レーダ装置用被覆部材
【課題】金属層を用いることなく、レーダ装置を遮蔽すると共に金属光沢を模した高輝度性を有する、レーダ装置用被覆部材を提供する。
【解決手段】車両前部に設けたレーダ装置100からの電磁波の伝搬経路上に配置される被覆部材10であって、車両前方側に配置される第1光学媒体10とこの第1光学媒体10の裏面12に接触して設けられた第2光学媒体20とを備え、第1光学媒体10の裏面12は隙間無く並んだ複数の微細構造部によって構成され、第2光学媒体20の屈折率は第1光学媒体10の屈折率よりも低い。
【解決手段】車両前部に設けたレーダ装置100からの電磁波の伝搬経路上に配置される被覆部材10であって、車両前方側に配置される第1光学媒体10とこの第1光学媒体10の裏面12に接触して設けられた第2光学媒体20とを備え、第1光学媒体10の裏面12は隙間無く並んだ複数の微細構造部によって構成され、第2光学媒体20の屈折率は第1光学媒体10の屈折率よりも低い。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダ装置用の被覆部材に係り、特にメタリック塗装やメッキ処理を施すことなく高い意匠性を発揮するレーダ装置用被覆部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両には、前方を走行する他の車両との距離等を計測するためのレーダ装置が設けられている。このレーダ装置は例えば車両のフロントグリルの後側、つまりエンジンルーム内であってラジエータの前側に配設されており、フロントグリルを介して車両前方へ向けて、例えばミリ波を放って距離等を計測する。
【0003】
従来、図12に示すようにレーダ装置100からのミリ波が伝搬する経路を遮らないようフロントグリル200には部分的に開口210が形成され、さらに当該開口210には被覆部材300が取り付けられている。被覆部材300はレーダ装置100からのミリ波の透過性を良好に構成することが要求される。メタリック塗装やメッキ処理はその塗膜に含まれる金属部分がミリ波の伝搬を妨げるため使用することができない。メタリック塗装などを使用又は適用できないことは、車両意匠の選択の自由度を制限することにもなり得る。
【0004】
このような問題に関連して、特許文献1では、被覆部材として金属装飾を設けることができるように、被覆部材の裏面に電波透過可能な金属膜としてインジウムなどを不連続蒸着した極めて薄い金属層を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−159039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の金属層は、インジウムを用いる原材料費に加えて、薄膜を生成するための製造にも費用が嵩む。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みて創作されたもので、金属層を用いることなく、レーダ装置を遮蔽すると共に、金属光沢を模した高輝度性を有する、レーダ装置用被覆部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、車両前部に設けたレーダ装置からのミリ波の伝搬経路上に配置されるレーダ装置用被覆部材であって、車両前方側に配置される第1光学媒体とこの第1光学媒体の裏面に接触して設けられた第2光学媒体とを備え、第1光学媒体の裏面は隙間無く並んだ複数の微細構造部によって構成され、微細構造部は下記の構成(A1)又は(A2)の何れかによって構成され、第2光学媒体の屈折率は第1光学媒体の屈折率よりも低いことを特徴としている。
(A1)車両前後方向に延びる仮想の水平線に対して非垂直な面。
(A2)頂点を除いた部分全てが車両前後方向に延びる仮想の水平線に対して非垂直である半球状の曲面。
【0009】
本発明のレーダ装置用被覆部材は、好ましくは、第2光学媒体の裏側に不透明な第3光学媒体が設けられている。
【0010】
本発明のレーダ装置用被覆部材において、好ましくは、第2光学媒体が空気層として形成され、空気層は第1光学媒体と第3光学媒体とによって囲繞されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1光学媒体の裏面を複数の微細構造部によって構成し、各微細構造部が第1光学媒体内からレーダ装置側へ出射する可視光の経路を変え、特に微細構造部によって多くの光を全反射させることで、車両前方へ向けて反射させることができる。
【0012】
このように、本発明は、入射した可視光の多くを当該被覆部材の前方へ反射できるように、第1光学媒体の裏面を複数の微細構造部だけで構成したことで、例えば被覆部材の前方からユーザーが被覆部材の奥側を覗こうと試みても、当該ユーザーは当該微細構造部に反射された光によって当該被覆部材がきらきらと光る煌き感を受けて、容易にその奥側のレーダ装置を確認することはできない。また、このような境界面が、きらきらと光るような光輝性を発揮することで、光沢に似た意匠を車両に付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係るレーダ装置用被覆部材の使用状態を示す図である。
【図2】図1のレーダ装置用被覆部材における円Cで囲った部分の拡大断面図である。
【図3】(A)は本発明の第1実施形態の微細構造部の第1構成の例を示す斜視図、(B)は模式的断面図である。
【図4】(A)は本発明の第1実施形態の微細構造部の第2構成の例を示す斜視図、(B)は模式的断面図である。
【図5】(A)は本発明の第1実施形態の微細構造部の第3構成の例を示す斜視図、(B)は模式的断面図である。
【図6】(A)は本発明の第1実施形態の微細構造部の第4構成の例を示す平面図、(B)は模式的断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の微細構造部の作用を説明するための図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るレーダ装置用被覆部材の使用状態を示す図である。
【図9】第1実施例のレーダ装置用被覆部材の使用状態を示している。
【図10】第1実施例のレーダ装置用被覆部材の光輝性を示すグラフである。
【図11】第2実施例のレーダ装置用被覆部材の使用状態を示している。
【図12】従来のレーダ装置用被覆部材の使用状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図中の矢印Frは車両前方を、矢印Upは車両上方を、LHは車幅方向であって左方を示す。従来技術と同じ構成要素には、同じ符号を付してそれを詳細に説明することを省略する。
【0015】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係るレーダ装置用被覆部材(以下、被覆部材と呼ぶ。)1の使用状態を示す図であり、被覆部材1はフロントグリル200に形成された開口210を塞ぐように取り付けられている。この開口210の奥側、つまりエンジンルームR側に、レーダ装置100が設けられており、当該装置100から射出されたミリ波の伝搬経路上に被覆部材1が配設されている。なお、図1ではフロントグリル200の一部を模式的に表している。
【0016】
本実施形態の被覆部材1は、車両の前方側に配置される第1光学媒体10と、この第1光学媒体10の裏面に接触して設けられた第2光学媒体20と、を備えている。被覆部材1はこれらの第1光学媒体10と第2光学媒体20とによって構成されている。
【0017】
第1光学媒体10は、車両前方を臨む第1表面11と、この第1表面11の反対側に配置されていると共にレーダ装置100側を臨む第2表面12と、を有する。第1表面11はなだらかに形成されているが、第2表面12はその一部が第1表面11側へ凹陥した大きな窪み13を有する。
【0018】
第2光学媒体20は、第1光学媒体10よりも屈折率の低い透明物質により構成される。例えば、第2光学媒体20は、第1光学媒体10の第2表面12に接触する第1表面21と、この第1表面21の反対側に配置されていると共にレーダ装置100を臨む第2表面22と、を有する。
第2光学媒体20では、第1表面21が第1光学媒体10の第2表面12の形状に則って凹凸状に形成されており、この第1表面21が第1光学媒体10の第2表面12に隙間無く接する、つまり密着する。第2表面22は、第1表面21と略同じように、粗い凹凸した面に形成されている。
【0019】
この第2光学媒体20の屈折率n2は、第1光学媒体10の屈折率n1よりも小さく設定されている。第2光学媒体20は、さらにレーダ装置100からのミリ波を透過させることができるものを利用する。
【0020】
図2は図1の被覆部材1における円Cで囲った部分の拡大断面図であり、この図に示すように、第1光学媒体10の第2表面12は隙間無く並んだ複数の微細構造部15によって構成されている。つまり、微細構造部15は規則的に繰り返して形成されており、例えば微細構造部15のピッチが0.05〜0.5mmに選定されている。各微細構造部15の縦、横、高さ寸法がそれぞれ0.05〜0.5mmに選定されている。各微細構造部15の縦、横、高さ寸法は、レーダ装置100に使用されるミリ波に減衰を与えないように、ミリ波の波長に対して1/4〜1/10以下という値となるように十分に小さくする。ミリ波の周波数が例えば76GHzの場合、波長は約4mmである。この場合は、各微細構造部15の縦、横、高さ寸法を上記波長の1/4〜1/10以下の0.4〜1mm以下程度としておけば、レーダ装置100で使用するミリ波の減衰が生じなくなる。
【0021】
この微細構造部15は、例えば第1光学媒体10の射出成形時に当該第1光学媒体10の一部、つまり第2表面12として成形される。
図3〜図6は本実施形態の微細構造部15の構成例であり、図6(A)が微細構造部15の平面図であることを除いて、その他の図の(A)は微細構造部15の斜視図であり、さらに、各図の(B)は模式的な断面図である。
【0022】
図3の微細構造部15は複数のV溝16として形成されている。各V溝16は、その溝肩が隣なりの他のV溝16の溝肩と重なるよう、つまり各溝肩間に平坦な面が生じないように隣接して形成されている。さらに、図3(B)に示すように、V溝16を構成する面16Aは車両前後方向に延びる仮想の水平線Lに対して垂直にならないように形成されている。以下、このような垂直に該当しない状態を非垂直と呼ぶ。
【0023】
図4の微細構造部15は、エンジンルーム側へ膨出するように張り出したレンズ部17として形成されている。各レンズ部17の曲率は同じに設定される。さらに、図4(B)に示すように、レンズ部17を構成する面17Aは車両前後方向に延びる仮想の水平線Lに対して、頂点を除いた部分全てが非垂直な曲面に形成されている。
【0024】
図5の微細構造部15は四角錐18として形成されている。さらに、図5(B)に示すように、四角錐18を構成する面18Aは車両前後方向に延びる仮想の水平線Lに対して非垂直に形成されている。
【0025】
図6の微細構造部15は六角錐19として形成されている。さらに、図6(B)に示すように、六角錐19を構成する面19Aは車両前後方向に延びる仮想の水平線Lに対して非垂直に形成されている。
【0026】
第2光学媒体20の第1表面21は、第1光学媒体10の第2表面12と密着するように形成されている。従って、第1表面21も微細な凹凸形状によって形成されている。
【0027】
本実施形態の被覆部材1を構成する第1光学媒体10は、透明であり、例えばポリカーボネイト(PC)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)などの樹脂材料により構成されている。
【0028】
本実施形態の被覆部材1は以上のように構成されており、図1に示すように、フロントグリル200の開口210に取り付けて使用に供される。この場合において、車両前方側の第1表面11から第1光学媒体10に入射した光は、図7に示すように、エンジンルーム側の第2表面12に到達するが、この第2光学媒体20との境界面、図示するように微細構造部15がV溝16である場合のV溝16の傾斜面16Aを境に、光は屈折する。特に、第2光学媒体20が第1光学媒体10よりも可視光の屈折率が小さいため、図中の実線で示すように屈折光RLは、境界面である傾斜面16A寄りに近くなるように屈折する。また、一部の光はV溝16の傾斜面16Aで反射し、入射角θ1が臨界角を超えると、その光は境界面で全反射(図中の二点鎖線参照)し、さらに当該第1光学媒体10を反射して第1表面11へ向けて進行した後、当該第1表面11から第1光学媒体10の外に出る。
【0029】
本実施形態の被覆部材1によれば、第1光学媒体10の裏面を複数の微細構造部15によって構成し、各微細構造部15が第1光学媒体10内から出射する可視光の経路を変え、特に入射角θ1(図7参照)が臨界角を超える可視光を全反射させ車両前方へ向けて反射させることができる。
【0030】
このように、被覆部材1は、入射した可視光の多くを当該被覆部材1の前方へ反射できるように、第1光学媒体10の裏面を複数の微細構造部15だけで構成したことで、例えば被覆部材1の前方からユーザーが被覆部材1の奥側を覗こうと試みても、当該ユーザーは当該微細構造部15の傾斜面16Aに反射された光によって当該被覆部材1がきらきら状に光る感じを受ける。また、このような当該被覆部材1が、きらきらときらめくような光輝性を発揮することで、光沢に似た意匠を車両に付与することができる。第1光学媒体10の裏面の微細構造部15は、例えばミリ波が76GHzの場合、縦、横、高さを波長の1/4〜1/10以下の0.05〜0.5mmにすることで、ミリ波の透過に影響を与えることがなく、しかも、光輝性を発揮して内部が透視されることがなくなる。
【0031】
[第2実施形態]
図8は本発明の第2実施形態に係る被覆部材2の使用状態を示す図である。第1実施形態の被覆部材1と同じ又は同様の構成要素には同じ符号を付し、それらを詳細に説明することは省略する。
【0032】
被覆部材2は、車両の前方側に配置される第1光学媒体10と、この第1光学媒体10の裏面に接触して設けられた第2光学媒体20と、この第2光学媒体20の裏側に配設される第3光学媒体30と、から構成されている。
【0033】
第3光学媒体30は、第2光学媒体20の第2表面22に接触する第1表面31と、この第1表面31の反対側に配置されていると共にレーダ装置100を臨む第2表面32と、を有する。図示例では、これらの第1表面31と第2表面32との間が中実に形成されている。
第1表面31は第2光学媒体20の第2表面22の形状と同じ凹凸状に形成されており、この第1表面31が第2光学媒体20の第2表面22に隙間無く接する。第2表面32は第1表面31と同じに形成されている。
この第3光学媒体30は、特に第2光学媒体20のように屈折率が制限されるものではないが、レーダ装置100からのミリ波を透過させることができるものを利用する。本実施形態の第3光学媒体は不透明であり、例えばポリカーボネイト(PC),熱可塑性樹脂(ABS),ポリプロピレン(PP)などの樹脂材料により構成されている。
【0034】
このように構成された被覆部材2も、第1実施形態と同様の効果を発揮する。さらに、不透明な第3光学媒体30を備えていることで、レーダ装置100の視認性をさらに低減することができる。
【0035】
次に、第1実施形態の具体例として第1実施例を、第2実施形態の具体例として第2実施例を、それぞれ説明する。前述の実施形態と同じ又は同様の構成要素には同じ符号を付す。
【0036】
[第1実施例]
図9は第1実施例の被覆部材1Aの使用状態を示している。
第1光学媒体10は例えばポリカーボネイトから構成されている。第2光学媒体20の透明物質は、ポリカーボネイトよりも可視光の屈折率の低い気体であり、例えば空気によって構成されている。言い換えれば、本第1実施例では、被覆部材1Aは、第1光学媒体10だけから構成されている。第2光学媒体20が空気層25であるため、第1光学媒体10の第2表面12を構成する複数の微細構造部15は他の部材で覆われずに、直に空気に接する。
なお、透明物質として、本実施例の空気に代えて、CO2,Heなどの気体を用いてもよい。
【0037】
このような構成の第1実施例でも、車両前側から第1光学媒体10に入射した可視光は、図7に示すように第1光学媒体10の第2表面12を成す境界面で、一部の光が全反射して再び第1表面11から車両前方へ出射する。よって、第1実施形態と同様の効果を発揮する。
なお、図10は、微細構造部15が図3のV溝16である場合、溝幅のピッチを100μm(以下、基準幅と呼ぶ)としたときの輝度の指数を基準値1とし、ピッチを0から250μmまで変えた場合の各ピッチにおける輝度の基準幅における輝度に対する相対指数を表すグラフである。このグラフは、ピッチ幅0から250μmにおいて、光の全反射現象を利用している為、ピッチが大きく、つまり反射面積が大きくなるにつれて輝度が高くなることを示している。なお、第1光学媒体10は屈折率1.58のポリカーボネイトであり、第2光学媒体20は空気1.00である。
【0038】
[第2実施例]
図11は第2実施例の被覆部材2Aの使用状態を示している。
第1光学媒体10は例えばポリカーボネイトから構成されている。第2光学媒体20は、第1実施例と同様に、透明物質である空気を利用する。
第3光学媒体30は、ポリカーボネイト(PC),熱可塑性樹脂(ABS),ポリプロピレン(PP)などの樹脂材料によって不透明に構成されている。
なお、本第2実施例では図に示すように、第2光学媒体20である空気層25は、第1光学媒体10と第2光学媒体30とに囲繞されている。言い換えれば、被覆部材2Aは、外気や水分が被覆部材外から被覆部材2Aの内部の空気層25に浸入しないよう、第1光学媒体10と第3光学媒体30とを気密的に及び水密的に重ね合わせて、構成されている。
【0039】
このように構成された被覆部材2Aは、第1実施例と同様の効果を発揮することに加えて、反射面を成す第1光学媒体10の第2表面12の汚れを防止しクリーン状態を維持することができる。
【0040】
以上詳述したが、本発明は発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施をすることができる。
第1光学媒体と第2光学媒体との境界面は、第2光学媒体と第3光学媒体との境界面は、それぞれ大きな凹凸形状を無しに形成されてもよい。
第2光学媒体の第2表面22と第3光学媒体の第2表面32は、なだらかな面或いは平坦な面として構成されてもよい。第1光学媒体10の第1表面11も平坦に形成されてもよい。
第1光学媒体の第1表面は、凹凸とした面に形成されてもよい。
【0041】
上記説明では、被覆部材1,1A,2,2Aがフロントグリル200に設けた開口210に配設される場合を説明したが、配置箇所は開口210に限られるものではない。例えば、フロントグリルが車幅方向に左右に2分割される場合、それらの間に配置されてもよい。このように取付箇所は限定されるものではないが、レーダ装置からの電磁波の伝搬経路上に配置される。また、レーダ装置の構成も限定されるものではない。
また、上記説明では、複数の微細構造部15が第1光学媒体10の第2表面12に規則的に配列されているが、複数の微細構造部15が不規則に、例えばその向きや凹凸の寸法が異なるように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1,1A,2,2A 被覆部材
10 第1光学媒体
11 第1光学媒体の第1表面
12 第1光学媒体の第2表面
15 微細構造部
20 第2光学媒体
21 第2光学媒体の第1表面
22 第2光学媒体の第2表面
25 空気層
30 第3光学媒体
31 第3光学媒体の第1表面
32 第3光学媒体の第2表面
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーダ装置用の被覆部材に係り、特にメタリック塗装やメッキ処理を施すことなく高い意匠性を発揮するレーダ装置用被覆部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両には、前方を走行する他の車両との距離等を計測するためのレーダ装置が設けられている。このレーダ装置は例えば車両のフロントグリルの後側、つまりエンジンルーム内であってラジエータの前側に配設されており、フロントグリルを介して車両前方へ向けて、例えばミリ波を放って距離等を計測する。
【0003】
従来、図12に示すようにレーダ装置100からのミリ波が伝搬する経路を遮らないようフロントグリル200には部分的に開口210が形成され、さらに当該開口210には被覆部材300が取り付けられている。被覆部材300はレーダ装置100からのミリ波の透過性を良好に構成することが要求される。メタリック塗装やメッキ処理はその塗膜に含まれる金属部分がミリ波の伝搬を妨げるため使用することができない。メタリック塗装などを使用又は適用できないことは、車両意匠の選択の自由度を制限することにもなり得る。
【0004】
このような問題に関連して、特許文献1では、被覆部材として金属装飾を設けることができるように、被覆部材の裏面に電波透過可能な金属膜としてインジウムなどを不連続蒸着した極めて薄い金属層を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−159039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の金属層は、インジウムを用いる原材料費に加えて、薄膜を生成するための製造にも費用が嵩む。
【0007】
本発明は、以上の点に鑑みて創作されたもので、金属層を用いることなく、レーダ装置を遮蔽すると共に、金属光沢を模した高輝度性を有する、レーダ装置用被覆部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、車両前部に設けたレーダ装置からのミリ波の伝搬経路上に配置されるレーダ装置用被覆部材であって、車両前方側に配置される第1光学媒体とこの第1光学媒体の裏面に接触して設けられた第2光学媒体とを備え、第1光学媒体の裏面は隙間無く並んだ複数の微細構造部によって構成され、微細構造部は下記の構成(A1)又は(A2)の何れかによって構成され、第2光学媒体の屈折率は第1光学媒体の屈折率よりも低いことを特徴としている。
(A1)車両前後方向に延びる仮想の水平線に対して非垂直な面。
(A2)頂点を除いた部分全てが車両前後方向に延びる仮想の水平線に対して非垂直である半球状の曲面。
【0009】
本発明のレーダ装置用被覆部材は、好ましくは、第2光学媒体の裏側に不透明な第3光学媒体が設けられている。
【0010】
本発明のレーダ装置用被覆部材において、好ましくは、第2光学媒体が空気層として形成され、空気層は第1光学媒体と第3光学媒体とによって囲繞されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1光学媒体の裏面を複数の微細構造部によって構成し、各微細構造部が第1光学媒体内からレーダ装置側へ出射する可視光の経路を変え、特に微細構造部によって多くの光を全反射させることで、車両前方へ向けて反射させることができる。
【0012】
このように、本発明は、入射した可視光の多くを当該被覆部材の前方へ反射できるように、第1光学媒体の裏面を複数の微細構造部だけで構成したことで、例えば被覆部材の前方からユーザーが被覆部材の奥側を覗こうと試みても、当該ユーザーは当該微細構造部に反射された光によって当該被覆部材がきらきらと光る煌き感を受けて、容易にその奥側のレーダ装置を確認することはできない。また、このような境界面が、きらきらと光るような光輝性を発揮することで、光沢に似た意匠を車両に付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係るレーダ装置用被覆部材の使用状態を示す図である。
【図2】図1のレーダ装置用被覆部材における円Cで囲った部分の拡大断面図である。
【図3】(A)は本発明の第1実施形態の微細構造部の第1構成の例を示す斜視図、(B)は模式的断面図である。
【図4】(A)は本発明の第1実施形態の微細構造部の第2構成の例を示す斜視図、(B)は模式的断面図である。
【図5】(A)は本発明の第1実施形態の微細構造部の第3構成の例を示す斜視図、(B)は模式的断面図である。
【図6】(A)は本発明の第1実施形態の微細構造部の第4構成の例を示す平面図、(B)は模式的断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態の微細構造部の作用を説明するための図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るレーダ装置用被覆部材の使用状態を示す図である。
【図9】第1実施例のレーダ装置用被覆部材の使用状態を示している。
【図10】第1実施例のレーダ装置用被覆部材の光輝性を示すグラフである。
【図11】第2実施例のレーダ装置用被覆部材の使用状態を示している。
【図12】従来のレーダ装置用被覆部材の使用状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図中の矢印Frは車両前方を、矢印Upは車両上方を、LHは車幅方向であって左方を示す。従来技術と同じ構成要素には、同じ符号を付してそれを詳細に説明することを省略する。
【0015】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係るレーダ装置用被覆部材(以下、被覆部材と呼ぶ。)1の使用状態を示す図であり、被覆部材1はフロントグリル200に形成された開口210を塞ぐように取り付けられている。この開口210の奥側、つまりエンジンルームR側に、レーダ装置100が設けられており、当該装置100から射出されたミリ波の伝搬経路上に被覆部材1が配設されている。なお、図1ではフロントグリル200の一部を模式的に表している。
【0016】
本実施形態の被覆部材1は、車両の前方側に配置される第1光学媒体10と、この第1光学媒体10の裏面に接触して設けられた第2光学媒体20と、を備えている。被覆部材1はこれらの第1光学媒体10と第2光学媒体20とによって構成されている。
【0017】
第1光学媒体10は、車両前方を臨む第1表面11と、この第1表面11の反対側に配置されていると共にレーダ装置100側を臨む第2表面12と、を有する。第1表面11はなだらかに形成されているが、第2表面12はその一部が第1表面11側へ凹陥した大きな窪み13を有する。
【0018】
第2光学媒体20は、第1光学媒体10よりも屈折率の低い透明物質により構成される。例えば、第2光学媒体20は、第1光学媒体10の第2表面12に接触する第1表面21と、この第1表面21の反対側に配置されていると共にレーダ装置100を臨む第2表面22と、を有する。
第2光学媒体20では、第1表面21が第1光学媒体10の第2表面12の形状に則って凹凸状に形成されており、この第1表面21が第1光学媒体10の第2表面12に隙間無く接する、つまり密着する。第2表面22は、第1表面21と略同じように、粗い凹凸した面に形成されている。
【0019】
この第2光学媒体20の屈折率n2は、第1光学媒体10の屈折率n1よりも小さく設定されている。第2光学媒体20は、さらにレーダ装置100からのミリ波を透過させることができるものを利用する。
【0020】
図2は図1の被覆部材1における円Cで囲った部分の拡大断面図であり、この図に示すように、第1光学媒体10の第2表面12は隙間無く並んだ複数の微細構造部15によって構成されている。つまり、微細構造部15は規則的に繰り返して形成されており、例えば微細構造部15のピッチが0.05〜0.5mmに選定されている。各微細構造部15の縦、横、高さ寸法がそれぞれ0.05〜0.5mmに選定されている。各微細構造部15の縦、横、高さ寸法は、レーダ装置100に使用されるミリ波に減衰を与えないように、ミリ波の波長に対して1/4〜1/10以下という値となるように十分に小さくする。ミリ波の周波数が例えば76GHzの場合、波長は約4mmである。この場合は、各微細構造部15の縦、横、高さ寸法を上記波長の1/4〜1/10以下の0.4〜1mm以下程度としておけば、レーダ装置100で使用するミリ波の減衰が生じなくなる。
【0021】
この微細構造部15は、例えば第1光学媒体10の射出成形時に当該第1光学媒体10の一部、つまり第2表面12として成形される。
図3〜図6は本実施形態の微細構造部15の構成例であり、図6(A)が微細構造部15の平面図であることを除いて、その他の図の(A)は微細構造部15の斜視図であり、さらに、各図の(B)は模式的な断面図である。
【0022】
図3の微細構造部15は複数のV溝16として形成されている。各V溝16は、その溝肩が隣なりの他のV溝16の溝肩と重なるよう、つまり各溝肩間に平坦な面が生じないように隣接して形成されている。さらに、図3(B)に示すように、V溝16を構成する面16Aは車両前後方向に延びる仮想の水平線Lに対して垂直にならないように形成されている。以下、このような垂直に該当しない状態を非垂直と呼ぶ。
【0023】
図4の微細構造部15は、エンジンルーム側へ膨出するように張り出したレンズ部17として形成されている。各レンズ部17の曲率は同じに設定される。さらに、図4(B)に示すように、レンズ部17を構成する面17Aは車両前後方向に延びる仮想の水平線Lに対して、頂点を除いた部分全てが非垂直な曲面に形成されている。
【0024】
図5の微細構造部15は四角錐18として形成されている。さらに、図5(B)に示すように、四角錐18を構成する面18Aは車両前後方向に延びる仮想の水平線Lに対して非垂直に形成されている。
【0025】
図6の微細構造部15は六角錐19として形成されている。さらに、図6(B)に示すように、六角錐19を構成する面19Aは車両前後方向に延びる仮想の水平線Lに対して非垂直に形成されている。
【0026】
第2光学媒体20の第1表面21は、第1光学媒体10の第2表面12と密着するように形成されている。従って、第1表面21も微細な凹凸形状によって形成されている。
【0027】
本実施形態の被覆部材1を構成する第1光学媒体10は、透明であり、例えばポリカーボネイト(PC)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)などの樹脂材料により構成されている。
【0028】
本実施形態の被覆部材1は以上のように構成されており、図1に示すように、フロントグリル200の開口210に取り付けて使用に供される。この場合において、車両前方側の第1表面11から第1光学媒体10に入射した光は、図7に示すように、エンジンルーム側の第2表面12に到達するが、この第2光学媒体20との境界面、図示するように微細構造部15がV溝16である場合のV溝16の傾斜面16Aを境に、光は屈折する。特に、第2光学媒体20が第1光学媒体10よりも可視光の屈折率が小さいため、図中の実線で示すように屈折光RLは、境界面である傾斜面16A寄りに近くなるように屈折する。また、一部の光はV溝16の傾斜面16Aで反射し、入射角θ1が臨界角を超えると、その光は境界面で全反射(図中の二点鎖線参照)し、さらに当該第1光学媒体10を反射して第1表面11へ向けて進行した後、当該第1表面11から第1光学媒体10の外に出る。
【0029】
本実施形態の被覆部材1によれば、第1光学媒体10の裏面を複数の微細構造部15によって構成し、各微細構造部15が第1光学媒体10内から出射する可視光の経路を変え、特に入射角θ1(図7参照)が臨界角を超える可視光を全反射させ車両前方へ向けて反射させることができる。
【0030】
このように、被覆部材1は、入射した可視光の多くを当該被覆部材1の前方へ反射できるように、第1光学媒体10の裏面を複数の微細構造部15だけで構成したことで、例えば被覆部材1の前方からユーザーが被覆部材1の奥側を覗こうと試みても、当該ユーザーは当該微細構造部15の傾斜面16Aに反射された光によって当該被覆部材1がきらきら状に光る感じを受ける。また、このような当該被覆部材1が、きらきらときらめくような光輝性を発揮することで、光沢に似た意匠を車両に付与することができる。第1光学媒体10の裏面の微細構造部15は、例えばミリ波が76GHzの場合、縦、横、高さを波長の1/4〜1/10以下の0.05〜0.5mmにすることで、ミリ波の透過に影響を与えることがなく、しかも、光輝性を発揮して内部が透視されることがなくなる。
【0031】
[第2実施形態]
図8は本発明の第2実施形態に係る被覆部材2の使用状態を示す図である。第1実施形態の被覆部材1と同じ又は同様の構成要素には同じ符号を付し、それらを詳細に説明することは省略する。
【0032】
被覆部材2は、車両の前方側に配置される第1光学媒体10と、この第1光学媒体10の裏面に接触して設けられた第2光学媒体20と、この第2光学媒体20の裏側に配設される第3光学媒体30と、から構成されている。
【0033】
第3光学媒体30は、第2光学媒体20の第2表面22に接触する第1表面31と、この第1表面31の反対側に配置されていると共にレーダ装置100を臨む第2表面32と、を有する。図示例では、これらの第1表面31と第2表面32との間が中実に形成されている。
第1表面31は第2光学媒体20の第2表面22の形状と同じ凹凸状に形成されており、この第1表面31が第2光学媒体20の第2表面22に隙間無く接する。第2表面32は第1表面31と同じに形成されている。
この第3光学媒体30は、特に第2光学媒体20のように屈折率が制限されるものではないが、レーダ装置100からのミリ波を透過させることができるものを利用する。本実施形態の第3光学媒体は不透明であり、例えばポリカーボネイト(PC),熱可塑性樹脂(ABS),ポリプロピレン(PP)などの樹脂材料により構成されている。
【0034】
このように構成された被覆部材2も、第1実施形態と同様の効果を発揮する。さらに、不透明な第3光学媒体30を備えていることで、レーダ装置100の視認性をさらに低減することができる。
【0035】
次に、第1実施形態の具体例として第1実施例を、第2実施形態の具体例として第2実施例を、それぞれ説明する。前述の実施形態と同じ又は同様の構成要素には同じ符号を付す。
【0036】
[第1実施例]
図9は第1実施例の被覆部材1Aの使用状態を示している。
第1光学媒体10は例えばポリカーボネイトから構成されている。第2光学媒体20の透明物質は、ポリカーボネイトよりも可視光の屈折率の低い気体であり、例えば空気によって構成されている。言い換えれば、本第1実施例では、被覆部材1Aは、第1光学媒体10だけから構成されている。第2光学媒体20が空気層25であるため、第1光学媒体10の第2表面12を構成する複数の微細構造部15は他の部材で覆われずに、直に空気に接する。
なお、透明物質として、本実施例の空気に代えて、CO2,Heなどの気体を用いてもよい。
【0037】
このような構成の第1実施例でも、車両前側から第1光学媒体10に入射した可視光は、図7に示すように第1光学媒体10の第2表面12を成す境界面で、一部の光が全反射して再び第1表面11から車両前方へ出射する。よって、第1実施形態と同様の効果を発揮する。
なお、図10は、微細構造部15が図3のV溝16である場合、溝幅のピッチを100μm(以下、基準幅と呼ぶ)としたときの輝度の指数を基準値1とし、ピッチを0から250μmまで変えた場合の各ピッチにおける輝度の基準幅における輝度に対する相対指数を表すグラフである。このグラフは、ピッチ幅0から250μmにおいて、光の全反射現象を利用している為、ピッチが大きく、つまり反射面積が大きくなるにつれて輝度が高くなることを示している。なお、第1光学媒体10は屈折率1.58のポリカーボネイトであり、第2光学媒体20は空気1.00である。
【0038】
[第2実施例]
図11は第2実施例の被覆部材2Aの使用状態を示している。
第1光学媒体10は例えばポリカーボネイトから構成されている。第2光学媒体20は、第1実施例と同様に、透明物質である空気を利用する。
第3光学媒体30は、ポリカーボネイト(PC),熱可塑性樹脂(ABS),ポリプロピレン(PP)などの樹脂材料によって不透明に構成されている。
なお、本第2実施例では図に示すように、第2光学媒体20である空気層25は、第1光学媒体10と第2光学媒体30とに囲繞されている。言い換えれば、被覆部材2Aは、外気や水分が被覆部材外から被覆部材2Aの内部の空気層25に浸入しないよう、第1光学媒体10と第3光学媒体30とを気密的に及び水密的に重ね合わせて、構成されている。
【0039】
このように構成された被覆部材2Aは、第1実施例と同様の効果を発揮することに加えて、反射面を成す第1光学媒体10の第2表面12の汚れを防止しクリーン状態を維持することができる。
【0040】
以上詳述したが、本発明は発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施をすることができる。
第1光学媒体と第2光学媒体との境界面は、第2光学媒体と第3光学媒体との境界面は、それぞれ大きな凹凸形状を無しに形成されてもよい。
第2光学媒体の第2表面22と第3光学媒体の第2表面32は、なだらかな面或いは平坦な面として構成されてもよい。第1光学媒体10の第1表面11も平坦に形成されてもよい。
第1光学媒体の第1表面は、凹凸とした面に形成されてもよい。
【0041】
上記説明では、被覆部材1,1A,2,2Aがフロントグリル200に設けた開口210に配設される場合を説明したが、配置箇所は開口210に限られるものではない。例えば、フロントグリルが車幅方向に左右に2分割される場合、それらの間に配置されてもよい。このように取付箇所は限定されるものではないが、レーダ装置からの電磁波の伝搬経路上に配置される。また、レーダ装置の構成も限定されるものではない。
また、上記説明では、複数の微細構造部15が第1光学媒体10の第2表面12に規則的に配列されているが、複数の微細構造部15が不規則に、例えばその向きや凹凸の寸法が異なるように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1,1A,2,2A 被覆部材
10 第1光学媒体
11 第1光学媒体の第1表面
12 第1光学媒体の第2表面
15 微細構造部
20 第2光学媒体
21 第2光学媒体の第1表面
22 第2光学媒体の第2表面
25 空気層
30 第3光学媒体
31 第3光学媒体の第1表面
32 第3光学媒体の第2表面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前部に設けたレーダ装置からのミリ波の伝搬経路上に配置される被覆部材であって、
車両前方側に配置される第1光学媒体と、この第1光学媒体の裏面に接触して設けられた第2光学媒体と、を備え、
上記第1光学媒体の裏面は隙間無く並んだ複数の微細構造部によって構成され、
上記微細構造部は下記の構成(A1)又は(A2)の何れかによって構成され、
上記第2光学媒体の屈折率は上記第1光学媒体の屈折率よりも低いことを特徴とする、レーダ装置用被覆部材。
(A1)車両前後方向に延びる仮想の水平線に対して非垂直な面。
(A2)頂点を除いた部分全てが車両前後方向に延びる仮想の水平線に対して非垂直である半球状の曲面。
【請求項2】
前記第2光学媒体の裏側に不透明な第3光学媒体が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のレーダ装置用被覆部材。
【請求項3】
前記第2光学媒体が空気層として形成され、
上記空気層は、前記第1光学媒体と前記第3光学媒体とによって囲繞されていることを特徴とする、請求項2に記載のレーダ装置用被覆部材。
【請求項1】
車両前部に設けたレーダ装置からのミリ波の伝搬経路上に配置される被覆部材であって、
車両前方側に配置される第1光学媒体と、この第1光学媒体の裏面に接触して設けられた第2光学媒体と、を備え、
上記第1光学媒体の裏面は隙間無く並んだ複数の微細構造部によって構成され、
上記微細構造部は下記の構成(A1)又は(A2)の何れかによって構成され、
上記第2光学媒体の屈折率は上記第1光学媒体の屈折率よりも低いことを特徴とする、レーダ装置用被覆部材。
(A1)車両前後方向に延びる仮想の水平線に対して非垂直な面。
(A2)頂点を除いた部分全てが車両前後方向に延びる仮想の水平線に対して非垂直である半球状の曲面。
【請求項2】
前記第2光学媒体の裏側に不透明な第3光学媒体が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のレーダ装置用被覆部材。
【請求項3】
前記第2光学媒体が空気層として形成され、
上記空気層は、前記第1光学媒体と前記第3光学媒体とによって囲繞されていることを特徴とする、請求項2に記載のレーダ装置用被覆部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−107913(P2012−107913A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255416(P2010−255416)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【出願人】(000178022)山形カシオ株式会社 (65)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000157083)関東自動車工業株式会社 (1,164)
【出願人】(000178022)山形カシオ株式会社 (65)
【Fターム(参考)】
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