説明

レジスタ装置

【課題】単品として選択済みの商品をセットメニューに変更可能なレジスタ装置を提供する。
【解決手段】レジスタ装置は、セットメニューを構成する商品として選択可能な複数の商品の情報を記憶したデータメモリと、単品の商品の選択およびセットメニューの選択を受け付けるキーボードと、キーボードにて選択を受け付けた商品を画面30に表示する表示回路とを備え、キーボードは、画面30に表示された選択済みの単品の商品からセットメニューへの変更の入力を受け付け、表示回路は、キーボードにて商品の変更入力を受け付けたときに、選択済みの商品を含むセットメニューをセットメニューテーブルから読み出し、読み出したセットメニューを選択肢50として画面30に表示する構成を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の商品をセットで販売する販売形態に対応したレジスタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばファーストフード店などにおいて、複数の商品をセットで販売する販売形態が知られている。例えば、特許文献1は、セットメニューを構成する品目が季節によって変動したとしても、その設定内容をRAMカード等に記憶しておく構成により、セットメニューの書換えを容易に行える装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献1に記載された技術ではセットメニューを構成する品目は固定されているが、店によっては、いくつかの商品の中から顧客の希望によりセットメニューとして購入する商品を選択し得る場合もある。
【特許文献1】特開平8−96257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商品を選択できるタイプのセットメニューの入力においては、レジスタ装置は、セットメニューの選択を受け付け、次に、セットメニューとして購入する商品の選択を受け付ける。また、単品の商品の入力においては、最初に単品の商品の入力を受け付けることにより、レジスタ装置はセットメニューとは異なる処理で入力を受け付けていた。
【0005】
従来のレジスタ装置では、単品の商品を選択した後に、単品の商品をセットメニューに変更する場合には、一旦単品の商品をキャンセルした後でセットメニューの選択からやり直さなければならず、商品変更時の入力が煩わしかった。
【0006】
そこで、本発明は上記背景に鑑み、単品として選択済みの商品をセットメニューに変更可能なレジスタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のレジスタ装置は、セットメニューを構成する商品として選択可能な複数の商品の情報を記憶したセットメニューテーブルと、単品の商品の選択およびセットメニューの選択を受け付ける商品選択受付部と、前記商品選択受付部にて選択を受け付けた商品を画面に表示する表示制御部とを備え、前記商品選択受付部は、画面に表示された選択済みの単品の商品からセットメニューへの変更の入力を受け付け、前記表示制御部は、前記商品選択受付部にて商品の変更入力を受け付けたときに、選択済みの商品を含むセットメニューを前記セットメニューテーブルから読み出し、読み出したセットメニューを選択肢として画面に表示する構成を有する。
【0008】
この構成により、選択された単品の商品を画面に表示し、表示された商品からセットメニューへの変更を選択することで、単品の商品を選択した後にその商品を含むセットメニューに変更することができる。また、指定された商品を含むセットメニューの選択肢が表示されるので、容易にセットメニューを選択することができる。
【0009】
本発明のレジスタ装置において、前記セットメニューテーブルは、前記セットメニューを構成する商品として選択可能な複数の商品のそれぞれに関連付けて、その商品がメインメニューであるかサイドメニューであるかを示す属性情報を記憶しておき、前記表示制御部は、単品の商品と同じ属性の商品をメインメニューとして含むセットメニューを前記セットメニューテーブルから読み出して画面に表示する構成を有する。
【0010】
この構成により、単品の商品をメインメニューとして含むセットメニューに変更することができる。
【0011】
本発明のレジスタ装置において、前記セットメニューテーブルは、メインメニューとして含まれる商品の個数およびサイドメニューとして含まれる商品の個数を記憶しておき、前記商品選択受付部は、セットメニューを構成する商品として前記セットメニューテーブルに記憶された個数の商品の選択を受け付ける構成を有する。
【0012】
この構成により、商品の属性およびその属性を持つ商品の個数によってセットメニューの商品構成を管理できるので、多様な商品の組合せを有するセットメニューの情報を少ないメモリ領域に記憶しておくことができる。
【0013】
本発明のレジスタ装置において、前記セットメニューテーブルは、前記セットメニューを構成する商品として選択可能な複数の商品のそれぞれに関連付けて、その商品を選択した場合のセットメニューの代金に関する情報を記憶しておく構成を有する。
【0014】
この構成により、選択する商品によってセットメニューの代金が変化する場合にも対応することができる。
【0015】
本発明の別の態様に係るレジスタ装置は、単品の商品の選択およびセットメニューの選択を受け付ける商品選択受付部と、前記商品選択受付部にて選択を受け付けた商品を画面に表示する表示制御部とを備え、前記商品選択受付部は、画面に表示された選択済みの単品の商品からセットメニューへの変更の入力を受け付け、前記表示制御部は、前記商品選択受付部にて商品の変更入力を受け付けたときに、選択済みの商品を含むセットメニューを選択肢として画面に表示する構成を有する。
【0016】
この構成により、選択された単品の商品を画面に表示し、表示された商品からセットメニューへの変更を選択することで、単品の商品を選択した後にその商品を含むセットメニューに変更することができる。また、指定された商品を含むセットメニューの選択肢が表示されるので、容易にセットメニューを選択することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、選択された単品の商品を画面に表示し、表示された商品からセットメニューへの変更を選択することで、単品の商品を選択した後にその商品を含むセットメニューに変更することができるというすぐれた効果を有する。また、指定された商品を含むセットメニューの選択肢が表示されるので、容易にセットメニューを選択することができるというすぐれた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態のレジスタ装置について図面を用いて説明する。
図1は、本実施の形態のレジスタ装置10によって一旦選択された単品の商品をセットメニューに変更する画面を示す図である。図1について詳しく説明する前に、本実施の形態のレジスタ装置10の構成について説明する。
【0019】
図2はレジスタ装置10の構成を示すブロック図、図3はレジスタ装置10の外観を示す斜視図である。図3に示すように、レジスタ装置10は、画面30と、キーボード32と、金銭を収納するドロア34とを備えている。画面30には、キーボード32より注文を受け付けた商品やセットメニューの情報が表示される。
【0020】
図2に示すように、レジスタ装置10は、画面30への表示を制御する表示回路22と、表示内容を記憶する表示メモリ24とを備えている。また、レジスタ装置10は、CPU12からの命令に従ってキーボード32を動作させるキーボードインターフェース14と、ドロア34を動作させるドロアインターフェース16とを備えている。また、レジスタ装置10は、プログラムを記憶するプログラムメモリ18と、データを記憶するデータメモリ20とを備えている。さらに、レジスタ装置10は、例えばリーダライタなどの他の装置と通信するためのシリアルインターフェース26や販売情報等を管理する管理装置と通信するための通信インターフェース28を備えてもよい。
【0021】
図4は、データメモリ20に保存されたデータの例を示す図であり、セットメニューのテーブルを示す図である。なお、データメモリ20には、複数のテーブルが保存されているが、図4ではそのうちの一例を示している。図4に示すセットメニューは、ハンバーガーAセットのテーブルである。ハンバーガーAセットは、メインメニューを1個、サイドメニューを3個、ドリンクメニューを1個含んで構成されるセットである。
【0022】
図4に見られるように、テーブルには「商品種類」「設定」「要素」「差額」のデータを含んでいる。「商品種類」は、商品を識別する情報、「設定」は商品の名称を示す情報である。「要素」は、その商品が有する属性である。「要素」が「サイド」の商品はサイドメニューとして選択される商品であり、「要素」が「ドリンク」の商品はドリンクメニューとして選択される商品である。「差額」は、その商品を選択したときのセットメニューの基準価格からの代金を示す情報である。
【0023】
図4に示すテーブルでは、メインメニューはハンバーガーである。サイドメニューは、「要素」が「サイド」となっている商品#1〜#8のうちから選択される3個の商品である。この際、3個の商品はどのような組合せで選択してもよい。ドリンクメニューは、「要素」が「ドリンク」となっている商品#9〜#11から選択される商品である。
【0024】
本実施の形態においては、セットメニューのテーブルは、メインメニュー1個、サイドメニュー3個、ドリンクメニュー1個からなるというようにその枠組みを決めておき、それぞれの要素として選択される商品を商品種類#1〜#11から選択するので、各商品種類#1〜#11の組合せを自由に決めることができる。これにより、各商品#1〜#11の全ての組合せについてテーブルを準備する必要がなく、データメモリ20を節約できる。
【0025】
次に、本実施の形態のレジスタ装置10によるセットメニューの商品選択について説明する。レジスタ装置10は、キーボード32から商品の注文を受け付けると、受け付けた商品の情報を画面30に表示する。レジスタ装置10では、まず、単品の商品の選択を受け付ける。
【0026】
図5は、ハンバーガーが注文されたときの画面30の表示例を示す図である。画面30の左側の表示枠42に「1 Hamburger」と表示され、画面30の右側のセットメニューを示す表示枠40では、いずれのセットメニューも選択されていない。従って、図5に示す画面30では、ハンバーガーの単品の注文されていることが分かる。
【0027】
図5に示されるように、注文商品の表示画面の右下に「SUBSTITUTE SIDE」ボタン44が配置されている。このボタン44によって、注文済みの商品を変更することができる。
【0028】
図5に示す画面30においてボタン44を押すと、レジスタ装置10は図1に示すような画面を表示する。図1に示す画面では、現在、単品で注文されている「Hamburger」が表示枠46に表示される。画面30の右側には、「Hamburger」を含むセットメニューの選択肢50が表示される。本実施の形態では、「Hamburger」をメインメニューとして含むハンバーガーAセット〜Dセットが選択肢として表示されている。この選択肢の中から選択されたセットメニューは、表示枠48に表示される。セットメニューが選択された状態で「OK」ボタン52が押されると、表示枠46に表示された単品の商品から表示枠48に表示されたセットメニューへの変更が行われ、図5に示す画面に戻る。「Cancel」ボタン54が押されると、表示枠46に表示された単品の商品が選択された状態を保ったまま、図5に示す画面に戻る。
以上、本発明の実施の形態のレジスタ装置10について説明した。
【0029】
本実施の形態のレジスタ装置10によれば、単品の商品の注文中に「SUBSTITUTE SIDE」ボタン44を配置した画面を表示し、単品の商品からサイドメニューへの変更を可能としているので、サイドメニューへと変更するために単品の商品の注文を取り消す必要がない。
【0030】
また、ボタン44が押されると、選択済みの商品を含むセットメニューが選択肢50として表示されるので(図1参照)、変更先のセットメニューを容易に選択することができる。
【0031】
以上、本発明のレジスタ装置について実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明によれば、選択された単品の商品を画面に表示し、表示された商品からセットメニューへの変更を選択することで、単品の商品を選択した後にその商品を含むセットメニューに変更することができるというすぐれた効果を有し、複数の商品をセットで販売する販売形態に対応したレジスタ装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】レジスタ装置の画面の表示例を示す図
【図2】実施の形態のレジスタ装置の構成を示す図
【図3】実施の形態のレジスタ装置の外観を示す斜視図
【図4】データメモリに保存されたセットメニューテーブルの例を示す図
【図5】レジスタ装置の画面の表示例を示す図
【符号の説明】
【0034】
10 レジスタ装置
12 CPU
14 キーボードインターフェース
16 ドロアインターフェース
18 プログラムメモリ
20 データメモリ
22 表示回路
24 表示メモリ
26 シリアルインターフェース
28 通信インターフェース
30 画面
32 キーボード
34 ドロア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セットメニューを構成する商品として選択可能な複数の商品の情報を記憶したセットメニューテーブルと、
単品の商品の選択およびセットメニューの選択を受け付ける商品選択受付部と、
前記商品選択受付部にて選択を受け付けた商品を画面に表示する表示制御部と、
を備え、
前記商品選択受付部は、画面に表示された選択済みの単品の商品からセットメニューへの変更の入力を受け付け、
前記表示制御部は、前記商品選択受付部にて商品の変更入力を受け付けたときに、選択済みの商品を含むセットメニューを前記セットメニューテーブルから読み出し、読み出したセットメニューを選択肢として画面に表示する、
ことを特徴とするレジスタ装置。
【請求項2】
前記セットメニューテーブルは、前記セットメニューを構成する商品として選択可能な複数の商品のそれぞれに関連付けて、その商品がメインメニューであるかサイドメニューであるかを示す属性情報を記憶しておき、
前記表示制御部は、単品の商品と同じ属性の商品をメインメニューとして含むセットメニューを前記セットメニューテーブルから読み出して画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレジスタ装置。
【請求項3】
前記セットメニューテーブルは、メインメニューとして含まれる商品の個数およびサイドメニューとして含まれる商品の個数を記憶しておき、
前記商品選択受付部は、セットメニューを構成する商品として前記セットメニューテーブルに記憶された個数の商品の選択を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1に記載のレジスタ装置。
【請求項4】
前記セットメニューテーブルは、前記セットメニューを構成する商品として選択可能な複数の商品のそれぞれに関連付けて、その商品を選択した場合のセットメニューの代金に関する情報を記憶しておくことを特徴とする請求項1に記載のレジスタ装置。
【請求項5】
単品の商品の選択およびセットメニューの選択を受け付ける商品選択受付部と、
前記商品選択受付部にて選択を受け付けた商品を画面に表示する表示制御部と、
を備え、
前記商品選択受付部は、画面に表示された選択済みの単品の商品からセットメニューへの変更の入力を受け付け、
前記表示制御部は、前記商品選択受付部にて商品の変更入力を受け付けたときに、選択済みの商品を含むセットメニューを選択肢として画面に表示する、
ことを特徴とするレジスタ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−115035(P2007−115035A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−305942(P2005−305942)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】