説明

レンズ装置および雲台装置およびそれらを用いた雲台システム

【課題】 レンズ装置の交換前後で雲台装置の動作性能を略一定にすることを可能にしたレンズ装置および雲台装置およびそれらを用いた雲台システムを提供すること。
【解決手段】 撮影方向を変えるために垂直軸まわりのパン動作と水平軸まわりのチルト動作の内少なくとも一方の動作部に一体的に設けられた撮像部に対して、少なくとも2種類以上の異なるレンズ装置を付け替えて使用する雲台システムであって、前記雲台装置の前記動作部には、錘と、該錘と一体的に設けられる突き当て部が光軸方向に移動可能に設けられ、前記レンズ装置には係り部が設けられ、前記レンズ装置を前記撮像部に取り付ける時には、前記突き当て部と前記係り部が当接し、前記レンズ装置の前記雲台装置への取り付けと略同時に前記錘が光軸方向の所定の位置に移動し、前記動作部の回転軸まわりのモーメントの値を所定の範囲内にすることを特徴とする構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ装置および雲台装置に関し、特にレンズ交換式雲台システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来雲台装置にレンズ装置を着脱する場合には、取り付けるレンズ装置に応じた重心位置の調整が必要であった。
【0003】
例えば、特許文献1では雲台装置に搭載されるカメラユニットにアクセサリを追加する場合の重心位置調整を無くすために、アクセサリが取り付けられた時に駆動軸まわりの重心位置を駆動軸とほぼ一致させる雲台装置が開示されている。特許文献2では撮影レンズを含むユニットを交換する際の調整行為を無くすために、レンズ装置の種類を判別し、判別結果に応じて雲台装置の姿勢調整範囲や姿勢変更時の速度や姿勢変更開始時の初速度を変更する雲台装置の制御方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−121918号公報
【特許文献2】特開2007−143058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された従来技術では、アクセサリの取り付け後のみ重心バランスを良くするため、アクセサリの取り付け前後で雲台装置の動作性能が変化する恐れがある。また、特許文献2に開示された従来技術では、レンズ装置の種類を認識して雲台装置の姿勢調整パラメータを変えるため、取り付けられるレンズ装置の種類により雲台装置の動作が変化してしまう。
【0006】
そこで、本発明の目的は、レンズ装置の交換時に重心位置調整を行なわなくても、雲台装置の動作性能を略一定にすることを可能にしたレンズ装置および雲台装置およびそれらを用いた雲台システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、撮影方向を変えるために垂直軸まわりのパン動作と水平軸まわりのチルト動作の内少なくとも一方の動作部に一体的に設けられた撮像部に対して、少なくとも2種類以上の異なるレンズ装置を付け替えて使用する雲台システムであって、前記雲台装置の前記動作部には、錘と、該錘と一体的に設けられる突き当て部が光軸方向に移動可能に設けられ、前記レンズ装置には係り部が設けられ、前記レンズ装置を前記撮像部に取り付ける時には、前記突き当て部と前記係り部が当接し、前記レンズ装置の前記雲台装置への取り付けと略同時に前記錘が光軸方向の所定の位置に移動し、前記動作部の回転軸まわりのモーメントの値を所定の範囲内にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、雲台装置のレンズ装置を交換する際に重心位置調整を行なうことなく水平軸周りのバランスを適正に出来る。そのため、雲台装置に異なる複数種類のレンズ装置が取り付く場合でも、安定した動作性能を持つ雲台システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の雲台システムの代表的な構成
【図2】本発明の第1の実施例の雲台装置の構成
【図3】本発明の第1の実施例の雲台装置にレンズ装置3aを取り付けた時の構成
【図4】本発明の第1の実施例の雲台装置にレンズ装置3bを取り付けた時の構成
【図5】錘の光軸方法位置の固定手段の構成
【図6】錘の光軸方法位置の付勢手段の構成
【図7】本発明の第2の実施例の雲台装置の構成
【図8】本発明の第2の実施例の雲台装置にレンズ装置3aを取り付けた時の構成
【図9】本発明の第2の実施例の雲台装置にレンズ装置3bを取り付けた時の構成
【図10】重心位置調整モーターを兼用する場合の構成
【図11】本発明の第3の実施例の雲台装置にレンズ装置3aを取り付けた時の構成
【図12】本発明の第3の実施例の雲台装置にレンズ装置3bを取り付けた時の構成
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかわる雲台システムの代表的な構成である。
【実施例1】
【0011】
以下、図1から6を参照して、本発明の第1の実施例による、雲台システムについて説明する。
【0012】
図1に本発明の雲台システムの代表的な構成を示す。
【0013】
雲台装置1は垂直軸まわりに矢印Pの方向に駆動部1aの動力で回転するパン動作と、水平軸まわりに矢印Tの方向に駆動部1bの動力で回転するチルト動作を行なう。
【0014】
雲台装置1のチルト動作部には、撮像部2が一体的に設けられ、撮像部2には光学性能のそれぞれ異なるレンズ装置3aと3bが交換可能に取り付けられる。
【0015】
雲台装置1はコントローラー4からの動作信号を、分配器5とネットワーク6を介して受け取り、パン動作とチルト動作を行うことで撮影方向を変更する。
【0016】
撮影された映像信号はネットワーク6と分配器5を介して表示装置7に表示される。
【0017】
図2に本発明第1の実施例の雲台装置の構成を示す。
【0018】
水平軸Hまわりに回転するチルト動作部と一体的に設けられる撮像部2には、レンズ装置を固定するための固定リング2aと、錘8のガイド部8aを通すためのガイド穴2bが設けられ、錘8は光軸方向に移動可能となる。
【0019】
ガイド部8aの先端には突き当て部9が設けられ、突き当て部9はガイド部8aの抜け止めも兼ねる。
【0020】
図3に本発明第1の実施例の雲台装置にレンズ装置3aが取り付けられた場合の構成を示す。
【0021】
レンズ装置3aに設けられた係り部10aを突き当て部9に当接させながらレンズ装置3aを撮像部2に固定すると、錘8は突き当て部9が係り部10aに押されただけ図中左に移動し、撮像部重心Gcから水平軸Hの距離はL1になる。
【0022】
また、レンズ装置3aの重心Gaから水平軸Hの距離はL2になる。撮像部2と錘8の合成質量をmcとし、レンズ装置3aの質量をmaとした時の水平軸HまわりのモーメントMaは以下の式で表される。
【0023】
Ma=(mc×L1)−(ma×L2)・・・・・・・・(式1)
このとき、モーメントMaの値が所定の範囲内になるように、係り部10aの光軸方向の位置が設定されている。
【0024】
図4に本発明第1の実施例の雲台装置にレンズ装置3bが取り付けられた場合の構成を示す。
【0025】
レンズ装置3bに設けられた係り部10bを突き当て部9に当接させながらレンズ装置3bを撮像部2に固定すると、錘8は突き当て部9が係り部10bに押されただけ図中左に移動し、撮像部重心Gcから水平軸Hの距離はL3になる。
【0026】
また、レンズ装置3bの重心Gbから水平軸Hの距離はL4になる。レンズ装置3bの質量をmbとした時の水平軸HまわりのモーメントMbは以下の式で表される。
【0027】
Mb=(mc×L3)−(mb×L4)・・・・・・・・(式2)
このとき、モーメントMbの値が所定の範囲内になるように、係り部10bの光軸方向の位置が設定されている。
【0028】
さらに、他のレンズ装置が取り付けられる場合においても同様に、水平軸まわりのモーメントの値が所定の範囲内になるように、係り部の光軸方向の位置を設定する。
【0029】
ここで、水平軸まわりのモーメントの値は、チルト駆動を行なう駆動部の出力トルクよりも絶対値が小さくなるように設定することは言うまでもない。
【0030】
以上説明したとおり、本発明の第1の実施例によると、レンズ装置の取り付けに連動して錘が光軸方向の、レンズ装置の種類に応じた位置に移動するため、レンズ装置の取り付けと略同時に水平軸まわりのバランスが適正になる。
【0031】
ここで、錘の光軸方向の位置の固定を、レンズ装置の固定に連動させても良い。
【0032】
図5(a)において、撮像部2の固定リング2aを矢印Xの方向に回転させてレンズ装置を固定するとき、固定リング2aの外周部と押さえ部材11の外周部とが、ギアや摩擦で噛合うように構成する。
【0033】
固定リング2aの回転に連動して押さえ部材11は矢印xの方向に回転すると図5(b)の状態になる。
【0034】
図5(b)において、押さえ部材11は、押さえ面11aとガイド穴2bとで、ガイド部8aを挟んで、錘8の光軸方向の位置を固定する。
【0035】
レンズ装置を取り外す時には、矢印Yの方向に固定リング2aを回転させると、押さえ部材11は矢印yの方向に回転して、錘8は光軸方向にスライド可能になる。
【0036】
以上のような構成によれば、レンズ装置を撮像部に固定する動作に連動して、錘の光軸方向の位置を固定することが出来るため、レンズ装置の交換の際の作業を省きながら、確実に錘の固定を行うことが可能になる。
【0037】
さらに、錘をレンズ装置に向けて付勢することにより、錘の光軸方向の位置を固定しても良い。
【0038】
図6において、錘8のガイド部8aの撮像部2と突き当て部9の間には、圧縮バネ12が挿入される。
【0039】
レンズ装置3aの係り部10aを、突き当て部9に当接させながら、撮像部2にレンズ装置3aを固定すると、圧縮バネ12が圧縮されて、錘8をレンズ装置3aの方向に付勢する。
【0040】
この時の付勢力は、錘8の質量よりも大きいものとする。
【0041】
以上のような構成によれば、レンズ装置を撮像部に固定するのと同時に錘の光軸方向の位置を安定させることが出来るため、レンズ装置の交換の際の作業を省くことが可能になる。
【0042】
ここでは付勢力を発生させる部材を圧縮バネとしたが、引っ張りバネや磁石のような他の手段を用いても同様の効果が得られる。
【実施例2】
【0043】
以下、図7から10を参照して、本発明の第2の実施例による、雲台システムについて説明する。
【0044】
図7に本発明第2の実施例の雲台装置の構成を示す。
【0045】
水平軸Hまわりに回転するチルト動作部と一体的に設けられる撮像部2には、レンズ装置を固定するための固定リング2aと、錘8のガイド部8aを通すためのガイド穴2bが設けられる。
【0046】
さらに、チルト動作部には重心移動モーター13が設けられ、重心移動モーター13の先には、ガイド穴2bと略平行なネジ14が設けられる。
【0047】
錘8にはネジ14と螺合するナット部8bが設けられ、重心移動モーター13がネジ14を回転させることにより光軸方向に移動する。
【0048】
また、チルト動作部には制御手段15と、制御手段15に接続される通信手段16が設けられる。
【0049】
図8は撮像部2にレンズ装置3aが取り付けられた状態を示す。
【0050】
レンズ装置3aには、レンズ装置3a内の不図示の移動レンズ群の駆動を行なうための電動ユニット17が設けられ、電動ユニット17には、記憶手段18と通信手段19が設けられる。
【0051】
通信手段16と19の間で通信が行なわれると、記憶手段18は、レンズ装置3aの認識データ、または錘8の行き先データ、またはレンズ装置3aの質量と重心位置のデータを制御手段15に伝達する。
【0052】
記憶手段18からのデータを受け取った制御手段15は、重心移動モーター13を駆動させて、錘8を光軸方向に移動させる。
【0053】
この時の撮像部重心Gcから水平軸Hの距離をL5、撮像部2と錘8の合成質量をmcとし、レンズ装置3aの重心Gaから水平軸Hの距離をL6、レンズ装置3aの質量をmaとした時の水平軸HまわりのモーメントMaは以下の式で表される。
【0054】
Ma=(mc×L5)−(ma×L6)・・・・・・・・(式3)
制御手段15はモーメントMaの値が所定の範囲内になるように重心移動モーター13を駆動させた後、重心移動モーター13を停止させる。
【0055】
図9は撮像部2にレンズ装置3bが取り付けられた状態を示す。
【0056】
通信手段16と19の間で通信が行なわれると、記憶手段18は、レンズ装置3bの認識データ、または錘8の行き先データ、またはレンズ装置3bの質量と重心位置のデータを制御手段15に伝達する。
【0057】
記憶手段18からのデータを受け取った制御手段15は、重心移動モーター13を駆動させて、錘8を光軸方向に移動させる。
【0058】
この時の撮像部重心Gcから水平軸Hの距離をL7、撮像部2と錘8の合成質量をmcとし、レンズ装置3bの重心Gbから水平軸Hの距離をL8、レンズ装置3aの質量をmbとした時の水平軸HまわりのモーメントMbは以下の式で表される。
【0059】
Mb=(mc×L7)−(mb×L8)・・・・・・・・(式4)
制御手段15はモーメントMbの値が所定の範囲内になるように重心移動モーター13を駆動させた後、重心移動モーター13を停止させる。
【0060】
さらに、他のレンズ装置が取り付けられる場合においても同様に、水平軸まわりのモーメントの値が所定の範囲内になるように、重心移動モーターを駆動させて錘の光軸方向の位置を設定する。
【0061】
ここで、水平軸まわりのモーメントの値は、チルト駆動を行なう駆動部の出力トルクよりも絶対値が小さくなるように設定することは言うまでもない。
【0062】
以上説明したとおり、本発明の第2の実施例によると、雲台装置とレンズ装置の間で通信を行なうと、錘が自動的にレンズ装置の種類に応じた位置に移動するため、水平軸まわりのバランスが適正になる。
【0063】
ここで、錘を駆動するモーターを、雲台装置またはレンズ装置に搭載されるモーターと兼用する構成にしても良い。
【0064】
図10において、水平軸Hまわりに回転するチルト動作部と一体的に設けられる撮像部2には、レンズ装置を固定するための固定リング2aと、錘8のガイド部8aを通すためのガイド穴2bが設けられる。
【0065】
さらに撮像部2には、ガイド穴2bと略平行なネジ14を回転可能に支持する軸受け部2cが設けられる。
【0066】
錘8にはネジ14と螺合するナット部8bが設けられ、ネジ14の先端にはクラッチ部14aが設けられる。
【0067】
また、チルト動作部には制御手段15と、制御手段15に接続される通信手段16が設けられる。
【0068】
レンズ装置3aには、レンズ装置3a内の不図示のレンズ群の駆動を行なうための電動ユニット17が設けられ、電動ユニット17には、記憶手段18と通信手段19とクラッチ部14aと接続・切断が可能な可動クラッチ20が設けられる。
【0069】
可動クラッチ20の他端は、不図示のレンズ群駆動モーターと接続される。
【0070】
錘8の光軸方向の位置を変更する場合、クラッチ部14aと可動クラッチ20が接続し、不図示のレンズ駆動モーターが駆動してネジ14を回転させ、錘8を光軸方向に移動させる。
【0071】
錘8を適正な位置に移動させた後、クラッチ部14aと可動クラッチ20は切断される。
【0072】
以上のような構成によれば、重心調整のために新たなモーターを設ける必要がなく、既存のモーターで錘を移動させることが可能になるため、製造コストを抑え、安価に製品を提供することが可能になる。
【0073】
ここで、レンズ装置内の移動レンズ群の質量が大きい場合や、移動量が大きく、レンズ装置の重心位置が変動する場合、レンズ駆動中にも記憶手段と制御手段との間の通信を行い、記憶手段は各レンズ位置でのレンズ装置の重心位置データを伝達しても良い。
【0074】
レンズ駆動時に制御手段は記憶手段からのデータを受けて、重心移動モーターを駆動させて、水平軸Hまわりのモーメントの値が常に所定の範囲内になるように制御を行なう。
【0075】
以上のような構成によれば、レンズ装置の種類と移動レンズ群の位置に関係なく、常に安定した動作性能を持つ雲台システムを提供できる。
【実施例3】
【0076】
以下、図11と12を参照して、本発明の第3の実施例による、雲台システムについて説明する。
【0077】
図11と図12に本発明第3の実施例の雲台装置とレンズ装置の構成を示す。
【0078】
レンズ装置3aの質量maが、レンズ装置3bの質量mbよりも小さい場合、レンズ装置3aには、付加質量21を取り付ける。
【0079】
図11において、付加質量21を取り付けた時のレンズ装置3aの質量をma’とし、撮像部の質量をmcとする。
【0080】
さらに撮像部重心Gcから水平軸Hの距離をL9とし、付加質量21とレンズ装置3a合成重心Ga’から水平軸Hの距離をL10とした時の水平軸H周りのモーメントMaは以下の式で表される。
【0081】
Ma=(mc×L9)−(ma’×L10)・・・・・・・・(式5)
同様に、図12においてレンズ装置3bの重心Gbから水平軸Hの距離をL11とすると、水平軸HまわりのモーメントMbは以下の式で表される。
【0082】
Mb=(mc×L9)−(mb×L11)・・・・・・・・(式6)
ここで、モーメントMbの値が所定の範囲内になるように構成すると、付加質量21の質量および取り付け位置は、モーメントMaの値がモーメントMbと略等しくなるように構成する。
【0083】
以上説明したとおり、本発明の第3の実施例によると、レンズ装置を雲台装置に取り付けた後の水平軸まわりのモーメントが略一定の値で、且つ所定の範囲内になるようにレンズ装置の質量と重心位置を設定する。
【0084】
それにより、複数種類のレンズ装置を付け替えて使用する雲台システムであっても、常に安定した雲台装置の動作性能を提供することが可能になる。
【0085】
また本発明の第3の実施例では、光軸方向に移動する錘が構成されないため、雲台装置の回転半径を小さくすることも可能になる。
【0086】
ここで、付加質量を取り付けるレンズ装置と、付加質量を取り付けないレンズ装置の構成を例に挙げたが、雲台システムに構成される全てのレンズ装置に付加質量を取り付けても同様の効果が得られる。
【0087】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 雲台装置
2 撮像部
3a、3b レンズ装置
8 錘
9 突き当て部
10a、10b 係り部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影方向を変えるために垂直軸まわりのパン動作と水平軸まわりのチルト動作の内少なくとも一方の動作部に一体的に設けられた撮像部に対して、少なくとも2種類以上の異なるレンズ装置を付け替えて使用する雲台システムであって、前記雲台装置の前記動作部には、錘と、該錘と一体的に設けられる突き当て部が光軸方向に移動可能に設けられ、前記レンズ装置には係り部が設けられ、前記レンズ装置を前記撮像部に取り付ける時には、前記突き当て部と前記係り部が当接し、前記レンズ装置の前記雲台装置への取り付けと同時に前記錘が光軸方向の所定の位置に移動し、前記動作部の回転軸まわりのモーメントの値を所定の範囲内にすることを特徴とする雲台システム。
【請求項2】
前記錘と前記突き当て部は、前記レンズ装置の前記撮像部への固定と同時に、光軸方向の位置が固定されることを特徴とする請求項1に記載の雲台システム。
【請求項3】
前記突き当て部は、付勢手段により前記係り部に向けて付勢され、前記付勢手段の付勢力は、少なくとも前記錘と前記突き当て部の質量よりも大きいことを特徴とする請求項1から2に記載の雲台システム。
【請求項4】
撮影方向を変えるために垂直軸まわりのパン動作と水平軸まわりのチルト動作の内少なくとも一方の動作部に一体的に設けられた撮像部に対して、少なくとも2種類以上の異なるレンズ装置を付け替えて使用する雲台システムであって、前記雲台装置の前記動作部には、前記レンズ装置との通信を行なうための通信手段と、錘と、該錘を光軸方向に移動するスライド手段が設けられ、さらに前記雲台装置には前記錘の光軸方向の位置を制御する制御手段が設けられ、前記レンズ装置には、記憶手段が設けられ、前記雲台装置または前記レンズ装置には前記錘を前記スライド手段に沿って移動させるための駆動手段が設けられ、前記制御手段は、前記通信手段により前記レンズ装置の情報を前記記憶手段から読み取り、前記動作部の回転軸まわりのモーメントの値が所定の範囲内になるように、前記駆動手段を制御して前記錘の光軸方向の位置を移動させることを特徴とする雲台システム。
【請求項5】
前記情報は、前記レンズ装置の認識データ、または前記錘の行き先データ、または前記レンズ装置の質量と重心位置のデータの内、少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項4に記載の雲台システム。
【請求項6】
前記駆動手段は、前記雲台装置に設けられたワイパーモータ、または、前記レンズ装置に設けられたズームモータ、フォーカスモータ、アイリスモータ、エクステンダー駆動モータ、電動マクロ用モータのいずれか一つであることを特徴とする請求項4から5に記載の雲台システム。
【請求項7】
前記記憶手段は、前記レンズ装置の焦点距離またはフォーカス値が異なる場合の重心位置を少なくとも2つ以上記憶し、前記レンズ装置の焦点距離またはフォーカス値が変化するときに、前記制御手段は前記記憶手段からの重心位置情報に応じて、前記動作部の回転軸まわりの重心位置が所定の範囲の中に収まるように、前記駆動手段を制御して前記錘の光軸方向の位置を移動させることを特徴とする請求項4から6に記載の雲台システム。
【請求項8】
撮影方向を変えるために垂直軸まわりのパン動作と水平軸まわりのチルト動作の内少なくとも一方の動作部に一体的に設けられた撮像部に対して、少なくとも2種類以上の異なるレンズ装置を付け替えて使用する雲台システムであって、前記雲台システムに使用される前記レンズ装置は、前記雲台装置に該レンズ装置を取り付けた時に、前記動作部の回転軸まわりのモーメントの値が所定の範囲内になるように構成されることを特徴とする雲台システム。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれかに記載の雲台システムで構成されることを特徴とする雲台装置。
【請求項10】
請求項1〜請求項8のいずれかに記載の雲台システムで構成されることを特徴とするレンズ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−123407(P2011−123407A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282634(P2009−282634)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】