説明

レジスタ端末装置及びレジスタ端末システム

【課題】オンラインによらずPOSレジスタから他のPOSレジスタへの売上データの登録を容易に且つ正確に行う。
【解決手段】CPU11は、RAM13に記憶されている1日分の会計情報を読み出す。次に、CPU11は、読み出した会計情報について、特売対象である商品に係る会計情報については、一取引の特売ごとに会計情報を記憶し、非特売の通常販売対象である商品に係る会計情報については、商品コードごとに会計情報を集計し記憶する。次に、CPU11は、商品コードごとの会計情報の集計結果と、一取引の特売ごとの会計情報の記憶結果とを区別して記載した集計レポートを印字部19から出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特売条件が設定されるレジスタ端末装置の精算実績の集計及び特売条件の設定の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、スーパーマーケット等の店舗で用いられる会計処理のためのPOS(Point of Sales)レジスタは、店舗又は店舗チェーンが運用するPOSシステムにネットワーク接続されることが多い。このPOSシステムは、商品情報、特売情報、販売実績等を管理するためのシステムであり、ストアコンピュータが接続されている。また、そのような店舗では、店頭の広場や特設催事場(以下、特設会場と称す。)にて朝市や地方物産展等を開き、商品販売が行われることがある。しかし、屋外の特設会場等にはネットワーク接続環境が整備されていない、又は整備することが困難なことが多く、そのような場所にPOSレジスタを設置する場合は、POSシステムへの接続ができず独立稼動させることとなる。
【0003】
ところで、店舗においては、例えば一日の売上実績をPOSシステムに計上することが行われる。従来、上記のように独立稼動させたPOSレジスタを用いた場合は、そのPOSレジスタでのその日の売上実績を、POSシステムに接続された別のPOSレジスタを利用して登録していた。具体的には、独立稼動させたPOSレジスタから一日の売上実績が記録されたジャーナルを印字出力させ、そして、店員によるジャーナルの目視読取りと、POSシステムに接続されたPOSレジスタのキー入力操作とによる登録を行なっていた。この登録方法は、店員のキー操作を伴うため作業が煩雑であり、また読取り間違いやキー操作間違いが発生するおそれもあって正確さを欠くという問題があった。
【0004】
一方、レジスタの売上データを情報処理装置に登録する作業を、効率的且つ正確に行うことを目的として、レジスタに、売上データをバーコード形式で印字出力させ、情報処理装置に、印字されたバーコードをバーコードスキャナで読み取らせて売上データを登録する売上げデータ処理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この売上げデータ処理システムにおけるレジスタと情報処理装置とを、前述の独立稼動するPOSレジスタと、POSシステムに接続されたPOSレジスタとに適用し、集計レポートの内容をバーコード化するようにすれば、店員の煩雑な作業が軽減されるとともに、人的作業に起因する間違いのおそれも少なくなり正確性が高くなることが期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−235448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、POSレジスタには種々の特売条件(例えば、詳しくは後述するミックスマッチ、バンドル、セットマッチ等)が設定(特売設定)されることが多い。この特売条件とは、買上商品の組合わせや買上個数によって一定割引や一定値引をする特別販売のための条件のことをいう。特許文献1記載のレジスタと情報処理装置とを、前述の独立稼動するPOSレジスタと、POSシステムに接続されたPOSレジスタとに適用して売上計上を行った場合、特売設定がされたPOSレジスタに、売上計上のために、商品コードと買上個数との情報が含まれたバーコードを読み込ませたときに、その読み込まれたデータに対してさらに特売設定がされてしまい、正しい金額の売上計上ができないという問題があった。特に、印字されたバーコードを読み込ませる順番により、特売設定がされたりされなかったりする場合が発生し得るため信頼性が保てない。
【0007】
また、特売設定は、POSシステムのストアコンピュータの制御によってネットワーク接続されたPOSレジスタに対して行われることが通常であるため、独立稼動するPOSレジスタに対してはこのオンラインによる設定が行えない。しかし、独立稼動するPOSレジスタに対しても特売設定をしたい場合がある。例えば、店舗が定めた期間中、特設会場に設置して使用される独立稼動のPOSレジスタについて、その期間中に新たな商品を追加して特売することになった場合や、特売セール期間中に特売条件が変わった場合等である。このような場合において、従来は、独立稼動するPOSレジスタに対して複雑な特売条件の設定を手入力で行っており、特売設定を容易に且つ正確に行うことができなかった。
【0008】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その第一の目的として、一方のレジスタ端末装置から他方のレジスタ端末装置への精算実績の登録を、容易に且つ正確に行うことができるレジスタ端末装置及びレジスタ端末システムを提供することを目的とする。また、本発明の第二の目的として、特売設定の設定対象であるレジスタ端末装置に対して特売設定を容易に且つ正確に行うことができるレジスタ端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下[1]−[6]の態様を提供するものである。
[1]通常販売価格で精算処理するための第1の精算条件と、特別販売価格で精算処理するための第2の精算条件とのうちいずれかの精算条件を適用して商品の精算処理を行うレジスタ端末装置において、所定期間分の商品の精算処理に基づく精算における、前記第1の精算条件が適用されて精算処理された実績を記憶する第1の記憶手段と、前記第2の精算条件が適用されて精算処理された実績を記憶する第2の記憶手段と、前記第1及び第2の記憶手段にそれぞれ記憶された実績を区別して印字する印字手段と、を備えたことを特徴とするレジスタ端末装置。
本発明の第1の態様によれば、レジスタ端末装置からは、第1の精算実績と第2の精算実績とに区別して印字出力される。これにより、例えばPOSシステムのネットワークに接続された別のレジスタ端末装置に売上計上をする際に、その印字内容に基づいて第1の精算実績と第2の精算実績とを区別して計上登録することができるため、オペレータに通常販売と特売販売とを明確に区別して作業させることができ、登録のミスを防ぐことができる。
【0010】
[2]前記第2の記憶手段は、顧客の取引ごとに実績を記憶することを特徴とした上記[1]記載のレジスタ端末装置。
本発明の第2の態様によれば、レジスタ端末装置からは、第1の記憶手段に記憶された実績と、顧客の取引ごとに記憶された第2の記憶手段に記憶された実績とに区分して印字出力される。これにより、例えばPOSシステムのネットワークに接続された他のレジスタ端末装置に売上計上をする際に、その印字内容に基づいて第1の精算条件の実績と、顧客の取引ごとの第2の精算条件の実績とを区別して計上登録することができる。例えば、商品の組み合わせにより発生した精算実績、商品の購入数により発生した精算実績等を分けて正しく計上することができるため、正確な売上結果の登録を行うことができる。
【0011】
[3]前記印字手段は、前記第1及び第2の記憶手段に記憶された実績それぞれの操作方法に関する情報を、前記第1及び第2の精算条件の実績それぞれに対応させて印字することを特徴とした上記[2]記載のレジスタ端末装置。
本発明の第3の態様によれば、印字内容には、例えば通常販売、バンドル販売、セットマッチ販売、ミックマッチ販売等の販売形態に合わせた操作方法に関する情報が印字されるため、売上実績の登録作業において、オペレータは操作方法に関する情報をガイドとして作業を行うことができ、操作間違い等の人的ミスを防ぐことができる。
【0012】
[4]商品の精算処理を行うレジスタ端末装置において、特別販売価格で精算処理するための一又は複数の精算条件を記憶する精算条件記憶手段と、前記記憶された精算条件ごとに、商品の商品コードと、その商品の通常販売価格からの割引率又は値引額とを抽出する抽出手段と、前記抽出された情報を精算条件ごとに印字する印字手段と、
を備えたことを特徴とするレジスタ端末装置。
本発明の第4の態様によれば、レジスタ端末装置からは、特売販売価格で精算処理するための一又は複数の精算条件ごとに、商品の商品コードと、その商品の通常販売価格からの割引率又は値引額とが印字出力される。これにより、別のレジスタ端末装置では、その印字内容を用いることで、従来のレジスタ端末が備えるスキャナ部とキー操作部とを用いて簡便に且つ正確に特売設定を行うことができる。
【0013】
[5]前記印字手段は、前記抽出手段により抽出された情報の操作方法に関する情報を、前記抽出された情報に対応させて印字することを特徴とした上記[4]記載のレジスタ端末装置。
また、本発明の第5の態様によれば、例えば、通常販売、バンドル販売、セットマッチ販売、ミックマッチ販売等の販売形態に合わせた操作方法に関する情報が印字されるため、特売設定作業において、オペレータは操作指示情報をガイドとして作業を行うことができ、操作間違い等の人的ミスを防ぐことができる。
【0014】
[6]第1のレジスタ端末装置の、所定期間分の商品の精算処理に基づく精算実績を、第2のレジスタ端末装置に登録するレジスタ端末システムにおいて、前記第1のレジスタ端末装置は、前記精算実績における、通常販売価格で精算処理するための第1の精算条件が適用されて精算処理された実績を商品の商品コードごとに記憶する第1の記憶手段と、特別販売価格で精算処理するための第2の精算条件が適用されて精算処理された実績を顧客の取引ごとに記憶する第2の記憶手段と、前記第1及び第2の記憶手段に記憶された実績を区別して印字する印字手段と、を備え、前記第2のレジスタ端末装置は、前記第1及び第2の精算条件を記憶する精算条件記憶手段と、操作入力手段と、前記印字手段により印字された前記第1及び第2の記憶手段に記憶された実績を読取る読取手段と、前記読取られた前記第1及び第2の記憶手段に記憶された実績と、前記操作入力手段からの入力値と前記記憶された第1及び第2の精算条件とに基づいて、前記精算実績を生成して登録する登録手段と、を備えたことを特徴とするレジスタ端末システム。
本発明の第6の態様によれば、第1のレジスタ端末装置からは、第1の精算条件の実績と、顧客の取引ごとに集計された第2の精算条件の実績とに区分して印字出力される。そして、第2のレジスタ端末装置では、その印字内容から第1及び第2の精算実績を読取って第1のレジスタ端末装置の精算実績が生成されて登録される。これにより、第1のレジスタ端末装置から出力された印字内容に基づいて、通常販売の第1の精算実績と、顧客の取引ごとの第2の精算実績とを区別して計上登録することができ、例えば、商品の組み合わせにより発生した精算実績、商品の購入数により発生した精算実績等を分けて正しく計上することができるため、正確な売上結果の登録を行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、買上商品の組み合わせや買上個数によって単価が変わってしまう場合でも、一方のレジスタ端末装置から他方のレジスタ端末装置への精算実績の登録を、容易に且つ正確に行うことができる。また、特売設定の設定対象であるレジスタ端末装置に対して、特売設定を容易に且つ正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態であるPOSレジスタが適用されるPOSシステムの概略構成を示したブロック図である。
【図2】POSレジスタの概略の外観平面図である。
【図3】POSレジスタの電気的なブロック構成図である。
【図4】商品情報ファイルのデータ構成例を示した図である。
【図5】特売情報ファイルのデータ構成例を示した図である。
【図6】POSレジスタの会計処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】POSレジスタの売上データ出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】集計レポートの印字例を示した図である。
【図9】POSレジスタの特売設定伝票の出力処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】特売設定伝票の印字例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1に、本発明の実施形態であるPOSレジスタ(レジスタ端末装置)が適用されるPOSシステムの概略ブロック図を示す。同図に示すように、POSシステム1は、LAN(Local Area Network)5を介してそれぞれ接続された3台のPOSレジスタ3及びストアコントローラ4と、LAN5には接続されず独立稼動させるPOSレジスタ2と、を含んで構成されている。
【0018】
POSレジスタ2と、3台のPOSレジスタ3とのそれぞれは、顧客の買上商品の商品登録処理及び会計処理(精算処理)を行うためのキャッシュレジスタ端末装置であり、それぞれが同様の構成を有している。ストアコントローラ4は、店舗の販売実績の集計や会計処理等の事務処理が行われる情報処理装置であり、商品情報を記録した商品情報ファイルと、特売情報を記録した特売情報ファイルとを含む商品情報マスタが格納されている。LAN5は、店舗内に敷設されたネットワークであり、外部のインターネットと接続されるようにもなっている。そして、POSシステム1において、POSレジスタ2は特設会場に設置され、POSレジスタ3は店舗内のチェックアウトコーナに設置され、ストアコントローラ4は店舗のバックヤードに設置されている。
【0019】
図2に、POSレジスタ2,3の概略の外観平面図を示す。同図(a)は正面図であり、同図(b)は側面図である。POSレジスタ2,3は、タッチパネル付表示部14と、キー操作部15と、顧客用表示部16と、自動釣銭機17と、スキャナ部18と、印字部19と、通信部20と、ドロア30とを備えている。
【0020】
タッチパネル付表示部14は、会計処理モード、売上データ出力モード、売上データ入力モード、特売設定出力モード、及び特売設定入力モードの各モード切替の指示等の入力操作が可能なタッチパネル14aを備えた店員(オペレータ)用の表示装置である。キー操作部15は、会計時において顧客から受け取った預金の金額の入力等を行うための数字キー、会計を締めるための締めキー等の操作キーが設けられたキーボードである。顧客用表示部16は、顧客に対して買上商品の商品名や価格を通知するための表示装置である。自動釣銭機17は、顧客に支払うべき釣銭のうち、少なくとも貨幣を釣銭排出口17aに排出するための釣銭機であり、顧客から預かった預金のうち少なくとも貨幣を投入するための預金投入口17bを備えている。
【0021】
スキャナ部18は、会計処理モード時には、商品に付されたバーコードをスキャンして商品コードを読み取り、売上データ入力モード時には、後述する集計レポートに印刷されたバーコードをスキャンして商品コードを読み取り、特売設定入力モード時には、後述する特売設定伝票に印刷されたバーコードをスキャンして商品コードを読み取るためのバーコード読取装置である。印字部19は、会計処理モード時には売上明細書をレシートとして印字出力し、売上データ出力モード時には集計レポートを印字出力し、特売設定出力モード時には特売設定伝票を印字出力するプリンタ装置である。ドロア30は、紙幣及び貨幣を収納する収納部であり、キー操作部15の操作に基づいて図2(b)の矢印Aの方向に引き出されるようになっている。
【0022】
図3に、POSレジスタ2,3の電気的なブロック構成図を示す。同図において、図2に示した構成に対応するブロックには同一の符号を付してその説明を省略する。CPU(Central Processing Unit)11は、図3に示したCPU11以外の各部を制御するための制御部である。ROM12は、CPU11によって実行される制御プログラムやタッチパネル付表示部14に表示させるGUI(Graphical User Interface)データ等を記憶する。RAM13は、CPU11によりROM12から読み出された制御プログラムやワークエリアが展開されるメモリである。また、RAM13には、商品情報ファイルの商品情報や特売情報ファイルの特売情報が展開される。通信部20は、ストアコントローラ4と接続された場合に通信を行う。
【0023】
図4に、ストアコントローラ4に商品情報マスタの一部として格納され、POSレジスタ2,3において用いられる商品情報ファイルのデータ構成例を示す。同図において、商品情報ファイル40の商品情報は、商品コード40aと、分類40bと、商品名40cと、生産/製造者名40dと、単位40eと、値段40fとの項目(第1の精算条件)を有している。商品コード40aは、商品に付されるバーコードに記録された、商品を特定するための識別情報である。分類40bは、商品を商品分野により分類するための分類コードである。例えば、店舗の調理コーナで調理した弁当類は「01」、生鮮食料品類は「02」、パン類は「03」、シャンプーやリンス等の入浴商品類は「04」等である。商品名40cは、商品の名称であり顧客が認識可能な固有名称や一般名称が用いられる。生産/製造者名40dは、商品の生産者又は製造者の名称である。単位40eは、商品の取扱単位である。例えば、焼肉弁当を「1個」、たまごを「1パック」、ほうれん草を「1束」、手袋を「1ペア」等である。値段40fは、商品の単位40eあたりの販売価格である。
【0024】
図5に、ストアコントローラ4に商品情報マスタの一部として格納され、POSレジスタ2,3において用いられる特売情報ファイルのデータ構成例を示す。同図において、特売情報ファイル50の特売情報は、第1商品コード50aと、第2商品コード50bと、区分50cと、分類50dと、商品名50eと、値段50fと、対象数50gと、特区50hと、割引率50iと、値引額50jと、曜日50kと、特売開始日時50mと、特売終了日時50nとの項目(第2の精算条件)を有している。なお、特売情報ファイル50は、一つの2次元テーブルで表されるものであるが、同図においては、図面の制約により上下2段に分けて図示している。よって、特売情報ファイル50は、2種類のファイルから構成されることを意味するものではない。
【0025】
第1商品コード50a及び第2商品コード50bは、それぞれ、商品を特定するための識別情報である。通常は、第1商品コード50aの欄が使用されるが、後述するセットマッチ販売及びミックスマッチ販売のように2種類の商品を組み合わせる場合は、第2商品コード50bの項目欄も併せて使用される。なお、組み合わせの種類は2種類に限られないが、本実施形態においては説明の便宜上、2種類の商品コードが記憶できるものとする。区分50cは、特売の販売形態の区分を表す。例えば、通常特売は「0」、セットマッチ販売は「1」、ミックスマッチ販売は「2」、バンドル販売は「3」、曜日指定特売は「4」、タイムサービス販売は「5」である。特売の販売形態の詳細については後述する。
【0026】
分類50dは、商品を商品分野により分類するための分類コードである。商品名50eは、商品の名称である。値段50fは、商品の一商品あたりの販売価格である。対象数50gは、特売の基本数量である。特区50hは、割引又は値引を示すための特売区分であり、本実施形態では、割引を「0」、値引を「1」として区分する。割引率50iは、商品の対象数50gあたりの販売価格からの割引率を示し、特区50hが「0」である場合に適用される。値引額50jは、商品の対象数50gあたりの販売価格からの値引額を示し、特区50hが「1」である場合に適用される。曜日50kは、特売を行う曜日を指定するものであり、設定しない場合は「0」、月曜日は「1」、火曜日は「2」、水曜日は「3」、木曜日は「4」、金曜日は「5」、土曜日は「6」、日曜日は「7」で示される。特売開始日時50m及び特売終了日時50nは、特売を開始する年月日分秒と終了する年月日分秒とを示す。
【0027】
ここで、区分50cで区分される特売の販売形態について具体的に説明する。「通常特売」は、一商品単独で、通常販売価格(値段40f)から所定の割引率又は所定の値引額で販売価格を下げて(言い換えれば、特売価格を適用して)販売する形態である。「セットマッチ販売」は、関連する商品を規定数分組合わせて特売価格を適用する形態である。例えば、それぞれ単価が596円のシャンプーとリンスとを1個ずつ購入する場合に、値引額196円を適用してセットマッチ価格を(596円×2個−196円)=996円にとする販売である。
【0028】
「ミックスマッチ販売」は、同一分類の異なる商品(例えば、分類40bが同一である別商品)を規定数分組合わせて特売価格を適用する形態である。例えば、手袋とマフラーとを2個ずつ購入すると単価が3600円となる場合に、値引額720円を適用してミックスマッチ価格を(3600円×4個−720円)=13680円とする販売である。「バンドル販売」は、ミックスマッチ販売の類似形態であり、規定数分の同一商品に対して特売価格を適用する形態である。例えば、単価が120円のアンパンを4個購入する場合に、30%の割引率、すなわち144円の値下によりバンドル価格を336円とする販売である。「曜日指定特売」は、特定曜日の販売において特売価格を適用する形態である。「タイムサービス販売」は、特定時間帯の販売において特売価格を適用する形態である。
【0029】
よって、図5に示した特売情報ファイル50において、商品名50e:焼肉弁当の商品は、区分50c:0すなわち「通常特売」の商品であり、特区50h:0すなわち「割引」が適用されるため、(値段50f:550円×対象数50g:1個)の割引率50i:20%=値引額50j:110円が値下額となることを示している。また、商品名50e:たまごの商品は、区分50c:3すなわち「バンドル販売」の商品であり、特区50h:1すなわち「値引」が適用されるため、(値段50f:198円×対象数50g:2パック)の値引額50j:70円が値下額となることを示している。
【0030】
また、商品名50e:シャンプー&リンスの2つの商品は、区分50c:1すなわち「セットマッチ販売」の商品であり、特区50h:1すなわち「値引」が適用されるため、(値段50f:596円×対象数50g:各1)の値引額50j:196円が値下額となることを示している。さらに、商品名50e:手袋&マフラーの2つの商品は、区分50c:2すなわち「ミックスマッチ販売」の商品であり、特区50h:1すなわち「値引」が適用されるため、(値段50f:3600円×対象数50g:各2)の値引額50j:720円が値下額となることを示している。
【0031】
[会計処理モードの説明]
次に、POSレジスタ2,3それぞれの会計処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。POSレジスタ2,3それぞれの会計処理では、顧客の購入商品に付されたバーコードをスキャナ部18で読取らせると、スキャナ部18はバーコードに記録された商品コードを読取ってCPU11に通知する(S601)。次に、CPU11は、RAM13に展開された商品情報ファイル40を参照して、スキャナ部18から通知された商品コードに対応する商品情報を抽出してRAM13のワークエリアに記憶させる(S602)。次に、CPU11は、RAM13に展開された特売情報ファイル50を参照して、商品コードに対応する特売情報があればこれを抽出してワークエリアに記憶させる(S603)。
【0032】
次に、CPU11は、抽出された商品情報をタッチパネル付表示部14及び顧客用表示部16に表示させるとともに、特売情報が抽出された場合には、当該商品が特売対象であることを示す情報をタッチパネル付表示部14及び顧客用表示部16に表示させる(S604)。次に、CPU11は、キー操作部15からのキー入力、又はスキャナ部18によるスキャンを受付ける(S605)。スキャナ部18が新たなバーコードのスキャンを行った場合は、CPU11は、前回の商品の買上個数を1個としてワークエリアに記憶してステップS601の処理に移行する(S605 スキャン)。一方、キー操作部15によって数字キーが入力された場合(S605 キー)、CPU11は、当該商品の買上個数をワークエリアに記憶する(S606)。
【0033】
次に、CPU11は、キー操作部15からのキー入力を受付け、小計キーが押下された場合はステップS608の処理に移行し(S607 YES)、小計キー以外の所定キーが押された場合は、ステップS620の処理に移行する(S607 NO)。ステップS607の処理において、CPU11が小計キーが押下されたと判定した場合(S607 YES)は、CPU11は、ワークエリアに記憶された商品の買上合計金額及び買上数量を計算してタッチパネル付表示部14及び顧客用表示部16に表示させる(S608)。次に、顧客から預かった預金の金額がキー操作部15により入力されると、CPU11は、この預金金額をワークエリアに記憶する(S609)。
【0034】
次に、CPU11は、キー操作部15からのキー入力を受付け、現計キーが押下された場合はステップS611の処理に移行し(S610 YES)、現計キー以外の所定キーが押された場合は、ステップS620の処理に移行する(S610 NO)。ステップS610の処理において、CPU11が、現計キーが押下されたと判定した場合(S610 YES)は、CPU11は、ワークエリアに記憶された買上合計金額及び預金金額から釣銭金額を計算してワークエリアに記憶する(S611)。釣銭がある場合(釣銭金額が0円でない場合)は、CPU11は、釣銭金額を自動釣銭機17及びドロア30に通知する。そして、自動釣銭機17は、ドロア30から釣銭金額分の金銭を取り出して釣銭排出口17aに排出する。また、ドロア30は引出しを開放にする(S613)。
【0035】
ステップS613の処理により釣銭の排出が完了した場合、またはステップS612の処理において釣銭がない場合(S612 NO)は、CPU11は、ワークエリアに記憶された会計情報を買上明細書(レシート)に印字して出力する(S614)。
【0036】
また、CPU11が、ステップS607の処理において小計キー以外の所定キーが押されたと判定した場合(S607 NO)、およびステップS610の処理において現計キー以外の所定キーが押されたと判定した場合(S610 NO)は、CPU11は、押下されたキーが登録の追加を促すためのキーであるか、訂正処理を行うためのキーであるかを判定し、押下されたキーが登録の追加を促すためのキーであった場合(S620 追加)は、ステップS601の処理に移行する。一方、訂正処理を行うためのキーであった場合(S620 訂正)は、ステップS621の処理に移行する(S620)。ステップS620の処理において、CPU11が、押下されたキーが訂正処理を行うためのキーであると判定した場合(S620 訂正)、CPU11は、オペレータのキー操作部15又はタッチパネル14aの操作に基づいてワークエリアに記憶されている会計情報を、訂正データで更新し(S621)、ステップS602の処理に移行する。
【0037】
[売上データ出力モードの説明]
次に、POSレジスタ2の売上データ出力処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。POSレジスタ2の売上データ出力処理では、CPU11は、RAM13のワークエリアに記憶されている所定期間分の会計情報(精算実績)を読み出す(S701)。例えば、1日分の売上データについて処理する場合は、ワークエリアに記憶されている1日分の会計情報を読み出す。次に、CPU11は、読み出した会計情報について、特売対象である商品に係る会計情報については、一取引の特売ごとに会計情報を記憶し(S702 YES→S703)、非特売の通常販売対象である商品に係る会計情報については、商品コードごとに会計情報を集計する(S702 NO→S704)。次に、CPU11は、商品コードごとの会計情報の集計結果(第1の精算実績)と、一取引の特売ごとの会計情報の記憶結果(第2の精算実績)とを区別して記載した集計レポートを印字部19から出力させる(S705)。
【0038】
図8に、POSレジスタ2が出力する集計レポートの印字例を示す。同図において、集計レポート80は、タイトル欄81と、通常販売集計結果欄82と、特売集計結果欄83とを含んで構成されている。そして、通常販売集計結果欄82と特売集計結果欄83とは区切線84で区切られ、集計レポートの確認者にとって区別し易いようになっている。タイトル欄81は、この印字紙が「集計レポート」であることを示すタイトルと、印字出力を行ったときの日時情報とを含んでいる。通常販売集計結果欄82は、通常販売された商品の販売実績の集計欄であり、通常販売された商品を対象として、商品コードごとに、その商品コードと、バーコードと、売上個数とが対応付けられて記載される。そして、通常販売集計結果欄82の下方には、通常販売集計結果欄82の操作方法である操作指示情報(操作方法に関する情報)が記載される。
【0039】
特売集計結果欄83は、特売された商品の取引ごとの販売実績の集計欄であり、バンドル販売、セットマッチ販売、ミックスマッチ販売等の特売の取引ごとに区分されて記載される。例えば、特売集計結果欄83a,83bには、それぞれバンドル販売対象商品の商品コードと、バーコードと、バンドル数と、これらの情報の操作方法である操作指示情報とが対応付けられて記載される。また、特売集計結果欄83cには、セットマッチ販売対象商品の商品コードと、バーコードと、これらの情報の操作方法である操作指示情報とが対応付けられて記載される。さらに、特売集計結果欄83dには、ミックスマッチ販売対象商品の商品コードと、バーコードと、商品ごとの規定個数と、これらの情報の操作方法である操作指示情報とが対応付けられて記載される。
【0040】
[売上データ入力モードの説明]
POSシステム1のLAN5に接続されたPOSレジスタ3は、独立稼動するPOSレジスタ2から出力された集計レポート80を用いて、POSレジスタ2の集計データを登録することができる。POSレジスタ3のオペレータによる作業は、集計レポート80に記載された操作指示情報の内容に沿って行われるものである。まず、通常販売集計結果欄82に記載された通常販売の集計結果は、スキャナ部18を用いてバーコードをスキャンさせて商品コードを読取らせ、キー操作部15を用いて個数を入力させることにより、POSレジスタ3のRAM13に登録する。
【0041】
また、集計レポート80の特売集計結果欄83に記載された特売の集計結果も、同様の操作によってPOSレジスタ3に登録することができる。具体的には、特売集計結果欄83aに記載されたバンドル販売の集計結果は、スキャナ部18を用いてバーコードをスキャンさせて商品コードを読み取らせ、キー操作部15を用いて個数を入力させることにより、POSレジスタ3のRAM13に記憶された商品情報ファイル40及び特売情報ファイル50に基づいてバンドル販売価格での売上金額が計上される。また、特売集計結果欄83cに記載されたセットマッチ販売の集計結果は、スキャナ部18を用いて各バーコードをスキャンさせて各商品コードを読み取らせ、キー操作部15の現計キーを押下させることにより、RAM13に記憶された商品情報ファイル40及び特売情報ファイル50に基づいてセットマッチ販売価格での売上金額が計上される。さらに、特売集計結果欄83dに記載されたミックスマッチ販売の集計結果は、スキャナ部18を用いてバーコードをスキャンさせて各商品コードを読み取らせるたびに、キー操作部15を用いて個数を入力させ、すべての入力が済んだところで現計キーを押下させることにより、RAM13に記憶された商品情報ファイル40及び特売情報ファイル50に基づいてミックスマッチ販売価格での売上金額が計上される。
【0042】
以上により、集計レポート80を用いるようにすれば、従来の一般的なPOSレジスタ3が備えるスキャナ部18とキー操作部15とを併せ用いて操作することにより、特定のPOSレジスタに限定されることなく正しい売上計上を容易に行うことができる。
【0043】
[特売設定出力モードの説明]
次に、POSレジスタ3の特売設定伝票の出力処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。POSレジスタ3の特売設定伝票の出力処理では、CPU11は、RAM13に記憶された特売情報ファイル50から1行分の特売情報を読み出す(S901)。次に、CPU11は、読み出した特売情報から、区分50cに応じた特売設定データをRAM13のワークエリアに展開する(S902)。これら読出し処理とワークエリアへの展開処理とを特売情報ファイル50の全ての特売情報について実行する(S903)。次に、CPU11は、印字部19に、ワークエリアに展開された特売設定データを印字させて特売設定伝票を出力する(S905)。
【0044】
図10に、特売設定データに基づき印字された特売設定伝票の印字例を示す。同図において、特売設定伝票100は、タイトル欄101と、通常特売設定欄102と、非通常特売設定欄103とを含んで構成されている。そして、通常特売設定欄102と非通常特売設定欄103とは区切線104で区切られ、特売設定伝票の確認者にとって区別し易いようになっている。タイトル欄101は、この印字紙が「特売設定伝票」であることを示すタイトルと、印字出力を行ったときの日時情報とを含んでいる。通常特売設定欄102は、通常特売として販売されるべき商品の特売設定の記載欄であり、通常特売として販売されるべき商品を対象として、商品コードごとに、その商品コードと、バーコードと、割引率又は値引額とが対応付けられて記載される。そして、通常特売設定欄102の下方には、通常特売設定欄102の操作方法である操作指示情報が記載される。
【0045】
非通常特売設定欄103は、非通常特売の形態で販売されるべき商品の取引ごとの特売設定の記載欄であり、バンドル販売、セットマッチ販売、ミックスマッチ販売等の特売の取引ごとに区分けされて記載される。例えば、非通常特売設定欄103a,103bには、それぞれバンドル販売対象商品の商品コードと、バーコードと、バンドル数と、この取引における割引率又は値引額と、これらの情報の操作方法である操作指示情報とが対応付けられて記載される。また、非通常特売設定欄103cには、セットマッチ販売対象商品の商品コードと、バーコードと、この取引における割引率又は値引額と、これらの情報の操作方法である操作指示情報とが対応付けられて記載される。さらに、非通常特売設定欄103dには、ミックスマッチ販売対象商品の商品コードと、バーコードと、商品ごとの規定個数と、この取引における割引率又は値引額と、これらの情報の操作方法である操作指示情報とが対応付けられて記載される。
【0046】
[特売設定入力モードの説明]
独立稼動するPOSレジスタ2は、POSシステム1のLAN5に接続された特売設定済みのPOSレジスタ3から出力された特売設定伝票100を用いて、特売設定の登録を行うことができる。POSレジスタ2のオペレータによる作業は、特売設定伝票100に記載された操作指示情報の内容に沿って行われるものである。まず、通常特売設定欄102に記載された通常特売の設定情報は、POSレジスタ2の特売設定画面で、スキャナ部18を用いてバーコードをスキャンさせて商品コードを読取らせ、キー操作部15を用いて割引率又は値引額を入力させることにより、POSレジスタ2のRAM13に記憶された特売情報ファイル50を更新登録する。
【0047】
また、非通常特売設定欄103に記載された設定情報も、同様の操作によりPOSレジスタ2に登録することができる。具体的には、非通常特売設定欄103aに記載されたバンドル販売の設定情報は、POSレジスタ2の特売設定画面で、スキャナ部18を用いてバーコードをスキャンさせて商品コードを読み取らせ、キー操作部15を用いて個数を入力させ、さらに割引率又は値引額を入力させることにより、POSレジスタ2のRAM13に記憶された特売情報ファイル50を更新登録する。また、非通常特売設定欄103cに記載されたセットマッチ販売の設定情報は、スキャナ部18を用いて各バーコードをスキャンさせて各商品コードを読み取らせ、キー操作部15を用いて割引率又は値引額を入力させることにより、POSレジスタ2のRAM13に記憶された特売情報ファイル50を更新登録する。さらに、非通常特売設定欄103dに記載されたミックスマッチ販売の設定情報は、スキャナ部18を用いてバーコードをスキャンさせて各商品コードを読み取らせるたびに、キー操作部15を用いて個数を入力させ、すべての入力が済んだところでキー操作部15を用いて割引率又は値引額を入力させることにより、POSレジスタ2に記憶された特売情報ファイル50を更新登録する。
【0048】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、商品情報マスタを格納したストアコントローラから切り離されて独立稼動するPOSレジスタからは、通常販売集計結果欄と、特売集計結果欄とに区分して記載された集計レポートが出力される。これにより、POSシステムのネットワークに接続されたPOSレジスタに売上計上をする際に、その集計レポートに基づいて通常販売の集計結果と、特売集計結果とを区別して計上登録することができるため、オペレータは通常販売と特売販売とを明確に区別して作業することができる。また、商品コードの登録は、従来のPOSレジスタが備えているバーコードリーダを用いたバーコードの読み取りにより行うため、煩雑な作業を伴うことがない。
【0049】
とくに、本実施形態によれば、独立稼動するPOSレジスタからは、通常販売集計結果欄と、顧客の取引ごとにまとめられた特売集計結果欄とに区分して記載された集計レポートが出力される。これにより、POSシステムのネットワークに接続されたPOSレジスタに売上計上をする際に、その集計レポートに基づいて通常販売の集計結果と、顧客の取引ごとの特売集計結果とを区別して計上登録することができ、例えば、商品の組み合わせにより発生した精算実績、商品の購入数により発生した精算実績等を分けて正しく計上することができるため、正確な売上結果の登録を行うことができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、集計レポートには、通常販売、バンドル販売、セットマッチ販売、ミックマッチ販売等の販売形態に合わせた操作指示情報が印字されるため、売上実績の登録作業において、オペレータは操作指示情報をガイドとして作業を行うことができ、操作間違い等の人的ミスを防ぐことができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、POSシステムのネットワークに接続されたPOSレジスタからは、通常特売設定欄と、非通常特売設定欄とに区分された特売設定伝票が出力される。これにより、POSレジスタは、POSシステムのネットワークに接続されてなくても、スキャナ部とキー操作部とを用いて簡便に且つ正確に特売設定を行うことができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、特売設定伝票には、通常販売、バンドル販売、セットマッチ販売、ミックマッチ販売等の販売形態に合わせた操作指示情報が特売設定済みの店内POSレジスタから印字されるため、特売設定作業において、オペレータは操作指示情報をガイドとして作業を行うことができ、操作間違い等の人的ミスを防ぐことができる。
【0053】
なお、本実施形態では、第1及び第2の精算条件の実績を分けて、バーコードを含めて集計レポートを印字出力する例を示したが、これに限らず、POSレジスタが、2次元コード(QRコード)を読取ることが可能なスキャナと、2次元コードを印字することが可能なプリンタとを備えている場合には、第1及び第2の精算条件の実績を分けて、2次元コードで集計レポートを印字出力するようにしてもよい。
【0054】
また、本実施形態では、第2の精算条件の実績を顧客の取引ごとに記憶させ、第1の精算条件の実績と区別して印字出力する例を示したが、これに限らず、第2の精算条件の実績を、同一の精算条件による取引件数を集計して、顧客の取引ごとの実績とその同一精算条件の件数とを集計レポートに印字するようにしてもよい。具体的には、セットマッチ特売及びミックスマッチ特売の場合は、組み合わせにより特売となるそれぞれのバーコード(商品コード)と、その取引件数を印字出力する。また、バンドル特売の場合は、特売価格を適用する商品のバーコード(商品コード)と、特売が成立する個数と、その取引件数とを印字出力する。これにより、集計レポートの印字長を短くして取り扱い易くするとともに、印字に係る消耗品を節約することができる。
【0055】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1 POSシステム
2,3 POSレジスタ
4 ストアコントローラ
5 LAN
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 タッチパネル付表示部
14a タッチパネル
15 キー操作部
16 顧客用表示部
17 自動釣銭機
17a 釣銭排出口
17b 預金投入口
18 スキャナ部
19 印字部
20 通信部
30 ドロア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常販売価格で精算処理するための第1の精算条件と、特別販売価格で精算処理するための第2の精算条件とのうちいずれかの精算条件を適用して商品の精算処理を行うレジスタ端末装置において、
所定期間分の商品の精算処理に基づく精算における、前記第1の精算条件が適用されて精算処理された実績を記憶する第1の記憶手段と、
前記第2の精算条件が適用されて精算処理された実績を記憶する第2の記憶手段と、
前記第1及び第2の記憶手段にそれぞれ記憶された実績を区別して印字する印字手段と、
を備えたことを特徴とするレジスタ端末装置。
【請求項2】
前記第2の記憶手段は、顧客の取引ごとに実績を記憶することを特徴とした請求項1記載のレジスタ端末装置。
【請求項3】
前記印字手段は、前記第1及び第2の記憶手段に記憶された実績それぞれの操作方法に関する情報を、前記第1及び第2の精算条件の実績それぞれに対応させて印字することを特徴とした請求項2記載のレジスタ端末装置。
【請求項4】
商品の精算処理を行うレジスタ端末装置において、
特別販売価格で精算処理するための一又は複数の精算条件を記憶する精算条件記憶手段と、
前記記憶された精算条件ごとに、商品の商品コードと、その商品の通常販売価格からの割引率又は値引額とを抽出する抽出手段と、
前記抽出された情報を精算条件ごとに印字する印字手段と、
を備えたことを特徴とするレジスタ端末装置。
【請求項5】
前記印字手段は、前記抽出手段により抽出された情報の操作方法に関する情報を、前記抽出された情報に対応させて印字することを特徴とした請求項4記載のレジスタ端末装置。
【請求項6】
第1のレジスタ端末装置の、所定期間分の商品の精算処理に基づく精算実績を、第2のレジスタ端末装置に登録するレジスタ端末システムにおいて、
前記第1のレジスタ端末装置は、
前記精算実績における、通常販売価格で精算処理するための第1の精算条件が適用されて精算処理された実績を商品の商品コードごとに記憶する第1の記憶手段と、
特別販売価格で精算処理するための第2の精算条件が適用されて精算処理された実績を顧客の取引ごとに記憶する第2の記憶手段と、
前記第1及び第2の記憶手段に記憶された実績を区別して印字する印字手段と、
を備え、
前記第2のレジスタ端末装置は、
前記第1及び第2の精算条件を記憶する精算条件記憶手段と、
操作入力手段と、
前記印字手段により印字された前記第1及び第2の記憶手段に記憶された実績を読取る読取手段と、
前記読取られた前記第1及び第2の記憶手段に記憶された実績と、前記操作入力手段からの入力値と前記記憶された第1及び第2の精算条件とに基づいて、前記精算実績を生成して登録する登録手段と、
を備えたことを特徴とするレジスタ端末システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−211280(P2010−211280A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53638(P2009−53638)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】