ルーフバイザー
【課題】 日除効果向上と、雨天時、雨水を遮っての十分な室内換気とを計り得るだけでなく、ルーフバイザーを車輌のアクセントになるようにデザインする共に、スポイラーの取付けも可能として、車の美観と機能の向上とを計ることが可能なルーフバイザーを提供する。
【解決手段】 自動車のルーフサイドからフロントピラーサイドまで配設されるルーフバイザーであって、このルーフバイザー1は、窓5上への張出しを換気のため窓5を開けても雨水が入らないように大きくしたものであり、このルーフバイザー1の取付部1aは、ルーフ3及びフロントピラー4への接着部を有して、止着具7を併用することによりルーフバイザー1の張出しが大きくてもこれを安定保持するものである。
【解決手段】 自動車のルーフサイドからフロントピラーサイドまで配設されるルーフバイザーであって、このルーフバイザー1は、窓5上への張出しを換気のため窓5を開けても雨水が入らないように大きくしたものであり、このルーフバイザー1の取付部1aは、ルーフ3及びフロントピラー4への接着部を有して、止着具7を併用することによりルーフバイザー1の張出しが大きくてもこれを安定保持するものである。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に使用するルーフバイザーに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のルーフサイドからフロントピラーサイドまで配設したルーフバイザーは一般に使用されている。
【0003】しかしながら、従来のルーフバイザー20は、図13に示すようにルーフドリップ21へ両面接着テープ22と係止金具23とにより取付けるもので、その巾が狭く、当然、窓上への張出しも小さいから、晴天時は室内へ日が射し込み易く、雨天時には車内を換気をしようとして窓ガラス24を少し開けても車内へ雨水が入り込む問題点があるし、ルーフドリップ21へ取付ける巾の狭いルーフバイザー20では、車輌のアクセントとなるような斬新なデザインをしたり、スポイラーを組み付けたりして車の美観と機能向上を計ることは望めないものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの現状に即してなされたもので、ルーフバイザーを窓上への張出しが大きくても安定保持されるように改善して、日除効果の向上と、雨水を遮っての十分な室内換気を計るともに、車輌に強いアクセントを与え得て、スポイラー表示灯を取付けて機能の向上も計り得るルーフバイザーを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため本発明に係るルーフバイザーは、下記の構成を採用することを特徴とする。
(1) 自動車のルーフサイドからフロントピラーサイドまで配設されるルーフバイザーであって、このルーフバイザーは、窓上への張出しを換気のために窓を開けても雨水が入らないように大きくしたものであり、このルーフバイザーの取付部は、ルーフ端及びフロントピラーへの接着部を有して、取付具を併用することによりルーフバイザーの窓上への張出しが大きくてもルーフバイザーを安定保持し得るものである。
(2) 前記ルーフバイザーとその取付部との下側を連結片により連結して筒構造とする。
(3) 前記ルーフバイザーの後端部にルーフ上に設けるスポイラーの両端を支持させる。
(4) 前記ルーフバイザーに他車から確認し易いように表示灯と、発光体の一方又は両方が設けられている。
(5) 前記スポイラーに他車から確認し易いように表示灯と、発光体の一方又は両方が設けられている。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係るルーフバイザーの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0007】図面各図において符号1はルーフバイザーである。このルーフバイザーは、自動車2のルーフ3のサイドからフロントピラー4のサイドまで連続して設け、窓5の上側及び前側へ庇状に張出させて日射や雨水を遮らせるものである。従って、窓5の上側への張出しをなるべく大きくする必要があるから、ルーフ3の端部及びフロントピラー4へ取付ける取付部1aを一体成形すると共に、取付部1a又はルーフバイザー1に、ルーフドリップ6やウインドモール(図面省略)に止め着ける止着具7を付設する構成とする。
【0008】図2は、ルーフバイザー1の中空構造の実施形態を示す。この実施形態は、ルーフバイザー1と、ルーフ3の端部及びフロントピラー4へ両面接着テープ8等により接着する取付部1aと、この取付部1aの下端と前記ルーフバイザー1の下端とを連結する連結部1bとにより図2に示すような断面形状の筒体を構成させる。従って、このルーフバイザー1は、肉薄で軽量に形成しても必要な強度が得られるため、合成樹脂のブロー成形、真空成形等により形成して、内部の空間に後記する表示灯、発光体、その他を収めることができる。
【0009】前記した通りルーフバイザー1の取付は、両面接着テープ8と止着具7との併用により行なうものであるが、ルーフ3の端部にはルーフドリップ6が取付けられている。従って、取付具1aのルーフドリップ6に対応する部分は、ルーフドリップ6を受入れるように図2に示す通りの凹部1cとして、この凹部1cに所定の間隔で複数の止着具7を取付ける。その取付方は、止着具7の折返部7aにより凹部1cを挟ませて、折返部7aと凹部1cとをかしめ、またはビス止することにより固定する。そして、止着具7の先端に設けた鉤7bをルーフドリップ6へ掛け合わせて、接着と係止とによる強力な取付けを行なう。
【0010】しかし、フロントピラー4のルーフバイザー1を取付ける部分は平らであるから、この部分に対応する取付部1aは図3に示すように平らに形成して、その両側に両面接着テープ8を止着具9を取付ける間隙ができるように接着する。そして、隙間に止着具9を取付けて、この止着具9をウインドモール(図面省略)に掛け合わせるとともに、前記接着テープ8をフロントピラー4へ接着して接着と係止とによる強力な取付を行なう。
【0011】前記のように取付けられるルーフバイザー1は、晴天時の日除効果が向上するだけでなく、雨天時に窓ガラス5aを十分な換気ができるように40〜50mm開けても雨水が室内へ入ることはないので、快適な室内環境で走行することができて、しかも、ルーフバイザー1の窓上への張出しを大きくすれば、これの存在により自動車のイメージが大きく変わり、しかも、ルーフバイザー1の表面には化粧を施してアクセントを強調することもできるから、ルーフバイザー1により自動車の装飾的価値も著しく高められる。
【0012】前記したルーフバイザー1は、これを取付けるとルーフドリップ6が隠蔽されてしまう。そこで、ルーフバイザー1の内端が図2に鎖線で示すようにルーフ3より高くなるようにルーフ3の端部へ取付ける。こうすれば、ルーフバイザー1の内端が止水堰10になり、雨水を集めて前方及び後方へ流下させるルーフドリップ6の作用をする。
【0013】図4はルーフバイザー1の板構造の実施形態を示す。この実施形態は、ルーフバイザー1の基部の下側に両面接着テープ8によりルーフ3の端部へ接着する取付部1aを付設した構成とする。従って、サイドバイザーなどと同様に合成樹脂の射出成形により形成する。
【0014】前記ルーフバイザー1は、これをルーフドリップ6へ止着する止着具7をルーフバイザー1へ取付ける。即ち、図4に示すようにルーフバイザー1の裏面の中央部に止着具7の一端を添えて、かしめ、ビス止め等によりルーフバイザー1へ固定する。そして、この止着具7の他端に設けられる鉤7bをルーフドリップ6へ掛け合わせ、止着具7による係止と両面接着テープ8による接着とで強固、確実な取付ができるようにする。
【0015】前記板構造のルーフバイザー1も、ルーフ3の端部へ取付けるとルーフドリップ9が隠蔽されてしまうので、その基部の上側にルーフ3よりも高く立ち上がる止水堰10を設け、この止水堰10により雨水を集めて前方及び後方へ流下させるルーフドリップ6の作用をさせる。
【0016】図5はルーフバイザー1の板構造の他の実施形態を示すものである。この実施形態は、ルーフバイザー1の基部の上側に両面接着テープ8によりルーフ3の端部へ接着する取付部1aを付設した構成とする。従って、このルーフバイザー1もサイドバイザーなどと同様に合成樹脂の射出成形により形成する。
【0017】前記ルーフバイザー1も、これをルーフドリップ6へ止着する止着具7をルーフバイザー1へ取付ける。その取付状態は、図5に示す通りルーフバイザー1の裏面の中央部に止着具7を添え、その一端をかしめ、ビス止め等によりルーフバイザー1へ固定して、止着具7の他端に設けられる鉤7bをルーフドリップ6へ掛け合わせる。こうすると、止着具7による係止と両面接着テープ8による接着とでルーフバイザー1が強固、確実に取付られる。
【0018】図6、図7はスポイラー11を支持させたルーフバイザー1の実施形態を示すものである。この実施形態は、図2に示すように中空構造に形成したルーフバイザー1の後部に、中空構造に形成したスポイラー11の両端を支持させて、自動車のルーフ3の後部上方にスポイラー11を配設したものである。
【0019】ルーフバイザー1にスポイラー11を支持させるには、図6に示すようにルーフ3の両側に取付けられたルーフバイザー1の後部に、スポイラー11の基部11aの形状に合わせた凹部12を図7に示すように形成して、この凹部12へスポイラー11の基部11aを嵌め着け、止めねじ13によってルーフバイザー1へ締め付け固定する。こうすれば、車体には手を加えずスポイラー11をルーフ3の後部の上方に強固に固定して、自動車が高速走行するとき、スポイラー11により自動車の後部を抑え、後車輪が確実に路面を捉えた走行を行なえるようにする。
【0020】図8は表示灯と発光体とを取付けたルーフバイザー1の実施形態を示すものである。この実施形態では、ルーフバイザー1他車から確認し易い位置、即ち、並走車については、ルーフバイザー1がフロントピラー4に支持される前側の部分、後続車については、ルーフ3の後部に支持される後側の部分にそれぞれ表示灯14を取付け、これら表示灯14の間には、発光体15を取付けるものであって、前記表示灯14の前側のものは車輌が曲がる方向を表示させ、後側のものは曲がる方向と停車とを表示させるようにする。
【0021】前記表示灯14は、通常、図9に示すような合成樹脂製のランプ室1を形成して、このランプ室14aをルーフバイザー1にあけた孔16へ嵌め着け、ランプ室14aの底等をルーフバイザー1の取付部1aなどへねじ止め、接着等によって固定する。そして、ランプ室14a内にはランプ14bを収容し、ランプ室14aの開口部には、赤、オレンジ等の色付きレンズ14cをシール部材17を添えてねじ止めすることにより防水構造とする。
【0022】図10は、表示灯14の変形例を示すものである。この表示灯14は、ルーフバイザー1に多数のランプ14bが少しずつ間隔を空けて列状に取付けられたもので、列状のランプ14bは、その一端のものから他端のものへと順次に点滅が移行して行くようにして表示を行なわせるものである。従って、曲がる方向の指示に適している。
【0023】発光体15は、図11に示すように、公知のEL発光体を紫外線や水分を遮断できて透光性にもすぐれる合成樹脂層15aに封入して用いる.そして、この発光体15は、ルーフバイザー1の先端縁に設けた凹部18へ嵌合固定し、ルーフバイザー1の内部の空間に図11に鎖線で示すように収容した電源(電池とインバーター)19から400〜600HZの交流電圧を加えて発光させるもので、この発光体15の取付には、ルーフバイザー1を上下に分割形成したものを接合する構造とすると便利である。
【0024】図12はルーフバイザー1に支持させたスポイラー11に表示灯14を取付けた実施形態を示すものである。この実施形態では、スポイラー11の他車から確認し易い位置、後縁の部分の両側と中間の部分とに、2種類の表示灯14を設けたもので、両側の表示灯14は停車の表示用とし、中間の表示灯14は、図11に示す点滅移行形をレンズ付きのケースに収容した構成で曲がる方向の表示用としてある。なお、このスポイラー11の表示灯14は、両側のものを停車と方向の表示用とし、その中間には発光体15を設けるようにすることもあるが、この場合の図面および説明は省略する。
【0025】
【発明の効果】請求項1の効果(1) ルーフバイザーの窓上への張出しを大きくしたから、晴天時の日除効果が向上して、雨天時、十分な換気ができる程度に窓を開けても室内へ雨水が入らないから、室内環境を快適に保つことが可能である。
(2) 窓上への張出しが大きいルーフバイザーは、その形状の選定が自由であって、表面に化粧等を施すこともできるから、車輌にアクセントが付くようにデザインして車輌の装飾的価値を高め得る。
(3) ルーフバイザーは、ルーフへの接着と、ルーフドリップへの係止の併用によって作用する風圧に十分耐える強度で取付られて離脱等を生ずることがない。
請求項2の効果 自動車の車体に手を加えず、ルーフの後部にスポイラーを設けて、後車輪の路面接触を確実にして安全で効率のよい走行を可能とする。
請求項3の効果 筒状構造としたルーフバイザーは、薄肉で軽量に成形しても必要強度が得られるため安価に提供できる。
請求項4の効果 ルーフバイザーに設けた方向、停止などの表示灯は、並走する車輌及び後続の車輌からもよく確認できて、また、発光体は夜間に車幅を明確に表示するから事故防止に有効である。
請求項5の効果 ルーフ上のスポイラーに取付けられる表示灯及び発光体は、後続車から特に確認し易くこれも事故防止に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るルーフバイザーの自動車への取付状態を示す斜視図である。
【図2】中空構造のルーフバイザーのルーフへの取付状態を示す縦断端面図である。
【図3】同上ルーフバイザーのフロントピラーへの取付構造を示す斜視図である。
【図4】板構造のルーフバイザーのルーフへの取付状態を示す縦断端面図である。
【図5】板構造の他のルーフバイザーのルーフへの取付状態を示す縦断端面図である。
【図6】ルーフバイザーに支持させたスポイラーの設置状態を示す背面図である。
【図7】ルーフバイザーのスポイラー支持構造を示す一部分の縦断端面図である。
【図8】ルーフバイザーへの表示灯と発光体の取付状態を示す斜視図である。
【図9】表示灯の分解と取付状態を示す斜視図である。
【図10】表示灯の変形例を示す斜視図である。
【図11】発光体の構造と取付状態を示す縦断端面図である。
【図12】スポイラーへの表示灯の取付状態を示す背面図である。
【図13】従来のルーフバイザーの構造と取付状態を示す縦断端面図である。
【符号の説明】
1 ルーフバイザー
1a 取付部
1b 連結部
2 自動車
3 ルーフ
4 フロントピラー
5 窓
5a 窓ガラス
7、9 止着具
8 接着テープ
11 スポイラー
14 表示灯
15 発光体
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に使用するルーフバイザーに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のルーフサイドからフロントピラーサイドまで配設したルーフバイザーは一般に使用されている。
【0003】しかしながら、従来のルーフバイザー20は、図13に示すようにルーフドリップ21へ両面接着テープ22と係止金具23とにより取付けるもので、その巾が狭く、当然、窓上への張出しも小さいから、晴天時は室内へ日が射し込み易く、雨天時には車内を換気をしようとして窓ガラス24を少し開けても車内へ雨水が入り込む問題点があるし、ルーフドリップ21へ取付ける巾の狭いルーフバイザー20では、車輌のアクセントとなるような斬新なデザインをしたり、スポイラーを組み付けたりして車の美観と機能向上を計ることは望めないものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの現状に即してなされたもので、ルーフバイザーを窓上への張出しが大きくても安定保持されるように改善して、日除効果の向上と、雨水を遮っての十分な室内換気を計るともに、車輌に強いアクセントを与え得て、スポイラー表示灯を取付けて機能の向上も計り得るルーフバイザーを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため本発明に係るルーフバイザーは、下記の構成を採用することを特徴とする。
(1) 自動車のルーフサイドからフロントピラーサイドまで配設されるルーフバイザーであって、このルーフバイザーは、窓上への張出しを換気のために窓を開けても雨水が入らないように大きくしたものであり、このルーフバイザーの取付部は、ルーフ端及びフロントピラーへの接着部を有して、取付具を併用することによりルーフバイザーの窓上への張出しが大きくてもルーフバイザーを安定保持し得るものである。
(2) 前記ルーフバイザーとその取付部との下側を連結片により連結して筒構造とする。
(3) 前記ルーフバイザーの後端部にルーフ上に設けるスポイラーの両端を支持させる。
(4) 前記ルーフバイザーに他車から確認し易いように表示灯と、発光体の一方又は両方が設けられている。
(5) 前記スポイラーに他車から確認し易いように表示灯と、発光体の一方又は両方が設けられている。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明に係るルーフバイザーの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0007】図面各図において符号1はルーフバイザーである。このルーフバイザーは、自動車2のルーフ3のサイドからフロントピラー4のサイドまで連続して設け、窓5の上側及び前側へ庇状に張出させて日射や雨水を遮らせるものである。従って、窓5の上側への張出しをなるべく大きくする必要があるから、ルーフ3の端部及びフロントピラー4へ取付ける取付部1aを一体成形すると共に、取付部1a又はルーフバイザー1に、ルーフドリップ6やウインドモール(図面省略)に止め着ける止着具7を付設する構成とする。
【0008】図2は、ルーフバイザー1の中空構造の実施形態を示す。この実施形態は、ルーフバイザー1と、ルーフ3の端部及びフロントピラー4へ両面接着テープ8等により接着する取付部1aと、この取付部1aの下端と前記ルーフバイザー1の下端とを連結する連結部1bとにより図2に示すような断面形状の筒体を構成させる。従って、このルーフバイザー1は、肉薄で軽量に形成しても必要な強度が得られるため、合成樹脂のブロー成形、真空成形等により形成して、内部の空間に後記する表示灯、発光体、その他を収めることができる。
【0009】前記した通りルーフバイザー1の取付は、両面接着テープ8と止着具7との併用により行なうものであるが、ルーフ3の端部にはルーフドリップ6が取付けられている。従って、取付具1aのルーフドリップ6に対応する部分は、ルーフドリップ6を受入れるように図2に示す通りの凹部1cとして、この凹部1cに所定の間隔で複数の止着具7を取付ける。その取付方は、止着具7の折返部7aにより凹部1cを挟ませて、折返部7aと凹部1cとをかしめ、またはビス止することにより固定する。そして、止着具7の先端に設けた鉤7bをルーフドリップ6へ掛け合わせて、接着と係止とによる強力な取付けを行なう。
【0010】しかし、フロントピラー4のルーフバイザー1を取付ける部分は平らであるから、この部分に対応する取付部1aは図3に示すように平らに形成して、その両側に両面接着テープ8を止着具9を取付ける間隙ができるように接着する。そして、隙間に止着具9を取付けて、この止着具9をウインドモール(図面省略)に掛け合わせるとともに、前記接着テープ8をフロントピラー4へ接着して接着と係止とによる強力な取付を行なう。
【0011】前記のように取付けられるルーフバイザー1は、晴天時の日除効果が向上するだけでなく、雨天時に窓ガラス5aを十分な換気ができるように40〜50mm開けても雨水が室内へ入ることはないので、快適な室内環境で走行することができて、しかも、ルーフバイザー1の窓上への張出しを大きくすれば、これの存在により自動車のイメージが大きく変わり、しかも、ルーフバイザー1の表面には化粧を施してアクセントを強調することもできるから、ルーフバイザー1により自動車の装飾的価値も著しく高められる。
【0012】前記したルーフバイザー1は、これを取付けるとルーフドリップ6が隠蔽されてしまう。そこで、ルーフバイザー1の内端が図2に鎖線で示すようにルーフ3より高くなるようにルーフ3の端部へ取付ける。こうすれば、ルーフバイザー1の内端が止水堰10になり、雨水を集めて前方及び後方へ流下させるルーフドリップ6の作用をする。
【0013】図4はルーフバイザー1の板構造の実施形態を示す。この実施形態は、ルーフバイザー1の基部の下側に両面接着テープ8によりルーフ3の端部へ接着する取付部1aを付設した構成とする。従って、サイドバイザーなどと同様に合成樹脂の射出成形により形成する。
【0014】前記ルーフバイザー1は、これをルーフドリップ6へ止着する止着具7をルーフバイザー1へ取付ける。即ち、図4に示すようにルーフバイザー1の裏面の中央部に止着具7の一端を添えて、かしめ、ビス止め等によりルーフバイザー1へ固定する。そして、この止着具7の他端に設けられる鉤7bをルーフドリップ6へ掛け合わせ、止着具7による係止と両面接着テープ8による接着とで強固、確実な取付ができるようにする。
【0015】前記板構造のルーフバイザー1も、ルーフ3の端部へ取付けるとルーフドリップ9が隠蔽されてしまうので、その基部の上側にルーフ3よりも高く立ち上がる止水堰10を設け、この止水堰10により雨水を集めて前方及び後方へ流下させるルーフドリップ6の作用をさせる。
【0016】図5はルーフバイザー1の板構造の他の実施形態を示すものである。この実施形態は、ルーフバイザー1の基部の上側に両面接着テープ8によりルーフ3の端部へ接着する取付部1aを付設した構成とする。従って、このルーフバイザー1もサイドバイザーなどと同様に合成樹脂の射出成形により形成する。
【0017】前記ルーフバイザー1も、これをルーフドリップ6へ止着する止着具7をルーフバイザー1へ取付ける。その取付状態は、図5に示す通りルーフバイザー1の裏面の中央部に止着具7を添え、その一端をかしめ、ビス止め等によりルーフバイザー1へ固定して、止着具7の他端に設けられる鉤7bをルーフドリップ6へ掛け合わせる。こうすると、止着具7による係止と両面接着テープ8による接着とでルーフバイザー1が強固、確実に取付られる。
【0018】図6、図7はスポイラー11を支持させたルーフバイザー1の実施形態を示すものである。この実施形態は、図2に示すように中空構造に形成したルーフバイザー1の後部に、中空構造に形成したスポイラー11の両端を支持させて、自動車のルーフ3の後部上方にスポイラー11を配設したものである。
【0019】ルーフバイザー1にスポイラー11を支持させるには、図6に示すようにルーフ3の両側に取付けられたルーフバイザー1の後部に、スポイラー11の基部11aの形状に合わせた凹部12を図7に示すように形成して、この凹部12へスポイラー11の基部11aを嵌め着け、止めねじ13によってルーフバイザー1へ締め付け固定する。こうすれば、車体には手を加えずスポイラー11をルーフ3の後部の上方に強固に固定して、自動車が高速走行するとき、スポイラー11により自動車の後部を抑え、後車輪が確実に路面を捉えた走行を行なえるようにする。
【0020】図8は表示灯と発光体とを取付けたルーフバイザー1の実施形態を示すものである。この実施形態では、ルーフバイザー1他車から確認し易い位置、即ち、並走車については、ルーフバイザー1がフロントピラー4に支持される前側の部分、後続車については、ルーフ3の後部に支持される後側の部分にそれぞれ表示灯14を取付け、これら表示灯14の間には、発光体15を取付けるものであって、前記表示灯14の前側のものは車輌が曲がる方向を表示させ、後側のものは曲がる方向と停車とを表示させるようにする。
【0021】前記表示灯14は、通常、図9に示すような合成樹脂製のランプ室1を形成して、このランプ室14aをルーフバイザー1にあけた孔16へ嵌め着け、ランプ室14aの底等をルーフバイザー1の取付部1aなどへねじ止め、接着等によって固定する。そして、ランプ室14a内にはランプ14bを収容し、ランプ室14aの開口部には、赤、オレンジ等の色付きレンズ14cをシール部材17を添えてねじ止めすることにより防水構造とする。
【0022】図10は、表示灯14の変形例を示すものである。この表示灯14は、ルーフバイザー1に多数のランプ14bが少しずつ間隔を空けて列状に取付けられたもので、列状のランプ14bは、その一端のものから他端のものへと順次に点滅が移行して行くようにして表示を行なわせるものである。従って、曲がる方向の指示に適している。
【0023】発光体15は、図11に示すように、公知のEL発光体を紫外線や水分を遮断できて透光性にもすぐれる合成樹脂層15aに封入して用いる.そして、この発光体15は、ルーフバイザー1の先端縁に設けた凹部18へ嵌合固定し、ルーフバイザー1の内部の空間に図11に鎖線で示すように収容した電源(電池とインバーター)19から400〜600HZの交流電圧を加えて発光させるもので、この発光体15の取付には、ルーフバイザー1を上下に分割形成したものを接合する構造とすると便利である。
【0024】図12はルーフバイザー1に支持させたスポイラー11に表示灯14を取付けた実施形態を示すものである。この実施形態では、スポイラー11の他車から確認し易い位置、後縁の部分の両側と中間の部分とに、2種類の表示灯14を設けたもので、両側の表示灯14は停車の表示用とし、中間の表示灯14は、図11に示す点滅移行形をレンズ付きのケースに収容した構成で曲がる方向の表示用としてある。なお、このスポイラー11の表示灯14は、両側のものを停車と方向の表示用とし、その中間には発光体15を設けるようにすることもあるが、この場合の図面および説明は省略する。
【0025】
【発明の効果】請求項1の効果(1) ルーフバイザーの窓上への張出しを大きくしたから、晴天時の日除効果が向上して、雨天時、十分な換気ができる程度に窓を開けても室内へ雨水が入らないから、室内環境を快適に保つことが可能である。
(2) 窓上への張出しが大きいルーフバイザーは、その形状の選定が自由であって、表面に化粧等を施すこともできるから、車輌にアクセントが付くようにデザインして車輌の装飾的価値を高め得る。
(3) ルーフバイザーは、ルーフへの接着と、ルーフドリップへの係止の併用によって作用する風圧に十分耐える強度で取付られて離脱等を生ずることがない。
請求項2の効果 自動車の車体に手を加えず、ルーフの後部にスポイラーを設けて、後車輪の路面接触を確実にして安全で効率のよい走行を可能とする。
請求項3の効果 筒状構造としたルーフバイザーは、薄肉で軽量に成形しても必要強度が得られるため安価に提供できる。
請求項4の効果 ルーフバイザーに設けた方向、停止などの表示灯は、並走する車輌及び後続の車輌からもよく確認できて、また、発光体は夜間に車幅を明確に表示するから事故防止に有効である。
請求項5の効果 ルーフ上のスポイラーに取付けられる表示灯及び発光体は、後続車から特に確認し易くこれも事故防止に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るルーフバイザーの自動車への取付状態を示す斜視図である。
【図2】中空構造のルーフバイザーのルーフへの取付状態を示す縦断端面図である。
【図3】同上ルーフバイザーのフロントピラーへの取付構造を示す斜視図である。
【図4】板構造のルーフバイザーのルーフへの取付状態を示す縦断端面図である。
【図5】板構造の他のルーフバイザーのルーフへの取付状態を示す縦断端面図である。
【図6】ルーフバイザーに支持させたスポイラーの設置状態を示す背面図である。
【図7】ルーフバイザーのスポイラー支持構造を示す一部分の縦断端面図である。
【図8】ルーフバイザーへの表示灯と発光体の取付状態を示す斜視図である。
【図9】表示灯の分解と取付状態を示す斜視図である。
【図10】表示灯の変形例を示す斜視図である。
【図11】発光体の構造と取付状態を示す縦断端面図である。
【図12】スポイラーへの表示灯の取付状態を示す背面図である。
【図13】従来のルーフバイザーの構造と取付状態を示す縦断端面図である。
【符号の説明】
1 ルーフバイザー
1a 取付部
1b 連結部
2 自動車
3 ルーフ
4 フロントピラー
5 窓
5a 窓ガラス
7、9 止着具
8 接着テープ
11 スポイラー
14 表示灯
15 発光体
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自動車のルーフサイドからフロントピラーサイドまで配設されるルーフバイザーであって、このルーフバイザーは、窓上への張出しを換気のために窓を開けても雨水が入らないように大きくしたものであり、このルーフバイザーの取付部は、ルーフ端及びフロントピラーへの接着部を有して、取付具を併用することによりルーフバイザーの窓上への張出しが大きくてもルーフバイザーを安定保持し得るものであることを特徴とするルーフバイザー。
【請求項2】 前記ルーフバイザーとその取付部との下側を連結片により連結して筒状構造としたことを特徴とする請求項1記載のルーフバイザー。
【請求項3】 前記ルーフバイザーの後端部にルーフ上に設けるスポイラーの両端を支持させたことを特徴とする請求項1及び請求項2記載のルーフバイザー。
【請求項4】 前記ルーフバイザーに他車から確認し易いように表示灯と、発光体の一方又は両方が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3記載のルーフバイザー。
【請求項5】 前記スポイラーに他車から確認し易いように表示灯と、発光体の一方又は両方が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4記載のルーフバイザー。
【請求項1】 自動車のルーフサイドからフロントピラーサイドまで配設されるルーフバイザーであって、このルーフバイザーは、窓上への張出しを換気のために窓を開けても雨水が入らないように大きくしたものであり、このルーフバイザーの取付部は、ルーフ端及びフロントピラーへの接着部を有して、取付具を併用することによりルーフバイザーの窓上への張出しが大きくてもルーフバイザーを安定保持し得るものであることを特徴とするルーフバイザー。
【請求項2】 前記ルーフバイザーとその取付部との下側を連結片により連結して筒状構造としたことを特徴とする請求項1記載のルーフバイザー。
【請求項3】 前記ルーフバイザーの後端部にルーフ上に設けるスポイラーの両端を支持させたことを特徴とする請求項1及び請求項2記載のルーフバイザー。
【請求項4】 前記ルーフバイザーに他車から確認し易いように表示灯と、発光体の一方又は両方が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項3記載のルーフバイザー。
【請求項5】 前記スポイラーに他車から確認し易いように表示灯と、発光体の一方又は両方が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4記載のルーフバイザー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図9】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図9】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2000−238529(P2000−238529A)
【公開日】平成12年9月5日(2000.9.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−116520
【出願日】平成11年4月23日(1999.4.23)
【出願人】(594018887)永田通商株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成12年9月5日(2000.9.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成11年4月23日(1999.4.23)
【出願人】(594018887)永田通商株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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