説明

レバーフロート式ドレントラップ

【課題】 弁体の傾きを防止して弁体が弁口を完全閉止できるレバーフロート式ドレントラップを提供する。
【解決手段】 入口1と出口2を有する本体3に蓋体4を締結して内部に弁室6を有するケーシングを構成する。弁室6と出口2を連通する第1弁口7及び第2弁口8から成る弁口を弁室6の下部に形成する。弁室6内に支持された揺動軸10の周りに回転するレバー11を設ける。弁室6内の液位に応じて浮上降下するフロート12をレバー11に連結すると共に第1弁口7及び第2弁口8を開閉する第1弁体18及び第2弁体19から成る弁体15をレバー11に連結する。先端にほぼ半球状凸部20を有する案内棒16aを弁体15に設ける。案内棒16aの半球状凸部20を第1弁口7及び第2弁口8から成る弁口の軸方向に案内するほぼ円錐状凹部21を本体3に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気配管系や圧縮空気配管系やガス配管系に発生するドレンをフロートを用いて自動的に排出するレバーフロート式ドレントラップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレバーフロート式ドレントラップは、ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口を連通する弁口を弁室の下部に形成し、弁室内に支持された揺動軸の周りに回転するレバーを設け、弁室内の液位に応じて浮上降下するフロートをレバーに連結すると共に弁口を開閉する弁体をレバーに連結したもので、弁室内の液位に応じて浮上降下するフロートでレバーを回転させて弁体で弁口を開閉することによりドレンを自動的に排出するものである。
【0003】
上記従来のレバーフロート式ドレントラップにおいては、弁体が弁口を閉止するときに傾いた状態で弁口に当接すると、弁体が弁口を完全閉止できなくなり、気体を漏出する問題があった。
【特許文献1】特開昭55−112487号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、弁体の傾きを防止して弁体が弁口を完全閉止できるレバーフロート式ドレントラップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口を連通する弁口を弁室の下部に形成し、弁室内に支持された揺動軸の周りに回転するレバーを設け、弁室内の液位に応じて浮上降下するフロートをレバーに連結すると共に弁口を開閉する弁体をレバーに連結したものにおいて、先端にほぼ半球状凸部を有する案内棒を弁体に設け、案内棒の半球状凸部を弁口の軸方向に案内するほぼ円錐状凹部をケーシングに設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、先端にほぼ半球状凸部を有する案内棒を弁体に設け、案内棒の半球状凸部を弁口の軸方向に案内するほぼ円錐状凹部をケーシングに設けたものであるので、弁体が弁口側に変位するときに案内棒の半球状凸部がケーシングの円錐状凹部に案内され、弁体の傾きを防止して弁体が弁口を完全閉止できるという優れた効果を生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のレバーフロート式ドレントラップは、先端にほぼ半球状凸部を有する案内棒を弁体に設け、案内棒の半球状凸部を弁口の軸方向に案内するほぼ円錐状凹部をケーシングに設けたものである。そのため、弁体が弁口側に変位するときに案内棒の半球状凸部がケーシングの円錐状凹部に案内されるので、弁体の傾きを防止して弁体が弁口を完全閉止できる。
【実施例1】
【0008】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1参照)。本発明のレバーフロート式ドレントラップは、入口1と出口2を有する本体3に蓋体4をボルト5で締結して内部に弁室6を有するケーシングを構成する。弁室6と出口2を連通する第1弁口7及び第2弁口8を有する弁座部材9を弁室6の下部の本体3に図示しないねじにより取り付ける。入口1は弁室6の下部に開口し、出口2は第1弁口7及び第2弁口8を介して弁室6の下部に開口する。
【0009】
弁室6内の弁座部材9に揺動軸10を支持し、揺動軸10にレバー11の右側部を回転可能に連結する。レバー11の左端部に弁室6内の液位に応じて浮上降下する中空球形のフロート12を連結する。レバー11の右端部に揺動軸10と平行な連結軸13を支持し、連結軸13に連結棒14の上部を回転可能に連結する。連結棒14の下部は弁体15の弁棒16の上端部に支持された揺動軸10と平行な弁軸17に回転可能に連結する。
【0010】
弁体15は第1弁口7を上方の弁室6側から開閉する第1弁体18と、第2弁口8を上方の出口2側から開閉する第2弁体19と、第1弁体18と第2弁体19を連結する弁棒16とから構成する。弁棒16の後端(上端)は第1弁体18から上方に突出して上端部が連結棒14に連結される。弁棒16の先端(下端)は第2弁体19から下方に突出する案内棒16aを成し、案内棒16aの先端(下端)はほぼ半球状凸部20を有する。案内棒16aの半球状凸部20を第1弁口7と第2弁口8の軸方向に案内するほぼ円錐状凹部21を本体3に設ける。
【0011】
弁室6内の液位が低い場合は、図1に示すようにフロート12は降下し、第1弁体18及び第2弁体19が第1弁口7及び第2弁口8を閉じている。入口1から流入するドレンによって弁室6内の液位が上昇すると、フロート12が上動してレバー11が揺動軸10を中心に時計回り方向に回転する。このレバー11の回転により、連結棒14を介して弁体15が上動して第1弁体18及び第2弁体19が第1弁口7及び第2弁口8を開く。これにより、弁室6のドレンを出口2から排出する。
【0012】
ドレンの排出により弁室6内の液位が低下すると、フロート12が下動してレバー11が揺動軸10を中心に反時計回り方向に回転する。このレバー11の回転により、連結棒14を介して弁体15が下動して第1弁体18及び第2弁体19が第1弁口7及び第2弁口8を閉じる。これにより、気体の漏出を防止する。この第1弁体18及び第2弁体19が下動して第1弁口7及び第2弁口8側に変位するときに案内棒16aの半球状凸部20が本体3の円錐状凹部21に案内されるので、第1弁体18及び第2弁体19の傾きを防止して第1弁体18及び第2弁体19が第1弁口7及び第2弁口8を完全閉止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のレバーフロート式ドレントラップの断面図。
【符号の説明】
【0014】
1 入口
2 出口
3 本体
4 蓋体
6 弁室
7 第1弁口
8 第2弁口
10 揺動軸
11 レバー
12 フロート
15 弁体
16 弁棒
16a 案内棒
18 第1弁体
19 第2弁体
20 半球状凸部
21 円錐状凹部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングで入口と弁室と出口を形成し、弁室と出口を連通する弁口を弁室の下部に形成し、弁室内に支持された揺動軸の周りに回転するレバーを設け、弁室内の液位に応じて浮上降下するフロートをレバーに連結すると共に弁口を開閉する弁体をレバーに連結したものにおいて、先端にほぼ半球状凸部を有する案内棒を弁体に設け、案内棒の半球状凸部を弁口の軸方向に案内するほぼ円錐状凹部をケーシングに設けたことを特徴とするレバーフロート式ドレントラップ。


【図1】
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【公開番号】特開2010−96252(P2010−96252A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−266899(P2008−266899)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【出願人】(000133733)株式会社テイエルブイ (913)
【Fターム(参考)】