説明

レーザ・スペックルを低減する方法および装置

【課題】 レーザ・ビームのスペックルを低減する装置(200)および方法を開示する。
【解決手段】 装置(200)は、ライト・ガイド(45)と、ライト・ガイドの入力面の高反射鏡(43)と、ライト・ガイドの出射面の部分反射鏡(46)と、を含む。コヒーレント・レーザ・ビーム(40)は、高反射鏡内の開孔(41)を通してライト・ガイドに導入される。ライト・ガイド(45)の中で、レーザ・ビーム(40)は、異なる位相シフトと、異なる偏光状態と、およびレーザ・ビームのコヒーレンス長に等しいか、またはレーザ・ビームのコヒーレンス長よりも大きい経路長差と、あるいは、異なる位相シフト、異なる偏光状態、またはレーザ・ビームのコヒーレンス長に等しいか、またはレーザ・ビームのコヒーレンス長よりも大きい経路長差、を有する複数の連続したビームレットに分離される。ビームレットは、部分反射鏡(46)を通ってライト・ガイド(45)から出射して、低減されたスペックルを有する出力レーザ光線を提供する。ライト・ガイド(45)は、透過材料の中空でないライト・パイプ、または反射内部側壁を有する中空のトンネルでありうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「ライト・ガイド・アレイ、製造方法、およびそれを使用する光学システム」と題する2003年6月10日に出願された米国特許出願第10/458,390号、「光学ディスプレイ用コンパクト偏光変換システム」と題する2005年2月25日に出願された米国特許出願第11/066,605号、「ライト・ガイド・アレイを含むコンパクト投影システム」と題する2005年2月25日に出願された米国特許出願第11/066,616号、および「光リサイクラおよびそれを含むカラー・ディスプレイ・システム」と題する2005年2月25日に出願された米国特許出願第11/067,591の一部継続である。また、本出願は、「光回復システムおよびそれを使用するディスプレイ・システム」と題する2004年12月22日に出願された米国仮出願第60/639,925号の利益を主張する。また、本出願は、本明細書と同日に出願された代理人整理番号00024.0009.PZUS00の「コンパクト集光システム」と題する米国仮特許出願第60/719,155号に関連する。上述した出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、レーザ照明システムに関する。さらに詳細には、本発明は、レーザ・スペックルを低減する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
高輝度、ならびに好ましいスペクトル・ビーム特性および角度ビーム特性を含むレーザの多数の利点により、レーザは、投影ディスプレイ、顕微鏡法、マイクロリソグラフィー、機械視覚、および印刷のような様々な用途に対する魅力的な光源と考えられている。しかしながら、これらのシステムでレーザを使用することに対する1つの欠点は、スペックルである。基本的に、スペックルは、レーザ・ビームの断面強度における好ましくない変動である。レーザ投影システムでは、スペックルは、通常、画像の解像度を低下させて、より不鮮明に見せる。スペックルは、ほとんどのレーザにより放射される光の高次の時間的および空間的コヒーレンスに起因する干渉パターンが原因である。このようなコヒーレント光が、凹凸面で反射されるとき、またはランダムな屈折率変化を有する媒体を通って伝搬するとき、スペックルは、不均一でランダムな光強度分布として現れる。この不均一な輝度は、レーザ照明システムの品質および有用性を低下させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術は、スペックル低減のための様々な技術について記述する。例えば、米国特許第5,224,200号では、ラスムセンらは、図1に示されているようなスペックル低減装置10を提案する。システムは、レーザとホモジナイザ28の間の連続的なコヒーレンス遅延線からなる。コヒーレンス線は、全反射鏡24と、もとのレーザ・ビームのコヒーレンス長の半分の整数倍に等しい距離25だけ分離された部分反射鏡22とからなる。レーザ・ビーム20は、最初に部分反射鏡22に衝突して、この部分反射鏡22は、ビームの一部を透過し、残りを全反射鏡24の方へ反射し、この全反射鏡24で、このビームの残りが再び部分反射鏡22の方へ反射される。このプロセスは、反射ビームが部分反射鏡22を迂回するまで続く。この最後のビームと、部分反射鏡22を通って透過された一連のビームとは、レンズ26でホモジナイザ28に集束される。ホモジナイザ28に入射するビームは、それらのコヒーレンス長の倍数でオフセットされており、それらの見かけのコヒーレンス長の縮小をもたらし、それによりスペックル量を減少させる。
【0005】
J.M.フローレンスに対する米国特許第5,313,479号、およびクルシュウィッツらに対する米国特許第6,594,090B2号では、可動ディフューザが、スペックル・パターンを除去する、または軽減するために使用される。
【0006】
H.キクチに対する米国特許第6,897,992B2号では、レーザ・ビームが回転されて、SおよびP偏光成分に均等に分割される。SおよびP偏光成分を分離した後に、レーザ・ビームのコヒーレンス長に少なくとも等しい光路差が、適切な遅延手段によりSおよびP偏光成分の間に生成される。また、’992特許は、レーザ・ビームを2つ以上の平行なビームレットに分割し、かつビームレットを互いに対して、レーザのコヒーレンス長に少なくとも等しい光路差だけ遅らせる強度分離手段を開示する。
【0007】
B.ディンゲルらは、オプティックス・レターの1993年4月発行第18巻第7号の549〜551ページに掲載された「光フィードバック効果を用いることによる半導体レーザ顕微鏡のスペックルのない画像」で、レーザのスペクトル線幅を広げ、かつ時間とともに変化するマルチモード・スペクトルを有する出力ビームを生成することにより、レーザ・スペックルを除去する方法を教示している。この結果は、鏡と、ビーム・スプリッタと、マルチモード・ファイバとの使用を通して、適度の量のレーザ光線をレーザの空洞の中へ戻すことにより達成される。
【0008】
スペックル低減の上述した方法は、使用目的によっては有効であるが、それにもかかわらず、それらは以下の欠点、すなわち、移動部分または振動部分、コンパクト性の程度の低さ、長い積分時間、光エネルギーの多大な損失(すなわち、非効率性)、および角度および強度に関する光の空間分布の制御の欠如のうちの1つ以上を有する。
【0009】
したがって、ディスプレイ・パネルの活性領域のような特定の目標領域全体にわたる強度および角度に関するレーザ光線の空間分布の制御を提供する、簡単、コンパクト、軽量、短い積分時間、かつ効率的なスペックル低減装置に対する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の利点は、選択された断面積と、強度および角度の選択された空間分布とを有する出力光ビームを作り出すことができる、比較的コンパクトで、軽量、短い積分時間(または瞬間的積分時間)の、効率的なスペックル低減装置を提供することである。改良されたスペックル低減装置は、様々な寸法および形状を有するレーザ源(例えば、単一レーザまたはレーザ・アレイ)から、様々な形状および寸法の照明対象に効率的に光を接続することができる。また、本発明は、改良されたスペックル低減方法を提供する。
【0011】
本発明の種々の態様、特徴、実施形態、および利点は、以下の図面および詳細な説明において記述され、または、それらは、以下の図面および詳細な説明を検討すれば、当業者に明らかであり、または明らかになるであろう。これらの態様、特徴、実施形態、および利点のすべては、この説明の中に含まれ、本発明の範囲内にあり、かつ添付クレームで保護され、この添付クレームは最終的に本発明を規定するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の詳細な説明では、図面を参照し、組み込みながら、本発明の1つ以上の具体的な実施形態を説明して、かつ例示する。これらの実施形態は、本発明を制限するためではなく、あくまで本発明の例を示して、教示するために提示されたものであり、当業者が本発明を実施できるようにするために十分詳細に示され、説明されている。したがって、本発明を分かりにくくするのを回避するために適切である場合には、説明では、当業者にとって既知の特定の情報を省略する可能性がある。
【0013】
少なくともライト・ガイド(例えば、ライト・パイプまたはトンネル)と、高反射鏡(例えば、鏡板)と、部分反射鏡(例えば、鏡板)とを組み込むレーザ・スペックル低減装置の様々な模範的実施形態が、本明細書に開示されている。動作について見ると、スペックル低減装置は、入力レーザ・ビームを、好ましくはレーザ・ビームのコヒーレンス長と少なくとも等しい光路長差だけ互いに分離された、多数のビームレットに分割する。レーザ・スペックル低減装置は、それが静止型である、すなわち、いかなる可動部分または振動部分も含んでいないという点で有利である。
【0014】
また、本明細書で説明したレーザ・スペックル低減構造のいくつかを具現する模範的ディスプレイ・システムが開示されている。
【0015】
ここで図を参照すると、図2Aおよび図2Bは、反射側壁を有するようなライト・ガイド45と、高反射鏡43と、部分反射鏡46と、任意の平凹レンズ42(図2Bに示す)とを含むスペックル低減装置200の実施形態の斜視図および横断面図を示している。部分反射鏡46は、ライト・ガイド45の出射面に設置されており、全反射(または少なくとも高反射)鏡43は、ライト・ガイドの入力面に設置されている。高反射鏡43内に形成された開孔は、入力レーザ・ビームをライト・ガイド45の中に導入することを可能とする。
【0016】
高反射鏡43は、入射光のすべてまたは大部分を部分反射鏡46の方へ反射する金属コーティングおよび誘電体コーティング、あるいは金属コーティングまたは誘電体コーティングで作られていることが好ましい。部分反射鏡46は、入射光の一部を高反射鏡43の方へ反射して、残りを透過させる誘電体コーティングで作られていることが好ましい。
【0017】
平凹レンズ42の機能は、レーザ・ビーム40の円錐角を所望の円錐角に広げることである。このレンズ42は、光透過性接着剤を用いて高反射鏡43に取り付けられている。高反射鏡43および部分反射鏡46は、適切な接着剤を用いてライト・ガイド45の入射面および出射面のそれぞれに取り付けられている。高反射鏡43と部分反射鏡46の間の距離Lは、入力レーザ・ビーム40のコヒーレンス長の半分の整数倍に等しいことが好ましい。当業者に明らかなように、レーザのコヒーレンス長は、レーザ・ビームが分割されるとき、干渉が起こるであろう距離である。
【0018】
ライト・ガイド45は、研摩表面を有するガラスのような光透過材料で作られた中空でないライト・パイプ、または反射側壁を有する中空のライト・トンネルとすることができ、また、直線状であるかまたは先細になったライト・ガイドとすることができる。ライト・ガイドの長さは、その入射開孔および出射開孔の寸法と、ライト・ガイド45の中を伝搬する光の円錐角と、伝搬光のコヒーレンス長と、所望の光一様性の程度とに応じて、数ミリメートルから数十ミリメートルまで多岐にわたる。いくつかの好適なライト・ガイドの実施例は、関連米国特許出願の2003年6月10日に出願された第10/458,390号、および2005年2月25日に出願された第11/066,616号に記述されており、これらの出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
レーザ光線40は、図2に示されているように開孔41を通って任意の平凹レンズ42に入射する。開孔41は、レーザ光線40をライト・ガイド45の中に導入することを可能にするために全反射鏡43内に形成されている。開孔41の寸法および形状は、円形、正方形、長方形、楕円形、または他の任意の形状でありうる。また、任意の平凹レンズのアレイと関連し、かつレーザのアレイに対応する、開孔のアレイを有することも可能である。
【0020】
平凹レンズ42は、システム200の光軸を中心対称軸とする円錐ビーム発散を形成するために使用される。平凸レンズ、平凸マイクロ・レンズ・アレイ、平凹マイクロ・レンズ・アレイ、ホログラフィック・ディフューザ、または非ホログラフィック・ディフューザなど他の種類のレンズを、レンズ42の機能を実行するために使用することができる。
【0021】
ビーム40を作り出す光源は、単色レーザ、多色レーザ(例えば、チューナブルレーザ)、またはあらかじめ組み合わされた単色レーザでありうる。レーザ出力または波長についての制限はなく、例えば、UV、可視、または赤外線領域でありうる。スペックル低減装置200は、小さいコヒーレンス長(数ミリメートル)から大きいコヒーレンス長(メートル)まで多岐にわたるコヒーレンス長を有するレーザと共に使用することができる。
【0022】
レーザ光線40は、所望の円錐角を有する発散ビーム44として任意の平凹レンズ42から出射する。この光44は、ライト・ガイド45の中を伝搬するにつれて、空間的により一様になる。この光44が、最初に部分反射鏡46に衝突するとき、光44の一部(すなわち、第1のビームレット)は通り抜けて、スペックル低減装置200から出射するが、残りは高反射鏡43の方へ反射される。この反射光のうちの小部分は、開孔41を通り抜けてスペックル低減装置200から出射してレーザの方へ向かい、残りは高反射鏡43により部分反射鏡46の方へ反射される。この光は部分反射鏡46に2度目に衝突して、第2のビームレットはスペックル低減装置200から出射して、残りは高反射鏡43の方へ反射される。このプロセスは、光ビーム44が部分反射鏡46を通ってスペックル低減装置200から出射するまで続く。
【0023】
2つの鏡43および鏡46が、入力レーザ・ビーム40のコヒーレンス長の半分の整数倍に好ましくは等しい距離だけ離れているため、部分反射鏡46から出射するビームレットは、すべてがコヒーレンス長の倍数でオフセットされている。その結果、スペックル低減装置200から出射するビームレットはインコヒーレントに再結合して、出力再結合ビームのコヒーレンス長の縮小につながる。
【0024】
例え2つの鏡43と鏡46の間の距離がレーザ・ビーム40のコヒーレンス長の半分未満であったとしても、部分反射鏡46から出射する各ビームレットは強度および角度に関して互いに同一でない空間分布を有することになり、スペックル・パターンの平均化および低減につながる。任意の平凹レンズ42は、レーザ光線の空間分布について同一でない度合いを増大させて、その結果、鏡の間隔がコヒーレンス長未満である状況において、スペックルの低減を促進する。
【0025】
スペックル低減装置200の他の構成では、2つの鏡43および鏡46ならびに開孔41の寸法は、所要量のレーザ光線をレーザ空洞の中へ戻すことが、レーザのスペクトル線幅を広げて、かつ時間的に変動する線幅スペクトルを作り出すことが可能となるように設計されている。この場合、単一モード・レーザはマルチ・モード・レーザに変えられ、そのマルチ・モード・スペクトルは緩和振動および多重外部空洞モードにより時間とともに変化し、その結果、レーザのコヒーレンス長の縮小および観測されるスペックル・パターンの低減につながる。この光フィードバック効果については、オプティックス・レターの1993年4月発行第18巻第7号の549〜551ページに掲載された「光フィードバック効果を用いることによる半導体レーザ顕微鏡のスペックルのない画像」で、B.ディンゲルらによりさらに詳細に記述されており、この文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0026】
図3Aおよび図3Bは、それぞれ本発明の他の実施形態のスペックル低減装置300の斜視図および横断面図を示している。装置300は、ライト・ガイド45と、高反射鏡43と、部分反射鏡46と、波長板47と、任意の平凹レンズ42と、を含んでいる。波長板47は、部分反射鏡の前、または全反射鏡の後に配設されている。波長板は、スペックル低減装置が、レーザ・ビームのコヒーレンス長に少なくとも等しい光路差だけ互いに分離している様々な偏光成分を有するビームレットを送出することを可能にする。
【0027】
高反射鏡43と部分反射鏡46の間の距離Lは、レーザ・ビーム40のコヒーレンス長の半分の整数倍に等しいことが好ましい。波長板47は、異なる偏光状態と低減されたスペックル・パターンとを有する複数のビームレットをもたらすのに要求される位相遅延を生じさせるために使用される。波長板は、石英およびMgF2のような単軸結晶の切断され研磨された断片であることが好ましい。単軸結晶では、結晶を通過する光は、1つの結晶軸において、残りの2つの結晶軸とは異なる屈折率および位相遅延を経験する。
【0028】
スペックル低減装置300の他の構成では、波長板47は、高反射鏡43とライト・ガイド45の間のシステム300の反対端に配設されている。
【0029】
図4Aおよび図4Bは、本発明の他の実施形態のスペックル低減装置400を示している。装置400は、レーザ・ビーム40の偏光成分を、S偏光成分とP偏光成分(後述する)に分割して、レーザ・ビーム40のコヒーレンス長以上のS偏光成分とP偏光成分の間の光路差を生成する。2つの成分は、2つの等しいS偏光成分とP偏光成分とに分割されることが好ましい。
【0030】
スペックル低減装置400は、先行する実施形態のスペックル低減装置300の特別な事例であり、偏光レーザ光線40をいかなる遅延も経験することなくライト・ガイド45に最初に導入するため、開口部を有する4分の1波長板47aを利用する。板47aは、高反射鏡43とライト・ガイド45の間に配設されている。偏光レーザ光線44は部分反射鏡46に衝突して、S偏光成分(またはレーザおよびその方向次第でP偏光成分)を有する第1のビームレットは透過されて、残りは高反射鏡43の方へ反射される。中空でないライト・パイプまたは中空のライト・トンネル45内を1往復する間に、光は4分の1波長板47aを2度通過して、その偏光状態は90度ほど回転される。その結果、第2の透過ビームレットは、第1のビームレットの偏光成分と直交するP偏光成分を有して出射する。連続するビームレットは、P状態とS状態の間を交互に繰り返す直交偏光状態を有するであろう。2つの鏡43および鏡46が、レーザ・ビーム40のコヒーレンス長の半分の整数倍に好ましくは等しい距離だけ分離されているため、部分反射鏡46から出射するビームレットは、すべてがビームレットのコヒーレンス長の倍数でオフセットされている。その結果、スペックル低減装置400から出射するビームレットはインコヒーレントに再結合して、再結合ビームのコヒーレンス長の縮小につながる。
【0031】
スペックル低減装置400の他の構成では、4分の1波長板47aは、部分反射鏡46とライト・ガイド45の間に配設されている。この構成では、レーザ・ビーム40は、円偏光成分が4分の1波長板47aに衝突するように最初に回転されて、結果として直線偏光成分を有する第1のビームレットが部分反射鏡46から出射することになる。中空でないライト・パイプまたは中空のライト・トンネル45内を1往復する間に、光は4分の1波長板47aを2度通過して、その偏光状態は90度ほど回転される。その結果、第2の透過ビームレットは、第1のビームレットの偏光成分と直交する偏光成分を有して出射する。連続するビームレットは、P状態とS状態の間を交互に繰り返す直交偏光状態を有するであろう。
【0032】
レーザ・ビーム40は、最初に、例えば、高反射鏡43の直前にもう一つの4分の1波長板を配設することにより、円偏光成分を生成するように回転されうる。その後、円偏光成分は、口径41を通ってスペックル低減装置400の中に入る。
【0033】
図5Aおよび図5Bは、それぞれ本発明の他の実施形態のスペックル低減装置500の斜視図および横断面図を示している。装置500は、ライト・ガイド45と、高反射鏡43と、部分反射鏡46と、任意の波長板47と、透過ディフューザ48aと、任意の平凹レンズ42とを含んでいる。ディフューザは、レーザ・ビームを受け取って、所望の角度パターンに光を再分布させることができる回折光学要素の一種である。ホログラフィおよびバイナリ・オプティクスを含む種々の方法を用いてディフューザを作ることができる。ディフューザは、それらの種類および材料に応じて偏光に異なる影響を与える。透過ディフューザ48aは、異なる位相シフトと低減され平均化されたスペックル・パターンとを有するビームレットの透過をもたらすために望まれる値の位相シフトを生じさせるために使用される。
【0034】
高反射鏡43と部分反射鏡46の間の距離Lは、レーザ・ビーム40のコヒーレンス長の半分の整数倍に等しいことが好ましい。
【0035】
スペックル低減装置500の他の構成では、透過ディフューザ48aは、任意の波長板47とライト・ガイド45の間に配設されている。
【0036】
図6Aおよび図6Bは、それぞれ本発明の他の実施形態のスペックル低減装置600の斜視図および横断面図を示している。装置600は、ライト・ガイド45と、部分反射鏡46と、任意の波長板47と、反射ディフューザ48bと、任意の平凹レンズ42と、を含んでいる。反射ディフューザは、入射した光ビームを(透過ディフューザ48aの場合のように)透過させるよりむしろ、反射光が所望の角度分布を有するように反射する。ディフューザとして働くことに加えて、反射ディフューザ48bは、高反射鏡43の機能を実行する。
【0037】
図7Aおよび図7Bは、それぞれ本発明の他の実施形態のスペックル低減装置700の斜視図および横断面図を示している。装置700は、ライト・ガイド45と、高反射鏡43と、部分反射鏡46と、任意の波長板47と、変厚板49と、任意の平凹レンズ42と、を含んでいる。変厚板49は、異なる位相シフトと低減されたスペックル・パターンとを有するビームレットの透過をもたらす光ビームの中で可変位相シフトを生じさせるために使用される。変厚板49は、表面領域全体にわたって一定またはランダムな厚さ変化を有している。このような変化は、階段状であるか、または滑らかである場合があり、光ビームの角度分布を再配置しない。
【0038】
高反射鏡43と部分反射鏡46の間の距離Lは、レーザ・ビーム40のコヒーレンス長の半分の整数倍に等しいことが好ましい。
【0039】
図8Aおよび図8Bは、本発明の他の実施形態のスペックル低減装置800の斜視図および横断面図を示している。装置800は、ライト・ガイド45と、任意の波長板47と、任意の変厚板49と、任意の平凹レンズ42と、コリメート板50とを含んでいる。光コリメータとして働くことに加えて、コリメート板50は、部分反射鏡46の機能を実行する。さらに具体的に述べると、コリメート板50は、ライト・ガイド45の出射面の部分反射鏡として使用することができ、コリメート板50の表面上の各点における送出される光の強度および角度を制御する。
【0040】
任意の変厚板49は、任意の透過ディフューザで置き換えることができる。また、高反射鏡43と任意の変厚板49の両方を反射ディフューザに置き換えることも可能である。
【0041】
図9Aは、図8Aおよび図8Bのコリメート板50の詳細斜視図である。コリメート板50は、開孔板34aと、マイクロ・ガイド・アレイ34bと、マイクロ・レンズ・アレイ34cと、を含んでいる。各マイクロ・レンズは、マイクロ・ガイドとマイクロ開孔とに対応している。図9Dに示されているように、開孔板34aは、所望のレーザ波長を非常によく透過する透過材料34a1で作られた板を含んでいる。板の上面は、その上に塗布されたパターン形成された高反射コーティング34a2を有する。
【0042】
マイクロ・ガイド・アレイ34bおよびマイクロ・レンズ・アレイ34cの斜視図が、図9Cに示されている。マイクロ・ガイド・アレイ34bとマイクロ・レンズ・アレイ34cの両方は、単一ガラス板上に作られている。開孔板34a、マイクロ・ガイド・アレイ34b、およびマイクロ・レンズ・アレイ34cの横断面図が、図9Bに示されている。レーザの偏光状態を保持することが重要である用途では、マイクロ・ガイド・アレイ34bの中のマイクロ・ガイドの側壁を、マイクロ・ガイド・アレイ34bに入出射する光の偏光状態が保持されるように方向付けることができる。
【0043】
開孔板34a、マイクロ・ガイド・アレイ34b、およびマイクロ・レンズ・アレイ34cの中の各マイクロ要素(例えば、マイクロ・ガイド、マイクロ・レンズ、またはマイクロ・トンネル)の設計パラメータは、入射開孔および出射開孔の形状および寸法、奥行き、側壁形状およびテーパ、ならびに方向を含んでいる。開孔板34a、マイクロ・ガイド・アレイ34b、およびマイクロ・レンズ・アレイ34cの中のマイクロ要素は、一様な、非一様な、ランダムな、または非ランダムな配置を有することができ、その個数は、1個のマイクロ要素から数百万個まで多岐にわたるとともに、各マイクロ要素は、その設計パラメータにおいて異なりうる可能性がある。各マイクロ要素の入射/出射開孔の寸法は、可視光線を用いる適用物では、光回折現象を回避するために5μm以上であることが好ましい。しかしながら、入射/出射開孔の寸法が5μm未満であるマイクロ要素を設計することも可能である。このような適用物では、強度、視野角、および特定領域上の色に関して一様な光分布を提供するために、設計は、回折現象およびこのようなスケールにおける光の挙動を考慮すべきである。このようなマイクロ要素は、1次元アレイ、2次元アレイ、円形アレイとして配置されうるとともに、個々に位置決めされ、または方向付けされうる。さらに、コリメート板50は、ライト・ガイド45の出射面よりも小さい寸法を有することができ、その形状は、長方形、正方形、円形、または他の任意形状でありうる。
【0044】
コリメート板50の動作は、以下のように説明される。コリメート板50に衝突する光の一部は開孔板34aの開口部を通って進み、残りは高反射コーティング34a2により後方へ反射される。マイクロ・ガイド・アレイ34bに入射した光は、マイクロ・ガイドの中で全内反射を経験して、マイクロ・ガイド・アレイ34bから出射するときには非常に平行になっている。この平行光は、屈折により、より平行にされた光としてマイクロ・レンズ・アレイ34cから出射する。この高水準の平行化に加えて、コリメート板50は、各マイクロ要素の位置における強度および円錐角に関して送出される光の分布を制御する。
【0045】
図10Aおよび図10Bは、スペックル低減装置800と共に使用することができる他のコリメート板60の斜視図および横断面図を示している。コリメート板は、マイクロ・ガイド・アレイ34bと、開孔板34aと、を含んでいる。
【0046】
図11Aおよび図11Bは、スペックル低減装置800と共に使用することができる他のコリメート板70の上面図および横断面図を示している。コリメート板70は、中空のマイクロ・トンネル・アレイ37bと、開孔アレイ37aとを含んでいる。各マイクロ・トンネルの内部側壁38b(図11Aの分解図)は、高反射コーティング39b(図11B)で被覆される。コリメート板70に衝突する光の一部は、中空のマイクロ・トンネル・アレイ37bに入射して、反射により平行にされる。この光の残りは、開孔板37aの高反射コーティング39aにより後方へ反射される。コリメート板70の利点は、コンパクト性、およびそのマイクロ・トンネルの入射開孔38aおよび出射開孔38cに反射防止(AR)コーティングを必要とすることなく光の高透過効率を達成する点である。
【0047】
図12A〜図12Cは、スペックル低減装置800と共に使用することができるコリメート板80の他の構成の斜視図(一体化および分解)および横断面図を示している。コリメート板80は、開孔板74aと、単板上に作られたマイクロ・レンズ・アレイ74cと、を含んでいる。コリメート板80では、マイクロ・レンズ・アレイ74cは、屈折により送出される放射の平行化機能を実行する。
【0048】
実施例のコリメート板50、60、70、および80のようなコリメート板の構成、製造、および動作の付加的な詳細は、関連米国特許出願の2003年6月10日に出願された第10/458,390号、および2005年2月25日に出願された第11/066,616号、ならびに代理人整理番号00024.0009.PZUS00の「コンパクト集光システム」と題する米国仮特許出願第60/___号に与えられており、これらの出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
図13は、円形または楕円形のレーザ・ビーム951よりむしろ光955の線を受け入れるスペックル低減装置1000を示している。成形光学系952は、1つ以上のレーザ950から放射される円形または楕円形のレーザ・ビーム951を、すべての光線が光軸(すなわち、z軸)に平行である光953の平行線に変換する。円柱レンズ954は、光953のこの平行線を、高反射鏡961内に形成された長方形開孔960に集束させる。成形光学系952のいくつかの実施例は、J.I.トリスナディに対する米国特許第6,323,984B1号に記述されており、この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。部分反射鏡は、スペックル低減装置1000から出射する光の円錐角(z軸に対する)を減少させる一次元コリメート板966であることが好ましい。また、任意の波長板965および変厚板962が、図13に示されている。ライト・ガイド964の長さは、もとのレーザ・ビーム951のコヒーレンス長の半分の整数倍に等しいことが好ましい。
【0050】
図14Aは、エッジ・ライト式ダイレクト・ビュー液晶ディスプレイで使用されるスペックル低減装置1200の上部平面図である。この用途では、マイクロ要素板1100は、光が最初にスペックル低減装置1200を通過した後に、レーザ1150のレーザ・ビーム1151をライト・ガイド板1120の縁端部に沿って一様に分散するために利用される。スペックル低減装置1200は、本明細書に開示したスペックル低減装置200、300、400、500、600、700、800のいずれかを含んでいる。
【0051】
図14Bは、図14AのLCDシステムの分解斜視側面図である。反射底部側1121を有する板1120は、通常、ダイレクト・ビュー液晶ディスプレイ(LCD)において、光源からの光をライト・ガイド板1120の上部に配設されたディスプレイ・パネルに接続するために使用される。スペックル低減装置1200から出射するレーザ光線1152は、ライト・ガイド1110に入射して、ライト・ガイド1110の反対端の方へ伝搬する。マイクロ要素板1100は、図14Aおよび図14Bに示されているようにライト・ガイド1110に取り付けられている。
【0052】
マイクロ要素板1100の表面上に形成された数百万個のマイクロ要素(例えば、マイクロ・レンズ、マイクロ・ガイド、マイクロ・トンネル)は、光1152をライト・ガイド板1120に接続するために使用される。接続された光は、光1153としてライト・ガイド板1120に入射して、ライト・ガイド板1120から+Y方向にディスプレイ・パネルの方へ引き出される。マイクロ要素は、マイクロ要素板1100に沿って非一様に分散されており、それらの密度は、マイクロ要素板1100の後端部に向かうほど大きくなる。後端部の方へ伝搬するにつれて光強度が低下するため、この形態の非一様なマイクロ要素分布は、ライト・ガイド板1120の縁端部に沿って一様な光分布をもたらす。マイクロ要素板1100の後端部は、光漏れを回避するために高反射層1111で被覆されていることが好ましい。
【0053】
図14Cは、マイクロ要素板1100の一実施例として板2100を示している。光1152がライト・ガイド1110の中を伝搬するとき、光1152は板2100のマイクロ・ガイド2100aに入射して、マイクロ・ガイド2100aの側壁に衝突する。マイクロ・ガイド側壁に衝突した光は、ライト・ガイド板1120の方へ屈折される。マイクロ要素板1100の設計、動作、および製造については、関連米国特許出願の2003年6月10日に出願された第10/458,390号、および2005年2月25日に出願された第11/066,616号に記述されている。
【0054】
また、単板上に一体化したマイクロ要素板1100とライト・ガイド1110とを有することも可能である。
【0055】
図14Dは、ライト・ガイド板1120の他の可能な設計として板2120を示している。板2120の一実施態様では、高反射性の白い塗料が、その裏面2120bに塗布される。板2120の中を伝搬する光1153は、白い塗料に衝突するとき拡散される。拡散光の大半は、(何回も白い塗料に衝突した後に)最後には、その前面2120aを通って(+Y方向に)板2120から出射することになり、ディスプレイ・パネル(または光平行化のために、通常、ディスプレイ・パネルとライト・ガイド板2120の間に配設されている輝度増強被膜)に入射する。
【0056】
板2120は、白い塗料を使用せずに、その前面部2120aおよび背面部2120b上、あるいは前面部2120aまたは背面部2120b上にマイクロ要素を用いて実施されうる。このような設計は、先行技術で知られている。ライト・ガイド1110と、マイクロ要素板1100および板2100と、ライト・ガイド板1120および板2120とは、ガラスまたは高分子のような光透過材料で作られている。
【0057】
図15Aおよび図15Bは、赤色、緑色、および青色レーザと、透過マイクロ・ディスプレイとを利用する照明システム1500を示している。システム1500は、3つのコヒーレント光源1A、1B、および1Cと、3つの二色性ビーム・スプリッタ2A、2B、および2Cと、レーザ・スペックル低減装置1400と、透過ディスプレイ1410とを含んでいる。スペックル低減装置1400は、本明細書に開示したスペックル低減装置200、300、400、500、600、700、800のいずれかを含んでいる。
【0058】
3つのコヒーレント光源は、例えば、フル・カラー・ディスプレイを作るために順番に切り替えられるレーザとするすことができ、1Aが赤色レーザ、1Bが緑色レーザ、および1Cが青色レーザとすることができる。3つのコヒーレント光源1A、1B、および1Cが、切り替えられるよりむしろ連続的に作動されるとき、透過マイクロ・ディスプレイは、フル・カラー・ディスプレイ画像を作るために、その構造内に赤色、緑色、および青色カラー・フィルタを利用するであろう。赤色レーザ1A、緑色レーザ1B、および青色レーザ1Cは、二色性ビーム・スプリッタ2A、2B、および2Cを用いて合成される。ビーム・スプリッタ2Aは、高反射鏡または赤色を反射する二色性ビーム・スプリッタとすることができる。ビーム・スプリッタ2Bは、レーザ1Aからの赤色を通過させて、レーザ1Bからの青色を反射する二色性ビーム・スプリッタであり、ビーム・スプリッタ2Cは、赤色と青色を通過させるとともに、レーザ1Cからの緑色を反射する二色性ビーム・スプリッタである。
【0059】
図15Bは、透過マイクロ・ディスプレイ1410の横断面図であり、この透過マイクロ・ディスプレイ1410は、例えば、高温ポリシリコン(HTPS)または低温ポリシリコン・ベースのマイクロ・ディスプレイでありうる。各ピクセル1411は、光が通過することができる開口部領域1411bと、入射光をレーザ・スペックル低減装置1400の方へ反射する高反射領域1411aとを有する。各ピクセル1411の配線およびトランジスタ領域1411cは、高反射領域1411aの後方に隠されている。
【0060】
図15Cは、フル・カラー・ディスプレイを作るために単一のチューナブル・レーザ1Dを利用する照明システム1550を示している。このシステム1550では、図15Aの3つの二色性ビーム・スプリッタ2A、2B、および2Cが取り除かれている。
【0061】
図15Dは、フル・カラー・ディスプレイを作るために、赤色レーザ1A、緑色レーザ1B、および青色レーザ1Cと、3つのスペックル低減装置1400a、1400b、および1400cと、3つの透過マイクロ・ディスプレイ1410a、1410b、および1410cと、クロス・ダイクロイック・プリズム1420と、映写レンズ1430と、スクリーン1440と、を利用する投影システム1600を示している。
【0062】
スペックル低減装置1400a〜1400cは、本明細書に開示したスペックル低減装置200、300、400、500、600、700、800のいずれかを含んでいる。
【0063】
この投影システム1600では、赤色レーザ1A、緑色レーザ1B、および青色レーザ1Cは、それらの対応する透過マイクロ・ディスプレイ1410a、1410b、および1410cを連続的に照明する。3つの透過マイクロ・ディスプレイ1410a(赤色)、1410b(緑色)、および1410c(青色)は、画像信号に基づいて赤色、緑色、および青色の光をそれぞれ調節する。クロス・ダイクロイック・プリズム1420は、十字の形態に配置された、赤色光を反射する多層誘電体フィルム・スタック1420aと、青色光を反射する多層誘電体フィルム・スタック1420bとを有する。フィルム・スタック1420aおよび1420bは、Y軸に沿って延びる中心軸1420cで交差している。クロス・ダイクロイック・プリズム1420により合成された光は、映写レンズ1430に送られて、次にこの映写レンズ1430が、この光(すなわち、画像)をスクリーン1440上に投影する。
【0064】
図15Dの投影システム1600は、マイクロ・ディスプレイに赤色、緑色、および青色を提供するために、コヒーレント(例えば、レーザ)光源と、非コヒーレント(例えば、発光ダイオード(LED)およびアーク・ランプ)光源との組み合わせを利用する。緑色および赤色レーザ(これらは、一般に、好適な出力レベルおよび許容できる価格で利用可能である)に比較して、青色レーザは非常に高価であるため、異なる種類の光源の使用におけるこの柔軟性は、緑色および赤色レーザを利用するとともに、青色に対して他の非コヒーレント源を使用するという利点を有している。この構成では、LED光と集束されたアーク・ランプ光の両方、またはそのいずれか一方が、高反射鏡の開孔を通してシステム1400aおよび1400bに供給されている。LEDおよびアーク・ランプは非コヒーレント光を放射するため、システム1400aおよび1400bは、スペックル低減機能を提供しないであろうが、それでもなお依然として、残りの利点を提供するであろう。アーク・ランプ光は、楕円反射鏡または放物面反射鏡とその後に続く集束レンズを用いて、高反射鏡の開孔に集束されうる。LED自体は、機械的にまたは好適な接着剤を用いて、高反射鏡の開孔に取り付けることができる。図15Dの投影システム1600の透過マイクロ・ディスプレイは、複数の種類および解像度でありうる。例えば、青色光を受け取る透過マイクロ・ディスプレイ1410cは、残りの2つの透過マイクロ・ディスプレイ1410aおよび1410bと比較して低解像度を有しうる。人の目は緑色および赤色に比較して青色に対する感度が低いため、この配置は、投影システムの画質を落とすことなく、費用低減をもたらす。
【0065】
照明システム1500、1550および投影システム1600の他の構成では、透過マイクロ・ディスプレイ1410、1410a、1410b、および1410cは、それら自体がスペックル低減装置1400、1400a、1400b、および1400c内で部分反射鏡として使用されるため、スペックル低減装置200、300、400、500、600、および700内の特別な部分反射鏡46の必要性、またはスペックル低減装置800内のようなコリメート板50の必要性を無くする。
【0066】
上述した照明システム1500、1550、および投影システム1600の利点としては、スペックル除去、高コンパクト性、および高輝度などがある。これらの照明システム1500、1550、および投影システム1600を利用するディスプレイ・システムの輝度は、ピクセル1411の口径比が縮小されたときでも、従来システムの輝度よりも高い。口径比は、ピクセル1411の開口部領域1411b(図15B)とピクセル1411の全面積の比率である。スペックル低減装置1400の中でピクセル1411(図15B)の高反射領域1411aに衝突する光を、それがピクセルの開口部領域1411bを通過するまで再循環する結果、より高い輝度が得られる。この輝度の向上は、透過マイクロ・ディスプレイの輝度を高めるためにマイクロ・レンズ・アレイ(MLA)を必要とすることなく達成される。MLA内の各マイクロ・レンズは、透過マイクロ・ディスプレイ内で使用されて、入射した光を対応するピクセルの開孔に集束させることによりディスプレイ輝度を高める。輝度の向上(これは口径比からほぼ独立している)は、ピクセル寸法およびマイクロ・ディスプレイ寸法の一層の縮小を可能にし、その結果、マイクロ・ディスプレイの費用および投影システムの費用の削減を可能にする。
【0067】
図16は、マイクロ・レンズ・アレイ(MLA)1621を備えている液晶マイクロ・ディスプレイ1650の横断面図である。液晶マイクロ・ディスプレイ1650は、それ自体が静的なスペックル低減装置1400、1400a、1400b、および1400c内で部分反射鏡として使用されるため、静的なスペックル低減装置200、300、400、500、600、および700内の特別な部分反射鏡46の必要性、または静的なスペックル低減装置800内のようなコリメート板50の必要性を無くする。
【0068】
液晶マイクロ・ディスプレイ1650は、少なくとも1つの液晶セル1630と、マイクロ・レンズ・アレイ1621と、1対の偏光子1620および1629と、を含んでいる。
【0069】
液晶セル1630は、透明電極基板1628と、透明対抗基板1623と、透明電極基板1628および透明対抗基板1623の両方の間にはさまれた液晶層1626とを有している。薄膜トランジスタ1635およびピクセル電極1627は、各ピクセルに対して透明電極基板1628上に作られている。共通電極1625は、対抗基板1623上に作られている。高反射層1624は、透明対抗基板1623と共通電極1625の間に設けられている。高反射層1624は、各ピクセル電極1627に対応する開孔(すなわち、光透過開口部)1624Aを有している。
【0070】
各ピクセルは、1つのピクセル電極1627と、共通電極1625と、ピクセル電極1627および共通電極1625の両方の間にはさまれた液晶層1626とからなる。あるいは、高反射層は、液晶セル1630の入射面(すなわち、透明対抗基板1623の上面)上に、または透明電極基板1628上に、設けられうる。
【0071】
マイクロ・レンズ・アレイ1621は、結合層1622を介して透明対抗基板1623の上方側に取り付けられている。マイクロ・レンズ・アレイ1621は、複数のマイクロ・レンズ1621aを有している。マイクロ・レンズ・アレイ1621は、対応する開孔1624Aの中心軸から片寄った位置に好ましくは配置されている同心(または非同心)レンズを含んでいる。
【0072】
マイクロ・レンズ・アレイ1621に入射する光は、複数のマイクロ・レンズ1621aによりサブ・ビームに分割される。遮るものがない視野方向VD(それが通常最も大きい画像コントラストをもたらす)に平行な各サブ・ビーム1610aは、対応するピクセル電極1627の近傍に集束されて、開孔1624Aと、液晶層1626と、ピクセル電極1627と、透明電極基板1628と、偏光子1629とを通過する。また、サブ・ビーム1610aの入射角と左右対称の入射角を有するサブ・ビーム1610bのような、遮るものがない視野方向VDに平行ではない光は、対応するピクセル電極1627の近傍に集束されて、光は高反射層1624Bに衝突する。このサブ・ビーム1610bは、後方に反射されて、静的なスペックル低減装置1400、1400a、1400b、および1400cの中で再循環される。この反射光は、(静的なスペックル低減装置1400、1400a、1400b、および1400cの中で1度再循環された後)液晶マイクロ・ディスプレイ1650に2度目の衝突をして、この反射光は、遮るものがない視野方向VDに沿って出射する可能性を有し、その結果、マイクロ・ディスプレイおよび投影システムのコントラストを向上させる。この再循環プロセスは、光の大部分が、遮るものがない視野方向VDに出射するまで続く。液晶マイクロ・ディスプレイ1650は、白黒画像またはカラー画像を表示するように製作できる。
【0073】
マイクロ・レンズ・アレイ(MLA)1621は、透過マイクロ・ディスプレイのコントラスト比を向上させる利点を有する。このようなマイクロ・ディスプレイは、米国特許第6,195,143B1号で小川により、および米国特許第6,825,889B1号で斉藤らにより議論されており、これらの特許は、参照により本明細書に組み込まれる。より良い光カップリング効率を有するために、マイクロ・ディスプレイ内で使用される遮光は高反射層であることが好ましい。
【0074】
図17は、静的なスペックル低減装置1710の入力に可動ディフューザ1720を含むスペックル低減装置1750を示している。静的なスペックル低減装置1710は、静的なスペックル低減装置200、300、400、500、600、700、800、1000、1200、1400、1400a、1400b、および1400cのいずれかでありうる。図15Dの投影システム1600の場合には、3つの可動または振動ディフューザが必要である。可動ディフューザ1720は、全体を1730で示す移動手段により、その平面内で、回転運動、振動運動、または他の運動で動かされる。回転運動は、モータまたはコイルで提供されうる。あるいは、振動運動は、交番信号源で駆動され、必要な振動を作り出すピエゾ変換器を用いて提供されうる。
【0075】
可動ディフューザ1720は、スペックル・パターンまたはスペックル・ノイズの一層の低減を可能にして、それにより、静的なスペックル低減装置1710の設計を簡素化するとともに、光学効率を高める。
【0076】
図18は、静的なスペックル低減装置1710の出力に、可動ディフューザ1720を利用するスペックル低減装置1850を示している。静的なスペックル低減装置1710および可動ディフューザ1720については上述されている。このスペックル低減装置1850では、可動ディフューザ1720は、付加的なスペックル低減を提供する。投影ディスプレイ・システムでは、可動ディフューザを中間像面に配設することが好ましい。長距離投影システムでは、可動ディフューザは、スクリーンに接合する位置に配設されることが好ましい。
【0077】
スペックルを低減する他の装置は、本明細書に開示した性的なスペックル低減装置200、300、400、500、600、700、800、1000、1200、1400、1400a、1400b、および1400cと共に、それらの入力側または出力側で使用することができる。これらの装置の実施例は、参照により本明細書に組み込まれるラマヌジャンらに対する米国特許第6,791,739号に記述されているような電気光学装置と、流動流体ディフューザと、非流動流体ディフューザと、参照により本明細書に組み込まれるハーギスらに対する米国特許第5,534,950号に記述されているような首振り拡散板とを使用することを含んでいる。
【0078】
流動流体ディフューザは、その間に非常に混濁した流体が流れている1対の接近して離間したガラス板を含む。このような混濁した流体の実施例は、リキッド・ペーパー(登録商標)である。この技術は、適度の流量でスペックルを除去できる。非流動流体ディフューザでは、スペックルは、流動または可動部分なしに除去される。寸法が十分小さい粒子の存在は、流体ディフューザ内に、まさしく浮遊している。この現象は、散乱粒子のブラウン運動に起因する。
【0079】
また、静的なスペックル低減装置200、300、400、500、600、700,800、1000、1200、1400、1400a、1400b、および1400cは、さらにスペックルを低減するために振動スクリーンと共に使用されうる。
【0080】
あるいは、部分反射鏡(例えば、透過マイクロ・ディスプレイでありうる)を、さらにスペックルを低減するために振動運動または他の運動で動かすことができる。この場合、部分反射鏡は、ライト・トンネル/ライト・パイプにしっかりと取り付けられることなく、ライト・トンネル/ライト・パイプに近接して配置されている。
【0081】
液晶マイクロ・ディスプレイ2000が、図19Aに示されている。図19Bは、部分反射板として液晶マイクロ・ディスプレイ2000を利用するスペックル低減装置2100を示している。
【0082】
図19Aは、マイクロ・ガイド・アレイ2621と、透明電極基板2628と、透明対抗基板2623と、マイクロ・ガイド・アレイ2621と透明対抗基板2623の間にはさまれた液晶層2626とからなる液晶マイクロ・ディスプレイ2000の一部の拡大横断面図である。薄膜トランジスタ2635およびピクセル電極2627bは、各ピクセルに対して透明電極基板2628上に作られている。共通電極2625は、透明対抗基板2623上に作られている。高反射層2624は、透明電極基板2628と薄膜トランジスタ2635の間に設けられている。高反射層2624は、各ピクセル電極ベース2627aに対応する開孔(すなわち、光透過開口部)2624Aを有している。
【0083】
各ピクセルは、1つのピクセル電極2627bと、ピクセル電極ベース2627aと、ピクセル電極コネクタ2627cと、共通電極2625と、ピクセル電極2627bおよび共通電極2625の両方の間にはさまれた液晶層2626とからなる。ピクセル電極コネクタ2627cおよびピクセル電極ベース2627aは、両方共、薄膜トランジスタ2635とピクセル電極2627bとの間の電気的接触を提供するために使用される。ピクセル電極コネクタ2627cは、各マイクロ・ガイド2621aの側壁および入射開孔(すなわち、ピクセル電極ベース2627aに面するマイクロ・ガイド2621a側)上に蒸着される。
【0084】
マイクロ・ガイド・アレイ2621は、最初に、キャリヤ基板(図示せず)上に作られて、その後、隣接するマイクロ・ガイド間の領域が、マイクロ・ガイド2621a材料の屈折率よりも好ましくは小さい屈折率を有する充填材料2622で充填される。充填材料2622は、平坦化されて、その後、薄膜トランジスタ2635のアレイの厚さ以上のところまでバック・エッチングされる。その後、キャリヤ基板の上方側(すなわち、マイクロ・ガイド・アレイ2621側)は、結合層(図示せず)を介して透明電極基板2628の上方側に付着される。マイクロ・ガイド・アレイ2621は、対応する開孔2624Aの中心軸に好ましくは位置付けられた複数のマイクロ・ガイド2621aを有している。キャリヤ基板の上端側は、ピクセル電極コネクタ2627cが露出するまで除去されるか、またはエッチングされる。このステップの次にピクセル電極2627bの蒸着が続き、ピクセル電極2627bを確実にピクセル電極コネクタ2627cに重ね合わせて、ピクセル電極2627bに電気的接触を提供するようになされている。
【0085】
マイクロ・ガイド・アレイ2621に入射する光は、複数のマイクロ・ガイド2621aによりサブ・ビームに分割される。各サブ・ビーム2610aは、マイクロ・ガイド2621aにより平行にされて、ピクセル電極2627bに送出される。平行化は全内反射により行われる。マイクロ・ガイド2621aが、ピクセル電極コネクタ2627cと充填材料2622との間について、またはマイクロ・ガイド2621aの側壁自体とピクセル電極コネクタ2627cとの間について、付加的な反射層で被覆されるとき、平行化は鏡面反射により行われる。平行光は、ピクセル電極2627bと、液晶層2626と、共通電極2625と、透明対抗基板2623と、偏光子2620とを通過する。開孔2624aを通って入射しない光線2610bのような光は、高反射層2624Bにより逆向きに反射される。この光線2610bは、後方に反射されて、図19Bの本発明の静的なスペックル低減装置1400の中で再循環される。この反射光は、(静的なスペックル低減装置1400の中で1度再循環された後)液晶マイクロ・ディスプレイ2000に2度目の衝突をして、この反射光が、開孔2624aを通過する可能性を有する。この再循環プロセスは、光の大部分が開孔2624aを通って出射するまで続く。液晶マイクロ・ディスプレイ2000は、白黒画像またはカラー画像を表示するように製作できる。
【0086】
液晶マイクロ・ディスプレイ2000の利点は、その高い光透過効率、ハイコントラスト、および従来の液晶マイクロ・ディスプレイと比較したときの網戸効果(すなわち、不透明なピクセル間領域が原因で、網戸を通して画像を見ているように見える)の除去である。
【0087】
本明細書で説明した反射コーティングは、鏡面タイプであり、金属コーティング、誘電体コーティング、コールド・ミラー・コーティング、二色性ミラー・コーティング、またはこれらの組み合わせでありうる。ライト・ガイド45は、直線状、先細り、円筒形、正方形、長方形、または球形でありうる。ライト・ガイド45の長さは、レーザ源寸法と、トンネルの入射開孔および出射開孔の寸法と、ガイド45の中を伝搬する光の円錐角と、スペックル低減装置200、300、400、500、600、700、および800により送出される所望の光一様性の程度とに応じて、数ミリメートルから数十ミリメートルまで多岐にわたる。ライト・ガイド45の入射開孔および出射開孔は、寸法および形状に関して独立している可能性があり、正方形、長方形、円形、台形、多角形、非対称形、および不規則形のような異なる寸法および異なる形状を有することができる。
【0088】
本発明の1つ以上の具体的な実施形態について上述したが、本発明の範囲内にある、より多くの実施形態がありうることは、当業者にとって明らかであろう。さらに、上述した概要、詳細な説明、および図面は、あくまで本発明の原理の例を示したに過ぎないものとみなされる。他の変更および変形が、当業者にとって明らかでありうる、または明らかになりうるため、本発明は、上述した正確な構成および動作に制限されず、したがって、すべての好適な変更および均等物は、本発明の範囲内にあると考えられ、本発明は、請求項により規定されるものである。
【0089】
図面は、あくまで例を示したに過ぎず、本発明の範囲を規定するものではないことを理解すべきである。さらに、図面の構成要素は、必ずしも縮尺で描かれているとは限らず、その代わりに本発明の原理を示すときには強調されることもある。図面において、類似の参照番号は、異なる図面全体を通して対応する部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】先行技術のスペックル低減装置の横断面図である。
【図2A】高反射鏡と、部分反射鏡と、ライト・ガイドと、任意の平凹レンズと、を利用するスペックル低減装置の斜視図である。
【図2B】図2Aのシステムの横断面図である。
【図3A】高反射鏡と、部分反射鏡と、ライト・ガイドと、波長板と、任意の平凹レンズと、を利用する第1の構造を有するスペックル低減装置の斜視図である。
【図3B】図3Aのシステムの横断面図である。
【図4A】高反射鏡と、部分反射鏡と、ライト・ガイドと、波長板と、任意の平凹レンズと、を利用する第2の構造を有するスペックル低減装置の斜視図である。
【図4B】図4Aのシステムの横断面図である。
【図5A】高反射鏡と、部分反射鏡と、ライト・ガイドと、任意の波長板と、透過ディフューザと、任意の平凹レンズと、を利用するスペックル低減装置の斜視図である。
【図5B】図5Aのシステムの横断面図である。
【図6A】部分反射鏡と、ライト・ガイドと、任意の波長板と、反射ディフューザと、任意の平凹レンズと、を利用するスペックル低減装置の斜視図である。
【図6B】図6Aのシステムの横断面図である。
【図7A】高反射鏡と、部分反射鏡と、ライト・ガイドと、任意の波長板と、変厚板と、任意の平凹レンズと、を利用するスペックル低減装置の斜視図である。
【図7B】図7Aのシステムの横断面図である。
【図8A】高反射鏡と、コリメート板 と、ライト・ガイドと、任意の波長板と、任意の変厚板と、任意の平凹レンズと、を利用するスペックル低減装置の斜視図である。
【図8B】図8Aのシステムの横断面図である。
【図9A】マイクロ開孔と、マイクロ・ガイドと、マイクロ・レンズ・アレイと、を含む第1のコリメート板の詳細斜視図である。
【図9B】図9Aのコリメート板の横断面図である。
【図9C】図9Aのコリメート板の分解図である。
【図9D】開孔板の斜視図である。
【図10A】開孔板と、マイクロ・ガイド・アレイと、を含む第2のコリメート板の斜視図である。
【図10B】図10Aのコリメート板の横断面図である。
【図11A】開孔板と、マイクロ・トンネル・アレイと、を含む第3のコリメート板の上面図である。
【図11B】図11Aのコリメート板の横断面図である。
【図12A】開孔板と、マイクロ・レンズ・アレイと、を含む第4のコリメート板の斜視図である。
【図12B】図12Aのコリメート板の分解図である。
【図12C】図12Aのコリメート板の横断面図である。
【図13】光の線を受け入れるスペックル低減装置の横断面図である。
【図14A】エッジ・ライト式ダイレクト・ビュー液晶ディスプレイのスペックル低減装置の上部平面図である。
【図14B】図14AのLCDシステムの分解斜視側面図である。
【図14C】マイクロ要素板の実施例の斜視図である。
【図14D】ライト・ガイド板の実施例の斜視図である。
【図15A】赤色、緑色、および青色レーザと、透過マイクロ・ディスプレイと、を利用する照明システムの平面図である。
【図15B】図15Aの透過マイクロ・ディスプレイの詳細横断面図と、透過マイクロ・ディスプレイの1つのピクセルの詳細斜視図と、を含んでいる。
【図15C】チューナブル・レーザと、透過マイクロ・ディスプレイと、を利用する照明システムの横断面図である。
【図15D】赤色、緑色、および青色レーザを利用する投影システムの横断面図である。
【図16】マイクロ・レンズ・アレイ(MLA)を備えている液晶マイクロ・ディスプレイの横断面図である。
【図17】入力側に可動ディフューザを利用するスペックル低減装置の横断面図である。
【図18】出力側に可動ディフューザを利用するスペックル低減装置の横断面図である。
【図19A】模範的透過マイクロ・ディスプレイ・システムの横断面図である。
【図19B】模範的透過マイクロ・ディスプレイ・システムの横断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射面と出射面とを有するライト・ガイドと、
所定の入力量のレーザ・ビームを前記ライト・ガイドに入れるために形成された開孔を有し、前記ライト・ガイドの前記入射面に位置する第1の鏡と、
入射した前記レーザ・ビームの一部を通過させることができ、かつ入射した前記レーザ・ビームの一部を前記ライト・ガイドの中の前記第1の鏡の方へ反射することができ、前記ライト・ガイドの前記出射面に位置する第2の鏡とを含む
ことを特徴とするレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項2】
前記ライト・ガイドが、中空でないライト・パイプと中空のライト・トンネルとからなる群から選択される
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項3】
前記中空のライト・トンネルが、その内部側壁上に反射材料を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項4】
前記第1の鏡と前記第2の鏡との間の距離が、前記所定の入力量のレーザ・ビームのコヒーレンス長の半分のほぼ整数倍である
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項5】
前記第1の鏡と前記第2の鏡との間の距離が、前記所定の入力量のレーザ・ビームのコヒーレンス長の半分未満である
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項6】
前記第1の鏡と前記第2の鏡の間の距離が、前記所定の入力量のレーザ・ビームのコヒーレンス長の少なくとも半分である
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項7】
前記所定の入力量のレーザ・ビームを受け入れるために、当該レーザ・スペックルを低減する装置の光軸上で前記開孔の出口側に、その中心が配置されたレンズをさらに含み、
前記レンズは、所定の円錐角を有する発散レーザ・ビームを作り出す
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項8】
前記レンズが、平凹レンズ、平凸レンズ、平凹マイクロ・レンズ・アレイ、平凸マイクロ・レンズ・アレイ、ホログラフィック・ディフューザ、または非ホログラフィック・ディフューザである
ことを特徴とする請求項7に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項9】
前記第1の鏡と前記第2の鏡の間に設置された波長板をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項10】
前記波長板が、4分の1波長板である
ことを特徴とする請求項9に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項11】
前記第1の鏡と前記第2の鏡の間に設置された透過ディフューザをさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項12】
前記第1の鏡と前記ライト・ガイドの間に設置された反射ディフューザをさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項13】
前記第1の鏡と前記第2の鏡の間に設置された変厚板をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項14】
前記ライト・ガイドと前記第2の鏡の間に設置されたコリメート板をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項15】
前記第2の鏡の前記出射面に設置されたコリメート板をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項16】
前記第2の鏡を組み込むことなく前記ライト・ガイドの前記出射面に設置されたコリメート板をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項17】
前記コリメート板が、開孔板と、マイクロ・ライト・ガイドのアレイとを含む
ことを特徴とする請求項14に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項18】
前記コリメート板が、マイクロ・レンズのアレイをさらに含む
ことを特徴とする請求項17に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項19】
前記コリメート板が、開孔板と、マイクロ・レンズのアレイとを含む
ことを特徴とする請求項14に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項20】
前記マイクロ・ライト・ガイドが、中空でないライト・パイプと、中空のトンネルと、前記のものの組み合わせとからなる群から選択される
ことを特徴とする請求項17に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項21】
前記中空のトンネルのうちの少なくとも1つの内部側壁が、反射コーティングで被覆されている
ことを特徴とする請求項20に記載のレーザ・スペックルを低減する装置。
【請求項22】
入射面と出射面とを有するライト・ガイドを提供するステップと、
開孔が形成されている第1の鏡を、前記ライト・ガイドの前記入射面の位置に提供するステップと、
第2の鏡を、前記ライト・ガイドの前記出射面の位置に提供するステップと、
前記所定の入力量のレーザ・ビームを前記開孔に導き、これにより、低減されたスペックルを有する出力レーザ光線が、前記部分反射鏡から出射するステップとを含み、
前記第1の鏡と前記第2の鏡の間の距離は、所定の入力量のレーザ・ビームのコヒーレンス長の少なくとも半分であり、
前記第2の鏡は、入射した前記レーザ・ビームの一部を通過させることができ、かつ入射した前記レーザ・ビームの一部を前記ライト・ガイドの中の前記第1の鏡の方へ反射することができる
ことを特徴とするレーザ・スペックルを低減する方法。
【請求項23】
前記ライト・ガイドと前記第2の鏡の間に位置するコリメート板を提供するステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項22に記載のレーザ・スペックルを低減する方法。
【請求項24】
前記第2の鏡の前記出射面に位置するコリメート板を提供するステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項22に記載のレーザ・スペックルを低減する方法。
【請求項25】
前記ライト・ガイドの前記出射面に位置するコリメート板を提供するステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項22に記載のレーザ・スペックルを低減する方法。
【請求項26】
前記コリメート板が、開孔板と、マイクロ・ライト・ガイドのアレイとを含む
ことを特徴とする請求項23に記載のレーザ・スペックルを低減する方法。
【請求項27】
前記コリメート板が、マイクロ・レンズのアレイをさらに含む
ことを特徴とする請求項23に記載のレーザ・スペックルを低減する方法。
【請求項28】
前記コリメート板が開孔板を含む
ことを特徴とする請求項27に記載のレーザ・スペックルを低減する方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図15D】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【公表番号】特表2009−512883(P2009−512883A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−532409(P2008−532409)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/036941
【国際公開番号】WO2007/035905
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(508084386)
【氏名又は名称原語表記】ABU−AGEEL,NAYEF,M.
【Fターム(参考)】