説明

レンズ固定部構造

【課題】レンズユニットの位置調節作業及びその固定作業を容易に行うことができる技術を提供すること。
【解決手段】略筒状のホルダ部25内にレンズユニット5が挿入配置される。レンズユニット5には、アジャスタ31が回転自在に取付けられる。アジャスタ31は、ホルダ部25内に螺合可能とされている。レンズユニット5をホルダ部25内に挿入配置した状態で、アジャスタ31をホルダ部25内で螺合させつつ回転させることで、レンズユニット5がホルダ部25の軸方向に移動し位置調節される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カメラにおいてレンズユニットを固定するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラにおけるレンズ固定部構造として、撮像素子の前方に略筒状のレンズホルダ部を配設すると共に、このレンズホルダ部内にレンズユニットを固定したものがある。
【0003】
ここで、レンズユニットを取付けるにあたっては、焦点距離調整の必要性等から、レンズユニットと撮像素子との離間距離を調整する必要がある。
【0004】
従来のレンズユニットの位置調整方法は、レンズホルダ部内でレンズユニット自体をネジ回転させることにより、該レンズユニットを軸方向に移動させるのが一般的である。ネジ調整による構成は、微調整が容易であり、かつ、軸方向の荷重に対し強い耐久性を持たせることが可能であるというメリットを持つ。
【0005】
ところが、レンズユニット内のレンズの構成によっては、撮像素子に対してレンズユニットの回転位置を一定位置に保つ必要がある。
【0006】
そこで、レンズユニットをレンズホルダ部内にその軸方向に沿って移動自在に配設し、レンズユニットをレンズホルダ部内への挿入方向に沿って位置調節した状態で、止めネジや接着剤等を用いて、レンズユニットをその軸方向に位置決め固定する構成が採用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記位置決め構成では、ネジ構造を用いた位置調節ができないので、作業者等が手でレンズユニットとレンズホルダ部との相対的な位置関係を適切に調節した状態に保ちつつ、止めネジの螺合や接着剤の固化等を行って、レンズホルダ部の固定作業を行う必要がある。このためレンズユニットの位置調節作業及び適切に調節された状態での固定作業が難しかった。
【0008】
そこで、本発明は、レンズユニットの位置調節作業及びその固定作業を容易に行うことができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、カメラのレンズユニットを固定するレンズ固定部構造であって、略筒状のレンズホルダ部と、前記レンズホルダ部内に挿入配置可能なレンズユニットと、前記レンズホルダ部と前記レンズユニットのうちの一方側にその軸回りに回転自在に取付けられると共に、前記レンズホルダ部と前記レンズユニットのうちの他方側に螺合可能なアジャスタ部材と、を備え、前記アジャスタ部材を螺合させつつ回転させることで、前記レンズホルダ部の軸方向に沿って前記レンズユニットが移動するものである。
【0010】
この場合、前記アジャスタ部材は、前記レンズホルダ部と前記レンズユニットのうちの一方側に回転自在に外嵌め又は内嵌めされており、前記レンズホルダ部と前記レンズユニットのうちの一方側に、前記アジャスタ部材を抜止め保持する抜止め部材が取付けられている構成であってもよい。
【0011】
また、前記アジャスタ部材と前記レンズユニットのうちの少なくとも一方を、前記レンズホルダ部に対して固定する少なくとも一つのネジをさらに備えた構成であってもよい。
【0012】
また、前記レンズホルダ部の内周部と前記レンズユニットの外周部のいずれか一方側に前記レンズユニットの挿入方向に沿って凹溝部が形成されると共に、他方側に前記凹溝部内にその長手方向に沿って移動自在に嵌め込み可能な凸部が形成された構成であってもよい。
【0013】
さらに、前記アジャスタ部材は、前記レンズユニットの外周部に回転自在に取付けられており、前記アジャスタ部材の外周部に雄ネジ部が形成されると共に、前記レンズホルダ部の内周部に雌ネジ部が形成され、前記レンズユニットと前記アジャスタ部材とが前記レンズホルダ部内に挿入された状態で、前記アジャスタ部材が前記レンズホルダ部に螺合する構成であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明のレンズ固定部構造によると、アジャスタ部材を螺合させつつ回転させることで、レンズホルダ部の軸方向に沿ってレンズユニットを移動させることができ、また、アジャスタ部材の回転を停止させることで、レンズユニットの移動を停止させることができる。このため、レンズユニットの位置調節作業を容易に行うことができると共に、レンズユニットの固定作業を容易に行うことができる。
【0015】
また、前記アジャスタ部材は、前記レンズホルダ部と前記レンズユニットのうちの一方側に回転自在に外嵌め又は内嵌めされており、前記レンズホルダ部と前記レンズユニットのうちの一方側に、前記アジャスタ部材を抜止め保持する抜止め部材が取付けられた構成であると、アジャスタ部材を簡易な構成でより確実に抜止め保持した状態で、回転自在に取付けることができる。
【0016】
さらに、前記アジャスタ部材と前記レンズユニットのうちの少なくとも一方を、前記レンズホルダ部に対して固定する少なくとも一つのネジをさらに備えていると、レンズユニットをレンズホルダ部に対してより確実に固定できる。
【0017】
また、レンズホルダ部の内周部とレンズユニットの外周部のいずれか一方側に前記レンズユニットの挿入方向に沿って凹溝部が形成されると共に、他方側に前記凹溝部内にその長手方向に沿って移動自在に嵌め込み可能な凸部が形成されていると、凸部を凹溝部内に嵌め込むようにして、レンズユニットをレンズホルダ部内に挿入配置することができる。これにより、レンズホルダ部に対してレンズユニットの回転を抑制しつつ、該レンズユニットをレンズホルダ部の軸方向に沿って移動させることができる。
【0018】
また、前記レンズユニットと前記アジャスタ部材とが前記レンズホルダ部内に挿入された状態で、前記アジャスタ部材が前記レンズホルダ部に螺合する構成であると、レンズホルダ部内でアジャスタ部材が螺合する構成であるため、比較的コンパクトな構成とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
<実施形態>
以下、この発明に係るレンズ固定部構造が適用されたカメラ装置について説明する。図1は同カメラ装置の分解斜視図であり、図2は同カメラ装置の断面図である。
【0020】
このカメラ装置1は、カメラ本体3と、レンズユニット5と、アジャスタ31とを備えている。レンズ固定部構造は、カメラ本体3に組込まれた撮像素子17の前方位置にレンズユニット5を位置調節自在に固定するためのものである。
【0021】
カメラ本体3は、前側ケース11と、後側ケース13と、基板ユニット15とを備えている。
【0022】
基板ユニット15には撮像素子17が備えられる。基板ユニット15は、ネジ21により前側ケース11内に固定される。
【0023】
前側ケース11と後側ケース13とは、それらの間をパッキン19によってシールした状態で、ネジ23により互いに固定される。これにより、上記基板ユニット15は、前側ケース11と後側ケース13とで構成される略筺状の収容空間内に収容されることになる。なお、後側ケース13に設けられる孔13aは、接続ケーブルを引き出すためのものである。
【0024】
また、前側ケース11の前面側には、レンズユニット5を保持する略筒状のホルダ部25が設けられている。上記撮像素子17は、ホルダ部25内の開口に臨む位置関係となっている。このホルダ部25に、レンズユニット5が前側から挿入配置される。
【0025】
レンズユニット5は、レンズ群Gと、略筒状の鏡筒51と、リング状のレンズ押さえ53とを備えている。
【0026】
レンズ群Gは、広角及びアナモルフィックの両特性を備えたレンズ系であり、複数のレンズを備えている。各レンズが鏡筒51内に収容された状態で、レンズ押さえ53が鏡筒51に螺着されている。
【0027】
上記鏡筒51は、前端側の太径部51aと後端側の細径部51bとが段部51cを介して連設された構成とされている。このうちの細径部51bが上記ホルダ部25内に挿入可能とされている。
【0028】
また、上記細径部51bの外周部であって上記段部51cから後方へ所定距離離れた位置に、位置決め凹部51dが形成されている。後述する抜止め部材としての止め輪33が本位置決め凹部51dに固定されるようになっている。
【0029】
また、細径部51bの外周部であって上記位置決め凹部51dよりも後方の部分に周溝29が形成されている。この周溝29には、環状弾性部材であるパッキング27が嵌め込まれる。そして、パッキング27が嵌め込まれた状態で、細径部51bがホルダ部25内に挿入固定されることで、該パッキング27がレンズユニット5の外周面とホルダ部25の内周面との間に圧縮状に介在し、それらの間の隙間をシールする構成となっている。
【0030】
アジャスタ31は、ホルダ部25の軸方向に沿ってレンズユニット5の固定位置を調節するための部材である。ここでは、アジャスタ31は、上記レンズユニット5の外周部に回転自在かつ抜止め状に外嵌めされると共に、ホルダ部25の内周部に螺合可能とされている。そして、アジャスタ31をホルダ部25に螺合させつつ回転させることで、ホルダ部25の軸方向に沿ってレンズユニット5が移動する構成となっている。
【0031】
より具体的に説明すると、アジャスタ31は、細径部51bの外周部であって位置決め凹部51dよりも前側の部分に外嵌め可能なアジャスタ本体部31aと、アジャスタ本体部31aの前部から径方向外側へ張出す鍔状操作部31bとを備えている。
【0032】
このアジャスタ31は、アジャスタ本体部31aを細径部51bの外周部であって位置決め凹部51dよりも前側の部分に回転自在に外嵌めされる。また、止め輪33を位置決め凹部51dに固定することによって、アジャスタ31が段部51cと止め輪33との間で回転自在に抜止め状に保持されることになる。
【0033】
ここで、止め輪33は、アジャスタ31を抜止め保持する部材であり、例えば、金属板を略C字状かつその内周側に適宜間隔で突片を有する形状に打抜いた構成とされる。そして、止め輪33を弾性変形させつつ内周側の突片を上記位置決め凹部51dに嵌め込むことで、止め輪33が細径部51bの外周部に固定される。
【0034】
また、上記アジャスタ31の外周部には雄ネジ部35が形成され、ホルダ部25の先端部の内周部の先端側には雌ネジ部37が形成されている。そして、レンズユニット5の細径部51bをホルダ部25内に挿入することで、雄ネジ部35が雌ネジ部37に螺合可能な状態となる。この状態で、上記鍔状操作部31bは、ホルダ部25と太径部51a間を通って外側に露出している。そして、鍔状操作部31bを掴んで、アジャスタ31の雄ネジ部35をホルダ部25の雌ネジ部37に螺合させつつ該アジャスタ31を回転させると、ホルダ部25に対するアジャスタ31のねじ込み量が変り、該アジャスタ31がホルダ部25の軸方向に沿って移動する。この際、アジャスタ31は、レンズユニット5に対して抜止め状に保持されているので、レンズユニット5もアジャスタ31と一体となって前記軸方向に沿って移動する。アジャスタ31を適宜締結方向或は弛緩方向に回転させることで、レンズユニットが前記軸方向に沿って前後移動し、撮像素子17の受光面に対するレンズユニット5の位置調節が行われる。
【0035】
また、本レンズ固定部構造では、上記位置調整後、ネジ39,41によってレンズユニット5及びアジャスタ31がホルダ部25に固定している。すなわち、上記ホルダ部25には、2つのネジ穴39h、41hが形成されている。そして、一方側のネジ孔39hにネジ39を螺合締結することによって、該ネジ39が細径部51bに当接して、レンズユニット5の最終的な位置決め固定を図る。また、他方側のネジ孔41hにネジ41を螺合締結することによって、該ネジ41がアジャスタ31に当接して、アジャスタ31の回転止を図るようになっている。
【0036】
また、本レンズ固定部構造では、ホルダ部25の内周部にレンズユニット5の挿入方向に沿って凹溝部45を形成すると共に、レンズユニット5の外周部に当該凹溝部45内にその長手方向に沿って移動自在に嵌め込み可能な凸部43を形成している。そして、凸部43を凹溝部45内に移動自在に嵌め込みつつ、レンズユニット5の細径部51bをホルダ部25内に挿入することで、レンズユニット5の回転を規制するようにしている。
【0037】
特に、レンズ群Gにアナモルフィック光学系を採用したカメラ装置1においては、レンズユニット5の回転を禁止した状態で、上記位置調節を行う必要があるため、上記構成が有効である。
【0038】
本実施形態では、ホルダ部25と、このホルダ部25内に挿入配置されるレンズユニット5と、レンズユニット5を移動させるアジャスタ31との組合わせにより、レンズユニット5の位置を調節可能なレンズ固定部構造が構成されている。
【0039】
以上のように構成されたレンズ固定部構造では、アジャスタ31がレンズユニット5の外周部に回転自在かつ抜止め状(軸方向に位置決めした状態)に外嵌めされると共に、ホルダ部25の内周部に螺合可能とされている。このため、アジャスタ31をホルダ部25に螺合させつつ回転させることで、ホルダ部25の軸方向に沿ってレンズユニット5を移動させることができ、また、アジャスタ31の回転を停止させることで、レンズユニット5の移動を停止させて適切に調節した状態に保ちつつネジ39,41等による固定作業を行える。従って、アジャスタ31を回転させることでレンズユニット5の位置調節作業を容易に行うことができると共に、アジャスタ31の回転を停止させることでレンズユニットの固定作業を容易に行うことができる。
【0040】
また、アジャスタ31を鏡筒51に外嵌めした状態で鏡筒に止め輪33を取付固定することで、アジャスタ31を抜止め保持することができる構成であるため、簡易な構成でより確実にアジャスタ31を抜止め保持することができる。また、止め輪33として環状に成形した部材を用いることができるため、位置調節時の螺合も円滑に行える。
【0041】
また、レンズユニット5をホルダ部25の軸方向に沿って移動させて位置調節した後、ネジ39,41にて、アジャスタ31及びレンズユニット5を位置決め固定しあているため、レンズユニット5をホルダ部25に対してより確実に固定できる。なお、ネジ39,41のうちの一方のみを用いた構成であってもよい。
【0042】
さらに、ホルダ部25の内周部に凹溝部45を形成すると共に、レンズユニット5の外周部に凸部43を形成しているため、該凸部43を凹溝部45内に移動自在に嵌め込みようにしてレンズユニット5をホルダ部25内に挿入配置することができる。これにより、ホルダ部25に対してレンズユニット5の回転を抑制しつつ、該レンズユニット5をホルダ部25の軸方向に沿って移動させることができる。
【0043】
なお、レンズユニット5の外周部に凹溝部を形成すると共に、ホルダ部25の内周部に凸部を形成するようにしてもよい。
【0044】
また、アジャスタ31は、レンズユニット5の外周部に回転自在に取付けられており、アジャスタ31の外周部に雄ネジ部35が形成されると共に、ホルダ部25の内周部に雌ネジ部37が形成され、レンズユニット5とアジャスタ31とがホルダ部25内に挿入された状態で、アジャスタ31がホルダ部25に螺合する構成であるため、ホルダ部25内に諸構成が収り、比較的コンパクトな構成とすることができる。
【0045】
<変形例>
以下、変形例について説明する。なお、各図3〜図10では、説明の便宜上、レンズユニット5やホルダ部25等を簡略化して描いている。
【0046】
まず、アジャスタ31をレンズユニット5に対して回転自在かつ抜止め状に保持する構成は、上記実施形態のように、止め輪33を後付けする構成に限られない。
【0047】
例えば、図3に示す第1変形例では、レンズユニット5の細径部51bに、上記位置決め凹部51dに換えて、位置決め突起部51Bを形成している。位置決め突起部51Bは、レンズユニット5の前方に向けて順次突出すると共に、その前端部がレンズユニット5の前方に指向する垂直係止面51Baに形成されている。そして、環状のアジャスタ31をレンズユニット5の後方から外嵌めするように押込むと、位置決め突起部51Bの後背部に摺接する。そして、アジャスタ31をさらに強い力で押込むと、アジャスタ31及びレンズユニット5が若干撓み変形し、該アジャスタ31が位置決め突起部51Bの乗越える。これにより、アジャスタ31が太径部51aと垂直係止面51Baとの間で抜止め状に位置決めされた状態で回転自在に保持される。
【0048】
この第1変形例では、アジャスタ31を位置決め保持するための別部材を用いる必要がないため、構成の簡易化を図ることができる。
【0049】
また、図4及び図5に示す第2変形例では、アジャスタ31に換えて、2つの分割部材31Caにより構成されたアジャスタ31Cを用いている。
【0050】
各分割部材31Caは、半円弧の部材であり、その一方側の端部に凸部32Caが形成されると共に、他方側の端部に凸部32Caを嵌め込み可能な凹部32Cbが形成されている。2つの分割部材31Caは、同じ形状とされている。
【0051】
そして、中央部にレンズユニット5を配設するようにして、各凸部32Caを各凹部32Cbに嵌め込みつつ2つの分割部材31Caの端面を突合わせて、略環状に組合わせることで、上記アジャスタ31と同様構成であるアジャスタ31Cが構成される。なお、両分割部材31Caは、接着剤或は周知の係合構造等により合体される。
【0052】
この第2変形例では、レンズユニット5に環状抜止め突起部33Cを一体形成しておき、アジャスタ31Cをレンズユニット5に後付けすることができる。
【0053】
従って、アジャスタ31を位置決め保持するための別部材を用いる必要がなく、簡易な構成でより確実にアジャスタ31を抜止めすることができる。
【0054】
しかも、両分割部材31Caが同形状の部材であるため、部品管理や組立てが容易である。
【0055】
図6に示す第3変形例では、略半円弧状の分割部材31Daの一端部同士をヒンジ部32Dにより開閉自在に連結すると共に、他端部に係合部33Da及び被係合部33Dbを形成している。
【0056】
そして、中央部にレンズユニット5を配設するようにして、両分割部材31Daを閉じ合わせて、係合部33Daと被係合部33Dbとを係合させることで、上記アジャスタ31と同様構成であるアジャスタ31Dが構成される。
【0057】
この第3変形例では、上記第2変形例と同様に、環状抜止め突起部33Cを一体形成したレンズユニット5に、本アジャスタ31Dを後付けすることができる。従って、アジャスタ31を位置決め保持するための別部材を用いる必要がなく、簡易な構成でより確実にアジャスタ31を抜止めすることができる。
【0058】
また、両分割部材31Daがヒンジ部32Dにより連結され、係合部33Daと被係合部33Dbとを係合させることで、アジャスタ31が組立てられるため、その組立てを容易に行える。
【0059】
図7に示す第4変形例では、アジャスタ31Eは、ホルダ部25に外嵌め可能に形成されている。そして、アジャスタ31Eの内周部に雌ネジ部37Eが形成されると共に、ホルダ部25の外周部に雄ネジ部35Eが形成されている。そして、レンズユニット5をホルダ部25内に挿入配置した状態で、アジャスタ31Eがホルダ部25に外嵌めされた状態で螺合する構成となっている。
【0060】
つまり、アジャスタ31Eは、ホルダ部25の外周部に螺合する構成であってもよい。
【0061】
図8に示す第5変形例では、レンズユニット5の外周部のうちホルダ部25内に挿入される部分5Fを非円形断面形状に形成すると共に、これに対応するホルダ部25の内周部分25Fを、前記部分5Fを回転止状に挿入可能な非円形断面形状に形成している。
【0062】
例えば、図9では、レンズユニット5の外周部の部分5Fa及びホルダ部25の内周部の部分25Faを、楕円形状に形成している。
【0063】
また、図10では、レンズユニット5の外周部の部分5Fb及びホルダ部25の内周部の部分25Fbを、多角形状(ここでは正六角形状)に形成している。
【0064】
これにより、アジャスタ31Eを回転止状に保持することができる。
【0065】
なお、上記実施形態及び各変形例において、アジャスタ31,31C,31D,31Eのうち手等で操作する部分(例えば、鍔状操作部31b)の外周部形状を、多角形(例えば六角形)等の非円形状に形成したり、或は、その外周部に突起部を形成するようにしてもよい。これにより、アジャスタ31,31C,31D,31Eを手等で掴んで回し易くすることができる。
【0066】
なお、上記実施形態及び各変形例は、構成上相反しない限りにおいて、適宜組合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】この発明の実施形態に係るカメラ装置を示す分解斜視図である。
【図2】カメラ装置を示す断面図である。
【図3】第1変形例を示す説明図である。
【図4】第2変形例に係るアジャスタを示す分解斜視図である。
【図5】同上のアジャスタがレンズユニットに取付けられる状態を示す説明図である。
【図6】第3変形例に係るアジャスタを示す斜視図である。
【図7】第4変形例を示す説明図である。
【図8】第5変形例を示す説明図である。
【図9】レンズユニットの断面形状の例を示す図である。
【図10】レンズユニットの断面形状の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1 カメラ装置
5 レンズユニット
17 撮像素子
25 ホルダ部
31 アジャスタ
33 止め輪
35 雄ネジ部
37 雌ネジ部
39,41 ネジ
43 凸部
45 凹溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラのレンズユニットを固定するレンズ固定部構造であって、
略筒状のレンズホルダ部と、
前記レンズホルダ部内に挿入配置可能なレンズユニットと、
前記レンズホルダ部と前記レンズユニットのうちの一方側にその軸回りに回転自在に取付けられると共に、前記レンズホルダ部と前記レンズユニットのうちの他方側に螺合可能なアジャスタ部材と、
を備え、
前記アジャスタ部材を螺合させつつ回転させることで、前記レンズホルダ部の軸方向に沿って前記レンズユニットが移動する、レンズ固定部構造。
【請求項2】
請求項1記載のレンズ固定部構造であって、
前記アジャスタ部材は、前記レンズホルダ部と前記レンズユニットのうちの一方側に回転自在に外嵌め又は内嵌めされており、
前記レンズホルダ部と前記レンズユニットのうちの一方側に、前記アジャスタ部材を抜止め保持する抜止め部材が取付けられている、レンズ固定部構造。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のレンズ固定部構造であって、
前記アジャスタ部材と前記レンズユニットのうちの少なくとも一方を、前記レンズホルダ部に対して固定する少なくとも一つのネジをさらに備えたレンズ固定部構造。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載のレンズ固定部構造であって、
前記レンズホルダ部の内周部と前記レンズユニットの外周部のいずれか一方側に前記レンズユニットの挿入方向に沿って凹溝部が形成されると共に、他方側に前記凹溝部内にその長手方向に沿って移動自在に嵌め込み可能な凸部が形成された、レンズ固定部構造。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のレンズ固定部構造であって、
前記アジャスタ部材は、前記レンズユニットの外周部に回転自在に取付けられており、
前記アジャスタ部材の外周部に雄ネジ部が形成されると共に、前記レンズホルダ部の内周部に雌ネジ部が形成され、
前記レンズユニットと前記アジャスタ部材とが前記レンズホルダ部内に挿入された状態で、前記アジャスタ部材が前記レンズホルダ部に螺合する、レンズ固定部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−91461(P2006−91461A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−277262(P2004−277262)
【出願日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】