リーダライタの出力値自動調整方法
【課題】リーダライタの電波の出力値を自動的に最適に調整する出力値自動調整方法を提供する。
【解決手段】製品を載せたパレットまたは台車を、赤外線センサなどの検知センサが検知すると、リーダライタのアンテナからの電波出力値を最小値に設定し、RFIDタグのリード/ライトが可能になるまで、電波出力値を最小値から段階的に増加する。RFIDタグのリード/ライトが可能になったところで、RFIDタグのリード/ライト等の目的の処理を行い、処理が終了すると、電波出力を最小値に戻す。
【解決手段】製品を載せたパレットまたは台車を、赤外線センサなどの検知センサが検知すると、リーダライタのアンテナからの電波出力値を最小値に設定し、RFIDタグのリード/ライトが可能になるまで、電波出力値を最小値から段階的に増加する。RFIDタグのリード/ライトが可能になったところで、RFIDタグのリード/ライト等の目的の処理を行い、処理が終了すると、電波出力を最小値に戻す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDを用いて製品製造の管理を行う製造ラインなどに適用される、リーダライタのアンテナからの電波の出力値自動調整方法およびタグのリーダライタに関する。
【0002】
以下、リーダライタを製造ラインに適用した例について説明するが、本発明はRFIDのリード/ライトを行う他分野にて用いられるリーダライタへも適用可能である。
【背景技術】
【0003】
従来、製造ラインの管理は、製品に貼り付けられたバーコードを読み取り、読み取った情報を基に管理システムで行っていた。しかし、近年、RFIDの普及に伴って、製造ラインの管理をバーコードではなく、RFIDタグを製品に貼り付けて行うことがはじめられている。この場合、RFIDタグの情報を正確に読み取るには、RFIDリーダライタのタグへ照射する電波の強度を最適に設定する必要がある。
【0004】
従来では、リーダライタのRFIDアンテナからの電波の出力値は、人間が最初に手動操作で最適値を決定し、一度決定したあとは、変更しないまま運用していた。出力値の最適値の決定は、組み立て途中の製品(同一機種)の複数のサンプルを、手動で出力値を変えながら書き込み及び読み込みを実行し、より最適な値を取得することにより行っていた。
【0005】
また、リーダライタのアンテナからの電波の出力値は、製造工程毎に同一としていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のRFIDを使った製造ラインの管理システムでは、通信距離が長いUHF帯の電波を出し続けることにより、外部環境に悪影響を与える可能性があった。また、電波の出力値が固定値では、電波強度が小さい場合などには出力値が足りず、RFIDタグにアクセスできない場合があった。更に、異なる機種の製品が混合されて搬送されてくる状態で、製品の組み立てをする場合には、最適出力値の条件出しが難しいため、常に最大出力値としておく必要があった。
【0007】
本発明の課題は、リーダライタの電波の出力値を自動的に最適に調整する出力値自動調整方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の出力値自動調整方法は、製造ラインにおいて、リーダライタがタグを読み取って製造管理を行う製造システムにおけるリーダライタの出力値自動調整方法であって、リーダライタのアンテナからの電波の出力値を所定値に設定し、電波の出力値を所定値から増加して、製品に貼り付けられたタグのリード/ライトを行い、リード/ライト終了後、電波の出力値を所定値に戻す、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の出力値自動調整方法は、製造ラインにおいて、リーダライタがタグを読み取って製造管理を行う製造システムにおけるリーダライタの出力値自動調整方法であって、リーダライタのアンテナからの電波出力を最大にし、タグがリーダライタの読み取り可能範囲内に入ったら、ライト/リードを実行し、製品の運搬者に付帯しているタグを検知したら電波出力を小さくし、製品の運搬者に付帯しているタグ検知後、所定時間たったら電波出力を最大に戻す、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、最小限のエネルギーでデータのリード/ライトが可能となる。更に、電波の外部環境への影響を最小限にすることが可能となる。また、異機種混合で組み立てをする場合、つまり、電波受信条件が違う物体と通信する場合に、最小最適な電波出力値を自動で設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態においては、製造ラインにおいて、製品組み立て用パレットの検知後、または、台車の検知後に、電波出力値を自動的に増減させ、パレットまたは台車上のRFIDタグにデータのリード/ライト可能な値で増減を停止させ、リードライト可能な最小限の値でRFIDタグにアクセスするようにする。また、所定の条件が揃った時点で電波の出力値を抑えることにより外部環境への放出エネルギーを最小に抑えるようにする。
【0012】
図1は、RFIDを用いた製造ラインの管理システムのシステムブロック図である。
製造ラインにおいては、RFIDタグ15が貼り付けられた製品16がコンベア18に載せられて移動する。なお、RFIDタグ15は製品16に直接取り付けても良く、また製品16を搭載してコンベア18上を搬送されるパレットなどに間接的に取り付けても良い。コンベア18の傍には、各工程の作業を行う各作業者17−1〜17−3がいて、製品に作業を施す。また、各工程には、アンテナを備えるリーダライタからなるRFID制御部14−1〜14−3がそれぞれ設けられる。RFID制御部14−1〜14−3には、製造ラインの管理システムである、ID管理システム10、作業指示システム11、工程管理システム12、試験システム13が接続される。ID管理システム10は、RFIDタグから読み取られるIDに基づいて、製造ラインに流れている製品を管理するシステムである。作業指示システム11は、製造ライン上を製品が流れていく順にしたがって、作業者に行うべき作業の指示を行うシステムである。工程管理システム12は、製品が正しく各工程を経いているか否かを管理するシステムである。試験システム13は、RFIDを使った工程管理システムが正しく動作しているか否かを試験する場合に稼動するシステムである。RFID制御部14−1〜14−3には、製品のオーダー番号や、製造ラインの動作試験を行うための試験パラメータが管理システムから送られる。また、RFID制御部14−1〜14−3は、製品16に取り付けられたRFIDタグ15に格納されたRFIDタグIDを読み取り、管理システムに送信する。
【0013】
図2は、本発明の第1の実施形態を説明する図である。
図2は、ある製品の組み立てラインを模式的に示した図面である。図2においては、組み立てライン上で「組立」「高温試験」「システム試験」「出荷準備/梱包」「出荷」の各工程が行われるものとする。なお、組み立てラインは物理的に単一のラインを構成するものには限定されず、各工程が物理的に離間した位置で行われる可能性もある。また、図2に示された組み立てラインでは、組み立て対象の製品、あるいは製品を載置するパレット・台車などに貼付されたRFIDタグのリードライトを行うRFIDリーダライタが設けられている。各工程の開始・完了といったタイミングで、製品に付されたRFIDタグからRFIDタグIDなど製品を特定できる情報を読み取り、その読み取り結果を用いて製品組み立ての工程進捗状況を管理する。
【0014】
第1の実施形態においては、製品組み立てラインの各製造工程に、パレットや台車を検知するための検知センサ20を設ける。検知センサ20としては例えば赤外線センサを用いることができるが、センサは他種類のセンサを用いるようにしても良い。また、組み立てラインには、製品(パレット・台車を含む)に貼付されたRFIDタグ22を読み取るためのアンテナ21が設置されている。通常時には、アンテナ21からは最小値の電波が出力されている。この最小値は、例えば周囲環境に影響を及ぼさない程度の出力である。検知センサ20がパレット又は台車を検知したら、リーダライタのアンテナ21からの電波を自動的に最小値から次第に増加させながら、パレット上、または台車上の製品に貼付されたRFIDタグ22のリード/ライトを試みる。RFIDタグ22のリード/ライトが完了したところで、アンテナ21からの電波出力値を最小値に戻す。なお、通常時にはアンテナ21からは電波を出力しないようにしてもよい。
【0015】
図3は、本発明の第1の実施形態の処理フローである。
まず、ステップS10において、パレットまたは台車を検知センサが検知したか否かを判断する。ステップS10の判断がNoの場合には、パレットまたは台車が検知されるまで検知センサの検知動作を繰り返す。ステップS10の判断がYesの場合には、ステップS11において、リーダライタのアンテナの電波出力を最小値に設定する。なお、ステップS10の前では、リーダライタの出力の大きさは、環境に影響を与えない程度としておく。ステップS12において、RFIDタグのリード/ライトが可能か否かを判断する。ステップS12の判断がNoの場合には、ステップS13において、電波出力の設定値を1段階上げる。電波出力の設定値の増加ステップの大きさは、当業者によって適宜設定されるべきものである。ステップS13で、電波出力の設定値を上げたら、ステップS12に戻って、再び、RFIDタグのリード/ライトが可能か否かを判断する。この処理を、RFIDタグのリード/ライトが可能になるまで繰り返す。ステップS12において、RFIDタグのリード/ライトが可能になったと判断された場合には、ステップS14において、RFIDタグのIDを読み取るなどの目的の処理を行い、ステップS15において、アンテナからの電波出力を元の値に設定して、処理を終了する。
【0016】
以上により、アンテナからの電波の出力値は、必要なときだけ大きくなるので、環境への影響を小さくすることが出来る。また、電波の出力値を、実際にRFIDタグにリード/ライトできる大きさまで上昇するので、RFIDタグにアクセスできないという事態を防ぐことが出来る。
【0017】
図4は、本発明の第2の実施形態を説明する図である。
第2の実施形態においては、製品組み立てラインにおいて、アンテナ21からはRFIDタグ22のIDリードができる値の電波を定常的に出力しておき、RFIDタグ22がリード範囲内に入り、IDをRFIDタグ22からリードできたら、次第に電波出力を増加させながら、RFIDタグのライト/リードを試みる。ライト/リードが完了したところで最小値に戻す。ここで、図4の読み取り範囲は、リーダライタの電波が届く範囲であり、RFIDタグ22のIDがリードできる範囲である。
【0018】
図5は、本発明の第2の実施形態の処理フローである。
ステップS20において、製造ラインの稼動前に、手動で、RFIDタグをリード可能な電波のアンテナからの出力値を設定する。これは、試しに、RFIDタグが取り付けられた製品をリーダライタのアンテナの前を通過させて、RFIDタグから情報を読み取ることができるか否かを確認し、その結果によって電波出力を調整することで、RFIDタグをリード可能な電波の出力値を設定する。複数のアンテナが製造ラインに設けられている場合、個々のアンテナについて電波出力値の調整を行う。
【0019】
ステップS21において、製造ラインの稼動後、製造ラインを運ばれてくる製品に貼り付けられたRFIDタグのリードを試みる。ステップS21において、RFIDタグのIDのリードが出来ない場合には、リードの試行を繰り返す。ステップS21において、RFIDタグのリードが出来た場合には、RFIDタグが読み取り範囲内に存在するものと判断し、ステップS22において、RFIDタグに予め決められたデータを書き込む。製造ラインの場合には、この段階でRFIDタグに工程の進捗状況に関連するデータが書き込まれる。書き込まれるデータの一例としては、工程種別を識別する情報、作業開始・完了時間などの情報とすることができる。
【0020】
ステップS23において、RFIDタグに書き込んだデータがリード可能か否かを判断する。ステップS21では、予め決められた情報を読み取るだけであるので、比較的小さな電波出力でも良いが、ステップS22では、データを書き込むため、電波出力は、単にデータを読むよりも大きくなくてはいけない。したがって、ステップS23で、書き込んだデータが読めるかどうかを調べることによって、データの書き込みが正常に行えるほどの電波強度か否かを判断する。ステップS23の判断がNoの場合には、ステップS24において、電波の出力設定値を1段階上げ、ステップS22に戻る。電波の出力設定値の増加ステップは、当業者によって適宜決定されるべきものである。電波出力の増加は、ステップS22においてRFIDタグの読み取りが可能となるまで、段階的に行われる。
ステップS23の判断がYesの場合には、ステップS25において、RFIDタグのIDを読み取る等の目的の処理を行い(ステップS21〜S23で、RFIDタグのリードライトが可能になったので、RFIDタグのIDを改めて読み込んで、管理システムに通知すると共に、たとえば、所定の工程を完了した等の情報の書き込み等を行う)、処理を終了すると、ステップS26において、電波出力をRFIDタグのリード可能な電波出力値(ステップS20で設定した値)に設定して、処理を終了する。
【0021】
以上の実施形態においては、製品がコンベアに載せられて移動している場合を想定していたが、以下の実施形態においては、人が製品の載った台車を押して移動し、リーダライタのアンテナからの電波の範囲内に入った場合を述べる。
【0022】
図6は、本発明の第3の実施形態を説明する図である。
第3の実施形態では、図6(a)のように、アンテナ21からは最大出力の電波を通常出しておき、RFIDタグ22がリード/ライト範囲内に入ったら、RFIDタグのリード/ライトを実行し、終了させる。次に、図6(b)のように、人がRFIDタグの読み取り範囲内に入ってきたら、電波出力を低下させる。具体的には、人の手首などに付帯しているRFIDタグ(「人タグ」と呼ぶ)を検知したら、電波の出力を絞る。「人タグ」検知後はn秒(例:3秒)で出力を最大に戻す。
【0023】
図7は、本発明の第3の実施形態の処理フローである。
処理を開始したら、まず、初期状態において、ステップS30において、「人タグ」を検知したか否かを判断する。ステップS30の判断がYesの場合には、ステップS34に進む。ステップS30の判断がNoの場合には、ステップS31において、電波出力値を最大値に設定する。ステップS31の状態が、RFIDタグの読み取り待機状態である。ステップS32において、目的の処理(RFIDタグのリード/ライト等)を行い、ステップS33において、再び「人タグ」が検知されたか否かを判断する。ステップS33の判断がYesの場合には、ステップS35において、出力値を最小にし、ステップS34では、一般にn秒、たとえば、3秒待ってから、処理の最初に戻り、ステップS30から処理を繰り返す。ステップS33の判断がNoの場合には、「人タグ」が検知されるまで、「人タグ」が検知されるか否かの監視を行う。
【0024】
図8は、本発明の第4の実施形態を説明する図である。
第4の実施形態においては、アンテナからの出力値を通常は最小値にしておく。そして、検知センサ20間(赤外線センサ等)に台車が入った時にアンテナから最大出力の電波を出し、RFIDタグ22をライト/リードする。ライト/リード終了後は、アンテナからの電波の出力値を最小値に戻す。これにより、リード/ライト時間及び積算出力エネルギーを最小限にすることが可能となる。上記において、検知センサ20間は、前述の実施形態のリードライト範囲に対応する。
【0025】
図9は、本発明の第4の実施形態の処理フローである。
まず、ステップS40において、検知センサ間に台車が入ったか否かを判断する。ステップS40の判断がNoの場合には、ステップS40を繰り返す。ステップS40の判断がYesの場合には、ステップS41において、電波出力値を最大値に設定し、ステップS42において、目的の処理(タグのリード/ライト等)を行う。台車に載置されたRFIDタグ全てに対するリードライト処理が完了したら、ステップS43で、電波出力値を最小値に設定して、処理を終了する。
【0026】
図10は、本発明の第5の実施形態を説明する図である。
第5の実施形態では、人が台車を押して、アンテナ21からの電波が届く範囲内にRFIDタグが入った時にRFIDタグ22を読み取る。アンテナ21からはRFIDタグ22のIDがリードができる出力値の電波を出力しておき、RFIDタグ22がリードライト可能範囲内に入り、RFIDタグからIDをリードできたら、次第にアンテナからの電波の出力値を増加させながら、RFIDタグ22のライト/リードを試みる。ライト/リード終了後、初期値(IDリードができる値)に、アンテナ21からの電波の出力強度を戻す。
【0027】
図11は、本発明の第5の実施形態の処理フローである。
まず、ステップS50において、製造ラインの稼動前に、手動にてRFIDタグのリードが可能な電波の出力値を設定する。この動作は、図5ステップ20にて説明した動作と同様のものとすることができる。続いて、ステップS51において、台車に載せられた製品に貼り付けられたRFIDタグのリードを試みる。ステップS51でリードが出来ない場合には、タグがリード範囲内にないとして、ステップS51を繰り返す。ステップS51で、RFIDタグに格納された情報のリードが出来たと判断された場合には、タグが貼り付けられた製品がリーダライタによるリードライト可能範囲内に入ってきたものと判断し、ステップS52において、RFIDタグに所定の情報を書き込む。ステップS53において、RFIDタグに書き込んだ情報が読み取れるか否かを判断する。ステップS53の判断がNoの場合には、ステップS54において、電波出力の設定値を1段階上げる。電波出力の増加ステップの大きさは、当業者によって適宜決定されるべきである。ステップS54で、電波出力設定値を増加すると、ステップS52に戻る。
【0028】
ステップS53において、書き込んだ情報が読み取れると判断された場合には、ステップS55において、目的の処理(RFIDタグのリード/ライト等、ステップS51〜S53でのリード/ライトは、予め決められた値の書き込みと読み出しを行うものであり、リーダライタの電波出力を適切にするために行う処理であるが、ここでは、実際にRFIDタグのIDを四見取り、管理システムに通知し、製造ライン上を流れる製品の管理のための処理を行う)を行い、ステップS56において、電波出力をRFIDタグのリード可能な電波出力値に設定して、処理を終了する。 なお、上記第1〜第5の実施形態においては、それぞれを独立して説明したが、実際には、人タグ検出と他の実施形態との組み合わせ等も可能であり、本発明は、上記実施形態を相互に組み合わせた形態でも実現が可能である。
【0029】
(付記1)
製造ラインにおいて、リーダライタがタグを読み取って製造管理を行う製造システムにおけるリーダライタの出力値自動調整方法であって、
リーダライタのアンテナからの電波の出力値を所定値に設定し、
電波の出力値を所定値から増加して、製品に貼り付けられたタグのリード/ライトを行い、
リード/ライト終了後、電波の出力値を所定値に戻す、
ことを特徴とする出力値自動調整方法。
(付記2)
前記製造システムは、製品が搭載されているパレットあるいは台車を検出するパレット/台車検知センサを備え、
前記所定値は、電波の出力値の最小値であり、
パレットあるいは台車を検知後、リーダライタのアンテナからの電波の出力値を最小値から次第に増加させ、タグのライト/リード後に最小値に戻すことを特徴とする付記1に記載の出力値自動調整方法。
(付記3)
前記所定値として、リーダライタのアンテナからは、タグのIDのリードができる小さな値の電波を出力しておき、
タグのIDをリードできたら、電波の出力値を次第に増加させながらタグのリード/ライトを行い、リード/ライトの終了後、電波の出力値を最小値に戻すことを特徴とする付記1に記載の出力値自動調整方法。
(付記4)
前記製造システムは、製品が搭載されている台車が所定の範囲に入ったか否かを検出する検知センサを備え、
アンテナからの出力値を通常は最小値にしておき、
検知センサが検知する所定の範囲に台車が入った時にアンテナから電波を最大出力で出力し、タグをリード/ライトし、
リード/ライト終了後は、電波の出力値を最小値に戻す
ことを特徴とする付記1に記載の出力値自動調整方法。
(付記5)
電波の出力値の増加は、タグのリード/ライトが可能な最小限の出力値まで増加することを特徴とする付記1に記載の出力値自動調整方法。
(付記6)
タグを読み取リーダライタの出力値自動調整方法であって、
リーダライタのアンテナからの電波出力を最大にし、
タグがリーダライタの読み取り可能範囲内に入ったら、前記タグのライト/リードを実行し、
利用者に付帯しているタグを検知したら電波出力を小さくし、
前記利用者に付帯しているタグ検知後、所定時間たったら電波出力を最大に戻す、
ことを特徴とする出力値自動調整方法。
(付記7)
タグを読み取るリーダライタであって、
リーダライタのアンテナからの電波の出力値を所定値に設定する出力値設定手段と、
電波の出力値を所定値から増加して、製品に貼り付けられたタグのリード/ライトを行うリードライト手段と、
前記タグのリード/ライト終了後、電波の出力値を所定値に戻す復帰手段と、
ことを特徴とするリーダライタ。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】RFIDを用いた製造ラインの管理システムのシステムブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を説明する図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の処理フローである。
【図4】本発明の第2の実施形態を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の処理フローである。
【図6】本発明の第3の実施形態を説明する図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の処理フローである。
【図8】本発明の第4の実施形態を説明する図である。
【図9】本発明の第4の実施形態の処理フローである。
【図10】本発明の第5の実施形態を説明する図である。
【図11】本発明の第5の実施形態の処理フローである。
【符号の説明】
【0031】
10 ID管理システム
11 作業指示システム
12 工程管理システム
13 試験システム
14−1〜14−3 RFID制御部
15 RFIDタグ
16 製品
17−1〜17−3 作業者
18 コンベア
20 検知センサ
21 アンテナ
22 RFIDタグ
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDを用いて製品製造の管理を行う製造ラインなどに適用される、リーダライタのアンテナからの電波の出力値自動調整方法およびタグのリーダライタに関する。
【0002】
以下、リーダライタを製造ラインに適用した例について説明するが、本発明はRFIDのリード/ライトを行う他分野にて用いられるリーダライタへも適用可能である。
【背景技術】
【0003】
従来、製造ラインの管理は、製品に貼り付けられたバーコードを読み取り、読み取った情報を基に管理システムで行っていた。しかし、近年、RFIDの普及に伴って、製造ラインの管理をバーコードではなく、RFIDタグを製品に貼り付けて行うことがはじめられている。この場合、RFIDタグの情報を正確に読み取るには、RFIDリーダライタのタグへ照射する電波の強度を最適に設定する必要がある。
【0004】
従来では、リーダライタのRFIDアンテナからの電波の出力値は、人間が最初に手動操作で最適値を決定し、一度決定したあとは、変更しないまま運用していた。出力値の最適値の決定は、組み立て途中の製品(同一機種)の複数のサンプルを、手動で出力値を変えながら書き込み及び読み込みを実行し、より最適な値を取得することにより行っていた。
【0005】
また、リーダライタのアンテナからの電波の出力値は、製造工程毎に同一としていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のRFIDを使った製造ラインの管理システムでは、通信距離が長いUHF帯の電波を出し続けることにより、外部環境に悪影響を与える可能性があった。また、電波の出力値が固定値では、電波強度が小さい場合などには出力値が足りず、RFIDタグにアクセスできない場合があった。更に、異なる機種の製品が混合されて搬送されてくる状態で、製品の組み立てをする場合には、最適出力値の条件出しが難しいため、常に最大出力値としておく必要があった。
【0007】
本発明の課題は、リーダライタの電波の出力値を自動的に最適に調整する出力値自動調整方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の出力値自動調整方法は、製造ラインにおいて、リーダライタがタグを読み取って製造管理を行う製造システムにおけるリーダライタの出力値自動調整方法であって、リーダライタのアンテナからの電波の出力値を所定値に設定し、電波の出力値を所定値から増加して、製品に貼り付けられたタグのリード/ライトを行い、リード/ライト終了後、電波の出力値を所定値に戻す、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の第2の出力値自動調整方法は、製造ラインにおいて、リーダライタがタグを読み取って製造管理を行う製造システムにおけるリーダライタの出力値自動調整方法であって、リーダライタのアンテナからの電波出力を最大にし、タグがリーダライタの読み取り可能範囲内に入ったら、ライト/リードを実行し、製品の運搬者に付帯しているタグを検知したら電波出力を小さくし、製品の運搬者に付帯しているタグ検知後、所定時間たったら電波出力を最大に戻す、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、最小限のエネルギーでデータのリード/ライトが可能となる。更に、電波の外部環境への影響を最小限にすることが可能となる。また、異機種混合で組み立てをする場合、つまり、電波受信条件が違う物体と通信する場合に、最小最適な電波出力値を自動で設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態においては、製造ラインにおいて、製品組み立て用パレットの検知後、または、台車の検知後に、電波出力値を自動的に増減させ、パレットまたは台車上のRFIDタグにデータのリード/ライト可能な値で増減を停止させ、リードライト可能な最小限の値でRFIDタグにアクセスするようにする。また、所定の条件が揃った時点で電波の出力値を抑えることにより外部環境への放出エネルギーを最小に抑えるようにする。
【0012】
図1は、RFIDを用いた製造ラインの管理システムのシステムブロック図である。
製造ラインにおいては、RFIDタグ15が貼り付けられた製品16がコンベア18に載せられて移動する。なお、RFIDタグ15は製品16に直接取り付けても良く、また製品16を搭載してコンベア18上を搬送されるパレットなどに間接的に取り付けても良い。コンベア18の傍には、各工程の作業を行う各作業者17−1〜17−3がいて、製品に作業を施す。また、各工程には、アンテナを備えるリーダライタからなるRFID制御部14−1〜14−3がそれぞれ設けられる。RFID制御部14−1〜14−3には、製造ラインの管理システムである、ID管理システム10、作業指示システム11、工程管理システム12、試験システム13が接続される。ID管理システム10は、RFIDタグから読み取られるIDに基づいて、製造ラインに流れている製品を管理するシステムである。作業指示システム11は、製造ライン上を製品が流れていく順にしたがって、作業者に行うべき作業の指示を行うシステムである。工程管理システム12は、製品が正しく各工程を経いているか否かを管理するシステムである。試験システム13は、RFIDを使った工程管理システムが正しく動作しているか否かを試験する場合に稼動するシステムである。RFID制御部14−1〜14−3には、製品のオーダー番号や、製造ラインの動作試験を行うための試験パラメータが管理システムから送られる。また、RFID制御部14−1〜14−3は、製品16に取り付けられたRFIDタグ15に格納されたRFIDタグIDを読み取り、管理システムに送信する。
【0013】
図2は、本発明の第1の実施形態を説明する図である。
図2は、ある製品の組み立てラインを模式的に示した図面である。図2においては、組み立てライン上で「組立」「高温試験」「システム試験」「出荷準備/梱包」「出荷」の各工程が行われるものとする。なお、組み立てラインは物理的に単一のラインを構成するものには限定されず、各工程が物理的に離間した位置で行われる可能性もある。また、図2に示された組み立てラインでは、組み立て対象の製品、あるいは製品を載置するパレット・台車などに貼付されたRFIDタグのリードライトを行うRFIDリーダライタが設けられている。各工程の開始・完了といったタイミングで、製品に付されたRFIDタグからRFIDタグIDなど製品を特定できる情報を読み取り、その読み取り結果を用いて製品組み立ての工程進捗状況を管理する。
【0014】
第1の実施形態においては、製品組み立てラインの各製造工程に、パレットや台車を検知するための検知センサ20を設ける。検知センサ20としては例えば赤外線センサを用いることができるが、センサは他種類のセンサを用いるようにしても良い。また、組み立てラインには、製品(パレット・台車を含む)に貼付されたRFIDタグ22を読み取るためのアンテナ21が設置されている。通常時には、アンテナ21からは最小値の電波が出力されている。この最小値は、例えば周囲環境に影響を及ぼさない程度の出力である。検知センサ20がパレット又は台車を検知したら、リーダライタのアンテナ21からの電波を自動的に最小値から次第に増加させながら、パレット上、または台車上の製品に貼付されたRFIDタグ22のリード/ライトを試みる。RFIDタグ22のリード/ライトが完了したところで、アンテナ21からの電波出力値を最小値に戻す。なお、通常時にはアンテナ21からは電波を出力しないようにしてもよい。
【0015】
図3は、本発明の第1の実施形態の処理フローである。
まず、ステップS10において、パレットまたは台車を検知センサが検知したか否かを判断する。ステップS10の判断がNoの場合には、パレットまたは台車が検知されるまで検知センサの検知動作を繰り返す。ステップS10の判断がYesの場合には、ステップS11において、リーダライタのアンテナの電波出力を最小値に設定する。なお、ステップS10の前では、リーダライタの出力の大きさは、環境に影響を与えない程度としておく。ステップS12において、RFIDタグのリード/ライトが可能か否かを判断する。ステップS12の判断がNoの場合には、ステップS13において、電波出力の設定値を1段階上げる。電波出力の設定値の増加ステップの大きさは、当業者によって適宜設定されるべきものである。ステップS13で、電波出力の設定値を上げたら、ステップS12に戻って、再び、RFIDタグのリード/ライトが可能か否かを判断する。この処理を、RFIDタグのリード/ライトが可能になるまで繰り返す。ステップS12において、RFIDタグのリード/ライトが可能になったと判断された場合には、ステップS14において、RFIDタグのIDを読み取るなどの目的の処理を行い、ステップS15において、アンテナからの電波出力を元の値に設定して、処理を終了する。
【0016】
以上により、アンテナからの電波の出力値は、必要なときだけ大きくなるので、環境への影響を小さくすることが出来る。また、電波の出力値を、実際にRFIDタグにリード/ライトできる大きさまで上昇するので、RFIDタグにアクセスできないという事態を防ぐことが出来る。
【0017】
図4は、本発明の第2の実施形態を説明する図である。
第2の実施形態においては、製品組み立てラインにおいて、アンテナ21からはRFIDタグ22のIDリードができる値の電波を定常的に出力しておき、RFIDタグ22がリード範囲内に入り、IDをRFIDタグ22からリードできたら、次第に電波出力を増加させながら、RFIDタグのライト/リードを試みる。ライト/リードが完了したところで最小値に戻す。ここで、図4の読み取り範囲は、リーダライタの電波が届く範囲であり、RFIDタグ22のIDがリードできる範囲である。
【0018】
図5は、本発明の第2の実施形態の処理フローである。
ステップS20において、製造ラインの稼動前に、手動で、RFIDタグをリード可能な電波のアンテナからの出力値を設定する。これは、試しに、RFIDタグが取り付けられた製品をリーダライタのアンテナの前を通過させて、RFIDタグから情報を読み取ることができるか否かを確認し、その結果によって電波出力を調整することで、RFIDタグをリード可能な電波の出力値を設定する。複数のアンテナが製造ラインに設けられている場合、個々のアンテナについて電波出力値の調整を行う。
【0019】
ステップS21において、製造ラインの稼動後、製造ラインを運ばれてくる製品に貼り付けられたRFIDタグのリードを試みる。ステップS21において、RFIDタグのIDのリードが出来ない場合には、リードの試行を繰り返す。ステップS21において、RFIDタグのリードが出来た場合には、RFIDタグが読み取り範囲内に存在するものと判断し、ステップS22において、RFIDタグに予め決められたデータを書き込む。製造ラインの場合には、この段階でRFIDタグに工程の進捗状況に関連するデータが書き込まれる。書き込まれるデータの一例としては、工程種別を識別する情報、作業開始・完了時間などの情報とすることができる。
【0020】
ステップS23において、RFIDタグに書き込んだデータがリード可能か否かを判断する。ステップS21では、予め決められた情報を読み取るだけであるので、比較的小さな電波出力でも良いが、ステップS22では、データを書き込むため、電波出力は、単にデータを読むよりも大きくなくてはいけない。したがって、ステップS23で、書き込んだデータが読めるかどうかを調べることによって、データの書き込みが正常に行えるほどの電波強度か否かを判断する。ステップS23の判断がNoの場合には、ステップS24において、電波の出力設定値を1段階上げ、ステップS22に戻る。電波の出力設定値の増加ステップは、当業者によって適宜決定されるべきものである。電波出力の増加は、ステップS22においてRFIDタグの読み取りが可能となるまで、段階的に行われる。
ステップS23の判断がYesの場合には、ステップS25において、RFIDタグのIDを読み取る等の目的の処理を行い(ステップS21〜S23で、RFIDタグのリードライトが可能になったので、RFIDタグのIDを改めて読み込んで、管理システムに通知すると共に、たとえば、所定の工程を完了した等の情報の書き込み等を行う)、処理を終了すると、ステップS26において、電波出力をRFIDタグのリード可能な電波出力値(ステップS20で設定した値)に設定して、処理を終了する。
【0021】
以上の実施形態においては、製品がコンベアに載せられて移動している場合を想定していたが、以下の実施形態においては、人が製品の載った台車を押して移動し、リーダライタのアンテナからの電波の範囲内に入った場合を述べる。
【0022】
図6は、本発明の第3の実施形態を説明する図である。
第3の実施形態では、図6(a)のように、アンテナ21からは最大出力の電波を通常出しておき、RFIDタグ22がリード/ライト範囲内に入ったら、RFIDタグのリード/ライトを実行し、終了させる。次に、図6(b)のように、人がRFIDタグの読み取り範囲内に入ってきたら、電波出力を低下させる。具体的には、人の手首などに付帯しているRFIDタグ(「人タグ」と呼ぶ)を検知したら、電波の出力を絞る。「人タグ」検知後はn秒(例:3秒)で出力を最大に戻す。
【0023】
図7は、本発明の第3の実施形態の処理フローである。
処理を開始したら、まず、初期状態において、ステップS30において、「人タグ」を検知したか否かを判断する。ステップS30の判断がYesの場合には、ステップS34に進む。ステップS30の判断がNoの場合には、ステップS31において、電波出力値を最大値に設定する。ステップS31の状態が、RFIDタグの読み取り待機状態である。ステップS32において、目的の処理(RFIDタグのリード/ライト等)を行い、ステップS33において、再び「人タグ」が検知されたか否かを判断する。ステップS33の判断がYesの場合には、ステップS35において、出力値を最小にし、ステップS34では、一般にn秒、たとえば、3秒待ってから、処理の最初に戻り、ステップS30から処理を繰り返す。ステップS33の判断がNoの場合には、「人タグ」が検知されるまで、「人タグ」が検知されるか否かの監視を行う。
【0024】
図8は、本発明の第4の実施形態を説明する図である。
第4の実施形態においては、アンテナからの出力値を通常は最小値にしておく。そして、検知センサ20間(赤外線センサ等)に台車が入った時にアンテナから最大出力の電波を出し、RFIDタグ22をライト/リードする。ライト/リード終了後は、アンテナからの電波の出力値を最小値に戻す。これにより、リード/ライト時間及び積算出力エネルギーを最小限にすることが可能となる。上記において、検知センサ20間は、前述の実施形態のリードライト範囲に対応する。
【0025】
図9は、本発明の第4の実施形態の処理フローである。
まず、ステップS40において、検知センサ間に台車が入ったか否かを判断する。ステップS40の判断がNoの場合には、ステップS40を繰り返す。ステップS40の判断がYesの場合には、ステップS41において、電波出力値を最大値に設定し、ステップS42において、目的の処理(タグのリード/ライト等)を行う。台車に載置されたRFIDタグ全てに対するリードライト処理が完了したら、ステップS43で、電波出力値を最小値に設定して、処理を終了する。
【0026】
図10は、本発明の第5の実施形態を説明する図である。
第5の実施形態では、人が台車を押して、アンテナ21からの電波が届く範囲内にRFIDタグが入った時にRFIDタグ22を読み取る。アンテナ21からはRFIDタグ22のIDがリードができる出力値の電波を出力しておき、RFIDタグ22がリードライト可能範囲内に入り、RFIDタグからIDをリードできたら、次第にアンテナからの電波の出力値を増加させながら、RFIDタグ22のライト/リードを試みる。ライト/リード終了後、初期値(IDリードができる値)に、アンテナ21からの電波の出力強度を戻す。
【0027】
図11は、本発明の第5の実施形態の処理フローである。
まず、ステップS50において、製造ラインの稼動前に、手動にてRFIDタグのリードが可能な電波の出力値を設定する。この動作は、図5ステップ20にて説明した動作と同様のものとすることができる。続いて、ステップS51において、台車に載せられた製品に貼り付けられたRFIDタグのリードを試みる。ステップS51でリードが出来ない場合には、タグがリード範囲内にないとして、ステップS51を繰り返す。ステップS51で、RFIDタグに格納された情報のリードが出来たと判断された場合には、タグが貼り付けられた製品がリーダライタによるリードライト可能範囲内に入ってきたものと判断し、ステップS52において、RFIDタグに所定の情報を書き込む。ステップS53において、RFIDタグに書き込んだ情報が読み取れるか否かを判断する。ステップS53の判断がNoの場合には、ステップS54において、電波出力の設定値を1段階上げる。電波出力の増加ステップの大きさは、当業者によって適宜決定されるべきである。ステップS54で、電波出力設定値を増加すると、ステップS52に戻る。
【0028】
ステップS53において、書き込んだ情報が読み取れると判断された場合には、ステップS55において、目的の処理(RFIDタグのリード/ライト等、ステップS51〜S53でのリード/ライトは、予め決められた値の書き込みと読み出しを行うものであり、リーダライタの電波出力を適切にするために行う処理であるが、ここでは、実際にRFIDタグのIDを四見取り、管理システムに通知し、製造ライン上を流れる製品の管理のための処理を行う)を行い、ステップS56において、電波出力をRFIDタグのリード可能な電波出力値に設定して、処理を終了する。 なお、上記第1〜第5の実施形態においては、それぞれを独立して説明したが、実際には、人タグ検出と他の実施形態との組み合わせ等も可能であり、本発明は、上記実施形態を相互に組み合わせた形態でも実現が可能である。
【0029】
(付記1)
製造ラインにおいて、リーダライタがタグを読み取って製造管理を行う製造システムにおけるリーダライタの出力値自動調整方法であって、
リーダライタのアンテナからの電波の出力値を所定値に設定し、
電波の出力値を所定値から増加して、製品に貼り付けられたタグのリード/ライトを行い、
リード/ライト終了後、電波の出力値を所定値に戻す、
ことを特徴とする出力値自動調整方法。
(付記2)
前記製造システムは、製品が搭載されているパレットあるいは台車を検出するパレット/台車検知センサを備え、
前記所定値は、電波の出力値の最小値であり、
パレットあるいは台車を検知後、リーダライタのアンテナからの電波の出力値を最小値から次第に増加させ、タグのライト/リード後に最小値に戻すことを特徴とする付記1に記載の出力値自動調整方法。
(付記3)
前記所定値として、リーダライタのアンテナからは、タグのIDのリードができる小さな値の電波を出力しておき、
タグのIDをリードできたら、電波の出力値を次第に増加させながらタグのリード/ライトを行い、リード/ライトの終了後、電波の出力値を最小値に戻すことを特徴とする付記1に記載の出力値自動調整方法。
(付記4)
前記製造システムは、製品が搭載されている台車が所定の範囲に入ったか否かを検出する検知センサを備え、
アンテナからの出力値を通常は最小値にしておき、
検知センサが検知する所定の範囲に台車が入った時にアンテナから電波を最大出力で出力し、タグをリード/ライトし、
リード/ライト終了後は、電波の出力値を最小値に戻す
ことを特徴とする付記1に記載の出力値自動調整方法。
(付記5)
電波の出力値の増加は、タグのリード/ライトが可能な最小限の出力値まで増加することを特徴とする付記1に記載の出力値自動調整方法。
(付記6)
タグを読み取リーダライタの出力値自動調整方法であって、
リーダライタのアンテナからの電波出力を最大にし、
タグがリーダライタの読み取り可能範囲内に入ったら、前記タグのライト/リードを実行し、
利用者に付帯しているタグを検知したら電波出力を小さくし、
前記利用者に付帯しているタグ検知後、所定時間たったら電波出力を最大に戻す、
ことを特徴とする出力値自動調整方法。
(付記7)
タグを読み取るリーダライタであって、
リーダライタのアンテナからの電波の出力値を所定値に設定する出力値設定手段と、
電波の出力値を所定値から増加して、製品に貼り付けられたタグのリード/ライトを行うリードライト手段と、
前記タグのリード/ライト終了後、電波の出力値を所定値に戻す復帰手段と、
ことを特徴とするリーダライタ。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】RFIDを用いた製造ラインの管理システムのシステムブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を説明する図である。
【図3】本発明の第3の実施形態の処理フローである。
【図4】本発明の第2の実施形態を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の処理フローである。
【図6】本発明の第3の実施形態を説明する図である。
【図7】本発明の第3の実施形態の処理フローである。
【図8】本発明の第4の実施形態を説明する図である。
【図9】本発明の第4の実施形態の処理フローである。
【図10】本発明の第5の実施形態を説明する図である。
【図11】本発明の第5の実施形態の処理フローである。
【符号の説明】
【0031】
10 ID管理システム
11 作業指示システム
12 工程管理システム
13 試験システム
14−1〜14−3 RFID制御部
15 RFIDタグ
16 製品
17−1〜17−3 作業者
18 コンベア
20 検知センサ
21 アンテナ
22 RFIDタグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造ラインにおいて、リーダライタがタグを読み取って製造管理を行う製造システムにおけるリーダライタの出力値自動調整方法であって、
リーダライタのアンテナからの電波の出力値を所定値に設定し、
電波の出力値を所定値から増加して、製品に貼り付けられたタグのリード/ライトを行い、
リード/ライト終了後、電波の出力値を所定値に戻す、
ことを特徴とする出力値自動調整方法。
【請求項2】
前記製造システムは、製品が搭載されているパレットあるいは台車を検出するパレット/台車検知センサを備え、
前記所定値は、電波の出力値の最小値であり、
パレットあるいは台車を検知後、リーダライタのアンテナからの電波の出力値を最小値から次第に増加させ、タグのライト/リード後に最小値に戻すことを特徴とする請求項1に記載の出力値自動調整方法。
【請求項3】
前記所定値として、リーダライタのアンテナからは、タグのIDのリードができる小さな値の電波を出力しておき、
タグのIDをリードできたら、電波の出力値を次第に増加させながらタグのリード/ライトを行い、リード/ライトの終了後、電波の出力値を最小値に戻すことを特徴とする請求項1に記載の出力値自動調整方法。
【請求項4】
前記製造システムは、製品が搭載されている台車が所定の範囲に入ったか否かを検出する検知センサを備え、
アンテナからの出力値を通常は最小値にしておき、
検知センサが検知する所定の範囲に台車が入った時にアンテナから電波を最大出力で出力し、タグをリード/ライトし、
リード/ライト終了後は、電波の出力値を最小値に戻す
ことを特徴とする請求項1に記載の出力値自動調整方法。
【請求項5】
電波の出力値の増加は、タグのリード/ライトが可能な最小限の出力値まで増加することを特徴とする請求項1に記載の出力値自動調整方法。
【請求項6】
タグを読み取リーダライタの出力値自動調整方法であって、
リーダライタのアンテナからの電波出力を最大にし、
タグがリーダライタの読み取り可能範囲内に入ったら、前記タグのライト/リードを実行し、
利用者に付帯しているタグを検知したら電波出力を小さくし、
前記利用者に付帯しているタグ検知後、所定時間たったら電波出力を最大に戻す、
ことを特徴とする出力値自動調整方法。
【請求項7】
タグを読み取るリーダライタであって、
リーダライタのアンテナからの電波の出力値を所定値に設定する出力値設定手段と、
電波の出力値を所定値から増加して、製品に貼り付けられたタグのリード/ライトを行うリードライト手段と、
前記タグのリード/ライト終了後、電波の出力値を所定値に戻す復帰手段と、
ことを特徴とするリーダライタ。
【請求項1】
製造ラインにおいて、リーダライタがタグを読み取って製造管理を行う製造システムにおけるリーダライタの出力値自動調整方法であって、
リーダライタのアンテナからの電波の出力値を所定値に設定し、
電波の出力値を所定値から増加して、製品に貼り付けられたタグのリード/ライトを行い、
リード/ライト終了後、電波の出力値を所定値に戻す、
ことを特徴とする出力値自動調整方法。
【請求項2】
前記製造システムは、製品が搭載されているパレットあるいは台車を検出するパレット/台車検知センサを備え、
前記所定値は、電波の出力値の最小値であり、
パレットあるいは台車を検知後、リーダライタのアンテナからの電波の出力値を最小値から次第に増加させ、タグのライト/リード後に最小値に戻すことを特徴とする請求項1に記載の出力値自動調整方法。
【請求項3】
前記所定値として、リーダライタのアンテナからは、タグのIDのリードができる小さな値の電波を出力しておき、
タグのIDをリードできたら、電波の出力値を次第に増加させながらタグのリード/ライトを行い、リード/ライトの終了後、電波の出力値を最小値に戻すことを特徴とする請求項1に記載の出力値自動調整方法。
【請求項4】
前記製造システムは、製品が搭載されている台車が所定の範囲に入ったか否かを検出する検知センサを備え、
アンテナからの出力値を通常は最小値にしておき、
検知センサが検知する所定の範囲に台車が入った時にアンテナから電波を最大出力で出力し、タグをリード/ライトし、
リード/ライト終了後は、電波の出力値を最小値に戻す
ことを特徴とする請求項1に記載の出力値自動調整方法。
【請求項5】
電波の出力値の増加は、タグのリード/ライトが可能な最小限の出力値まで増加することを特徴とする請求項1に記載の出力値自動調整方法。
【請求項6】
タグを読み取リーダライタの出力値自動調整方法であって、
リーダライタのアンテナからの電波出力を最大にし、
タグがリーダライタの読み取り可能範囲内に入ったら、前記タグのライト/リードを実行し、
利用者に付帯しているタグを検知したら電波出力を小さくし、
前記利用者に付帯しているタグ検知後、所定時間たったら電波出力を最大に戻す、
ことを特徴とする出力値自動調整方法。
【請求項7】
タグを読み取るリーダライタであって、
リーダライタのアンテナからの電波の出力値を所定値に設定する出力値設定手段と、
電波の出力値を所定値から増加して、製品に貼り付けられたタグのリード/ライトを行うリードライト手段と、
前記タグのリード/ライト終了後、電波の出力値を所定値に戻す復帰手段と、
ことを特徴とするリーダライタ。
【図3】
【図5】
【図7】
【図9】
【図11】
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【図8】
【図10】
【図5】
【図7】
【図9】
【図11】
【図1】
【図2】
【図4】
【図6】
【図8】
【図10】
【公開番号】特開2008−197781(P2008−197781A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30343(P2007−30343)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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