説明

ローション付きトップシートを有する吸収性物品

本発明の吸収性物品は、液体不透過性バックシートと、このバックシートに結合した液体透過性トップシートとを有する。トップシートは、吸収性物品の内側の方に向いた内表面と、吸収性物品が着用される場合に着用者の皮膚及び毛髪の方に向いた外表面とを有し、並びに吸収性コアはトップシートとバックシートとの間に配置される。トップシートの外表面の少なくとも一部分は、20℃で半固体又は固体である有効量のローションコーティングを含み、このローションコーティングは、
(i)約10〜約95%の、20℃で塑性体又は流体粘稠度を有し、実質的に水を含まない皮膚軟化剤であって、この皮膚軟化剤は5%以下の水を含有し、この皮膚軟化剤は、石油系皮膚軟化剤、脂肪酸エステル皮膚軟化剤、アルキルエトキシレート皮膚軟化剤、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものを含む皮膚軟化剤と;
(ii)約5〜約90%の、トップシートの外表面上の皮膚軟化剤を不動化できる薬剤であって、この不動化剤は前記皮膚軟化剤と混和性であり、この不動化剤は約35℃以上の融点を有し、この不動化剤は、ポリヒドロキシ脂肪酸エステル類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、C14〜C22脂肪アルコール類、C14〜C22脂肪酸類、4以下のエトキシル化度を有するC14〜C22脂肪アルコールエトキシレート類、及びこれらの混合物から成る群から選択される不動化剤とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、経血を吸収させるための衛生ナプキンといった生理用品に関する。より詳細には、本発明は、トップシートの外表面上に疎水性ローションのコーティングを有する生理用品に関するもので、このローションは、通常の接触及び着用者の動き及び/又は体温により着用者の皮膚及び毛髪に移動可能である。
【背景技術】
【0002】
おむつ、トレーニングパンツ、及びローション付きトップシートを有する生理用品のような使い捨て吸収性物品は既知である。様々な種類のローションがおむつかぶれの予防又は治療といった様々な皮膚及び毛髪への効果をもたらすことは既知である。これらのローションは、例えば、吸収性物品のトップシートに適用することができ、且つ使用中に着用者の皮膚及び毛髪に移動可能である。
【0003】
多くの種類の使い捨て吸収性物品と異なり、ナプキン及びパンティライナーのような生理用品は、特に月経液を捕捉するように設計されている。月経液は、尿のような他の滲出液とは、粘度といった多くの重要な特性において異なる。そのため、生理用品は、月経液を最大に吸収するように最適化されるために、構造上の構成成分においては乳児用おむつのような用品とは異なるはずである。
【0004】
吸収性物品のトップシートへのローションの添加は、乳児の排便をより簡単に片付けられるといった効果を提供することが既知である。同様に、トップシート上のローションは、おむつかぶれを減少させるような、乳児により良好な皮膚及び毛髪上の健康を提供することが既知である。例えば、米国特許第3,489,148号(ダンカン(Duncan)ら)は、疎水性及び疎油性トップシートを含む乳児用おむつを教示し、トップシートの一部分は油性材料の不連続フィルムによりコーティングされている。ダンカン(Duncan)らの参考文献に開示されたおむつでの主に不便な点は、疎水性及び疎油性トップシートは、内在する吸収性コアへの尿の移動を促進するのが遅いことである。
【0005】
ダンカン(Duncan)の問題を克服するための1つの成功した試みは、米国特許第5,968,025号(ロー(Roe)ら)に開示されている。ロー(Roe)らは吸収性物品を開示しており、ここでローションは親水性トップシート(又は親水性にされたトップシート)に適用されている。親水性トップシートは、尿の噴出が、例えば乳児用おむつの側面に流出するのではなく、内在するコア中に確実に適切に吸収されるように補助する。
【0006】
吸収性製品のトップシートにローションを適用する既知の試みは、乳児のお尻により良好な皮膚上の健康といった効果をもたらすことを目的とする乳児用おむつを主に対象としてきた。生理用パッドを着用する際の成人女性の皮膚に関連した特異な問題については、ほとんど関心が向けられて来なかった。成人女性の外陰領域の皮膚は、乳児のお尻の皮膚(一般に臀部の皮膚)とは非常に異なり、且つ必要なローションも非常に異なる。例えば、おむつかぶれを心配するのではなく、生理中の女性は、衛生状態、すなわち衛生パッドの使用後に皮膚及び毛髪上に残留する経血の量を減少させることに、より関心を寄せている。
【0007】
吸収性物品のトップシート上にローションを提供する前述の試みは、比較的に短時間で尿の噴出を処理するために必要なローション/トップシートの特徴に焦点を合わせてきた。しかしながら生理用品については、流体排泄物は、生理化学特性(例えば、粘度、流体力学など)に関連して、並びに吸収されるべき容積及び時間について非常に異なる特徴を有する。例えば、月経の流れは、典型的には2つの型からなる。これら型の内の1つは「したたる」流れであり、これは一時間当たり0.1ml〜2mlまで変化する。第二の型は「噴出する」流れであり、これは数秒間にわたって放出される容積が数mlから変化する。噴出する流れは膣にたまる経血の蓄積の結果として生じ得て、これは次に、座った状態から立った状態への移行のような位置の変化によって体から出てくることになる。いずれにしても、噴出する流れに関してさえも、所与の時間にコア中に吸収されることが必要な流体の総量は、例えば乳児用おむつのような他の吸収性製品に必要とされるものよりはるかに少ない。1つの実用的な結果として、生理用品は、噴出する流体を処理するように設計されることを必要とするのではなく、より典型的には「吸い取り」効果により流体を処理するということである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それ故に、生理中の女性における皮膚及び毛髪の衛生状態を改良するために生理用品の改善が必要とされている。
さらに、より多くの経血が、用品内に入り及び残留し且つ着用者の皮膚又は毛髪上にはより少なくなるように、改善された流体処理を有する生理用品の必要性がある。
さらに、用品が着用された場合に、皮膚及び毛髪/用品の境界面の特性を変更できる生理用品も必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の吸収性物品は、液体不透過性バックシートと、このバックシートに結合した液体透過性トップシートとを有する。トップシートは、吸収性物品の内側の方に向いた内表面及び吸収性物品が着用される場合に着用者の皮膚及び毛髪の方に向いた外表面を有し、並びに吸収性コアはトップシートとバックシートとの間に配置される。トップシートの外表面の少なくとも一部は、20℃で半固体又は固体である有効量のローションコーティングを含み、このローションコーティングは:
(i)約10〜約95%の、20℃で塑性体又は流体粘稠度を有し、実質的に水を含まない皮膚軟化剤であって、この皮膚軟化剤は5%以下の水を含有し、この皮膚軟化剤は、石油系皮膚軟化剤、脂肪酸エステル皮膚軟化剤、アルキルエトキシレート皮膚軟化剤、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものを含む皮膚軟化剤と;
(ii)約5〜約90%の、トップシートの外表面上の皮膚軟化剤を不動化できる薬剤であって、この不動化剤は前記皮膚軟化剤と混和性であり、この不動化剤は約35℃以上の融点を有し、この不動化剤は、ポリヒドロキシ脂肪酸エステル類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、C14〜C22脂肪アルコール類、C14〜C22脂肪酸類、4以下のエトキシル化度を有するC14〜C22脂肪アルコールエトキシレート類、及びこれらの混合物から成る群から選択される不動化剤とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書は、本発明の主題を特定して指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付の図面と関連させた次の説明からさらに容易に理解されると考えられる。
【0011】
本明細書で使用するとき、用語「含む」とは、本発明を実施する際に多様な構成要素、成分、又は工程を組み合わせて使用できることを意味する。従って、用語「含む」とは、より制限的な用語「から本質的になる」及び「からなる」を包含する。
本明細書で使用する全ての百分率、比率、及び割合は、特に指定のない限り、重量基準である。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「吸収性物品」とは、身体排泄物、主として経血を吸収及び含有する生理用品のことを指す。用語「使い捨て」とは、本明細書では1回使用した後で、洗濯する、さもなければ吸収性物品として復元する又は再利用することを意図しない吸収性物品を記載するのに用いられる。生理用品の例としては、衛生ナプキン、パンティライナー、陰唇間用品などのような女性用衛生衣類が挙げられる。
【0013】
トップシートと、バックシートと、吸収性コアとを包含する使い捨て吸収性物品及びそれらの構成要素と、それら構成要素の個々の層とは、身体面と衣類面とを有する。本明細書で使用するとき、「身体面」とは、着用者の身体に向かって又は隣接して着用されることを目的とした物品又は構成要素の表面を意味する一方で、「衣類面」とは、その反対側であり、使い捨て吸収性物品が着用される場合に着用者の下着に向かって着用されること又は隣接して配置されることを目的としている。
【0014】
図1は、生理用品10を示し、これはトップシート14を含む身体接触面12と、このトップシート14に結合する液体不透過性バックシート16と、吸収性コア18とを有する衛生ナプキン又はパンティライナーであり得る。衛生ナプキン10は長手方向軸Lを有し、且つナプキンに一般的に見出される追加的特徴を提供されていることもあり、それには当該技術分野において既知の「ウィング」又は「フラップ」(図示されていない)、及び/又は吸収性コア18への流体輸送を促進するための流体獲得層が包含される。同様に、衛生ナプキンのトップシートは当該技術分野において既知の様々な任意の特徴を有することができる。例えば、トップシート14はその中にエンボス加工された流体の流れを導くための通路を有することができ、且つ流体獲得を補助するためにそこを通る開口を有し得る。本発明の生理用品10のトップシート14は、トップシート上に配置されるローション組成物22を有する。
【0015】
本発明のトップシート14及びローション組成物22は、既知のトップシート及びローションを超える著しい効果を提供する。特に、好ましい実施形態では、トップシート14を疎水性であるか又は疎水性にし、且つローションもまた疎水性である。疎水性度は、物質の表面上に水滴が作る角度を測定するというような標準的技術により決定され得る。一般に、本発明の趣旨上、物質は、以下でさらに十分に議論されるように、水滴が約60°以上の角度を示す場合は、疎水性であると考えられる。トップシート及びローションの疎水性度はそれぞれ等しくあり得、又はローションの疎水性は、トップシートの疎水性より大きくもあり得る。使用中、ローションはトップシートから着用者の皮膚及び毛髪に移動することができ、これは皮膚及び毛髪を同様に疎水性にするために役立つ。
【0016】
本発明の利点は、月経液の流れと、例えば乳児の尿の流れとの間の差を理解することにより、認識され得る。乳児用おむつのトップシートは、ローションが適用されていても又はされていなくても、親水性であるように一般的に教示されており、それによって突然の尿の噴出を、トップシートを通ってコアの中に最小の流体の流出で獲得することができる。しかしながら、月経液は、これは量及び時間の両方について、はるかに低い流体の流れを有し、疎水性トップシートにより非常に有効に処理され得ることを見出した。尿は疎水性トップシートから、特に疎水性ローションにより処理されたものから簡単に流出する可能性がある一方で、こうした構造は、生理中の女性のための生理用パッドに優れた効果を提供することを意外なことに見出した。優れた効果の1つは、本発明の生理用品の使用後、外陰部領域の皮膚及び毛髪をより清浄にすることである。別の効果は、着用者の皮膚及び毛髪へのローションの移動により、流体の流体捕捉性が向上することであり、このことは出口点から離れた着用者の皮膚及び毛髪上での流体輸送を最小限にする。
【0017】
トップシートは、好ましくは弾性があり、柔らかい感触であり、着用者の皮膚及び毛髪に刺激がない。さらに、トップシートは液体透過性であり、その厚みを通して液体(例えば、経血及び/又は尿)を容易に浸透させる。好適なトップシートは、織布材料及び不織布材料(例:繊維の不織布ウェブ);開口成形熱可塑性フィルム、開口プラスチックフィルム、及びハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルムなどの高分子材料;多孔質発泡体;網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;及び熱可塑性スクリムなどの広範囲の材料から製造されてもよい。好適な織布材料及び不織布材料は、天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、若しくはポリエチレン繊維などの高分子繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせを含むことができる。トップシートが不織布ウェブを含む場合、多数の既知の技法によってウェブを製造してもよい。例えば、同ウェブは、スパンボンドされるか、毛羽立てられるか、湿式載置されるか、メルトブローされるか、水流交絡されるか、又は上記の組み合わせなどを施されてもよい。
【0018】
バックシートは、液体(例えば、経血及び/又は尿)不透過性であり、好ましくは薄いプラスチックフィルムから製造されるが、その他の可撓性の液体不透過性材料を使用することもできる。本明細書で使用するとき、用語「可撓性」とは、順応性があって、ヒトの身体の一般的な形や輪郭に容易に従う材料を指す。バックシートは、吸収性コアに吸収され、含有された排出物が吸収性物品に接触する物品(ベッドシーツ、パンツ、パジャマ及び下着など)を濡らすのを防ぐ。そのため、バックシートは、織布材料若しくは不織布材料、ポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性フィルムのようなポリマーフィルム、又はフィルムコーティングされた不織布材料のような複合材料を含んでもよい。
【0019】
バックシート及びトップシートはそれぞれ、吸収性コアの衣類面並びに身体面に隣接して位置付けられる。吸収性コアは、当該技術分野において周知のもののような取り付け手段(図1には図示されない)によって既知である任意の方法で、トップシート、バックシート、又は両方のシートに結合されることができる。しかしながら、本発明の実施形態は、吸収性コア全体の一部分がトップシート、バックシートのいずれか、又はその両方に取付けられていない場合も想定される。
【0020】
生理用品10のトップシートは、好ましくは疎水性材料で構成される。そのため、トップシートが不織布である場合、構成繊維は疎水性であるのが好ましい。繊維のポリマーから形成されるフィルムシートが60°を超える、より好ましくは75°、及びさらにより好ましくは約90°を超える水との接触角を示す場合には、繊維は疎水性であると考えられる。疎水性の尺度としての接触角は当該技術分野において周知であり、接触角を測定する方法も同様に周知である。周知のように、多くの場合に約90°を超える接触角は疎水性と考えられ、また90°未満の接触角は親水性と考えられる。しかしながら本明細書で使用するときは、60°以上の接触角は疎水性と考える。
【0021】
本発明の疎水性ローション組成物は、20℃、すなわち周囲温度において固体であり、又は半固体であることがより多い。「半固体」とは、ローション組成物が、擬塑性又は塑性流体に典型的なレオロジーを有することを意味する。剪断力が適用されていない場合には、ローション組成物の外観は半固体であり得るが、剪断速度が増加すると流動性になり得る。これは、ローション組成物が主として固体の構成成分を含有する一方で、一部の少量の液体構成成分もまた包含するという事実によるものである。
【0022】
本発明のローション組成物は、ローションの移動を最小限にするため、室温で少なくとも半固体である。さらに、組成物は、好ましくは45℃(例えば、アリゾナの倉庫、フロリダでの車のトランク)より高くなり得る「ストレスの多い」可能性がある保存条件を超える最終融点(100%液体)を有する。
【0023】
周囲温度で固体又は半固体であることによって、これらのローション組成物は、それらが適用された衛生ナプキンのトップシートの内部に流動及び移動する傾向がない。このことは、望ましい治療的、保護的コーティングローション効果を付与するのに必要なローション組成物がより少なくて済むことを意味する。
【0024】
衛生ナプキンのトップシートの外表面に適用される場合、本発明のローション組成物は、通常の接触、着用者の動き、及び/又は体温によって着用者の皮膚及び毛髪に移動可能となり得る。重要なことには、本発明に開示されるローションは、着用者の皮膚及び毛髪への経血の付着を減らし、それによって、身体、すなわち着用者の皮膚及び毛髪又は毛髪に残る経血の量を減らす。
【0025】
本発明の衛生ナプキンのトップシートは、有効量のローション組成物を含有する。本明細書で使用するとき、用語「有効量のローションコーティング」とは、衛生ナプキンのトップシートに適用される場合に経血が着用者の皮膚及び毛髪に付着するのを減らすのに有効となる特定のローション組成物の量のことを指す。有効量のローションコーティングは、大体において使用される特定ローション組成物によって決まる。
【0026】
本発明のローション組成物は、(1)皮膚軟化剤;(2)皮膚軟化剤のための不動化剤;(4)他の任意構成成分を含む。
皮膚軟化剤、不動化剤、及び任意の構成成分を含む配合されたローション組成物の粘度は、衛生ナプキンの内部にローションが流動するのを避ける程度に十分高くなければならない。残念ながら、粘度が高いと、適用時に処理問題が生じることが多いローション組成物が得られることもある。そのため、粘度は、ローション組成物を衛生ナプキンのトップシートの表面上に配置し続けるのに十分高いが、処理問題を生じない程度に高くないようにバランスをとらなければならない。ローション組成物に好適な粘度は、60℃で測定される場合、典型的には約0.005(5)〜約0.2Pa・s(200cP)、好ましくは約0.015(15)〜約0.1Pa・s(100cP)に及ぶ。
【0027】
これらのローション組成物に重要な活性成分は、1つ以上の皮膚軟化剤である。本明細書で使用するとき、皮膚軟化剤は、皮膚及び毛髪を、軟化する、滑らかにする、しなやかにする、コーティングする、潤滑する、潤いを与える、又は洗浄する物質である。皮膚軟化剤は、典型的には、これらの目的の幾つか、例えば皮膚及び毛髪を滑らかにする、潤いを与える、及び潤滑することを達成する。本発明の趣旨上、これらの皮膚軟化剤は、20℃、すなわち周囲温度で、塑性体又は液体粘稠度のいずれかを有する。この特別な皮膚軟化剤の粘稠度により、ローション組成物は、柔らかい、滑らかな、ローション様の感触を付与することができる。
【0028】
本発明に有用な皮膚軟化剤はまた、実質的に水を含まない。「実質的に水を含まない」とは、皮膚軟化剤に意図的に水が添加されていないことを意味する。皮膚軟化剤への水の添加は、本発明のローション組成物を調製又は使用する際に必要ではなく、追加の乾燥工程を必要とすることになる。しかし、例えば周囲の湿度の結果として収集された、皮膚軟化剤中の少量又は微量の水は、有害反応を起こすことなく保持され得る。通常は、本発明に使用される皮膚軟化剤は、約5%以下の水、好ましくは約1%以下の水、最も好ましくは約0.5%以下の水を含有する。
【0029】
本発明に有用な皮膚軟化剤は、石油系、脂肪酸エステル型、アルキルエトキシレート型、脂肪酸エステルエトキシレート類、脂肪アルコール型、ポリシロキサン型、又はこれらの皮膚軟化剤の混合物であり得る。好適な石油系の皮膚軟化剤には、16〜32個の炭素原子の鎖長を有する炭化水素類、又は炭化水素類の混合物が挙げられる。これらの鎖長を有する石油系炭化水素類には、鉱油(「液状ペトロラタム」としても知られる)及びペトロラタム(「鉱物ワックス」、「石油ゼリー」、及び「鉱物ゼリー」としても知られる)が挙げられる。鉱油は通常16〜20個の炭素原子を有する炭化水素類の粘性の低い混合物を指す。ペトロラタムは通常16〜32個の炭素原子を有する炭化水素類のさらに粘調な混合物をいう。ペトロラタム及び鉱油は、本発明のローション組成物にとって特に好ましい皮膚軟化剤である。
【0030】
好適な脂肪酸エステル型皮膚軟化剤としては、C14〜C28脂肪酸類、好ましくはC16〜C22飽和脂肪酸類、及び短鎖(C1〜C8、好ましくはC1〜C3)一価アルコール類から得られるものが挙げられる。そのようなエステル類の代表的な例としては、メチルパルミテート、メチルステアレート、イソプロピルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパイミテート、エチルへキシルパルミテート、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な脂肪酸エステルの皮膚軟化剤はまた、さらに長鎖の脂肪アルコール類(C14〜C28、好ましくはC14〜C16)と、さらに短鎖の脂肪酸類(例えば乳酸)とのエステル類から誘導されることができる(例えば、ラウリルラクテート及びセチルラクテート)。
【0031】
好適なアルキルエトキシレート型皮膚軟化剤としては、4以下の平均エトキシル化度を有するC14〜C22脂肪アルコールエトキシレート類が挙げられる。好ましくは、脂肪アルコールエトキシレート皮膚軟化剤は、約4以下の範囲の平均エトキシ化度を有するラウリルエトキシレート、セチルエトキシレート、及びステアリルエトキシレート、並びにこれらの混合物から成る群から選択される。これらのアルキルエトキシレート皮膚軟化剤は、典型的にペトロラタムのような石油系皮膚軟化剤と組み合わせて用いられ、アルキルエトキシレート皮膚軟化剤対石油系皮膚軟化剤の重量比は、約1:1〜約1:5、好ましくは約1:2〜約1:4である。本明細書に開示される組成物のそれぞれについて、4以下の平均エトキシル化度を有することにより、本発明のローションが顕著に疎水性を示し、通常は約7以下のHLBを示すことができるようになる。ローションの疎水性は、皮膚及び毛髪をさらに清浄にする効果、すなわち着用者の皮膚及び毛髪又は毛髪上の経血を少なくする効果をもたらす特性である。
【0032】
好適な脂肪アルコール型皮膚軟化剤としては、C14〜C22脂肪アルコール類、好ましくはC16〜C18脂肪アルコール類が挙げられる。代表例には、セチルアルコール、ステアリルアルコール、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの脂肪アルコール皮膚軟化剤は、典型的にはペトロラタムのような石油系皮膚軟化剤と組み合わせて用いられ、脂肪アルコール皮膚軟化剤対石油系皮膚軟化剤の重量比は、約1:1〜約1:5、好ましくは約1:1〜約1:2である。
【0033】
本発明に使用するのに好適な他の種類の皮膚軟化剤としては、ポリシロキサン化合物が挙げられる。一般に、本発明で使用するのに好適なポリシロキサン材料としては、次の構造のモノマーシロキサン単位を有するものが挙げられる。
【0034】
【化1】

式中、R1及びR2は、それぞれ独立したシロキサンモノマー単位について、それぞれ独立して、水素、若しくはアルキル、アリール、アルケニル、アルカリール、アラキル、シクロアルキル、ハロゲン化炭化水素、又はその他のラジカルのいずれかであり得る。そのようなラジカルのいずれも置換又は非置換であり得る。いずれかの特定のモノマー単位のR1及びR2ラジカルは、次に結合するモノマー単位の対応する官能基と異なるものであってもよい。さらに、ポリシロキサンは直鎖状、分枝鎖状、又は環状構造のいずれかであり得る。R1及びR2ラジカルはさらに、独立して、シロキサン、ポリシロキサン、シラン、及びポリシランのような他のシラン官能基であり得るが、これらに限定されない。R1及びR2ラジカルは、例えば、アルコール、カルボン酸、フェニル、及びアミン官能基を包含する様々な有機官能基のいずれかを含有することも可能である。
【0035】
代表的なアルキルラジカルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、オクタデシル等である。代表的なアルケニルラジカルは、ビニル、アリル等である。代表的なアリールラジカルは、フェニル、ジフェニル、ナフチル等である。代表的なアルカリールラジカルは、トイル、キシリル、エチルフェニル等である。代表的なアラルキルラジカルは、ベンジル、α−フェニルエチル、β−フェニルエチル、α−フェニルブチル等である。代表的なシクロアルキルラジカルは、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル等である。代表的なハロゲン化炭化水素ラジカルは、クロロメチル、ブロモエチル、テトラフルオロエチル、フルオロエチル、トリフルオロエチル、トリフルオロトロイル、ヘキサフルオロキシリル等である。
【0036】
ポリシロキサン類の粘度は、ポリシロキサンが流動性又は衛生ナプキンのトップシートへの適用に関して流動性になり得る限り、ポリシロキサン粘度の一般的な変化と同様に広範囲に変化してもよい。これには、5×10-62/s(5cSt)(ガラス粘度計で37℃で測定される場合)〜約20m2/s(20,000,000cSt)の程度に低い粘度が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくはポリシロキサンは、37℃で、約5×10-62/s(5)〜約0.005m2/s(5,000cSt)、より好ましくは約5×10-62/s(5)〜約0.002m2/s(2,000cSt)、最も好ましくは約0.0001(100)〜約0.001m2/s(1000cSt)の範囲の粘度を有する。流動に対して抵抗性の高粘度ポリシロキサン類は、このような方法によって衛生ナプキンのトップシート上に有効に付着することができる。
【0037】
本発明の使用に好ましいポリシロキサン化合物は、米国特許第5,059,282号(アンパルスキー(Ampulski)ら、1991年10月22日発行)に開示されている。本発明のローション組成物において皮膚軟化剤として使用するのに特に好ましいポリシロキサン化合物には、フェニル−官能性のポリメチルシロキサン化合物(例えば、ダウ・コーニング556コスメチック・グレード液:ポリフェニルメチルシロキサン)及びそれぞれダウ2502並びにダウ2503のポリシロキサン液であるようなセチル又はステアリル官能化(fictionalized)のジメチコーンが挙げられる。フェニル−官能基又はアルキル基によるこのような置換に加えて、アミノ、カルボキシル、ヒドロキシル、エーテル、ポリエーテル、アルデヒド、ケトン、アミド、エステル、及びチオール基により、効果的な置換を行うこともできる。これらの効果的な置換基の中でも、フェニル、アミノ、アルキル、カルボキシル、及びヒドロキシル基を含む基の族が他より好ましく、フェニル官能基が最も好ましい。
【0038】
石油系皮膚軟化剤、脂肪酸エステル皮膚軟化剤、脂肪酸エステルエトキシレート類、アルキルエトキシレート皮膚軟化剤、脂肪アルコール皮膚軟化剤及びポリシロキサン類の他に、本発明に有用な皮膚軟化剤は、微量(例えば、皮膚軟化剤の総量の約10%まで)の他の従来の皮膚軟化剤を含有することができる。このような他の従来の皮膚軟化剤としては、鯨蝋又は他のワックス類、脂肪酸類、及び脂肪鎖に14〜28個の炭素原子を有する脂肪アルコールエーテル類、例えばステアリン酸、プロポキシル化脂肪アルコール;多価アルコール類の他の脂肪エステル類;ラノリン及びその誘導体が挙げられる。このような他の皮膚軟化剤は、固体又は半固体特性のローション組成物が維持されるように含有されるべきである。
【0039】
ローション組成物に含有することができる皮膚軟化剤の量は、関与する特定の皮膚軟化剤、所望のローション様効果、ローション組成物におけるその他の構成成分及び同様の因子などを含有する種々の因子によって決まる。ローション組成物は、約10〜約95%の皮膚軟化剤を含むことができる。好ましくは、ローション組成物は、約20〜約80%、最も好ましくは約40〜約75%の皮膚軟化剤を含む。
【0040】
本発明のローション組成物の特に重要な構成成分は、ローション組成物が適用される衛生ナプキンのトップシート上の皮膚軟化剤を不動化できる薬剤である。組成物中の皮膚軟化剤は20℃で塑性体又は流体粘稠度を有するため、少しの剪断力を受けた場合でさえ、流動又は移動する傾向がある。衛生ナプキンのトップシートに適用される場合、特に融解した又は溶融された状態である場合には、皮膚軟化剤は主としてトップシートの表面上に残留しない。その代わり、皮膚軟化剤は衛生ナプキンの内部へと移動及び流動する傾向がある。
【0041】
このように皮膚軟化剤が衛生ナプキンの内部に移動すれば、本発明のローション組成物に使用される多数の皮膚軟化剤の疎水性特性のために衛生ナプキンのコアの吸収力に望ましくない影響を引き起こす可能性がある。それはまた、所望の治療的又は保護的ローション効果を得るためには、さらにより多くの皮膚軟化剤が衛生ナプキンのトップシートに適用されなければならないことを意味する。皮膚軟化剤の濃度が増加すると、コストが増大するだけでなく、衛生ナプキンのコアの吸収性に望ましくない影響を悪化させる。
【0042】
不動化剤は、ローション組成物が適用される衛生ナプキンのトップシートの表面上に皮膚軟化剤を留めておくことによって皮膚軟化剤が移動したり、流れたりする傾向に歯止めをかける。これは、部分的には不動化剤がローション組成物の融点を皮膚軟化剤のそれより高めるという事実によると考えられている。不動化剤はまた皮膚軟化剤と混和性である(又は適切な乳化剤を用いて皮膚軟化剤に可溶化する)ので、その上皮膚軟化剤を衛生ナプキンのトップシートの表面に捕捉する。
【0043】
衛生ナプキンのトップシートの表面に不動化剤を「閉じ込める」ことも有利である。これは、トップシート表面で急速に結晶化する(すなわち、固化する)不動化剤を用いることによって達成することができる。加えて、送風機、扇風機などを介して処理した衛生ナプキンの外部からの冷却も不動化剤の結晶化を早めることができる。
【0044】
皮膚軟化剤と混和性(又は皮膚軟化剤に可溶性)であることに加えて、不動化剤は約35℃以上の融点を有していなければならない。このことは、つまり、不動化剤それ自体は移動するか又は流れる傾向を有さない。好ましい不動化剤は、約40℃以上の融点を有する。典型的に、不動化剤は約50℃〜約150℃の範囲の融点を有する。
【0045】
本発明に好適な不動化剤は、C14〜C22脂肪アルコール類、C14〜C22脂肪酸類、及び4以下の平均エトキシル化度を有するC14〜C22脂肪アルコールエトキシレート類、並びにこれらの混合物から成る群から選択されるものを含むことができる。好ましい不動化剤には、C16〜C18脂肪アルコール類が挙げられ、最も好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びこれらの混合物から成る群から選択される。セチルアルコールとステアリルアルコールの混合物が特に好ましい。その他の好ましい不動化剤には、C16〜C18の脂肪酸が挙げられ、最も好ましくはパルミチン酸、ステアリン酸、及びこれらの混合物から成る群から選択される。パルミチン酸とステアリン酸との混合物が特に好ましい。さらに他の好ましい不動化剤としては、4以下の平均エトキシル化度を有するC16〜C18脂肪アルコールエトキシレート類が挙げられる。好ましくは、脂肪アルコール類、脂肪酸類及び脂肪アルコール類は線状である。また上述したように、4以下の平均エトキシル化度を有することにより、本発明のローションが顕著に疎水性を示し、通常は約7以下のHLBを示すことができるようになる。ローションの疎水性は、皮膚及び毛髪をさらに清浄にする効果、すなわち着用者の皮膚及び毛髪又は毛髪上の経血を少なくする効果をもたらす特性である。
【0046】
他の種類の不動化剤は、単独で使用できるか、又は上述の脂肪アルコール類、脂肪酸類、及び脂肪アルコールエトキシレート類と組み合わせて使用できるかのいずれかである。このような他の種類の不動化剤の例としては、ポリヒドロキシ脂肪酸エステル類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましいエステル類及びアミド類は、ポリヒドロキシ部分に3個以上の遊離のヒドロキシル基を有し、通常は、非イオン性の特徴がある。それらを使用する、ローション組成物が適用された衛生ナプキンのトップシートの潜在的な皮膚及び毛髪感応性により、これらのエステル類及びアミド類はまた、皮膚及び毛髪に比較的穏やかで、非刺激性でなければならない。
【0047】
本発明に使用するための好適なポリヒドロキシ脂肪酸エステル類は次の式を有する。
【0048】
【化2】

式中、RはC5〜C31ヒドロカルビル基、好ましくは直鎖C7〜C19アルキル若しくはアルケニル、より好ましくは直鎖C9〜C17アルキル若しくはアルケニル、最も好ましくは直鎖C11〜C17アルキル若しくはアルケニル、又はこれらの混合物であり;Yは、鎖に直接結合した少なくとも2つの遊離のヒドロキシルを有するヒドロカルビル鎖を有するポリヒドロキシヒドロカルビル部分であり;nは少なくとも1である。好適なY基は、グリセロール、ペンタエリスリトールのようなポリオール類;ラフィノース、マルトデキストロース、ガラクトース、スクロース、グルコース、キシロース、フルクトース、マルトース、ラクトース、マンノース及びエリスロースのような糖類;エリスリトール、キシリトール、マリトール、マニトール及びソルビトールのような糖アルコール類;並びにソルビタンのような糖アルコール類の無水物に由来することができる。
【0049】
本発明で使用するのに好適なポリヒドロキシ脂肪酸エステル類の1つの部類には、ある種のソルビタンエステル類が含まれ、好ましくはC16〜C22の飽和脂肪酸類のソルビタンエステル類が含まれる。それらが典型的に製造される方法のために、これらのソルビタンエステル類は通常、モノ−、ジ−、トリ−などのエステル混合物を含む。好適なソルビタンエステル類の代表的な例には、ソルビタンパルミテート類(例えば、SPAN40)、ソルビタンステアレート類(例えば、SPAN60)、及びソルビタンベヘネート類が挙げられ、それらは、ソルビタンエステル類の1以上のモノ−、ジ−及びトリ−エステル型、例えば、ソルビタンモノ−、ジ−及びトリ−パルミテート、ソルビタンモノ−、ジ−及びトリ−ステアレート、ソルビタンモノ−、ジ−及びトリ−ベヘネートを含み、並びに混合されたタロー脂肪酸ソルビタンモノ−、ジ−及びトリ−エステル類を含む。ソルビタンステアレート類とソルビタンパルミテート類のように異なったソルビタンエステル類の混合物も用いることができる。特に好ましいソルビタンエステル類は、SPAN60のような、典型的にモノ−、ジ−及びトリ−エステル(一部テトラエステルを加えて)の混合物としてのソルビタンステアレート類であり、商品名グリコムル(GLYCOMUL)−Sのもとでロンザ社(Lonza,Inc.)から販売されているソルビタンステアレート類である。これらのソルビタンエステル類は、典型的にモノ−、ジ−及びトリ−エステル、一部テトラエステルを加えた混合物を含有するが、これらの混合物では普通、モノ−及びジ−エステル類が優勢な種である。
【0050】
本発明で使用するのに好適なポリヒドロキシ脂肪酸エステル類のもう1つの部類は、ある種のグリセリルモノエルテル類を含み、好ましくは、モノステアリン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、及びモノベヘン酸グリセリルのようなC16〜C22の飽和脂肪酸のグリセリルモノエルテル類である。また、ソルビタンエステル類のように、グリセリルモノエステル混合物は、典型的にいくらかのジ−及びトリ−エステルを含有する。しかしながら、かかる混合物は、本発明で有用であるグリセリルモノエステル種を優勢に含有すべきである。
【0051】
本発明で使用するのに好適なポリヒドロキシ脂肪酸エステル類のもう1つの部類は、ある種のスクロース脂肪酸エステルを含み、好ましくはスクロースのC14〜C22の飽和脂肪酸エステル類を含む。スクロースモノエステル類及びジエステル類は特に好ましく、スクロースモノ−及びジ−ステアレート並びにスクロースモノ−及びジ−ラウレートが挙げられる。
【0052】
本発明に使用するための好適なポリヒドロキシ脂肪酸アミド類は次の式を有する。
【0053】
【化3】

式中、R1は、H、C1〜C4ヒドロカルビル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、メトキシエチル、メトキシプロピル、又はこれらの混合物であり、好ましくはC1〜C4アルキル、メトキシエチル又はメトキシプロピル、より好ましくはC1若しくはC2アルキル又はメトキシプロピル、最も好ましくはC1アルキル(すなわち、メチル)又はメトキシプロピルであり;R2はC5〜C31ヒドロカルビル基、好ましくは直鎖C7〜C19アルキル若しくはアルケニル、より好ましくは直鎖C9〜C17アルキル若しくはアルケニル、最も好ましくは直鎖C11〜C17アルキル若しくはアルケニル、又はこれらの混合物であり;Zは線状ヒドロカルビル鎖を有し、鎖に直結するヒドロキシルを少なくとも3個有する、ポリヒドロキシヒドロカルビル部分である。これらのポリヒドロキシ脂肪酸アミド類及びそれらの調製を開示している米国特許第5,174,927号(ホンサ(Honsa)、1992年12月29日発行)を参照のこと。
【0054】
Z部分は、好ましくは還元アミノ化反応における還元糖に由来し;最も好ましくはグリシチルである。好適な還元糖には、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノース、及びキシロースが挙げられる。高デキストロースコーンシロップ剤、高フルクトースコーンシロップ剤、及び高マルトースコーンシロップ剤、並びに上記の個々の糖類を利用できる。これらのコーンシロップ類は、Z部分について糖構成成分の混合物をもたらすことができる。
【0055】
Z部分は、好ましくは−CH2−(CHOH)n−CH2OH、−CH(CH2OH)−[(CHOH)n−1]−CH2OH、−CH2OH−CH2−(CHOH)2(CHOR3)(CHOH)−CH2OH(式中、nは3〜5の整数であり、R3はH又は環状又は脂肪単糖類である)から成る群から選択される。最も好ましいのは、nが4であり、特に−CH2−(CHOH)4−CH2OHであるグリシチルである。
【0056】
上記式において、R1は、例えば、N−メチル、N−エチル、N−プロピル、N−イソプロピル、N−ブチル、N−2−ヒドロキシエチル、N−メトキシプロピル、又はN−2−ヒドロキシプロピルであることができ、R2は、例えば、コカミド類、ステアルアミド類、オレアミド類、ラウロアミド類、ミリスタミド類、カプリカミド類、パルミトアミド類、タローアミド類などを与えるように選択されることができる。Z部分は、1−デオキシグルシチル、2−デオキシフルクチチル(eoxyfructityl)、1−デオキシマルチチル、1−デオキシラクチチル、1−デオキシガラクチチル、1−デオキシマンニチル、1−デオキシマルトトリオチチルなどであることができる。
【0057】
単独で又は上述の不動化剤と組み合わせて、不動化剤として用いることができる他の種類の成分には、カルナウバ蝋、密蝋、キャンデリラ蝋、パラフィン、セレシン蝋、エスパルト蝋、オウリクリ(ouricuri)蝋、レゾワックス(rezowax)のようなワックス類、及びその他の既知のワックス類が挙げられる。好ましいワックスはパラフィンワックスである。特に好ましいパラフィンワックスの例は、ニューヨーク州11704ウエストバビロン私書箱1098のストラールアンドピッシェ社(Strahl and Pitsch Inc.)のパラフィンS.P.434である。
【0058】
ローション組成物に包含されるべき不動化剤の量は、関与する特定の皮膚軟化剤、関与する特定の不動化剤、皮膚軟化剤に不動化剤を可溶化するのに乳化剤が必要かどうか、ローション組成物におけるその他の構成成分などの要因を包含する様々な因子によって決まる。ローション組成物は、約5〜約90%の不動化剤を含むことができる。好ましくはローション組成物は、約5〜約50%、最も好ましくは約10〜約40%の不動化剤を含む。
【0059】
ローション組成物は、この種の皮膚軟化剤、クリーム、及びローションなどに典型的に存在するその他の任意構成成分を含むことができる。このような任意構成成分には、水、粘度調整剤、香料、消毒剤、抗菌活性物質、医薬品活性物質、皮膜形成剤、防臭剤、不透明化剤、収斂剤、及び溶媒などが挙げられる。さらに、セルロース誘導体、タンパク質及びレシチンのようなローション組成物の貯蔵寿命を伸ばすために安定剤を加えることができる。これらの物質はすべてかかる製剤の添加物として当該技術で周知であり、本発明のローション組成物において適当な量にて用いることができる。
【0060】
本発明のローション付き衛生ナプキン製品を調製する際に、ローション組成物は衛生ナプキンのトップシートの外表面(すなわち、身体に面した表面)に適用される。溶融された又は液体粘稠度を有する滑らかな物質を均一に配分する多様な適用方法のいずれかを使用することができる。好適な方法には、噴霧、印刷(例えば、フレキソ印刷)、コーティング(例えば、グラビアコーティング)、押出成形、又はこれらの適用技術の組み合わせ、例えばローション組成物をカレンダー・ロールのような回転する表面に噴霧し、次に組成物を衛生ナプキンのトップシートの外表面に移動させることが挙げられる。
【0061】
ローション組成物の衛生ナプキンのトップシートへの適用様式は、トップシートがローション組成物で飽和されないようにすることができる。トップシートがローション組成物で飽和されたら、ローションがトップシートの開口部をブロックし、トップシートがその下にある吸収性コアに流体を移動させる能力を低減する可能性が高い。また、治療的な及び/又は保護的なローション効果を得るのにトップシートの飽和は必要ない。特に好適な適用方法は、ローション組成物を主に衛生ナプキンのトップシートの外表面に適用する。
【0062】
衛生ナプキンのトップシートに適用されるべきローションの最小量は、着用者の皮膚及び毛髪に経血が付着するのを減らすのに有効な量である。ローション組成物は、約6.45mg/cm2〜約483.87mg/cm2(0.1mg/in2〜約75mg/in2)、好ましくは約3.23mg/cm2〜約387.10mg/cm2(0.5mg/in2〜約60mg/in2)(コーティングされたトップシートの1平方インチ当たりのローションのmg)、より好ましくは6.45mg/cm2〜約387.10mg/cm2(1mg/in2〜約60mg/in2)の範囲の量で、本発明の衛生ナプキンのトップシートに適用されるのが好ましい。皮膚軟化剤は、トップシートの表面上に実質的に不動化されるので、所望の皮膚及び毛髪ケア効果を付与するにはさらに少ないローション組成物で十分である。このような相対的に低濃度のローション組成物は、所望の治療的及び/又は保護的ローション効果をトップシートに付与するのに適切であり、さらにトップシートの吸収性及び/又は湿潤特性を飽和させない。
【0063】
ローション組成物は、トップシートの表面全体又はその一部に適用されてもよい。ローション組成物は、使い捨て吸収性物品の長手方向中心線に沿って及びその中心線を真中にして縞状に適用されることができる。ローション組成物は、複数の縞状に適用されることができる。
【0064】
ローション組成物はまた、衛生ナプキンのトップシートの外表面に不均一に適用されることができる。「不均一」とは、ローション組成物の量、分配のパターンなどがトップシート表面上で変化し得ることを意味する。例えば、トップシートの処理された面の一部分は、ローション組成物を有さない表面部分も包含して、さらに多い量又はさらに少ない量のローション組成物を有することができる。
【0065】
ローション組成物は、組立の間のいずれかの時点でトップシートに適用されることができる。例えば、ローション組成物は包装する前の最終的な使い捨て吸収性製品のトップシートに適用することができる。またローション組成物が、トップシートに適用されてから、他の未加工の材料と組み合わされて、最終的な使い捨て吸収性製品を形成してもよい。
【0066】
ローション組成物は、通常はそれらの溶融物から衛生ナプキンのトップシートに適用される。ローション組成物は、周囲温度よりも著しく高い温度で融解するので、通常は加熱コーティングとしてトップシートに適用される。典型的には、ローション組成物は、衛生ナプキンのトップシートに適用するのに先立って、約35℃〜約100℃、好ましくは40℃〜約90℃の範囲の温度に加熱される。いったん溶融したローション組成物を衛生ナプキンのトップシートに適用したら、それは冷却され、固化されてトップシートの表面上に固化したコーティング又はフィルムを形成する。好ましくは、適用工程は、ローションの冷却/配置を助けるように設計される。
【0067】
本発明のローション組成物は、当該技術分野において既知のような、又は米国特許第5,968,025号(ロー(Roe)ら)に開示されるような、印刷方法若しくは連続噴霧若しくは押出成形によって適用されることができる。
ローションは、吸収性物品の長手方向の軸に平行な複数の縞で適用されるのが好ましい。これにより、ローションが外陰部のより広い領域に移動できると共に、吸収性物品の流体処理性を改善することもできる。
【0068】
(皮膚及び毛髪上へのローション移動流体試験方法)
次の試験方法は、本発明のローション移動特性を測定するために、図2に示される装置を用いて行われることができる。
【0069】
1.空泡が存在しないように、テガダーム(Tegaderm)(商標)テープストリップ10.16cm(4”)×25.4cm(10”)(オハイオ州ティフィン(Tiffin)のセネカ・メディカル(Seneca Medical,Inc.))を、プレキシグラスプレート(15.24cm(6”)×7.62cm(3”))に適用する。
2.テガダーム(Tegaderm)(商標)/プレキシグラス・テガダーム(Tegaderm)(商標)サンプルホルダー上の中央の試験領域(10.16cm(4”)×5.08cm(2”))をはかり、印をつける。
3.プレキシグラス/テガダーム(Tegaderm)(商標)サンプルホルダー上にサンプルを上下逆さまに(サンプルの上部がテガダーム(Tegaderm)(商標)に向くように)配置する。製品のローション処理された領域を印をつけた領域の中央に置く。
4.サンプル及びプレートを38℃のオーブンに少なくとも1時間置くことによって、体温程度の温度にする。
5.1時間後、好適な接着剤を用いて製品サンプルホルダー(36)にサンプル(38)を取付ける。製品サンプルホルダー(36)を、1735Pa(0.25psi)の重り(34)に取付ける。
6.2つのガイドポスト(30)及びストップ(32)を用いて、移動台(motion platform)(44)の上方にサンプルを配置するために、ラボジャック(42)試験スタンドの頂部に製品サンプルホルダー(36)を置く。
7.モーション装置(44)上のプレキシグラス/テガダーム(Tegaderm)(商標)サンプルホルダー(40)をオーブンに入れる。この装置は、図1に示され、頂部に移動台(44)を備えたラボジャックスタンド(42)からなる。この移動台(44)は、円形であり、プレキシグラス/テガダーム(Tegaderm)(商標)サンプルホルダー(40)の頂部にて製品を前後に動かす(10cmの半径で全範囲100°)。
8.ラボジャック(42)上のノブ(46)を用いて、ラボジャック台(48)をサンプルに到達させ、製品(38)及び圧縮重り(34)をガイドポストのレストストップ(32)から持ち上げるまで上昇させる。
9.接触し、圧縮されたら、移動台(44)上のハンドル(50)を用いて拭取り動作を始める。中央から再び中央に戻るまで15回の拭取りストロークを行う。
10.プレキシグラス/テガダーム(Tegaderm)(商標)サンプルホルダー(40)及びサンプル(38)をオーブンから取り出す。サンプルを廃棄する。
11.傾いた台(15°)上にプレキシグラス/テガダーム(Tegaderm)(商標)サンプルホルダー(40)を、流体が傾きに沿って流れ落ちるように置く。
12.中央の測定領域に、使い捨てピペットを用いてそれぞれ6滴の人工月経液(AMF)を3回の排出物(全部で0.25〜0.3g)として適用する。
13.各排出物を適用するときにタイマーを始動させる。
【0070】
14.各排出物が中央領域の末端に移動するのにかかる時間をはかるか、又は3回目の液滴が30秒間移動するまではかる。
15.約6枚の再湿潤紙(6.35cm×10.16cm(2ス”×4”))を頂部荷重秤に置き、自重をはかる。
16.液滴が中央領域を全て通過するか、又は最後の排出物から30秒後に、再湿潤紙を中央領域の頂部に置く(サンプルは15°に保持する)。
17.1735Pa(0.25psi)を10秒間適用し、中央領域に残った残存AMFを吸収させる。
18.頂部荷重秤を用いて、プレキシグラス/テガダーム(Tegaderm)(商標)サンプルホルダーから収集されたAMFの量及び再湿潤紙に残ったAFMの量をはかる。
【0071】
(皮膚及び毛髪上へのローション移動流体試験結果)
表1のサンプル1〜3は、市販のラブス(Luvs)おむつから得られた。おむつのローションで処理された区域から全層区域を切断し、液体流出試験に使用した。サンプル4〜6は、56.6gsmのローションでコーティングされた本発明の女性用衛生パッドであった。表1は、試験後にテガダーム(Tegader)(商標)に残った人工月経液のグラムを示す。
【0072】
【表1】

表1からわかるように、ラブス(Luvs)おむつは、試験後、テガダーム(Tegaderm)(商標)に残った流体の量(0.10+/−0.02g)が、本発明の生理用品に残った量(0.04+/−0g)よりも多く、それは統計学的に有意な差である。この試験は、この種類の製品を月経時に着用した場合に生じる皮膚及び毛髪の状況を模擬しているので、この結果は、以前のローションを有する吸収性製品よりも本発明の衛生パッドが身体上に流体を残しにくいことを示す。
【0073】
生理用品については、ローション付加レベルの量は、おむつのような他の吸収性物品に用いられるものより著しく高いことが可能である。実施形態の1つでは、安全且つ有効な量のローション組成物を皮膚及び毛髪に送達するために、約125.80mg/cm2(19.5mg/in2)のローション組成物をトップシートに適用できる。理論に束縛されるものではないが、ローションは32.26mg/cm2(5mg/in2)、64.52mg/cm2(10mg/in2)、129.03mg/cm2(20mg/in2)、193.55mg/cm2(30mg/in2)、258.06mg/cm2(40mg/in2)、322.58mg/cm2(50mg/in2)、387.10mg/cm2(60mg/in2)又は451.61mg/cm2(70mg/in2)のレベルで付加されることができると考えられている。これらのレベルはローションにより実際に覆われている面積を指す。
【実施例】
【0074】
(実施例1)
(A)ローション組成物の調製
水を含まないローション組成物は、次の溶融した(すなわち、液体)構成成分を共に混合することによって製造される:鉱油(70重量%)(ウィトコ(Witco Corp.)によって製造されるカーネーション白色鉱油(Carnation White Mineral Oil)USP、及びセテアリルアルコール(30重量%)(プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Gamble Company)によって商品名TA−1618として製造される混合線状C16〜C18一級アルコール)。
【0075】
B.ホットメルト噴霧によるローション付きトップシートの調製:
ローション組成物を、51.6℃(125°F)の温度で作動する加熱タンク内に入れる。組成物は、続いて2.54cm(1in)の間隔をあけて長手方向の軸を中心とした12.7mm(0.5in)の2つの縞状にてトップシート上に、(ダイナテック(Dynatec)E84B1758スプレーヘッドを用い、温度73.8℃(165°F)及び噴霧圧力2.40psigで操作されて)噴霧される。付加レベル=9.3g/m2(0.006g/in2)。
【0076】
(実施例2)
(A)ローション組成物の調製
水を含まないローション組成物は、次の溶融した(すなわち、液体)構成成分を共に混合することによって製造される:ペトロラタム(75重量%)及びステアリルアルコール(25重量%)。
(B)ホットメルト噴霧によるローション付きトップシートの調製:
ローション組成物を、51.7℃の温度で作動する加熱タンク内に入れる。組成物は、続いて2.54cm(1in)の間隔をあけて長手方向の軸を中心とした12.7mm(0.5in)の2つの縞状にてトップシート上に、(ダイナテック(Dynatec)E84B1758スプレーヘッドを用い、温度73.9℃及び噴霧圧力2.40psigで操作されて)噴霧される。付加レベル=9.3g/m2(0.006g/in2)。
【0077】
(実施例3)
(A)ローション組成物の調製
水を含まないローション組成物は、次の溶融した(すなわち、液体)構成成分を共に混合することによって製造される:ペトロラタム(75重量%)及びパラフィンワックス(25重量%)。
【0078】
(B)ホットメルト噴霧によるローション付きトップシートの調製:
ローション組成物を、51.6℃(125°F)の温度で作動する加熱タンク内に設置する。組成物は、続いて5.08mm(0.2in)の間隔をあけて長手方向の軸を中心とした5.08mm(0.2in)の5つの縞状にてトップシート上に、(ダイナテック(Dynatec)E84B1758スプレーヘッドを用い、温度73.8℃(165°F)及び噴霧圧力2.40psigで操作されて)噴霧される。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】トップシート及びローション組成物を有する生理用品の部分切欠透視図。
【図2】皮膚及び毛髪へのローションの移動を試験するための試験装置の概略図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品であって、
A)液体不透過性バックシート(14);
B)前記バックシート(14)に結合した液体透過性トップシート(12)であって、前記トップシート(12)が、前記吸収性物品の内部の方に向いた内表面及び前記吸収性物品が着用される場合に着用者の皮膚及び毛髪の方に向いた外表面を有し、前記トップシート(12)の外表面の少なくとも一部分が、20℃で半固体又は固体である有効量のローションコーティングを含むことを特徴とし、前記ローションコーティングが、
(i)約10〜約95%の、20℃で塑性体又は液体粘稠度を有し、実質的に水を含まない皮膚軟化剤であって、前記皮膚軟化剤が5%以下の水を含有し、前記皮膚軟化剤が、石油系皮膚軟化剤、脂肪酸エステル皮膚軟化剤、アルキルエトキシレート皮膚軟化剤、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものを含むことを特徴とする皮膚軟化剤;
(ii)約5〜約90%の、前記トップシート(12)の外表面上の前記皮膚軟化剤を不動化できる薬剤であって、前記不動化剤が前記皮膚軟化剤と混和性であり、前記不動化剤が約35℃以上の融点を有し、前記不動化剤が、ポリヒドロキシ脂肪酸エステル類、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド類、C14〜C22脂肪アルコール類、C14〜C22脂肪酸類、4以下のエトキシル化度を有するC14〜C22脂肪アルコールエトキシレート類、及びこれらの混合物から成る群から選択されることを特徴とする不動化剤
によって特徴付けられるところのトップシート;並びに
C)前記トップシート(12)と前記バックシート(14)との間に配置された吸収性コア(18)
を備える吸収性物品。
【請求項2】
前記物品が衛生ナプキン(10)であることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記皮膚軟化剤が、約5%以下の水を含有し、鉱油、ペトロラタム、及びこれらの混合物から成る群から選択される石油系皮膚軟化剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記皮膚軟化剤がペトロラタムである、請求項3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記皮膚軟化剤が鉱油である、請求項4に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記トップシート(12)の外表面の前記一部分にあるローションコーティングの量が、約0.016mg/cm2(0.1mg/in2)〜約11.62mg/cm2(75mg/in2)に及ぶことを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記トップシート(12)の外表面の前記一部分にあるローションコーティングの量が、約0.078mg/cm2(0.5mg/in2)〜約9.30mg/cm2(60mg/in2)に及ぶことを特徴とする、請求項6に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記皮膚軟化剤が、メチルパルミテート、メチルステアレート、イソプロピルラウレート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパイミテート、エチルヘキシルパルミテート、ラウリルラクテート、及びセチルラクテート、並びにこれらの混合物から成る群から選択される脂肪酸エステル皮膚軟化剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記皮膚軟化剤が、4以下の平均エトキシル化度を有するC14〜C18脂肪アルコールエトキシレート類から成る群から選択されるアルキルエトキシレート皮膚軟化剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記ローションコーティングが、約5〜約50%の前記不動化剤を含み、前記不動化剤が約40℃以上の融点を有することを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−501022(P2006−501022A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−541561(P2004−541561)
【出願日】平成15年9月20日(2003.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2003/029202
【国際公開番号】WO2004/030713
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】