説明

レール端面研削装置

【課題】レール端面を、容易に、平坦に且つレールの長手方向に対して垂直に研削する。
【解決手段】研削機10と、研削機10をレール1に対して相対移動可能に取り付ける取付具30とを備えている。研削機10は、外周面が研削面12を成す無端研削平ベルト11と、研削面12の一部の平坦性を確保するベルト支持板17と、ガイド受け部25と、ケーシング20とを備えている。取付具30は、レール1を相対移動不能に保持するレール保持部31と、レール保持部31が相対移動不能に保持しているレール1の長手方向に平行な方向に伸びるガイドバー47と、を備えている。ガイド受け部25は、無端研削平ベルト11の平坦部13が、レール保持部31で保持されているレール1の長手方向に対して垂直な状態を維持しつつ、レール1の長手方向に往復移動可能に、ケーシング20に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道レールの長手方向の端面を研削するレール端面研削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道レールにおいて、二本のショートレールを接合して、一本のロングレールを製造する際には、まず、二本のショートレールの各端面を、平坦に且つ各レールの長手方向に垂直に研削する。そして、二本のショートレールの端面相互を接触させ、端面相互を溶着する。
【0003】
このレールの端面を研削するレール端面研削装置としては、例えば、以下の非特許文献1に開示されている装置がある。
【0004】
このレール端面研削装置は、研削機と、レールに対して研削機を相対移動可能にレールに取り付ける取付具とを備えている。研削機は、カップ型砥石と、これを回転させる砥石駆動機構と有している。このカップ砥石は、カップの円形開口側の環状の端面が研削面になっている。取付具は、レールを相対移動不能に保持するレール保持具と、このレール保持具が保持しているレールと平行な方向に伸びている揺動軸と、を有している。研削機は、取付具の揺動軸を中心として揺動可能に、この揺動軸に取り付けられている。研削機の砥石回転軸は、この揺動軸と平行である。
【0005】
このレール端面研削装置で、レールの端面を研削する際には、まず、取付具をレールに取り付ける。取付具がレールに取り付けられた状態では、取付具の揺動軸、及び研削機の砥石回転軸は、レールに対してほぼ平行になる。また、この状態では、砥石回転軸に取り付けられているカップ型砥石の環状の研削面は、レールの端面に対してほぼ平行になる。
【0006】
取付具をレールに取り付けると、砥石駆動機構を駆動させて、カップ型砥石を回転させる。そして、取付具の揺動軸を中心として研削機を揺動させて、つまり、揺動軸を中心として、レール端面に平行な面内でカップ型砥石の研削面を揺動させて、このレール端面をカップ型砥石で研削させる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】飯山機工株式会社、[online]、[平成22年7月2日]、インターネット<URL:http://www.iijimakiko.co.jp/catarog/t15.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記非特許文献1に記載のレール端面研削装置では、研削機を揺動させている際中の各時点において、カップ型砥石の環状の研削面がレール端面の一部にしか接触せず、しかも、各時点毎にレール端面との接触位置が変化するため、レール端面を平坦に且つレールの長手方向に対して垂直に研削することが難しい、という問題点がある。すなわち、このレール端面研削装置で、レール端面を平坦に且つレールの長手方向に対して垂直に研削するためには、作業者に高い技能が要求される。
【0009】
そこで、本発明は、このような従来技術の問題点に着目し、容易に、レール端面を平坦に且つレールの長手方向に対して垂直に研削することができるレール端面研削装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記問題点を解決するための発明に係るレール端面研削装置は、
研削機と、該研削機を該鉄道レールに対して相対移動可能に取り付ける取付具とを備えているレール端面研削装置において、
前記研削機は、外周面が研削面を成す無端研削平ベルトと、該無端研削平ベルトを循環駆動させるベルト駆動機構と、該無端研削平ベルトの一部を支持して、該無端研削平ベルトの前記研削面の一部の平坦性を確保するベルト支持板と、該無端研削平ベルト、該ベルト駆動機構及びベルト支持板が設けられるケーシングと、を備え、前記取付具は、前記鉄道レールを相対移動不能に保持するレール保持部を備え、前記研削機と前記取付具とのうち、一方は、前記鉄道レールを前記レール保持部が相対移動不能に保持している際の該鉄道レールの長手方向に平行な方向に伸びるガイドバーを備え、他方は、該ガイドバーが伸びている方向に摺動自在に該ガイドバーに係合するガイド受け部を備え、前記ベルト支持板により平坦性が確保されている前記無端研削平ベルトの平坦部が、前記レール保持部で保持されている前記鉄道レールの長手方向に対して垂直な状態を維持しつつ、前記ガイドバーに対して前記ガイド受け部が摺動することで該鉄道レールの長手方向に往復移動可能に、前記ガイドバーと前記ガイド受け部とのうちの一方が前記研削機の前記ケーシングに固定されている、ことを特徴とする。
【0011】
当該レール端面研削装置では、無端研削平ベルトの平坦部が、レール保持部で保持されている鉄道レールの長手方向に対して垂直な状態を維持しつつ、研削機のケーシングが鉄道レールの長手方向に伸びるガイドバーに案内されることで、鉄道レールの長手方向に往復移動する。このため、当該レール端面研削装置では、無端研削平ベルトの平坦部が鉄道レールの端面に接する際には、端面全体に接触して、この端面を研削するので、当該レール端面研削装置の操作に熟練していなくても、極めて簡単に、レール端面を平坦に研削することができる。しかも、鉄道レールの長手方向に対して垂直な向きで、無端研削平ベルトの平坦部をレール端面に接触させているので、レール端面をレールの長手方向に垂直に研削することができる。
【0012】
ここで、前記レール端面研削装置において、前記レール保持部は、前記鉄道レールが挿通されるレール挿通開口が形成されている保持枠と、該レール挿通開口に挿通されている該鉄道レールを、該レール挿通開口の縁側に押し付けて、少なくとも該鉄道レールの押付け方向及び該鉄道レールの長手方向において、該鉄道レールを該保持枠に対して相対移動不能に拘束するレール押付具と、を備えていてもよい。
【0013】
この場合、前記保持枠は、前記レール挿通開口がそれぞれに形成されている一対のレール挿通枠板と、該一対のレール挿通枠板の各レール挿通開口が前記ガイドバーの伸びている方向において互いに対向し合うよう、該一対のレール挿通枠板の相互間を開けて、相互に連結する連結部材と、を有していてもよい。
【0014】
当該レール端面研削装置では、一対のレール挿通枠板の相互間がガイドバーの伸びている方向において開けられているので、各レール挿通枠板のレール挿通開口に挿通された鉄道レールを、ガイドバーが伸びている方向に垂直な軸回りのねじれを抑えることができる。
【0015】
また、前記レール端面研削装置において、前記レール押付具は、前記押付け方向に伸び、前記連結部材に螺合して貫通しているネジ部と、該押付け方向における該ネジ部の端部に設けられ、前記鉄道レールに接するレール押圧端部とを有していてもよい。
【0016】
当該レール端面研削装置では、レール押付具を連結部材にねじ込むことにより、当該レール押付具のレール押圧端部を鉄道レールに接触させて、当該鉄道レールをレール挿通開口の縁側に押し付け、少なくとも鉄道レールの押付け方向及び鉄道レールの長手方向において、鉄道レールを保持枠に対して相対移動不能に拘束することができる。
【0017】
また、前記レール端面研削装置において、前記レール保持部は、前記保持枠の前記レール挿通開口に挿通されている前記鉄道レールの外周面と該レール挿通開口の縁との間に挿入されて、該鉄道レールの前記長手方向に対して垂直な方向であって、当該挿入された位置から該鉄道レールを基準にして反対側に向かう幅寄せ方向において、該保持枠に対する該鉄道レールの相対位置を規制する位置規制片を備えていてもよい。
【0018】
当該レール端面研削装置では、幅寄せ方向において、鉄道レールを保持枠に対して相対移動不能に拘束することができる。特に、保持枠が、ガイドバーが伸びている方向に並んでいる一対のレール挿通枠板を有している場合には、幅寄せ方向において、鉄道レールを各レール挿通枠板に対して相対移動不能に拘束することができるので、ガイドバーが伸びている方向に垂直な軸回り方向においも、鉄道レールを各レール挿通枠板に対して相対移動不能に拘束することができる。
【0019】
また、前記レール端面研削装置において、前記保持枠の前記レール挿通開口の縁は、該レール挿通開口に挿通されている前記鉄道レールの頭頂面に対向する頭頂面対向縁と、該鉄道レールの底面に対向する底面対向縁と、該鉄道レールの一対の側面に対向する一対の側面対向縁とを有し、前記押付け方向が前記頭頂面対向縁から前記底面対向縁へ向かう方向であり、前記レール押付具は、前記レール挿通開口に挿通されている前記鉄道レールを、該レール挿通開口の前記底面対向縁側に押し付け、前記位置規制片は、前記鉄道レールの一対の側面のうちの一方の側面と、前記レール挿通開口の前記一対の側面対向縁のうち一方の側面対向縁との間に挿入され、該鉄道レールを他方の側面対向縁側に押付けてもよい。
【0020】
当該レール端面研削装置では、レール押付具による鉄道レールの押付方向と、位置規制片による鉄道レールの押付方向が異なるため、三次元空間内において、鉄道レールを保持枠に対して相対移動不能に拘束することができる。
【0021】
また、レール端面研削装置において、前記鉄道レールは、車輪が接する頭部と、マクラギに接する底部と、該頭部と該底部とを連結する柱部とを有し、前記保持枠の前記レール挿通開口の縁は、該レール挿通開口に挿通されている前記鉄道レールの一対の頭部側面に対向する頭側面対向縁と、該鉄道レールの一対の底部側面に対向する一対の底側面対向縁とを有し、前記位置規制片として、前記鉄道レールの前記一対の底部側面のうちの一方の底部側面と、前記レール挿通開口の前記一対の底側面対向縁のうちの一方の底側面対向縁との間に挿入され、該鉄道レールを他方の底側面対向縁側に押付ける第一位置規制片と、前記鉄道レールの前記一対の頭部側面のうちの他方の頭部側面と、前記レール挿通開口の前記一対の頭側面対向縁のうちの他方の頭側面対向縁との間に挿入され、該鉄道レールを一方の頭側面対向縁側に押付ける第二位置規制片と、を備えていてもよい。
【0022】
当該レール端面研削装置では、第一位置規制片と第二位置規制片とにより、ガイドバーが伸びている方向に垂直な方向の二箇所で、鉄道レールを保持枠に対して相対移動不能に拘束しているので、ガイドバーが伸びている方向に平行な軸回りにおいて、鉄道レールを保持枠に対して相対移動不能に拘束することができる。
【0023】
また、前記レール端面研削装置において、前記鉄道レールとして、前記一対の頭部側面の相互間の幅である頭部幅が同じで、前記一対の底部側面の相互間の幅である底部幅が異なる第一レールと第二レールとが存在し、前記第一位置規制片は、前記鉄道レールの前記一方の底部側面と、前記レール挿通開口の前記一方の底側面対向縁との間に挿入される挿入部として、第一挿入部と第二挿入部とを有し、前記第一挿入部の前記幅寄せ方向の寸法と前記第二挿入部の前記幅寄せ方向の寸法との差は、前記第一レールの前記底部幅の寸法と前記第二レールの前記底部幅の寸法との差の半分であってもよい。
【0024】
当該レール端面研削装置では、鉄道レールとして、寸法の異なる第一レールと第二レールとが存在しても、各レールを保持枠に対して相対移動不能に拘束することができる。
【0025】
また、前記レール端面研削装置において、前記研削機の前記ケーシングには、係合部が設けられ、前記保持枠には、前記ガイドバーが伸びている方向に対して垂直な回転軸回りに、回転可能に操作バーが取り付けられ、前記操作バーには、前記回転軸を基準にして、一方の側に操作部が形成され、他方の側に前記研削機の前記係合部が係合する被係合部が形成され、前記係合部は、前記操作バーの回転により、前記ケーシングが前記往復移動するよう、前記被係合部に係合していてもよい。
【0026】
当該レール端面研削装置では、操作バーを操作することで、ガイドバーが伸びている方向において研削機を容易に往復移動させることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明では、無端研削平ベルトの平坦部が鉄道レールの端面全体に接触して、この端面を研削するので、当該レール端面研削装置の操作に熟練していなくても、極めて簡単に、レール端面を平坦に研削することができる。さらに、本発明では、鉄道レールの長手方向に対して垂直な向きで、無端研削平ベルトの平坦部をレール端面に接触させているので、レール端面をレールの長手方向に垂直に研削することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る一実施形態におけるレール端面研削装置の展開斜視図である。
【図2】本発明に係る一実施形態における取付具の側面図である。
【図3】図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】本発明に係る一実施形態における研削機の要部切欠き側面図である。
【図5】図4におけるV矢視図である。
【図6】本発明に係る一実施形態におけるレール端面研削装置の側面図である。
【図7】図6におけるVII矢視図である。
【図8】本発明に係る一実施形態におけるレール端面研削装置の動作を示す説明図で、同図(A)は無端研削平ベルトと鉄道レールの端面とが離れている状態を示し、同図(B)は無端研削平ベルトと鉄道レールの端面とが接している状態を示す。
【図9】本発明に係る一実施形態における第一位置規制片の装着時の斜視図で、同図(A)は第一挿入部を挿入した際の斜視図であり、同図(B)は第二挿入部を挿入した際の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係るレール端面研削装置の一実施形態について、図面を用いて説明する。
【0030】
本実施形態のレール端面研削装置は、図1に示すように、研削機10と、鉄道レール(以下、単にレールとする)に対して研削機10を相対移動可能にレール1に取り付ける取付具30とを備えている。
【0031】
研削機10は、外周面が研削面12を成す無端研削平ベルト11と、無端研削平ベルト11を循環駆動させるベルト駆動機構14と、無端研削平ベルト11の研削面12の一部の平坦性を確保するベルト支持板17と、取付具30との相対位置関係を規制するガイド受け部25及び係合ロッド27と、これらが設けられるケーシング21と、を備えている。
【0032】
取付具30は、レール1を相対移動不能に保持するレール保持部31と、研削機10のガイド受け部25が摺動自在に係合するガイドバー47と、研削機10の係合ロッド27の端部が係合する操作バー55と、を備えている。
【0033】
レール保持部31は、レール1が挿通されるレール挿通開口34が形成されているレール保持枠32と、レール挿通開口34に挿通されているレール1をレール挿通開口34の縁に押し付けるレール押付具50と、このレール1の外周面とレール挿通開口34の縁との間に挿入される位置規制片61,64,67と、を備えている。
【0034】
レール保持枠32は、それぞれにレール挿通開口34が形成されている一対のレール挿通枠板33と、一対のレール挿通枠板33を相互間を開けて連結する複数の連結部材41〜45と、を有している。一対のレール挿通枠板33は、ガイドバー47が伸びている方向で互いが平行に並び、且つ互いのレール挿通開口34が対向するよう、複数の連結部材41〜45で連結されている。
【0035】
ここで、レール1の構成について簡単に説明する。レール1は、図3に示すように、車輪が接する頭部2と、マクラギに接する底部5と、頭部2と底部5とを連結する柱部8と、を有している。頭部2には、車輪の踏面が接する頭頂面3と、一対の頭側面4とが形成されている。また、底部5は、マクラギに接する底面6と、一対の底側面7とが形成されている。
【0036】
本実施形態で扱うレールは、主に新幹線用として利用される160kgレール1、主に在来線用として利用される50kgNレール1aである。一対の頭側面4の相互間の寸法である頭部幅寸法Whは、60kgレール1と50kgNレール1aとは同じである。一対の底側面7の相互間の寸法である底部幅寸法Wb(60kgレールの幅寸法),Wba(50kgNレールの幅寸法)は、60kgレール1が50kgNレール1aよりも大きい。頭頂面3と底面6との相互間の寸法である高さ寸法も、60kgレール1が50kgNレール1よりも大きい。
【0037】
レール挿通枠板33のレール挿通開口縁34aは、レール1の頭頂面3が対向する頭頂面対向縁35と、レール1の側面が対向する側面対向縁36,37と、レール1の底面6が対向する底面対向縁38とがある。側面対向縁36,37には、さらに、レール1の一対の頭側面4に対向する一対の頭側面対向縁36と、レール1の一対の底側面7に対向する底側面対向縁37とがある。頭頂面対向縁35と底面対向縁38とは、互いに向い合い且つ平行である。また、一対の頭側面対向縁36は、互いに向い合い且つ平行である。さらに、一対の底側面対向縁37も、互い向い合い且つ平行である。
【0038】
頭頂面対向縁35と底面対向縁38との相互間の寸法である開口高さ寸法は、50kgNレール1aより大きい60kgレール1の高さ寸法より若干大きい。一対の底側面対向縁37の相互間の寸法である開口底幅寸法は、50kgNレール1より大きい60kgレール1の底部幅寸法Wbより若干大きい。一対の頭側面対向縁36の相互間の寸法である開口頭寸法は、60kgレール1及び50kgNレール1の頭部幅寸法Whよりも若干大きい。
【0039】
なお、以下の説明の都合上、レール挿通開口34の開口高さ方向をY方向とし、このY方向に垂直なレール挿通開口34の開口幅方向をX方向とし、X及びY方向に垂直な方向をZ方向とする。
【0040】
連結部材41〜45は、レール挿通枠板33中で、レール挿通開口34の(−)Y側に設けられている下連結部材41と、レール挿通開口34の(+)Y側に設けられているレール押付具支持材42及び操作バー支持材43と、レール挿通開口34の(−)X側に設けられている第一横連結部材44と、レール挿通開口34の(+)X側に設けられている2つの第二横連結部材45と、を有している。これらの連結部材41〜45は、いずれも、Z方向に伸びている。
【0041】
レール押付具支持材42には、レール押付具50が取り付けられている。このレール押付具50は、Y方向の伸び、レール押付具支持材42に螺合して貫通しているネジ部51と、このネジ部51の(+)Y側の端部に固定されている押付操作ハンドル52と、このネジ部51の(−)Y側の端部に取り付けられ、レール1の頭頂面3に接するレール押圧座53と、を有している。
【0042】
操作バー支持材43には、X方向に伸びるバー回転軸58が設けられている。このバー回転軸58には、操作バー55が回転可能に取り付けられている。バー回転軸58を基準として、操作バー55の一方の端部には、操作部56が形成され、他方の端部には、研削機10の係合ロッド27が係合する被係合部57が形成されている。この被係合部57は、図2及び図3に示すように、操作バー55をX方向に貫通し、この操作バー55が伸びている方向に長い長孔である。
【0043】
2つの第二横連結部材41〜45は、内部が中空の角筒形状を成している。2本のガイドバー47は、それぞれ、中空の第二横連結部材45内に挿通されている。このガイドバー47の(−)Z側の端部は、一対のレール挿通枠板33のうち、(−)Z側のレール挿通枠板33に固定されている。また、このガイドバー47は、(+)Z側のレール挿通枠板33を貫通し、(+)Z側に伸びている。
【0044】
位置規制片61,64,67は、図1及び図3に示すように、2つの第一位置規制片61と、2つの第二位置規制片64と、4つの第三位置規制片67とがある。各第一位置規制片61は、レール1の一対の底側面7のうちの(+)X側の底側面7と、各レール挿通枠板33,33の一対の底側面対向縁37のうちの(+)X側の底側面対向縁37との間に挿入される挿入部62,62aと、レール挿通枠板33に固定するためのネジ孔が形成されているフランジ部63とを有する。挿入部62,62aは、図9(A)に示すように、X方向の幅が狭い第一挿入部62と、同図(B)に示すように,X方向の幅が広い第二挿入部62aとがある。
【0045】
各第二位置規制片64は、図1及び図3に示すように、レール1の一対の頭側面4のうちの(−)X側の頭側面4と、各レール挿通枠板33,33の一対の頭側面対向縁36のうちの(−)X側の頭側面対向縁36との間に挿入される挿入部65と、レール挿通枠板33に固定するためのネジ孔が形成されているフランジ部66とを有する。
【0046】
各第三位置規制片67は、レール1の底面6と各レール挿通枠板33,33の底面対向縁38との間に挿入される挿入部68と、レール挿通枠板33に固定するためのネジ孔が形成されているフランジ部69とを有する。なお、2つの第一位置規制片61及び2つの第二位置規制片64は、各レール挿通板枠33に1つずつ設けられるが、4つの第三位置規制片67は、各レール挿通板枠33に2つずつ設けられる。
【0047】
一対の底側面対向縁37の相互間の寸法である開口底幅寸法の1/2寸法は、図3に示すように、60kgレール1の底部幅寸法Wbの1/2寸法(1/2Wb)と、第一位置規制片61の第一挿入部62のX方向の寸法とを加えた寸法に等しい。また、この開口底幅寸法の1/2寸法は、50kgNレール1aの底部幅寸法Wbaの1/2寸法(1/2Wba)と、第一位置規制片61の第二挿入部62aのX方向の寸法とを加えた寸法に等しい。すなわち、第一位置規制片61の第一挿入部62のX方向の寸法と第二挿入部62aのX方向の寸法との差は、60kgレール1の底部幅寸法Wbの1/2寸法(1/2Wb)と50kgNレール1aの底部幅寸法Wbaの1/2寸法(1/2Wba)との差に等しい。
【0048】
また、一対の頭側面対向縁36の相互間の寸法である開口頭幅寸法の1/2寸法は、60kgレール1の頭部幅寸法Whの1/2寸法(=50kgNレール1の頭部幅寸法の1/2寸法)と、第二位置規制片64の挿入部65のX方向の寸法とを加えた寸法に等しい。
【0049】
研削機10のベルト駆動機構14は、図1及び図4に示すように、無端研削平ベルト11が掛け渡される駆動プーリ15及び従動プーリ16と、駆動プーリ15を回転させる研削モータ19と、駆動プーリ15と従動プーリ16との間隔を調節するテンション調整機構18と、を有している。
【0050】
研削機10が取付具30に取り付けられている状態では、従動プーリ16に対して駆動プーリ15が(+)Y側に位置し、駆動プーリ15及び従動プーリ16の回転軸は、いずれも、X方向に伸びている。
【0051】
研削機10のベルト支持板17は、無端研削平ベルト11の内周面に接する平坦面17aを有している。このベルト支持板17は、その平坦面17aがXY平面と平行な状態(Z方向に垂直な状態)で、駆動プーリ15と従動プーリ16との間であって、各プーリー15,16を基準にして(−)Z側に位置している無端研削平ベルト11の内周面に平坦面17aが接するよう配置されている。無端研削平ベルト11の研削面12のうち、このベルト11の内周面がベルト支持板17の平坦面17aに接している部分が平坦部13を形成している。なお、無端研削平ベルト11の幅寸法、つまりX方向の幅寸法、及びベルト支持板17のX方向の幅寸法は、本実施形態で扱うレール1のうちで、最も底部幅寸法の大きい60kgレール1の底部幅寸法Wbよりも大きい。
【0052】
従動プーリ16、駆動プーリ15、これらのプーリ15,16に掛け渡されている無端研削平ベルト11、テンション調整機構18は、研削機ケーシング21内に収められている。但し、図1、図4及び図5に示すように、ケーシング21の(−)Z側の壁板には開口が形成されており、この開口から無端研削平ベルト11の平坦部13が臨めるようになっている。
【0053】
研削機ケーシング21の(+)Z側の壁板には、図1、図5及び図6に示すように、取付具30のガイドバー47が摺動自在に入り込む貫通孔25aが形成されている2つのガイド受け部25と、取付具30の操作バー55に係合する係合ロッド27と、駆動プーリ15を回転駆動させる研削モータ19が固定されている。
【0054】
ガイド受け部25の貫通孔25aは、ガイドバー47が挿通できる孔径で、Z方向に貫通している。係合ロッド27は、(−)Z方向に伸びるロッド本27aと、このロッド本体27aの(−)Z側の端部に(−)X側に伸び、操作バー55の被係合部57に係合する係合部27bとを有している。研削モータ19は、電源ユニット29(図1)とケーブルで接続されている。
【0055】
研削機10を取付具30に取り付ける際には、まず、取付具30の各ガイドバー47を研削機10の各ガイド受け部25に挿通させる。この結果、無端研削平ベルト11の平坦部13は、取付具30のレール挿通開口34に対向し且つXY平面になると共に、取付具30に対する研削機ケーシング21の移動方向がZ方向に限定される。そして、各ガイドバー47が各ガイド受け部25から抜けないよう、各ガイドバー47の(+)Z側の端部に抜け止めネジ48(図6)を取り付ける。なお、取付具30に対して研削機10を遠ざかる向きに付勢するため、(+)Z側のレール挿通枠板33と研削機10のガイド受け部25との間には、図1に示すように、ガイドバー47に挿通させたコイルスプリング等の弾性部材49を配してもよい。
【0056】
次に、研削機10の係合ロッド27の係合部27bを取付具30の操作バー55の被係合部57に係合させる。この結果、操作バー55の操作部56を操作して、操作バー55を回転させると、操作バー55の被係合部57に係合している係合ロッド27がZ方向に移動し、この移動に伴って、この係合ロッド27が固定されている研削機ケーシング21もZ方向に移動するようになる。
【0057】
次に、以上で説明したレール端面研削装置によるレール端面9の研削手順について説明する。
【0058】
まず、図1、図3及び図7に示すように、各レール挿通枠板33の底面対向縁38に沿った箇所に、第三位置規制片67をネジで固定する。次に、各レール挿通枠板33のレール挿通開口34に、研削対象のレール1を挿通させる。この結果、各第三位置規制片67の挿入部68は、各レール挿通枠板33の底面対向縁38とレール1の底面6との間に挟まれる。
【0059】
次に、各レール挿通枠板33のレール挿通開口34に挿通させたレール1の(−)X側の頭側面4と、各レール挿通枠板33の(−)X側の頭側面対向縁36との間に、第二位置規制片64の挿入部65を挿入してから、この第二位置規制片64をネジでレール挿通枠板33に固定する。続いて、各レール挿通枠板33のレール挿通開口34に挿通させたレール1の(+)X側の底側面7と、各レール挿通枠板33の(+)X側の底側面対向縁37との間に、第一位置規制片61の挿入部62を挿入してから、この第一位置規制片61をネジでレール挿通枠板33に固定する。なお、この際、レール挿通開口34に挿通させたレールが60kgレール1である場合には、図9(A)に示すように、第一位置規制片61の第一挿入部62を挿入し、各レール挿通枠板33のレール挿通開口34に挿通させたレールが50kgNレール1aである場合には、図9(B)に示すように、第一位置規制片61の第二挿入部62aを挿入する。そして、レール押付具50の押付操作ハンドル52を操作して、このレール押付具50をレール押付具支持材42に対して相対的に(−)Y方向に移動させて、このレール押付具50のレール押圧座53をレール1の頭頂面3に接触させる。この結果、レール1の頭頂面3とレール押付具50との間、レール1の底面6と第三位置規制片67の挿入部68との間に摩擦力が作用して、レール1は、レール保持枠32に対して移動不能に拘束される。
【0060】
以上で、取付具30に対するレール1の固定が終了する。なお、以上では、第二位置規制片64を第一位置規制片61よりも先にレール挿通枠板33に固定したが、第一位置規制片61を第二位置規制片64よりも先にレール挿通枠板33に固定してもよい。
【0061】
本実施形態では、以上のように、(+)Z側のレール挿通枠板33及び(−)Z側のレール挿通枠板33に対して、それぞれ、第二位置規制片64を固定して、レール保持枠32に対するレール1の(−)X方向の移動を規制すると共に、(+)Z側のレール挿通枠板33及び(−)Z側のレール挿通枠板33に対して、それぞれ、第一位置規制片61を固定して、レール保持枠32に対するレール1の(+)X方向の移動を規制しているので、レール保持枠32に対するレール1のX方向の移動を拘束することができる。しかも、(+)Z側のレール挿通枠板33の位置及び(−)Z側のレール挿通枠板33の位置で、つまり、Z方向における異なる位置で、レール1のX方向の位置をそれぞれ拘束しているので、レール保持枠32に対するレール1の左右方向の傾き、言い換えると、Y軸回りのねじれを抑えることができる。さらに、レール挿通枠板33の頭側面対向縁36と底側面対向縁37の位置で、つまり、Y方向における異なる位置で、レール1のX方向の位置をそれぞれ拘束しているので、レール保持枠32に対するレール1のZ軸回りのねじれを抑えることもできる。
【0062】
また、本実施形態では、(+)Z側のレール挿通枠板33及び(−)Z側のレール挿通枠板33に対して、それぞれ、2つの第三位置規制片67を固定して、レール保持枠32に対するレール1の(−)Y方向の移動を規制すると共に、レール押付具50のレール押圧座53をレール頭頂面3に押付けて、レール保持枠32に対するレール1の(+)Y方向の移動を拘束している。しかも、Z方向の異なる位置で、レール1のY方向の位置をそれぞれ拘束しているので、レール保持枠32に対するレール1の上下方向の傾き、言い換えると、X軸回りのねじれを抑えることができる。さらに、本実施形態では、レール押圧座53とレール頭頂面3との間の摩擦力及び第三位置規制片67とレール底面6との間の摩擦力により、レール保持枠32に対するレール1のY方向の移動を拘束している。
【0063】
すなわち、本実施形態では、X方向、Y方向、Z方向における、レール保持枠32に対するレール1の移動を拘束することができる。さらに、レール保持枠32に対して、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りに関して、レール保持枠32に対するレール1のねじれを抑えることができる。このため、本実施形態では、ガイドバー47が伸びているZ方向にレール1の長手方向が正確に向いた状態で、言い換えると、ガイドバー47とレール1とが平行な状態で、レール1をレール保持枠32に固定することができる。
【0064】
取付具30に対するレール1の固定が終了すると、操作バー55の操作部56に、研削操作ハンドル59を装着する。そして、研削モータ19を駆動させて、無端研削平ベルト11を循環駆動させる。
【0065】
無端研削平ベルト11が循環駆動し始めると、研削操作ハンドル59を操作して、この研削操作ハンドル59が装着されている操作バー55を回転させる。具体的には、図8(A)(B)に示すように、研削操作ハンドル59の揺動端側が研削機10に近づく向き((+)Z方向)に、この研削操作ハンドル59を揺動させる。すると、操作バー55の被係合部57は、研削機10から遠ざかる向き((−)Z方向)に揺動し、操作バー55の被係合部57に係合している研削機10の係合ロッド27が(−)Z方向に移動すると共に、この係合ロッド27が固定されている研削機ケーシング21も、ガイドバー47に案内されつつ、(−)Z方向に移動する。この結果、無端研削平ベルト11の研削面12中の平坦部13がレール1の端面9の全体に接触し、この端面9は、平坦に研削される。
【0066】
本実施形態では、無端研削平ベルト11の循環駆動の際中に、研削操作ハンドル59の揺動を繰り返して実行して、レール保持枠32に対して研削機10をZ方向に繰り返し往復移動させて、無端研削平ベルト11の兵端部13でレール端面9を研削する。
【0067】
ところで、無端研削平ベルト11の研削面12中の平坦部13は、ベルト支持板17により、Z方向に垂直に支持されている。このため、レール端面9は、無端研削平ベルト11の平坦部13でZ方向に垂直に研削される。つまり、レール端面9は、レール1の長手方向に垂直に研削される。
【0068】
以上、本実施形態では、レール端面9の全体に、無端研削平ベルト11の平坦部13を接触させて、レール端面9を研削しているので、当該レール端面研削装置の操作に熟練していなくても、極めて簡単に、レール端面9を平坦に研削することができる。しかも、レール1の長手方向に対して垂直な向きで、無端研削平ベルト11の平坦部13をレール端面9に接触させているので、レール端面9をレール1の長手方向に垂直に研削することができる。
【0069】
なお、本実施形態では、ガイドバー47を取付具30側に設け、ガイド受け部25を研削機10側に設けているが、逆に、ガイドバー47を研削機10側に設け、ガイド受け部25を取付具30側に設けてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1:レール(60kgレール)、1a:50kgNレール、2:頭部、3:頭頂面、4:頭側面、5:底部、6:底面、7:底側面、8:柱部、9:端面、10:研削機、11:無端研削平ベルト、12:研削面、13:平坦部、14:ベルト駆動機構、15:駆動プーリ、16:従動プーリ、17:ベルト支持板、19:研削モータ、20:ケーシング、22:(ケーシングの)開口、25:ガイド受け部、27:係合ロッド、27b:係合部、30:取付具、31:レール保持部、32:レール保持枠、33:レール挿通枠板、34:レール挿通開口、34a:レール挿通開口縁、35:頭頂面対向縁、36:頭側面対向縁、37:底側面対向縁、38:底面対向縁、41〜45:連結部材、42:レール押付具支持材、43:操作バー支持材、47:ガイドバー、50:レール押付具、55:操作バー、57:被係合部、59:研削操作ハンドル、61:第一位置規制片、62:第一挿入部、62a:第二挿入部、64:第二位置規制片、67:第三位置規制片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
研削機と、該研削機を該鉄道レールに対して相対移動可能に取り付ける取付具とを備えているレール端面研削装置において、
前記研削機は、外周面が研削面を成す無端研削平ベルトと、該無端研削平ベルトを循環駆動させるベルト駆動機構と、該無端研削平ベルトの一部を支持して、該無端研削平ベルトの前記研削面の一部の平坦性を確保するベルト支持板と、該無端研削平ベルト、該ベルト駆動機構及び該ベルト支持板が設けられるケーシングと、を備え、
前記取付具は、前記鉄道レールを相対移動不能に保持するレール保持部を備え、
前記研削機と前記取付具とのうち、一方は、前記鉄道レールを前記レール保持部が相対移動不能に保持している際の該鉄道レールの長手方向に平行な方向に伸びるガイドバーを備え、他方は、該ガイドバーが伸びている方向に摺動自在に該ガイドバーに係合するガイド受け部を備え、
前記ベルト支持板により平坦性が確保されている前記無端研削平ベルトの平坦部が、前記レール保持部で保持されている前記鉄道レールの長手方向に対して垂直な状態を維持しつつ、前記ガイドバーに対して前記ガイド受け部が摺動することで該鉄道レールの長手方向に往復移動可能に、前記ガイドバーと前記ガイド受け部とのうちの一方が前記研削機の前記ケーシングに固定されている、
ことを特徴とするレール端面研削装置。
【請求項2】
請求項1に記載のレール端面研削装置において、
前記レール保持部は、前記鉄道レールが挿通されるレール挿通開口が形成されている保持枠と、該レール挿通開口に挿通されている該鉄道レールを、該レール挿通開口の縁側に押し付けて、少なくとも該鉄道レールの押付け方向及び該鉄道レールの長手方向において、該鉄道レールを該保持枠に対して相対移動不能に拘束するレール押付具と、
を備えている、
ことを特徴とするレール端面研削装置。
【請求項3】
請求項2に記載のレール端面研削装置において、
前記保持枠は、前記レール挿通開口がそれぞれに形成されている一対のレール挿通枠板と、該一対のレール挿通枠板の各レール挿通開口が前記ガイドバーの伸びている方向において互いに対向し合うよう、該一対のレール挿通枠板の相互間を開けて、相互に連結する連結部材と、を有している、
ことを特徴とするレール端面研削装置。
【請求項4】
請求項3に記載のレール端面研削装置において、
前記レール押付具は、前記押付け方向に伸び、前記連結部材に螺合して貫通しているネジ部と、該押付け方向における該ネジ部の端部に設けられ、前記鉄道レールに接するレール押圧端部とを有している、
ことを特徴とするレール端面研削装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか一項に記載のレール端面研削装置において、
前記レール保持部は、前記保持枠の前記レール挿通開口に挿通されている前記鉄道レールの外周面と該レール挿通開口の縁との間に挿入されて、該鉄道レールの前記長手方向に対して垂直な方向であって、当該挿入された位置から該鉄道レールを基準にして反対側に向かう幅寄せ方向において、該保持枠に対する該鉄道レールの相対位置を規制する位置規制片を備えている、
ことを特徴とするレール端面研削装置。
【請求項6】
請求項5に記載のレール端面研削装置において、
前記保持枠の前記レール挿通開口の縁は、該レール挿通開口に挿通されている前記鉄道レールの頭頂面に対向する頭頂面対向縁と、該鉄道レールの底面に対向する底面対向縁と、該鉄道レールの一対の側面に対向する一対の側面対向縁とを有し、
前記押付け方向が前記頭頂面対向縁から前記底面対向縁へ向かう方向であり、前記レール押付具は、前記レール挿通開口に挿通されている前記鉄道レールを、該レール挿通開口の前記底面対向縁側に押し付け、
前記位置規制片は、前記鉄道レールの一対の側面のうちの一方の側面と、前記レール挿通開口の前記一対の側面対向縁のうち一方の側面対向縁との間に挿入され、該鉄道レールを他方の側面対向縁側に押付ける、
ことを特徴とするレール端面研削装置。
【請求項7】
請求項6に記載のレール端面研削装置において、
前記鉄道レールは、車輪が接する頭部と、マクラギに接する底部と、該頭部と該底部とを連結する柱部とを有し、
前記保持枠の前記レール挿通開口の縁は、該レール挿通開口に挿通されている前記鉄道レールの一対の頭部側面に対向する頭側面対向縁と、該鉄道レールの一対の底部側面に対向する一対の底側面対向縁とを有し、
前記位置規制片として、前記鉄道レールの前記一対の底部側面のうちの一方の底部側面と、前記レール挿通開口の前記一対の底側面対向縁のうちの一方の底側面対向縁との間に挿入され、該鉄道レールを他方の底側面対向縁側に押付ける第一位置規制片と、前記鉄道レールの前記一対の頭部側面のうちの他方の頭部側面と、前記レール挿通開口の前記一対の頭側面対向縁のうちの他方の頭側面対向縁との間に挿入され、該鉄道レールを一方の頭側面対向縁側に押付ける第二位置規制片と、を備えている、
ことを特徴とするレール端面研削装置。
【請求項8】
請求項7に記載のレール端面研削装置において、
前記鉄道レールとして、前記一対の頭部側面の相互間の幅である頭部幅が同じで、前記一対の底部側面の相互間の幅である底部幅が異なる第一レールと第二レールとが存在し、
前記第一位置規制片は、前記鉄道レールの前記一方の底部側面と、前記レール挿通開口の前記一方の底側面対向縁との間に挿入される挿入部として、第一挿入部と第二挿入部とを有し、
前記第一挿入部の前記幅寄せ方向の寸法と前記第二挿入部の前記幅寄せ方向の寸法との差は、前記第一レールの前記底部幅の寸法と前記第二レールの前記底部幅の寸法との差の半分である、
を備えていることを特徴とするレール端面研削装置。
【請求項9】
請求項2から8のいずれか一項に記載のレール端面研削装置において、
前記研削機の前記ケーシングには、係合部が設けられ、
前記保持枠には、前記ガイドバーが伸びている方向に対して垂直な回転軸回りに、回転可能に操作バーが取り付けられ、
前記操作バーには、前記回転軸を基準にして、一方の側に操作部が形成され、他方の側に前記研削機の前記係合部が係合する被係合部が形成され、
前記係合部は、前記操作バーの回転により、前記ケーシングが前記往復移動するよう、前記被係合部に係合している、
ことを特徴とするレール端面研削装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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