説明

レイアウト決定方法、プログラムおよび装置

【課題】オリジナリティの高い画像レイアウトを簡易に提供する。
【解決手段】レイアウトテーブルに格納された過去のレイアウトのパラメータを変化させることで1または複数のレイアウト候補(台紙における1または複数の画像の配置位置、形状、サイズ、背景色その他画像を台紙に配置してフォトアルバムを作成するのに必要な各種のパラメータを規定するデータ)を作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を配置するレイアウトの決定に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、複数の異なるレイアウトでアルバムにおける複数の画像をレイアウトし、複数のアルバム情報をアルバム発注者に提供する。特許文献2では、タッチパネルの操作において、指定入力が開始された位置と、終了された位置とを端点とする直線または曲線上に所定の模様画像を所定の間隔で複数個配置する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−312058号公報
【特許文献2】特開2003−141558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
予め用意したレイアウトをそのままユーザに選択させてレイアウトを決める方法では、オリジナリティに欠ける。画像のレイアウトにオリジナリティを求める場合は、ユーザに自由にレイアウトを決めさせるのが最適である。しかし、画像のフリーレイアウトは、ユーザが一から各画像の配置位置やサイズなどの各種パラメータを設定していく必要があり煩雑である。
【0005】
特許文献1では、レイアウト作成のパラメータは、画像やシステム固定の情報のみであり、ユーザのレイアウトの好みや一般的に人気のあるレイアウトを反映できない。特許文献2では、画像の位置は自由に指定できるが、その他のパラメータ、例えば画像のサイズや形状は自由に指定できず、別途これらを指定する必要があり、ユーザがオリジナリティのある画像レイアウトを作るには煩雑にすぎる。
【0006】
本発明の目的は、オリジナリティの高い画像レイアウトを簡易に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るレイアウト決定方法は、基本レイアウトを格納するステップと、基本レイアウトを規定するパラメータを変動させることで、基本レイアウトとは異なるレイアウト候補を少なくとも1つ作成するステップと、作成したレイアウト候補を出力するステップと、レイアウト候補の選択指示を受け付けるステップと、選択指示に基づいてレイアウト候補から最終的なレイアウトを決定するステップと、を含む。
【0008】
好ましくは、基本レイアウトは、特定のユーザが過去に使用したレイアウトまたは特定のユーザ以外のユーザが過去に使用したレイアウトを含む。
【0009】
好ましくは、作成したレイアウト候補の各々を繰り返しスクロール表示するステップを含む。
【0010】
好ましくは、被写体を撮像した画像データを入力するステップと、画像データに基づいて被写体の表情を解析するステップと、解析された被写体の表情に基づいて選択指示の有無を判別するステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、パラメータは、画像の配置数、画像の配置位置、画像のサイズおよび画像の形状のうち少なくとも1つを含む。
【0012】
上記のレイアウト決定方法をコンピュータに実行させるプログラムも本発明に含まれる。
【0013】
本発明に係るレイアウト決定装置は、基本レイアウトを格納する手段と、基本レイアウトを規定するパラメータを変動させることで、基本レイアウトとは異なるレイアウト候補を少なくとも1つ作成する手段と、作成したレイアウト候補を出力する手段と、レイアウト候補の選択指示を受け付ける手段と、選択指示に基づいてレイアウト候補から最終的なレイアウトを決定する手段と、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、既存の基本レイアウトのパラメータを変化させることでレイアウト候補を作成し、その中から所望のレイアウトを選択させることで、オリジナリティの高いレイアウトを簡単にユーザに利用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】フォトアルバム作成装置の構成図
【図2】フォトアルバム作成処理のフローチャート
【図3】過去のレイアウト(レイアウトA)、レイアウト候補(レイアウトB)、レイアウト候補(レイアウトC)の一例を示す図
【図4】レイアウトテーブルの一例を示す図
【図5】ルーレット風に表示されるレイアウト候補の一例を示す図
【図6】ビリヤード風に表示されるレイアウト候補の一例を示す図
【図7】タッチセンサへの操作により作成されるレイアウト候補の1つ目の例を示す図
【図8】タッチセンサへの操作により作成されるレイアウト候補の2つ目の例を示す図
【図9】タッチセンサへの操作により作成されるレイアウト候補の3つ目の例を示す図色味のない画像を強調する配色および装飾)を示す図
【図10】カメラの設置例を示す図
【図11】表情に応じたレイアウト選択指示の有無を判断するフローチャート
【図12】十字ボタンの押下方向に対応して変化されるレイアウトのパラメータを例示した図
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明を適用したフォトアルバム作成装置10の概略構成を示すブロック図である。フォトアルバム作成装置10は、例えば、CDやDVDなどの各種の記録メディア40やメモリカード42などに格納された動画データや静止画像データ(動画をキャプチャした静止画も含む)を読み込み、これを素材としてフォトアルバム(表示装置に画像を所定のレイアウトとデザインで表示させるデータまたは所定のレイアウトとデザインで画像が印刷された紙などの印刷媒体)を作成する。このフォトアルバム作成装置10は、マウス、タッチパッド、トラッグボールなどのポインタ(カーソル)の移動を指示可能なポインティングデバイスやキーボードやタッチパネルなどの各種操作デバイスを含む操作部26(またはインターネット経由で外部から接続してきた端末のキーボードその他の代替物でも可。以下同様)によって操作される。
【0017】
フォトアルバム作成装置10は、フォトアルバム作成装置10全体を制御するCPU12と、記録メディア40にデータを読み書きするドライブ11と、メモリカード42にデータを読み書きするカードスロット16と、フォトアルバム作成装置10を制御するプログラムや動画・静止画などが記憶されるハードディスクドライブ(記憶媒体)18(以下、HDD18と称す)と、CPU12が種々の処理を行う際に作業用メモリとして機能するRAM20と、RAM20などに格納された画像の一覧その他画像編集に関係する各種のグラフィカルユーザインターフェース、操作部26からの移動方向および移動速度の指示を含む入力操作に従って上記ウィンドウ上を移動するポインタの映像信号をディスプレイ50(またはインターネット経由で外部から接続してきた端末のディスプレイその他の代替物でも可。以下同様)に出力して表示させるビデオエンコーダ22と、インターネットその他のネットワークやデジタルカメラ15などの各種電子機器に接続するための通信I/F28と、それぞれ専門の処理を受け持つデータ記録部(操作履歴記録手段)30、とから構成されている。また、これらの各部は、バス36を介してそれぞれ接続されており、CPU12は、HDD18に記憶されたオペレーションプログラムに従って、装置の各部を統括的に制御する。
【0018】
また、フォトアルバム作成装置10には、プリンタドライバ38を介して、指示された静止画像を普通紙や印画紙などの紙媒体で構成される台紙に所定の配置でプリントするプリンタ44が接続されている。あるいは所定の配置で配列された静止画像は、アドビシステムズ社の「PDF」のような電子的媒体としてディスプレイ50や記録メディア40やインターネット経由で接続されたパソコンなどに出力することもでき、本願明細書では、所望の画像が所望の位置に配置されうる電子的媒体の作成フォームも台紙と呼ぶ。
【0019】
カードスロット16は、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)やSDカード、及びスマートメディアなどのメモリカード42を着脱自在に保持し、これらに記録された静止画像データなどの読み込み、もしくは書き込みを行う。これにより、デジタルスチルカメラなどで撮像された静止画像データを読み込むことができる。なお、マルチドライブ11やカードスロット16の他に、例えば、USBやIEEE1394などの通信ポートを設けて、デジタルスチルカメラやPDAなどの電子機器と有線で直接通信できるようにしてもよい。
【0020】
HDD18には、フォトアルバムの素材となる1または複数の静止画像データの他に、フォトアルバムの生成の際にこれらの静止画像データと合成される装飾画像データなどが記憶されている。装飾画像には、対象となる画像の不要な部分を覆うマスク画像や、イラストなどである。こうした装飾画像は、素材となる静止画像の背景を飾ったり、ワンポイントの装飾を加えるなど、フォトアルバムに彩を与える。
【0021】
また、各静止画像データは、JPEGやTIFF、及びデジタルスチルカメラ用に規格化されたEXIFなどの画像ファイルの形式でHDD18に記憶されている。これらの画像ファイルには、静止画像データを格納するデータ領域と、そのデータの内容などを示すメタデータ(典型的にはEXIFタグ情報)を格納するタグ領域とが用意されている。以下、静止画像データを単に「画像」と称す。
【0022】
動画データは、モーションJPEG、MPEG4などの圧縮記録規格に対応している。
【0023】
通信I/F28は、フォトアルバム作成装置10をインターネットに接続して、インターネット上のホームページをディスプレイ50に表示させたり、電子メール(以下、メールと称す)を介した画像データの送受信を行う。この通信I/F28は、ブロードバンド対応のモデムなどである。通信I/F28は、光通信ネットワークやケーブルネットワークなどを介してインターネットに接続するものでもよい。なお、フォトアルバム生成部34の生成したフォトアルバムをインターネット経由で特定の端末に配信することもできる。配信側の端末は、当該フォトアルバムをモニタやプリンタに出力して、自由にこれを利用できる。また、通信I/F28は、ネットワークアダプタに限らず、USBなどの周辺機器接続用汎用インターフェースとして利用できる。
【0024】
データ記録部30、フォトアルバム生成部34は、いわゆるコプロセッサであって、それぞれ専門の処理を受け持ってCPU12の処理動作を補助する。データ記録部30は、ポインタの滞留領域・滞留位置座標・滞留時間や、入力操作の時間・回数などの操作部26に対する操作入力の履歴情報を記録していく。
【0025】
フォトアルバム作成装置10が店頭プリント端末の場合、フォトアルバム生成部34が作成したフォトアルバムは、ディスプレイ50に出力されプレビュー表示されたものであるが、内容が確定すればユーザ指示に応じてプリンタ44により印刷媒体に出力するか、またはDVDなど当該フォトアルバムを映像データとして記録可能な記録メディア40に転写できる。また、フォトアルバム作成装置10が、インターネット経由で外部から接続してきた端末からフォトアルバム注文を受け付ける場合は、フォトアルバムのプレビューをディスプレイ50でなく当該端末で表示可能なWebページなどに変換して当該端末に送信してもよい。あるいは、記録媒体や印刷媒体に出力することを前提とせず、携帯電話やデジカメなどの各種電子機器のフォトアルバム表示機能の一つとしてこの完成フォトアルバムを表示してもよい。
【0026】
なお、図1のシステム構成は一例であって、これと同等の構成を有する他の電子機器(例えば携帯電話やPDA)であれば、本発明の実施は可能である。また、図示の個々のブロックが必ずしも1つの電子機器に一体的に構成されている必要はなく、各ブロックがそれぞれ別の電子機器の構成の一部であり、なおかつネットワーク等の何らかの通信手段でそれらの電子機器相互の情報送受信が確保されていれば、本発明の実施は可能である。
【0027】
以下、図2のフローチャートに従い、フォトアルバム作成処理の流れを説明する。この処理はフォトアルバム生成部34(またはCPU12)が実行する。この処理をフォトアルバム生成部34(またはCPU12)に実行させるプログラムはHDD18やRAM20などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている。このようなプログラムをインターネット経由で外部から取り込めるようにしてもよい。
【0028】
S1では、フォトアルバムに配置する画像を、記録メディア40、メモリカード42あるいはインターネット経由で外部から通信I/F28に接続してきた端末などから読み込み、HDD18に格納する。画像とは、JPEGなどの静止画ファイルの他、動画ファイルのキャプチャ画像も含む。
【0029】
S2では、読み込んだ画像のうち、アルバムに配置する画像の選択を受け付ける。以下、特に断らない限り、このステップで選択された画像を単に画像と呼ぶ。
【0030】
S3では、レイアウトテーブルに格納された過去のレイアウトのパラメータを変化させることで1または複数のレイアウト候補(台紙における1または複数の画像の配置位置、形状、サイズ、背景色その他画像を台紙に配置してフォトアルバムを作成するのに必要な各種のパラメータを規定するデータ)を作成する。この処理は後述する。
【0031】
S4では、作成された複数のレイアウト候補を順次ディスプレイ50に出力して表示する。この処理は後述する。
【0032】
S5では、順次表示されたレイアウト候補の中で所望のレイアウトを選択させる。
【0033】
S6では、選択されたレイアウトで画像を配置したフォトアルバムを作成し、これを台紙に出力する。
【0034】
次に、S3の処理の詳細を説明する。
【0035】
現在レイアウトを選択しようとしているユーザまたはそれ以外の他のユーザが過去にレイアウト候補から最終的なレイアウトとして決定したものあるいは自由に作成したレイアウトのうち、実質的に重複するものを除いて、HDD18に設けられたレイアウトテーブルに格納しておき、レイアウトテーブルに格納されたレイアウト(基本レイアウト)の一部を改変したレイアウトをレイアウト候補として表示する。ユーザが仕上がりイメージを見たければレイアウト候補に画像を実際に配置してもよい。なお、レイアウト候補から所望のレイアウトを選択しようとするユーザと過去にレイアウトを選択したユーザとの区別は、アルバム作成処理の開始に際してユーザ識別情報とパスワードをセットで入力するよう要求し、HDD18に予め格納されたユーザ識別情報とパスワードの組と合致していれば、アルバム作成処理を開始し、以後入力されたユーザ識別情報と過去にレイアウトを選択したユーザの識別情報を比較し、両者が一致していなければ過去のレイアウトは他人の使ったものと判断するとよい。他人が過去に使ったものを変えると、他人のレイアウトを素材に簡単にオリジナリティを出せる。自分が過去に使ったレイアウトを変えると、オリジナリティがさらに高まる。
【0036】
例えば、図3(a)に示すような、3つの画像が右上から左下にかけての対角線に沿ってそれぞれサイズが小で配列される基本レイアウト(レイアウトA)がレイアウトテーブルに格納されていれば、各画像の配置位置は変えず、各画像のサイズを改変した2つのレイアウト候補(レイアウトB、レイアウトC)を作成する。図3(b)に示すレイアウトBでは、3つの画像が右上から左下にかけての対角線に沿ってそれぞれサイズが小・大・小で配列される。図3(c)に示すレイアウトCは、3つの画像が右上から左下にかけての対角線に沿ってそれぞれサイズが大・小・大で配列される。
【0037】
次に、S4の詳細を示す。
【0038】
例えば、図5に示すように、上記レイアウト候補に従って配置された画像を、ディスプレイ50内に設けられた候補表示領域R1でルーレットのように画面上部から下部に向けて(あるいはその逆に)スクロール移動させることで、各レイアウト候補に従って配置された画像を順次候補表示領域Rに出現させていくアニメーションを表示する。なおこのアニメーション表示はCPU12が制御する。表示順は、レイアウト候補作成順などにする。レイアウト候補をスクロール表示する代わりに過去に使用率の高かったレイアウトを所定の数だけ(例えば10)順にスクロール表示してもよい。
【0039】
図5(a)はレイアウトBに従って配置された画像が表示された様子、図5(b)はレイアウトCに従って配置された画像が表示された様子を示す。図示は省略するが、この他のレイアウト候補が作成されていれば、それに従って配置された画像も順次ルーレット(スロットマシン)状に表示する。そして、最後の順番のレイアウト候補(図5ではレイアウトC)の表示が終われば、最初の順番のレイアウト候補(図5ではレイアウトB)の表示に戻り、以降、「決定」ボタンの選択があるまで、ルーレット状の表示が繰り返される。
【0040】
ユーザは所望のレイアウト候補の表示がされた時点で、操作部26に含まれるタッチセンサが、ディスプレイ50の候補表示領域R1近傍に表示された「決定」ボタンの表示位置のタッチを検知すると、その検知時点で表示されていたレイアウト候補が最終レイアウトに決定される。最終レイアウトのパラメータは、レイアウトの識別情報とともにレイアウトテーブルに格納され、以降のレイアウト候補の作成に利用される。この各レイアウトごとの画像数、各画像の配置位置、配置サイズ、画像の形状その他のパラメータの対応関係は、レイアウトテーブルとしてHDD18に記憶される。
【0041】
図4はレイアウトテーブルでは、過去にレイアウトA、レイアウトB、レイアウトCが最終レイアウトに決定されたことを示している。この他、各レイアウトの利用率も対応づけてもよい。
【0042】
あるいは、レイアウト候補をユーザ操作に応じて作成したり、レイアウト候補の作成と選択を同時に行うこともできる。
【0043】
例えば、図6に示すように、ディスプレイ50に設けられた模擬的なビリヤードテーブルR2内で、ディスプレイ50に表示された模擬的なキューオブジェクトCで画像を突くと、キューオブジェクトCの操作速度および操作方向に応じてその突かれた画像がビリヤードの玉のように移動する。この際、突かれた画像が別の画像に衝突すると、物体同士の入射速度・角度と跳ね返り速度・角度との関係(剛体力学的法則に従ったもの)を規定したアルゴリズムに従い、衝突した画像を移動させる。キューオブジェクトCの打突速度および打突方向は操作部26から入力可能であり、CPU12はその入力に応じた画像の衝突跳ね返りのアニメーションの表示制御を行う。ユーザはキューオブジェクトCによる画像の打突を繰り返し、各画像の配置を決める。所望の位置に画像が移動したら、テーブルR2近傍の「決定」ボタンを押下して、その位置を画像の最終的なレイアウトに決定する。決定された最終的なレイアウトはレイアウトテーブルに格納される。なお、画像のデフォルトの配置位置として、レイアウトテーブルの過去のレイアウトを用いてもよい。例え
ば、他人のレイアウトあるいは自分のレイアウトごとに利用回数を積算しておき、過去に最も選択された他人あるいは自分のレイアウトをデフォルトの配置位置とする。
【0044】
あるいは、ブロック崩しのように、テーブルR2内で自律的に移動する擬似的なボールオブジェクトとブロックを表示し、そのボールオブジェクトに擬似的なラケットオブジェクトを当てて、ボールオブジェクトの移動方向を変化させる。ボールオブジェクトがブロックに当たった場合、当該はブロックはテーブルR2から消滅する。ユーザは操作部26を操作してラケットオブジェクトを動かし、ボールオブジェクトの移動方向を変化させることを繰り返し、所望のブロックのみを消滅させていく。所望のブロックが残れば、そこで「決定」ボタンを押下して、残ったブロックの位置を画像の配置位置とする最終的なレイアウトに決定する。決定された最終的なレイアウトはレイアウトテーブルに格納される。
【0045】
あるいは、操作部26に含まれるタッチセンサを操作することで、画像の位置と大きさを変化させ、気に入った配置が実現できれば、そこで最終的な配置位置を確定することもできる。
【0046】
例えば、図7に示すように、各画像I1〜I5をタッチセンサと積層されたディスプレイ50上のデフォルト位置(過去のレイアウトに従った配置でも可)に配置して表示し、各画像I1〜I5をディスプレイ50上からなぞって移動させる。この際、画像がディスプレイ50の中央部分に移動するに従って徐々に拡大して表示し、逆に中央部分から遠ざかるにしたがって徐々に縮小して表示する。図7では画像I5が中央部分にあるため、他の画像I1〜I4よりも相対的に拡大されている。これにより画像の位置と大きさを任意に変えることができる。所望の位置に画像が移動されれば、そこで「決定」ボタンを押下して、その時点での画像の位置とサイズを最終的なレイアウトに決定する。決定された最終的なレイアウトはレイアウトテーブルに格納される。つまり、レイアウトテーブルに格納されるレイアウトは、必ずしもS1〜S5の処理で作成されたレイアウト候補に限らず、過去に使われたものなら何でもよい。
【0047】
あるいは、図8に示すように、ディスプレイ50に模擬的な台紙オブジェクトMを配置し、ディスプレイ50上からデフォルト位置(過去のレイアウトに従った配置でも可)に配置された画像をなぞって、その台紙オブジェクトM上に画像を載せたりあるいは外したりして、台紙オブジェクトMの任意の位置に任意の画像を載せ、実際の台紙における画像の配置を決める。所望の位置に画像が移動されれば、そこで「決定」ボタンを押下して、その時点での画像の位置を最終的なレイアウトに決定する。決定された最終的なレイアウトはレイアウトテーブルに格納される。
【0048】
あるいは、図9に示すように、ディスプレイ50をなぞる方向、スピード、なぞり始めた始点およびなぞり終えた終点に合わせて、画像の配列とサイズを決める。例えば図9(a)に示すように左下から右上に一直線にディスプレイ50をなぞれば、その直線にそって画像が配列される。ここで、図9(b)に示すように速くなぞればそれだけ多くの画像を小さいサイズで配列する。逆に図9(c)に示すようにゆっくりなぞればそれだけ少ない画像を大きいサイズで配列する。所望の位置に希望のサイズで画像が配列されれば、そこで「決定」ボタンを押下して、その時点での画像の位置とサイズを画像の最終的なレイアウトに決定する。決定された最終的なレイアウトはレイアウトテーブルに格納される。配置やサイズが気に入らない場合は、図示しない「やり直し」ボタンを押下すると、それまでの画像の位置とサイズがクリアされ、最初から指定できる。
【0049】
ただし、操作部26の入力で最終レイアウトを決定する必然性はない。例えば、図10に示すように、店頭端末型のフォトアルバム作成装置10の筐体上部にデジタルカメラ15を設置し、デジタルカメラ15とフォトアルバム作成装置10の通信I/F28とを接続し、デジタルカメラ15が定期的に撮像して得た画像をフォトアルバム作成装置10に送る。なおデジタルカメラ15からの画像はアルバムに配置される画像とは区別されるが、無論アルバムに配置する画像として上記S2で選択できてもよい。
【0050】
図11は表情判断に応じたレイアウト候補選択指示の有無を判断するフローチャートである。この処理をCPU12に実行させるプログラムはHDD18その他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されている。
【0051】
図11に示すように、CPU12は、受信した画像から、筐体正面にいる人物(典型的にはフォトアルバムの注文者)の表情を解析する(S11)。表情解析の結果、人物が笑顔など配置が気に入った表情であると判断した場合(S12)、その時点で、上述のルーレット表示されているレイアウト候補、ビリヤード・ブロック崩しで確定した画像位置、タッチパネル操作で確定した画像配置位置・サイズ・形状などのパラメータを最終レイアウトのパラメータに決定する(S13)。
【0052】
表情解析の結果、人物が渋い顔や困った顔など配置が気に入らない表情であると判断した場合(S14)、その時点で、表示されているレイアウト候補の表示を終える(S15)。その後、上述のルーレット表示であれば、次のレイアウト候補を表示する。あるいは、ビリヤード・ブロック崩し、タッチパネル操作で確定した画像位置やサイズや形状などのパラメータをクリアし、画像をデフォルト位置に戻して、最終レイアウトの決定操作を最初からやり直しさせる。
【0053】
なお、表情の検出は公知のものが使用でき、例えば特開2007−299297号公報に記載のように一般化された表情データとのマッチングにより表情を解析・判断する。
【0054】
このように、既存の基本レイアウトのパラメータを変化させることでレイアウト候補を作成し、その中からユーザに所望のレイアウト候補を選択させることで、オリジナリティの高いレイアウトを簡単にユーザに利用させることができる。
【0055】
<第2実施形態>
第1実施形態において、基本のレイアウト(例えばレイアウトA)を基準に、操作部26の操作に基づいてレイアウトを決めるパラメータ(枚数、形、サイズ、並び方、背景色など)のうち特定のパラメータのみを変化させ、レイアウト候補を作成してもよい。
【0056】
例えば図12に示すように、操作部26に十字ボタン(あるいは円形ホイールのタッチパッドや上下左右カーソルキーなど多方向の指示入力が可能な各種操作部材)を設け、当該十字ボタンの上を押したら、レイアウトAを基に枚数を増やしたレイアウト候補すなわち画像が右上から左下の対角線に沿った配列と各画像のサイズと数と形状は維持するが、各画像のサイズを小さくし、その代わり配置する画像数を増やしたものを作成して表示する。
【0057】
十字ボタンの右が押されたら、画像の配列と画像数と形状は現状維持したまま、各画像のサイズを均等に、あるいは特定の画像のサイズだけを変える。右を押し続ければ、それだけ画像のサイズが大きくなり、台紙の許容範囲を超えたら、基本レイアウトのサイズに戻す。
【0058】
十字ボタンの左が押されたら、各画像の配列とサイズと数は現状維持するが、各画像の形状を変える。例えば、左を押し続ければ、丸、楕円、ダイヤ、正方形、矩形の順に各画像の形状を変える。
【0059】
十字ボタンの下が押されたら、各画像のサイズと数と形状は現状維持するが、配列を変える。これは、いくつかの配列パターンを用意しておき(例えば画像が中央に集まったもの、画像が四隅に分散したもの)、下を押し続ければ、順次配列パターンを切り替える。所望の位置に希望のサイズと形状で画像が配列されれば、そこで「決定」ボタンを押下して、あるいはカメラ15からの画像から解析した表情に応じて、その時点での画像の位置とサイズと形状を最終的なレイアウトに決定する。
【0060】
なお、ユーザが指定した範囲内でパラメータ変動をしてもよい。例えば、ユーザが最大5枚の範囲でしか画像を1ページに配置しない場合は、6枚以上の画像を配置するレイアウト候補は作成しないようにする。
【0061】
こうすると、ユーザが変えたいパラメータだけを変えてレイアウト候補を作成できるから、ユーザの好みに合ったレイアウト候補が素早く出来上がる。
【符号の説明】
【0062】
10:フォトアルバム作成装置、18:HDD、34:フォトアルバム生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の基本レイアウトを格納する手段と、
前記基本レイアウトを規定する画像の位置およびサイズに関するパラメータを、操作部の操作に従って変動させることで、前記基本レイアウトとは異なるレイアウト候補を少なくとも1つ作成する手段と、
を含み、
前記画像の位置に関するパラメータは前記操作部の操作位置に従って変動し、前記画像のサイズに関するパラメータは前記操作部の操作位置の移動方向および移動量のうち少なくとも1つに従って変動するレイアウト決定装置。
【請求項2】
画像の基本レイアウトを格納する手段と、
前記基本レイアウトを規定する画像の数、位置およびサイズに関するパラメータを、操作部の操作に従って変動させることで、前記基本レイアウトとは異なるレイアウト候補を少なくとも1つ作成する手段と、
を含み、
前記画像の位置に関するパラメータは前記操作部の操作位置に従って変動し、前記画像の数およびサイズに関するパラメータは前記操作部の操作位置の移動方向、移動量および移動速度のうち少なくとも1つに従って変動するレイアウト決定装置。
【請求項3】
前記基本レイアウトを規定する画像の位置およびサイズに関するパラメータ以外の特定のパラメータを、前記操作部の操作に従って変動させることで、前記基本レイアウトとは異なるレイアウト候補を少なくとも1つ作成する手段をさらに含む請求項1または2に記載のレイアウト決定装置。
【請求項4】
前記特定のパラメータは、画像の枚数、形、サイズ、並び方および背景色のうち少なくとも1つを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のレイアウト決定装置。
【請求項5】
前記画像の位置に関するパラメータは、前記操作部の操作速度および操作方向に応じて決定される擬似的なキューオブジェクトによる前記画像の打突速度および打突方向に従って変動する請求項1〜4のいずれか1項に記載のレイアウト決定装置。
【請求項6】
前記画像の数に関するパラメータは、前記操作部の操作に応じて移動する擬似的なラケットオブジェクトに、自律的に移動する擬似的なボールオブジェクトを当てることで、前記ボールオブジェクトの移動方向を変化させ、前記移動方向の変化したボールオブジェクトに当たった前記画像を消滅させることで変化する請求項1〜5のいずれかに記載のレイアウト決定装置。
【請求項7】
前記作成したレイアウト候補を出力する手段をさらに含む請求項1〜6のいずれかに記載のレイアウト決定装置。
【請求項8】
前記作成したレイアウト候補を出力する手段は、前記作成したレイアウト候補の印刷媒体への出力、記録メディアへの記録、ディスプレイへの出力およびネットワークへの送信のうち少なくとも1つを実行する請求項7に記載のレイアウト決定装置。
【請求項9】
レイアウト候補の選択指示を受け付ける手段と、
前記選択指示に基づいて前記レイアウト候補から最終的なレイアウトを決定する手段と、
をさらに含む請求項1〜8のいずれかに記載のレイアウト決定装置。
【請求項10】
前記基本レイアウトは、特定のユーザが過去に使用したレイアウトまたは前記特定のユーザ以外のユーザが過去に使用したレイアウトを含む請求項1〜9のいずれかに記載のレイアウト決定装置。
【請求項11】
前記作成したレイアウト候補の各々を繰り返しスクロール表示する手段を含む請求項1〜10のいずれかに記載のレイアウト決定装置。
【請求項12】
被写体を撮像した画像データを入力する手段と、
前記画像データに基づいて前記被写体の表情を解析する手段と、
前記解析された被写体の表情に基づいて前記選択指示の有無を判別する手段と、
を含む請求項1〜11のいずれかに記載のレイアウト決定装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれかに記載のレイアウト決定装置としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項14】
画像の基本レイアウトを格納するステップと、
前記基本レイアウトを規定する画像の位置およびサイズに関するパラメータを、操作部の操作に従って変動させることで、前記基本レイアウトとは異なるレイアウト候補を少なくとも1つ作成するステップと、
を含み、
前記画像の位置に関するパラメータは前記操作部の操作位置に従って変動し、前記画像のサイズに関するパラメータは前記操作部の操作位置の移動方向および移動量のうち少なくとも1つに従って変動するレイアウト決定方法。
【請求項15】
画像の基本レイアウトを格納するステップと、
前記基本レイアウトを規定する画像の数、位置およびサイズに関するパラメータを、操作部の操作に従って変動させることで、前記基本レイアウトとは異なるレイアウト候補を少なくとも1つ作成するステップと、
を含み、
前記画像の位置に関するパラメータは前記操作部の操作位置に従って変動し、前記画像の数およびサイズに関するパラメータは前記操作部の操作位置の移動方向、移動量および移動速度のうち少なくとも1つに従って変動するレイアウト決定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−190466(P2012−190466A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−105783(P2012−105783)
【出願日】平成24年5月7日(2012.5.7)
【分割の表示】特願2008−89549(P2008−89549)の分割
【原出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】