説明

ローカルサーバ装置、電子メール送受信制御システム

【課題】構内通信網と広域通信網との間で電子メールを中継し、かつ電子メールの送受信に伴う構内通信網の通信帯域の制限と中継の際の電子メールの蓄積量の抑制とを行う。
【解決手段】ローカルサーバ装置10は、構内通信網11に接続された複数台の住戸端末12と広域通信網21に接続されたメールサーバ22との間に接続され、住戸端末12電子メールの送受信を中継する。ローカルサーバ装置10は、住戸端末12に対して電子メールの送受信に関する要求の有無を個別に問い合わせ、要求があると住戸端末12とメールサーバ22との間で電子メールの送受信を中継する。また、ローカルサーバ装置10は、住戸端末12から電子メールの送受信に関する要求の有無を問い合わせる住戸端末12を選択することにより、構内通信網11の通信帯域を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構内通信網に接続された情報端末と広域通信網に接続されたメールサーバとの間で電子メールの送受信を中継するローカルサーバ装置、およびこのローカルサーバ装置を用いて広域通信網と構内通信網との間で電子メールの受け渡しを行う電子メール送受信制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、通信ネットワークにドメインを形成し、ドメイン内の通信は構内通信網を通して行い、ドメインの内外の通信は広域通信網を通して行う電気通信技術が知られている。たとえば、集合住宅では、各住戸に設けた住戸端末が集合住宅に敷設された構内通信網に接続されることによってドメインを形成し、インターネットのような広域通信網と構内通信網との間にゲートウェイを介在させた通信システムが知られている。同様の通信システムは、オフィスビルなどにおいても用いられている。
【0003】
この種の通信システムにおいて、構内通信網に接続された情報端末で電子メールの送受信を行う場合、広域通信網に設けられたメールサーバに情報端末が直接アクセスして電子メールの送受信を行うことが考えられる。しかしながら、各情報端末が任意のタイミングで電子メールの送受信を行うと、構内通信網のトラフィックが一時的に増加するという事象が生じる。すなわち、電子メールの送受信に伴って構内通信網の通信帯域が一時的に狭められる可能性がある。
【0004】
一方、集合住宅やオフィスビルなどにおいては、構内通信網を電子メールの送受信だけではなく、構内での音声情報や映像情報の伝送に用いたり、防犯や防災のための通信に用いたりする場合がある。このように、構内通信網を複数の情報の伝送に兼用していると、電子メールの増加によって構内通信網の通信帯域が狭められると、他の情報の通信に支障をきたすという問題が生じる。
【0005】
電子メールの送受信による構内通信網(構内ネットワーク)の通信帯域を制限するために、構内通信網に接続されたローカルサーバ装置を用いる技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたローカルサーバ装置は、電子メールの保存や送受信を行うメールサーバ機能、構内通信網に接続した情報端末(情報管理端末)に新着メールの着信をイベントとして通知する機能、構内通信網の通信帯域を管理する機能を備えている。また、情報端末は、新着メールの着信イベントをローカルサーバ装置から受信すると新着メールを受信する。
【0006】
特許文献1では、上述の構成を採用することにより、ローカルサーバ装置が構内通信網の通信帯域を制限し、情報端末に新着メールを送ることが可能になる。また、特許文献1には、ローカルサーバ装置が監視している構内通信網の通信帯域が限界値を越えたときに、通信要求を拒否することにより、通信帯域を制限する旨の記載がある。
【0007】
上述のように、ローカルサーバ装置にメールサーバ機能を設け、電子メールをローカルサーバ装置に一旦保存するとともに、構内通信網の通信帯域に応じて電子メールの送受信を行うと、電子メールの増加で構内通信網の通信帯域が制限されるのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−173312号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1に記載された技術のように、ローカルサーバ装置に電子メールを一旦保持するメールサーバ機能を設けると、構内通信網に接続される情報端末の台数が増加したときに、電子メールを保存するための記憶容量も増加するという問題が生じる。また、電子メールの本文やパスワードなどの個人的な情報がローカルサーバ装置に蓄積され、しかもローカルサーバ装置は広域通信網に接続されているから、ローカルサーバ装置が保持する個人的な情報が広域通信網に流出する可能性が高くなる。
【0010】
本発明は、構内通信網に接続された情報端末から広域通信網に接続されたメールサーバを利用して電子メールを送受信するにあたり、電子メールの送受信に伴う構内通信網の通信帯域の制限を抑制し、しかも、構内通信網と広域通信網との間で電子メールを中継する装置を設けながらも、当該装置への電子メールの蓄積量を抑制し、結果的に個人的な情報が広域通信網に流出する可能性を低減させたローカルサーバ装置を提供し、さらに、ローカルサーバ装置を用いて構内通信網と広域通信網との間で電子メールの送受信を中継する電子メール送受信制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るローカルサーバ装置は、上記目的を達成するために、構内の複数台の情報端末と構内通信網を通して通信する第1のインターフェース部と、メールサーバと広域通信網を通して通信する第2のインターフェース部と、第2のインターフェース部を通してメールサーバとの間で電子メールの送受信を行うメール送信部およびメール受信部と、第1のインターフェース部を通して情報端末に対して電子メールの送受信に関する要求の有無を個別に問い合わせる端末管理部とを備え、端末管理部は、情報端末から電子メールの送受信が要求されるとともに情報端末が利用するメールサーバのアカウント情報を含むメールサーバ情報を情報端末から取得すると、メールサーバ情報で指定されたメールサーバと情報端末との間の電子メールの中継を行う機能を備えることを特徴とする。
【0012】
このローカルサーバ装置において、前記端末管理部は、メールサーバから受信して情報端末に引き渡す電子メールの数量に上限を設定してあり、情報端末からの要求が1回行われたときにメールサーバから受信する電子メールの数量を上限の範囲内とすることが好ましい。
【0013】
また、このローカルサーバ装置において、前記端末管理部は、各情報端末が送受信を行った電子メールの数量をそれぞれ記憶した後、送受信を行った電子メールの数量が相対的に大きい情報端末については、次に要求の有無を問い合わせる順番を相対的に遅らせることが好ましい。
【0014】
本発明に係る電子メール送受信制御システムは、構内に敷設された構内通信網に接続された複数台の情報端末と、構内通信網と広域通信網との間に接続され情報端末とメールサーバとの間で電子メールを中継するローカルサーバ装置とを備え、ローカルサーバ装置は、情報端末に対して電子メールの送受信に関する要求の有無を個別に問い合わせる機能と、情報端末から電子メールの送受信が要求されるとともに情報端末が利用するメールサーバのアカウント情報を含むメールサーバ情報を情報端末から取得すると、メールサーバ情報で指定されたメールサーバと情報端末との間の電子メールの中継を行う機能とを備えることを特徴とする。
【0015】
この電子メール送受信制御システムにおいて、情報端末は、情報端末が配置されている空間に設けた機器からの外部情報を用いることにより情報端末を操作可能な人の存否を表す状態情報を検出し、ローカルサーバ装置は、情報端末に要求の有無を問い合わせたときの応答として状態情報を併せて受け取り、状態情報が情報端末を操作可能な人の不在を示すときには、当該情報端末に対して少なくとも次回は要求の有無を問い合わせないことが好ましい。
【0016】
また、この電子メール送受信制御システムにおいて、情報端末は、操作中か否かを表す操作情報を検出し、ローカルサーバ装置は、情報端末に要求の有無を問い合わせたときの応答として操作情報を併せて受け取り、操作情報が情報端末を操作中であることを示すときには、当該情報端末に対して要求の有無を問い合わせる時間間隔を少なくとも次回は短縮することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の構成によれば、構内通信網に接続されたドメイン内の情報端末から広域通信網に設けられたメールサーバを利用して電子メールを送受信するにあたり、電子メールの送受信に伴う構内通信網の通信帯域の制限を抑制することができる。すなわち、構内通信網において電子メール以外の通信に用いる通信帯域を確保して、電子メールが使用する通信帯域を制限しながらも、電子メールの送受信に大幅な待ち時間が生じるのを防止することができる。また、構内通信網と広域通信網との間で電子メールを中継する電子メール送受信管理装置を設けながらも、電子メール送受信管理装置での電子メールの蓄積量が抑制されるという利点がある。このように、電子メールの蓄積量が低減されるから、個人的な情報が広域通信網に流出する可能性が低減されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施形態を示すブロック図である。
【図2】同上に用いるローカルサーバ装置を示すブロック図である。
【図3】同上に用いる住戸端末を示すブロック図である。
【図4】実施形態1を示す動作説明図である。
【図5】同上の動作説明図である。
【図6】実施形態2を示す動作説明図である。
【図7】実施形態4に用いるローカルサーバ装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、図1に示すシステムを用いて実施形態を説明する。ただし、図示する構成は一例であり、以下に説明する実施形態において用いる各要素を、必要に応じて同等の機能を備える要素と適宜に置換するのを妨げない。
【0020】
たとえば、以下に説明する実施形態では、集合住宅について説明するが、オフィスビルやテナントビルにおいて同様の技術を採用してもよい。また、以下の実施形態では、集合住宅の各住戸に配置されている住戸端末を構内通信網に接続した情報端末として例示するが、管理人室に配置した管理端末のように住戸端末ではない情報端末を設けることを妨げない。
【0021】
図1に示すように、集合住宅1には、ローカルサーバ装置10が設けられる。ローカルサーバ装置10は集合住宅1に敷設された構内通信網11と、集合住宅1の外部に敷設されたインターネットのような広域通信網21とに接続され、構内通信網11と広域通信網21との間の間のゲートウェイとして機能する。ただし、以下の説明では、ローカルサーバ装置10により実現される機能のうち電子メールの送受信に関連する部分についてのみ説明する。したがって、ローカルサーバ装置10は、電子メール送受信管理装置として機能する。
【0022】
集合住宅1の各住戸2には、それぞれ住戸端末12が設置される。住戸端末12は、構内通信網11を介してローカルサーバ装置10と通信する。また、住戸端末12は、電子メールの送受を行う機能を備える。広域通信網21には電子メールの送受信のためのサービスを提供するメールサーバ22が接続される。図1にはメールサーバ22が2台記載されているが、メールサーバ22の台数にはとくに制限はない。
【0023】
住戸端末12は、集合住宅の共用玄関に配置されたロビーインターホンとの通話機能、各住戸2の玄関に設けたドアホン子機との通話機能、集合住宅1の居住者に対して連絡事項の通知などの各種サービスを提供する。そのため、住戸端末12は、図3に示すように、画像を表示する画面表示部121と、タッチパネルや操作釦からなる操作入力部122と、音声の入出力を行う音声入出力部とを備える。ただし、電子メールの送受信に関して音声入出力は関与しないから図示していない。
【0024】
さらに、住戸端末12には、構内通信網11と接続するためのインターフェース部123と、電子メールを送受信するためのメール機能部124とが設けられる。メール機能部124は、メールサーバ22にアクセスするのに必要なアカウント情報およびパスワードを含むメールサーバ情報を保持している。ローカルサーバ装置10から住戸端末12への問い合わせがあったときには、メール機能部124がローカルサーバ装置10に対する応答を行う。また、メール機能部124は、画面表示部121および操作入力部122と連携して電子メールの送受信の処理を行う。
【0025】
ローカルサーバ装置10は、構内通信網11と広域通信網21との間で電子メールの受け渡しを行う。そのため、ローカルサーバ装置10は、図2に示すように、構内通信網11との接続を行う第1のインターフェース部101と、広域通信網21との接続を行う第2のインターフェース部102とを備える。また、ローカルサーバ装置10は、第2のインターフェース部102を通して広域通信網21に接続されたメールサーバ22に電子メールを送信するメール送信部103およびメールサーバ22から電子メールを受信するメール受信部104を備える。
【0026】
さらに、ローカルサーバ装置10は、構内通信網11に接続された各住戸端末12に対して第1のインターフェース部101を通してポーリングを行う端末管理部105を備える。端末管理部105は、各住戸端末12に電子メールの送受信に関する要求の有無を個別に問い合わせる機能を有する。さらに、端末管理部105は、後述する状態記憶部106の記憶内容に応じて、要求を問い合わせる住戸端末12を選択することにより、構内通信網11の通信帯域を制御する機能を備える。
【0027】
状態記憶部106は、(住戸端末の識別情報、確認時刻、応答内容、送信時刻、受信時刻、送信メール数、受信メール数、受信メール量)の各項目を記憶する。「住戸端末の識別情報」は、構内通信網11の範囲内で各住戸端末12に個別に与えられた識別情報である。また、「確認時刻」はローカルサーバ装置10が住戸端末12へのポーリング(要求の有無の確認)を行った時刻であり、「送信時刻」および「受信時刻」は住戸端末12との間で電子メールの送受信を行った時刻を意味する。「応答内容」はローカルサーバ装置10が住戸端末12へのポーリングを行った際の応答の内容である。さらに、「送信メール数」「受信メール数」「受信メール量」は、それぞれ送信した電子メールの数、受信した電子メールの数、受信した電子メールの情報量(単位は、たとえばバイト)である。
【0028】
次に、図4、図5を用いて上述した構成による動作を説明する。ここに、図5における括弧付きの符号は、図4における各ステップに対応している。すなわち、図4におけるステップを示す符号Sn(n=1,2,…)は、図5における符号(n)に対応する。
【0029】
ローカルサーバ装置10が構内通信網11を通していずれか1台の住戸端末12に電子メールの送受信に関する要求の有無を問い合わせると(S11)、当該住戸端末12からローカルサーバ装置10に応答を返す。住戸端末12において電子メールの送受信を行う必要がある場合は、メールサーバ22を利用するための情報(メールサーバ情報)を含めてローカルサーバ装置10への応答が行われる。メールサーバ情報は、メールサーバ22を利用するためのアカウント情報であり、パスワードなども含む。
【0030】
ローカルサーバ装置10は、住戸端末12からローカルサーバ装置10への応答にメールサーバ情報が含まれていると、電子メールの送受信を行う要求であると判断する(S12:Yes)。住戸端末12が電子メールを送信を要求する場合は、送信する電子メールの本文をローカルサーバ装置10への応答に含める。一方、住戸端末12が電子メールの受信を要求する場合は、メールサーバ情報のみをローカルサーバ装置10への応答に含める。
【0031】
したがって、ローカルサーバ装置10が住戸端末12から受信した応答に送信用の電子メールの本文が含まれていれば(S13:Yes)、ローカルサーバ装置10は住戸端末12から受信したメールサーバ情報を用いて当該電子メールを送信する(S14)。
【0032】
また、ローカルサーバ装置10が受信した応答に送信用の電子メールの本文が含まれていなければ(S13:No)、住戸端末12からの要求が電子メールの受信か否かを判定する(S15)。ローカルサーバ装置10は、住戸端末12から受信の実行が要求されていれば(S15:Yes)、メールサーバ情報を用いてメールサーバ22に住戸端末12に宛てた電子メールの有無を問い合わせ(S16)、電子メールがあれば電子メールの受信を行う(S17)。
【0033】
ローカルサーバ装置10は、メールサーバ22に対して電子メールの送信と受信との少なくとも一方を実施した結果を住戸端末12に送信する(S18)。このとき、メールサーバ22から受信した電子メールがあれば、当該電子メールを併せて住戸端末12に送信する。住戸端末12では、ローカルサーバ装置10を通して受信した電子メールを画面表示部121に表示する。
【0034】
上述した動作は1台の住戸端末12に対する動作であって、ローカルサーバ装置10は構内通信網11に接続されている各住戸端末12を選択し(S19)、上述の動作を繰り返す(S19)。このように、ローカルサーバ装置10は、端末管理部105がメールサーバ情報を住戸端末12から取得すると、メール情報で指定されたメールサーバ22と住戸端末12との間の電子メールの中継を行う。
【0035】
なお、上述の動作例において、メールサーバ22からローカルサーバ装置10が電子メールを受信し、電子メールの受信が完了した後に、ローカルサーバ装置10から住戸端末12に送信する構成を採用している。ただし、ローカルサーバ装置10では、メールサーバ22から電子メールの受信を行っている間に、先に受信した電子メールを住戸端末12に送信するようにしてもよい。つまり、広域通信網21を通してメールサーバ22から電子メールを受信している期間に、構内通信網11を通して住戸端末12に電子メールを送信する動作を採用してもよい。
【0036】
また、ローカルサーバ装置10において、あらかじめ不要な電子メールの条件を設定しておき、メールサーバ22から受信した電子メールのうち設定された条件に該当する電子メールについては、住戸端末10に送信せずに破棄するようにしてもよい。この動作によって、メールサーバ装置22が電子メールのフィルタリングを行うことになり、いわゆる迷惑メールを住戸端末10で受信する可能性が低減される。
【0037】
上述したように、本実施形態では、ローカルサーバ装置10が各住戸端末12に対して、電子メールの送受信を行うか否かを問い合わせ、問い合わせに対する応答によって要求があった住戸端末12についてのみ電子メールの送受信を可能にしている。つまり、住戸端末12が電子メールの送受信を行う際に、ローカルサーバ装置10からの問い合わせを待って電子メールの送受信を行うから、構内通信網11の通信帯域をローカルサーバ装置10によって制限することができる。このように、電子メールの送受信に用いる構内通信網11の通信帯域を制限することにより、構内通信網11を用いて行う他の通信への影響を低減することができる。
【0038】
また、ローカルサーバ装置10は、各住戸端末12ごとにメールサーバ22との間で電子メールの送受信を行うから、ローカルサーバ装置10に電子メールを蓄積する必要がなく、結果的に、個人情報がローカルサーバ装置10から流出する可能性を低減することができる。
【0039】
上述した実施形態では、メールサーバ情報がアカウント情報およびパスワードを含む場合を例示したが、メールサーバ情報は、パスワードを含まずに送受信のメールサーバを指定するアカウント情報のみであってもよい。この場合、ローカルサーバ装置10では、住戸端末12から電子メールの送受信の要求があった時点でメールサーバ情報を受け取るのではなく、メールサーバ情報を事前に収集して記憶しておき、記憶したメールサーバ情報を利用して電子メールの送受信を行ってもよい。
【0040】
(実施形態2)
本実施形態では、住戸2の居住者による住戸端末12の操作が可能か不能かを判断するとともに、判断結果に応じてローカルサーバ装置10から住戸端末12に対するポーリングのタイミングを調整する。居住者による住戸端末12の操作が不能な場合としては、居住者が外出中で住戸2に不在である場合や居住者が就寝している場合などがある。
【0041】
居住者の外出や就寝を判断するには、住戸端末12が操作されているか否かの状態、人感センサあるいは画像センサによる人の存否の状態、周囲照度と照明負荷の点灯状態との関係、玄関錠の開閉や玄関の人の通過の関係などを検出する。これらの状態や関係を適宜に用いることにより、居住者による住戸端末12の操作が可能か不能かを判断することができる。あるいはまた、住戸2が外出時における防犯や防災のための監視機能を備えている場合には、監視機能が有効になっていれば外出中と判断することができる。すなわち、住戸端末12は、配置されている空間(住戸2)に設けた機器からの外部情報を用いることにより、住戸端末12を操作可能な人の存否を表す状態情報を検出する。
【0042】
住戸2に設けられている機器(主として家電機器)の操作や動作に関する機器情報を取得することができる場合には、機器情報を住戸端末12を操作可能な人の存否を表す状態情報に用いてもよい。とくに、ネットワーク家電のように通信が可能な機器が住戸2に設けられている場合は、住戸端末12で機器情報を直接取得するだけではなく、他のネットワークを経由させて、この種の機器情報を取得することも可能になる。
【0043】
ローカルサーバ装置10は、住戸端末12に問い合わせを行ったときの応答として、電子メールの送受信に関する要求の要否とともに、住戸端末12から状態情報を受け取る。ローカルサーバ装置10が受け取った状態情報は、ローカルサーバ装置10に設けられた状態記憶部106に記憶される。したがって、状態記憶部106には、実施形態1で説明した項目に加えて、「状態情報」も記憶される。すなわち、状態記憶部106は、(住戸端末の識別情報、確認時刻、応答内容、送信時刻、受信時刻、送信メール数、受信メール数、受信メール量、状態情報)の各項目を記憶することになる。
【0044】
住戸2の居住者による住戸端末12の操作が不能である場合、当該住戸端末12で電子メールを受信しても居住者は電子メールを見ることができないと考えられるから、電子メールを早急に受信させなくてもよいと言える。この点を考慮して、本実施形態のローカルサーバ装置10は、各住戸端末12について居住者による操作が可能か不能かの状態に応じて、住戸端末12に対してポーリングを行う時間間隔を調節する。
【0045】
以下に、図6を用いて本実施形態の動作を説明する。図6に示すように、ローカルサーバ装置10は、まず状態記憶部106の状態情報を参照し、居住者による住戸端末12の操作が不能であることを示す情報の存在を確認する(S21)。ここで、住戸端末12の操作が不能であることを示す情報がなければ(S21:No)、ローカルサーバ装置10は、構内通信網11を通していずれか1台の住戸端末12に電子メールの送受信に関する要求の有無を問い合わせる(S22)。
【0046】
この問い合わせに対し、住戸端末12から電子メールの送受信を行うことを要求する応答があるときには(S23:Yes)、住戸端末12から受信した応答に送信用の電子メールの本文が含まれるか否かを判断する(S24)。送信用の電子メールの本文が含まれているときには(S24:Yes)、ローカルサーバ装置10は住戸端末12から受信したメールサーバ情報を用いて当該電子メールを送信する(S25)。ここに、メールサーバ情報は、実施形態1と同様に住戸端末12からローカルサーバ装置10への応答に含まれる。
【0047】
一方、ローカルサーバ装置10が受信した応答に送信用の電子メールの本文が含まれていなければ(S24:No)、住戸端末12からの要求が電子メールの受信か否かを判定する(S26)。ローカルサーバ装置10は、住戸端末12から受信の実行が要求されていれば(S26:Yes)、メールサーバ情報を用いてメールサーバ22に住戸端末12に宛てた電子メールの有無を問い合わせ(S27)、電子メールがあれば電子メールの受信を行う(S28)。
【0048】
ローカルサーバ装置10は、メールサーバ22に対して電子メールの送信と受信との少なくとも一方を実施した結果を住戸端末12に送信する(S29)。このとき、メールサーバ22から受信した電子メールがあれば、当該電子メールを併せて住戸端末12に送信する。また、住戸端末12では、ローカルサーバ装置10を通して受信した電子メールを画面表示部121に表示する。
【0049】
ローカルサーバ装置10は、1台の住戸端末12からの応答に従って電子メールの送受信を行った後には、状態記憶部106の状態情報を、住戸端末12の操作が不能な状態に設定する(S30)。また、ステップS23において住戸端末12から電子メールの送受信に関する要求がない場合には(S23:No)、住戸端末12の操作が不能であるとみなし、状態記憶部106の状態情報を、住戸端末12の操作が不能な状態として記録する(S30)。
【0050】
その後、ローカルサーバ装置10は、構内通信網11に接続されている別の住戸端末12を選択し(S31)、上述の動作を繰り返す。
【0051】
また、ステップS21において状態記憶部106の状態情報を参照したときに、居住者による住戸端末12の操作が不能であることを示している場合には、状態記憶部106の状態情報の内容を消去する(S32)。したがって、同じ住戸端末12に関して状態記憶部106を参照する際には、操作が不能である旨の情報がなく、当該住戸端末12に対する問い合わせが行われることになる。
【0052】
すなわち、ローカルサーバ装置10は、状態記憶部106の状態情報に基づいて住戸端末12への問い合わせを実施しなかった場合でも、次に同じ住戸端末12が選択されたときには、問い合わせを実施することになる。その結果、1台の住戸端末12に対して長期間に亘って問い合わせを実施しないということが防止される。
【0053】
言い換えると、本実施形態では、居住者による住戸端末12の操作が可能か不能かに応じて、ローカルサーバ装置10から住戸端末12への問い合わせの時間間隔を約1:2に調節していることになる。状態情報において住戸端末12の操作が不能であることを示す情報を消去するタイミングを、住戸端末12の選択毎とせずに、住戸端末12が複数回選択された後に消去すれば、操作が可能か不能かに応じた時間間隔の比率をさらに大きくすることができる。他の構成および動作は実施形態1と同様である。
【0054】
本実施形態では、ローカルサーバ装置10は、住戸端末12から送信された居住者の状態情報を用い、状態情報が住戸端末12を操作可能な人が不在であることを示すときには、当該住戸端末12に対して少なくとも次回は問い合わせは行わないようにしている。したがって、電子メールの送受信が行われない住戸端末12について、問い合わせの時間間隔を長くしていることになり、結果的に構内通信網11の通信帯域が不必要に消費されるのを防止することになる。
【0055】
なお、住戸端末12の操作が可能か不能かの状態情報は、住戸端末12において行うほか、ローカルサーバ装置10において行うようにしてもよい。ローカルサーバ装置10において判断を行う場合、ローカルサーバ装置10は、住戸端末12から構内通信網11を通して外部情報を取得する。
【0056】
(実施形態3)
実施形態2では、居住者による住戸端末12の操作が不能である場合に、ローカルサーバ装置10による当該住戸端末12への問い合わせの時間間隔を長くしている。これに対して、本実施形態では、住戸端末12が操作されていた場合に、ローカルサーバ装置10による当該住戸端末12への問い合わせの時間間隔を短くしている。
【0057】
本実施形態では、住戸端末12は操作中を示す操作情報を生成する機能を有している。操作情報を生成するには、たとえば、人感センサあるいは画像センサを用いて住戸端末12の周辺に人が存在していることを確認し、さらに操作入力部122が規定時間内に操作されていることを確認する。あるいはまた、操作入力部122が操作される時間間隔が規定時間内であることのみを確認してもよい。住戸端末12の操作中を示す操作情報は、ローカルサーバ装置10からの問い合わせに対する応答に含める。また、実施形態2のように不在や就寝を検出し、在宅しており就寝していなければ、住戸端末12の操作中とみなすようにしてもよい。
【0058】
ローカルサーバ装置10は、状態記憶部106の操作情報を参照し、操作情報の内容が操作中であることを示す住戸端末12に対しては問い合わせの時間間隔を調整する。実際には、ローカルサーバ装置10が住戸端末12に問い合わせを行う際に、状態情報の内容が操作中であれば、当該住戸端末12が次に選択されるまでの間に、当該住戸端末12に対する問い合わせを行う。つまり、各住戸端末12への問い合わせが一巡する間に、操作中と判断された住戸端末12への問い合わせを1回以上割り込ませる。この動作によって、操作中の住戸端末12に対しては、問い合わせの時間間隔を短くすることができ、住戸端末12が電子メールの送受信を行う際の応答性を向上させることになる。
【0059】
他の住戸端末12への問い合わせを行っている期間において操作中の住戸端末12への問い合わせを割り込ませるタイミングは、当該住戸端末12に問い合わせてからの待機時間としてあらかじめ設定しておく。すなわち、状態記憶部106には、実施形態1および実施形態2で説明した項目に加えて、待機時間を示す「割込時間」の項目を設けている。実施形態2で説明した状態記憶部106の項目に「割込時間」を付加した場合、状態記憶部106は、(住戸端末の識別情報、確認時刻、応答内容、送信時刻、受信時刻、送信メール数、受信メール数、受信メール量、状態情報、割込時間)を記憶することになる。
【0060】
ローカルサーバ装置10は、住戸端末12に対する問い合わせの応答に、操作中という情報が含まれているときには、以下の処理を行う。すなわち、当該住戸端末12への問い合わせから割込時間が経過した後であって、他の住戸端末12への問い合わせの処理が終了すると、割込時間が設定されている住戸端末12への問い合わせを行う。
【0061】
ここに、ローカルサーバ装置10は、操作中の住戸端末12への問い合わせを行った時点で、操作中という情報を削除するのが望ましい。この処理により、当該住戸端末12が次に選択されるときには、他の住戸端末12に割り込んで問い合わせを行うことがないから、特定の住戸端末12への問い合わせばかりが繰り返されて、他の住戸端末12への問い合わせが行われない可能性が低減される。つまり、各住戸端末12に対する問い合わせが公平に行われることになる。
【0062】
なお、割込時間は、集合住宅1に設けた住戸端末12の台数(すなわち、構内通信網11の規模)に応じて定められる。すなわち、割込時間は、集合住宅1ごとに適宜に設定される。また、上述の動作では、操作中の住戸端末12への問い合わせを他の住戸端末12への問い合わせに割り込んで行ったときに、操作中という情報を削除している。これに対して、操作中という状態が継続している間は当該情報を削除せずに、他の住戸端末12に割り込んで問い合わせを繰り返し行うようにしてもよい。ただし、この動作では他の住戸端末12への問い合わせが遅れる可能性があるから、割込時間を比較的長く設定するのが望ましい。他の構成および動作は上述した各実施形態と同様である。
【0063】
本実施形態の構成では、ローカルサーバ装置10は、住戸端末12のポーリングを行ったときの応答として、電子メールの送受信に関する要求の有無とともに、操作情報を併せて受け取り状態記憶部106に記憶する。また、ローカルサーバ装置10は、状態記憶部106に記憶されている操作情報が住戸端末12の操作中であることを示すときには、その住戸端末12へのポーリングを行うまでの時間間隔を少なくとも次回は短縮している。この構成によって、住戸端末12による電子メールの送受信に用いる構内通信網11の通信帯域を抑制することと、電子メールの送受信に対して応答性を向上させることとを両立させることができる。
【0064】
(実施形態4)
上述した実施形態では、ローカルサーバ装置10が各住戸端末12に問い合わせを行う時間間隔についてとくに言及していない。一方、本実施形態では、構内通信網11の通信帯域が狭くなると、ローカルサーバ装置10から各住戸端末12に問い合わせを行う時間間隔を長くする構成を採用している。そのため、図7に示すように、ローカルサーバ装置10は、構内通信網11の通信帯域を監視する帯域監視部107を備える。
【0065】
帯域監視部107は、構内通信網11の通信帯域を監視するとともに、通信段階を複数段階に区分し、各区分ごとにあらかじめ設定した時間間隔を、住戸端末12への問い合わせの時間間隔として端末管理部105に通知する。端末管理部105は、帯域監視部107から通知された時間間隔で各住戸端末12への問い合わせを行う。
【0066】
本実施形態では、構内通信網11のトラフィックが増加すると、ローカルサーバ装置10が住戸端末12に問い合わせる時間間隔を長くするように調節している。したがって、構内通信網11のトラフィックが多い場合には、構内通信網11が電子メールの送受信のために占有される割合を低減させることができる。他の構成および動作は上述した各実施形態と同様である。
【0067】
(実施形態5)
上述した各実施形態では、ローカルサーバ装置10がメールサーバ22から電子メールを受信する際に、メールサーバ22において電子メールの受信を要求した住戸端末12に宛てた電子メールを全数読み出すことを想定している。これに対して、本実施形態は、ローカルサーバ装置10がメールサーバ22から電子メールを1回読み出す際に、ローカルサーバ装置10の端末管理部105にあらかじめ設定されている上限までの範囲内の個数の電子メールを読み出す。
【0068】
ここで、メールサーバ22に保存されている電子メールの個数が上限を超えている場合は、ローカルサーバ装置10がメールサーバ22から電子メールを読み出したときに、一部の電子メールがメールサーバ22に残される。残された電子メールは、次に電子メールの受信が要求されたときにメールサーバ22から読み出される。
【0069】
上述のように、メールサーバ22に多数の電子メールが保存されているときには、複数回に分割して住戸端末12に転送するから、いずれかの住戸端末12が電子メールの受信のために構内通信網11を長時間に亘って占有するのを防止できる。この動作のために、ローカルサーバ装置10は、メールサーバ22から受信した電子メールの個数を計数し、計数値が設定されている上限に達すると、メールサーバ22からの電子メールの受信を一旦中断する。
【0070】
また、この際に、受信した電子メールの位置を示す識別子情報をメールサーバ22から取得して状態記憶部106に登録する。電子メールの識別子情報は、各住戸端末12に対応付けて状態記憶部106に登録され、この識別子情報は、次に、当該住戸端末12が電子メールの受信を要求したときにメールサーバ22から電子メールを読み出す際の開始位置に用いる。
【0071】
ローカルサーバ装置10に識別子情報を登録することにより、住戸端末12が次に電子メールの受信を要求するときには、識別子情報の位置を起点にしてメールサーバ22から電子メールが読み出すことができる。つまり、メールサーバ22に保存された電子メールの読み出しが中断することがあるが、メールサーバ22に保存された電子メールは消失することなく住戸端末12に転送される。
【0072】
なお、上述の動作では、電子メールの個数に対する上限を設定しているが、電子メールの容量に対する上限を設定し、上限を超えない範囲で1回に受信する電子メールの個数を制限してもよい。要するに、電子メールの数量に対して上限を設定すればよい。他の構成および動作は上述した他の実施形態と同様である。
【0073】
(実施形態6)
上述した各実施形態では、ローカルサーバ装置10が各住戸端末12に問い合わせを行う順番は、割り込んで問い合わせを行う場合を除いて、原則として変更されていない。割り込んで問い合わせを行う場合であっても、他の住戸端末12の順番は変更していない。これに対して、本実施形態では、ローカルサーバ装置10が各住戸端末12に一通り問い合わせを行ったときの応答の内容に応じて、次に各住戸端末12に問い合わせを行う際の順番を変更する。
【0074】
ローカルサーバ装置10は、各住戸端末12に問い合わせを行うたびに、少なくとも(住戸端末の識別情報、確認時刻、応答内容、送信時刻、受信時刻、送信メール数、受信メール数、受信メール量)の項目を状態記憶部106に登録している。状態記憶部106には、他の実施形態で説明した項目を登録する場合もある。ローカルサーバ装置10の端末管理部105では、状態記憶部106に登録された項目の内容から、各住戸端末12が電子メールの送受信のために構内通信網11を占有する優先順位を決め、この優先順位を状態記憶部106に登録する。ここに、優先順位は、大小関係で順番の前後が判別可能な値であればよい。
【0075】
たとえば、送受信を行う電子メール数あるいは電子メールのデータ量(すなわち、電子メールの数量)が規定の基準値を超える住戸端末12については、当該住戸端末12に問い合わせる順番を繰り下げる。構内通信網11の占有時間が長い住戸端末12の順番を繰り下げると、構内通信網11の占有時間が長い他の住戸端末12が存在していても、問い合わせの順番を繰り下げていない住戸端末12は、前回の問い合わせからの時間が極端に長くなるのを防止できる。すなわち、ローカルサーバ装置10が各住戸端末12への問い合わせを行う時間間隔のばらつきが低減され、各住戸端末12が電子メールの送受信を公平に行えるようになる。
【0076】
ローカルサーバ装置10は、送受信を行う電子メールの数量を基準値と比較するのではなく、各住戸端末12に対応する電子メールの数量を比較し、電子メールの数量が大きい住戸端末12ほど要求の有無を問い合わせる順番を遅らせるようにしてもよい。この動作によっても、ローカルサーバ装置10が各住戸端末12への問い合わせを行う時間間隔のばらつきを低減させることができる。
【0077】
上述したように、本実施形態のローカルサーバ装置10は、各住戸端末12が送受信を行った電子メールの数量(受信メール量)を状態記憶部106に記憶する。また、上述の動作によって、ローカルサーバ装置10は、送受信を行った電子メールの数量が相対的に大きい住戸端末12については、次に前記要求の有無を問い合わせる順番を相対的に遅らせていることになる。他の構成および動作は他の実施形態と同様である。
【符号の説明】
【0078】
10 ローカルサーバ装置
11 構内通信網
12 住戸端末(情報端末)
21 広域通信網
22 メールサーバ
101 第1のインターフェース部
102 第2のインターフェース部
103 メール送信部
104 メール受信部
105 端末管理部
106 状態記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構内の複数台の情報端末と構内通信網を通して通信する第1のインターフェース部と、メールサーバと広域通信網を通して通信する第2のインターフェース部と、前記第2のインターフェース部を通して前記メールサーバとの間で電子メールの送受信を行うメール送信部およびメール受信部と、前記第1のインターフェース部を通して前記情報端末に対して電子メールの送受信に関する要求の有無を個別に問い合わせる端末管理部とを備え、前記端末管理部は、前記情報端末から電子メールの送受信が要求されるとともに前記情報端末が利用する前記メールサーバのアカウント情報を含むメールサーバ情報を前記情報端末から取得すると、メールサーバ情報で指定された前記メールサーバと前記情報端末との間の電子メールの中継を行う機能を備えることを特徴とするローカルサーバ装置。
【請求項2】
前記端末管理部は、前記メールサーバから受信して前記情報端末に引き渡す電子メールの数量に上限を設定してあり、前記情報端末からの前記要求が1回行われたときに前記メールサーバから受信する電子メールの数量を前記上限の範囲内とすることを特徴とする請求項1記載のローカルサーバ装置。
【請求項3】
前記端末管理部は、前記各情報端末が送受信を行った電子メールの数量をそれぞれ記憶した後、送受信を行った電子メールの数量が相対的に大きい前記情報端末については、次に前記要求の有無を問い合わせる順番を相対的に遅らせることを特徴とする請求項1又は2記載のローカルサーバ装置。
【請求項4】
構内に敷設された構内通信網に接続された複数台の情報端末と、前記構内通信網と前記広域通信網との間に接続され前記情報端末とメールサーバとの間で電子メールを中継するローカルサーバ装置とを備え、前記ローカルサーバ装置は、前記情報端末に対して電子メールの送受信に関する要求の有無を個別に問い合わせる機能と、前記情報端末から電子メールの送受信が要求されるとともに前記情報端末が利用する前記メールサーバのアカウント情報を含むメールサーバ情報を前記情報端末から取得すると、メールサーバ情報で指定された前記メールサーバと前記情報端末との間の電子メールの中継を行う機能とを備えることを特徴とする電子メール送受信制御システム。
【請求項5】
前記情報端末は、前記情報端末が配置されている空間に設けた機器からの外部情報を用いることにより前記情報端末を操作可能な人の存否を表す状態情報を検出し、前記ローカルサーバ装置は、前記情報端末に前記要求の有無を問い合わせたときの応答として前記状態情報を併せて受け取り、前記状態情報が前記情報端末を操作可能な人の不在を示すときには、当該情報端末に対して少なくとも次回は前記要求の有無を問い合わせないことを特徴とする請求項4記載の電子メール送受信制御システム。
【請求項6】
前記情報端末は、操作中か否かを表す操作情報を検出し、前記ローカルサーバ装置は、前記情報端末に前記要求の有無を問い合わせたときの応答として前記操作情報を併せて受け取り、前記操作情報が前記情報端末を操作中であることを示すときには、当該情報端末に対して前記要求の有無を問い合わせる時間間隔を少なくとも次回は短縮することを特徴とする請求項4又は5記載の電子メール送受信制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−129802(P2012−129802A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279586(P2010−279586)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】