説明

レシチン系組成物及びその食品での使用

【課題】 全脂肪含有物を含む単離された卵黄レシチン製品を提供する。
【解決手段】 この全脂肪含有物を含む単離された卵黄レシチン製品は、30〜100mg/g全脂肪含有物の少なくともリン脂質画分を持つω6長鎖ポリ不飽和脂肪酸(LCPUFA)部分を含む。この製品は幼児食調合乳の脂肪混合物で使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくともリン脂質画分を持つω6長鎖ポリ不飽和脂肪酸(LCPUFA)部分を含む全脂肪含有物を含む単離された卵黄レシチン製品に関する。
【背景技術】
【0002】
卵レシチンは、コレステロール、トリグリセリド及びリン脂質(特にホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン及びホスファチジルイノシトールを含む)の混合物である。
【0003】
トリグリセリドは、植物油及び動物脂肪の主成分である脂肪酸エステルである。トリグリセリドが加水分解(分裂)されると、人体のためのエネルギーを与える脂肪酸が遊離される。
【0004】
リン脂質は、脂肪酸がリン酸塩基により置換された脂質である。ホスホリパーゼの酵素作用下に、リン脂質に含まれた脂肪酸が遊離される。
【0005】
アラキドン酸(ARA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)はともに長鎖ポリ不飽和脂肪酸(LCPUFA)である。従って、それらはリン脂質またはトリグリセリドを含むことができ、または言い換えればそれらはリン脂質またはトリグリセリドを構成することができる。
【0006】
典型的には、卵レシチンは、リン脂質画分によりかつトリグリセリド画分により構成されたアラキドン酸、及びリン脂質画分によりかつトリグリセリド画分により構成されたドコサヘキサエン酸を含む。
【0007】
卵黄レシチン製品の周知の用途は、US4670285に述べられたような幼児食にある。US4670285は、幼児食調合乳の100ml当り5〜100mgのω6LCPUFAの使用、及び調合乳の100ml当り0.5〜60mgのω3LCPUFAの使用を記載する。
【0008】
LCPUFAは妊娠時に赤ん坊の脳内に蓄積され、誕生後に赤ん坊は通常、必要な脂肪酸をω6及びω3に、特にアラキドン酸及びドコサヘキサエン酸に富んだ母乳を介して受けとる。
【0009】
脂肪酸源として卵黄脂質を用いることの利点は、C20及びC22ω6及びω3脂肪酸がそのとき天然脂肪から誘導されることである。さらに、この発明の食用脂肪製品は、脳組織の合成及びカルシウムの吸収に有利な効果を持ち、高い割合で腸に吸収される。従って、この脂肪製品は、人間の幼児の全栄養支持のために特に適合した幼児調合乳中に組み込まれるために特に適している。
【0010】
今日、FAO/WHO推奨は、幼児組成物中の長鎖ポリ不飽和脂肪酸としてアラキドン酸及びドコサヘキサエン酸を満期前出産の幼児食調合乳のためにそれぞれ40mgと26.7mg/100mlの濃度で、そして満期出産の幼児食調合乳のためにそれぞれ26.7mgと13.3mg/100mlの濃度で使用することである。1%EYPLを推奨。
【0011】
母乳は全脂質のうち97〜99%のトリグリセリド形の脂肪酸及び0.5〜2%のリン脂質形の脂肪酸を含み、LCPUFAは90〜95%のトリグリセリド形及び5〜10%のリン脂質形である。
【0012】
CA2201931は、幼児食調合乳で使用されるための脂肪混合物を開示し、そこではリン脂質形で脂肪混合物中に存在するアラキドン酸は0.2〜3.0mg/g全脂肪を構成し、リン脂質形で存在するドコサヘキサエン酸は0.1〜2.0mg/g全脂肪を構成し、さらにトリグリセリド形で脂肪混合物中に存在するアラキドン酸とドコサヘキサエン酸はそれぞれトリグリセリド形で存在する脂肪酸の合計に基づいて0.5〜15重量%を構成する。
【0013】
CA2201931は、リン脂質及びトリグリセリドの混合物の形のLCPUFAがコストを減らすために、母乳のトリグリセリドの観察された値に関して減少されることができることを記載する。
【0014】
植物油及び反芻動物の乳脂肪はリン脂質形のLCPUFAを含まず、この理由のため、幼児のための粉乳の製造者が母乳の自然値に近づけることを意図するとき、製造者は動物誘導リン脂質及び/または単細胞発酵誘導トリグリセリドからのLCPUFAを使用しなければならない。
【0015】
食物連鎖の増大する安全により、動物からの脂肪はより安全である傾向があり、卵はこの目的に対し信頼を得ているが、標準産卵鶏の卵のLCPUFAの濃度は比較的低い(±3%)。
【0016】
今日、家禽類の食糧コストの定常的増加により、通常の家禽類の卵からのLCPUFAの抽出は、純粋な経済的観点からすぐに実行可能でないであろう。
【発明の概要】
【0017】
この問題を解決するために、本発明は、コストを低く保ちながらかつ食物連鎖の品質基準に対して安全な製品を提供しながら、推奨されたω6LCPUFA値、特に幼児食産業で標準である2mg/g全脂肪のアラキドン酸(ARA)値に到達するために高濃度で使用されることが要求されない単離された卵黄製品を提供する。
【0018】
この目的のために、本発明は、30〜100mg/g全脂肪含有物の前記ω6LCPUFAのリン脂質画分を持つ単離された卵黄レシチン製品を提供する。
【0019】
用語「前記ω6LCPUFAのリン脂質画分」は、リン脂質からのω6LCPUFAを意味する。用語「前記ω3LCPUFAのリン脂質画分」は、リン脂質からのω3LCPUFAを意味する。
【0020】
従って、本発明による単離された卵黄レシチン製品は、ω6LCPUFAにおいて高い含有量のリン脂質(30〜100mg/g全脂肪)を与え、それにより幼児食調合乳中で使用するために必要な単離された卵黄レシチン製品の量を減少し、従って製造コストを減少する。
【0021】
有利には、本発明による単離された卵黄レシチン製品は、50〜100mg/g全脂肪含有物、好ましくは65〜100mg/g全脂肪含有物であるリン脂質画分を含むω6LCPUFA部分を与える。
【0022】
好適実施態様では、本発明による単離された卵黄レシチン製品は、24〜80mg/g全脂肪含有物、好ましくは40〜80mg/g全脂肪含有物、より好ましくは52〜80mg/g全脂肪含有物であるリン脂質画分からなるアラキドン酸部分を含むω6LCPUFA部分を含む。
【0023】
本発明による組成物では、アラキドン酸は最も重要なω6LCPUFAである。母乳中の最も重要なω6LCPUFAはまた、アラキドン酸であるので、本発明による組成物は特にこの目的に対して有用である。
【0024】
本発明による単離された卵黄レシチン製品では、ω6LCPUFA部分はさらに、0〜2mg/g全脂肪含有物の任意のトリグリセリド画分を与える。
【0025】
用語ω6またはω3LCPUFA部分の「トリグリセリド画分」は、それぞれトリグリセリドからのω6またはω3LCPUFAを意味する。
【0026】
本発明による好適実施態様では、ω6LCPUFA部分は、0.01〜1.7mg/g全脂肪含有物、好ましくは0.01〜0.5mg/g全脂肪含有物、より好ましくは0.01〜0.025mg/g全脂肪含有物のトリグリセリド画分を与える。
【0027】
理解されることができるように、本発明による単離された卵黄レシチン製品では、リン脂質画分に対するトリグリセリド画分の割合は非常に小さい。
【0028】
変形例では、単離された卵黄レシチン製品には、トリグリセリド画分がない。
【0029】
有利には、単離された卵黄レシチン製品の全脂肪含有物はさらに、4.2〜17mg/g全脂肪、好ましくは7〜17mg/g全脂肪含有物、より好ましくは9.1〜17mg/g全脂肪のリン脂質画分を持つω3LCPUFA部分を含む。
【0030】
特に、前記ω3LCPUFA部分は、3.4〜13.6mg/g全脂肪含有物のリン脂質画分を持つドコサヘキサエン酸部分を含む。
【0031】
DHAはまた、非常に重要なLCPUFAであり、それは母乳中に見出され、このLCPUFAはこの量で存在することが非常に有用である。
【0032】
本発明による好適実施態様では、単離されたレシチン卵黄製品の前記ω3LCPUFA部分はさらに、0〜26mg/g全脂肪含有物、好ましくは0〜24.8mg/g全脂肪のトリグリセリド画分を与える。
【0033】
より好適な実施態様では、単離された卵黄レシチン製品のω3LCPUFA部分のトリグリセリド画分は0〜0.04mg/g全脂肪である。
【0034】
さらにより好適な実施態様では、本発明による単離された卵黄レシチン製品はトリグリセリド画分を含まない。
【0035】
理解されることができるように、本発明によるこの特別な実施態様は、ω6LCPUFA部分及びω3LCPUFA部分の両方で、トリグリセリドに対してリン脂質中の非常に高い濃度のLCPUFAを含む。リン脂質はまた、人体に対してコリンを与え、それらは赤ん坊の発育のための重要な細胞成分であるので、本発明によるレシチン製品を食糧で(赤ん坊、子供、成人または動物のいずれかまたはリン脂質を必要とする植物のために)使用することは明らかに特に有用である。
【0036】
好ましくは、卵黄レシチン製品は、めんどり、あひる、うずら、だちょう、がちょう、七面鳥等のような家禽類の卵から単離される。
【0037】
本発明による単離された卵黄レシチン製品の他の実施態様は添付請求項に述べられている。
【0038】
本発明はまた、本発明による単離された卵黄レシチン製品の0.2〜100%を含む脂肪混合物に関する。
【0039】
本発明の特別な実施態様では、脂肪混合物は、少なくともリン脂質画分及び任意のトリグリセリド画分を持つω6長鎖ポリ不飽和脂肪酸(LCPUFA)部分を含む全脂肪含有物を含む。本発明による脂肪混合物はさらに、ω6LCPUFAのリン脂質画分が1〜100mg/g全脂肪含有物であり、ω6LCPUFA部分のトリグリセリド画分が0〜0.5mg/g全脂肪であることを特徴とする。
【0040】
理解されることができるように、本発明による脂肪混合物はω6LCPUFA中にトリグリセリドを含まないかまたは痕跡しか含まないことが好ましい。すなわちトリグリセリドからのω6LCPUFAを含まないかまたは痕跡しか含まないことが好ましい。
【0041】
しかし、ある場合または用途では、トリグリセリドは必要である。それらの場合、植物油、魚油、化学油及び動物脂肪、単細胞油(single cell oil)、集合細胞油(aggregated cell oil)、卵、乳、肉、食肉のような動物製品からの脂肪等からなる群から選ばれた一つ以上の脂肪成分が、製造者の基準を達成するように、単離された卵黄レシチン製品に添加される。植物油はトリグリセリドに富み、かつ動物誘導物質に対して非常に安く、それにより食品組成物を製造するために経済的な工程で適切な用途を与える。
【0042】
本発明による脂肪混合物の他の実施態様は添付請求項に述べられている。
【0043】
本発明はまた、本発明による単離された卵黄レシチン製品の0.2〜40重量%を含む幼児食調合乳に関する。
【0044】
幼児食組成物中の全脂肪はほぼ3.8g/100mlである。ω6LCPUFA中に高度に濃縮された本発明によるレシチン系組成物を用いることにより、FAO/WHO規格による幼児食調合乳並びに満期前出産幼児食調合乳を製造することができる。満期前出産の赤ん坊は、脳の発育を完成するために高含有量のLCPUFAを必要とすることが示された。本発明による組成物中のω6LCPUFAの非常に高い濃度は、この組成物を満期前出産の赤ん坊に特に好適なものにする。
【0045】
好適実施態様では、幼児食調合乳は、本発明による単離された卵黄レシチン製品の2.3〜33重量%を含む。
【0046】
理解されることができるように、例えば満期出産の赤ん坊のためには、例えばアラキドン酸部分に88.6mgリン脂質/g全脂肪含有物を含む、本発明による単離された卵黄レシチン製品の2.3%を含む幼児食組成物は、幼児食調合乳で一般的に使用される基準であるリン脂質画分中のアラキドン酸の2.03mg/g全脂肪含有物を達成する。従って、この組成物は、使用される量が非常に小さいので、非常に経済的に重要である。
【0047】
満期前出産幼児食組成物では、使用される本発明によるレシチン製品の量は全脂肪含有物(25%)のほぼ30%である。従って、食品組成物中にミルク蛋白質のような他の栄養分を添加するための可能性を保持しながら非常に高含有量のLCPUFA(FAO/WHO規格)を持たせることができる。
【0048】
特に、幼児食調合乳は、少なくともリン脂質画分及び任意のトリグリセリド画分を持つω6長鎖ポリ不飽和脂肪酸(LCPUFA)部分を含む。幼児食調合乳は、ω6LCPUFA部分のリン脂質画分が1〜12mg/g全脂肪含有物であり、ω6LCPUFA部分のトリグリセリド画分が0〜0.5mg/g全脂肪であることを特徴とする。
【0049】
特に、幼児食調合乳のω6LCPUFA部分はトリグリセリドからのω6LCPUFAのトリグリセリド画分を含まないかまたは痕跡しか含まない。
【0050】
有利には、幼児食調合乳のω3LCPUFA部分はトリグリセリドからのω3LCPUFAのトリグリセリド画分を含まないかまたは痕跡しか含まない。
【0051】
幼児食組成物の他の実施態様は添付請求項中に述べられている。
【0052】
本発明はまた、幼児食組成物の製造における組成物の使用に関する。好ましくは、組成物の2.3〜33重量%が使用される。
【0053】
本発明による使用の他の実施態様は添付請求項中に述べられている。
【0054】
本発明の他の特徴及び利点は、実施例を参照しながら、本発明の特定の限定されない実施態様の以下の説明に照らすと、より明らかになるであろう。
【実施例】
【0055】
脂肪酸パターンの詳細な分析がなされた。
【0056】
結果は以下の表1に示されている。

【0057】
全脂肪酸は、脂肪酸メチルエステル(FAME)誘導体の標準GLC法により分析され、一方、トリグリセリド及びリン脂質画分は、TLC法により分離され、高分解能ガスクロマトグラフィ(HRGC)に供された。表の結果は、C20:4ω6とC22:5ω6が標準GLCにより分離されないが、HRGCによりうまく分離されることを示す。それは全脂肪酸とトリグリセリド+リン脂質との間の差により得られるC22:5ω6に対する−13.57g/kgの結果を説明する。
【0058】
実施例1
卵黄レシチンが、従来記載された方法(WO87/04711,WO91/03946,WO93/25644,WO01/76715,WO01/76385,DE10018213)の適用により抽出され、以下の組成が得られた(表2参照)。

ω6LCPUFAは、表1に述べられているように、アラキドン酸の画分(約80%)とC22:5ω6の画分から構成される。
【0059】
実施例2
実施例1で得られた本発明による単離された卵黄レシチン製品の2.3%が幼児食組成物を製造するために使用された。最終製品中のLCPUFA含有量は表3に与えられている。

【0060】
理解されることができるように、本発明による組成物の2.3%は、アラキドン酸の2.0mg/g全脂肪の値(幼児食標準)に近い最終値を与える。
【0061】
実施例3
実施例1から得られた本発明による単離された卵黄レシチン製品の幾らかの量が幼児食組成物で使用された。最終食品製品中のLCPUFA含有量が表4に示されている。

【0062】
理解されることができるように、幼児食調合乳2は、全脂肪中に本組成物の12%のみを必要とすることにより満期前出産の幼児食品として使用するために適当でありうる。従って、この使用は、他の栄養物を添加するために88%の自由度を保持しながら全くコストがかからない。FAO/WHOは、満期前出産の幼児食組成物のためにアラキドン酸の10mg/g全脂肪を使用することを推奨する。従って、この組成物は特に適している。
【0063】
幼児食調合乳3は、アラキドン酸7mg/gを必要とする満期出産幼児食組成物のためのFAO/WHO推奨に従う。
【0064】
実施例4
以下の組成物を得るために魚油が本発明による組成物に添加された(表5参照)。

【0065】
実施例5
実施例4で得られた本発明による単離された卵黄レシチン製品の6.15%が幼児食組成物に添加された。最終製品中のLCPUFA含有量は表6に与えられている。

【0066】
理解されることができるように、本発明による組成物の3.5%は、幾つかの場合に望ましいものでありうるトリグリセリドを提供しながら、母乳中のアラキドン酸の値に近い最終値を与える。
【0067】
実施例6
実施例4で得られた本発明による単離された卵黄レシチン製品の幾らかの量が幼児食組成物で使用された。最終製品中のLCPUFA含有量は表7に示されている。

【0068】
理解されることができるように、幼児食調合乳5は、全脂肪中にこの組成物の33%のみを必要とすることにより満期前出産幼児食として使用するために適当でありうる。従って、この使用は、他の脂肪を添加するために67%の自由度を保持しながら全くコストがかからない。FAO/WHOは、満期前出産幼児食組成物のためにアラキドン酸の10mg/g全脂肪を使用することを推奨する。従って、この組成物は特に適している。
【0069】
幼児食調合乳6は、アラキドン酸の7mg/gを必要とする満期出産幼児食組成物のためのFAO/WHO推奨に従う。
【0070】
本発明の好適実施態様が例示目的のために開示されたが、当業者は、添付請求項に開示された本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、種々の変更、付加、または置換が可能であることを認めるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともリン脂質画分を持つω6長鎖ポリ不飽和脂肪酸(LCPUFA)部分を含む全脂肪含有物を含む、単離された卵黄レシチン製品において、前記ω6LCPUFAのリン脂質画分が30mg〜100mg/g全脂肪含有物であることを特徴とする単離された卵黄レシチン製品。
【請求項2】
前記ω6LCPUFA部分が50〜100mg/g全脂肪含有物、好ましくは65〜100mg/g全脂肪含有物のリン脂質画分を含むことを特徴とする請求項1に記載の単離された卵黄レシチン製品。
【請求項3】
前記ω6LCPUFA部分が24〜80mg/g全脂肪含有物のリン脂質画分から構成されたアラキドン酸部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の単離された卵黄レシチン製品。
【請求項4】
前記アラキドン酸部分が40〜80mg/g全脂肪含有物、好ましくは52〜80mg/g全脂肪含有物のリン脂質画分を含むことを特徴とする請求項3に記載の単離された卵黄レシチン製品。
【請求項5】
ω6LCPUFA部分がさらに、0〜2mg/g全脂肪含有物のトリグリセリド画分を与えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の単離された卵黄レシチン製品。
【請求項6】
前記ω6LCPUFA部分のトリグリセリド画分が0.01〜1.7mg/g全脂肪含有物、好ましくは0.01〜0.5mg/g全脂肪含有物、より好ましくは0.01〜0.025mg/g全脂肪含有物であることを特徴とする請求項5に記載の単離された卵黄レシチン製品。
【請求項7】
全脂肪含有物がさらに、4.2〜17mg/g全脂肪のリン脂質画分を持つω3LCPUFA部分を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の単離された卵黄レシチン製品。
【請求項8】
前記ω3LCPUFA部分の前記リン脂質画分が7〜17mg/g全脂肪含有物、好ましくは9.1〜17mg/g全脂肪であることを特徴とする請求項7に記載の単離された卵黄レシチン製品。
【請求項9】
前記ω3LCPUFA部分が3.4〜13.6mg/g全脂肪含有物のリン脂質画分を持つドコサヘキサエン酸部分を含むことを特徴とする請求項7に記載の単離された卵黄レシチン製品。
【請求項10】
前記ω3LCPUFA部分がさらに、0〜26mg/g全脂肪含有物、好ましくは0〜24.8mg/g全脂肪のトリグリセリド画分を与えることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の単離された卵黄レシチン製品。
【請求項11】
ω3LCPUFA部分の前記トリグリセリド画分が0〜0.04mg/g全脂肪であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の単離された卵レシチン系組成物。
【請求項12】
トリグリセリド画分を持たない請求項1〜4または7〜9のいずれか一つに記載の単離された卵黄レシチン製品。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一つに記載の単離された卵黄レシチン製品の0.2〜100%を含む脂肪混合物。
【請求項14】
少なくともリン脂質画分及び任意のトリグリセリド画分を持つω6長鎖ポリ不飽和脂肪酸(LCPUFA)部分を含む全脂肪含有物を含む脂肪混合物において、ω6LCPUFAのリン脂質画分が1〜100mg/g全脂肪含有物であり、ω6LCPUFA部分のトリグリセリド画分が0〜0.5mg/g全脂肪であることを特徴とする脂肪混合物。
【請求項15】
植物油、魚油、化学油及び動物脂肪、単細胞油、集合細胞油、卵、乳、肉、食肉のような動物製品からの脂肪等からなる群から選ばれた一つ以上の脂肪成分をさらに含むことを特徴とする請求項13または14に記載の脂肪混合物。
【請求項16】
請求項1〜12のいずれか一つに記載の単離された卵黄レシチン製品の0.2〜40重量%を含むことを特徴とする幼児食調合乳。
【請求項17】
請求項1〜12のいずれか一つに記載の単離された卵黄レシチン製品の2.3〜33重量%を含むことを特徴とする請求項16に記載の幼児食調合乳。
【請求項18】
少なくともリン脂質画分及び任意のトリグリセリド画分を持つω6長鎖ポリ不飽和脂肪酸(LCPUFA)部分を含む幼児食調合乳において、ω6LCPUFA部分のリン脂質画分が1〜12mg/g全脂肪含有物であり、ω6LCPUFAのトリグリセリド画分が0〜0.5mg/g全脂肪であることを特徴とする幼児食調合乳。
【請求項19】
ω6LCPUFA部分がトリグリセリドを含まないかまたは痕跡しか含まないことを特徴とする請求項16〜18のいずれか一つに記載の幼児食調合乳。
【請求項20】
トリグリセリドを含まないかまたは痕跡しか含まないω3LCPUFA部分をさらに含むことを特徴とする請求項16〜19のいずれか一つに記載の幼児食調合乳。
【請求項21】
幼児食組成物の製造における請求項1〜12のいずれか一つに記載の組成物の使用。
【請求項22】
組成物の2.3〜33重量/重量%が使用されることを特徴とする請求項21に記載の使用。

【公表番号】特表2011−510645(P2011−510645A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544695(P2010−544695)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050993
【国際公開番号】WO2009/095435
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(510208479)ビーエヌエルフード インヴェストメンツ エスエーアールエル (1)
【Fターム(参考)】