説明

レーザ装置および冷却液の電気抵抗の測定方法

【課題】レーザ装置を停止させ分解し、測定プローブを定期的に清掃する必要がなく、当該測定プローブによって冷却液の電気抵抗を常時正確に測定することができ、フィルタやイオン交換樹脂のメンテナンスを適切に行えるとともに、レーザ装置を省電力、小型化することができる。
【解決手段】レーザ装置は、レーザ媒質32と、当該レーザ媒質32を励起してレーザ光Lを発生させる励起光源31と、レーザ媒質32および励起光源31を収容するとともに、冷却液Wが充填された励起チャンバ35と、を備えている。励起チャンバ35には、励起チャンバ35から排出された冷却液Wを再び励起チャンバ35に戻す循環ライン1が連結され、この循環ライン1には、冷却液Wの電気抵抗を測定する測定プローブ10が設置されている。レーザ装置は、測定プローブ10を洗浄するプローブ洗浄手段61,21,11も備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ媒質と当該レーザ媒質を励起してレーザ光を発生させる励起光源とを、冷却液によって冷却するレーザ装置および当該レーザ装置の冷却液の電気抵抗を測定する測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来一般的に広く用いられているレーザ装置は、ランプ(放電管)やレーザダイオードといった励起光源および固体レーザ媒質を励起チャンバ内に収容し、この励起チャンバ内に冷却液を循環させることによって、励起光源および固体レーザ媒質を冷却している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
冷却液としては純水や一般水(水道水)などが用いられるが、フィルタやイオン交換樹脂を用いて、冷却液に含まれるゴミを除去し、冷却液の電気抵抗を維持している。
【0004】
従来から、冷却液Wの電気抵抗は、プローブ収容部17内に収容され、電気抵抗解析部16に接続された測定プローブ10によって測定される(図7参照)。そして、測定プローブ10によって測定された電気抵抗から、イオン交換樹脂やフィルタの交換時期を判断する(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、図7に示すように、測定プローブ10に雑菌類Vや藻が繁殖してしまうと、冷却液Wの電気抵抗を正確に測定できなくなることがある。このため、レーザ装置を停止分解し、測定プローブ10を定期的に清掃する必要があり、手間がかかっていた。
【0005】
また、測定プローブ10に雑菌類Vや藻が繁殖してしまうと、冷却液Wの電気抵抗が低くなったときでも、その状態を検知できず、始動時や稼働時に励起光源の端子間が水中で短絡してしまい、始動不可や、電気的破損を引き起こして励起光源が点灯しなくなる(レーザ装置がダウンする)ことがあり、潜在的に大きなリスクを抱えることを余儀なくされていた。
【0006】
さらに、励起光源としてレーザダイオード(LD)を用いる場合には、通常、LD励起モジュール内の細管によって冷却液Wを循環させているが、フィルタ交換が適切なタイミングで行えないと、冷却液の汚れによりその細管が目詰まりなどを起こしてしまい、冷却効率が下がり、LD発光やレーザ発振の劣化などが起こってしまう。
【0007】
このような問題を解決するために、冷却液の循環路に冷却液を殺菌する殺菌機構を設け、冷却液自体を殺菌することが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】実公平02−038459号
【特許文献2】特開平06−154747号
【特許文献3】特開2002−190638号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献3では、大量の冷却液自体を殺菌するため、殺菌装置も大掛かりなものになってしまっている。
【0009】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、レーザ装置を停止させ分解し、測定プローブを定期的に清掃する必要がなく、当該測定プローブによって冷却液の電気抵抗を常時正確に測定することができ、フィルタやイオン交換樹脂のメンテナンスを適切に行えるとともに、省電力、小型化されたレーザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、レーザ媒質と、
当該レーザ媒質を励起してレーザ光を発生させる励起光源と、
レーザ媒質および励起光源を収容するとともに、冷却液が充填された励起チャンバと、
励起チャンバに連結され、励起チャンバから排出された冷却液を再び励起チャンバに戻す循環ラインと、
循環ラインに設置され、冷却液の電気抵抗を測定する測定プローブと、
測定プローブを洗浄するプローブ洗浄手段と、
を備えたことを特徴とするレーザ装置である。
【0011】
このような構成によって、レーザ装置を停止させ分解し、測定プローブを定期的に清掃する必要がなく、当該測定プローブによって冷却液の電気抵抗を常時正確に測定することができ、フィルタやイオン交換樹脂のメンテナンスを適切に行えるとともに、レーザ装置を省電力、小型化することができる。
【0012】
本発明は、プローブ洗浄手段が、循環ラインに設けられ、循環ライン内を流れる冷却液の流量を調整する流量調整装置からなり、
当該流量調整装置によって、循環ライン内を流れる冷却液の流速を一定周期で増減させることを特徴とするレーザ装置である。
【0013】
このような構成によって、冷却液によって、雑菌類や藻が測定プローブの表面に付着しにくくなるとともに、たとえ雑菌類や藻が付着したとしても、このような雑菌類や藻を効率的に洗い流すことができる。
【0014】
本発明は、プローブ洗浄手段が、循環ラインに設けられ、循環ライン内を流れる冷却液の流量を調整する流量調整装置からなり、
測定プローブで測定された電気抵抗の値に基づいて流量調整装置を制御する流量制御部、をさらに備え、
流量制御部は、測定プローブで測定された電気抵抗の値が異常値である場合に、流量調整装置によって循環ライン内を流れる冷却液の流量を増加または増減させることを特徴とするレーザ装置である。
【0015】
このような構成によって、たとえ測定プローブの表面に雑菌類や藻が付着しても、当該雑菌類や藻を容易に洗い流すことができる。
【0016】
本発明は、測定プローブを収容し、冷却液の流入する流入口と冷却液の流出する流出口とを有するプローブ収容部、をさらに備え、
測定プローブが、前記流入口または前記流出口の正面に配置されていることを特徴とするレーザ装置である。
【0017】
このような構成によって、雑菌類や藻を付着しにくくすることができるとともに、たとえ測定プローブの表面に雑菌類や藻が付着しても、当該雑菌類や藻を容易に洗い流すことができる。
【0018】
本発明は、流量制御部に接続された判定出力部をさらに備え、
流量制御部は、循環ライン内を流れる冷却液の流量を所定時間の間増加させた状態で維持させた後、または、冷却液の流量を所定時間の間増減させた後、測定プローブによって冷却液の電気抵抗を測定させ、当該電気抵抗の値が正常値に戻った場合には、測定プローブが汚れていたと判断し、その旨を判定出力部に出力させ、前記電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値以下の場合には、測定プローブは汚れておらず冷却液が汚れていると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させ、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値より大きい場合には、冷却液が汚れている、または測定プローブが汚れている若しくは測定プローブが故障していると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させることを特徴とするレーザ装置である。
【0019】
このような構成によって、操作者は、冷却液が汚れている、または、測定プローブが汚れている若しくは測定プローブが故障しているということを把握することができる。
【0020】
本発明は、前記電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値より大きい場合には、流量制御部は、循環ライン内を流れる冷却液の流量を所定時間の間増加させた状態で維持させた後、または、冷却液の流量を所定時間の間増減させた後、測定プローブによって冷却液の電気抵抗を測定させ、冷却液の電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値以下の場合には、冷却液が汚れていると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させ、他方、冷却液の電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値よりも大きい場合には、測定プローブが汚れているまたは測定プローブが故障していると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させることを特徴とするレーザ装置である。
【0021】
このような構成によって、操作者は、冷却液が汚れているか、または、測定プローブが汚れている若しくは測定プローブが故障しているかを確実に把握することができる。
【0022】
本発明は、プローブ洗浄手段が、測定プローブに対してエネルギーを付与するエネルギー付与手段からなることを特徴とするレーザ装置である。
【0023】
このような構成によって、測定プローブに雑菌類が繁殖してしまうことをより効率的に防止することできる。
【0024】
本発明は、エネルギー付与手段が、一定周期で測定プローブに対してエネルギーを付与することを特徴とするレーザ装置である。
【0025】
このような構成によって、エネルギー効率よく、測定プローブに雑菌類が繁殖してしまうことを防止することができる。
【0026】
本発明は、測定プローブで測定された電気抵抗の値に基づいてエネルギー付与手段を制御するエネルギー制御部、をさらに備え、
エネルギー制御部が、測定プローブで測定された電気抵抗の値が異常値である場合に、エネルギー付与手段によって測定プローブにエネルギーを付与させることを特徴とするレーザ装置である。
【0027】
このような構成によって、必要な場合にのみ、測定プローブにエネルギーを付与することができるので、無駄なくかつ効率よく、測定プローブから雑菌類を除去することができる。
【0028】
本発明は、エネルギー制御部に接続された判定出力部をさらに備え、
エネルギー制御部は、所定時間の間、エネルギー付与手段によって測定プローブにエネルギーを付与させた後、測定プローブによって冷却液の電気抵抗を測定させ、当該電気抵抗の値が正常値に戻った場合には、測定プローブが汚れていたと判断し、その旨を判定出力部に出力させ、前記電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値以下の場合には、測定プローブは汚れておらず冷却液が汚れていると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させ、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値より大きい場合には、冷却液が汚れている、または測定プローブが汚れている若しくは測定プローブが故障していると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させることを特徴とするレーザ装置である。
【0029】
このような構成によって、操作者は、冷却液が汚れている、または、測定プローブが汚れている若しくは測定プローブが故障しているということを把握することができる。
【0030】
本発明は、前記電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値より大きい場合には、エネルギー制御部は、エネルギー付与手段によって測定プローブにエネルギーを付与させた後、測定プローブによって冷却液の電気抵抗を測定させ、冷却液の電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値以下の場合には、冷却液が汚れていると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させ、他方、冷却液の電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値よりも大きい場合には、測定プローブが汚れているまたは測定プローブが故障していると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させることを特徴とするレーザ装置である。
【0031】
このような構成によって、操作者は、冷却液が汚れているか、または、測定プローブが汚れている若しくは測定プローブが故障しているかを確実に把握することができる。
【0032】
本発明は、上述のレーザ装置の測定プローブが測定する冷却液の電気抵抗の測定方法において、
測定プローブで測定された電気抵抗の値が異常値である場合に、流量調整装置によって循環ライン内を流れる冷却液の流量を増加または増減させるか、または、エネルギー付与手段によって測定プローブにエネルギーを付与させる洗浄工程を、備えたことを特徴とする冷却液の電気抵抗の測定方法である。
【0033】
このような構成によって、効率よく、測定プローブに雑菌類が繁殖してしまうことを防止することができる。
【0034】
本発明は、上述のレーザ装置の測定プローブが測定する冷却液の電気抵抗の測定方法において、
測定プローブで測定された電気抵抗の値が異常値である場合に、流量調整装置によって循環ライン内を流れる冷却液の流量を増加させるか、または、エネルギー付与手段によって測定プローブにエネルギーを付与させる洗浄工程と、
所定時間の間、循環ライン内を流れる冷却液の流量を増加させた状態で維持、または、エネルギー付与手段によって測定プローブにエネルギーを付与した後、測定プローブによって冷却液の電気抵抗の値を測定する測定工程と、
測定プローブにより測定された冷却液の電気抵抗の値が正常値に戻った場合には、流量制御部またはエネルギー制御部によって測定プローブが汚れていたと判断し、前記電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値以下の場合には、流量制御部またはエネルギー制御部によって、測定プローブは汚れておらず冷却液が汚れていると判断し、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値より大きい場合には、冷却液が汚れている、または測定プローブが汚れている若しくは測定プローブが故障していると判断する判断工程と、
流量制御部またはエネルギー制御部によって判断された結果を、判定出力部に出力する出力工程と、を備えたことを特徴とする冷却液の電気抵抗の測定方法である。
【0035】
このような構成によって、操作者は、冷却液が汚れている、または、測定プローブが汚れている若しくは測定プローブが故障しているということを把握することができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、冷却液の電気抵抗を測定する測定プローブの洗浄手段を有するので、レーザ装置を停止させ分解し、測定プローブを定期的に清掃する必要がなく、かつ、当該測定プローブによって冷却液の電気抵抗を常時正確に測定することができる。また、フィルタやイオン交換樹脂のメンテナンスを適切に行える。さらに、レーザ装置を、省電力、小型化することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
第1の実施の形態
以下、本発明に係レーザ装置の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1および図2は本発明の第1の実施の形態を示す図である。
【0038】
図1に示すように、レーザ装置は、レーザ媒質32と、当該レーザ媒質32を励起してレーザ光Lを発生させる励起光源31と、レーザ媒質32および励起光源31を収容するとともに、冷却液Wが充填された励起チャンバ35とを備えている。なお、このような冷却液Wとしては、純水や一般水(水道水など)を用いることができる。また、レーザ媒質32としてはYAGロッドなどの固体レーザ媒質32や半導体レーザなどを用いることができ、励起光源31としてはランプ(放電管)やレーザダイオード(LD)などを用いることができる。
【0039】
また、図1に示すように、励起チャンバ35には、励起チャンバ35から排出された冷却液Wを再び励起チャンバ35に戻す循環ライン1が連結されている。また、図1に示すように、この循環ライン1にはプローブ収容部17が設置されている。そして、このプローブ収容部17内には、冷却液Wの電気抵抗を測定する測定プローブ10が収容されている。なお、この測定プローブ10には、測定プローブ10によって測定された電気抵抗を解析し算出する電気抵抗解析部16が接続されている。
【0040】
また、図1に示すように、プローブ収容部17は、冷却液Wの流入する流入口17aと冷却液Wの流出する流出口17bとを有している。
【0041】
また、図1に示すように、循環ライン1には、循環ライン1内で冷却液Wを循環させる循環ポンプ21と、冷却液Wに含まれるゴミなどを除去するフィルタ・イオン交換樹脂ユニット22と、冷却液Wを冷却する熱交換器25が設置されている。なお、フィルタ・イオン交換樹脂ユニット22とは、フィルタとイオン交換樹脂の両方が設けられたユニットである。ところで、このフィルタ・イオン交換樹脂ユニット22の代わりに、フィルタやイオン交換樹脂のみを用いてもよい。
【0042】
また、図1に示すように、レーザ媒質32の光軸方向(レーザ媒質32から照射されるレーザ光Lの光軸方向)には、レーザ光Lを全反射する全反射鏡41と、全反射鏡41の光反射率よりもわずかに小さな光反射率を持つ出力鏡42が配置されている。
【0043】
また、図1に示すように、循環ライン1には、循環ライン1内を流れる冷却液Wの流量を調整する調整弁(流量調整装置)61が設けられている。そして、当該調整弁61に、調整弁61を制御する流量制御部51が接続されている。
【0044】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0045】
まず、励起光源31からレーザ媒質32に向かって励起光が照射され、励起光を照射されたレーザ媒質32からレーザ光Lが照射される。この間、高温になるレーザ媒質32および励起光源31が、励起チャンバ35内の冷却液Wによって熱が奪われ、冷却される。
【0046】
次に、レーザ媒質32および励起光源31を冷却した冷却液Wは、循環ポンプ21の駆動力によって、励起チャンバ35から循環ライン1へ流出する。そして、循環ライン1内に流入した冷却液Wは、循環ライン1内に設置された熱交換器25によって冷却される。
【0047】
次に、熱交換器25によって冷却された冷却液Wは、流入口17aからプローブ収容部17内に流入し、プローブ収容部17内に設置された測定プローブ10によってその電気抵抗が測定される。その後、流出口17bからプローブ収容部17外に流出する。
【0048】
次に、プローブ収容部17外に流出した冷却液Wは、フィルタ・イオン交換樹脂ユニット22に達し、当該フィルタ・イオン交換樹脂ユニット22によって含有されたゴミなどが除去された後、励起チャンバ35内に達する。
【0049】
上述のようにして、冷却液Wは、励起チャンバ35および循環ライン1内を循環している。そして、図1において、流量制御部51によって調整弁61を制御し、循環ライン1内を流れる冷却液Wの流速を一定周期で増減させる。このように、冷却液Wの流速が一定周期で増減するので、測定プローブ10の表面に付着した雑菌類や藻を付着しにくくするとともに、例え雑菌類や藻が表面に付着したとしてもより効率的に洗い流すことができる。
【0050】
この結果、測定プローブ10に雑菌類や藻が繁殖してしまうことをより効率よく防止することでき、測定プローブ10を清掃することなく、冷却液Wの電気抵抗をより正確に測定することができる。
【0051】
この結果、従来のように、レーザ装置を停止させ分解し、測定プローブ10を定期的に清掃するという手間がなくなり、レーザ装置のメンテナンス時間を短くすることができる。このため、生産ラインの停止時聞を短くすることができ、非稼働時間短縮による生産コストを低減することができ、ひいては、省エネルギーに貢献することができる。
【0052】
また、冷却液Wの予期せぬ電気抵抗の低下によって励起光源31が点灯しなくなる(レーザ装置がダウンする)というリスクもなくなるので、レーザ装置の信頼性を飛躍的に向上させることができる。
【0053】
なお、上記では、流量制御部51によって、調整弁61を制御し、循環ライン1内を流れる冷却液Wの流速を一定周期で増減させる態様を用いて説明したが、これに限らず、循環ポンプ21に流量制御部51を接続し、当該流量制御部51により循環ポンプ21の駆動を制御することによって、循環ライン1内を流れる冷却液Wの流速を一定周期で増減させてもよい。このときには、循環ポンプ21が、循環ライン1内を流れる冷却液Wの流量を調整する流量調整装置の役割を果たすことになる。
【0054】
第1の実施の形態の変形例
次に、図3により、本発明の第1の実施の形態の変形例について説明する。図3に示す第1の実施の形態の変形例においては、流量制御部51に判定表示部(判定出力部)55aが接続されている。また、流量制御部51が、循環ライン1内を流れる冷却液Wの流速を一定周期で増減させる代わりに、測定プローブ10で測定された電気抵抗の値が異常値である場合に、調整弁61によって循環ライン1内を流れる冷却液Wの流量を増加または増減させる。
【0055】
なお、流量制御部51は、循環ライン1内を流れる冷却液Wの流量を所定時間の間増加させた状態で維持させた後、または、冷却液Wの流量を所定時間の間増減させた後、測定プローブ10によって冷却液Wの電気抵抗を測定させ、当該電気抵抗の値が正常値に戻った場合には、測定プローブ10が汚れていたと判断する。また、冷却液Wの電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブ10で測定される電気抵抗の値の変化が予め定めた閾値以下の場合には、測定プローブ10は汚れておらず冷却液Wが汚れていると判断し、他方、測定プローブ10で測定される電気抵抗の値の変化が上述の閾値より大きい場合には、冷却液Wが汚れているか、または、測定プローブ10が汚れている若しくは測定プローブが故障していると判断する。
【0056】
さらに、冷却液Wが汚れているか、または、測定プローブ10が汚れている若しくは測定プローブが故障していると判断すると、流量制御部51は、循環ライン1内を流れる冷却液Wの流量を増加または増減させることによって測定プローブ10を洗浄させ、その後、測定プローブ10によって冷却液Wの電気抵抗を測定させる。そして、冷却液Wの電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値以下の場合には流量制御部51は、冷却液Wが汚れていると判断し、他方、冷却液Wの電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値より大きい場合には、測定プローブ10の汚れが洗浄されていないか、測定プローブ10が故障している可能性があると判断する。
【0057】
なお、流量制御部51は、各状況を判定表示部55aに表示させることができる。
【0058】
その他の構成は図1および図2に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0059】
図3に示す第1の実施の形態の変形例において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0060】
図3において、流量制御部51は、測定プローブ10で測定された電気抵抗の値が異常値である場合に、調整弁61によって循環ライン1内を流れる冷却液Wの流量を増加または増減させる。このため、必要な場合にのみ、循環ライン1内を流れる冷却液Wの流量を増加または増減させることができるので、無駄なくかつ効率よく、測定プローブ10から雑菌類を除去することができる。
【0061】
また、図3において、流量制御部51は、循環ライン1内を流れる冷却液Wの流量を所定時間の間増加させた状態で維持させた後、または、冷却液Wの流量を所定時間の間増減させた後、測定プローブ10によって冷却液Wの電気抵抗を測定させ、当該電気抵抗の値が正常値に戻った場合には、測定プローブ10が汚れていたと判断し、問題がない旨を判定表示部55aに表示させる。
【0062】
また、図3において、流量制御部51は、冷却液Wの電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブ10で測定される電気抵抗の値の変化が閾値以下の場合には、測定プローブ10は汚れておらず冷却液Wが汚れていると判断するとともに、フィルタ・イオン交換樹脂ユニット22のフィルタやイオン交換樹脂のチェックや交換をするよう判定表示部55aに表示させる。
【0063】
他方、図3において、流量制御部51は、冷却液Wの電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブ10で測定される電気抵抗の値の変化が閾値より大きい場合には、冷却液Wが汚れているか、または、測定プローブ10が汚れていたり測定プローブが故障したりしていると判断するとともに、測定プローブ10を再度洗浄する必要がある旨を判定表示部55aに表示させる。
【0064】
このように、測定プローブ10を洗浄する必要があると判断すると、流量制御部51は、循環ライン1内を流れる冷却液Wの流量を増加または増減させることによって測定プローブ10を洗浄させ、その後、測定プローブ10によって冷却液Wの電気抵抗を測定させる。
【0065】
そして、冷却液Wの電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値以下の場合には、流量制御部51は、冷却液Wが汚れていると判断するとともに、フィルタ・イオン交換樹脂ユニット22のフィルタやイオン交換樹脂のチェックや交換をするよう判定表示部55aに表示させる。
【0066】
他方、冷却液Wの電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値より大きい場合には、測定プローブ10の汚れが洗浄されていないか、測定プローブ10が故障している可能性があると判断し、レーザ装置を停止させ分解することによって測定プローブ10を確認するよう判定表示部55aに表示させる。
【0067】
なお、流量制御部51は、各状況を判定表示部55aに表示させるだけでなく、生産管理システムなどの上位へもレーザ装置の状態を出力する。
【0068】
このように、流量制御部51が、場合分けを行って、測定プローブ10が汚れているか、また、冷却液Wが汚れているかについて判断した後、判定表示部55aに表示させるので、操作者は、測定プローブ10が汚れているのか、また、冷却液Wが汚れているのかを確実に把握することができる。
【0069】
ところで、上述した、調整弁61によって循環ライン1内を流れる冷却液Wの流量を増加または増減させる洗浄工程と、測定プローブ10によって冷却液Wの電気抵抗を測定させる測定工程とは、複数回、繰り返してもよい。
【0070】
第2の実施の形態
次に、図4により、本発明の第2の実施の形態について説明する。図4に示す第2の実施の形態は、測定プローブ10の先端が、プローブ収容部17の流入口17aの正面に配置されているものである。その他の構成は、図1および図2に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0071】
図4に示す第2の実施の形態において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0072】
図4において、測定プローブ10の表面は鏡面からなるので、雑菌類や藻などが付着しにくくなっている。また、測定プローブ10の先端が、冷却液Wの流れの速いプローブ収容部17の流入口17aの正面に配置されているので、たとえ測定プローブ10の表面に雑菌類や藻が付着しても、当該雑菌類や藻を容易に洗い流すことができる。
【0073】
このため、測定プローブ10に雑菌類や藻が繁殖してしまうことを防止することでき、測定プローブ10を清掃することなく、冷却液Wの電気抵抗を常時正確に測定することができる。
【0074】
この結果、生産ラインの停止時聞を短くすることができ、非稼働時間短縮による生産コストを低減することができるとともに、レーザ装置の信頼性を飛躍的に向上させることができる。
【0075】
なお、上記では、測定プローブ10の先端が、プローブ収容部17の流入口17aの正面に配置されている態様を用いて説明したが、これに限ることなく、測定プローブ10の先端は、プローブ収容部17の流出口17bの正面に配置されていてもよい。
【0076】
第3の実施の形態
次に、図5により、本発明の第3の実施の形態について説明する。図5に示す第3の実施の形態は、プローブ洗浄手段として、循環ライン内を流れる冷却液の流量を調整する流量調整装置を用いる代わりに、測定プローブに対してエネルギーを付与して測定プローブ10から雑菌類を除去するエネルギー付与手段を用いたものである。その他の構成は、図1および図2に示す第1の実施の形態と略同一である。
【0077】
図5に示す第3の実施の形態において、図1および図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0078】
図5において、プローブ収容部17内に設けられたエネルギー付与手段11によって、測定プローブ10に対してエネルギーを付与し、測定プローブ10から雑菌類を除去することができる。このため、測定プローブ10に雑菌類が繁殖してしまうことをより効率的に防止することでき、レーザ装置を停止させ分解して、測定プローブ10を清掃することなく、冷却液Wの電気抵抗をより正確に測定することができる。
【0079】
また、本実施の形態では、あくまで測定プローブ10のみを殺菌し、冷却液Wの抵抗を正しく測定することを目的としており、冷却液Wの劣化(汚染)を防止するものではないので、従来技術(特許文献3参照)と比較して、レーザ装置の構成はかなり簡易なものとすることができる。
【0080】
なお、このようなエネルギー付与手段11としては、プローブ収容部17内に設けられ、測定プローブ10に紫外線光を照射する紫外線照射光源、電子線を照射する電子線光源、可視光を照射する可視光光源、また、測定プローブ10に直接電気エネルギーを加える電源、測定プローブ10に直接熱エネルギーを加える熱源、測定プローブ10に超音波振動を加える超音波発生装置などを用いることができる。さらに、エネルギー付与手段11として、測定プローブ11を機械的に洗浄する洗浄ブラシを用いてもよく、別途設けられた洗浄系統からの洗浄液を噴射する洗浄用ノズルを用いてもよい。
【0081】
なお、エネルギー付与手段11として、測定プローブ10が収容されるプローブ収容部17に外部光が入射する外部光取入窓を設けてもよく、この場合には、当該外部光取入窓にシャッターを設けてもよい。また、プローブ収容部17自体が、加熱機となって、エネルギー付与手段11となってもよい。
【0082】
ところで、エネルギー付与手段11は、測定プローブ10に対して常時エネルギーを付与する必要はなく、測定プローブ10に対してエネルギーを付与したり、エネルギーを付与しなかったりすることを一定周期で繰り返してもよい。このように、測定プローブ10に対するエネルギー付与を一定周期で繰り返すことによって、エネルギー効率よく、測定プローブ10に雑菌類が繁殖してしまうことを防止することができる。
【0083】
第3の実施の形態の変形例
次に、図6により、本発明の第3の実施の形態の変形例について説明する。図6に示す第3の実施の形態の変形例は、測定プローブ10およびエネルギー付与手段11に接続され、測定プローブ10で測定された電気抵抗の値に基づいてエネルギー付与手段11を制御し、測定プローブ10で測定された電気抵抗の値が異常値である場合に、エネルギー付与手段11によって測定プローブ10にエネルギーを付与させるエネルギー制御部52と、エネルギー制御部52に接続された判定表示部(判定出力部)55bとをさらに備えたものである。
【0084】
なお、エネルギー制御部52は、所定時間の間、エネルギー付与手段11によって測定プローブ10にエネルギーを付与させた後、測定プローブ10によって冷却液Wの電気抵抗を測定させ、当該電気抵抗の値が正常値に戻った場合には、測定プローブ10が汚れていたと判断する。また、エネルギー制御部52は、電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブ10で測定される電気抵抗の値の変化が予め定めた閾値以下の場合には、測定プローブ10は汚れておらず冷却液Wが汚れていると判断し、他方、測定プローブ10で測定される電気抵抗の値の変化が上述の閾値より大きい場合には、冷却液Wが汚れているか、または、測定プローブ10が汚れている若しくは測定プローブが故障していると判断する。
【0085】
さらに、冷却液Wが汚れているか、または、測定プローブ10が汚れている若しくは測定プローブが故障していると判断すると、エネルギー制御部52は、所定時間の間、エネルギー付与手段11によって測定プローブ10にエネルギーを付与させた後、測定プローブ10によって冷却液Wの電気抵抗を測定させる。そして、冷却液Wの電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値以下の場合にはエネルギー制御部52は、冷却液Wが汚れていると判断し、他方、冷却液Wの電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値より大きい場合には、測定プローブ10の汚れが洗浄されていないか、測定プローブ10が故障している可能性があると判断する。
【0086】
なお、流量制御部51は、各状況を判定表示部55bに表示させることができる。
【0087】
その他の構成は図5に示す第3の実施の形態と略同一である。
【0088】
図6に示す第3の実施の形態の変形例において、図5に示す第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0089】
図6において、エネルギー制御部52は、測定プローブ10で測定された電気抵抗の値が異常値である場合に、エネルギー付与手段11によって測定プローブ10にエネルギーを付与させる。このため、必要な場合にのみ、測定プローブ10にエネルギーを付与することができるので、無駄なくかつ効率よく、測定プローブ10から雑菌類を除去することができる。
【0090】
また、図6において、エネルギー制御部52は、所定時間の間、エネルギー付与手段11によって測定プローブ10にエネルギーを付与させた後、測定プローブ10によって冷却液Wの電気抵抗を測定させ、当該電気抵抗の値が正常値に戻った場合には、測定プローブ10が汚れていたと判断し、問題がない旨を判定表示部55bに表示させる。
【0091】
また、図6において、エネルギー制御部52は、電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブ10で測定される電気抵抗の値の変化が閾値以下の場合には、測定プローブ10は汚れておらず冷却液Wが汚れていると判断するとともに、フィルタ・イオン交換樹脂ユニット22のフィルタやイオン交換樹脂のチェックや交換をするよう判定表示部55bに表示させる。
【0092】
他方、図6において、エネルギー制御部52は、電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブ10で測定される電気抵抗の値の変化が閾値より大きい場合には、冷却液Wが汚れているか、または、測定プローブ10が汚れていたり測定プローブが故障したりしていると判断するとともに、測定プローブ10を再度洗浄する必要がある旨を判定表示部55bに表示させる。
【0093】
このように、測定プローブ10を洗浄する必要があると判断すると、エネルギー制御部52は、所定時間の間、エネルギー付与手段11によって測定プローブ10にエネルギーを付与させた後、測定プローブ10によって冷却液Wの電気抵抗を測定させる。
【0094】
そして、冷却液Wの電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値以下の場合には、流量制御部51は、冷却液Wが汚れていると判断するとともに、フィルタ・イオン交換樹脂ユニット22のフィルタやイオン交換樹脂のチェックや交換をするよう判定表示部55bに表示させる。
【0095】
他方、冷却液Wの電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値より大きい場合には、測定プローブ10の汚れが洗浄されていないか、測定プローブ10が故障している可能性があると判断し、レーザ装置を停止させ分解することによって測定プローブ10を確認するよう判定表示部55bに表示させる。
【0096】
なお、流量制御部51は、各状況を判定表示部55bに表示させるだけでなく、生産管理システムなどの上位へもレーザ装置の状態を出力する。
【0097】
このように、流量制御部51が、場合分けを行って、測定プローブ10が汚れているか、また、冷却液Wが汚れているかについて判断した後、判定表示部55bに表示させるので、操作者は、測定プローブ10が汚れているのか、また、冷却液Wが汚れているのかを確実に把握することができる。
【0098】
なお、上述した、エネルギー付与手段11によって測定プローブ10にエネルギーを付与する洗浄工程と、測定プローブ10によって冷却液Wの電気抵抗を測定させる測定工程とは、複数回、繰り返してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるレーザ装置の概略を示す構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態によるレーザ装置の測定プローブを示す斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態の変形例によるレーザ装置の概略を示す構成図。
【図4】本発明の第2の実施の形態によるレーザ装置の測定プローブを示す斜視図。
【図5】本発明の第3の実施の形態によるレーザ装置の測定プローブを示す斜視図。
【図6】本発明の第3の実施の形態の変形例によるレーザ装置の測定プローブを示す斜視図。
【図7】従来のレーザ装置の測定プローブを示す斜視図。
【符号の説明】
【0100】
1 循環ライン
10 測定プローブ
11 エネルギー付与手段
17 プローブ収容部
17a 流入口
17b 流出口
21 循環ポンプ
22 フィルタ・イオン交換樹脂ユニット
25 熱交換器
31 励起光源
32 レーザ媒質
35 励起チャンバ
41 全反射鏡
42 出力鏡
51 流量制御部
52 エネルギー制御部
55a,55b 判定表示部(判定出力部)
61 流量調整装置
L レーザ光
V 雑菌類
W 冷却液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ媒質と、
当該レーザ媒質を励起してレーザ光を発生させる励起光源と、
レーザ媒質および励起光源を収容するとともに、冷却液が充填された励起チャンバと、
励起チャンバに連結され、励起チャンバから排出された冷却液を再び励起チャンバに戻す循環ラインと、
循環ラインに設置され、冷却液の電気抵抗を測定する測定プローブと、
測定プローブを洗浄するプローブ洗浄手段と、
を備えたことを特徴とするレーザ装置。
【請求項2】
プローブ洗浄手段は、循環ラインに設けられ、循環ライン内を流れる冷却液の流量を調整する流量調整装置からなり、
当該流量調整装置によって、循環ライン内を流れる冷却液の流速を一定周期で増減させることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項3】
プローブ洗浄手段は、循環ラインに設けられ、循環ライン内を流れる冷却液の流量を調整する流量調整装置からなり、
測定プローブで測定された電気抵抗の値に基づいて流量調整装置を制御する流量制御部、をさらに備え、
流量制御部は、測定プローブで測定された電気抵抗の値が異常値である場合に、流量調整装置によって循環ライン内を流れる冷却液の流量を増加または増減させることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項4】
測定プローブを収容し、冷却液の流入する流入口と冷却液の流出する流出口とを有するプローブ収容部、をさらに備え、
測定プローブは、前記流入口または前記流出口の正面に配置されていることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載のレーザ装置。
【請求項5】
流量制御部に接続された判定出力部をさらに備え、
流量制御部は、循環ライン内を流れる冷却液の流量を所定時間の間増加させた状態で維持させた後、または、冷却液の流量を所定時間の間増減させた後、測定プローブによって冷却液の電気抵抗を測定させ、当該電気抵抗の値が正常値に戻った場合には、測定プローブが汚れていたと判断し、その旨を判定出力部に出力させ、前記電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値以下の場合には、測定プローブは汚れておらず冷却液が汚れていると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させ、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値より大きい場合には、冷却液が汚れている、または測定プローブが汚れている若しくは測定プローブが故障していると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させることを特徴とする請求項3に記載のレーザ装置。
【請求項6】
前記電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値より大きい場合には、流量制御部は、循環ライン内を流れる冷却液の流量を所定時間の間増加させた状態で維持させた後、または、冷却液の流量を所定時間の間増減させた後、測定プローブによって冷却液の電気抵抗を測定させ、冷却液の電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値以下の場合には、冷却液が汚れていると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させ、他方、冷却液の電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値よりも大きい場合には、測定プローブが汚れているまたは測定プローブが故障していると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させることを特徴とする請求項5に記載のレーザ装置。
【請求項7】
プローブ洗浄手段は、測定プローブに対してエネルギーを付与するエネルギー付与手段からなることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
【請求項8】
エネルギー付与手段は、一定周期で測定プローブに対してエネルギーを付与することを特徴とする請求項7に記載のレーザ装置。
【請求項9】
測定プローブで測定された電気抵抗の値に基づいてエネルギー付与手段を制御するエネルギー制御部、をさらに備え、
エネルギー制御部は、測定プローブで測定された電気抵抗の値が異常値である場合に、エネルギー付与手段によって測定プローブにエネルギーを付与させることを特徴とする請求項7に記載のレーザ装置。
【請求項10】
エネルギー制御部に接続された判定出力部をさらに備え、
エネルギー制御部は、所定時間の間、エネルギー付与手段によって測定プローブにエネルギーを付与させた後、測定プローブによって冷却液の電気抵抗を測定させ、当該電気抵抗の値が正常値に戻った場合には、測定プローブが汚れていたと判断し、その旨を判定出力部に出力させ、前記電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値以下の場合には、測定プローブは汚れておらず冷却液が汚れていると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させ、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値より大きい場合には、冷却液が汚れている、または測定プローブが汚れている若しくは測定プローブが故障していると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させることを特徴とする請求項9に記載のレーザ装置。
【請求項11】
前記電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値より大きい場合には、エネルギー制御部は、エネルギー付与手段によって測定プローブにエネルギーを付与させた後、測定プローブによって冷却液の電気抵抗を測定させ、冷却液の電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値以下の場合には、冷却液が汚れていると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させ、他方、冷却液の電気抵抗の値の先に測定した電気抵抗の値に対する変化が閾値よりも大きい場合には、測定プローブが汚れているまたは測定プローブが故障していると判断するとともに、その旨を判定出力部に出力させることを特徴とする請求項10に記載のレーザ装置。
【請求項12】
請求項3または9に記載のレーザ装置の測定プローブが測定する冷却液の電気抵抗の測定方法において、
測定プローブで測定された電気抵抗の値が異常値である場合に、流量調整装置によって循環ライン内を流れる冷却液の流量を増加または増減させるか、または、エネルギー付与手段によって測定プローブにエネルギーを付与させる洗浄工程を、備えたことを特徴とする測定プローブ洗浄方法。
【請求項13】
請求項3または9に記載のレーザ装置の測定プローブが測定する冷却液の電気抵抗の測定方法において、
測定プローブで測定された電気抵抗の値が異常値である場合に、流量調整装置によって循環ライン内を流れる冷却液の流量を増加させるか、または、エネルギー付与手段によって測定プローブにエネルギーを付与させる洗浄工程と、
所定時間の間、循環ライン内を流れる冷却液の流量を増加させた状態で維持、または、エネルギー付与手段によって測定プローブにエネルギーを付与した後、測定プローブによって冷却液の電気抵抗の値を測定する測定工程と、
測定プローブにより測定された冷却液の電気抵抗の値が正常値に戻った場合には、流量制御部またはエネルギー制御部によって測定プローブが汚れていたと判断し、前記電気抵抗の値が正常値に戻らなかった場合において、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値以下の場合には、流量制御部またはエネルギー制御部によって、測定プローブは汚れておらず冷却液が汚れていると判断し、測定プローブで測定される電気抵抗の値の変化が閾値より大きい場合には、冷却液が汚れている、または測定プローブが汚れている若しくは測定プローブが故障していると判断する判断工程と、
流量制御部またはエネルギー制御部によって判断された結果を、判定出力部に出力する出力工程と、を備えたことを特徴とする冷却液の電気抵抗の測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−300535(P2008−300535A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−143622(P2007−143622)
【出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】