レーザー光を用いた印刷物の作製方法および印刷物
【課題】容易かつ確実に紙容器にＩＤコードを付すこと。
【解決手段】紙基材１４Ａの所望位置に非黒色印刷層１２と、非黒色印刷層１２上に位置し黒色インキ顔料を含む黒色インキ層１１とを形成する。黒色インキ層１１に対してパターン状にレーザー光を照射して黒色インキ層１１を昇華させる。黒色インキ層１１の開口８ａから下方の非黒色印刷層１２を露出させて、ＩＤコード８を形成する。
【解決手段】紙基材１４Ａの所望位置に非黒色印刷層１２と、非黒色印刷層１２上に位置し黒色インキ顔料を含む黒色インキ層１１とを形成する。黒色インキ層１１に対してパターン状にレーザー光を照射して黒色インキ層１１を昇華させる。黒色インキ層１１の開口８ａから下方の非黒色印刷層１２を露出させて、ＩＤコード８を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は紙容器を作製する際、当該紙容器にＩＤコードを付すために用いられるレーザー光を用いた印刷物の作製方法および印刷物に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より内容物が収納された紙容器を作製する際、当該紙容器にＩＤコードが付されることがある。このような紙容器に付されるＩＤコードは、紙容器の購入者がキャンペーンに応募する際に用いられ、購入者はこのＩＤコードをインターネット上に入力してキャンペーンに応募している。
【０００３】
紙容器に付されるＩＤコードは、一般にインクジェットを用いて印刷されたり、レーザー光を照射して印刷されたりしている。
【０００４】
しかしながらインクジェットを用いて紙容器にＩＤコードを印刷する場合、インキが剥がれる可能性があり、内容物に接する面へのインキ付着による品質リスクが高い。
【０００５】
またレーザー光によって紙容器にＩＤコードを印刷する場合、用いるレーザー光によっては、紙容器の基材内部まで削れてしまうなど、ＩＤコードを精度良くかつ鮮明に印刷することがむずかしい、という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００７−１６１２９１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、紙容器にＩＤコードを付す場合、容易かつ精度良くＩＤコードを付すことができるレーザー光を用いた印刷物の作製方法および印刷物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は、紙基材を準備する工程と、紙基材の所望位置に対して印刷を施して、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を形成し、非黒色印刷層上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層を形成する工程、又は、紙基材の所望位置に対して印刷を施して、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層を形成し、黒色インキ層の上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を形成する工程と、黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させることによりＩＤコードを形成する工程と、を備えたことを特徴とする印刷物の作製方法である。
【０００９】
本発明は、紙基材を準備する工程と、紙基材の所望位置に対して印刷を施して、黒色インキ顔料を含むパターン状の黒色インキ層を形成するとともに、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を形成する工程と、黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させて、非黒色印刷層によってＩＤコードを形成する工程と、を備えたことを特徴とする印刷物の作製方法である。
【００１０】
本発明は、紙基材と、紙基材の所望位置に対して印刷を施すことにより形成された、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層と、非黒色印刷層上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層を備えるか、又は、紙基材の所望位置に対して印刷を施すことにより形成された、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層と、黒色インキ層の上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を備え、黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させることによりＩＤコードが形成されていることを特徴とする印刷物である。
【００１１】
本発明は、紙基材と、紙基材の所望位置に印刷を施すことにより形成された、黒色インキ顔料を含むパターン状の黒色インキ層および黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の部分の非黒色印刷層とを備え、黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させて、非黒色印刷層によってＩＤコードが形成されていることを特徴とする印刷物である。
【００１２】
本発明は、印刷物は紙容器用のブランク材であることを特徴とする印刷物である。
【００１３】
本発明は、紙容器用のブランク材は、対向する一対の傾斜板と、傾斜板間に位置する一対の折込部とを有するゲーベルトップ型紙容器用のブランク材であって、ＩＤコードは複数の文字または複数の数字を含まれていることを特徴とする印刷物である。
【発明の効果】
【００１４】
以上のように本発明によれば、印刷物にＩＤコードを付す場合、ＹＶＯ４レーザー光を用いてＩＤコードを容易かつ確実に、また精度良くＩＤコードを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】図１は本発明の第１の実施の形態による印刷物の作製方法により得られた包装材料を示す図。
【図２】図２は包装材料を用いたゲーベルトップ型紙容器を示す図。
【図３】図３は包装材料を打抜いて形成されたブランク材を示す図。
【図４】図４は本発明の第２の実施の形態による印刷物の作製方法により得られた包装材料を示す図。
【図５】図５は印刷物の作製システムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
第１の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【００１７】
図１乃至図３および図５（ａ）（ｂ）は、本発明によるレーザー光を用いた印刷物の作製方法およびこの作製方法により得られる印刷物を示す図である。
【００１８】
まず本発明によるレーザー光を用いた印刷物の作製方法および印刷物が適用される紙容器について説明する。
【００１９】
図２に示すように、このような紙容器１は内部に飲料等の液体を収納する液体紙容器となっている。
【００２０】
図２に示すように、紙容器１はゲーベルトップ型の紙容器１であって、四角筒状の胴部２と、四角板状の底部５と、ゲーベルトップ型の上部７とを有している。
【００２１】
このうちゲーベルトップ型の上部７は対向する一対の傾斜板３，３と、傾斜板３，３間に位置するとともに傾斜板３，３間に折込まれる一対の折込部６，６とを有している。そして一対の傾斜板３，３には各々の上端にのりしろ４，４が設けられ、一対の傾斜板３，３は各々の上端に設けられたのりしろ４，４により互いに接着されている。
【００２２】
このようなゲーベルトップ型の紙容器１において、のりしろ４，４を互いに引離し、上部７を開くことにより紙容器１内から飲料等の内容物を取出すことができる。
【００２３】
ゲーベルトップ型の紙容器１は、図３に示すようなブランク材１ａを組立てることにより作製される。
【００２４】
ブランク材１ａは後述のように、所望の層構成をもつ包装材料１０を打抜くことにより得られる。このブランク材１ａは、紙容器１の胴部２に対応する胴部パネル２ａと、底部５に対応する底部パネル５ａと、一対の傾斜板３，３に対応する傾斜板パネル３ａ，３ａと、一対の傾斜板３，３間に折込まれる一対の折込部６，６に対応する折込部パネル６ａ，６ａとを有している。
【００２５】
また図３に示すブランク材１ａにおいて、各傾斜板パネル３ａ，３ａに、のりしろ４，４が設けられている。
【００２６】
またブランク材１ａにおいて、一対の折込部パネル６ａ，６ａのうちの一方の折込部パネル６ａに、印刷領域９が形成されている。そしてこの印刷領域（所望位置）９内に、当該ブランク材１ａにより得られる紙容器１に対応するＩＤコード８がレーザー光を照射して印刷を施すことにより形成されている。
【００２７】
次にブランク材１ａを形成するための包装材料１０について述べる。上述のようにブランク材１ａは包装材料１０を打抜くことにより得られる。このような包装材料１０は、図１に示すように、紙基材１４Ａと、紙基材１４Ａ上に形成された非黒色印刷層１２と、非黒色印刷層１２上に形成された黒色インキ層１１とからなる層構成を有している。
【００２８】
このうち、紙基材１４Ａはポリエチレン層（ＰＥ層）１３／紙材１４／ポリエチレン層（ＰＥ層）１５からなる。紙基材としては、一般的な積層体を使用することができる。具体的には、ＰＥ／紙材、ＰＥ／紙材／ＰＥ、ＰＥ／紙材／ＰＥ／ＰＥＴ／ＰＥ、ＰＰ／紙材、ＰＰ／紙材／ＰＰ、等がある。ＰＥには高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンを用いることができる。１４としては賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものが使用できる。
【００２９】
具体的には紙材１４としては、主強度材であり、強サイド性の晒または未晒の紙材、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク厚紙等の各種紙材を用いることができる。紙材１４はこれらの紙材を複数重ねたものであってもよい。
【００３０】
また使用する紙材１４は、坪量８０〜６００ｇ／ｍ２、好ましくは坪量１００〜４５０ｇ／ｍ２のものを使用することができる。紙材１４の厚さは１１０〜８６０μｍ、好ましくは１４０〜６４０μｍのものを使用することができる。
【００３１】
また包装材料１０のうち印刷領域９において、黒色インキ層１１に対してＹＶＯ４レーザー光がパターン状に照射される。この場合、黒色インキ層１１がレーザー光により昇華されて開口８ａが形成され、黒色インキ層１１の下方に位置する非黒色印刷層１２が開口８ａを介して外方へ露出する。
【００３２】
このように黒色インキ層１１の開口８ａを介して外方へ露出される非黒色印刷層１２によって、複数の文字または複数の数字を含むＩＤコード８が形成される。
【００３３】
上述した本発明の実施の形態において、包装材料１０の層構成は、ＰＥ層１５／紙材１４／ＰＥ層１３／非黒色印刷層１２／黒色インキ層１１となっており、黒色インキ層１１に対してレーザー光を照射することによりＩＤコード８が形成される。この場合、包装材料１０はＩＤコード８を有する印刷物となる。
【００３４】
また包装材料８を打抜くことにより、ブランク材１ａが得られるが、このブランク材１ａもＩＤコード８を有する印刷物となる。
【００３５】
次に非黒色印刷層１２、黒色インキ層１１およびＹＶＯ４レーザー光について、以下詳述する。
【００３６】
（非黒色印刷層１２）
非黒色印刷層１２は後述する黒色インキ層１１の黒色インキ顔料以外のインキ顔料を含む印刷層１２からなっている。
【００３７】
このような非黒色印刷層１２としては、シアニンブルー、カーミン６Ｂ、ジスアゾエロー等のようなインキ顔料を含む印刷層が考えられる。
【００３８】
（黒色インキ層１１）
黒色インキ層１１は黒色インキ顔料を含む印刷層となっており、このような黒色インキ顔料としては、カーボン、カーボンブラック等のようなインキ顔料が考えられる。
【００３９】
（ＹＶＯ４レーザー光）
上述のように黒色インキ層１１の所望部分に対してＹＶＯ４レーザー光を照射し、黒色インキ層１１の当該部分を除去して、ＩＤコード８を形成する（図２）。
【００４０】
本発明において使用するレーザー光はシングルモードのＹＶＯ４レーザー光である。シングルモードのレーザー光とは、一つのピークからなるレーザー光であって、焦点が絞られるため微細な加工に適している。
【００４１】
ＹＶＯ４レーザーは、ＹＡＧレーザーの一種で、当該レーザー光の波長は１０６４ｎｍで、黒色以外の色に吸収されにくい性質がある。
【００４２】
しかしながら、印字に長時間を要し、かつ、印字精度が低下するので好ましくない。
【００４３】
＜レーザー印字条件＞
レーザー印字の実施に際し特に重要な条件は出力、走査速度、パルス周波数であるが、レーザー出力装置の能力、印字面積、黒インキの材質、要求される印字時間、および、要求されるシンボルのグレード等によってレーザー印字条件は異なるため、具体的に範囲を限定することはできない。
【００４４】
レーザー印字速度を上げたい場合、出力を大きくして走査速度を上げるが、あまり走査速度が高すぎると走査精度が低下して印字物の仕上がりが雑になる。
【００４５】
レーザー印字物の仕上がりを良くしたい場合、出力を小さくして走査速度を下げると良いが、印字時間が長くなる。
【００４６】
パルス周波数は、黒インキ層１１の黒色顔料の材質によって最も効果的にインキを除去できる数値が異なる。パルス周波数は一般的にあまり大きく変動する数値ではないので、レーザー印字条件を求めるに際して、最初は適当な周波数に設定する。
【００４７】
そしてレーザー印字条件の選定にあたっては、レーザー印字物のシンボルを検証機で検証しながら出力と走査速度の組合せを何通りか試みてレーザー印字テストを実施し、希望に近い印字時間とグレードが得られたら、出力と走査速度を固定して周波数を何通りか変えてレーザー印字を試みてレーザー印字物の検証を実施する。最後に出力と走査速度の微調整を行って、最も好適なレーザー印字条件を選定する。
【００４８】
好適なレーザー印字条件を求める際、最も重要なことはコントラストであり、大抵のレーザー印字物のグレードはコントラストのグレードに左右される。
【００４９】
次にこのような構成からなる印刷物の作製方法について、図５（ａ）（ｂ）により説明する。
【００５０】
ここで図５（ａ）（ｂ）は印刷物の作製システムを示す図である。
【００５１】
図５（ａ）（ｂ）に示す印刷物の作製システム２０において、ＰＥ層１３／紙材１４／ＰＥ層１５からなり、予め巻かれた巻体状の紙基材１４Ａが供給部２１に装着されている。
【００５２】
図５（ａ）（ｂ）に示すように、供給部２１から紙基材１４Ａが繰り出され、紙基材１４ＡのＰＥ層１３上にオフセット印刷部２２により印刷が施され、多色の非黒色印刷層１２が形成される。
【００５３】
この場合、非黒色印刷層１２は、少なくとも折込部パネル６ａに対応する印刷領域９に形成される。
【００５４】
次に紙基材１４Ａ上に形成された印刷領域９の非黒色印刷層１２上に、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層１１が形成される。
【００５５】
このようにして、紙基材１４Ａの少なくとも印刷領域９上に非黒色印刷層１２が形成され、非黒色印刷層１２上に黒色インキ層１１が形成された紙基材１４Ａは、その後、レーザーマーカー２３に至る。
【００５６】
そしてこのレーザーマーカー２３により、黒色インキ層１１に対してＹＶＯ４レーザー光をパターン状に照射することにより黒色インキ層１１を昇華させて黒色インキ層１１パターン状の開口８ａが形成される。このことにより、黒色インキ層１１の開口８ａを介して黒色インキ層１１の下地となる非黒色印刷層１２が外方へ現れ、開口８ａを介して外方へ露出する非黒色印刷層１２によって、ＩＤコード８が形成される。
【００５７】
このようにしてＩＤコード８を有する包装材料１０が得られる。
【００５８】
この場合、包装材料１０のＩＤコード８は、対応するブランク材１ａおよび紙容器を示すＩＤコードとなる。
【００５９】
次に包装材料１０は打抜装置２４に至り、この打抜装置２４において包装材料１０が打抜かれて紙容器１用のブランク材１ａが得られる。
【００６０】
次にブランク材１ａは、コンベア２５により搬送された後、集積部２６上に集積される。
【００６１】
以上のように本実施の形態によれば、包装材料１０あるいはブランク材１ａにＩＤコード８を付す場合、ＩＤコード８をＹＶＯ４レーザー光を用いて容易かつ確実に、精度良くＩＤコード８を形成することができる。
【００６２】
第２の実施の形態
次に図４により、本発明によるレーザー光を用いた印刷方法および印刷物の第２の実施の形態について説明する。
【００６３】
図４に示す第２の実施の形態は包装材料１０の層構成が異なるのみであり、他の構成は図１乃至図３および図５（ａ）（ｂ）に示す第１の実施の形態と略同一である。
【００６４】
図４に示すように、包装材料１０は紙基材１４Ａと、紙基材１４Ａのうち折込部パネル６ａの印刷領域９に形成された黒色インキ顔料を含むパターン状の黒色インキ層１１と、パターン状の黒色インキ層１１以外の部分に形成された非黒色印刷層１２とを備えている。
【００６５】
このうち、紙基材１４Ａはポリエチレン層（ＰＥ層）１３／紙材１４／ポリエチレン層（ＰＥ層）１５とからなる。紙基材としては、一般的な積層体を使用することができる。具体的には、ＰＥ／紙材、ＰＥ／紙材／ＰＥ、ＰＥ／紙材／ＰＥ／ＰＥＴ／ＰＥ、ＰＰ／紙材、ＰＰ／紙材／ＰＰ、等がある。ＰＥには高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンを用いることができる。紙材１４としては賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものが使用できる。
【００６６】
具体的には紙材１４としては、主強度材であり、強サイド性の晒または未晒の紙材、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク厚紙等の各種紙材を用いることができる。紙材１４はこれらの紙材を複数重ねたものであってもよい。
【００６７】
また使用する紙材１４は、坪量８０〜６００ｇ／ｍ２、好ましくは坪量１００〜４５０ｇ／ｍ２のものを使用することができる。紙材１４の厚さは１１０〜８６０μｍ、好ましくは１４０〜６４０μｍのものを使用することができる。
【００６８】
また包装材料１０のうち印刷領域９において、黒色インキ層１１を含めた周辺領域ＹＶＯ４レーザー光がパターン状に照射される。この場合、黒色インキ層１１がレーザー光により昇華されて非黒色印刷層１２間に開口８ａが形成され、黒色インキ層１１の下方に位置する紙基材１４Ａが開口８ａを介して外方へ露出する。
【００６９】
このようにして、非黒色印刷層１２と、開口８ａを介して外方へ露出される紙基材１４Ａとによって、複数の文字または複数の数字を含むＩＤコード８が形成される。
【００７０】
上述した本発明の実施の形態において、包装材料１０の層構成は、ＰＥ層１５／紙材１４／ＰＥ層１３／非黒色印刷層１２および黒色インキ層１１となっており、黒色インキ層１１に対してレーザー光を照射することによりＩＤコード８が形成される。この場合、包装材料１０はＩＤコード８を有する印刷物となる。
【００７１】
また包装材料８を打抜くことにより、ブランク材１ａが得られるが、このブランク材１ａもＩＤコード８を有する印刷物となる。本実施例においては、ＹＶＯ４レーザーを使用して印刷物を作製したが、レーザーはＹＶＯ４レーザーに限られるものでなく、ＹＡＧ、炭酸ガス等の一般的なレーザーも使用できる。
【符号の説明】
【００７２】
１ 紙容器
２ 胴部
３ 傾斜板
５ 底部
６ 折込部
７ 上部
８ ＩＤコード
９ 印刷領域
１０ 包装材料
１１ 黒色インキ層
１２ 非黒色印刷層
１３ ＰＥ層
１４ 紙材
１４Ａ 紙基材
１５ ＰＥ層
【技術分野】
【０００１】
本発明は紙容器を作製する際、当該紙容器にＩＤコードを付すために用いられるレーザー光を用いた印刷物の作製方法および印刷物に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来より内容物が収納された紙容器を作製する際、当該紙容器にＩＤコードが付されることがある。このような紙容器に付されるＩＤコードは、紙容器の購入者がキャンペーンに応募する際に用いられ、購入者はこのＩＤコードをインターネット上に入力してキャンペーンに応募している。
【０００３】
紙容器に付されるＩＤコードは、一般にインクジェットを用いて印刷されたり、レーザー光を照射して印刷されたりしている。
【０００４】
しかしながらインクジェットを用いて紙容器にＩＤコードを印刷する場合、インキが剥がれる可能性があり、内容物に接する面へのインキ付着による品質リスクが高い。
【０００５】
またレーザー光によって紙容器にＩＤコードを印刷する場合、用いるレーザー光によっては、紙容器の基材内部まで削れてしまうなど、ＩＤコードを精度良くかつ鮮明に印刷することがむずかしい、という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開２００７−１６１２９１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、紙容器にＩＤコードを付す場合、容易かつ精度良くＩＤコードを付すことができるレーザー光を用いた印刷物の作製方法および印刷物を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は、紙基材を準備する工程と、紙基材の所望位置に対して印刷を施して、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を形成し、非黒色印刷層上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層を形成する工程、又は、紙基材の所望位置に対して印刷を施して、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層を形成し、黒色インキ層の上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を形成する工程と、黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させることによりＩＤコードを形成する工程と、を備えたことを特徴とする印刷物の作製方法である。
【０００９】
本発明は、紙基材を準備する工程と、紙基材の所望位置に対して印刷を施して、黒色インキ顔料を含むパターン状の黒色インキ層を形成するとともに、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を形成する工程と、黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させて、非黒色印刷層によってＩＤコードを形成する工程と、を備えたことを特徴とする印刷物の作製方法である。
【００１０】
本発明は、紙基材と、紙基材の所望位置に対して印刷を施すことにより形成された、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層と、非黒色印刷層上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層を備えるか、又は、紙基材の所望位置に対して印刷を施すことにより形成された、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層と、黒色インキ層の上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を備え、黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させることによりＩＤコードが形成されていることを特徴とする印刷物である。
【００１１】
本発明は、紙基材と、紙基材の所望位置に印刷を施すことにより形成された、黒色インキ顔料を含むパターン状の黒色インキ層および黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の部分の非黒色印刷層とを備え、黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させて、非黒色印刷層によってＩＤコードが形成されていることを特徴とする印刷物である。
【００１２】
本発明は、印刷物は紙容器用のブランク材であることを特徴とする印刷物である。
【００１３】
本発明は、紙容器用のブランク材は、対向する一対の傾斜板と、傾斜板間に位置する一対の折込部とを有するゲーベルトップ型紙容器用のブランク材であって、ＩＤコードは複数の文字または複数の数字を含まれていることを特徴とする印刷物である。
【発明の効果】
【００１４】
以上のように本発明によれば、印刷物にＩＤコードを付す場合、ＹＶＯ４レーザー光を用いてＩＤコードを容易かつ確実に、また精度良くＩＤコードを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１５】
【図１】図１は本発明の第１の実施の形態による印刷物の作製方法により得られた包装材料を示す図。
【図２】図２は包装材料を用いたゲーベルトップ型紙容器を示す図。
【図３】図３は包装材料を打抜いて形成されたブランク材を示す図。
【図４】図４は本発明の第２の実施の形態による印刷物の作製方法により得られた包装材料を示す図。
【図５】図５は印刷物の作製システムを示す図。
【発明を実施するための形態】
【００１６】
第１の実施の形態
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【００１７】
図１乃至図３および図５（ａ）（ｂ）は、本発明によるレーザー光を用いた印刷物の作製方法およびこの作製方法により得られる印刷物を示す図である。
【００１８】
まず本発明によるレーザー光を用いた印刷物の作製方法および印刷物が適用される紙容器について説明する。
【００１９】
図２に示すように、このような紙容器１は内部に飲料等の液体を収納する液体紙容器となっている。
【００２０】
図２に示すように、紙容器１はゲーベルトップ型の紙容器１であって、四角筒状の胴部２と、四角板状の底部５と、ゲーベルトップ型の上部７とを有している。
【００２１】
このうちゲーベルトップ型の上部７は対向する一対の傾斜板３，３と、傾斜板３，３間に位置するとともに傾斜板３，３間に折込まれる一対の折込部６，６とを有している。そして一対の傾斜板３，３には各々の上端にのりしろ４，４が設けられ、一対の傾斜板３，３は各々の上端に設けられたのりしろ４，４により互いに接着されている。
【００２２】
このようなゲーベルトップ型の紙容器１において、のりしろ４，４を互いに引離し、上部７を開くことにより紙容器１内から飲料等の内容物を取出すことができる。
【００２３】
ゲーベルトップ型の紙容器１は、図３に示すようなブランク材１ａを組立てることにより作製される。
【００２４】
ブランク材１ａは後述のように、所望の層構成をもつ包装材料１０を打抜くことにより得られる。このブランク材１ａは、紙容器１の胴部２に対応する胴部パネル２ａと、底部５に対応する底部パネル５ａと、一対の傾斜板３，３に対応する傾斜板パネル３ａ，３ａと、一対の傾斜板３，３間に折込まれる一対の折込部６，６に対応する折込部パネル６ａ，６ａとを有している。
【００２５】
また図３に示すブランク材１ａにおいて、各傾斜板パネル３ａ，３ａに、のりしろ４，４が設けられている。
【００２６】
またブランク材１ａにおいて、一対の折込部パネル６ａ，６ａのうちの一方の折込部パネル６ａに、印刷領域９が形成されている。そしてこの印刷領域（所望位置）９内に、当該ブランク材１ａにより得られる紙容器１に対応するＩＤコード８がレーザー光を照射して印刷を施すことにより形成されている。
【００２７】
次にブランク材１ａを形成するための包装材料１０について述べる。上述のようにブランク材１ａは包装材料１０を打抜くことにより得られる。このような包装材料１０は、図１に示すように、紙基材１４Ａと、紙基材１４Ａ上に形成された非黒色印刷層１２と、非黒色印刷層１２上に形成された黒色インキ層１１とからなる層構成を有している。
【００２８】
このうち、紙基材１４Ａはポリエチレン層（ＰＥ層）１３／紙材１４／ポリエチレン層（ＰＥ層）１５からなる。紙基材としては、一般的な積層体を使用することができる。具体的には、ＰＥ／紙材、ＰＥ／紙材／ＰＥ、ＰＥ／紙材／ＰＥ／ＰＥＴ／ＰＥ、ＰＰ／紙材、ＰＰ／紙材／ＰＰ、等がある。ＰＥには高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンを用いることができる。１４としては賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものが使用できる。
【００２９】
具体的には紙材１４としては、主強度材であり、強サイド性の晒または未晒の紙材、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク厚紙等の各種紙材を用いることができる。紙材１４はこれらの紙材を複数重ねたものであってもよい。
【００３０】
また使用する紙材１４は、坪量８０〜６００ｇ／ｍ２、好ましくは坪量１００〜４５０ｇ／ｍ２のものを使用することができる。紙材１４の厚さは１１０〜８６０μｍ、好ましくは１４０〜６４０μｍのものを使用することができる。
【００３１】
また包装材料１０のうち印刷領域９において、黒色インキ層１１に対してＹＶＯ４レーザー光がパターン状に照射される。この場合、黒色インキ層１１がレーザー光により昇華されて開口８ａが形成され、黒色インキ層１１の下方に位置する非黒色印刷層１２が開口８ａを介して外方へ露出する。
【００３２】
このように黒色インキ層１１の開口８ａを介して外方へ露出される非黒色印刷層１２によって、複数の文字または複数の数字を含むＩＤコード８が形成される。
【００３３】
上述した本発明の実施の形態において、包装材料１０の層構成は、ＰＥ層１５／紙材１４／ＰＥ層１３／非黒色印刷層１２／黒色インキ層１１となっており、黒色インキ層１１に対してレーザー光を照射することによりＩＤコード８が形成される。この場合、包装材料１０はＩＤコード８を有する印刷物となる。
【００３４】
また包装材料８を打抜くことにより、ブランク材１ａが得られるが、このブランク材１ａもＩＤコード８を有する印刷物となる。
【００３５】
次に非黒色印刷層１２、黒色インキ層１１およびＹＶＯ４レーザー光について、以下詳述する。
【００３６】
（非黒色印刷層１２）
非黒色印刷層１２は後述する黒色インキ層１１の黒色インキ顔料以外のインキ顔料を含む印刷層１２からなっている。
【００３７】
このような非黒色印刷層１２としては、シアニンブルー、カーミン６Ｂ、ジスアゾエロー等のようなインキ顔料を含む印刷層が考えられる。
【００３８】
（黒色インキ層１１）
黒色インキ層１１は黒色インキ顔料を含む印刷層となっており、このような黒色インキ顔料としては、カーボン、カーボンブラック等のようなインキ顔料が考えられる。
【００３９】
（ＹＶＯ４レーザー光）
上述のように黒色インキ層１１の所望部分に対してＹＶＯ４レーザー光を照射し、黒色インキ層１１の当該部分を除去して、ＩＤコード８を形成する（図２）。
【００４０】
本発明において使用するレーザー光はシングルモードのＹＶＯ４レーザー光である。シングルモードのレーザー光とは、一つのピークからなるレーザー光であって、焦点が絞られるため微細な加工に適している。
【００４１】
ＹＶＯ４レーザーは、ＹＡＧレーザーの一種で、当該レーザー光の波長は１０６４ｎｍで、黒色以外の色に吸収されにくい性質がある。
【００４２】
しかしながら、印字に長時間を要し、かつ、印字精度が低下するので好ましくない。
【００４３】
＜レーザー印字条件＞
レーザー印字の実施に際し特に重要な条件は出力、走査速度、パルス周波数であるが、レーザー出力装置の能力、印字面積、黒インキの材質、要求される印字時間、および、要求されるシンボルのグレード等によってレーザー印字条件は異なるため、具体的に範囲を限定することはできない。
【００４４】
レーザー印字速度を上げたい場合、出力を大きくして走査速度を上げるが、あまり走査速度が高すぎると走査精度が低下して印字物の仕上がりが雑になる。
【００４５】
レーザー印字物の仕上がりを良くしたい場合、出力を小さくして走査速度を下げると良いが、印字時間が長くなる。
【００４６】
パルス周波数は、黒インキ層１１の黒色顔料の材質によって最も効果的にインキを除去できる数値が異なる。パルス周波数は一般的にあまり大きく変動する数値ではないので、レーザー印字条件を求めるに際して、最初は適当な周波数に設定する。
【００４７】
そしてレーザー印字条件の選定にあたっては、レーザー印字物のシンボルを検証機で検証しながら出力と走査速度の組合せを何通りか試みてレーザー印字テストを実施し、希望に近い印字時間とグレードが得られたら、出力と走査速度を固定して周波数を何通りか変えてレーザー印字を試みてレーザー印字物の検証を実施する。最後に出力と走査速度の微調整を行って、最も好適なレーザー印字条件を選定する。
【００４８】
好適なレーザー印字条件を求める際、最も重要なことはコントラストであり、大抵のレーザー印字物のグレードはコントラストのグレードに左右される。
【００４９】
次にこのような構成からなる印刷物の作製方法について、図５（ａ）（ｂ）により説明する。
【００５０】
ここで図５（ａ）（ｂ）は印刷物の作製システムを示す図である。
【００５１】
図５（ａ）（ｂ）に示す印刷物の作製システム２０において、ＰＥ層１３／紙材１４／ＰＥ層１５からなり、予め巻かれた巻体状の紙基材１４Ａが供給部２１に装着されている。
【００５２】
図５（ａ）（ｂ）に示すように、供給部２１から紙基材１４Ａが繰り出され、紙基材１４ＡのＰＥ層１３上にオフセット印刷部２２により印刷が施され、多色の非黒色印刷層１２が形成される。
【００５３】
この場合、非黒色印刷層１２は、少なくとも折込部パネル６ａに対応する印刷領域９に形成される。
【００５４】
次に紙基材１４Ａ上に形成された印刷領域９の非黒色印刷層１２上に、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層１１が形成される。
【００５５】
このようにして、紙基材１４Ａの少なくとも印刷領域９上に非黒色印刷層１２が形成され、非黒色印刷層１２上に黒色インキ層１１が形成された紙基材１４Ａは、その後、レーザーマーカー２３に至る。
【００５６】
そしてこのレーザーマーカー２３により、黒色インキ層１１に対してＹＶＯ４レーザー光をパターン状に照射することにより黒色インキ層１１を昇華させて黒色インキ層１１パターン状の開口８ａが形成される。このことにより、黒色インキ層１１の開口８ａを介して黒色インキ層１１の下地となる非黒色印刷層１２が外方へ現れ、開口８ａを介して外方へ露出する非黒色印刷層１２によって、ＩＤコード８が形成される。
【００５７】
このようにしてＩＤコード８を有する包装材料１０が得られる。
【００５８】
この場合、包装材料１０のＩＤコード８は、対応するブランク材１ａおよび紙容器を示すＩＤコードとなる。
【００５９】
次に包装材料１０は打抜装置２４に至り、この打抜装置２４において包装材料１０が打抜かれて紙容器１用のブランク材１ａが得られる。
【００６０】
次にブランク材１ａは、コンベア２５により搬送された後、集積部２６上に集積される。
【００６１】
以上のように本実施の形態によれば、包装材料１０あるいはブランク材１ａにＩＤコード８を付す場合、ＩＤコード８をＹＶＯ４レーザー光を用いて容易かつ確実に、精度良くＩＤコード８を形成することができる。
【００６２】
第２の実施の形態
次に図４により、本発明によるレーザー光を用いた印刷方法および印刷物の第２の実施の形態について説明する。
【００６３】
図４に示す第２の実施の形態は包装材料１０の層構成が異なるのみであり、他の構成は図１乃至図３および図５（ａ）（ｂ）に示す第１の実施の形態と略同一である。
【００６４】
図４に示すように、包装材料１０は紙基材１４Ａと、紙基材１４Ａのうち折込部パネル６ａの印刷領域９に形成された黒色インキ顔料を含むパターン状の黒色インキ層１１と、パターン状の黒色インキ層１１以外の部分に形成された非黒色印刷層１２とを備えている。
【００６５】
このうち、紙基材１４Ａはポリエチレン層（ＰＥ層）１３／紙材１４／ポリエチレン層（ＰＥ層）１５とからなる。紙基材としては、一般的な積層体を使用することができる。具体的には、ＰＥ／紙材、ＰＥ／紙材／ＰＥ、ＰＥ／紙材／ＰＥ／ＰＥＴ／ＰＥ、ＰＰ／紙材、ＰＰ／紙材／ＰＰ、等がある。ＰＥには高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンを用いることができる。紙材１４としては賦型性、耐屈曲性、剛性、腰、強度等を有するものが使用できる。
【００６６】
具体的には紙材１４としては、主強度材であり、強サイド性の晒または未晒の紙材、純白ロール紙、クラフト紙、板紙、加工紙、ミルク厚紙等の各種紙材を用いることができる。紙材１４はこれらの紙材を複数重ねたものであってもよい。
【００６７】
また使用する紙材１４は、坪量８０〜６００ｇ／ｍ２、好ましくは坪量１００〜４５０ｇ／ｍ２のものを使用することができる。紙材１４の厚さは１１０〜８６０μｍ、好ましくは１４０〜６４０μｍのものを使用することができる。
【００６８】
また包装材料１０のうち印刷領域９において、黒色インキ層１１を含めた周辺領域ＹＶＯ４レーザー光がパターン状に照射される。この場合、黒色インキ層１１がレーザー光により昇華されて非黒色印刷層１２間に開口８ａが形成され、黒色インキ層１１の下方に位置する紙基材１４Ａが開口８ａを介して外方へ露出する。
【００６９】
このようにして、非黒色印刷層１２と、開口８ａを介して外方へ露出される紙基材１４Ａとによって、複数の文字または複数の数字を含むＩＤコード８が形成される。
【００７０】
上述した本発明の実施の形態において、包装材料１０の層構成は、ＰＥ層１５／紙材１４／ＰＥ層１３／非黒色印刷層１２および黒色インキ層１１となっており、黒色インキ層１１に対してレーザー光を照射することによりＩＤコード８が形成される。この場合、包装材料１０はＩＤコード８を有する印刷物となる。
【００７１】
また包装材料８を打抜くことにより、ブランク材１ａが得られるが、このブランク材１ａもＩＤコード８を有する印刷物となる。本実施例においては、ＹＶＯ４レーザーを使用して印刷物を作製したが、レーザーはＹＶＯ４レーザーに限られるものでなく、ＹＡＧ、炭酸ガス等の一般的なレーザーも使用できる。
【符号の説明】
【００７２】
１ 紙容器
２ 胴部
３ 傾斜板
５ 底部
６ 折込部
７ 上部
８ ＩＤコード
９ 印刷領域
１０ 包装材料
１１ 黒色インキ層
１２ 非黒色印刷層
１３ ＰＥ層
１４ 紙材
１４Ａ 紙基材
１５ ＰＥ層
【特許請求の範囲】
【請求項１】
紙基材を準備する工程と、
紙基材の所望位置に対して印刷を施して、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を形成し、非黒色印刷層上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層を形成する工程、又は、紙基材の所望位置に対して印刷を施して、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層を形成し、黒色インキ層の上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を形成する工程と、
黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させることによりＩＤコードを形成する工程と、
を備えたことを特徴とする印刷物の作製方法。
【請求項２】
紙基材を準備する工程と、
紙基材の所望位置に印刷を施すことにより、黒色インキ顔料を含むパターン状の黒色インキ層を形成するとともに、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を形成する工程と、
黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させて、非黒色印刷層によってＩＤコードを形成する工程と、
を備えたことを特徴とする印刷物の作製方法。
【請求項３】
紙基材と、
紙基材の所望位置に対して印刷を施すことにより形成された、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層と、非黒色印刷層上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層を備えるか、又は、紙基材の所望位置に対して印刷を施すことにより形成された、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層と、黒色インキ層の上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を備え、
黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させることによりＩＤコードが形成されていることを特徴とする印刷物。
【請求項４】
紙基材と、
紙基材の所望位置に印刷を施すことにより形成された、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層と、非黒色印刷層上に印刷を施すことにより形成された黒色インキ層とを備え、
黒色インキ層に対してレーザー光をパターン状に照射して黒色インキ層を昇華させて、非黒色印刷層を外方に露出させることによりＩＤコードが形成されていることを特徴とする印刷物。
【請求項５】
印刷物は紙容器用のブランク材であることを特徴とする請求項３または４に記載の印刷物。
【請求項６】
紙容器用のブランク材は、対向する一対の傾斜板と、傾斜板間に位置する一対の折込部とを有するゲーベルトップ型紙容器用のブランク材であって、ＩＤコードは複数の文字または複数の数字を含まれていることを特徴とする請求項３または４記載の印刷物。
【請求項１】
紙基材を準備する工程と、
紙基材の所望位置に対して印刷を施して、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を形成し、非黒色印刷層上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層を形成する工程、又は、紙基材の所望位置に対して印刷を施して、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層を形成し、黒色インキ層の上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を形成する工程と、
黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させることによりＩＤコードを形成する工程と、
を備えたことを特徴とする印刷物の作製方法。
【請求項２】
紙基材を準備する工程と、
紙基材の所望位置に印刷を施すことにより、黒色インキ顔料を含むパターン状の黒色インキ層を形成するとともに、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を形成する工程と、
黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させて、非黒色印刷層によってＩＤコードを形成する工程と、
を備えたことを特徴とする印刷物の作製方法。
【請求項３】
紙基材と、
紙基材の所望位置に対して印刷を施すことにより形成された、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層と、非黒色印刷層上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層を備えるか、又は、紙基材の所望位置に対して印刷を施すことにより形成された、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層と、黒色インキ層の上に黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層を備え、
黒色インキ層に対してレーザー光を照射して黒色インキ層を昇華させることによりＩＤコードが形成されていることを特徴とする印刷物。
【請求項４】
紙基材と、
紙基材の所望位置に印刷を施すことにより形成された、黒色インキ顔料を含む黒色インキ層以外の非黒色印刷層と、非黒色印刷層上に印刷を施すことにより形成された黒色インキ層とを備え、
黒色インキ層に対してレーザー光をパターン状に照射して黒色インキ層を昇華させて、非黒色印刷層を外方に露出させることによりＩＤコードが形成されていることを特徴とする印刷物。
【請求項５】
印刷物は紙容器用のブランク材であることを特徴とする請求項３または４に記載の印刷物。
【請求項６】
紙容器用のブランク材は、対向する一対の傾斜板と、傾斜板間に位置する一対の折込部とを有するゲーベルトップ型紙容器用のブランク材であって、ＩＤコードは複数の文字または複数の数字を含まれていることを特徴とする請求項３または４記載の印刷物。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１２−１１６３１（Ｐ２０１２−１１６３１Ａ）
【公開日】平成２４年１月１９日（２０１２．１．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１４９４２２（Ｐ２０１０−１４９４２２）
【出願日】平成２２年６月３０日（２０１０．６．３０）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１月１９日（２０１２．１．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年６月３０日（２０１０．６．３０）
【出願人】（０００００２８９７）大日本印刷株式会社 (14,506)
【Ｆターム（参考）】
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