ロッド連結組立体
個別の椎弓根スクリューシステムからのロッドを連結するロッド連結組立体を提供する。ロッド連結組立体は、少なくとも1つのロッド受入体と、少なくとも1つのカム機構とを備える。ロッド受入体及びカム機構は、協働して、伸延ロッドを捕捉し、保持する。カム機構は、ロッドと係合し、カム機構の回転によって、ロッドを保持位置に押し付ける螺旋カム表面を有する。一実施の形態においては、組立体は、1つのロッド受入体によって2つのロッドを捕捉し、保持する。他の実施の形態においては、組立体は、1つのロッド受入体によってロッド及び椎弓根スクリューのヘッド部分を捕捉し、保持する。更に他の実施の形態では、組立体は、第1のロッド受入体を第2のロッド受入体に固定するように機能するレバーを備える。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、2004年11月19日に出願された米国仮特許出願番号第60/629,840号、2005年3月30に出願された米国仮特許出願番号第60/666,819号、2005年4月18日に出願された米国仮特許出願番号第60/672,590号、2005年7月29日に出願された米国仮特許出願番号第60/703,622号、及び2005年7月29日に出願された米国仮特許出願番号第60/703,684号の優先権を主張し、これらの仮特許出願は、引用により本願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、背骨の手術、例えば、複数の椎体を内部的に矯正し及び/又は構造的にサポートするための手術に用いられる少なくとも1つの伸延ロッドを受け入れ、捕捉し及び/又は固定するロッド連結組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
この分野においては、人間又は動物の生体内の骨の部分を内部的に固定するシステムが知られている。1つの種類のシステムとして、脊椎固定術の補助として用いられることがある、背骨の一部を握持する椎弓根スクリューシステムが知られている。従来の椎弓根スクリューシステムは、椎弓根スクリューと、2つのロッド受入部材と、ロッド(通常、伸延ロッド(distraction rod)と呼ばれる。)とを備え、ロッドの一端は、第1のロッド受入部材によって固定され、ロッドの他端は、第2のロッド受入部材によって固定される。
【0004】
椎弓根スクリューは、外側にネジ山が切られた心棒と、ヘッド部分とを有する。ロッド受入部材は、椎弓根スクリューのヘッド部分に連結され、ロッドを受け入れる。幾つかの手術、例えば、椎間板ヘルニアの手術では、2つの椎弓根スクリューシステムが隣り合うように各脊椎骨に挿入され、脊柱をディストラクト及び/又は安定させるように調整される。椎弓根スクリューは、それ自体が背骨の一部を固定させるのではなく、ロッド受入部材を受け入れるアンカポイントとして機能し、このロッド受入部材がロッドを受け入れる。このようなシステムの1つの目的は、融合されている背骨の部分間の相対的な動きを実質的に低減及び/又は防止することである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、椎体の内部の固定用の椎弓根スクリューシステムを強化及び/又は補強するために用いることができる骨を固定するための組立体を提供する。本明細書に開示する骨を固定する組立体によれば、例えば、再手術又はロッドサイズの変更の際に、融合を増進するために2つの椎弓根スクリューシステムのロッドを連結し、一方の構造を他方の構造に結合することによって、又は、例えば、拡張フックを用いてロッドを背骨の後方要素に連結するように、一方の構造に背骨への他の固定点を設けることによって、椎弓根スクリュー構造を強化及び補強できる。これらの骨を固定する組立体は、低侵襲手術(minimally invasive surgery:MIS)法を行う際に使用してもよい。包括的に言えば、本明細書に開示する骨を固定する組立体は、ロッド受入体及びカム機構を備え、これらは連携して、少なくとも1つの伸延ロッドを捕捉し、保持する。
【0006】
一側面においては、ロッド連結組立体は、第1の開口に隣接して配設され、第1のチャネルを有するロッド受入体を備える。第1のチャネルは、第1の壁と実質的に平行に延び、伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成されている。ロッド連結組立体は、更に、所定の輪郭を有する表面を有するカム本体を備えるカム機構を備える。カム機構は、第1の開口内で回転し、第1の壁の一部と協働して伸延ロッドをロッド受入体に連結する。
【0007】
本発明の他の側面に基づくロッド連結組立体は、第1の開口に隣接して配設され、第1のチャネルを有する第1のロッド受入体を備える。第1のチャネルは、第1の壁に実質的に平行に延び、第1の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成されている。このロッド連結組立体は、更に、所定の輪郭を有する表面を有する第1のカム本体を有する第1のカム機構を備える。第1のカム機構は、第1の開口内で回転し、第1の伸延ロッドを第1の壁に押し付ける。更に、ロッド連結組立体は、第2のチャネルと、第2の開口と、細長いポケットとを有する第2のロッド受入体を備える。第2のチャネルは、第2の開口に隣接して配設され、第2の壁と実質的に平行に延び、第2の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成されている。また、ロッド連結組立体は、更に、ピンと、レバーと、第2のカム機構と、横断コネクタとを備える。レバーは、ロッド受入体の細長いポケットに受け入れられ、ピンを介してロッド受入体に回転可能に連結される。第2のカム機構は、所定の輪郭を有する表面を有する第2のカム本体を備える。第2のカム機構は、第2の開口内で回転し、第2の伸延ロッドをレバーの一部に押し付ける。横断コネクタは、第1の端部と、第2の端部と中間部分とを備える。コネクタの第1の端部は、第1のロッド受入体に連結され、コネクタの第2の端部は、レバーの下の第2のロッド受入体に受け入れられ、中間部分は、レバーの一部と係合可能である。
【0008】
更に他の側面として、ロッド連結組立体は、第1の開口に隣接して配設された第1のチャネルを有する第1のロッド受入体を備える。第1のチャネルは、第1の壁と実質的に平行に延び、第1の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成されている。第1のカム機構は、所定の輪郭を有する表面を有する第1のカム本体を備える。第1のカム機構は、第1のロッド受入体の第1の開口に受け入れられるように構成されている。第2のロッド受入体は、第2の開口に隣接して配設された第2のチャネルを備える。第2のチャネルは、第2の壁に実質的に平行に延び、第2の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成されている。更に、第2のカム機構は、所定の輪郭を有する表面を有する第2のカム本体を備える。第2のカム機構は、第2のロッド受入体の第2の開口に受け入れられるように構成されている。第1の部分及び第2の部分は、連結ロッドを介して連結され、第1の部分は、第1のカム機構に係合する係合面を有し、第2の部分は、第2のカム機構に係合する係合面を有する。第1及び第2のカム機構は、各開口内で回転し、ロッド連結組立体に各ロッドを固定する。
【0009】
更に他の側面として、ロッド受入部材にロッドを連結するロッド連結方法は、ロッド受入部材のチャネルにロッドを受け入れる工程と、カム機構の螺旋カム表面と、ロッド受入部材の一部との間でロッドを固定するために十分な量だけカム機構を回転させる工程とを有する。
【0010】
図面において、同じ参照符号は、同様の要素又は動作を指示するものとする。図面では、各要素の寸法及び相対的位置は、必ずしも比例していない。例えば、様々な要素の形状及び角度は、実寸に比例しておらず、図面を明瞭にするために、幾つかの要素については、故意に拡大して配置している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
一実施の形態においては、椎弓根スクリューシステムを背骨内に固定し、例えば、背骨の固定及び/又は矯正手術を行ってもよく、この手術は、低侵襲手術(MIS)法によって行ってもよい。椎弓根スクリューシステムは、背骨の椎弓根に挿入され、背骨の少なくとも一部の治療(例えば、湾曲、圧縮又は膨張の矯正、及び/又は構造的補強)のために、ロッドと相互接続される。背骨の固定及び/又は矯正手術にMIS手法を用いることによって、患者の回復期間が短くなり、追跡治療の危険性を低減することができる。
【0012】
手術の際に背骨を効率的に固定及び/又は矯正するには、椎弓根スクリューシステムの剛性及び強度を向上させるために、椎弓根スクリューシステムを補強及び/又は強化することが必要になることが多い。このための補強部材を導入すると、動的及び静的な負荷に対するシステム全体の強度がより向上する。更に、補強部材によって、少なくとも2つの椎弓根スクリューシステムが連携して機能し、均等で効率的な負荷分散が実現される。例えば、柔らかくなった骨に第1の椎弓根スクリューシステムを取り付け、より健康な骨に第2の椎弓根スクリューシステムを取り付け、2つの椎弓根スクリューシステムを補強部材で連結した場合、(健康な骨と柔らかくなった骨との間の相対的な硬さの違いのために)より健康な骨側の椎弓根スクリューシステムにより強い力が加わり、他方の椎弓根スクリューシステムへの力が減少する。このようなシステムの構成によって、柔らかい骨には、治癒までの間に、大きな圧力が加わらず、柔らかい骨がより速やかに治癒し、硬くなる。
【0013】
「伸延」という用語は、医療用語として用いた場合、包括的に、接合面に関連し、接合面が互いに垂直に動くことを示唆する。なお、例えば、背骨の部分に関して「牽引」及び/又は「伸延」が行われる場合、背骨の部分は、伸延及び滑動の組合せによって、相対的に移動してもよい。
【0014】
ロッド−ロッド連結部材
図1は、ロッド受入体102と、カム機構104とを備えるロッド連結組立体100を示している。例示的な実施の形態では、ロッド受入体102は、2本の伸延ロッド106を受け入れる。カム機構104は、ロッド受入体102と共に機能して、伸延ロッド106を元位置にロック又はアンロックする回転可能なカムスクリューである。ロッド連結組立体100の1つの使用目的は、2つの椎弓根スクリューシステムを連結又は結合することである。
【0015】
図2は、ロッド連結組立体100の部品を示している。ロッド受入体102は、第1のロッドスロット又はチャネル108と、第2のロッドスロット又はチャネル110とを備える。例示的な実施の形態では、各ロッドスロット又はチャネル108、110は、ロッド受入体102の第1の表面112から第2の表面114に亘って延びるU字状のチャネルとして形成されている。U字状のチャネル108、110は、伸延ロッド106を受け入れるのに適した寸法に形成されている。各ロッドスロット又はチャネル108、110は、以下に更に詳細に説明するように、異なる直径の伸延ロッド106を受け入れるように形成してもよい。
【0016】
ロッド受入体102は、更に、第1の開口116と第2の開口118とを備える。第1の開口116は、第1及び第2のロッドスロット又はチャネル108、110の間に位置し、カム機構104を受け入れるように形成されている。第2の開口118は、第1の表面112から第2の表面114を貫通するように縦方向に延び、保持ピン120が挿入されるように形成されている。
【0017】
図3は、カム本体122と、工具係合部分124と、溝126と、端面128と有するカム機構104の断面図である。カム本体122は、螺旋カム表面130を有する。一実施の形態においては、螺旋カム表面130の有効直径131は、カム本体122の長手方向の長さに沿って変化する。有効直径131は、カム機構104の中心線及び/又は回転軸133を中心に測定される。カム機構104の螺旋カム表面130は、伸延ロッド106の直径に適合するように形成されている。螺旋カム表面130は、導入部分(lead-in portion)135を有し、ここから、溝126に向かってカム本体122の周囲に螺旋を描き、先細りになり及び/又はなくなる。
【0018】
例示的な実施の形態では、工具係合部分124は、菊ナット等のトルク工具が係合するように形成されている。なお、工具係合部分124は、例えば、マイナスドライバ、プラスドライバ、六角ナット、及びカム機構104を回転させることができる他の種類の工具を含む如何なる工具に適合するように形成してもよいことは明らかである。溝126は、カム本体122の周囲に環状に形成された、保持ピン120の直径と略々同じ又はこれより大きい寸法を有するアーチ状及び/又は凸状の戻り止めである。溝126は、アーチ状及び/又は凸状以外の形状を有していてもよく、例えば、溝126は、保持ピン120の形状に応じて、正方形又は楕円形であってもよい。保持ピン120は、カム機構104がロッド受入体102に対して回転可能となるように、カム機構104をロッド受入体102に移動可能に(transitionally)連結するように機能する。換言すれば、保持ピン120をロッド受入体102及びカム機構104の溝126に挿入することによって、カム機構104がロッド受入体102の第1の開口116から抜け落ちることを防いでいる。
【0019】
図4A及び図4Bは、ロッド連結組立体100の様々な実施の形態を示している。図4Aは、カム機構104の端面128がロッド受入体102の底面134と略々同一平面になるようにロッド受入体102に挿入されるカム機構104を示している。図4Bは、図4Aとは逆に、カム機構104の端面128がロッド受入体102の上面136と略々同一平面となるようにロッド受入体102に挿入されるカム機構104を示している。
【0020】
図5は、異なる直径を有する2本の伸延ロッド106a、106bを受け入れる、それぞれ異なる寸法の第1及び第2のスロット108、110を有するロッド受入体102を示している。
【0021】
取付の際は、ロッド受入体102の第1の開口116内にカム機構104を保持するために保持ピン120を挿入した後に、カム機構104を回転させ、これにより、伸延ロッド106が捕捉され、保持される。一実施の形態においては、一方の伸延ロッド106は、カム本体122の螺旋カム表面130の第1の部分137(図3)と、ロッド受入体102との間で捕捉及び保持され、他方の伸延ロッド106は、カム本体122の螺旋カム表面130の第2の部分139(図3)と、ロッド受入体102との間で捕捉及び保持(すなわち、固定)される。なお、伸延ロッド106は、ロッド受入体102の深さに関して、それぞれオフセットを有する位置で捕捉及び保持される。図3の具体例では、各伸延ロッド106に接触する表面137、139は、カム機構104の2分の1ピッチだけ相対的にオフセットされている。カム機構104の螺旋カム表面130は、各一回転(すなわち、360度)毎に、カム機構104の1ピッチ分、伸延ロッド106を螺入させるように構成されている。
【0022】
ロッド−ネジ連結部材
図6は、ロッド受入体202及びカム機構204を備える他のロッド連結組立体200を示している。ここに示す実施の形態では、ロッド受入体202は、伸延ロッド206及び椎弓根スクリュー210のヘッド部分208を受け入れるように構成されている。カム機構204は、ロッド受入体202と共に機能して、ロッド受入体202に関して、伸延ロッド106及び椎弓根スクリュー210のヘッド部分208をロック又はアンロックする回転可能なカムスクリューである。ロッド連結組立体200の1つの目的は、例えば、施術部位における空間的な制約のために、伸延ロッド206を椎弓根スクリュー210からオフセットさせることである。
【0023】
ロッド受入体202は、ロッドスロット212と、第1の開口214と、第2の開口216とを備える。ロッドスロット212は、U字状チャネルである。第1の開口214は、カム機構204を受け入れるように形成され、第2の開口216は、椎弓根スクリュー210のヘッド部分208を受け入れるように形成されている。ロッドスロット212は、第1の開口214と、第2の開口216との間に配設されている。
【0024】
カム機構204は、工具係合部分218と、切欠部分220と、螺旋カム表面222とを備える。工具係合部分218は、先の実施の形態の工具係合部分124と同様である。カム機構204の動作、特に切欠部分220及び螺旋カム表面222の機能については後述する。これらの他の全ての部分については、ロッド連結組立体200は、構造的にも機能的にも、先に説明した実施の形態のロッド連結組立体100と同様である。
【0025】
図7A〜図7Eは、椎弓根スクリュー210のヘッド部分208及び伸延ロッド206をロッド連結組立体200に受け入れ、固定するまでのロッド連結組立体200の状態を段階的に示している。図7Aは、椎弓根スクリュー210のヘッド部分208に取り付けられるロッド受入体202を示している。ヘッド部分208は、第2の開口216に挿入される。カム機構204は、ロッド受入体202の第1の開口214内に予め組み込んでおくことができる。これに代えて、カム機構204は、術中に(すなわち、手術の間に)ロッド受入体202の第1の開口214に挿入してもよい。カム機構204は、実質的に平坦な表面220を有する切欠部分が、ロッド受入体202の第1の表面221に隣接し、実質的に揃うように、ロッド受入体202内に配設される。これにより、カム機構204は、開状態になる。
【0026】
図7Bは、最初に、ロッド受入体202の第2の開口216に椎弓根スクリュー210のヘッド部分208を差し込んだ状態を示している。図7Cは、ロッド受入体202に載置されて係合する椎弓根スクリュー210のヘッド部分208を示している。例示的な一実施の形態においては、椎弓根スクリュー210は、ヘッド部分208をロッド受入体202に載置して係合させることによって、ロッド受入体202が、骨内で固定される椎弓根スクリュー210に対して横方向に動くように、背骨の骨内に挿入される。ロッド受入体202の第2の開口216は、ロッド受入体202と椎弓根スクリュー210との間の相対的な横方向の動きが可能となるように延伸されている。ヘッド部分208に対してロッド受入体202を動かすには、器具又は工具を用いてもよく、ロッド受入体202及び/又は椎弓根スクリュー210を手動で操作してもよい。
【0027】
図7Dは、ロッド受入体202のロッドスロット212に伸延ロッド206が受け入れられ、カム機構204がまだ開位置にある状態を示している。図7Eは、カム機構204が閉位置に回転し、螺旋カム表面222が伸延ロッド206を捕捉し、椎弓根スクリュー210のヘッド部分208に対して、伸延ロッド206を押し付けている状態を示している。一方、ヘッド部分208は、ロッド受入体202に対して押し付けられている。このように、カム機構204を回転させることによって、伸延ロッド206と、椎弓根スクリュー210のヘッド部分208との両方が、ロッド連結組立体200に固定される。カム機構204は、伸延ロッド206の捕捉及び固定を補助するためのリップ224を備えていてもよい。更に、横方向のオフセット量を変化させるために、伸延ロッド206と、椎弓根スクリュー210のヘッド部分208との間にスペーサを挿入してもよい。
【0028】
椎体に連結するための器具
図8は、ロッド受入体302と、カム機構304と、拡張部材306とを備える他のロッド連結組立体300を示している。一実施の形態においては、ロッド連結組立体300は、ロッドを背骨の後方要素に連結するために使用され、他のロッド連結組立体及び伸延ロッド307と連携して、患者の背骨を所定量矯正する。
【0029】
図9は、ロッドスロット308及び第1の開口310を有するロッド受入体302を示している。ロッドスロット308は、U字状チャネルであり、第1の開口310は、カム機構304を受け入れるように形成されている。拡張部材307は、ロッド受入体302の部分312から延びている。拡張部材307は、ロッド受入体302と一体に形成してもよく、ロッド受入体302に機械的に取り付けてもよい。カム機構304は、図3を参照して説明したカム機構104と実質的に同様であり、したがって、カム機構304については、説明を繰り返さない。カム機構304は、図2を参照して説明した実施の形態と同様の手法で、ピン(図示せず)によって、ロッド受入体302に移動可能に(transitionally)固定することができる。
【0030】
図10A〜図10Dは、伸延ロッド307がロッド連結組立体300に置かれ、捕捉され、固定される様々な状態を段階的に示している。図10Aは、ロッド受入体302に予め組み込まれたカム機構304を示しており、カム機構304は、ロッド受入体302の第1の開口310に受け入れられている。カム機構304は、ロッド受入位置に螺旋カム表面316の第1の部分314がロッドスロット308に面するように、回転される。
【0031】
図10Bは、最初に伸延ロッド307をロッド連結組立体300内に置いた状態を示している。伸延ロッド307は、まず、螺旋カム表面316の第1の部分314と、ロッドスロット308の側面又は壁面を画定するロッド受入体302の深い方の表面318とによって支持される。
【0032】
図10Cは、カム機構304の回転動作のために、ネジ山が切られたカム表面316が伸延ロッド307をロッドスロット308に案内し、伸延ロッド307がロッドスロット308に押し付けられた状態を示している。
【0033】
図10Dは、伸延ロッド307がロッドスロット308内に固定された状態を示している。一実施の形態においては、伸延ロッド307は、伸延ロッド307がロッドスロット308から抜け落ちることを防ぐリップ320によって、ロッドスロット308内に保持される。これに加えて又はこれに代えて、カム機構304の有効直径322が伸延ロッド307に対して圧縮力を生成して伸延ロッド307を捕捉し、カム機構304と表面318との間で、摩擦によって伸延ロッド307を固定してもよい。
【0034】
第1の横断コネクタ
図11及び図12に示すロッド連結組立体400は、第1のロッド受入体402と、第2のロッド受入体404と、横断コネクタ406と、シート408と、レバー410と、第1及び第2のカム機構412、414と保持ピン416とを備える。一実施の形態においては、ロッド連結組立体400は、2つの背骨伸延ロッド418a、418b(以下単にロッド418a、418bとも言う。)を連結して固定するために用いられる。このロッド連結組立体400は、2個のカム機構412、414のみを使用し、少なくとも3個又は4個の締結要素を用いて様々な部品をロックする従来のシステムに比べて有利である。従来のシステムのように、MIS法を用いて3個又は4個の締結要素を操作するのはより困難であり、時間が掛かる。例えば、カニューレを使用する場合、カニューレを介して3個又は4個の締結要素にアクセスすることは困難であることが多い。
【0035】
図11に示すように、ロッド連結組立体400は、矢印420a、420b、420cによって示すように、3方向の自由度でロッド418a、418bを調整できる。ロッド連結組立体400は、2つの動作、すなわち、(1)第1のカム機構412を回転させ、次に(2)第2のカム機構414を回転させる動作のみで、ロッド418a、418bを好適に捕捉し、ロックすることができる。なお、このカムの回転は、逆順で行ってもよく、すなわち、第2のカム機構414を先に回転させてもよい。
【0036】
図12は、一実施の形態に基づくロッド連結組立体400の様々な部品を分解して示している。第1のロッド受入体402は、ロッドスロット422及びカム機構412を受け入れる開口424を備える。第2のロッド受入体404は、ロッドスロット426及びカム機構414を受け入れる第1の開口428と、シート408及びレバーを410を受け入れる第2の開口である細長いポケット430とを備える。
【0037】
横断コネクタ406は、第1のロッド受入体402に連結され、第1のロッド受入体402から延びている。一実施の形態においては、横断コネクタ406は、第1のロッド受入体402と一体に形成され、すなわち、第1のロッド受入体402及び横断コネクタ406が1つの部品を構成する。シート408は、横断コネクタ406を受け入れ、支持するように構成されたチャネル432を備える。ここに示す実施の形態では、チャネル432は、U字状の窪みであるが、チャネル432及び/又は横断コネクタ406は、この他の形状を有していてもよい。
【0038】
レバー410は、第1の接面434と、支点436と、第2の接面438とを有する。支点436は、第1及び第2の接面434、438の間に位置する。ピン416は、レバー410が第2のロッド受入体404に対して自在に回転するように、レバー410を第2のロッド受入体404に連結する。
【0039】
図13は、カム機構412、414の1つを示している。説明を明瞭にし、同じ記述を繰り返さないために、ここでは、カム機構412のみを示している。ここに説明する構造的及び/又は機能的側面は、特別な言及がない限り、カム機構414にも同様に適用される。カム機構412は、係合部442(図12)を有する上部440を備える。カム本体444は、上部440から延び、螺旋カム表面446を備える。螺旋カム表面446の有効直径448は、カム本体444の長手方向の長さに沿って変化する。有効直径448は、カム機構412の中心線及び/又は回転軸450を中心に測定される。カム機構412の螺旋カム表面446は、ロッド418aの直径に適合するように形成されている。螺旋カム表面446は、カム本体444の上部440に向かって螺旋を描き、先細りになり及び/又はなくなる。以下に詳細に説明するように、螺旋カム表面446がなくなる部分の有効直径は、ロッド連結組立体400内にロッド418aを強制的に保持するための寸法を有する。
【0040】
図14は、ここに示す実施の形態に基づき、予め組み立てられ、背骨の手術の間にロッド418a、418bに取り付けられたロッド連結組立体400の切欠断面図である。第1のロッド受入体402及び横断コネクタ406は、(例えば、図11の矢印420aに示すように)第2のロッド受入体404に対して摺動により調整可能であり、これにより、各第1のロッド受入体402、404を互いに移動させ、ロッド418a、418bの離間距離が決定される。ロッド418a、418bは、まず、カム機構412、414の第1の部分452(図13)に接触するように配置される。
【0041】
カム機構414は、矢印454によって示すように、第1の量だけ回転する。この回転(矢印454)により、ロッド418bは、第2のロッド受入体404のロッドスロット426に押し込まれる。ロッド418bは、矢印456によって示すように、レバー410の第2の接面438に接触する。この接触力(矢印456)によって、レバー410は、支点436(すなわち、ピン416)を中心に回転する。レバー410のこの回転によって、横断コネクタ406に応力(矢印458)が生じ、レバー410の第1の接面434は、横断コネクタ406に接触する。この応力(矢印458)によって、レバー410の第1の接面434と、横断コネクタ406とが接触し、第1のロッド受入体402が第2のロッド受入体404に対して横方向に固定される。換言すれば、レバー410の回転により、図11に示す平行移動方向の自由度420aが規制される。
【0042】
更に、カム機構414の回転(矢印454)により、ロッド418bがロッド連結組立体400に捕捉され、固定される。カム本体444の螺旋カム表面446は、カム機構414と、第2のロッド受入体404の部分460との間で、摩擦力によってロッド418bを保持する。同様に、第1のロッド受入体402の第1の開口424におけるカム機構412の回転によってカム機構412と、第1のロッド受入体402の部分462との間でロッド418aが捕捉され、固定される。一実施の形態においては、カム機構412の回転は、横断コネクタ406、レバー410及び/又は第2のロッド受入体404に対しては如何なる応力も生じない。
【0043】
第2の横断コネクタ
図15に示す他のロッド連結組立体500は、第1のロッド受入体502と、第2のロッド受入体504と、コネクタ506と、第1及び第2のカム機構508、510とを備える。第1及び第2のロッド受入体502、504は、構造的にも機能的にも上述した実施の形態における少なくとも1つのロッド受入体と同様であり、したがって、ここに示す実施の形態に関しては、これらの部品の説明は繰り返さない。同様に、カム機構508、510は、構造的にも機能的にも上述した実施の形態における少なくとも1つのカム機構と同様であり、したがって、ここでは、カム機構508、510については、詳細な説明を省略する。ロッド連結組立体500の1つの目的は、2つの椎弓根スクリューシステムを速やかに連結又は結合することである。
【0044】
コネクタ506は、第1及び第2の端部514、516を連結する2点支持連結部材512を備える。ここに示す実施の形態では、第2の端部516と同様の構成を有する第1の端部514は、長円形又は楕円形の開口520を取り囲む内表面518を有する。内表面518の輪郭は、カム機構508の螺旋カム表面(図3参照)の一部に適合するように形成されている。
【0045】
取付の際は、第1のカム機構508は、第1の端部514の開口520を介して、第1のロッド受入体502内に配置される。第1のカム機構508を回転させると、カム機構508のネジ山が切られた螺旋カム表面は、第1のロッド受入体502と連携して、第1のロッド(図示せず)を捕捉し、固定する。同様に、ネジ山が切られた螺旋カム表面の第2の部分は、コネクタ506の第1の端部514の内表面518と係合可能に当接する。
【0046】
同様に第2のカム機構510は、コネクタ506の第2の端部516の開口522を介して、第2のロッド受入体504内に配置される。第2のカム機構510を回転させると、第2のロッド(図示せず)が捕捉され、固定される。また、この回転により、第2のカム機構510がコネクタ506の第2の端部516に係合する。
【0047】
このように、ロッド連結組立体500によって、2つのロッドを速やかに容易に結合することができる。更に、ロッド連結組立体500は、小型の形状のために、椎体近傍の組織の負担及び損傷を最小化することができる。
【0048】
図16は、一実施の形態に基づき、コネクタ506が第1及び第2のロッド受入体502、504を連結し、ロッド部材512が圧縮されることを図式的に示している。ロッド部材512の圧縮は、ロッド526間の距離524が、コネクタ506の有効な長さ528より短い場合に生じる。したがって、コネクタ506を取り付けることによって、ロッド526を引き離す力が生じる。この取付法により、例えば、椎間板ヘルニアを罹患している脊椎骨間の距離を適切に保つことができる。
【0049】
圧縮の量は、異なる長さコネクタ506を用いることによって調整できる。ロッド連結組立体500に生じる残留圧縮応力(すなわち、予荷重)によって、ロッド連結組立体500の疲労破壊及び/又は損傷に対する耐性が強くなる。如何なる引張応力(例えば、曲げ、引張り等)も、まず、ロッド連結組立体500に既に存在している残留圧縮応力を超える必要があり、したがって、ロッド連結組立体500を損傷させる可能性がある引張応力の正味量が低減され、これは、ロッド連結組立体500の疲労破壊が遅延されることを意味し、この結果、ロッド連結組立体500の有効寿命が長くなる。更に、ロッド連結組立体500が長くなることにより、背骨内部矯正器具を修理し、補強し及び/又は再調整するための後の外科的処置の回数を減らすことができる。この実施の形態及び上述した他の実施の形態、並びにこれらの組合せにおけるこれらの利点及び他の利点は、当業者にとって明らかである。
【0050】
ここに示す実施の形態及び要約書に開示した実施の形態は、本発明を、開示した詳細な形式に排他的に限定することを意図しない。特定の実施の形態を例示的に説明したが、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な同等な変形例を想到することができる。以上の本発明の説明は、例示的に示した椎弓根スクリュー及び伸延ロッドだけではなく、様々なスクリュー及びロッドに適用できる。
【0051】
上述した様々な実施の形態を組み合わせて、更なる実施の形態を実現することもできる。2004年11月19日に出願された米国仮特許出願番号第60/629,840号、2005年3月30に出願された米国仮特許出願番号第60/666,819号、2005年4月18日に出願された米国仮特許出願番号第60/672,590号、2005年7月29日に出願された米国仮特許出願番号第60/703,622号、及び2005年7月29日に出願された米国仮特許出願番号第60/703,684号を含む、本明細書で言及し、及び/又は出願データシートに列挙した米国特許公報、米国特許出願公開公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、非特許文献の全ては、その全体が引用により本願に援用される。本発明の側面は、必要に応じて、様々な特許、特許出願、公報に開示されているスクリュー、材料及び概念を採用するように変更でき、このような変更も本発明の更なる実施の形態を提供する。
【0052】
上述した詳細な説明に基づき、本発明の実施の形態にこれらの及びこの他の変更を加えることができる。添付の特許請求の範囲において用いる用語は、特定の実施の形態によって限定されず、本発明の定義に基づいて動作する全ての背骨固定器具を含むように解釈される。すなわち、本発明は、詳細な説明によっては限定されず、特許請求の範囲によって画定される全体的な範囲によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態に基づき、ロッド受入体及びカム機構を備え、2つの伸延ロッドを固定するロッド連結組立体の斜視図である。
【図2】図1のロッド連結組立体の分解斜視図である。
【図3】図2の線3−3における図1のカム機構の断面図である。
【図4】A及びBは、ロッド受入体にカム機構を挿入する代替的な手法を示す図1のロッド連結組立体の斜視図である。
【図5】ロッド受入体が異なる直径を有するロッドを受け入れるように構成された他のロッド連結組立体の斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態に基づき、ロッド受入体及びカム機構を備え、伸延ロッドを及び椎弓根スクリューのヘッド部分固定するロッド連結組立体の分解斜視図である。
【図7】A〜Eは、図6のロッド連結組立体に伸延ロッド及び椎弓根スクリューのヘッド部分を固定するための動作を段階的に示す断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に基づき、ロッド受入体、カム機構及び拡張部材を備え、2つの伸延ロッドを固定するロッド連結組立体の斜視図である。
【図9】図8のロッド連結組立体の分解斜視図である。
【図10】A〜Dは、図8のロッド連結組立体に伸延ロッドを固定するための動作を段階的に示す断面図である。
【図11】横断コネクタによって相互に連結された第1のロッド受入体と、第2のロッド受入体とを備える本発明の一実施の形態に基づくロッド連結組立体の斜視図である。
【図12】図11のロッド連結組立体の分解斜視図である。
【図13】図11のカム機構の1つの側面図である。
【図14】図11の線14−14における図11の組立体の断面図である。
【図15】コネクタを介して連結された2つのロッド受入体を備える本発明の一実施の形態に基づくロッド連結組立体の斜視図である。
【図16】ロッド受入体に受け入れられた2つの伸延ロッドについて、図15のコネクタの相対的位置を示す概略図である。
【関連出願】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(e)項に基づき、2004年11月19日に出願された米国仮特許出願番号第60/629,840号、2005年3月30に出願された米国仮特許出願番号第60/666,819号、2005年4月18日に出願された米国仮特許出願番号第60/672,590号、2005年7月29日に出願された米国仮特許出願番号第60/703,622号、及び2005年7月29日に出願された米国仮特許出願番号第60/703,684号の優先権を主張し、これらの仮特許出願は、引用により本願に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、背骨の手術、例えば、複数の椎体を内部的に矯正し及び/又は構造的にサポートするための手術に用いられる少なくとも1つの伸延ロッドを受け入れ、捕捉し及び/又は固定するロッド連結組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
この分野においては、人間又は動物の生体内の骨の部分を内部的に固定するシステムが知られている。1つの種類のシステムとして、脊椎固定術の補助として用いられることがある、背骨の一部を握持する椎弓根スクリューシステムが知られている。従来の椎弓根スクリューシステムは、椎弓根スクリューと、2つのロッド受入部材と、ロッド(通常、伸延ロッド(distraction rod)と呼ばれる。)とを備え、ロッドの一端は、第1のロッド受入部材によって固定され、ロッドの他端は、第2のロッド受入部材によって固定される。
【0004】
椎弓根スクリューは、外側にネジ山が切られた心棒と、ヘッド部分とを有する。ロッド受入部材は、椎弓根スクリューのヘッド部分に連結され、ロッドを受け入れる。幾つかの手術、例えば、椎間板ヘルニアの手術では、2つの椎弓根スクリューシステムが隣り合うように各脊椎骨に挿入され、脊柱をディストラクト及び/又は安定させるように調整される。椎弓根スクリューは、それ自体が背骨の一部を固定させるのではなく、ロッド受入部材を受け入れるアンカポイントとして機能し、このロッド受入部材がロッドを受け入れる。このようなシステムの1つの目的は、融合されている背骨の部分間の相対的な動きを実質的に低減及び/又は防止することである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、椎体の内部の固定用の椎弓根スクリューシステムを強化及び/又は補強するために用いることができる骨を固定するための組立体を提供する。本明細書に開示する骨を固定する組立体によれば、例えば、再手術又はロッドサイズの変更の際に、融合を増進するために2つの椎弓根スクリューシステムのロッドを連結し、一方の構造を他方の構造に結合することによって、又は、例えば、拡張フックを用いてロッドを背骨の後方要素に連結するように、一方の構造に背骨への他の固定点を設けることによって、椎弓根スクリュー構造を強化及び補強できる。これらの骨を固定する組立体は、低侵襲手術(minimally invasive surgery:MIS)法を行う際に使用してもよい。包括的に言えば、本明細書に開示する骨を固定する組立体は、ロッド受入体及びカム機構を備え、これらは連携して、少なくとも1つの伸延ロッドを捕捉し、保持する。
【0006】
一側面においては、ロッド連結組立体は、第1の開口に隣接して配設され、第1のチャネルを有するロッド受入体を備える。第1のチャネルは、第1の壁と実質的に平行に延び、伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成されている。ロッド連結組立体は、更に、所定の輪郭を有する表面を有するカム本体を備えるカム機構を備える。カム機構は、第1の開口内で回転し、第1の壁の一部と協働して伸延ロッドをロッド受入体に連結する。
【0007】
本発明の他の側面に基づくロッド連結組立体は、第1の開口に隣接して配設され、第1のチャネルを有する第1のロッド受入体を備える。第1のチャネルは、第1の壁に実質的に平行に延び、第1の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成されている。このロッド連結組立体は、更に、所定の輪郭を有する表面を有する第1のカム本体を有する第1のカム機構を備える。第1のカム機構は、第1の開口内で回転し、第1の伸延ロッドを第1の壁に押し付ける。更に、ロッド連結組立体は、第2のチャネルと、第2の開口と、細長いポケットとを有する第2のロッド受入体を備える。第2のチャネルは、第2の開口に隣接して配設され、第2の壁と実質的に平行に延び、第2の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成されている。また、ロッド連結組立体は、更に、ピンと、レバーと、第2のカム機構と、横断コネクタとを備える。レバーは、ロッド受入体の細長いポケットに受け入れられ、ピンを介してロッド受入体に回転可能に連結される。第2のカム機構は、所定の輪郭を有する表面を有する第2のカム本体を備える。第2のカム機構は、第2の開口内で回転し、第2の伸延ロッドをレバーの一部に押し付ける。横断コネクタは、第1の端部と、第2の端部と中間部分とを備える。コネクタの第1の端部は、第1のロッド受入体に連結され、コネクタの第2の端部は、レバーの下の第2のロッド受入体に受け入れられ、中間部分は、レバーの一部と係合可能である。
【0008】
更に他の側面として、ロッド連結組立体は、第1の開口に隣接して配設された第1のチャネルを有する第1のロッド受入体を備える。第1のチャネルは、第1の壁と実質的に平行に延び、第1の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成されている。第1のカム機構は、所定の輪郭を有する表面を有する第1のカム本体を備える。第1のカム機構は、第1のロッド受入体の第1の開口に受け入れられるように構成されている。第2のロッド受入体は、第2の開口に隣接して配設された第2のチャネルを備える。第2のチャネルは、第2の壁に実質的に平行に延び、第2の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成されている。更に、第2のカム機構は、所定の輪郭を有する表面を有する第2のカム本体を備える。第2のカム機構は、第2のロッド受入体の第2の開口に受け入れられるように構成されている。第1の部分及び第2の部分は、連結ロッドを介して連結され、第1の部分は、第1のカム機構に係合する係合面を有し、第2の部分は、第2のカム機構に係合する係合面を有する。第1及び第2のカム機構は、各開口内で回転し、ロッド連結組立体に各ロッドを固定する。
【0009】
更に他の側面として、ロッド受入部材にロッドを連結するロッド連結方法は、ロッド受入部材のチャネルにロッドを受け入れる工程と、カム機構の螺旋カム表面と、ロッド受入部材の一部との間でロッドを固定するために十分な量だけカム機構を回転させる工程とを有する。
【0010】
図面において、同じ参照符号は、同様の要素又は動作を指示するものとする。図面では、各要素の寸法及び相対的位置は、必ずしも比例していない。例えば、様々な要素の形状及び角度は、実寸に比例しておらず、図面を明瞭にするために、幾つかの要素については、故意に拡大して配置している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
一実施の形態においては、椎弓根スクリューシステムを背骨内に固定し、例えば、背骨の固定及び/又は矯正手術を行ってもよく、この手術は、低侵襲手術(MIS)法によって行ってもよい。椎弓根スクリューシステムは、背骨の椎弓根に挿入され、背骨の少なくとも一部の治療(例えば、湾曲、圧縮又は膨張の矯正、及び/又は構造的補強)のために、ロッドと相互接続される。背骨の固定及び/又は矯正手術にMIS手法を用いることによって、患者の回復期間が短くなり、追跡治療の危険性を低減することができる。
【0012】
手術の際に背骨を効率的に固定及び/又は矯正するには、椎弓根スクリューシステムの剛性及び強度を向上させるために、椎弓根スクリューシステムを補強及び/又は強化することが必要になることが多い。このための補強部材を導入すると、動的及び静的な負荷に対するシステム全体の強度がより向上する。更に、補強部材によって、少なくとも2つの椎弓根スクリューシステムが連携して機能し、均等で効率的な負荷分散が実現される。例えば、柔らかくなった骨に第1の椎弓根スクリューシステムを取り付け、より健康な骨に第2の椎弓根スクリューシステムを取り付け、2つの椎弓根スクリューシステムを補強部材で連結した場合、(健康な骨と柔らかくなった骨との間の相対的な硬さの違いのために)より健康な骨側の椎弓根スクリューシステムにより強い力が加わり、他方の椎弓根スクリューシステムへの力が減少する。このようなシステムの構成によって、柔らかい骨には、治癒までの間に、大きな圧力が加わらず、柔らかい骨がより速やかに治癒し、硬くなる。
【0013】
「伸延」という用語は、医療用語として用いた場合、包括的に、接合面に関連し、接合面が互いに垂直に動くことを示唆する。なお、例えば、背骨の部分に関して「牽引」及び/又は「伸延」が行われる場合、背骨の部分は、伸延及び滑動の組合せによって、相対的に移動してもよい。
【0014】
ロッド−ロッド連結部材
図1は、ロッド受入体102と、カム機構104とを備えるロッド連結組立体100を示している。例示的な実施の形態では、ロッド受入体102は、2本の伸延ロッド106を受け入れる。カム機構104は、ロッド受入体102と共に機能して、伸延ロッド106を元位置にロック又はアンロックする回転可能なカムスクリューである。ロッド連結組立体100の1つの使用目的は、2つの椎弓根スクリューシステムを連結又は結合することである。
【0015】
図2は、ロッド連結組立体100の部品を示している。ロッド受入体102は、第1のロッドスロット又はチャネル108と、第2のロッドスロット又はチャネル110とを備える。例示的な実施の形態では、各ロッドスロット又はチャネル108、110は、ロッド受入体102の第1の表面112から第2の表面114に亘って延びるU字状のチャネルとして形成されている。U字状のチャネル108、110は、伸延ロッド106を受け入れるのに適した寸法に形成されている。各ロッドスロット又はチャネル108、110は、以下に更に詳細に説明するように、異なる直径の伸延ロッド106を受け入れるように形成してもよい。
【0016】
ロッド受入体102は、更に、第1の開口116と第2の開口118とを備える。第1の開口116は、第1及び第2のロッドスロット又はチャネル108、110の間に位置し、カム機構104を受け入れるように形成されている。第2の開口118は、第1の表面112から第2の表面114を貫通するように縦方向に延び、保持ピン120が挿入されるように形成されている。
【0017】
図3は、カム本体122と、工具係合部分124と、溝126と、端面128と有するカム機構104の断面図である。カム本体122は、螺旋カム表面130を有する。一実施の形態においては、螺旋カム表面130の有効直径131は、カム本体122の長手方向の長さに沿って変化する。有効直径131は、カム機構104の中心線及び/又は回転軸133を中心に測定される。カム機構104の螺旋カム表面130は、伸延ロッド106の直径に適合するように形成されている。螺旋カム表面130は、導入部分(lead-in portion)135を有し、ここから、溝126に向かってカム本体122の周囲に螺旋を描き、先細りになり及び/又はなくなる。
【0018】
例示的な実施の形態では、工具係合部分124は、菊ナット等のトルク工具が係合するように形成されている。なお、工具係合部分124は、例えば、マイナスドライバ、プラスドライバ、六角ナット、及びカム機構104を回転させることができる他の種類の工具を含む如何なる工具に適合するように形成してもよいことは明らかである。溝126は、カム本体122の周囲に環状に形成された、保持ピン120の直径と略々同じ又はこれより大きい寸法を有するアーチ状及び/又は凸状の戻り止めである。溝126は、アーチ状及び/又は凸状以外の形状を有していてもよく、例えば、溝126は、保持ピン120の形状に応じて、正方形又は楕円形であってもよい。保持ピン120は、カム機構104がロッド受入体102に対して回転可能となるように、カム機構104をロッド受入体102に移動可能に(transitionally)連結するように機能する。換言すれば、保持ピン120をロッド受入体102及びカム機構104の溝126に挿入することによって、カム機構104がロッド受入体102の第1の開口116から抜け落ちることを防いでいる。
【0019】
図4A及び図4Bは、ロッド連結組立体100の様々な実施の形態を示している。図4Aは、カム機構104の端面128がロッド受入体102の底面134と略々同一平面になるようにロッド受入体102に挿入されるカム機構104を示している。図4Bは、図4Aとは逆に、カム機構104の端面128がロッド受入体102の上面136と略々同一平面となるようにロッド受入体102に挿入されるカム機構104を示している。
【0020】
図5は、異なる直径を有する2本の伸延ロッド106a、106bを受け入れる、それぞれ異なる寸法の第1及び第2のスロット108、110を有するロッド受入体102を示している。
【0021】
取付の際は、ロッド受入体102の第1の開口116内にカム機構104を保持するために保持ピン120を挿入した後に、カム機構104を回転させ、これにより、伸延ロッド106が捕捉され、保持される。一実施の形態においては、一方の伸延ロッド106は、カム本体122の螺旋カム表面130の第1の部分137(図3)と、ロッド受入体102との間で捕捉及び保持され、他方の伸延ロッド106は、カム本体122の螺旋カム表面130の第2の部分139(図3)と、ロッド受入体102との間で捕捉及び保持(すなわち、固定)される。なお、伸延ロッド106は、ロッド受入体102の深さに関して、それぞれオフセットを有する位置で捕捉及び保持される。図3の具体例では、各伸延ロッド106に接触する表面137、139は、カム機構104の2分の1ピッチだけ相対的にオフセットされている。カム機構104の螺旋カム表面130は、各一回転(すなわち、360度)毎に、カム機構104の1ピッチ分、伸延ロッド106を螺入させるように構成されている。
【0022】
ロッド−ネジ連結部材
図6は、ロッド受入体202及びカム機構204を備える他のロッド連結組立体200を示している。ここに示す実施の形態では、ロッド受入体202は、伸延ロッド206及び椎弓根スクリュー210のヘッド部分208を受け入れるように構成されている。カム機構204は、ロッド受入体202と共に機能して、ロッド受入体202に関して、伸延ロッド106及び椎弓根スクリュー210のヘッド部分208をロック又はアンロックする回転可能なカムスクリューである。ロッド連結組立体200の1つの目的は、例えば、施術部位における空間的な制約のために、伸延ロッド206を椎弓根スクリュー210からオフセットさせることである。
【0023】
ロッド受入体202は、ロッドスロット212と、第1の開口214と、第2の開口216とを備える。ロッドスロット212は、U字状チャネルである。第1の開口214は、カム機構204を受け入れるように形成され、第2の開口216は、椎弓根スクリュー210のヘッド部分208を受け入れるように形成されている。ロッドスロット212は、第1の開口214と、第2の開口216との間に配設されている。
【0024】
カム機構204は、工具係合部分218と、切欠部分220と、螺旋カム表面222とを備える。工具係合部分218は、先の実施の形態の工具係合部分124と同様である。カム機構204の動作、特に切欠部分220及び螺旋カム表面222の機能については後述する。これらの他の全ての部分については、ロッド連結組立体200は、構造的にも機能的にも、先に説明した実施の形態のロッド連結組立体100と同様である。
【0025】
図7A〜図7Eは、椎弓根スクリュー210のヘッド部分208及び伸延ロッド206をロッド連結組立体200に受け入れ、固定するまでのロッド連結組立体200の状態を段階的に示している。図7Aは、椎弓根スクリュー210のヘッド部分208に取り付けられるロッド受入体202を示している。ヘッド部分208は、第2の開口216に挿入される。カム機構204は、ロッド受入体202の第1の開口214内に予め組み込んでおくことができる。これに代えて、カム機構204は、術中に(すなわち、手術の間に)ロッド受入体202の第1の開口214に挿入してもよい。カム機構204は、実質的に平坦な表面220を有する切欠部分が、ロッド受入体202の第1の表面221に隣接し、実質的に揃うように、ロッド受入体202内に配設される。これにより、カム機構204は、開状態になる。
【0026】
図7Bは、最初に、ロッド受入体202の第2の開口216に椎弓根スクリュー210のヘッド部分208を差し込んだ状態を示している。図7Cは、ロッド受入体202に載置されて係合する椎弓根スクリュー210のヘッド部分208を示している。例示的な一実施の形態においては、椎弓根スクリュー210は、ヘッド部分208をロッド受入体202に載置して係合させることによって、ロッド受入体202が、骨内で固定される椎弓根スクリュー210に対して横方向に動くように、背骨の骨内に挿入される。ロッド受入体202の第2の開口216は、ロッド受入体202と椎弓根スクリュー210との間の相対的な横方向の動きが可能となるように延伸されている。ヘッド部分208に対してロッド受入体202を動かすには、器具又は工具を用いてもよく、ロッド受入体202及び/又は椎弓根スクリュー210を手動で操作してもよい。
【0027】
図7Dは、ロッド受入体202のロッドスロット212に伸延ロッド206が受け入れられ、カム機構204がまだ開位置にある状態を示している。図7Eは、カム機構204が閉位置に回転し、螺旋カム表面222が伸延ロッド206を捕捉し、椎弓根スクリュー210のヘッド部分208に対して、伸延ロッド206を押し付けている状態を示している。一方、ヘッド部分208は、ロッド受入体202に対して押し付けられている。このように、カム機構204を回転させることによって、伸延ロッド206と、椎弓根スクリュー210のヘッド部分208との両方が、ロッド連結組立体200に固定される。カム機構204は、伸延ロッド206の捕捉及び固定を補助するためのリップ224を備えていてもよい。更に、横方向のオフセット量を変化させるために、伸延ロッド206と、椎弓根スクリュー210のヘッド部分208との間にスペーサを挿入してもよい。
【0028】
椎体に連結するための器具
図8は、ロッド受入体302と、カム機構304と、拡張部材306とを備える他のロッド連結組立体300を示している。一実施の形態においては、ロッド連結組立体300は、ロッドを背骨の後方要素に連結するために使用され、他のロッド連結組立体及び伸延ロッド307と連携して、患者の背骨を所定量矯正する。
【0029】
図9は、ロッドスロット308及び第1の開口310を有するロッド受入体302を示している。ロッドスロット308は、U字状チャネルであり、第1の開口310は、カム機構304を受け入れるように形成されている。拡張部材307は、ロッド受入体302の部分312から延びている。拡張部材307は、ロッド受入体302と一体に形成してもよく、ロッド受入体302に機械的に取り付けてもよい。カム機構304は、図3を参照して説明したカム機構104と実質的に同様であり、したがって、カム機構304については、説明を繰り返さない。カム機構304は、図2を参照して説明した実施の形態と同様の手法で、ピン(図示せず)によって、ロッド受入体302に移動可能に(transitionally)固定することができる。
【0030】
図10A〜図10Dは、伸延ロッド307がロッド連結組立体300に置かれ、捕捉され、固定される様々な状態を段階的に示している。図10Aは、ロッド受入体302に予め組み込まれたカム機構304を示しており、カム機構304は、ロッド受入体302の第1の開口310に受け入れられている。カム機構304は、ロッド受入位置に螺旋カム表面316の第1の部分314がロッドスロット308に面するように、回転される。
【0031】
図10Bは、最初に伸延ロッド307をロッド連結組立体300内に置いた状態を示している。伸延ロッド307は、まず、螺旋カム表面316の第1の部分314と、ロッドスロット308の側面又は壁面を画定するロッド受入体302の深い方の表面318とによって支持される。
【0032】
図10Cは、カム機構304の回転動作のために、ネジ山が切られたカム表面316が伸延ロッド307をロッドスロット308に案内し、伸延ロッド307がロッドスロット308に押し付けられた状態を示している。
【0033】
図10Dは、伸延ロッド307がロッドスロット308内に固定された状態を示している。一実施の形態においては、伸延ロッド307は、伸延ロッド307がロッドスロット308から抜け落ちることを防ぐリップ320によって、ロッドスロット308内に保持される。これに加えて又はこれに代えて、カム機構304の有効直径322が伸延ロッド307に対して圧縮力を生成して伸延ロッド307を捕捉し、カム機構304と表面318との間で、摩擦によって伸延ロッド307を固定してもよい。
【0034】
第1の横断コネクタ
図11及び図12に示すロッド連結組立体400は、第1のロッド受入体402と、第2のロッド受入体404と、横断コネクタ406と、シート408と、レバー410と、第1及び第2のカム機構412、414と保持ピン416とを備える。一実施の形態においては、ロッド連結組立体400は、2つの背骨伸延ロッド418a、418b(以下単にロッド418a、418bとも言う。)を連結して固定するために用いられる。このロッド連結組立体400は、2個のカム機構412、414のみを使用し、少なくとも3個又は4個の締結要素を用いて様々な部品をロックする従来のシステムに比べて有利である。従来のシステムのように、MIS法を用いて3個又は4個の締結要素を操作するのはより困難であり、時間が掛かる。例えば、カニューレを使用する場合、カニューレを介して3個又は4個の締結要素にアクセスすることは困難であることが多い。
【0035】
図11に示すように、ロッド連結組立体400は、矢印420a、420b、420cによって示すように、3方向の自由度でロッド418a、418bを調整できる。ロッド連結組立体400は、2つの動作、すなわち、(1)第1のカム機構412を回転させ、次に(2)第2のカム機構414を回転させる動作のみで、ロッド418a、418bを好適に捕捉し、ロックすることができる。なお、このカムの回転は、逆順で行ってもよく、すなわち、第2のカム機構414を先に回転させてもよい。
【0036】
図12は、一実施の形態に基づくロッド連結組立体400の様々な部品を分解して示している。第1のロッド受入体402は、ロッドスロット422及びカム機構412を受け入れる開口424を備える。第2のロッド受入体404は、ロッドスロット426及びカム機構414を受け入れる第1の開口428と、シート408及びレバーを410を受け入れる第2の開口である細長いポケット430とを備える。
【0037】
横断コネクタ406は、第1のロッド受入体402に連結され、第1のロッド受入体402から延びている。一実施の形態においては、横断コネクタ406は、第1のロッド受入体402と一体に形成され、すなわち、第1のロッド受入体402及び横断コネクタ406が1つの部品を構成する。シート408は、横断コネクタ406を受け入れ、支持するように構成されたチャネル432を備える。ここに示す実施の形態では、チャネル432は、U字状の窪みであるが、チャネル432及び/又は横断コネクタ406は、この他の形状を有していてもよい。
【0038】
レバー410は、第1の接面434と、支点436と、第2の接面438とを有する。支点436は、第1及び第2の接面434、438の間に位置する。ピン416は、レバー410が第2のロッド受入体404に対して自在に回転するように、レバー410を第2のロッド受入体404に連結する。
【0039】
図13は、カム機構412、414の1つを示している。説明を明瞭にし、同じ記述を繰り返さないために、ここでは、カム機構412のみを示している。ここに説明する構造的及び/又は機能的側面は、特別な言及がない限り、カム機構414にも同様に適用される。カム機構412は、係合部442(図12)を有する上部440を備える。カム本体444は、上部440から延び、螺旋カム表面446を備える。螺旋カム表面446の有効直径448は、カム本体444の長手方向の長さに沿って変化する。有効直径448は、カム機構412の中心線及び/又は回転軸450を中心に測定される。カム機構412の螺旋カム表面446は、ロッド418aの直径に適合するように形成されている。螺旋カム表面446は、カム本体444の上部440に向かって螺旋を描き、先細りになり及び/又はなくなる。以下に詳細に説明するように、螺旋カム表面446がなくなる部分の有効直径は、ロッド連結組立体400内にロッド418aを強制的に保持するための寸法を有する。
【0040】
図14は、ここに示す実施の形態に基づき、予め組み立てられ、背骨の手術の間にロッド418a、418bに取り付けられたロッド連結組立体400の切欠断面図である。第1のロッド受入体402及び横断コネクタ406は、(例えば、図11の矢印420aに示すように)第2のロッド受入体404に対して摺動により調整可能であり、これにより、各第1のロッド受入体402、404を互いに移動させ、ロッド418a、418bの離間距離が決定される。ロッド418a、418bは、まず、カム機構412、414の第1の部分452(図13)に接触するように配置される。
【0041】
カム機構414は、矢印454によって示すように、第1の量だけ回転する。この回転(矢印454)により、ロッド418bは、第2のロッド受入体404のロッドスロット426に押し込まれる。ロッド418bは、矢印456によって示すように、レバー410の第2の接面438に接触する。この接触力(矢印456)によって、レバー410は、支点436(すなわち、ピン416)を中心に回転する。レバー410のこの回転によって、横断コネクタ406に応力(矢印458)が生じ、レバー410の第1の接面434は、横断コネクタ406に接触する。この応力(矢印458)によって、レバー410の第1の接面434と、横断コネクタ406とが接触し、第1のロッド受入体402が第2のロッド受入体404に対して横方向に固定される。換言すれば、レバー410の回転により、図11に示す平行移動方向の自由度420aが規制される。
【0042】
更に、カム機構414の回転(矢印454)により、ロッド418bがロッド連結組立体400に捕捉され、固定される。カム本体444の螺旋カム表面446は、カム機構414と、第2のロッド受入体404の部分460との間で、摩擦力によってロッド418bを保持する。同様に、第1のロッド受入体402の第1の開口424におけるカム機構412の回転によってカム機構412と、第1のロッド受入体402の部分462との間でロッド418aが捕捉され、固定される。一実施の形態においては、カム機構412の回転は、横断コネクタ406、レバー410及び/又は第2のロッド受入体404に対しては如何なる応力も生じない。
【0043】
第2の横断コネクタ
図15に示す他のロッド連結組立体500は、第1のロッド受入体502と、第2のロッド受入体504と、コネクタ506と、第1及び第2のカム機構508、510とを備える。第1及び第2のロッド受入体502、504は、構造的にも機能的にも上述した実施の形態における少なくとも1つのロッド受入体と同様であり、したがって、ここに示す実施の形態に関しては、これらの部品の説明は繰り返さない。同様に、カム機構508、510は、構造的にも機能的にも上述した実施の形態における少なくとも1つのカム機構と同様であり、したがって、ここでは、カム機構508、510については、詳細な説明を省略する。ロッド連結組立体500の1つの目的は、2つの椎弓根スクリューシステムを速やかに連結又は結合することである。
【0044】
コネクタ506は、第1及び第2の端部514、516を連結する2点支持連結部材512を備える。ここに示す実施の形態では、第2の端部516と同様の構成を有する第1の端部514は、長円形又は楕円形の開口520を取り囲む内表面518を有する。内表面518の輪郭は、カム機構508の螺旋カム表面(図3参照)の一部に適合するように形成されている。
【0045】
取付の際は、第1のカム機構508は、第1の端部514の開口520を介して、第1のロッド受入体502内に配置される。第1のカム機構508を回転させると、カム機構508のネジ山が切られた螺旋カム表面は、第1のロッド受入体502と連携して、第1のロッド(図示せず)を捕捉し、固定する。同様に、ネジ山が切られた螺旋カム表面の第2の部分は、コネクタ506の第1の端部514の内表面518と係合可能に当接する。
【0046】
同様に第2のカム機構510は、コネクタ506の第2の端部516の開口522を介して、第2のロッド受入体504内に配置される。第2のカム機構510を回転させると、第2のロッド(図示せず)が捕捉され、固定される。また、この回転により、第2のカム機構510がコネクタ506の第2の端部516に係合する。
【0047】
このように、ロッド連結組立体500によって、2つのロッドを速やかに容易に結合することができる。更に、ロッド連結組立体500は、小型の形状のために、椎体近傍の組織の負担及び損傷を最小化することができる。
【0048】
図16は、一実施の形態に基づき、コネクタ506が第1及び第2のロッド受入体502、504を連結し、ロッド部材512が圧縮されることを図式的に示している。ロッド部材512の圧縮は、ロッド526間の距離524が、コネクタ506の有効な長さ528より短い場合に生じる。したがって、コネクタ506を取り付けることによって、ロッド526を引き離す力が生じる。この取付法により、例えば、椎間板ヘルニアを罹患している脊椎骨間の距離を適切に保つことができる。
【0049】
圧縮の量は、異なる長さコネクタ506を用いることによって調整できる。ロッド連結組立体500に生じる残留圧縮応力(すなわち、予荷重)によって、ロッド連結組立体500の疲労破壊及び/又は損傷に対する耐性が強くなる。如何なる引張応力(例えば、曲げ、引張り等)も、まず、ロッド連結組立体500に既に存在している残留圧縮応力を超える必要があり、したがって、ロッド連結組立体500を損傷させる可能性がある引張応力の正味量が低減され、これは、ロッド連結組立体500の疲労破壊が遅延されることを意味し、この結果、ロッド連結組立体500の有効寿命が長くなる。更に、ロッド連結組立体500が長くなることにより、背骨内部矯正器具を修理し、補強し及び/又は再調整するための後の外科的処置の回数を減らすことができる。この実施の形態及び上述した他の実施の形態、並びにこれらの組合せにおけるこれらの利点及び他の利点は、当業者にとって明らかである。
【0050】
ここに示す実施の形態及び要約書に開示した実施の形態は、本発明を、開示した詳細な形式に排他的に限定することを意図しない。特定の実施の形態を例示的に説明したが、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な同等な変形例を想到することができる。以上の本発明の説明は、例示的に示した椎弓根スクリュー及び伸延ロッドだけではなく、様々なスクリュー及びロッドに適用できる。
【0051】
上述した様々な実施の形態を組み合わせて、更なる実施の形態を実現することもできる。2004年11月19日に出願された米国仮特許出願番号第60/629,840号、2005年3月30に出願された米国仮特許出願番号第60/666,819号、2005年4月18日に出願された米国仮特許出願番号第60/672,590号、2005年7月29日に出願された米国仮特許出願番号第60/703,622号、及び2005年7月29日に出願された米国仮特許出願番号第60/703,684号を含む、本明細書で言及し、及び/又は出願データシートに列挙した米国特許公報、米国特許出願公開公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、非特許文献の全ては、その全体が引用により本願に援用される。本発明の側面は、必要に応じて、様々な特許、特許出願、公報に開示されているスクリュー、材料及び概念を採用するように変更でき、このような変更も本発明の更なる実施の形態を提供する。
【0052】
上述した詳細な説明に基づき、本発明の実施の形態にこれらの及びこの他の変更を加えることができる。添付の特許請求の範囲において用いる用語は、特定の実施の形態によって限定されず、本発明の定義に基づいて動作する全ての背骨固定器具を含むように解釈される。すなわち、本発明は、詳細な説明によっては限定されず、特許請求の範囲によって画定される全体的な範囲によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施の形態に基づき、ロッド受入体及びカム機構を備え、2つの伸延ロッドを固定するロッド連結組立体の斜視図である。
【図2】図1のロッド連結組立体の分解斜視図である。
【図3】図2の線3−3における図1のカム機構の断面図である。
【図4】A及びBは、ロッド受入体にカム機構を挿入する代替的な手法を示す図1のロッド連結組立体の斜視図である。
【図5】ロッド受入体が異なる直径を有するロッドを受け入れるように構成された他のロッド連結組立体の斜視図である。
【図6】本発明の一実施の形態に基づき、ロッド受入体及びカム機構を備え、伸延ロッドを及び椎弓根スクリューのヘッド部分固定するロッド連結組立体の分解斜視図である。
【図7】A〜Eは、図6のロッド連結組立体に伸延ロッド及び椎弓根スクリューのヘッド部分を固定するための動作を段階的に示す断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に基づき、ロッド受入体、カム機構及び拡張部材を備え、2つの伸延ロッドを固定するロッド連結組立体の斜視図である。
【図9】図8のロッド連結組立体の分解斜視図である。
【図10】A〜Dは、図8のロッド連結組立体に伸延ロッドを固定するための動作を段階的に示す断面図である。
【図11】横断コネクタによって相互に連結された第1のロッド受入体と、第2のロッド受入体とを備える本発明の一実施の形態に基づくロッド連結組立体の斜視図である。
【図12】図11のロッド連結組立体の分解斜視図である。
【図13】図11のカム機構の1つの側面図である。
【図14】図11の線14−14における図11の組立体の断面図である。
【図15】コネクタを介して連結された2つのロッド受入体を備える本発明の一実施の形態に基づくロッド連結組立体の斜視図である。
【図16】ロッド受入体に受け入れられた2つの伸延ロッドについて、図15のコネクタの相対的位置を示す概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の開口に隣接して配設され、第1の壁を形成し、伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成された第1のチャネルを有するロッド受入体と、
上記第1の開口内で回転し、上記第1の壁の一部と協働して上記伸延ロッドをロッド受入体に連結する所定の輪郭を有する表面を有するカム本体を備えるカム機構とを備えるロッド連結組立体。
【請求項2】
上記第1のチャネルは、U字状の形状を有し、第1の外表面から上記ロッド受入体の第2の外表面に延びることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項3】
上記ロッド受入体の底部に連結され、該ロッド受入体の底部から延びるフック部材を更に備える請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項4】
上記フック部材は、上記ロッド受入体の底部に一体に連結されていることを特徴とする請求項3記載のロッド連結組立体。
【請求項5】
上記カム本体は、第1の部分、第2の部分及び回転軸を備え、上記第1の部分は、上記第2の部分より、上記回転軸から遠くに配設されていることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項6】
上記カム本体の所定の輪郭を有する表面は、螺旋カム表面であることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項7】
上記カム機構は、カムスクリューであることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項8】
上記ロッド受入体は、上記第1の開口を横断する貫通孔を備えることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項9】
上記貫通孔に挿入され、上記カム機構をロッド受入体に対して平行移動可能に規制するピンを更に備える請求項8記載のロッド連結組立体。
【請求項10】
上記ロッド受入体は、上記第1のチャネルに実質的に平行に配設された第2のチャネルを備え、上記第1の開口は、該第1のチャネルと該第2のチャネルとの間に配置されていることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項11】
上記第2のチャネルは、U字状の形状を有し、第1の外表面から上記ロッド受入体の第2の外表面に延びることを特徴とする請求項10記載のロッド連結組立体。
【請求項12】
上記カム本体は、第1の部分、第2の部分及び回転軸を備え、上記第1の部分は、上記回転軸からの第1の距離に位置し、上記第2の部分は、上記回転軸からの第2の距離に位置することを特徴とする請求項10記載のロッド連結組立体。
【請求項13】
上記カム本体の第1の部分は、上記ロッド受入体と協働し、上記カム機構が第1の開口内で回転すると、上記伸延ロッドを捕捉し、固定することを特徴とする請求項12記載のロッド連結組立体。
【請求項14】
上記ロッド受入体は、椎弓根スクリューのヘッド部分を受け入れるように構成された第2の開口を備えることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項15】
上記第1のチャネルは、上記第1の開口と、上記第2の開口との間に配置されていることを特徴とする請求項14記載のロッド連結組立体。
【請求項16】
上記第1の開口内の上記カム機構の回転によって、上記伸延ロッドは、上記椎弓根スクリューのヘッド部分に押し付けられ、該伸延ロッドが上記ロッド受入体に結合されることを特徴とする請求項14記載のロッド連結組立体。
【請求項17】
第1の開口に隣接して配設され、第1の壁を形成し、第1の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成された第1のチャネルを有する第1のロッド受入体と、
上記第1の開口内で回転し、上記第1の伸延ロッドを上記第1の壁に押し付ける所定の輪郭を有する表面を有する第1のカム本体を有する第1のカム機構と、
第2の開口に隣接し、第2の壁を形成し、第2の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成された第2のチャネルと、細長いポケットとを有する第2のロッド受入体と、
ピンと、
上記ロッド受入体の細長いポケットに受け入れられ、上記ピンを介して上記ロッド受入体に回転可能に連結されるレバーと、
上記第2の開口内で回転し、上記第2の伸延ロッドを上記レバーの一部に押し付ける所定の輪郭を有する表面を有する第2のカム本体を有する第2のカム機構と、
上記第1のロッド受入体に連結される第1の端部と、上記第2のロッド受入体に受け入れられる第2の端部と、上記レバーと係合可能な中間部分とを有する横断コネクタとを備えるロッド連結組立体。
【請求項18】
上記第1の伸延ロッドは、上記第2の伸延ロッドより大きい直径を有することを特徴とする請求項17記載のロッド連結組立体。
【請求項19】
上記第1のロッド受入体は、第2のロッド受入体に対して平行に調整可能であることを特徴とする請求項17記載のロッド連結組立体。
【請求項20】
上記第2のカム機構の回転は、上記レバーから上記横断コネクタに加わる圧力によって、該横断コネクタを第2のロッド受入体に連結することを特徴とする請求項17記載のロッド連結組立体。
【請求項21】
第1の開口に隣接して配設され、第1の壁を形成し、第1の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成された第1のチャネルを有する第1のロッド受入体と、
上記第1のロッド受入体の第1の開口に受け入れられるように構成された所定の輪郭を有する表面を有する第1のカム本体を有する第1のカム機構と、
第2の開口に隣接して配設され、第2の壁と実質的に平行に延び、第2の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成された第2のチャネルを有する第2のロッド受入体と、
上記第2のロッド受入体の第2の開口に受け入れられるように構成された所定の輪郭を有する表面を有する第2のカム本体を有する第2のカム機構と、
上記第1のカム機構と係合する係合面を有する第1の部分と、上記第2のカム機構と係合する係合面を有する第2の部分とを有する連結ロッドとを備え、上記第1のカム機構と上記第2のカム機構は、各開口内で回転し、当該ロッド連結組立体に各ロッドを固定するロッド連結組立体。
【請求項22】
上記第1のカム本体の所定の輪郭を有する表面は、螺旋カム表面であることを特徴とする請求項21記載のロッド連結組立体。
【請求項23】
上記第2のカム本体の所定の輪郭を有する表面は、螺旋カム表面であることを特徴とする請求項21記載のロッド連結組立体。
【請求項24】
上記連結ロッドは、2点支持連結部材であることを特徴とする請求項21記載のロッド連結組立体。
【請求項25】
上記連結ロッドの各係合面は、上記各カム機構の螺旋カム表面に対応するように形成された突起であることを特徴とする請求項21記載のロッド連結組立体。
【請求項26】
ロッド受入部材にロッドを連結するロッド連結方法において、
ロッド受入部材のチャネルにロッドを受け入れる工程と、
カム機構の螺旋カム表面と、上記ロッド受入部材の一部との間でロッドを固定するために十分な量だけカム機構を回転させる工程とを有するロッド連結方法。
【請求項27】
上記ロッドを受け入れる工程は、上記ロッド受入部材を上記ロッドの一部に移動させる工程を有することを特徴とする請求項26記載のロッド連結方法。
【請求項28】
上記ロッドを受け入れる工程は、上記ロッドを上記カム機構の螺旋カム表面の導入部分に係合させる工程を有することを特徴とする請求項26記載のロッド連結方法。
【請求項29】
上記カム機構を回転させる工程は、上記カム機構の一部に工具を係合させる工程を有することを特徴とする請求項26記載のロッド連結方法。
【請求項30】
上記ロッド受入部材の開口に椎弓根スクリューのヘッド部分を受け入れ、上記カム機構を回転させ、上記ロッド及び椎弓根スクリューのヘッド部分を、上記カム機構の螺旋カム表面の一部と、上記ロッド受入部材の一部との間で固定する工程を更に有する請求項26記載のロッド連結方法。
【請求項31】
上記ロッド受入部材から延びる部材に背骨の一部を係合させる工程を更に有する請求項26記載のロッド連結方法。
【請求項1】
第1の開口に隣接して配設され、第1の壁を形成し、伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成された第1のチャネルを有するロッド受入体と、
上記第1の開口内で回転し、上記第1の壁の一部と協働して上記伸延ロッドをロッド受入体に連結する所定の輪郭を有する表面を有するカム本体を備えるカム機構とを備えるロッド連結組立体。
【請求項2】
上記第1のチャネルは、U字状の形状を有し、第1の外表面から上記ロッド受入体の第2の外表面に延びることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項3】
上記ロッド受入体の底部に連結され、該ロッド受入体の底部から延びるフック部材を更に備える請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項4】
上記フック部材は、上記ロッド受入体の底部に一体に連結されていることを特徴とする請求項3記載のロッド連結組立体。
【請求項5】
上記カム本体は、第1の部分、第2の部分及び回転軸を備え、上記第1の部分は、上記第2の部分より、上記回転軸から遠くに配設されていることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項6】
上記カム本体の所定の輪郭を有する表面は、螺旋カム表面であることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項7】
上記カム機構は、カムスクリューであることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項8】
上記ロッド受入体は、上記第1の開口を横断する貫通孔を備えることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項9】
上記貫通孔に挿入され、上記カム機構をロッド受入体に対して平行移動可能に規制するピンを更に備える請求項8記載のロッド連結組立体。
【請求項10】
上記ロッド受入体は、上記第1のチャネルに実質的に平行に配設された第2のチャネルを備え、上記第1の開口は、該第1のチャネルと該第2のチャネルとの間に配置されていることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項11】
上記第2のチャネルは、U字状の形状を有し、第1の外表面から上記ロッド受入体の第2の外表面に延びることを特徴とする請求項10記載のロッド連結組立体。
【請求項12】
上記カム本体は、第1の部分、第2の部分及び回転軸を備え、上記第1の部分は、上記回転軸からの第1の距離に位置し、上記第2の部分は、上記回転軸からの第2の距離に位置することを特徴とする請求項10記載のロッド連結組立体。
【請求項13】
上記カム本体の第1の部分は、上記ロッド受入体と協働し、上記カム機構が第1の開口内で回転すると、上記伸延ロッドを捕捉し、固定することを特徴とする請求項12記載のロッド連結組立体。
【請求項14】
上記ロッド受入体は、椎弓根スクリューのヘッド部分を受け入れるように構成された第2の開口を備えることを特徴とする請求項1記載のロッド連結組立体。
【請求項15】
上記第1のチャネルは、上記第1の開口と、上記第2の開口との間に配置されていることを特徴とする請求項14記載のロッド連結組立体。
【請求項16】
上記第1の開口内の上記カム機構の回転によって、上記伸延ロッドは、上記椎弓根スクリューのヘッド部分に押し付けられ、該伸延ロッドが上記ロッド受入体に結合されることを特徴とする請求項14記載のロッド連結組立体。
【請求項17】
第1の開口に隣接して配設され、第1の壁を形成し、第1の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成された第1のチャネルを有する第1のロッド受入体と、
上記第1の開口内で回転し、上記第1の伸延ロッドを上記第1の壁に押し付ける所定の輪郭を有する表面を有する第1のカム本体を有する第1のカム機構と、
第2の開口に隣接し、第2の壁を形成し、第2の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成された第2のチャネルと、細長いポケットとを有する第2のロッド受入体と、
ピンと、
上記ロッド受入体の細長いポケットに受け入れられ、上記ピンを介して上記ロッド受入体に回転可能に連結されるレバーと、
上記第2の開口内で回転し、上記第2の伸延ロッドを上記レバーの一部に押し付ける所定の輪郭を有する表面を有する第2のカム本体を有する第2のカム機構と、
上記第1のロッド受入体に連結される第1の端部と、上記第2のロッド受入体に受け入れられる第2の端部と、上記レバーと係合可能な中間部分とを有する横断コネクタとを備えるロッド連結組立体。
【請求項18】
上記第1の伸延ロッドは、上記第2の伸延ロッドより大きい直径を有することを特徴とする請求項17記載のロッド連結組立体。
【請求項19】
上記第1のロッド受入体は、第2のロッド受入体に対して平行に調整可能であることを特徴とする請求項17記載のロッド連結組立体。
【請求項20】
上記第2のカム機構の回転は、上記レバーから上記横断コネクタに加わる圧力によって、該横断コネクタを第2のロッド受入体に連結することを特徴とする請求項17記載のロッド連結組立体。
【請求項21】
第1の開口に隣接して配設され、第1の壁を形成し、第1の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成された第1のチャネルを有する第1のロッド受入体と、
上記第1のロッド受入体の第1の開口に受け入れられるように構成された所定の輪郭を有する表面を有する第1のカム本体を有する第1のカム機構と、
第2の開口に隣接して配設され、第2の壁と実質的に平行に延び、第2の伸延ロッドの少なくとも一部を受け入れるように構成された第2のチャネルを有する第2のロッド受入体と、
上記第2のロッド受入体の第2の開口に受け入れられるように構成された所定の輪郭を有する表面を有する第2のカム本体を有する第2のカム機構と、
上記第1のカム機構と係合する係合面を有する第1の部分と、上記第2のカム機構と係合する係合面を有する第2の部分とを有する連結ロッドとを備え、上記第1のカム機構と上記第2のカム機構は、各開口内で回転し、当該ロッド連結組立体に各ロッドを固定するロッド連結組立体。
【請求項22】
上記第1のカム本体の所定の輪郭を有する表面は、螺旋カム表面であることを特徴とする請求項21記載のロッド連結組立体。
【請求項23】
上記第2のカム本体の所定の輪郭を有する表面は、螺旋カム表面であることを特徴とする請求項21記載のロッド連結組立体。
【請求項24】
上記連結ロッドは、2点支持連結部材であることを特徴とする請求項21記載のロッド連結組立体。
【請求項25】
上記連結ロッドの各係合面は、上記各カム機構の螺旋カム表面に対応するように形成された突起であることを特徴とする請求項21記載のロッド連結組立体。
【請求項26】
ロッド受入部材にロッドを連結するロッド連結方法において、
ロッド受入部材のチャネルにロッドを受け入れる工程と、
カム機構の螺旋カム表面と、上記ロッド受入部材の一部との間でロッドを固定するために十分な量だけカム機構を回転させる工程とを有するロッド連結方法。
【請求項27】
上記ロッドを受け入れる工程は、上記ロッド受入部材を上記ロッドの一部に移動させる工程を有することを特徴とする請求項26記載のロッド連結方法。
【請求項28】
上記ロッドを受け入れる工程は、上記ロッドを上記カム機構の螺旋カム表面の導入部分に係合させる工程を有することを特徴とする請求項26記載のロッド連結方法。
【請求項29】
上記カム機構を回転させる工程は、上記カム機構の一部に工具を係合させる工程を有することを特徴とする請求項26記載のロッド連結方法。
【請求項30】
上記ロッド受入部材の開口に椎弓根スクリューのヘッド部分を受け入れ、上記カム機構を回転させ、上記ロッド及び椎弓根スクリューのヘッド部分を、上記カム機構の螺旋カム表面の一部と、上記ロッド受入部材の一部との間で固定する工程を更に有する請求項26記載のロッド連結方法。
【請求項31】
上記ロッド受入部材から延びる部材に背骨の一部を係合させる工程を更に有する請求項26記載のロッド連結方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2008−520383(P2008−520383A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543358(P2007−543358)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/042181
【国際公開番号】WO2006/055914
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(507137209)アルファスパイン インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】ALPHASPINE,INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/042181
【国際公開番号】WO2006/055914
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(507137209)アルファスパイン インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】ALPHASPINE,INC.
【Fターム(参考)】
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