説明

レーザードップラー速度計

【課題】 レーザードップラー速度計のプラットフォームの運動を補償する一方で、風速または固体の速度を測定するためのレーザードップラー速度計を提供する。
【解決手段】
レーザードップラー速度計が、レーザー媒質としてファイバーレーザーを使用して形成される。速度計内では、送受信される全ての光信号が、光ファイバーによって伝えられる。増幅器が光源レーザーを増幅し、次いでそれが1つ以上のトランシーバに送信される。それぞれ異なる軸に沿って投射しかつそれぞれ単一の光ファイバー入出力インターフェースを備える1つ以上のトランシーバが、ターゲット領域に放射線を集束させる送信装置、および反射放射線を集めるための受信装置の双方として動作する。トランシーバはそれぞれ増幅器を含んで、レーザー光源から受信した放射線をさらに増幅する。1つ以上のトランシーバが放射線を同時にターゲット領域まで送信し、かつレーザー光源から離れて配置され得る。受信装置によって集められた反射放射線の部分を分析して、1つ以上のトランシーバの焦点におけるターゲットに起因するドップラーシフトを求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本発明は、レーザードップラー速度計に関し、特に、レーザードップラー速度計のプラットフォームの運動を補償する一方で、風速または固体の速度を測定するためのレーザードップラー速度計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザードップラー速度計(「LDV」)は、ターゲット領域まで(例えば、大気中に)光を送信し、光がターゲット領域またはターゲット領域中の散乱体から散乱もしくは反射した後で、その光の一部分を受信する。この受信した光をLDVによって処理して、ドップラー周波数シフトfを得る。次いでLDVは、v=(0.5)cf/f(式中fは送信する光の周波数であり、cは、LDVとターゲットとの間の媒質における光の速度である)の関係により、LDVに対するターゲットの速度vを与える。
【0003】
LDVは極めて役に立ち、限定はされないが以下のような幅広い用途がある:血流測定、速度制限取締まり、宇宙船ナビゲーション、発射体追跡、および対気速度測定。後者の場合には、ターゲットはエアロゾル(ミー散乱をもたらす)か、または空気分子自体(レイリー散乱をもたらす)からなる。
【0004】
従来の対気速度LDV10の例を図1に示し、それは、米国特許第5,272,513号において説明されている(その開示を本願明細書に援用する)。LDV10は、必要に応じて偏光し得るコヒーレント光の光源20を含む。光源20は、ビーム整形器40に光の第1のコヒーレントビーム30を投射する。ビーム整形器40はビーム30を拡大してコリメートし、その後ビーム30は望遠鏡60に入射する。望遠鏡60はビーム30をほぼコリメートした状態でターゲット領域45に投射する。
【0005】
コリメートされたビームはターゲット領域45において空中の散乱体(または空気分子)に当たり、後方反射されたまたは後方散乱されたビーム50を生じる。後方散乱されたビーム50の一部が、ビーム30を送信した同じ望遠鏡60で集められるか、または隣接する受信望遠鏡(図示せず)に集められる。同一の望遠鏡で光を送信しかつ受信する場合は、モノスタティック構成として知られている一方、送信望遠鏡と受信望遠鏡が別個の場合には、バイスタティック構成として知られている。モノスタティック構成は後方散乱した光のみを受けることができる。バイスタティック構成は、実質的に後方散乱された光を受信するかまたは送信ビーム30に対して他のいずれかの角度において光を受信するように配置できる。
【0006】
次に、望遠鏡60で集められた光50は、光混合器80において別の光の参照ビーム70と一緒にされる。理想的な光混合器は、同じ偏りを有しかつ同じ空間を占有するように2つのビームを一緒にし、そのように一緒にしたものを、測定されたドップラー周波数シフトを検出するのに十分な帯域幅を備える光検出器上に向ける。光検出器は、周波数が参照ビーム70の周波数と後方散乱されたビーム50の周波数との間の数学的な差である成分を含む電流85を発生さる。次に、電流85を信号プロセッサ90(例えば電気的スペクトルアナライザまたは周波数カウンタ)によって分析して周波数差を求め、かつLDV10とターゲット領域45との間の望遠鏡60の軸に沿って相対速度成分を計算する。
【0007】
測定された相対周波数が正または負のいずれであるかに関する不明瞭性を、当該技術分野で公知の「同相および直角位相」検出方法を使用して解決できる。これらの不明瞭性を解決する別の手法は、(例えば音響光学セルを使用することによって)安定した一定の周波数シフトを送信ビーム30または参照ビーム70のいずれかに適用することである。これにより、電気信号85に、一定の周波数シフトとドップラー周波数シフトとの和が周波数である交流電流成分が発生し、方向性の不明瞭性を除去する。送信ビーム30の周波数と参照ビーム70の周波数が同一であるLDVはホモダイン検波を使用すると言われている。送信ビーム30の周波数と参照ビーム70の周波数が異なるときにはヘテロダイン検波を使用する。
【0008】
参照ビーム70を、送信ビーム30との定位相関係を有する明確かつ安定した光周波数を有するように選択する。これはコヒーレンスとして公知である。コヒーレンスの条件は、レーザーを光源20として使用し、かつ光学スプリッタ(図示せず)によって光源20をタッピングして参照ビーム70を発生させることによって簡単に達成される。
【0009】
光源20をCO、Nd:YAG、またはアルゴンイオンレーザーのいずれかとし得る(好ましくは基本横モードおよび単一縦モードでレーザー発振させる)。しかしながら、対気速度ターゲット(エアロゾルおよび/または分子)は、固体と比較して非常に弱いリターン信号を発生させる。それゆえ、数千または数十メートルの範囲で動作するこれらのレーザー光源を組み込む対気速度LDVは大量のレーザーパワーを必要とし、それゆえ大きすぎ、嵩張り、重く、もろく、かつヘリコプターに対する対気速度決定のような多くの所望の用途で使用するのに危険である可能性がある。
【0010】
しかしながら、光源20をまた軽量、低コスト、高効率の希土類ドープトガラスファイバーともし得る(以下ファイバーレーザーと称す)。ファイバーレーザーは、他のレーザー光源に優るいくつかの大きな利点を有する。ファイバーレーザーを、希土類ドーパントを励起するために放射波長が最適にされたレーザーダイオードによって効果的にポンピングすることができる。これにより、ファイバーレーザーを非常にエネルギー効率のよい状態にし、かつ小型にし、冷却装置、フラッシュランプ、および大電流電源の必要性を除去する。さらに、ガラスファイバーは、光のための可撓導波管としての働きをし、厳しいアライメント許容誤差で直線的に堅固に機械的なマウントを行う必要のあるミラーおよびレンズのような、嵩張る光学部品を必要としなくする。ファイバーレーザーはまた、固体レーザーよりも適応可能である:ファイバーレーザーのパルス繰り返し周波数(「PRF」)およびパルス幅は「空中で」変化し得る一方、固体レーザーのPRFおよびパルス幅は狭い範囲に留まるかまたは固定されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来のLDVは進歩しているものの、依然として改良が必要である。光源レーザー20を、望遠鏡60よりもアクセス可能な異なる位置に配置することが望ましいこともある。例えば、風力発電機(「WTG」)の応用では、望遠鏡をタービンに配置できる一方、その光源レーザーおよび制御電子回路は、ナセルに、またはWTGを支持する塔の基部に配置してメンテナンスを容易にすることが最良である。航行での応用では、光源を好ましくは、構成要素への暴露から保護される船体内に配置する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらのリモート構成は、光源レーザー20と望遠鏡60を接続するために光ファイバーを使用することによって好都合にも行うことができる。しかしながら、対気速度測定に必要とされる大きな光パワーが、誘導ブリルアン散乱(「SBS」)として公知の、光ファイバーに発生する非線形効果によって制限されるようになるという問題が発生する。実際、光ファイバーが長いほど、この制限は小さくなる。SBSパワー限界値は、当業者に公知の他の因子にも依存するが、これは、透明な媒質を通して伝わる光の基本的な物理的特性であり、無視することはできない。
【0013】
上述のファイバーレーザーに関連した欠点に加えて、2つ以上の望遠鏡、好ましくは3つ以上の望遠鏡を有し、全ての望遠鏡がターゲット領域または領域内に光のビームを同時に送信するLDVを使用することも望ましい。複数の望遠鏡はそれぞれターゲット領域の異なるエリアに狙いを定めており、複数の異なる軸に沿って同時に速度測定することを可能にし、それゆえ、多次元の速度決定を可能にする。気象学的測定または応用のための従来のLDVは一般的に単一モータ式の望遠鏡を組み込んでおり、それは、異なる軸に沿って連続して測定を行うか、または3つの望遠鏡を使用し、あるものから次のものへと切り替えて、異なる軸に沿った順次的な測定を可能にする。ターゲット領域の異なるエリアに光を同時に送信することによって、読み取りの精度は非常に改善される一方、いかなる可動部も必要とせずに、測定の適時性が改善される。従来のLDVに対するそのようないずれかの改善が、依然として目に安全な放射源の使用を、好ましくは1.4〜1.6ミクロン範囲においてもたらすことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面の簡単な説明
【図1】従来のレーザードップラー速度計のブロック図を示す。
【図2】レーザードップラー速度計の実施形態のブロック図を示す。
【図3】図2に示すレーザードップラー速度計の放射源モジュールの実施形態のブロック図を示す。
【図4】図2に示すレーザードップラー速度計のトランシーバモジュールの実施形態のブロック図を示す。
【図5】図2に示すレーザードップラー速度計の受信モジュールの実施形態のブロック図を示す。
【図6】図2に示すレーザードップラー速度計の運動補償スキームのベクトル図を示す。
【図7】レーザードップラー速度計の実施形態のブロック図を示す。
【図8】レーザードップラー速度計の実施形態のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
開示の速度計測システムは、上記で特定されたニーズに対処しており、かつLDVに可動部を設けておらず、LDVは十分軽量であるため、これまでLDVには実際的ではなかった多くの異なる用途で使用できる。開示のLDVは、アクティブなレーザー媒質、例えば、コヒーレントな光エネルギーのビームを発生して増幅するエルビウムドープトガラスファイバー増幅器など、および、ビームを放射エネルギーの散乱体に予め定められた距離向けるための、ビームに結合された光学系を含む。反射ビームを、散乱体の速度を求めるためにビームの参照部分と混合する。
【0016】
望遠鏡のフォーカル・ボリューム(focal volume)における風速を測定するためにこの装置を使用する場合、測定される速度成分は、望遠鏡の軸に沿った成分である。それゆえ、速度の「n」個の成分を測定する場合、n個の非共線的な軸に沿ってn個の単独の測定を行う必要がある(ここでnは整数である)。この作業を成し遂げるために、n個の二重トランシーバを説明する。n個の二重トランシーバは、それぞれ連続波(「CW」)ビームを送信するか、または共通のシードレーザーによって同時にパルス化されるかのどちらかである。n個のトランシーバによって同時にパルス化および送信を行うことは、各速度測定が順次に行われるのではなく、同時に行われるという利点を有する。それゆえ、順次的な送信の代わりに同時にパルス化および送信を行う結果、得られる速度決定はより正確となる。
【0017】
レーザーエネルギーの発生およびエネルギーの導波の双方に光ファイバーを使用することによって、本発明は、単一の、機械的に柔軟な光の導管を提供する。この構成によって、システムを本質的に振動および温度変化に影響されないようにできる。光が光ファイバーシステムから出射する唯一の点は、個々の望遠鏡からの投射のための点である。送信望遠鏡のそれぞれはまた受信望遠鏡でもあるので、エアロゾル散乱されたリターンビームが自動的に個々の望遠鏡−光ファイバー集光システムと整列される。
【0018】
例えば、エルビウムドープト光ファイバーなどのファイバーレーザーを使用することも、システムの全体的なエネルギー効率に関して利点を有する。エルビウムドープトガラスの最適なポンプ波長において今ではダイオードレーザーが利用可能であるため、エルビウム導波路までポンピング放射を励起することによってこのエルビウム導波路を効果的にポンピングすることができる。それゆえ、システムは冷却条件を非常に低減し、かつ低電圧電池供給から動作できる。
【0019】
開示の速度計システムはまた、目に安全で、軽量、かつパルスまたはCW動作毎のエネルギーを高くするように容易に拡大できる。上述のように、速度計は「n」個の視線を有する。それゆえ、1つ以上のターゲット領域において物体の速度または風速を求めるためにn個の望遠鏡を使用し、そのそれぞれが同時に異なる軸に沿って光のビームを投射する。3次元の速度を求めるために、風速と同様に、3個の望遠鏡を使用する。例えば、平面上をまたは直線上を移動する車またはボートのために2次元または1次元の速度を求めるためには、それよりも少数の望遠鏡を使用してもよい。n個の望遠鏡から投射されるレーザービームはそれぞれ同時にポンピングされ、かつ単一のレーザー光源から生じている。光源はn個の望遠鏡と同一の場所に配置されてもよいし、またはn個の望遠鏡に対して離れた場所に配置されてもよい。レーザー光源が離れた場所に配置される場合、発生した光ビームを各望遠鏡まで光ファイバーケーブルを使用して伝える。下記で詳細に説明するように、光源からのシードレーザーを増幅し、所望であれば、パルス化および周波数オフセットを行ってから、n個の光源ビームに分割する。n個の光源ビームをそれぞれ、n個のトランシーバモジュール内に配置される増幅器アセンブリまで送る。n個の各トランシーバモジュールもまた望遠鏡を含む。n個の光源ビームの増幅は、n個のビームが望遠鏡のレンズを通って1つ以上のターゲット領域まで送信される直前に、トランシーバモジュールで行われる。それゆえ、個々のトランシーバモジュール内でn個の光源ビームがレーザー光源からn個の望遠鏡のそれぞれまで接続ファイバーを介して伝えられるとき、n個の光源ビームのそれぞれのパワーは十分に低いため、光ファイバーから非線形のふるまいは伝わらない。その代わりに、パワー増幅が、望遠鏡からの送信の直前にトランシーバモジュールにおいて行われる。従って、ファイバーの非線形効果はシステムには伝わらない。
【0020】
レンズを通したレーザービームの投射直前の、トランシーバモジュール内へのパワー増幅器の配置は、パワー増幅器とレンズとの間の伝播距離が長くなるときに通常観察される非線形のファイバーのふるまいの効果を低減させる。このように、開示の速度計は単一のシードレーザー、およびパワー増幅器から離れている増幅器アセンブリを使用することができる。シードレーザーは、必要な場合には、ビームが分割されかつ離れたパワー増幅器に向けられる前に、増幅、パルス化、および周波数シフトが行われ得るビームを発生させる。パワー増幅は、光源ビームがレンズを透過する直前にのみ発生する。それゆえ、増幅されたビームが依然として、ファイバーの離れた増幅器までの線形の動作領域内にある限り、開示の速度計は、非線形のファイバー動作に付随する問題を回避する。
【0021】
開示の速度計を使用することによって、物体の速度または風速を高精度に測定することができる。光源レーザーをn個のビームに分割するため、n個の軸の全てに沿って行われる測定は同時である。加えて、光源ビームをn個のビームに分割することは、必ずしも、光源レーザーが必要な送信パワーのn倍の1つのレーザーを送信することを必要とはしない。なぜなら、その後、n個のビームのそれぞれは、送信前にパワーの増幅が行われるためである。n個のビームはそれぞれ同じターゲット領域に向けられてもよいし、または複数のターゲット領域に向けられてもよい。単一のビームを使用して、複数の点におけるまたは単一の軸に沿った範囲で速度を同時に測定してもよい。さらに、開示の速度計には可動部がなく、それゆえサイズが低減され、耐久性が向上している。以下説明するように、開示の速度計は、例えば、慣性測定装置(「IMU」)や全地球測位衛星(「GPS」)装置などのプラットフォーム運動感知装置と併用してもよく、その結果、測定された速度の計算中に速度計プラットフォームの運動を補償し得る。それゆえ、速度計の軽量で嵩張らない性質のために、およびプラットフォームの運動を補償する速度計の能力のために、開示のLDVを、いずれの移動中のプラットフォーム(例えば、ヘリコプター、ボートなど)に装着することもでき、それでも高精度な読み取りを行うことができる。
【0022】
ここで図2を参照すると、n−軸のレーザードップラー速度計システム100のブロック図が示されている。システム100は、放射源モジュール200、n個のトランシーバモジュール300、および受信モジュール400を含む。各モジュールを以下詳細に説明する。放射源モジュール200は「n」個の光源ビーム125を「n」個のトランシーバモジュール300に向かって発生させる。n個のトランシーバモジュール300は、n個の光ビーム150を送信し、かつn個の散乱されたまたは反射した光ビーム160を受信するためのものである。トランシーバモジュール300を放射源200および受信モジュール400とは物理的に分離された場所に配置し得る。あるいは、用途に依存して、全てのモジュールを同じ場所に配置してもよい。放射源モジュール200はまた参照ビーム255を受信モジュール400に出力する。受信モジュール400は参照ビーム255を、n個のトランシーバモジュール300によって受信されかつ光ファイバー405を介して受信モジュール400に伝えられる散乱/反射ビーム160のそれぞれと結合する。ドップラーシフト、ひいては速度を、得られた結合信号から計算する。
【0023】
放射源モジュール200を図3に示す。放射源モジュール200はレーザー光源210、光増幅器250(例えば、光ファイバー増幅器など)および光学スプリッタ270を含む。放射源モジュール200はまた、周波数シフター(例えば、音響光学変調器など)220および光変調器(例えば、半導体光変調器など)230を含み得る。放射源モジュール200のこれらの構成部品の各々は連結され、それらについて以下詳細に説明する。
【0024】
レーザー光源210および関連のドライバおよびコントローラは、光増幅器250に供給される初期のレーザーエネルギーをもたらす。レーザー光源の出力が増幅器と組み合わされる場合、高パワーのレーザー出力がもたらされる。典型的なレーザー光源210は小さなレーザーダイオード(単一周波数または利得切換え)、短空洞ファイバーレーザー、および小型の固体レーザー、例えば、非プレーナー型リング発振器(「NPRO」)やハイブリッドシリコンレーザーなどである。シードレーザー源210からの出力は光増幅器250に向けられるが、周波数シフティングが望ましい場合には、出力は周波数シフター220に向けられる。参照レーザー信号255もまたレーザー光源210からの出力である。
【0025】
周波数シフター(音響光学変調器(「AOM」)など)220および関連のRFドライバがレーザー光源の出力に無線周波数(「RF」)のオフセットをもたらす。このオフセットによって、いずれかの検出された運動の方向を信号プロセッサによって後に決定することを容易にする。オフセットは、音響光学効果を用いることによって、すなわち、音波の機械的な振動圧力による屈折率の変化によってもたらされる。AOMでは、入射レーザービームが透明な結晶またはガラスを通過する。結晶に取り付けられた圧電変換器を使用して、高周波数の音波を励起する(100MHz程度の周波数)。入射光は、音波によって発生した周期的な屈折率格子においてブラッグ回折される。散乱ビームの光周波数はわずかに変調されている(音波の周波数によって増減されている)。散乱ビームの周波数を音波の周波数によって制御できる一方、音響パワーは光パワーを制御する。このように、周波数シフター220を使用してレーザー光源出力に周波数オフセットをもたらす。AOMをまた光変調器230として使用して、光源レーザー210からのレーザー信号を変調し、パルスライダ測定を得るようにする。
【0026】
シードレーザー出力の追加的な変調は光変調器230(例えば、半導体光変調器(「SOA」)など)を使用してもたらすことができる。SOAはシステム100が機能するためには必要ではないが、SOAが誘発したパルス化を使用してパルスの消光比を最適にし得る。SOAは、シードレーザー源の一次的なおよび二次的な変調をもたらすことが可能である。SOAをまた、レーザー光源信号の光増幅にも使用し得る。
【0027】
光増幅器250は、半導体ベースのブースター光増幅器(「BOA」)または光ファイバー増幅器のいずれかとし得る。光ファイバー増幅器は、希土類元素、例えばエルビウム(Er)、エルビウム−イッテルビウム(Er:Yb)などによってドープされたある長さのファイバーを含む。単一モード(「SM」)またはマルチモード(「MM」)ポンプダイオードを使用して、ドープトファイバー内のドーパント材料を励起する。SOAからの光信号を波長分割多重化装置(「WDM」)またはテーパードファイバーバンドル(「TFB」)によってポンピング信号と組み合わせてもよい。光増幅器250では、光源光を、光損傷およびファイバーの非線形効果によって決められたパワー限界値未満のレベルまで増幅する。光増幅器250からの増幅自然放射を、狭帯域バルクファイバーまたはファイバーブラッググレーティング(「FBG」)ベースのフィルタを使用することによって管理する。
【0028】
フィルタリングされたら、増幅光を光学スプリッタ270に通過させる。光学スプリッタ270は、異なるトランシーバモジュール300に光を分割する。以下説明するように、放射源モジュール200からの光を、個々の各トランシーバモジュール300内に配置された光増幅器330へ送信する。スイッチまたはマルチプレクサの代わりに光学スプリッタを使用することによって、可動部の全くない放射源モジュール200を設計することができる。言い換えると、モータまたはスイッチを使用する必要がない。
【0029】
光学スプリッタ270、ひいては放射源モジュール200から出力された光を、n個の接続ファイバー125によってn個のトランシーバモジュール300に向ける。接続ファイバー125は、放射源モジュール200をn個のトランシーバモジュール300から離れて配置することを可能にする(所望であれば)。上述のように、接続ファイバーバンドル125によって伝えられたレーザーはそれぞれ、十分低いパワーにあって、ファイバーの非線形効果を導入しないようにする。ファイバーバンドル125は様々なコアサイズの複数のファイバーからなって、放射源モジュール200とn個のトランシーバモジュール300との間で異なる光信号を伝える。これらの光信号は、増幅された光源レーザー信号、およびn個のトランシーバモジュール300の各々において増幅器をポンピングするためのポンプレーザー240からのマルチモードポンプレーザー信号を含む。さらに、トランシーバモジュール300からの光監視信号を含む光信号は、放射源モジュール200に戻される。光監視信号は、トランシーバモジュール300において誤動作またはエラーがある場合に、放射源モジュール200の停止をトリガできる。
【0030】
n個のトランシーバモジュール300のうちの1つを図4に示す。トランシーバモジュール300の各々は光増幅器330(光ファイバー増幅器など)、光スイッチ340(例えば、光ファイバーサーキュレータなど)、および(図2の)ターゲット領域45からの光信号を送信および受信するために使用されたトランシーバレンズ360を含む。
【0031】
光ファイバー125を介して各トランシーバモジュール300に伝えられた放射源モジュール200からの増幅された光源レーザー信号は、光増幅器330を介して各トランシーバモジュール300内でさらに増幅される。光増幅器330は、希土類ドープトファイバー(例えば、Er:Ybダブルクラッドファイバーなど)を含む。ポンピング光を、放射源モジュール200からのシードレーザー信号に対して前方または後方励起式に、テーパードファイバーバンドル(「TFB」)を介して希土類ドープトファイバーに差し込ませることができる。それゆえ、光源レーザー信号をトランシーバモジュール300内でさらに増幅する。次いで、光増幅器330からの出力を光スイッチ340の方へ向ける。
【0032】
光スイッチ340(例えば、光ファイバーサーキュレータなど)によって単一のレンズ360を使用して光を送信および受信することが可能となるので、センサをモノスタティックジオメトリで動作させることが可能となる。複数のレンズを使用する場合(光ビームの送信用に少なくとも1つおよび反射光ビームの受信用に少なくとも1つ、例えば、バイスタティックジオメトリ)、光スイッチ340は必要ではないかもしれない。光スイッチ340を、増幅された自然放射フィルタと併用し得る。そのようなフィルタをバルク光フィルタまたはFBGベースのフィルタとし得る。そのようなフィルタを、必要に応じて、目に安全なレーザーを維持するために設置し得る。これらのフィルタは、増幅誘導放出(「ASE」)を別の光ファイバーにそらすことが多い。このそらされたレーザーを使用して、増幅器のパワーを調整するために、または離れてポンピングされた用途における安全機能として、光増幅器330の動作を監視できる。安全機能として、そらされたASEにおけるかなりの低下は、ファイバーケーブルが過酷な状況にあったこと、およびポンピングをすぐに停止する必要があることを意味する。あるいは、パルス化された用途においてASEを低減するためには、ポンプレーザー自体を同期してパルス化し得る。ポンプレーザーのパルス化はまた、電力消費量を削減するので、電池式のシステムの使用を容易にする。
【0033】
トランシーバレンズ360に到達する光源光は、(図2の)ターゲット物体または領域45上に投射される。散乱光または反射光はトランシーバモジュール300に戻される。トランシーバレンズ360は、散乱光を集めてファイバーに戻す。モノスタティック動作の場合、トランシーバレンズ360は光を集中させて送信ファイバーに戻し、そこで散乱光は光スイッチ340によって送信ビームから分離される。そうでなければ、例えばバイスタティック動作の場合には、散乱光を異なるファイバーに集中させる。集められた散乱光はファイバー405を介して図2の受信モジュール400まで伝えられる。
【0034】
図5を参照して受信モジュール400について詳細に説明する。受信モジュール400は、受信信号405を参照レーザー信号255と同じ空間(例えば、出力光ファイバー)で一緒にする光混合器420(例えば光ファイバー結合器)を含む。次いでこの結合信号425を、混合光信号を電気信号に変換する電気光学受信器430(例えばフォトダイオード)に向ける。次いでこの信号を、ドップラー周波数シフトを抽出するための好都合な信号処理のために(デジタイザ450によって)、デジタル化する(信号プロセッサ440を介して)。n個のトランシーバモジュール300を使用する場合、参照レーザー信号255をスプリッタ410によってn個のビームに分割して、n個の受信モジュール400と混合する必要がある。nが大きい場合、分割前に、参照ビーム255のパワーを増大させるために光増幅器が必要となり得る。
【0035】
混合器420などの光混合器(例えば、3dBの光ファイバー結合器)は一般的に、位相が反対である2つの出力ビーム425、426をもたらす。上述のようにビーム425は結合信号である。米国特許第4,718,121号(その開示を本願明細書に援用する)に記載のように、ビーム426を第2の電気光学受信器に使用および適用して、バランスの取れた受信器を作製してもよい。バランスの取れた受信器は混合信号の全てを使用し、参照レーザービーム255の強度雑音を相殺するため、それら受信器を好ましくは使用する。
【0036】
効果的な光混合もまた、受信信号405の偏りと参照レーザー信号255の偏りとが適合することを必要とする。米国特許第5,307,197号(その開示を本願明細書に援用する)に記載のように、制御されない偏りによる混合効率の損失を軽減させることは、図5に示す(偏波ダイバーシティ受信器など)よりも複雑な光混合回路を必要とする。
【0037】
信号プロセッサ440は、デジタイザ450から信号を受信して信号を周波数空間に変換し、各視線に沿った(すなわち、n個のトランシーバ310の各々からの)ドップラーシフトから視線速度を計算し、かつこれらの速度を組み合わせて、測定されたターゲット物体または領域の単一の速度を求める。加えて、信号プロセッサ440は、運動センサ(好ましくは姿勢方位基準装置またはIMUおよびGPSまたは対地速度検出装置)からの入力を使用して、トランシーバ310が装着されているプラットフォームが動いているかどうか決定してもよい。図6に関連して説明するように、プラットフォーム運動が全て検出されて、測定された速度を調整または補正するために使用される。
【0038】
開示のLDV100の全ての用途がプラットフォーム運動の補償を必要とするわけではないが、開示のLDV100(またはLDV100の少なくともトランシーバモジュール300)は携帯できるものであり、ボート、地上車両または航空機などの移動中のプラットフォームに容易に配置し得る。上述のように、LDV100は、ドップラー周波数シフトを検出することによって空気散乱体のトランシーバモジュール300に対する相対運動を直接測定する。LDV100を地面に固定する場合、それは風速および風の向きを測定する。しかしながら、直線運動を行うLDV100は相対的な風速および風の向きを測定する。移動中のプラットフォームの線速度および方向が分かっている場合、相対風測定値から風速を抽出できる。加えてLDV100は、浮遊中のプラットフォームに直面すると直線運動と回転運動の双方を行う。回転運動は、光学的なフォーカル・ボリュームが空気中を迅速に動いているため、追加的な周波数シフトを導入する。この周波数シフトは、以下に対して必ずしも有用ではない速度測定を生じる。1)風を表すわけではないため、気象学者、または2)相対風を表すわけではないため、操縦者。この回転成分は、有用な風のデータを報告するために分離されて補償される必要がある。
【0039】
図6を参照すると、開示のLDVの運動補償スキームのベクトル図が示されている。プラットフォーム1のプラットフォーム運動は、プラットフォームの重心2の線形並進運動および重心2を中心とした回転で構成される。プラットフォーム1には、n個のトランシーバモジュール300を備えるLDV100が装着されている。n個のトランシーバモジュール300の少なくとも1つ(例えば、i番目のトランシーバモジュール300)がプラットフォーム1上でLDV100と同じ場所に配置されている。i番目のフォーカル・ボリュームまたはターゲット領域45の速度が以下の式1によって与えられる:
【数1】

式中、
【数2】

はプラットフォーム1(それゆえLDV100)の重心2の線速度であり、
【数3】

はプラットフォーム1の角速度であり、および
【数4】

は、プラットフォーム1の重心2からi番目のフォーカル・ボリュームまたはターゲット領域45までの変位ベクトルである。変位ベクトルは、
【数5】

であり、式中
【数6】

は、プラットフォーム1の重心2からトランシーバモジュール300までのベクトルであり、および
【数7】

であり、i番目のトランシーバモジュール300からi番目のフォーカル・ボリュームまたはターゲット領域45までのベクトルである。大きさの因子
【数8】

は、焦点システムの焦点距離または距離ゲートシステムの範囲のいずれかである。この速度によって生じたドップラー周波数シフトは、レーザー視線
【数9】

に沿ったその成分(δ)に比例する:i番目のドップラー周波数シフトは2δ/λに等しく、式中、λはレーザーの波長であり、
【数10】

である。
【0040】
式2の第1の項
【数11】

は、i番目のターゲット領域45と移動中のプラットフォーム1との間の相対直線運動による所望のシフトである。式2の第2の項
【数12】

は回転運動を表し、
【数13】

であるというクロス積の規則を使用して
【数14】

と書くことができる。3次元システムにおける運動補償の手順は、IMUによって、3つの加工していないドップラーシフトおよび角速度を測定してから、
【数15】

を減じるというものである。この補正された周波数シフトを使用して、i番目のターゲット領域45における3次元の相対風を計算する。
【0041】
移動中のプラットフォームの角速度および姿勢(ピッチ角/ロール角)は、時間と共に急激に変化し得る。状態運動が停止していると仮定できるように、ドップラーシフトを短時間で測定することが重要である(それゆえ、角速度および姿勢の1つの値を、測定された各ドップラー周波数シフトに割り当てることができる)。従って、レーザーのパルス繰り返し周波数(「PRF」)およびパルス数Naccを、例えばデータ収集に費やされた合計時間(すなわち、Nacc/PRF)が200ミリ秒未満であるように選択する。Nacc個のパルスが収集される前後に角速度が測定され、かつ平均値を
【数16】

の補償計算に使用する。
【0042】
図2〜図5に示すシステムおよびモジュールアーキテクチャを参照してLDV100を説明したが、これらのアーキテクチャは例示であり、限定を意図するものではない。例えば図7は、LDV700の形態の追加的なLDVアーキテクチャを示す。(図2の)LDV100のように、LDV700は、光源モジュール720、トランシーバモジュール730および受信モジュール740を含む。しかしながらLDV700では、光源モジュール720はスプリッタを含まない。代わりに、光源モジュール720において発生した放射線はトランシーバモジュール730まで伝えられ、そこで、発生した放射線は増幅器732によって増幅され、その後スプリッタ734によって分割されて、トランシーバモジュール730のn個のトランシーバ736によって使用される。LDV700ではn個のリモート増幅器の代わりにリモート増幅器732を1つのみ使用する。
【0043】
図8に、LDV800の形態の追加的なLDVアーキテクチャを示す。ここで、LDV800は光源モジュール820、1個以上のトランシーバモジュール830および受信モジュール840を含む。光源モジュール820はスプリッタを含まない。同様に、トランシーバモジュール830は増幅器を含まない。代わりに、外部の増幅器832およびスプリッタ834を使用する。光源モジュール820において発生した放射線はリモート増幅器832に伝えられ、そこで増幅されてからスプリッタ834を介して分割され、トランシーバ836をそれぞれ含むn個のトランシーバモジュール830に届けられる。(図7の)LDV700のように、LDV800ではリモート増幅器832が1つのみ使用される。
【0044】
開示のLDVの実施形態を、トランシーバモジュール300、730、830および光増幅器330、732、832を放射源モジュール200、720、820から離れて配置することを可能にする状態で、光ファイバーで接続されたモジュールとの関連で説明した。トランシーバモジュール300、730、830はいずれのエレクトロニクスも含む必要はなく、純粋に光学的なモジュールとし得る。運動補償、レーザー光源、および信号処理は放射源モジュール200、720、820および受信モジュール400、740、840において発生する。それゆえ、トランシーバ300、730、830の動作は、放射源モジュール200、720、820および受信モジュール400、740、840からの雑音が少ないこと、装着安定性が高いことおよびメンテナンスが簡単であることにより、著しく改善する。しかしながら、LDV100、700、800の上述の説明は純粋に例示であり、限定を意図するものではないことを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー光源;
前記レーザー光源からの光を受信するために前記レーザー光源に少なくとも第1の光ファイバーを介して結合された少なくとも1つのトランシーバモジュールであって、前記レーザー光源から受信した前記光を増幅するための第1の増幅器を含み、かつまた前記増幅光をターゲット領域に送信しかつ前記ターゲット領域からの反射光を受信するトランシーバを含むトランシーバモジュール;および
前記少なくとも1つのトランシーバモジュールからの前記反射光を受信するために前記少なくとも1つのトランシーバモジュールに少なくとも第2の光ファイバーを介して結合され、かつまた前記レーザー光源からの参照光ビームを受信するために前記レーザー光源に少なくとも第3の光ファイバーを介して結合されて、前記反射光におけるドップラーシフトを求める受信モジュール
を含むレーザードップラー速度計。
【請求項2】
前記レーザー光源が光源モジュール内に含まれている、請求項1に記載の速度計。
【請求項3】
前記光源モジュールが、前記レーザー光源からの光に周波数シフトを加える変調器を含む、請求項2に記載の速度計。
【請求項4】
前記周波数シフトされた光がパルス化される、請求項3に記載の速度計。
【請求項5】
前記光源モジュールが、前記パルス化され、周波数シフトされた光を増幅する第2の増幅器を含む、請求項4に記載の速度計。
【請求項6】
前記光源モジュールが、前記増幅され、パルス化され、周波数シフトされた光を、前記少なくとも1つのトランシーバモジュールの数と等しい複数のビームに分割するスプリッタを含む、請求項5に記載の速度計。
【請求項7】
前記第1および第2の増幅器が希土類ドープトファイバーで構成されている、請求項5に記載の速度計。
【請求項8】
前記希土類ドープトファイバーがエルビウム−クラッドファイバーである、請求項7に記載の速度計。
【請求項9】
前記希土類ドープトファイバーが、エルビウム/イッテルビウム−クラッドファイバーである、請求項7に記載の速度計。
【請求項10】
前記希土類ドープトファイバーがシングルクラッドファイバーである、請求項7に記載の速度計。
【請求項11】
前記希土類ドープトファイバーがダブルクラッドファイバーである、請求項7に記載の速度計。
【請求項12】
前記レーザー光源からの光を前記第2の増幅器によって、前記少なくとも1つのトランシーバを前記光源モジュールに結合する前記少なくとも第1のファイバーから非線形効果を導入するであろうレベルよりも低いレベルに増幅する、請求項5に記載の速度計。
【請求項13】
前記少なくとも1つのトランシーバが前記光源モジュールから離れて配置されている、請求項2に記載の速度計。
【請求項14】
前記少なくとも1つのトランシーバおよび前記光源モジュールが同じ場所に配置されている、請求項2に記載の速度計。
【請求項15】
可動部を含まない、請求項1に記載の速度計。
【請求項16】
前記少なくとも1つのトランシーバモジュールが3つのトランシーバモジュールである、請求項1に記載の速度計。
【請求項17】
前記少なくとも1つのトランシーバモジュールの各々が同時に前記増幅光を前記ターゲット領域に送信する、請求項16に記載の速度計。
【請求項18】
前記受信モジュールが、前記受信した反射光の前記ドップラーシフトを求めるために、少なくとも1つの信号プロセッサを含む、請求項1に記載の速度計。
【請求項19】
前記少なくとも1つの信号プロセッサが、前記求めたドップラーシフトに基づいて、前記ターゲット領域における1つ以上の物体の速度を求める、請求項18に記載の速度計。
【請求項20】
前記少なくとも1つの信号プロセッサが、前記少なくとも1つのトランシーバの動きを計算することによって前記求めた速度を調整する、請求項19に記載の速度計。
【請求項21】
前記少なくとも1つのトランシーバの動きを、前記少なくとも1つのトランシーバの近傍に装着された運動センサを使用することによって求める、請求項20に記載の速度計。
【請求項22】
前記運動センサが姿勢方位基準装置、慣性測定装置および全地球測位システムのうちの1つならびに対地速度検出装置を含む、請求項21に記載の速度計。
【請求項23】
前記少なくとも1つのトランシーバモジュールが、単一のレンズを通した光の送信および受信の双方を可能にする光学トランシーバスイッチを含む、請求項1に記載の速度計。
【請求項24】
前記少なくとも1つのトランシーバモジュールが携帯端末である、請求項1に記載の速度計。
【請求項25】
携帯端末である、請求項1に記載の速度計。
【請求項26】
前記光源モジュールがポンプレーザー光源を含んで、前記少なくとも1つのトランシーバモジュールにおいて前記第1の増幅器にポンプレーザーをもたらす、請求項1に記載の速度計。
【請求項27】
前記少なくとも1つのトランシーバモジュールが前記光源モジュールから離れて配置されている、請求項26に記載の速度計。
【請求項28】
前記レーザー光源が、前記少なくとも1つのトランシーバモジュールから運転状態を受信する運転状態モニタを含む、請求項1に記載の速度計。
【請求項29】
前記運転状態モニタが、前記少なくとも1つのトランシーバモジュールから受信したエラー状態に応答して前記レーザー光源を停止させる、請求項28に記載の速度計。
【請求項30】
前記トランシーバが、前記トランシーバから異なる距離範囲にある複数のターゲット領域に前記増幅光を同時に送信する、請求項1に記載の速度計。
【請求項31】
レーザー光源;
前記レーザー光源から離れており、かつ前記レーザー光源からの光を受信するために第1の光ファイバーを介して前記レーザー光源に結合された増幅器;
前記増幅光をターゲット領域に送信しかつ前記ターゲット領域からの反射光を受信するために前記増幅器に結合された少なくとも1つのトランシーバ;および
前記少なくとも1つのトランシーバから前記反射光を受信するために前記少なくとも1つのトランシーバに少なくとも第2の光ファイバーを介して結合され、かつまた前記レーザー光源からの参照光ビームを受信するために前記レーザー光源に少なくとも第3の光ファイバーを介して結合されて、前記反射光におけるドップラーシフトを求める受信モジュール
を含むレーザードップラー速度計。
【請求項32】
前記増幅器および少なくとも1つのトランシーバがトランシーバモジュールにおいて同じ場所に配置されている、請求項31に記載の速度計。
【請求項33】
前記増幅器が希土類ドープトファイバーで構成されている、請求項31に記載の速度計。
【請求項34】
前記希土類ドープトファイバーがエルビウム/イッテルビウム−クラッドファイバーである、請求項33に記載の速度計。
【請求項35】
前記第1の光ファイバーを介して伝えられた前記レーザー光源からの前記光が、前記第1の光ファイバーにおける非線形効果を導入するであろう強度レベルよりも低い強度レベルにある、請求項31に記載の速度計。
【請求項36】
可動部を含まない、請求項31に記載の速度計。
【請求項37】
前記少なくとも1つのトランシーバが3つのトランシーバである、請求項31に記載の速度計。
【請求項38】
前記少なくとも1つのトランシーバのそれぞれが前記増幅光を前記ターゲット領域に同時に送信する、請求項37に記載の速度計。
【請求項39】
ターゲット領域において散乱体の速度を求める方法であって、
放射源によって放射線を発生させること;
前記発生した放射線を複数の放射線ビームに分割すること;
前記複数の放射線ビームの各々を複数のトランシーバモジュールの対応する1つまで伝えること;
対応する各トランシーバモジュール内で前記放射線ビームの各々を増幅すること;
各トランシーバモジュールからの前記複数の放射線ビームを前記ターゲット領域の方に同時に送信すること;
前記トランシーバモジュールにおいて前記ターゲット領域からの反射放射線を受信すること;
前記受信した反射放射線を参照放射線ビームと一緒にすること;および
前記ターゲット領域において前記散乱体の速度を求めること
を含む方法。
【請求項40】
前記発生させる動作が、エルビウムクラッドファイバーによって放射源を発生させることを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記伝える動作が、前記複数の放射線ビームの各々を、光ファイバーを介して伝えることを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
前記発生させる動作が前記発生した放射線を、前記光ファイバーから非線形効果を導入するであろうレベルよりも低いレベルに増幅することを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記増幅する動作が、希土類ドープトファイバーを使用して前記放射線ビームの各々を増幅することを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項44】
前記希土類ドープトファイバーがエルビウム/イッテルビウムダブルクラッドファイバーである、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記伝える動作が、前記複数の放射線ビームの各々を、前記放射源から離れて配置された複数のトランシーバモジュールの対応する1つまで伝えることを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項46】
前記複数のトランシーバモジュールの運動を補償することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項47】
前記複数のトランシーバモジュールの運転状態を遠隔監視することをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項48】
前記遠隔監視によって報告されたエラー状態に応答して前記放射源を停止させることをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記複数の放射線ビームが、各トランシーバモジュールから複数のターゲット領域に向かって異なる範囲で同時に送信される、請求項39に記載の方法。
【請求項50】
ターゲット領域において散乱体の速度を求める方法であって、
放射源によって放射線ビームを発生させること;
前記放射線ビームを、前記放射源から離れて配置された増幅器まで伝えること;
前記放射線ビームを増幅すること;
前記増幅された放射線ビームを、対応するトランシーバまでそれぞれ伝えられた複数の放射線ビームに分割すること;
前記複数の放射線ビームを各トランシーバから前記ターゲット領域に向かって同時に送信すること;
前記ターゲット領域からの反射放射線を前記トランシーバにおいて受信すること;
前記受信した反射放射線を参照放射線ビームと一緒にすること;および
前記ターゲット領域における前記散乱体の速度を求めること
を含む方法。
【請求項51】
前記伝える動作が、光ファイバーを介して前記放射線ビームを伝えることを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記発生させる動作が前記発生した放射線を、前記光ファイバーからの非線形効果を導入するであろうレベルよりも低いレベルに増幅することを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記増幅する動作が、希土類ドープトファイバーを使用して前記放射線ビームを増幅することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記希土類ドープトファイバーがエルビウム/イッテルビウムダブルクラッドファイバーである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記複数のトランシーバモジュールの運動を補償することをさらに含む、請求項50に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−519424(P2011−519424A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507382(P2011−507382)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/005515
【国際公開番号】WO2009/134221
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(510248752)オプティカル エアー データ システムズ,エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】