明の実施態様において、別の好ましい医薬組成物は、同じかまたは異なる量のセベラマーを含有するカプセル剤によって示される。これらのカプセル剤は、それらが摂取されそして嚥下されるという理由で、上記の錠剤と同じ方法であるが、主に胃腸管中で有効であるように設計される。
【0050】
徐放性カプセル剤は、当該分野における当業者の通常の知識の範囲内であり、そして実施可能性の開示は同教科書中に見出される。
【0051】
通常、該カプセル剤は少なくとも1つの医薬的に許容し得るビヒクルおよび/または賦形剤を含み、そして軟または硬いタイプのものであり得る。該ビヒクルおよび賦形剤の例としては、ゼラチン、二酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウムを挙げられる。
【0052】
本発明の別の実施態様は、キャンディおよびグミキャンディによって示される。これらのキャンディは、唾液が分泌される口腔中で大部分有効であるように設計される。
【0053】
キャンディは当該分野における当業者の通常の知識の範囲内であり、そして菓子産業の分野はこの場合における近い技術分野であると考えることができる。
【0054】
通常、該キャンディは、有効成分、並びに菓子における使用のためのビヒクルおよび/または賦形剤を含む(例えば、Food Industries Manual (24版) ランケン(Ranken), M. D.; キル(Kill), R.C.; ベーカー(Baker), C. G. J.編, 1997 Springer-Verlagを参照)。賦形剤の例としては、マルチトールシロップ、アラビアガム、グリセロール、アスパルテーム、水素添加植物油、ゼラチン、ソルビトール、クエン酸、ペクチン、カラメルを挙げられる。
【0055】
可溶性粉末を含有するサッシェは本発明の別の実施態様であり、そしてそれらの製造は当該分野における当業者の通常の知識の範囲内である。
【0056】
ビヒクルおよび賦形剤の例は、マンニトール、スクロース、コロイド状シリカ、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースを挙げられる。濃厚な溶液、懸濁液、乳液、または好ましくはゲルを製造するのに適当な賦形剤もまた当該分野においてよく知られ、例えばアラン イメソン(Alan Imeson)による編, 第2版, Thickening and Gelling agents for Foodを参照。得られたゲル製剤は、口腔洗浄液の実施態様においてより好ましく、そしてこれは咀嚼が困難である患者にとって有利であろう。ゲル化剤の例としては、70%ソルビトールを挙げられる。
【0057】
通常の知識の範囲内において、例えば完全な溶解まで口腔中に保持される錠剤(例えば、吸い型(suckable)錠剤)は崩壊剤なしで製造され、そして糖類の高い含有量を有するであろう。適当な非崩壊剤(例えば、ワックス、パラフィン、脂肪)を使用する。
【0058】
連続的な徐放性組成物は、本発明の目的のために、徐放性組成物、持続性作用型組成物、複効性(repeat action)組成物、さもなければ通常「クロノイド(cronoids)」と呼ばれるもののいずれか1つを企図する(E. ラガジ(Ragazzi) Lezioni di Tecnica Farmaceutica, Edizioni Libreria Cortina Padova, 1982)。
【0059】
徐放性組成物は、通常の知識の一部である技術に従って製造される。
【0060】
例えば、差次的な(differential)放出性組成物は、差次的なコーティング剤を用いる造顆の手段によって製造することができる。該有効成分(本発明に記載する結合性剤)は、適当な賦形剤(例えば、ラクトース、デンプン)と一緒に混合し、そして均一な顆粒に変換し、このものを続いて、適当な物質(例えば、ラック、シェラック、ゼイン、ポリアクリル酸樹脂、ワックス、脂肪、例えばカカオバター、蜜蝋、ステアリン酸など)を用いてコーティングする。次いで、該顆粒を、適当な医薬的な単位用量(例えば、カプセル剤、錠剤、多重層錠剤)中で製造することができる。別法として、該有効成分を不活性な造顆担体(糖類、デンプンなど)上に接着し、そしてこのものを丸剤または糖衣丸剤に変換する。多重層錠剤(ここで、第1層は薬物の「破裂」を供し、そして第2または更なる層は薬物の連続的な徐放性を供する)は、有利な実施態様であり得る。差次的な崩壊性顆粒はまた本発明の適当な実施態様であり、ここでは、薬物は親油性賦形剤(ココアバター、水素添加油、ステアリン酸グリセリル、蜜蝋、カルナバロウ、飽和脂肪酸など)中に含有され、そして続いて、顆粒(これは、場合により所望する放出時間および部位に応じて異なる物質でコーティングし得る)中に変換される。
【0061】
「侵食性の(Erodible)」層もまた、有用な選択肢である。
【0062】
該有効成分はまた、適当な高分子マトリックス(これは、徐々におよび連続的に有効成分を放出する)中に含有され得る。例えば、イオン交換樹脂は、放出の所望する部位(口腔、胃、腸)のpHに応じて適当に選ぶことができる。
【0063】
本発明を実施するための最良の形態は、患者の意志で口腔中のリン結合剤の耐久性を制御することができるという理由で、チューインガムで示される。
【0064】
キャンディの場合と同様に、チューインガム製剤は、当該分野の当業者の通常の知識の範囲内である。例えば米国特許第3,818,807号およびその中に引用されている文献は正に、制御された芳香放出性組成物を有するチューインガムを教示する。米国特許第4,386,106号、第4,515,769号、およびその中に引用されている文献をも参照。欧州特許第0 427 505号およびその中に引用されている文献は、低カロリーチューインガムが患者にとって魅力的であり得るという理由で、本発明の興味深い実施態様を提供する。アイルランド(IE)特許第980990号およびその中に引用されている文献は、速効型放出もしくは徐放性またはその両方を有する、投薬用チューインガムの製造のための有用な情報を提供する。WO 02/074099および引用されるその関連技術をも参照。
【0065】
チューインガムの形態の本発明に記載する徐放性組成物の1つの可能な製剤は、ソルビトール、マンニトール、5%キシリトール、マルチトールシロップ、アスパルテーム、アセスルファムK、ガムベース、グリセロール、E320、多価アルコール、E903を含む。
【0066】
本発明に記載する徐放性組成物の別の可能な製剤は、ソルビトール、マンニトール、36%キシリトール、マルチトールシロップ、炭酸水素ナトリウム、アスパルテーム、アセスルファムK、ガムベース、グリセロール、E320、多価アルコール、E903を含む。
【0067】
本発明の別の最も良い実施態様において、処置が必要な被験者における、高血中リンレベルの処置のための方法、または血中リンレベルを制御するための方法は、本発明に記載する組成物の投与を含み、該組成物を直接に嚥下しまたは咀嚼し、そして嚥下し、その後に、チューインガム形態の本発明に記載する組成物を摂取し、そして該有効成分の結合能力の完全な枯渇まで口腔中でそのものを保持することができる。該チューインガムは、結合能力の枯渇をシグナル伝達するリン検出手段を含み得て、あるいは、該チューインガム単位用量は、唾液中のリン含有量を定期的に調べる目的で、別の検出手段を供することができる。
【0068】
全ての上記製剤は、本発明の通常の枠内で適用することができ、従って、これは、それらがヒトへの使用に適当な一般的なリン結合剤と一緒に使用することができることを意味する。
【0069】
その使用が副作用を暗示し得る該結合剤の場合には、該副作用を回避しまたは最小限とする目的で、いくつかの手段を使用する。
【0070】
例えば、水酸化アルミニウムもしくは別のアルミニウム誘導体または炭酸ランタンもしくは別のランタン誘導体が結合剤である場合には、例えば錠剤の形態では、アルミニウムを含有する粒子のサイズは、腸菅吸収を回避する目的で、3μmより大きい。
【0071】
1つの典型的な錠剤は以下のものを含む:
徐放性水酸化マグネシウム:250mg、
徐放性水酸化アルミニウム:250mg、
スクロース粉末、デンプン、ソルビトール、マンニトール、芳香剤、サッカリンナトリウム、ステアリン酸マグネシウム。
【0072】
所望する制吐作用性剤または運動正常用剤は、本発明の組成物に加えることができ、または該組成物と組み合わせて使用することができる。
【実施例】
【0073】
以下の実施例は更に本発明を例示する。
【0074】
(実施例1)
唾液中のリンの測定
a)透析処置を受けている尿毒症の患者
週に3回、ポリスルホン透析器を用いて定期的に重曹透析(HD)を受けている68尿毒症患者(47男性および21女性、年齢61.6±9.4)、および同年齢の30コントロールの健康被験者を含んだ。
【0075】
尿毒症患者は、少なくとも1年間、平均8.9±7.3年の期間、透析処置下にあった。全ての患者は、良好な臨床的な状態であった。
【0076】
週の真ん中(middle-week)の血液透析セッションの開始時に、絶食患者およびコントロール被験者は、血中リン(P)、カルシウム(Ca)、および副甲状腺ホルモン(PTH)を投与するために、採血を受けた。同時期に、リンおよびカルシウム濃縮物を投与するために、唾液の試料(2ml)を得た。
【0077】
カルシウムおよびリンは、試料の遠心分離後に、デイドベーリング社(Dade Behring Inc., Newark, U.S.A.)による可動性試薬カートリッジを用いる分光光度法によって投与した。その一方で、血中PTHは、イムライト(Immulite)2000無処置PTH、固相、2部位化学ルミネセンス酵素標識イムノメトリックアッセイ(Diagnostic Product Corporation, Los Angeles, U.S.A.)を用いることによって投与した。
【0078】
統計学的な分析は以下の通り行なった:HD患者における、唾液中のカルシウムおよびリン、並びに対応する血中レベルはゆがんでおり、対数的な変換を分析前に行ない、そして該結果は、95%信頼区間(CI)を有する幾何学的平均値として提示した。回帰分析は、唾液中のPレベルおよび他のパラメータの間の関連する関係を同定するためにHD患者に使用した。他の変数をコントロールする際に独立した回帰分析によって形成される連関を実証するために、複数の回帰分析を行なった。対応のない(Unpaired)スチューデントt検定を使用して、コントロールおよびHD患者の間で対数変換した唾液中のPを比較した。差違は、95%信頼区間(CI)を有する幾何学的平均値の比率として解釈することができる。唾液中のPの平均値についての区間の上限をコントロールにおいて算出し、そしてコントロールおよびHD患者の間でのこの値についての関係を確立した。
【0079】
HD患者は、以下を示した:
−血中Ca 8.73 mg/dl(幾何学的平均値)−95% CI、8.49〜8.98;
−唾液中Ca 7.21 mg/dl(幾何学的平均値)−95% CI、6.58〜7.91;
−血中P 5.73±1.31 mg/dl(平均値)−95% CI、5.41〜6.04;
−唾液中P 30.27 mg/dl(幾何学的平均値)−95% CI、26.50〜34.58;
−PTH 5.73±143.63 pg/ml(平均値)−95% CI、110.57〜167.69;
−唾液中P 30.27 mg/ml(幾何平均値)−95% CI、26.50〜34.58。
【0080】
コントロールは、以下を示した:
−唾液中P 12.66±5.25 mg/dl(平均値)−95% CI、10.58〜14.73。
【0081】
コントロールにおける唾液中のPの平均値について、信頼区間の上限(14.73 ml/dl)のカットオフを考慮すれば、68被験者のうち62は、カットオフよりも大きな値を有した。
【0082】
唾液中のPは、HD患者における血中Pと有意に相関した(r=0.53、p<0.0001)。
【0083】
毎日の唾液の分泌量の範囲は1,000から1,800mlの間であると考慮すれば、HD被験者の唾液腺は302.7〜544.86mlの範囲のリン酸塩の総量を分泌することができると算出された。
【0084】
b)保存療法下での慢性腎不全の患者
保存療法下での110患者(59男性および51女性、年齢65;17〜90)は、メッシーナ(Messina, イタリア国)におけるパラルド病院(Papardo Hospital)での透析ユニットでランダムに選別した。リンアッセイを妨害することが知られる薬物を用いた処置下にある患者を排除するように、注意を払った。治験プロトコールは、血中クレアチニンアッセイおよび血中リンアッセイ、並びに唾液中リンアッセイを含んだ。終夜の絶食後に、血液(4ml)および唾液(2ml)の試料を午前8時に採取した。糸球体濾過率(GFR)を、下記のMDRD式に従って算出した。
[GFR (ml/分/1.73 m2) = 186×(血中クレアチニン)-1.154×(年齢)−0.203×(女性の場合は、0.742)]
【0085】
唾液中および血中のリン(P)、年齢(歳(yrs))、GFR、並びに血中クレアチニンの値が歪むにつれて、更なるパラメトリック分析を行なう前にデータを対数変換した。該結果を、平均値および幅として提示する。唾液中のPおよび人口統計学(年齢)、および臨床的な特質の間のあり得る関連する相関を評価するために、重回帰分析を使用した。他の変数をコントロールする場合の1変数分析によって形成される連関を実証するために、後退選択段階式重回帰分析(backward stepwise multiple regression analysis)を行なった。簡潔なモデルの結果を示す。性別間での差違を、対応のないスチューデントt検定によって試験した。
表1
110被験者における臨床データ
【表1】

表2
唾液中のPを予測するための後退選択段階式重回帰モデル;最終モデル
【表2】

調節されたR=72.61パーセント
【0086】
臨床データを表1に示す。正の関係(r=0.85、標準誤差=0.31、P<0.0001)が唾液中のPおよびクレアチニンの間に見出され、測定の指標(R)は71.5パーセントであった。より低い程度で、同じことが年齢についてあてはまった(r=0.45、標準誤差=0.52、P<0.0001)。負の連関が、GFRについて見出された(r=−0.85、標準誤差=0.32、P<0.0001)。予想通り、年齢(r=0.39、標準誤差=0.32、R=15.4パーセント、P<0.0001)および血中P(r=0.50、標準誤差=0.17、R=24.9パーセント、P<0.0001)の両方について、クレアチニンの正の関係が存在した。血中Pおよび年齢の間には関係は全く見出されなかった。男性の罹患率は、唾液中のP(P=0.002)、クレアチニン(P=0.08)、および年齢(P=0.002)として見出された。後退選択段階式重回帰分析は、唾液中のPの独立した予測としてクレアチニンおよび年齢のみを選択した(表2)。
【0087】
(実施例2)
キトサン製剤
リン酸塩の量を分離した中および低−粘性のキトサンを、1次元スペクトル取得を有する500MHzの高分解能31P−NMR(HR−NMR)によって300°Kで測定した。
【0088】
該分析は、2個の異なるプロトコールに従って行なった:
a)低−と中−粘性のキトサン(フルカ社製, カタログ番号50494およびカタログ番号28191)および、PBS(リン酸塩緩衝化生理食塩水−シグマ社製)を有する異なる濃度の溶液との相互作用を研究し、そして同じ実験条件下での純粋なPBSおよびキトサン含有PBSの間でのリン酸塩の量の差違を比較し;
b)文献(チャング(Yong Zhang)およびチャング(M. Zhang)による, J. Biomed. Mater. Res., 2002, Dec. 5, 5, 62(3): 378-86)に従って、PBSと異なる濃度の中粘性キトサン溶液との相互作用を研究した。
【0089】
プロトコールa)
低−および中−粘性のキトサンの0.2、1.0、および1.5gを、PBS(10ml)に加えて、2、10、および15%p/vのキトサン溶液を得た。
【0090】
最後に、溶液を残渣試料の遠心分離によって分離した。
【0091】
溶液(0.5ml)をNMR分析のためにサンプリングし、そして0.1 DOを加えた。
【0092】
該結果を以下の表1に示す。
表1
【表3】

【0093】
プロトコールb)
中−粘性キトサンのそれぞれ1.0および2.0gを0.2M 酢酸(10ml)中に溶解して、10および20%p/vのキトサン溶液を得た。その後に、該得た溶液を50℃で約2時間撹拌して、均一な高分子溶液を得た。該溶液をろ過して空気泡を除いた。該ろ過溶液にPBS(0.0931g)を加えて、そしてこれを−20℃で凍結して固体を分離した。液相を、NMR分析のために除去した。
【0094】
0.5mlの被験溶液および基準(PBS)溶液をNMR分析のためにサンプリングし、そしてこのものに0.1 DOを加えた。
【0095】
該結果を、以下の表2中に示す。
表2
【表4】

【0096】
同様な結果を、コラーゲンおよび生体適合性高分子を用いて得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン化合物結合性剤、並びに少なくとも1つのその医薬的に許容し得るビヒクルおよび/または賦形剤を含有する、連続的な徐放性の経口医薬組成物。
【請求項2】
該組成物は、丸剤、トローチ剤、錠剤、カプセル剤、粉末状組成物、液剤、懸濁剤、乳剤、および菓子からなる群から選ばれる、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
該リン化合物結合剤は、リン酸塩結合性高分子、ランタンの医薬的に許容し得る塩、マグネシウムの医薬的に許容し得る塩、カルシウムの医薬的に許容し得る塩、ケト酸の医薬的に許容し得る塩、医薬的に許容し得るアニオン性イオン交換樹脂、医薬的に許容し得るリン結合性多糖類からなる群から選ばれる、請求項1または2のいずれかに記載の組成物。
【請求項4】
該リン結合性剤は、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアリルアミン炭酸塩、炭酸ランタン、水酸化アルミニウム、酢酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、アルギン酸カルシウム、スチレン−ジビニルベンゼンアニオン交換樹脂、およびキトサンからなる群から選ばれる、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
該リン結合性剤はリン酸塩結合剤である、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
該組成物は、咀嚼錠、サッシェ、シロップ、口腔洗浄薬、チューインガム、グミキャンディ、吸い型錠剤、および吸い型キャンディからなる群から選ばれる、請求項1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項7】
該組成物は、該組成物の単位用量の吸収能力の枯渇をシグナル伝達するための検出手段を供する、請求項1〜6のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項8】
該検出手段は該組成物中に含まれる、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
絶食期間中に高リン酸塩血症を処置するための医薬の製造における、リン結合性剤の使用。
【請求項10】
該医薬は、腎疾患、腎不全、上皮小体低下症、骨粗鬆症、およびアテローム硬化症からなる群から選ばれる疾患において使用する、請求項9記載の使用。
【請求項11】
該医薬は、透析処置を受けている尿毒症患者において使用する、請求項10記載の使用。
【請求項12】
該医薬は、保存療法下の慢性腎不全の患者において使用する、請求項10記載の使用。
【請求項13】
該医薬は、該結合性剤の枯渇まで口腔中に保持される、請求項9〜12のいずれか1つに記載の使用。
【請求項14】
該医薬は、該結合性剤の部分的な枯渇まで口腔中に保持され、その後に該医薬は嚥下される、請求項9〜12のいずれか1つに記載の使用。
【請求項15】
該医薬は少なくとも1つの治療ユニットを含み、該治療ユニットは直ちに嚥下される該結合性剤の少なくとも1つの第1の単位用量、および該結合性剤の枯渇まで口腔中に保持される該結合性剤の少なくとも1つの第2の単位用量を含む、請求項9〜12のいずれか1つに記載の使用。
【請求項16】
高リン酸塩血症の処置のための医薬の製造における、キトサンの使用。

【公表番号】特表2008−523022(P2008−523022A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544881(P2007−544881)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【国際出願番号】PCT/EP2005/056289
【国際公開番号】WO2006/061336
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(507189116)
【氏名又は名称原語表記】Vincenzo SAVICA
【Fターム(参考)】