説明

ロボットおもちゃ

【課題】PCなど電子機器が備える、給電と信号送信双方が行えるコネクタを利用して、外部電源を用いることなく、煩雑な制御無しに動作するロボットおもちゃを提供する。
【解決手段】ロボット部に形状記憶合金を用いたアクチュエータを用い、電子機器から給電された電力を、共に送信される制御信号を利用して通電制御を行い、形状記憶合金に流れる電流を制御し、その動作を簡便に制御した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータ(以下、PC)などの電子機器に接続されるロボットおもちゃに関する。
特にUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)を有した機器に接続するロボットおもちゃに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、PCなどが有する給電ラインおよび信号ラインを共に有するコネクタに接続される外部電子機器を、駆動電源を給電ラインより取得する「バスパワー機器」と呼ばれる機器が知られている。
また、近年、給電ラインのみを利用して駆動させるミニチュア扇風機などの機器が普及している。
【0003】
しかしながら、ロボット機器などを駆動させるためには、小型のおもちゃ等においては駆動源としてソレノイドや小型モータとリンク機構との組み合わせなどで用いるため、装置全体が大型化したり、駆動電流の確保のために、外部電源を接続する必要があるといった問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の問題点を解決すべくなされたもので、制御されたアクチュエータ動作を接続された電子機器からの信号および供給電力のみで行うことを特徴とするロボットおもちゃの実現を目的とする。
本発明の別の目的は、従来PCなどで用いられているアラーム動作を、小型かつ、軽量なロボットおもちゃで実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ロボット部を駆動させるアクチュエータ部を形状記憶合金によって構成し、形状記憶合金を通電加熱させるための電流を制御する制御部を設けたことにより、ロボット部を小型かつ軽量に構成した。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、PCなどの電子機器に接続された小型・軽量なロボットおもちゃを、外部電源を接続することなく動かすことができる。
また、制御テーブルの変数を変更するだけでロボットおもちゃの動作を簡単に変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を図を用いて説明する。
【実施例】
【0008】
本実施例は、メールの着信状態を蝶々型ロボットの羽ばたきによって報せるロボットおもちゃである。
図1は本実施例の電子機器と、制御部と、動作部の接続状態を示している。
また、図2は本実施例の動作を示すフローチャートである。
【0009】
本実施例におけるロボットおもちゃは、PCと、USBコネクタを介して接続
された制御ユニットと、制御ユニットに接続されたロボット部から構成されている。
PC-制御ユニット間は、USBケーブルにより接続されており、制御ユニットーロボット部間は給電ラインのみで接続されている。
ロボット部は、形状記憶合金アクチュエータを通電加熱によって駆動するようにされている。
【0010】
次に本実施例のロボットおもちゃの動作を説明する。
本実施例のロボットおもちゃはメールの受信数に応じた回数、蝶々型ロボットが羽ばたくように設定されている。
まず、PCにインストールされたソフトウェアによって、メールサーバに接続しメールの受信状況を確認する。
動作テーブルにはメールの受信数に応じた回数アクチュエータが羽ばたくような電流制御信号がそれぞれ設定されており、先に取得した受信状況に応じて制御ユニットへの電流制御信号が定まる。
前記動作テーブルは、具体的には、受信回数分、一定時間の通電加熱と通電解除のサイクルを行うような信号の対応テーブルとなっている。
次に、電流制御信号をUSBコネクタを介して制御ユニットに送信する。さらに、USBコネクタを介して電力を制御ユニットに給電する。
USBケーブルは、給電ラインと信号ラインを共に有しており、接続は1本のケーブルで行われる。
次に、制御ユニットにて、USBの給電ラインによって給電された電力を、電流制御信号に応じた電流出力を行う。
この電流出力により、ロボット部の形状記憶合金が通電加熱され、形状記憶合金アクチュエータが駆動する。
ロボット部のアクチュエータは、本実施例では。特開昭63?125859で示される蝶々型のアクチュエータを用いた。これにより、通電加熱の制御ユニットによって電流を制御すれば簡易に羽ばたきの状態が制御される。
【特許文献1】特開昭63−125859
【0011】
なお、本実施例では接続コネクタをUSBとしたが、給電ラインと信号ラインを合わせ持つコネクタであれば作用効果およびデザインを損なうものではなく、例えばIEEE1394コネクタなどを用いてもよい。
また、本実施例において、駆動信号を発信するトリガをメール受信としたが、たとえば、ネットワークを用いた通話ソフトの受信や、ネットワーク接続した外部機器からの信号をトリガとしてもよい。
接続したロボットおもちゃは蝶々型のものを用いているが、別の形状記憶合金アクチュエータ構造を持つロボットを用いてもよく、制御部とロボットの接続部分は、電源ラインのみの簡易な構造であるから取着容易な構造にしてもよい。
動作テーブルを介していることにより、接続する機器や、駆動条件の変更も動作テーブルの変更のみで可能である。また、ソフトウェアを変更すれば、制御部を変更することなくネットワークを介した外部制御など他の駆動命令による動作も容易に可能である。
【産業上の利用可能性】
【0012】
本発明のロボットおもちゃは、取り付け、維持が非常に簡単であり、従来の一般的なコネクタを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例の概略構成図
【図2】本発明の実施例の動作チャート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状記憶合金アクチュエータを備えるロボット部と、
前記ロボット部に接続され、前記ロボット部への電流を制御する制御部と、
前記制御部に、給電ラインと信号ラインとを具備するコネクタを介して接続される電子機器とからなり、
前記電子機器は、前記制御部へ給電する手段と、アクチュエータ駆動信号を発信する信号発信手段と、前記駆動信号と制御部への制御信号との関係を定めた動作テーブルとを備え、前記駆動信号に応じて前記制御部へ電流および制御信号を伝送する事を特徴とするロボットおもちゃ。
【請求項2】
前記コネクタはユニバーサル・シリアル・バスコネクタである、請求項1のロボットおもちゃ。
【請求項3】
前記信号発信手段の信号発生条件は、メールサーバの状態によって定まる請求項1,2のロボットおもちゃ。

【図1】
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【図2】
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