説明

レーザ加工装置およびそれを用いたレーザ加工方法

【課題】レーザ溶接による溶接不良の発生を抑制した溶接装置を提供することにある。
【解決手段】ワークチェンジャ13により第1の真空チャンバ10内にワークWが搬送された状態にて第2の真空チャンバ30内の圧力が第1の所定値以下である場合に、シャッタ12により搬送口11を閉塞する一方、第1のゲート弁22を開放するように制御し、第1の真空チャンバ10内の圧力が第2の所定値以下になったときに加工ヘッド14からワークWにレーザLを照射するようにレーザ光発振器51を制御する制御装置52を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工装置およびそれを用いたレーザ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
2つ以上の部材を溶融・一体化させる加工の一種である溶接として、電子ビーム溶接やレーザ溶接などが挙げられる。
【0003】
上記レーザ溶接では、直径数mm程度の微小な加工点に数kWのエネルギーを集中させ、この加工点にて激しい蒸発を生じさせている。そして、レーザから得た熱と蒸発反力によって加工点にキーホール(深い穴)を形成しながら溶接が進行している。そのため、レーザ溶接を大気中で行うと、溶融している金属に接する大気中の窒素が金属内に溶け込み、溶融金属が凝固するときに、この窒素が析出して泡となってそのまま固まってブローホールやポロシティが生じてしまうことが知られている。
【0004】
また、上記電子ビーム溶接でも、上記レーザ溶接と同様、電子ビームを加工点に当てて加熱するために、この加工点にキーホールを形成しながら溶接が進行している。この電子ビーム溶接は、高真空(例えば10のマイナス5乗Torr〜10のマイナス4乗Torr)にて行われている。そのため、溶融金属内への窒素の入り込みが防止されてブローホールなどの溶接不良の発生が抑制されている。
【0005】
【特許文献1】特開平6−269956号公報
【特許文献2】特開昭62−168693号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した電子ビーム溶接を利用した溶接装置として、真空容器の前後に差動排気チャンバを設け、差動排気チャンバと真空容器に排気のための真空ポンプを接続した部分真空電子ビーム溶接装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この部分真空電子ビーム溶接装置では、真空容器内を所定の圧力に排気することができるものの、真空ポンプを連続的に動作させなければならない上に10のマイナス4乗といった高真空まで排気するものであり、設備コストを増加させていた。
【0007】
また、レーザ溶接を利用した溶接法であって、真空溶接チャンバ内を70Torr程度まで排気する排気ポンプを設けて、ポロシティなどの発生を抑制した真空レーザ溶接法が知られている(例えば、特許文献2参照)。この真空レーザ溶接法にて用いられる排気ポンプ(真空ポンプ)は、70Torr程度まで排気するものであり、10のマイナス4乗Torr程度まで排気する真空ポンプと比べて安価であり設備コストの増加を抑制することができるものの、真空溶接チャンバ内へ被溶接物を搬入したり真空溶接内から被溶接物を搬出したりするときに、真空溶接チャンバを大気開放しなければならなかった。そのため、真空溶接チャンバ内を所定の圧力以下に排気するために時間を要しており、生産効率を低下させていた。
【0008】
そこで、本発明は、前述した問題に鑑み提案されたもので、レーザ加工であっても、高品質にて効率良く施工することができるレーザ加工装置およびそれを用いたレーザ加工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決する第1の発明に係るレーザ加工装置は、
レーザ光発振手段からのレーザ光を加工ヘッドから被加工物に照射して当該被加工物を加工するレーザ加工装置であって、
前記加工ヘッドが配置される第1の真空チャンバと、
前記第1の真空チャンバに設けられ、前記被加工物の搬入および搬出を行う搬送口を開閉可能なシャッタと、
前記第1の真空チャンバと第1の配管を介して連結して設けられる第2の真空チャンバと、
前記第1の配管に設けられる第1のバルブと、
前記第2の真空チャンバに連結して設けられ、真空排気する真空排気手段と、
前記第1の真空チャンバ内への前記被加工物の搬入および前記第1の真空チャンバ内からの前記被加工物の搬出を行う被加工物搬送手段と、
前記第1の真空チャンバ内の圧力を計測する第1の圧力計測手段と、
前記第2の真空チャンバ内の圧力を計測する第2の圧力計測手段と、
前記被加工物搬送手段により前記第1の真空チャンバ内に前記被加工物が搬送された状態にて、前記第2の真空チャンバ内の圧力が第1の所定値以下であるときに、前記搬送口を閉塞するように前記シャッタを制御するシャッタ制御手段と、
前記シャッタにより前記搬送口を閉塞したときに前記第1のバルブを開放するように制御するバルブ制御手段と、
前記第1の真空チャンバ内の圧力が前記第2の所定値以下であるときに、前記加工ヘッドから前記被加工物にレーザを照射するように前記レーザ光発振手段を制御するレーザ光発振制御手段とを具備する
ことを特徴とする。
【0010】
上述した課題を解決する第2の発明に係るレーザ加工装置は、
第1の発明に係るレーザ加工装置であって、
前記第2の真空チャンバが、前記第1の真空チャンバと同じまたはそれよりも大きい容積を有する
ことを特徴とする。
【0011】
上述した課題を解決する第3の発明に係るレーザ加工方法は、
レーザ光発振手段からのレーザ光を被加工物に照射する加工ヘッドが配置される第1の真空チャンバと、
前記第1の真空チャンバに設けられ、前記被加工物の搬入および搬出を行う搬送口を開閉可能なシャッタと、
前記第1の真空チャンバと第1の配管を介して連結して設けられる第2の真空チャンバと、
前記第1の配管に設けられる第1のバルブと、
前記第2の真空チャンバに連結して設けられ、真空排気する真空排気手段と、
前記第1の真空チャンバ内への前記被加工物の搬入および前記第1の真空チャンバ内からの前記被加工物の搬出を行う被加工物搬送手段と、
前記第1の真空チャンバ内の圧力を計測する第1の圧力計測手段と、
前記第2の真空チャンバ内の圧力を計測する第2の圧力計測手段とを具備するレーザ加工装置を用いて前記被加工物にレーザを照射して加工するレーザ加工方法であって、
前記被加工物搬送手段により前記第1の真空チャンバ内に前記被加工物が搬送された状態にて前記第2の真空チャンバ内の圧力が第1の所定値以下である場合に、前記シャッタにより前記搬送口を閉塞する一方、前記第1のバルブを開放し、前記第1の真空チャンバ内の圧力が第2の所定値以下になったときに前記加工ヘッドから前記被加工物にレーザを照射して当該被加工物を加工する
ことを特徴とする。
【0012】
上述した課題を解決する第4の発明に係るレーザ加工方法は、
第3の発明に係るレーザ加工方法であって、
前記第2の真空チャンバが、前記第1の真空チャンバと同じまたはそれよりも大きい容積を有する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るレーザ加工装置およびこれを用いたレーザ加工方法によれば、第2の真空チャンバ内を真空排気した状態で第2の真空チャンバと第1の真空チャンバとを連通させることで、第1の真空チャンバと第2の真空チャンバとをその容積比による真空度の落ち込みに軽減することができる。第2の真空チャンバ内の気圧及びその容積に応じて第1の真空チャンバ内の気圧の上昇を抑制することができる。その結果、第1の真空チャンバが大気圧の状態から真空排気する場合と比べて、第1の真空チャンバを真空排気する時間を短縮できる。よって、加工作業の効率が向上する。また、第1の真空チャンバ内の圧力が第2の所定値以下であるときに被加工物にレーザを照射して加工するため、大気中にて被加工物へのレーザの照射により生じる溶接不良の発生を抑制できる。よって、レーザ加工であっても、高品質にて効率良く施工することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、本発明に係るレーザ加工装置およびそれを用いたレーザ加工方法の実施形態を図面に基づき説明する。
【0015】
[第一番目の実施形態]
以下に、本発明に係るレーザ加工装置およびそれを用いた溶接方法の第一番目の実施形態につき、図1および図2に基づいて説明する。
図1はレーザ加工装置の概略構成図であり、図2はそれを用いてワークを加工するときの制御フローを示す図である。
【0016】
本実施形態に係るレーザ加工装置70は、図1に示すように、被加工物(ワーク)WにレーザLを照射して加工を行うユニットとして4つの加工ユニット60A,60B,60C,60Dを具備する。このレーザ加工装置70は加工ユニット60A,60B,60C,60Dの各機器およびレーザ光発振器51を制御する制御装置52をさらに具備する。なお、ワークWとしてはタービンロータなどが挙げられる。
【0017】
加工ユニット60Aには第1の真空チャンバ10が設けられている。この第1の真空チャンバ10には搬送口11が設けられている。この搬送口11を通じて第1の真空チャンバ10内へのワークWの搬入および第1の真空チャンバ10内からのワークWの搬出が行われる。この搬送口11には、当該搬送口11の開閉を行うシャッタ12が設けられる。第1の真空チャンバ10には例えばターンテーブルのようなワークチェンジャ(被加工物搬送手段)13が設けられており、このワークチェンジャ13により第1の真空チャンバ10内へのワークWの搬入および第1の真空チャンバ10内からのワークWの搬出が行われている。なお、ワークチェンジャ13には、ワークWを固定するための固定具(図示せず)が、またシャッターには、ワークチェンジャと摺動する部分に適宜エアシール(図示せず)が、設けられている。
【0018】
第1の真空チャンバ10内には加工ヘッド14が設けられている。この加工ヘッド14は、レーザ光発振器51と光ファイバ53を介して連結されている。この加工ヘッド14からレーザLをワークWに照射することで加工が進行する。この加工ヘッド14は駆動軸15が設けられており、ワークWに対して相対的に移動可能になっている。この第1の真空チャンバ10内には、当該第1の真空チャンバ10内の圧力を計測する第1の圧力計測手段である第1の圧力計測器41が設けられている。
【0019】
第1の真空チャンバ10には、第1の配管21を介して第2の真空チャンバ30が連結して設けられている。この第1の配管21には第1のゲート弁(第1のバルブ)22が取付けられている。この第2の真空チャンバ30には、第2の配管32を介して真空排気手段である真空ポンプ34が連結されている。第2の配管32には第2のゲート弁(第2のバルブ)33が取付けられている。この第2の真空チャンバ30内には、当該第2の真空チャンバ30内の圧力を計測する第2の圧力計測手段である第2の圧力計測器42が設けられている。第2の真空チャンバ30は、第1の真空チャンバ10と同等以上の容積を持つ。
【0020】
上述した制御装置52には、シャッタ12、ワークチェンジャ13、真空ポンプ34、第1の圧力計測器41、第2の圧力計測器42との間にて制御信号および計測データを送受信可能な信号線54A、54B、54C、54D、54Eが設けられている。なお、駆動軸15、第1のゲート弁22、第2のゲート弁33と制御装置52との間にも制御信号を送受信可能な信号線(図示せず)が設けられている。
【0021】
なお、加工ユニット60B,60C,60Dは、上述した加工ユニット60Aと同一の機器構成を具備している。
【0022】
ここで、上述した構成のレーザ加工装置70によるワークWを加工するときの制御フローにつき図2を参照して説明する。
【0023】
図2に示すように、最初に第1のゲート弁22が閉塞されているか判定する(ステップS1)。このステップS1にて、第1のゲート弁22が閉塞されていない場合には、ステップS2に進み、第1のゲート弁22が閉塞されている場合には、ステップS3に進む。
【0024】
続いて、ステップS2にて、第1のゲート弁22が閉塞され、ステップS3に進む。
【0025】
ステップS3にてワークチェンジャ13によりワークWが第1の真空チャンバ10内に搬入され、ステップS4に進む。
【0026】
ステップS4にて、真空ポンプ34が駆動され、第2の真空チャンバ30が真空排気される。
【0027】
続いて、ステップS5に進む。このステップS5にて、第2の圧力計測器42により計測された第2の真空チャンバ30内の圧力(P2)が第1の所定値(P10)以下であるか判定する(ステップS3)。この第1の所定値としては、例えば、10のマイナス1乗Torrなどが挙げられる。第2の真空チャンバ30内の圧力(P2)が第1の所定値(P10)よりも高い場合には、ステップS5に戻る。第2の真空チャンバ30内の圧力(P2)が第1の所定値(P10)と同じまたはそれよりも低い場合には、ステップS6に進む。
【0028】
ステップS6にて、シャッタ12により搬送口11が閉塞され、ステップS7に進む。
【0029】
ステップS7にて、第1のゲート弁22が開放され第2の真空チャンバ30と第1の真空チャンバ10とが連通した状態になり、ステップS8に進む。
【0030】
続いて、このステップS8にて、第1の圧力計測器41により計測された第1の真空チャンバ10内の圧力(P1)が第2の所定値(P20)以下であるか判定する。この第2の所定値としては、例えば、70Torrなどが挙げられる。第1の真空チャンバ10内の圧力(P1)が第2の所定値(P20)よりも高い場合には、ステップS8に戻る。第1の真空チャンバ10内の圧力(P1)が第2の所定値(P20)と同じまたはそれよりも低い場合には、ステップS9に進む。
【0031】
ステップS9にて加工ヘッド14からレーザLを照射してワークWに対して溶接加工が行われる。なお、この溶接加工には、ワークを溶接加工する前に行われるワークに対する予熱処理、ワークを溶接加工した後に行われるワークに対する後熱処理が含まれている。
【0032】
続いてステップS10にて第1のゲート弁22を閉塞し、ステップS11に進む。
【0033】
続いて、このステップS11にてシャッタ12を開け搬送口11が開放され、ワークチェンジャ13により第1の真空チャンバ10内からワークWが搬出され、真空ポンプ34を停止する(ステップS12)。
【0034】
すなわち、上述した制御装置52はワークチェンジャ13により第1の真空チャンバ10内にワークWが搬送された状態にて、第2の真空チャンバ30内の圧力が第1の所定値以下であるときに、搬送口11を閉塞するようにシャッタ12を制御するシャッタ制御手段を具備している。また、この制御装置52は、シャッタ12により搬送口11を閉塞したときに第1のゲート弁22を開放するように制御するバルブ制御手段も具備している。制御装置52はさらに、第1の真空チャンバ10内の圧力が第2の所定値以下であるときに、加工ヘッド14からワークWにレーザLを照射するようにレーザ光発振器51を制御するレーザ光発振制御手段も具備している。
【0035】
したがって、このような構成のレーザ加工装置70によれば、ワークチェンジャ13により第1の真空チャンバ10内にワークWが搬送された状態にて、第2の真空チャンバ30内の圧力(P2)が第1の所定値(P10)以下であるときに、搬送口11を閉塞するようにシャッタ12を制御し、シャッタ12により搬送口11を閉塞したときに第1のゲート弁22を開放するように制御すると共に、第1の真空チャンバ10内の圧力が第2の所定値(P20)以下であるときに、加工ヘッド14からワークWにレーザLを照射するようにレーザ光発振器51を制御する制御装置52を具備することにより、第2の真空チャンバ30内を真空排気した状態で第2の真空チャンバ30と第1の真空チャンバ10とを連通させることで、第1の真空チャンバ10と第2の真空チャンバ30とをその容積比による真空度の落ち込みに軽減することができる。第2の真空チャンバ30内の気圧及びその容積に応じて第1の真空チャンバ10内の気圧の上昇を抑制することができる。その結果、第1の真空チャンバ10が大気圧の状態から真空排気する場合と比べて、第1の真空チャンバ10を真空排気する時間を短縮できる。よって、加工作業の効率が向上する。また、第1の真空チャンバ10内の圧力が第2の所定値(P20)以下であるときにワークWにレーザLを照射して加工するため、大気中にてワークへのレーザの照射により生じる溶接不良の発生を抑制できる。よって、レーザ加工であっても、高品質にて効率良く施工することができる。
【0036】
[他の実施形態]
なお、上記では、4つのユニット60A,60B,60C,60Dを具備するレーザ加工装置70を用いて説明したが、このようなユニットを1つ、2つ、3つ、または5つ以上具備するレーザ加工装置とすることも可能である。このようなレーザ加工装置であっても、上述したレーザ加工装置70と同様な作用効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係るレーザ加工装置及びそれを用いたレーザ加工方法は、レーザ加工であっても、高品質にて効率良く施工することができるので、金属加工産業等において、極めて有益に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第一番目の実施形態に係るレーザ加工装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第一番目の実施形態に係るレーザ加工装置を用いてワークを加工するときの制御フローを示す図である。
【符号の説明】
【0039】
10 第1の真空チャンバ
11 搬送口
12 シャッタ
13 ワークチェンジャ
14 加工ヘッド
21 第1の配管
22 第1のゲート弁
30 第2の真空チャンバ
32 第2の配管
33 第2のゲート弁
34 真空ポンプ
41 第1の圧力計測器
42 第2の圧力計測器
51 レーザ光発振器
52 制御装置
70 レーザ加工装置
L レーザ光
W 被加工物(ワーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光発振手段からのレーザ光を加工ヘッドから被加工物に照射して当該被加工物を加工するレーザ加工装置であって、
前記加工ヘッドが配置される第1の真空チャンバと、
前記第1の真空チャンバに設けられ、前記被加工物の搬入および搬出を行う搬送口を開閉可能なシャッタと、
前記第1の真空チャンバと第1の配管を介して連結して設けられる第2の真空チャンバと、
前記第1の配管に設けられる第1のバルブと、
前記第2の真空チャンバに連結して設けられ、真空排気する真空排気手段と、
前記第1の真空チャンバ内への前記被加工物の搬入および前記第1の真空チャンバ内からの前記被加工物の搬出を行う被加工物搬送手段と、
前記第1の真空チャンバ内の圧力を計測する第1の圧力計測手段と、
前記第2の真空チャンバ内の圧力を計測する第2の圧力計測手段と、
前記被加工物搬送手段により前記第1の真空チャンバ内に前記被加工物が搬送された状態にて、前記第2の真空チャンバ内の圧力が第1の所定値以下であるときに、前記搬送口を閉塞するように前記シャッタを制御するシャッタ制御手段と、
前記シャッタにより前記搬送口を閉塞したときに前記第1のバルブを開放するように制御するバルブ制御手段と、
前記第1の真空チャンバ内の圧力が前記第2の所定値以下であるときに、前記加工ヘッドから前記被加工物にレーザを照射するように前記レーザ光発振手段を制御するレーザ光発振制御手段とを具備する
ことを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたレーザ加工装置であって、
前記第2の真空チャンバは、前記第1の真空チャンバと同じまたはそれよりも大きい容積を有する
ことを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項3】
レーザ光発振手段からのレーザ光を被加工物に照射する加工ヘッドが配置される第1の真空チャンバと、
前記第1の真空チャンバに設けられ、前記被加工物の搬入および搬出を行う搬送口を開閉可能なシャッタと、
前記第1の真空チャンバと第1の配管を介して連結して設けられる第2の真空チャンバと、
前記第1の配管に設けられる第1のバルブと、
前記第2の真空チャンバに連結して設けられ、真空排気する真空排気手段と、
前記第1の真空チャンバ内への前記被加工物の搬入および前記第1の真空チャンバ内からの前記被加工物の搬出を行う被加工物搬送手段と、
前記第1の真空チャンバ内の圧力を計測する第1の圧力計測手段と、
前記第2の真空チャンバ内の圧力を計測する第2の圧力計測手段とを具備するレーザ加工装置を用いて前記被加工物にレーザを照射して加工するレーザ加工方法であって、
前記被加工物搬送手段により前記第1の真空チャンバ内に前記被加工物が搬送された状態にて前記第2の真空チャンバ内の圧力が第1の所定値以下である場合に、前記シャッタにより前記搬送口を閉塞する一方、前記第1のバルブを開放し、前記第1の真空チャンバ内の圧力が第2の所定値以下になったときに前記加工ヘッドから前記被加工物にレーザを照射して当該被加工物を加工する
ことを特徴とするレーザ加工方法。
【請求項4】
請求項3に記載されたレーザ加工方法であって、
前記第2の真空チャンバは、前記第1の真空チャンバと同じまたはそれよりも大きい容積を有する
ことを特徴とするレーザ加工方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−202200(P2009−202200A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47083(P2008−47083)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】