説明

ロックオン条件設定プログラム及びゲーム機

【課題】ロックオン条件をプレイヤが設定できるロックオン条件設定プログラム及びゲーム機を提供する。
【解決手段】画面上に複数の敵キャラクタが出現するゲームで用いられるロックオン条件の設定プログラム23は、ゲーム機1を、画面上の敵キャラクタに対してプレイヤの攻撃アイテムをロックオンさせて攻撃する条件であるロックオン情報を指定する指定画面40を表示する指定画面表示手段11と、指定画面表示手段11により表示された指定画面40にプレイヤにより入力されたロックオン情報を受け付けるロックオン情報受付手段12と、して機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロックオン条件設定プログラム及びそのプログラムを実行するゲーム機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、敵キャラクタ等の攻撃対象に照準を固定(ロック)してミサイル等を発射することで、ミサイル等が攻撃対象を追尾するロックオン(自動追尾)機能を有するゲーム装置が存在する。このようなロックオン機能を用いるゲーム装置として、予め用意されたロックオンボタンをプレイヤが押すことで、モード制御部が通常のゲームモードからロックオンモードに移行させるゲーム装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−312930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載のゲーム装置は、ロックオンモードに移行すると、所定のロックオン条件を満たす敵キャラクタの中から、照準を合わせる敵キャラクタを選択して、その敵キャラクタに照準を固定してロックオンする。しかし、所定のロックオン条件は、予め決められた、ゲーム装置にプレセッティングされたものであった。
【0004】
そこで、本発明は、ロックオン条件をプレイヤが設定できるロックオン条件設定プログラム及びゲーム機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0006】
請求項1の発明は、画面上に複数の敵キャラクタが出現するゲームで用いられるロックオン条件設定プログラム(23)であって、コンピュータ(1)を、前記画面上の前記敵キャラクタに対してプレイヤの攻撃アイテムをロックオンさせて攻撃する条件であるロックオン情報を指定する指定画面(40,80)を表示する指定画面表示手段(11)と、前記指定画面表示手段により表示された前記指定画面に前記プレイヤにより入力された前記ロックオン情報を受け付けるロックオン情報受付手段(12)と、して機能させることを特徴とするロックオン条件設定プログラムである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のロックオン条件設定プログラム(23)において、前記コンピュータ(1)を、複数の前記ロックオン情報を記憶するロックオン記憶手段(21)として機能させ、前記指定画面表示手段(11)を、前記ロックオン記憶手段に記憶された複数の前記ロックオン情報を表示するように機能させ、前記ロックオン情報受付手段(12)を、前記指定画面(80)に表示された複数の前記ロックオン情報から一の前記ロックオン情報を前記プレイヤが選択することで、前記ロックオン情報を受け付けるように機能させること、を特徴とするロックオン条件設定プログラムである。
請求項3の発明は、請求項1に記載のロックオン条件設定プログラム(23)において、前記コンピュータ(1)を、複数の前記ロックオン情報を記憶するロックオン記憶手段(21)として機能させ、前記指定画面表示手段(11)を、前記ロックオン記憶手段に記憶された複数の前記ロックオン情報を表示するように機能させ、前記ロックオン情報受付手段(12)を、前記指定画面(80)に表示された複数の前記ロックオン情報を前記プレイヤが並び替えることで、並び替えた順番に従って優先順位が付された前記ロックオン情報を受け付けるように機能させること、を特徴とするロックオン条件設定プログラムである。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロックオン条件設定プログラム(23)において、前記コンピュータ(1)を、前記ロックオン情報受付手段(12)による入力に基づいた前記敵キャラクタのロックオン攻撃を検知したことに応じて、前記画面上に表示された前記複数の敵キャラクタのうち次にロックオンする敵キャラクタを、前記ロックオン情報に基づいて決定する決定手段(15)として機能させること、を特徴とするロックオン条件設定プログラムである。
請求項5の発明は、請求項1に記載のロックオン条件設定プログラム(23)において、前記指定画面表示手段(11)を、前記ロックオン情報の指定に用いるパラメータに対応する優先度を重み付けとして入力する指定画面(40)を表示するように機能させ、前記ロックオン情報受付手段(12)を、前記パラメータに対応する重み付けを前記プレイヤが入力することで、前記ロックオン情報を受け付けるように機能させること、を特徴とするロックオン条件設定プログラムである。
請求項6の発明は、請求項5に記載のロックオン条件設定プログラム(23)において、前記ロックオン情報の指定に用いる前記パラメータを複数有し、前記コンピュータ(1)を、前記プレイヤが一の前記パラメータに対応する前記重み付けを変更することで、前記一のパラメータを除く他のパラメータの前記重み付けを変更して、重み付けの合計値を一定にする自動調整手段(13)として機能させること、を特徴とするロックオン条件設定プログラムである。
請求項7の発明は、請求項5又は請求項6に記載のロックオン条件設定プログラム(23)において、前記コンピュータ(1)を、前記ロックオン情報受付手段(12)による入力に基づいた前記敵キャラクタのロックオン攻撃を検知したことに応じて、前記画面上に表示された前記複数の敵キャラクタのうち次にロックオンする敵キャラクタを、前記ロックオン情報に基づいて決定する決定手段(15)として機能させ、前記決定手段を、前記優先度に基づいて切り替えるように機能させること、を特徴とするロックオン条件設定プログラムである。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のロックオン条件設定プログラム(23)において、前記ロックオン情報は、前記プレイヤが操作するプレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの距離、前記プレイヤキャラクタの向きに対する前記敵キャラクタの角度、及び前記敵キャラクタの残り体力のうち少なくともいずれかを含む情報であること、を特徴とするロックオン条件設定プログラムである。
【0007】
請求項9の発明は、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のロックオン条件設定プログラム(23)及び前記ロックオン条件設定プログラムにより指定されたロックオン情報を用いてゲームを実行するゲームプログラム(22)を記憶した記憶部(20)と、前記ロックオン条件設定プログラムを実行する制御部(10)と、前記指定画面を表示する表示部(3)と、前記プレイヤが前記ロックオン情報を入力する操作部(5)と、を備えるゲーム機(1)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、指定画面を表示することで、敵キャラクタに対してプレイヤの攻撃アイテムをロックオンさせて、敵キャラクタを攻撃する条件であるロックオン情報を、プレイヤに指定させる。よって、ロックオンの条件をプレイヤが設定できる環境を提供することができる。
【0009】
(2)本発明は、記憶された複数のロックオン情報を表示することで、プレイヤに一のロックオン情報を選択させる。よって、ロックオンの条件を、複数のロックオン情報から1つを選択するという方法で、プレイヤが簡易にカスタマイズできる環境を提供することができる。
【0010】
(3)本発明は、記憶された複数のロックオン情報を表示して、プレイヤに優先させたい順番にロックオン情報を並び替えさせる。よって、より複雑なロックオンの条件を、プレイヤが簡易にカスタマイズできる環境を提供することができる。
【0011】
(4)本発明は、プレイヤによりカスタマイズされたロックオン情報を用いた敵キャラクタのロックオン攻撃を検知したことで、次にロックオンする敵キャラクタを決定する。よって、次々にロックオンさせる攻撃対象を新たに設定することができる。
【0012】
(5)本発明は、ロックオン情報の指定に用いるパラメータに対応する優先度を重み付けとして入力する指定画面を表示することで、プレイヤに、パラメータに対応する重み付けを入力させる。よって、パラメータ単位で、ロックオンの条件をプレイヤにカスタマイズさせる環境を提供することができる。
【0013】
(6)本発明は、ロックオン情報の指定に用いる複数のパラメータのうち、プレイヤが一のパラメータに対応する重み付けを変更することで、一のパラメータを除く他のパラメータの重み付けを変更して、重み付けの合計値を一定にする。よって、一のパラメータの変更に対応して、パラメータに対応する重み付けを自動的に調整することができる。
【0014】
(7)本発明は、プレイヤによりカスタマイズされたロックオン情報を用いた敵キャラクタのロックオン攻撃を検知したことで、次にロックオンする敵キャラクタを優先度に基づいて決定する。よって、例えば、ロックオンさせる攻撃対象を優先度の高いものから順番に切り替えて、次々にロックオンさせる攻撃対象を新たに設定することができる。
【0015】
(8)本発明は、ロックオン情報は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタと敵キャラクタとの距離、プレイヤキャラクタの向きに対する敵キャラクタの角度、及び敵キャラクタの残り体力のうち少なくともいずれかを含む。よって、様々なロックオン情報をプレイヤに作成可能な環境を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、ロックオン条件をプレイヤが設定できるロックオン条件設定プログラム及びゲーム機を提供するという目的を、画面上に複数の敵キャラクタが出現するゲームで用いられるロックオン条件設定プログラムが、コンピュータを、画面上の敵キャラクタに対してプレイヤの攻撃アイテムをロックオンさせて攻撃する条件であるロックオン情報を指定する指定画面を表示する指定画面表示手段と、指定画面表示手段により表示された指定画面にプレイヤにより入力されたロックオン情報を受け付けるロックオン情報受付手段として機能させることによって実現した。
【0017】
(第1実施形態)
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
図1は、第1実施形態に係るゲームを行うゲーム機1の機能ブロックを示す図である。ゲーム機1は、例えば、ゲームセンタ等に設置される大型の装置であり、プレイヤがキャラクタ(プレイヤキャラクタ)を操作してミサイル等の攻撃アイテムを用いて攻撃対象となる敵(敵キャラクタ)を攻撃することでゲームが進行するシューティングゲームを行うビデオゲーム機である。ゲーム機1は、表示部3、音声出力部4、操作部5、通信インタフェース部6、制御部10及び記憶部20を有し、それらがバス9を介して接続されている。
【0018】
表示部3は、例えば、ミサイル等をロックオンさせて攻撃する条件であるロックオン情報を設定する際に表示する後述する指定画面や、ゲームの画像を表示する。表示部3は、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。
音声出力部4は、例えば、スピーカに代表される音声出力装置を備え、ゲーム実行時に効果音やBGM等を出力する。また、ロックオン情報の設定時には、画面上のボタン等が選択されたことを示す効果音を出力してもよい。
操作部5は、プレイヤの操作による入力を行う装置であり、例えばコントローラを指す。
バス9は、ゲーム機1内のアドレス信号やデータを伝送するラインである。
【0019】
制御部10は、情報の演算、処理を行う情報演算処理装置であり、当該ゲーム機1全体の制御を行う。制御部10は、記憶部20に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述のハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
また、制御部10は、指定画面表示手段11、ロックオン情報受付手段12、自動調整手段13、決定手段15、及びゲーム実行手段19を有する。指定画面表示手段11は、ユーザがロックオン情報を指定可能な画面を表示部3に表示する。ロックオン情報受付手段12は、指定画面でユーザが指定したロックオン情報を受け付ける。本実施形態において受け付けるロックオン情報は、ロックオンの条件を構成する複数のパラメータの各パラメータに対応する重み付けの数値である。自動調整手段13は、受け付けたロックオン情報の重み付けの数値に基づき、ロックオン情報の他の重み付けの数値を調整する。決定手段15は、ロックオンさせて攻撃をする敵を決定する。ゲーム実行手段19は、ロックオン情報を用いるゲームプログラム22を実行する。
【0020】
記憶部20は、シューティングゲームのゲームプログラム22、ロックオン情報を設定するための設定プログラム23、その他各種プログラムやパラメータ等を記憶している。また、記憶部20は、設定プログラム23で設定したロックオン情報を記憶するロックオン情報記憶手段21を有する。記憶部20は、ロックオン情報記憶手段21、ゲームプログラム22及び設定プログラム23が記憶された、例えば、CD−ROM29等のコンピュータ可読媒体を含んでよい。また、通信インタフェース部6を介してネットワーク上に有するロックオン情報記憶手段、ゲームプログラム及び設定プログラムをダウンロードして記憶するローカルディスクでもよい。また、両者を併用してもよい。コンピュータ可読媒体としては、電気的、磁気的、光学的、電磁的に実現するものを含んでよい。また、各種のプログラムの実行時に、テーブル等を展開するための一時記憶領域であるローカルメモリ、及びキャッシュメモリを含んでよい。
【0021】
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ゲーム機1は、記憶部20、制御部10等を備えた情報処理装置であり、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0022】
次に、本発明による機能の設定方法について説明する。
図2は、第1実施形態に係るロックオン情報の設定方法を説明する図である。
まず、図2(1)は、ロックオン情報が指定できる「○○シューティングゲーム」のスタート画面を示す。表示部3には、初期画面30に、ゲームの名称と、プレイ開始のためのスタートボタン31とが表示されている。プレイヤが操作部5(図1参照)を操作して、スタートボタン31を選択することで、表示部3には、カスタマイズ要否選択画面35が表示される(図2(2))。プレイヤは、ロックオン情報をカスタマイズするか否かを選択できる。ここで、プレイヤが操作部5を操作して、カスタマイズするボタン36を選択することで、表示部3には、指定画面40が表示される(図2(3))。また、プレイヤが操作部5を操作して、カスタマイズしないボタン37を選択することで、プレイが開始されるため、表示部3には、ゲーム画面が表示される(図2(5))。
【0023】
図2(3)には、ロックオンの条件をパラメータにより設定できる指定画面40が表示されている。パラメータとして、敵との距離(#1)、敵の角度(#2)、敵の残り体力(#3)が設定できるようになっている。それぞれ、パラメータに対応する重み付けの数値を指定できる指定ボックス41a,41b,41cが設けられており、プレイヤが操作部5を操作して、下向きの三角ボタンを選択することで、その重み付けの数値が小さくなり、プレイヤが操作部5を操作して、上向きの三角ボタンを選択することで、その重み付けの数値が大きくなる。重み付けの数値は、各々0から100までの間で設定可能である。また、(#1)から(#3)の重み付けの数値をあわせて合計値が100になるように自動調整される。よって、例えば、図2(3)で指定ボックス41aの重み付けの数値を大きくすることで、自動調整手段13(図1参照)は、指定ボックス41bの重み付けの数値を小さくする。また、指定ボックス41a,41b,41cの右方には、棒グラフ42a,42b,42cが設けられている。棒グラフは、指定ボックス41a,41b,41cで設定した重み付けの数値に対応し、プレイヤが、重み付けの数値を視覚的に容易に認識できるように設けられたものである。指定ボックス41a,41b,41cの重み付けの数値の変化に連動して、棒グラフ42a,42b,42cのグラフの長さが変化する。
【0024】
プレイヤが操作部5を操作して(#1)の重み付けの数値を大きくすることで、ゲーム機1は、プレイヤキャラクタと敵との距離が遠くても、ロックオンの条件とすることができる。また、(#2)の重み付けの数値を大きくすることで、ゲーム機1は、プレイヤキャラクタの進行方向に対して広範囲の角度にいる敵に対しても、ロックオンの条件とすることができる。なお、敵の角度とは、プレイヤキャラクタが画面上側(進行方向)を向いている時に敵がいる方向をいう。さらに、(#3)の重み付けの数値を大きくすることで、ゲーム機1は、敵の残り体力が少ないものを優先的にロックオンの条件とすることができる。
【0025】
図2(3)において、プレイヤが操作部5を操作して、決定ボタン43を選択することで、指定画面40に表示された設定条件でロックオン情報が作成され、作成されたロックオン情報を用いてプレイが開始される(図2(5))。また、確認ボタン44を選択することで、図2(4)に遷移する。さらに、戻るボタン45を選択することで、図2(2)に戻り、表示部3にカスタマイズ要否選択画面35を表示する。
【0026】
図2(4)には、表示部3に視覚表示画面50が表示されている。視覚表示画面50は、図2(3)で指定した重み付けの数値により、具体的に、どの範囲に優先的にロックオンが設定されるかを認識できるように画像にして表したものである。画面ほぼ中央に表示された三角の形をしたプレイヤキャラクタの位置55よりも画面上側を中心Oとして、略円状の下側部分の一部が扇状に切り取られた範囲56が示されている。範囲56のうち、破線57により表される円の中心部分にいる敵が、ロックオンされやすいことを示す。図2(4)において、プレイヤが操作部5を操作して、決定ボタン51を選択することで、指定画面40に表示された設定条件でロックオン情報が作成され、作成されたロックオン情報を用いてプレイが開始される(図2(5))。また、戻るボタン52を選択することで、図2(3)に戻り、表示部3に指定画面40を表示する。
このように、ゲーム機1は、プレイヤに、パラメータの単位で、ロックオンの条件をカスタマイズさせることができる。よって、プレイヤは、自分の好きなロックオンの条件を設定することができる。また、視覚的に認識しやすい方法で、ロックオンの条件を表示するので、プレイヤに、自分の指定したロックオンの条件を認識しやすい情報として提供できる。
【0027】
図3は、第1実施形態に係るロックオン情報設定処理のフローチャートである。上述したロックオン情報の設定について、フローチャートに基づき説明する。
まず、ステップS1では、制御部10は、ロックオンのカスタマイズを行うか否かを判断する。この判断は、上述の図2(2)のカスタマイズ要否選択画面35でプレイヤが選択した結果に基づく。ロックオンのカスタマイズを行う場合(S1:YES)には、制御部10は、処理をステップS2に移す。他方、ロックオンのカスタマイズを行わない場合(S1:NO)には、制御部10は、処理をステップS10に移す。
【0028】
ステップS2では、制御部10(指定画面表示手段11)は、表示部3に指定画面40を出力する(図2(3)参照)。次に、ステップS3では、制御部10は、重み付けの数値の変更を受け付けたか否かを判断する。重み付けの数値の変更を受け付けた場合(ステップS3:YES)には、制御部10は、処理をステップS4に移し、制御部10(自動調整手段13)が残りの重み付けの数値を自動調整した上で、処理をステップS5に移す。他方、重み付けの数値の変更を受け付けていない場合(ステップS4:NO)には、制御部10は、処理をステップS5に移す。
【0029】
ステップS5では、制御部10(ロックオン情報受付手段12)は、決定ボタン43(図2(3)参照)の選択を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合(ステップS5:YES)には、制御部10は、処理をステップS9に移す。他方、受け付けていない場合(ステップS5:NO)には、制御部10は、処理をステップS6に移す。
ステップS6では、制御部10は、確認ボタン44(図2(3)参照)の選択を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合(ステップS6:YES)には、制御部10は、処理をステップS7に移す。他方、受け付けていない場合(ステップS6:NO)には、制御部10は、処理をステップS3に戻す。
【0030】
ステップS7では、制御部10は、表示部3に指定画面40で指定した重み付けの数値に基づき、ロックオン情報を画像にして表示する(図2(4)参照)。そして、ステップS8では、制御部10(ロックオン情報受付手段12)は、決定ボタン51(図2(4)参照)の選択を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合(ステップS8:YES)には、制御部10は、処理をステップS9に移す。他方、受け付けていない場合(ステップS8:NO)には、制御部10は、処理をステップS3に戻す。なお、決定ボタン51の選択を受け付けていない場合とは、戻るボタン52(図2(4)参照)の選択を受け付けた場合をいう。
【0031】
ステップS9では、制御部10は、指定画面40で指定した重み付けの数値に基づき算出した重み付けを、パラメータに対応付けて記憶部20に記憶する。なお、重み付けは、重み付けの数値の割合を示し、この割合は、重み付けの数値100に対して重み付け1としたものである。
ステップS10では、制御部10(ゲーム実行手段19)は、指定したロックオン情報に基づきゲームを開始する(図2(5)参照)。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0032】
次に、図2(3)と図2(4)とにおける、パラメータの設定と視覚表示画面50との関係について具体例に基づき説明する。
図4は、第1実施形態に係るロックオン情報のパラメータ設定と、その際の視覚表示画面50との関係を説明する図である。
図4(1)は、指定画面40の一部を示すものであるが、図2(3)と同様の重み付けの数値を示している。ここで、プレイヤにより、敵の角度を示す重み付けの数値を、元の重み付けの数値から30減らして60に変更した場合、図4(2)に示すように、指定画面40の重み付けの数値が変更される。
【0033】
図4(2)では、プレイヤによって敵の角度を示すパラメータが90から60に変更されている。敵の角度を示す重み付けの数値が変更されたため、そのままだと変更により減った30が余ってしまう。そして、各重み付けの数値の合計値が70になってしまい、100にならない。そこで、自動調整手段13が、余った30を、残りのパラメータの項目である敵との距離を示すパラメータと、敵の残り体力を示すパラメータとに15ずつ自動的に配分して、合計値が100になるように保つ。
このように、プレイヤが一のパラメータに対応する重み付けの数値を変更することで、一のパラメータを除く他のパラメータの重み付けの数値を変更して、重み付けの数値の合計値を一定にする。よって、一のパラメータの変更に対応して、重み付けの数値を自動的に調整することができる。
【0034】
また、図4(1)と図4(2)とで示される視覚表示画面50には、実線で示されるロックオン可能な範囲の内側に、2点連鎖で示される範囲と点線で示される範囲とがある。点線で示される範囲は、ロックオンの優先度が最も高く、実線で示される範囲に敵がいた場合には、他の範囲にいる敵よりも先にロックオン対象となる。実線で囲まれた範囲外で、次にロックオン対象となる範囲が、2点連鎖で示される範囲である。
図4(1)と図4(2)とで示される視覚表示画面50を比較すると、図4(2)の視覚表示画面50は、破線や2点連鎖で示される形状により、より遠くにいる敵に対してロックオンさせやすいものであることが示されている。
【0035】
次に、実際のプレイ時でのロックオンについて説明する。
図5及び図6は、第1実施形態に係るロックオンの具体例を示す図である。
図5は、敵の距離を優先する場合を、図6は、敵の角度を優先する場合を、それぞれ示す。図5及び図6は、いずれもプレイ画面60に、プレイヤ自身が操縦する操縦機(プレイヤキャラクタ)61と、2つの敵62及び敵63とが表示されている(図5(b)及び図6(b)参照)。そして、操縦機61が画面上向きに進行しており、進行方向に、敵62及び敵63が表示されている。
図5(a)は、あるプレイにおいてのロックオン情報を示し、パラメータに対応した重み付けが設定されている。重み付けからも分かるように、敵との距離を優先させる重み付けである。
【0036】
図5(b)は、表示部3のプレイ画面60を示す。ここで、敵62と敵63との優先度を計算する。
図5(c)は、敵62及び敵63についての優先度を示す。優先度とは、パラメータに対応する重み付けと、パラメータ内での優先度を示すパラメータ値とを乗じて決定されるものであり、例えば、優先度の値の大きいものを、ロックオン対象として優先する。なお、パラメータ値とは、プレイヤキャラクタとの関係等から決められるものであり、例えば、プレイヤキャラクタと敵との距離が離れているほど、パラメータ値が小さくなる。また、プレイヤキャラクタの進行方向に対する敵の角度が大きいほど、パラメータ値が小さくなる。図5(b)に示す敵62及び敵63のパラメータ値は、操縦機61との関係において図5(c)に示すとおりである。パラメータ値に重み付けを乗じて、パラメータごとに優先度を算出し、それらを加算したトータルでの優先度は、敵62が93(=90+3+0)であるのに対し、敵63は52(=45+7+0)である。よって、敵62が敵63に優先してロックオンされる。よって、図5(b)において、敵62にロックオンターゲット64が表示される。
【0037】
図6(a)は、他のプレイにおいてのロックオン情報を示す。図5(a)と比較して、図6(a)は、敵の角度のパラメータを優先する。図6(b)の操縦機61並びに敵62及び敵63は、図5(b)と同じ位置にある。
図6(c)は、敵62及び敵63の優先度を示す。図6(c)から、優先度は、敵62が37であるのに対し、敵63は68である。よって、敵63が敵62に優先してロックオンされる。よって、図6(b)において、敵63にロックオンターゲット64が表示される。
【0038】
図5及び図6は、説明のため2つの敵に対して優先度を計算してロックオン対象を決定するものであったが、制御部10は、3つ以上の複数の敵に対しても、同様に敵ごとに優先度を計算した上で、優先度の値の大きいもの、つまり、優先度の高いものをロックオン対象とする。
また、ロックオンを決定して攻撃した後は、制御部10(決定手段15)は、残りの敵に対して再度優先度を計算し、ロックオン対象を決定する。よって、例えば、ロックオンさせる敵を、優先度の高いものから順番に切り替えて、次々にロックオンさせる攻撃対象を新たに設定することができる。なお、設定されたロックオン対象と異なる敵に対してロックオンをしたい場合には、ロックオンを切り替えるボタンを予め用意しておき、プレイヤが操作部5を操作して、ロックオンさせる敵を切り替えてもよい。
【0039】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。
第2実施形態は、より簡易にロックオン情報を設定可能とするものである。
なお、以下の説明及び図面において、上述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0040】
図7は、第2実施形態に係る記憶部20に記憶されたロックオン情報記憶手段21を示す例である。
図8は、第2実施形態に係るロックオン情報の設定例である。
【0041】
図7に示すように、ロックオン情報記憶手段21は、命令リストを一意に示す記号である命令IDと、命令リストとが対応付けられて記憶されている。命令リストは、ロックオン情報のリストであり、命令IDごとに内容が異なる。
【0042】
図8(1)は、例えば、上述した図2(2)において、カスタマイズをするためにボタン36が選択された際に表示されるカスタマイズ選択画面70である。表示部3には、イージーカスタマイズのボタン71及び個別設定のボタン72が配置されたカスタマイズ選択画面70が表示される。ここで、個別設定のボタン72が選択された場合には、上述した図2(3)に示すような、パラメータごとに個別に重み付けの数値を設定する指定画面40を表示する。他方、イージーカスタマイズのボタン71が選択された場合には、表示部3には、図8(2)に示すような指定画面80を表示する。指定画面80は、指定済ウィンドウ81、命令リストウィンドウ82、追加ボタン83、削除ボタン84、決定ボタン85及び戻るボタン86が配置されている。命令リストウィンドウ82には、ロックオン情報記憶手段21に記憶された命令リストが表示されている。そして、命令リストウィンドウ82に表示された命令リストを選択して追加ボタン83を選択することで、選択された命令リストが指定済ウィンドウ81に移動して表示される。
【0043】
追加できる命令リストは、1つでもよいし、複数でもよい。そして、指定済ウィンドウ81に1つ指定した場合には、その命令リストのみが有効になり、複数指定した場合には、上に指定されたものから順番に優先順位をつけて有効になる。例えば、「10m以内で一番近い敵」と「10m以内で一番正面に近い敵」がこの順番で選択された場合について検討する。10m以内で一番近い敵として、プレイヤキャラクタからの距離が、例えば、同じ8mの位置に複数存在した場合には、次の命令リストが読み出される。そして、複数の敵の中で、一番正面に近い敵がロックオン対象となる。なお、決定ボタン85が選択された場合には、図2(5)に示すゲーム画面に遷移し、戻るボタン86が選択された場合には、図8(1)の画面に遷移する。
【0044】
このように、複数の命令リストが予め用意されており、プレイヤはその中から選択してロックオン情報を設定できるため、プレイヤが簡易にロックオン条件をカスタマイズすることができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した各実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0046】
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)各実施形態では、ゲーム機を業務用ゲーム機として説明したが、家庭用のゲーム機でもよいし、パーソナルコンピュータ等でもよい。
(2)第1実施形態において、自動設定手段として、あるパラメータの重み付けの数値を減らした場合に、残りの重み付けの数値を均等に他のパラメータに振り分けるものとして説明した。しかし、他の重み付けの数値に応じた比率で、残りの重み付けの数値を振り分けてもよい。
【0047】
(3)各実施形態では、ロックオンの条件として、敵に対して区別なく一律に設定するものであった。しかし、これに限らず、敵の種類によりロックオン条件を設定する重み付けの数値の指定可能な範囲を設定してもよい。例えば、敵が空中を飛来する戦闘機と、地上の戦車とである場合に、戦闘機、戦車等の敵の種類に応じて、同じ距離、角度であっても、重み付けの数値を変えて、ロックオン情報を異なるものに設定することで、ロックオンする敵を切り替えてもよい。
(4)各実施形態では、攻撃アイテムとしてあるミサイルを用いた記載になっているが、例えば、飛距離や威力の異なる複数種類の攻撃アイテムを用意し、攻撃アイテムごとにロックオン情報を設定することで、ロックオン情報を異なるものにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】第1実施形態に係るゲームを行うゲーム機の機能ブロックを示す図である。
【図2】第1実施形態に係るロックオン情報の設定方法を説明する図である。
【図3】第1実施形態に係るロックオン情報設定処理のフローチャートである。
【図4】第1実施形態に係るロックオン情報のパラメータ設定と、その際の視覚表示画面との関係を説明する図である。
【図5】第1実施形態に係るロックオンの具体例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係るロックオンの具体例を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る記憶部に記憶されたロックオン情報記憶手段を示す例である。
【図8】第2実施形態に係るロックオン情報の設定例である。
【符号の説明】
【0049】
1 ゲーム機
3 表示部
5 操作部
10 制御部
11 指定画面表示手段
12 ロックオン情報受付手段
13 自動調整手段
15 決定手段
19 ゲーム実行手段
20 記憶部
21 ロックオン情報記憶手段
22 ゲームプログラム
23 設定プログラム
40,80 指定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に複数の敵キャラクタが出現するゲームで用いられるロックオン条件設定プログラムであって、
コンピュータを、
前記画面上の前記敵キャラクタに対してプレイヤの攻撃アイテムをロックオンさせて攻撃する条件であるロックオン情報を指定する指定画面を表示する指定画面表示手段と、
前記指定画面表示手段により表示された前記指定画面に前記プレイヤにより入力された前記ロックオン情報を受け付けるロックオン情報受付手段と、
して機能させることを特徴とするロックオン条件設定プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のロックオン条件設定プログラムにおいて、
前記コンピュータを、複数の前記ロックオン情報を記憶するロックオン記憶手段として機能させ、
前記指定画面表示手段を、前記ロックオン記憶手段に記憶された複数の前記ロックオン情報を表示するように機能させ、
前記ロックオン情報受付手段を、前記指定画面に表示された複数の前記ロックオン情報から一の前記ロックオン情報を前記プレイヤが選択することで、前記ロックオン情報を受け付けるように機能させること、
を特徴とするロックオン条件設定プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載のロックオン条件設定プログラムにおいて、
前記コンピュータを、複数の前記ロックオン情報を記憶するロックオン記憶手段として機能させ、
前記指定画面表示手段を、前記ロックオン記憶手段に記憶された複数の前記ロックオン情報を表示するように機能させ、
前記ロックオン情報受付手段を、前記指定画面に表示された複数の前記ロックオン情報を前記プレイヤが並び替えることで、並び替えた順番に従って優先順位が付された前記ロックオン情報を受け付けるように機能させること、
を特徴とするロックオン条件設定プログラム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のロックオン条件設定プログラムにおいて、
前記コンピュータを、前記ロックオン情報受付手段による入力に基づいた前記敵キャラクタのロックオン攻撃を検知したことに応じて、前記画面上に表示された前記複数の敵キャラクタのうち次にロックオンする敵キャラクタを、前記ロックオン情報に基づいて決定する決定手段として機能させること、
を特徴とするロックオン条件設定プログラム。
【請求項5】
請求項1に記載のロックオン条件設定プログラムにおいて、
前記指定画面表示手段を、前記ロックオン情報の指定に用いるパラメータに対応する優先度を重み付けとして入力する指定画面を表示するように機能させ、
前記ロックオン情報受付手段を、前記パラメータに対応する重み付けを前記プレイヤが入力することで、前記ロックオン情報を受け付けるように機能させること、
を特徴とするロックオン条件設定プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載のロックオン条件設定プログラムにおいて、
前記ロックオン情報の指定に用いる前記パラメータを複数有し、
前記コンピュータを、前記プレイヤが一の前記パラメータに対応する前記重み付けを変更することで、前記一のパラメータを除く他のパラメータの前記重み付けを変更して、重み付けの合計値を一定にする自動調整手段として機能させること、
を特徴とするロックオン条件設定プログラム。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載のロックオン条件設定プログラムにおいて、
前記コンピュータを、前記ロックオン情報受付手段による入力に基づいた前記敵キャラクタのロックオン攻撃を検知したことに応じて、前記画面上に表示された前記複数の敵キャラクタのうち次にロックオンする敵キャラクタを、前記ロックオン情報に基づいて決定する決定手段として機能させ、
前記決定手段を、前記優先度に基づいて切り替えるように機能させること、
を特徴とするロックオン条件設定プログラム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のロックオン条件設定プログラムにおいて、
前記ロックオン情報は、前記プレイヤが操作するプレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの距離、前記プレイヤキャラクタの向きに対する前記敵キャラクタの角度、及び前記敵キャラクタの残り体力のうち少なくともいずれかを含む情報であること、
を特徴とするロックオン条件設定プログラム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のロックオン条件設定プログラム及び前記ロックオン条件設定プログラムにより指定されたロックオン情報を用いてゲームを実行するゲームプログラムを記憶した記憶部と、
前記ロックオン条件設定プログラムを実行する制御部と、
前記指定画面を表示する表示部と、
前記プレイヤが前記ロックオン情報を入力する操作部と、
を備えるゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−5209(P2010−5209A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−169363(P2008−169363)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】