説明

ローション含有トップシートを伴う吸収性物品

身体に面する側を有するトップシートを含み、並びに複数個の繊維性材料の別個の房を含む生理用ナプキン。トップシートが、それらの身体に面する側の少なくとも一部分に適用されるローション組成物を有する。吸収性コアが、トップシートと流体連通であり、約10mm未満の平均の厚さ及びグラム当り約4〜約125グラムの自由吸収能力を有する吸収性コア。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、使い捨て吸収性物品内のトップシートとしての使用に適した不織布ウェブのような繊維ウェブに関する。特に、この発明は、増加した柔軟性若しくはバルク特性を有するために、機械的形成により処理され、それに適用されるローションを有する繊維ウェブに関する。
【背景技術】
【0002】
乳児おむつ、成人用失禁製品、生理用ナプキン、パンティライナー、痔治療パッド、包帯、及びその類似物のような使い捨て吸収性物品は、当該技術分野において周知である。そのような物品は、一般に、流体浸透可能なトップシート、及び流体浸透不可能なバックシート、並びに体液排出物を吸収して含有するための、トップシートとバックシートとの間に挟まれた吸収性コアを有する。
【0003】
生理用ナプキン及びパンティライナーのような、使い捨て吸収性物品のある適用においては、体液を吸収するばかりでなく、着用者の身体上の流体を最小限に抑えることが望ましい。吸収性物品を着用する通常過程の間に、押される若しくは圧搾されることにより、即ち、座ったり歩いたりすることにより、流体が吸収性物品に入って逆戻りしてこないことを保証することで、身体上の流体を最小にできる。身体への再湿潤を最小化にするために、多くの作業がなされて来たが、ユーザーの身体を清潔に保つこと、また乾いたままで保つことを助長する使い捨て吸収性物品への要求が残される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故に、生理用ナプキン及びパンティライナーの分野において、清潔な身体利益を提供することを助長する、使い捨て吸収性物品がある。
【0005】
加えて、生理用ナプキン及びパンティライナーの分野において、清潔な身体利益を提供する、使い捨て吸収性物品を比較的低価格で作製するための方法への要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
身体に面する側面を有し、繊維性材料の複数個の別個の房を含むトップシートを含む生理用ナプキンが開示される。トップシートは、それらの身体に面する側面の少なくとも1部分に適用されるローション組成物を有する。吸収性コアは、トップシートと流体連通しており、吸収性コアは、約10mm未満の平均厚さ、及びグラム当り約4〜約125グラムの自由吸収能力を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明を、いかなる周知の使い捨て吸収物品に使用してもよい。しかしながら、好ましい実施形態において、本発明は、月経用パッドとして使用されることを意図する生理用ナプキンを含む。本発明の生理用ナプキンは、少なくとも3つの構成要素:トップシート、トップシートに適用されたローション、及びトップシートと流体連通する吸収性コアを含む。以下に開示される材料を使用することによって、本発明生理用のナプキンが望ましい清潔な身体利益を提供できることが、意外にも発見された。特に本発明の生理用ナプキンは、より少ない流体しか着用者の身体上に残らないように、又は物品から着用者の身体上に元に圧搾されて戻らないように、より良い流体捕捉及び保持を提供する。
【0008】
半固体ローション材料の生理用ナプキンの上面への適用は、着用者の皮膚特性及び皮膚調湿を調節できることが見出された。これは、物品が身体に対して着用され、トップシートから着用者の皮膚へ続いて移る時の、半固体ローション溶解によると信じられている。好ましい実施形態において、ローションは、生理用ナプキンの上面に適用される時、特に生理用ナプキンが疎水性表面を有する時、物品から着用者の身体への再湿潤を低減する利益を与えることができ、より乾燥した着用経験になる、疎水性半固体ローションである。
【0009】
一実施形態において、疎水性半固体ローションは、疎水性トップシート表面を有する吸収性物品に適用される。そのようなローションは、吸収性物品への流体の捕捉に悪影響を及ぼす傾向があるとも考えられ、着用者の身体及び/又は衣類を汚してしまう結果になるので、ローションは、好ましくはストリップ又はバンド内のような、連続していない模様内に適用される。
【0010】
疎水性トップシートを有する生理用ナプキンの外部、横側面領域上に配置される疎水性半固体ローション材料が、優れた流体捕捉、軽減された再湿潤、及び身体上の残留物流体が着用者の身体へ移動するのを軽減させることを可能にすることが発見された。例えば、ローションを、長手方向ストリップ又はバンドに適用できる。一実施形態において、ローションは、物品の中心のローションの約20mmの自由間隙により分離された、長手方向に向けられているバンドの2つの22mmストリップ内に適用される。理論には制限されないが、本発明のトップシート及びコアとともに使用される時、これはとりわけ着用者の身体が動いている時、ローションが着用者の身体へより効果的に移動できるので、捕捉物を保存する一方で、軽減された再湿潤の利益を許容すると考えられている。疎水性コーティングは、経血が、例えば、身体に固着するのを妨げることを助長することができる。更に、ローションは、その上、物品の最上部の領域に移動して戻ることができる。物品の予めコーティングされていない表面のこのローションコーティングは、
半固体が溶解し、スプレー又は溝状コート適用により表面上に均一に適用される時の場合であり得るように、物品表面及び下にある吸収性材料の機能を落とさないと思われる。
【0011】
本発明のローションは、記述されたように適用され、ユーザーにより着用される時、トップシートの非適用領域に移動される少量の半固体ローション材料のみが、流体捕捉に悪影響を与えることなく、再湿潤を低減することが意外にも分かった。例えば一実施形態において、ローションが適用されるトップシート(例えば、ストリップ)の領域上の1平方メートル当り約7グラムの量のローションは、十分な量のローションが着用者の皮膚及び髪に移動するのに適している。他の実施形態において、約8〜20gsmの坪量に、1gsm増加分、ローションを加えることができる。一実施形態において、ローションを、キスロール、又は印刷ロール、又はその類似品の使用により、房6の先端にのみに適用することができる。そのようなトップシートは、下にある吸収性コア及び生理用ナプキンの他の構成要素を支えるにも関わらず、スキンケア及び流体処理利益を与える。
【0012】
以下の記述は順番に、本発明のトップシート、本発明のローション、及び本発明の吸収性コアを説明する。
【0013】
図1は、以下単にウェブ1と称する、本発明のトップシートとしての使用に適合したラミネートウェブ1を示す。ウェブ1は、1つの層を含み得るが、好ましい実施形態においては、少なくとも2つの層を含む。層は、本明細書で、第一前駆体ウェブ20及び第二前駆体ウェブ21のような、ほぼ平面的な2次元前駆体ウェブと言われる。前駆体ウェブは、フィルム、不織布でもあり得るが、好ましい実施形態において両方の前駆体ウェブは、不織布ウェブである。前駆体ウェブ20及び21(及びいかなる付加的なウェブ)は、接着剤、熱接着、超音波接合及びそれらの類似物により接合され得るが、好ましくは、接着剤又は他の接合形式を使用せずに接合される。以下に開示されるように、房6の形成の結果生じる機械的嵌合をかみ合わせることにより、ウェブ1の構成要素前駆体ウェブを接合できる。
【0014】
ウェブ1は、第一側面3及び第二側面5を有し、用語「側面」は、一般的に平面的状況の時、2つの側面を有する紙及びフィルムのような、ほぼ平面的な2次元ウェブの通例の使用で使用される。各前駆体ウェブ20及び21は、それぞれ、第一表面12及び13、並びにそれぞれ第二表面14及び15を有する(図3に図示される)。ウェブ1は、ウェブ製造の当該技術分野において既知のような、機械方向(MD)及び機械横方向(CD)を有する。ポリマーフィルム及び織布ウェブを用いて本発明は実施可能であるが、好ましい実施形態においては、両方の前駆体ウェブは、実質的に無作為に配向された繊維から成る不織布ウェブである。「実質的に無作為に配向された」は、前駆体ウェブのプロセス条件により、機械横方向よりも縦方向に又はその逆に、より多くの繊維が配向されてもよいことを意味する。例えば、スパンボンディング及びメルトブローイング工程において、繊維の連続ストランドが、機械方向に動く支持体上に堆積される。スパンボンド若しくはメルトブローン不織布ウェブの繊維の配向を忠実に「無作為」にする試みにも関わらず、大抵僅かに高いパーセンテージの繊維が、機械横方向とは反対の機械方向に配向される。好ましい実施形態において、第一前駆体ウェブ20は、比較的親水性の不織布ウェブであり、第二前駆体ウェブ21は、比較的疎水性の不織布ウェブである。すべての不織布ウェブに対して、適切な特性を有する繊維の使用により、疎水性又は親水性を達成できる、又は前駆体ウェブを所望の特性を有するように処理することが可能である。
【0015】
一実施形態において、ウェブ1の第一側面3は、第二前駆体ウェブ21の第一表面13の露出部分及び、少なくとも1つ、しかし好ましくは複数個の、少なくとも第一前駆体ウェブ20及び好ましくは両方の前駆体ウェブ繊維の構成延長部分である、別個の房6により画定される。図3に示されるように、各房6は、複数個のループ化された、第二前駆体ウェブ21を通り、それらの第一表面から外へ伸張する整列した繊維8を含むことができる。他の実施形態において、各房6は、第一表面13から外側に延びる(図3に示されるような)複数個の非ループ化繊維18を含むことができる。
【0016】
本明細書で使用する時、用語「不織布ウェブ」は、間に入れられた、しかし織布又は編まれた布地内のような繰り返しの模様内ではなく、通常無作為に向いた繊維を有さない、個々の繊維又は糸の構造を有するウェブを言う。不織布ウェブ又は布地は、例えば、メルトブローイングプロセス、スパンボンディングプロセス、水流交絡、エアレイイング、及びカード熱接着を含む接着されたカードウェブプロセスのような、多くのプロセスから形成されてきた。繊維は、当該技術分野において既知のような、2成分、多成分、多構成要素、及び類似物であり得る。不織布布地の坪量は、通常、1平方メートル当たりのグラム数(gsm)で表される。ラミネートウェブの坪量は、構成要素層及び他の付加的な構成成分の結合された坪量である。繊維直径は、大抵、ミクロンで表され、繊維寸法は、繊維の単位長さ当りの重量の単位である、デニールでも表され得る。本発明の使用に適合したラミネートウェブの坪量は、10gsm〜500gsmの範囲であり得る。
【0017】
不織布前駆体ウェブ20若しくは21の構成要素繊維は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、及びそれらの混合物のようなポリマーから成り得る。繊維は、セルロース、レーヨン、綿、又は他の天然材料若しくはポリマーと天然材料の混合物を含むことができる。繊維はまた、ポリアクリレートなどの超吸収性材料、又は好適な材料のいかなる組み合わせをも含み得る。繊維は、単一成分、2成分、及び/若しくは2構成要素、丸くない形状(例えば、毛管チャネル繊維)であり得、0.1〜500ミクロンの範囲の大断面直径(例えば、円形繊維に対する直径)を有することができる。例えば、不織布ウェブに適する繊維の種類の1つとしてはナノ繊維が挙げられる。ナノ繊維は、平均直径が1ミクロン未満である繊維として記述される。ナノ繊維は、不織布ウェブの全繊維又は不織布ウェブの繊維の一部分を構成し得る。不織布前駆体ウェブの構成要素繊維は、化学(例えば、PE及びPP)、(単一、及び2)構成要素、デニール(マイクロデニール及び>20デニール)、形状(即ち、毛管及び円形)及び類似物などの特性の点で異なる、異なる繊維型の混合物でもあり得る。構成要素繊維は、約0.1デニール〜約100デニールの範囲であり得る。
【0018】
本明細書で使用する時、「スパンボンド繊維」は、押し出されるフィラメントの直径を持つ微細で通常は円形をした複数個のスピナレットの毛管から、溶融した熱可塑性材料をフィラメントとして押し出し、その後急激に縮小させることにより形成される小径繊維を指す。スパンボンド繊維は、集積表面に付着する時、一般には粘着性はない。スパンボンド繊維は、一般に連続しており、7ミクロンより大きい(サンプルでは少なくとも10)、及びより具体的には約10ミクロン〜40ミクロンの平均直径を有する。
【0019】
本明細書で使用する時、用語「メルトブローイング」は、溶融した熱可塑性材料を、微細で通常は円形をした複数個の金型の毛管を通して、溶融した糸又はフィラメントとして、高速で通常は加熱された収束気体(例えば空気)流の中へ押し出し、この気体流によって溶融した熱可塑性材料のフィラメントを細くしてその直径を縮小する(その直径はマイクロ繊維の直径となり得る)ことにより繊維が形成されるプロセスを指す。その後、高速気体流によって、メルトブローン繊維を移動させ、集積表面上に付着させ(まだ粘着性であることが多い)、ランダムに分散したメルトブローン繊維のウェブを形成する。メルトブローン繊維は、連続していても、連続していなくてもよく、一般に平均直径が10ミクロンよりも小さいマイクロ繊維である。
【0020】
本明細書で使用される時、用語「ポリマー」には、ホモポリマー、例えばブロック、グラフト、ランダム及び交互性コポリマーのようなコポリマー、ターポリマーなど、これらのブレンド並びに修飾物が一般に含まれるが、これらに限定されない。更に、特に限定しない限り、用語「ポリマー」は、材料のあらゆる可能な幾何学的構成を含む。その構成としては、アイソタクチック、アタクチック、シンジオタクチック及びランダム対称が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
本明細書で使用する時、用語「単一成分」繊維は、1つのポリマーのみを使用して1以上の押出成形機から形成された繊維を指す。これは、着色、静電気防止特性、潤滑、親水性などのために少量の添加剤が添加された、1つのポリマーから形成された繊維を除外することを意味するものではない。これらの添加剤、例えば着色用の二酸化チタンは、一般に、約5重量%未満、及びより典型的には約2重量%の量で存在する。
【0022】
本明細書で使用する時、用語「2成分繊維」は、別個の押出成形機から押し出されるが、共に紡糸されて1つの繊維を形成する少なくとも2つの異なるポリマーから形成された繊維を指す。2成分繊維はまた、複合繊維又は多成分繊維と称されることもある。複数個のポリマーは、2成分繊維の横断面にわたって実質的に連続的に位置する別個区域に配置され、2成分繊維の長さに沿って連続して伸張する。かかる2成分繊維の形状は、例えば、1つの繊維が別の繊維により包囲されるシース/コア配置であってもよく、又はサイド・バイ・サイド配置、パイ型配置、又は「海島型」配置であってもよい。
【0023】
本明細書で使用する時、用語「2構成成分繊維」は、同じ押出成形機からブレンドとして押し出される少なくとも2つのポリマーから形成された繊維を指す。2構成成分繊維は、繊維の断面領域を横切って比較的絶え間なく置かれた別個の区域に配置される様々なポリマー構成成分を有さず、様々なポリマーは、通常、繊維の全長に沿って連続しておらず、その代わり、通常、ランダムに開始し終端するフィブリルを形成している。2構成成分繊維は、多構成成分繊維と呼ばれることもある。
【0024】
本明細書で使用する時、用語「丸形でない繊維」は、丸形でない断面を有する繊維について言い、「成形繊維」及び「毛管チャネル繊維」を含む。かかる繊維は中実又は中空であり得、それらは、3葉形、デルタ形であり得、好ましくは外側表面上に毛管チャネルを有する繊維である。毛管チャネルは、「U字形」、「H字形」、「C字形」及び「V字形」などの様々な断面形状のものであり得る。1つの好ましい毛管チャネル繊維は、テネシー州ジョンソンシティ(Johnson City,TN)にあるファイバーイノベーションテクノロジーズ(Fiber Innovation Technologies)から入手可能な4DG繊維と称されるT−401である。T−401繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PETポリエステル)である。
【0025】
本明細書で使用する時、房6に対して使用される「構成する延長部分」に見られるような用語「構成する」は、前駆体ウェブの繊維から発した房6の繊維を言う。例えば、房6内の繊維は、第一前駆体ウェブ20から構成される、即ち発生される。従って、房6のループ化繊維8及びループ化されていない繊維18は、可塑的に変形可能で、第一前駆体ウェブ20の延長された繊維であり得、従って、第一前駆体ウェブ20から構成される。本明細書で使用する時、「一体化」は、例えば、従来のカーペット作製において一般的に行われるように、タフトを形成するために別個の前駆体ウェブに導入されるか、又は追加される繊維とは区別されるものである。
【0026】
房6の数、空隙部、及び寸法を、ウェブ1の第一側面3に様々な質感を与えるために、変えることができる。例えば、房6が十分に近くに置かれている時、ウェブ1の第一側面3は、テリ織布地のような感触を有する。あるいは、房6を、線又はより優れた質感、柔軟性、バルク、吸収性、若しくは視覚的なデザインアピールのあるラミネートウェブの部分を作るために充たされた形状のような模様に配列できる。例えば、房6が、単線若しくは複数線の模様に配列される時、房は、縫製の外見を有することができる。房6を、その上、デザイン、言葉又はロゴのような、特定の形状を形成するために配列できる。例えば、ホテルのバスタオル又はローブ上に形成されるホテルの名前又はロゴに有用なラミネート上でそのような形状を使用することが可能である。更に、個々の房6の高さ、長さ及び幅のような、寸法の大きさを変えることができる。単一の房は、長さにおいて約3cmと同じであり得、単独で作製、又は様々な寸法の房の間で分散可能である。
【0027】
第一前駆体ウェブ20は、繊維性織布又は不織布ウェブであり得、以下に十分に記載されるように、房6内に形成される部分を有するために、十分な伸長特性を有する繊維を含む。房は、第一前駆体ウェブ20の別個の、局部的部分で、Z方向の面外に繊維を駆り立てることにより形成される。面外に駆り立てることは、繊維変位のためであり得、即ち繊維を他の繊維に対して移動させ、いわば面外に「引っ張られる」ことができる。しかしながら非常に頻繁に、大抵の不織布第一前駆体ウェブ20に対して、面外に駆り立てることは、少なくともある程度可塑的に延展され、房6を形成するために永久的に変形された房6の繊維に起因する。従って、一実施形態において、房6の所望の高さに依り、不織布第一前駆体ウェブ20の構成要素繊維は、少なくとも約5%、更に好ましくは少なくとも約10%、更に好ましくは少なくとも約25%、更に好ましくは少なくとも約50%、最も好ましくは少なくとも約100%の破断するまでの伸長を示し得る。破断するまでの伸長は、インストロン引張り試験装置の使用によるような簡単な引張り試験により定義でき、そのような繊維又はウェブの供給元からの材料データシート上で一般に見出すことができる。
【0028】
好適な前駆体ウェブは、十分な塑性変形及び張力伸長をすることが可能な繊維を含むべきであり、又はループ化繊維8が形成されるような十分な繊維流動が可能であることが高く評価される。しかしながら、第一表面12の面外に駆り立てられたあるパーセンテージの繊維はループを形成せず、代わりに破断してルースな末端部を形成することが認識される。そのような繊維は、本明細書中で、図3に示されるように「自由」繊維若しくは「自由繊維末端部」18と言われる。自由繊維末端部18は、本発明に対して必ずしも望ましくないわけではなく、いくつかの実施形態において、大抵の又は全ての房6の繊維は、自由繊維末端部18であり得る。自由繊維末端部18は、切断短繊維から成る又は切断短繊維を含む不織布ウェブから房6を形成する結果でもあり得る。そのような場合、ある数の短繊維末端部は、房6内に突き出ることもあり、それはウェブ内の短繊維の数、短繊維切断長、及び房の高さに依存する。場合によっては、異なる層の異なる長さの前駆体ウェブ又は繊維内の異なる長さの繊維の混合物を使用することが望ましい場合もある。これは、短繊維から長繊維を選択的に分離することが可能であり得る。長繊維は、房6を主に形成し得る一方で、短繊維は、房6を形成しないウェブの部分に主に残る。繊維長の代表的な混合は、長繊維に対して約2〜8センチメートルの、短繊維に対して約1cm未満の繊維を含むことができる。
【0029】
第一前駆体ウェブ20は、繊維性織布又は弾性若しくは弾性重合体繊維を含む不織布ウェブであり得る。弾性若しくは弾性重合体繊維は、少なくとも約50%延展可能であり、それらの源寸法の10%以内に復元する。繊維が、不織布内での繊維の移動度により単に置換される場合、又は繊維が弾性限界を超えて延展し、可塑的に変形される場合、弾性繊維から房6を形成できる。
【0030】
第二前駆体ウェブ21は、実質上いかなるウェブ材料であってもよく、唯一の必要条件は、それが、以下に記載されるプロセスによりラミネート内に形成されるのに十分な一体性を有することである。第一前駆体ウェブ20と比較して十分に低い伸長特性を有することができるので第二前駆体ウェブ21の方向に、面外に駆り立てられた第一前駆体ウェブ20から繊維のひずみを経験する際に、例えば伸張破壊によって第二前駆体ウェブ21は破裂し、第一前駆体ウェブ20の部分が、ウェブ1の第一側面3に房6を形成するために第二前駆体ウェブ21を通って(即ち、いわば「貫通穴あけ」)伸張できる。一実施形態において、第二前駆体ウェブ21は、ポリマーフィルムである。第二前駆体ウェブ21は、上に記載のように第一前駆体ウェブ20に対して、ループ化繊維内に形成される十分な伸長特性も有することができる。
【0031】
図1に(第二前駆体ウェブ21は、第一前駆体ウェブによって「貫通穴あけ」されている)示されるウェブ1の実施形態に対する代表的な房6が、図2の更なる拡大図に示される。図2又は3に示されるように、房6は、房6が区別された線状配向及び長手方向軸線Lを有するように、実質的に整列された複数個のループ化繊維8を含む。房6は、MD−CD平面内の長手方向軸線Lに一般的に直交する横断方向軸線Tも有する。図1及び図2に示す実施形態において、長手方向軸Lは、MDに平行である。一実施形態において、すべての離れて間隔を置かれた房6は、一般に平行な長手方向軸Lを有する。ウェブ1の単位領域当りの房6の数は、即ち房6の面密度は、単位領域あたり1房、例えば1平方センチメートル当り1房〜1平方センチメートル当り100房と同じ密度で変わり得る。1平方センチメートル当り少なくとも10個、又は少なくとも20個の房6が最終用途に応じて存在し得る。一般的に、面密度は、ウェブ1の全領域に渡って均一である必要はないが、房6は、線、ストリップ、バンド、円、及び類似物のような、予め定められた形状を有する領域内のような、ウェブ1のある領域内にのみに存在し得る。
【0032】
本明細書に記載により理解できるように、多くのウェブ1の実施形態において、第二前駆体ウェブ21の開口部4は、区別された線状配向及びその対応する房6の長手方向軸線Lに平行に配向された長手方向軸線を有する。同様に、開口部4は、MD−CD平面内の長手方向軸線に一般に直交する横断方向軸線も有する。
【0033】
図1〜4に示されるように、房6は、第二前駆体ウェブ21内の開口部4を通じて伸張可能である。開口部4は、以下に詳細に記載されるプロセスによって第二前駆体ウェブ21を局所的に破裂することにより形成される。破裂は、開口部4が簡素な2次元開口を残すような、第二前駆体ウェブ21の簡素な裂けた開口を含み得る。しかしながら、ポリマーフィルムのようないくつかの材料に対して、第二前駆体ウェブ21の部分を、本明細書でフラップ、又は(複数)フラップ7と言われる、フラップ状の構造体を形成するために、偏らせる又は面(即ち、第二前駆体ウェブ21の平面)外に駆り立てることができる。フラップ7の形及び構造は、第二前駆体ウェブ21の材料特性に大いに依存する。フラップ7は、図1及び2に示されるような、1以上のフラップの一般的構造を有することができる。他の実施形態において、フラップ7は、房6がフラップ7から噴火するような、より噴火口状である構造を有することができる。他の実施形態において、フラップ7は、それらが、房6条に「キャップ」を形成するように、実質上完全に房6を覆うことができる。
【0034】
一実施形態において、フラップ7は、房6の材料に著しく寄与せず、特に房6の触感特質に対しては著しく寄与しない。従って、一実施形態においてラミネートウェブ1は、少なくとも2つの層(即ち、前駆体ウェブ20及び21)を含み、しかし少なくとも層の1つ(即ち、図1〜4の前駆体ウェブ21)は、房6の触感特性に著しい影響は与えない。
【0035】
この実施形態において、フラップ7は、房6をより弾力的で、圧縮力又は曲げ力による平坦化の影響を受けにくくし得る。一実施形態において、従って、ラミネートウェブ1は、少なくとも2層(即ち、前駆体ウェブ20及び21)を含み、両層は、房6の触感特性に影響を与える。
【0036】
房6は、両前駆体ウェブからのループ化繊維を含むことができる。従って、房6は、ある意味、第二前駆体ウェブ21を「貫通穴あけされ」又は第二前駆体ウェブ21の房に「押入れられ」得る。いずれかの場合において、第一及び第二前駆体ウェブは、開口部4との摩擦嵌合により適所に「固定」され得ると言うことができる。いくつかの実施形態において、例えば、開口部4の平面幅(即ち、その横断方向軸線に平行に測定された寸法)は、開口を形成した歯の最大幅より小さいことが(以下に記載のプロセスを通じて)あり得る。これは、開口部4を通って房6を引き戻らせる傾向にある、開口部における、ある量の復元を示す。房及び開口部の摩擦嵌合は、接着剤又は熱接着なしで形成され得る一側面上の永久的な房化を有するラミネートウェブ構造体を与える。
【0037】
いくつかの実施形態において、少なくとも層の1つ(例えば、比較的低い伸長ポリマーフィルム又は図1〜4内の薄片紙第二前駆体ウェブ21)が、(図1〜4に示される実施形態内のように)房6に物質を著しくは寄与しないので、不織布第一前駆体ウェブ20を含むウェブ1は、不織布第一前駆体ウェブ20のみにより与えられる繊維を伴うウェブ1の両側上で主に繊維性であるとして特徴付けられる。従って、房6は、ウェブ1の第一側面3を効率良く覆うために、十分に近くに間隔付けされることができる。そのような実施形態において、ウェブ1の両側は、2側面3と5が表面質感で異なることを伴う不織布であり得る。従って、一実施形態において、本発明は2つ又はそれ以上の前駆体ウェブのラミネート材料として記載されることができ、ラミネートウェブの両面は、前駆体ウェブのうち1つのみからの繊維で実質的に覆われる。
【0038】
図1〜4に示されるように、房6の一特性は、繊維8又は18の優勢な方向性配列であり得る。例えば、ループ化、整列化繊維8を、重要な又はZ−CD平面に平行な主ベクトル成分を有するように記載でき、ループ化繊維8は、図4内のような、平面図で見るとき、横断方向軸線Tに対して実質的に均一整列を有する。「ループ化」繊維8は、第一前駆体ウェブ20を構成し、その中で始まり終わる、繊維8を意味するが、第二前駆体ウェブ21の第一表面13からZ方向の外側に伸長する。房6のループ化繊維8に対して「整列化」は、ループ化繊維8が、図4内のような平面図で見られる場合、ループ化繊維8それぞれが、横断方向軸線Tに平行な重要なベクトル成分、好ましくは横断方向軸線Tに平行な主ベクトル成分を有するように、すべて一般的に配向されることを意味する。
【0039】
対照的に、ループ化されていない繊維18は、第一前駆体ウェブ20を構成するが、その中のみで始まり、第二前駆体ウェブ21の第一表面13からZ方向の外部へ伸長する自由端を有する。
【0040】
自由繊維18は、重要な又はZ−CD平面に平行な主ベクトル成分を有するように記載される、均一整列も一般的に有することができる。
【0041】
ループ化繊維8及び自由繊維18の両方に対して、整列は、ロール上の巻き、又は製品に使用中の圧縮による、任意の製造後変形前の房6の特徴である。本明細書で使用する時、図4におけるように平面図で見た時に長手方向軸Lから45°超過の角度で配向されたループ状繊維8は、横断方向軸Tに平行な有意のベクトル成分を有する。本明細書で使用する時、図4におけるように平面図で見た時に長手方向軸Lから60°超過の角度で配向されたループ状繊維8は、横断方向軸Tに平行な主要のベクトル成分を有する。好ましい実施形態において、房6の繊維8の少なくとも50%、更に好ましくは少なくとも70%、更に好ましくは少なくとも90%は、有意の、更に好ましくは横断方向軸線Tに平行な主要のベクトル成分を有する。繊維の配向性は、必要であれば、好適な測定尺度に合わせた顕微鏡などの拡大手段を使用して測定することができる。一般に、平面図で見た繊維の線状でない区画の場合、長手方向軸L及びループ状繊維8の両方についての直線近似法を、長手方向軸Lからループ状繊維8の角度を測定するために使用することができる。例えば、図4に示されるように、一繊維8aが、太線で強調され示され、その線形近似8bが、破線で示される。この繊維は、長手方向軸線(Lから半時計方向に測定された)に対して約80度の角度をなす。
【0042】
房6内のループ化繊維8の配向は、不織布ウェブに対して、実質的に無作為に配向された繊維整列を有すると最も良く表現される、第一前駆体ウェブ20に対する繊維組成物及び配向と対比されるべきである。織布ウェブ実施形態において、房6内のループ化繊維8の配向は、上記と同様であり得るが、第一前駆体ウェブ20の繊維は、ウェブ、例えば四角織り模様を作製するために使用される特定の織りプロセスと関連する配向を有する
図1に示される実施形態において、房6の長手方向軸線Lは、一般的にMDに配列される。従って、原則としては、房6及び長手方向軸線Lを、MD又はCDに対してどの配向にも配列可能である。従い一般的には、各房6に対して、ループ化整列化繊維8は、それらが、横断方向軸線Tに平行な重要なベクトル成分、更に好ましくは横断方向軸線Tに平行な主要なベクトル成分を有するように、長手方向軸線Lに一般に直交して配列される、と言うことができる。
【0043】
いくつかの実施形態において、以下に記載されるような房6を形成する好ましい方法により、ループ化、整列された繊維8を優勢的に含む房6の他の特性は、図2及び3に示されるように、房6の内部で画定された開口ボイド領域10により特性化された一般に開口構造であり得る。ボイド領域10は、房6の遠位端31でより幅広い若しくはより大きい、及び房6の基底17でより狭い形状を有し得る。これは、房6を形成するために使用される歯の形状と反対である。「ボイド領域」は、完全に繊維がない領域であることを意味するのではなく、房6の一般的外観の一般的記述を意味する。従って、いくつかの房6内で、自由繊維18又は複数の自由繊維18は、ボイド領域内10内に存在し得ることがあり得る。「開口」ボイド領域とは、房6が、図3に示されるような、圧縮されていない状態の「トンネル」構造のようなものを形成できるように、房6の2つの長手方向末端部が、一般的に開口しており、繊維がないことを意味する。
【0044】
加えて、ウェブ1を作製する好ましい方法の結果として、ウェブ1の第二側面5は、以下に詳細に記載される、形成構造体の歯により、房6内に方向付けられて(即ち、図1及び3に示されるような、MD−CD平面に一般に直交するZ方向に)駆り立てられる第一前駆体ウェブ20の第二表面14の事前的無作為繊維より画定される、一般的に線状刻み目により特徴付けられる不連続部16を示す。第一前駆体ウェブ20の事前に無作為に方向付けられた繊維により示される配向の断絶的な変化は、房6の長手方向軸線Lと一般的に平行な長手方向軸線を有するようにそれを記載できるような、線形性を示す、不連続部16を定義する。第一前駆体ウェブ20として有用な多くの不織布ウェブの性質により、不連続部16は、房6と同じようにはっきりと目立つものではあり得ない。この理由により、ウェブ1の第二側面5上の不連続部16は、目立たなくなる可能性があり、ウェブ1が綿密に検査されない限り、一般に検出されないことがある。そのようであるので、ウェブ1の第二側面は、房のない第一前駆体ウェブ20の外見と感触を有することができる。従って、いくつかの実施形態において、ウェブ1は、第一側面3上のテリ織布地の外見及び感触、第二側面5上の比較的滑らかで柔らかい外見及び感触を有することができ、両側面は、同じ不織布ウェブ、即ち、第一前駆体ウェブ20からの繊維から成る。他の実施形態において、不連続部16は、開口として現れ得、トンネルのような房6の末端部を経由してウェブ1を通じる開口であり得る。
【0045】
不織布第一前駆体ウェブ20を含むウェブ1の記載から、房6の繊維8又は18は、第一前駆体ウェブ20の第一表面12又は第二表面14のいずれかから生じ、伸長できることが分かり得る。もちろん、房6の繊維8又は18は、その上第一前駆体ウェブ20の内部28から伸長できる。図3に示されるように、房6の材料8又は18は、第一前駆体ウェブ20の一般に2次元平面から駆り立てられ(即ち、図3に示されるように、Z方向に駆り立てられ)たために伸長する。一般に、房6の繊維8若しくは18は、第一前駆体ウェブ20の繊維を構成し、それから伸長する繊維を有する。
【0046】
従って、上の記載から、一実施形態において、ウェブ1を、少なくとも第一及び第二前駆体ウェブの選択的機械的変形より形成されるラミネートウェブであるとして記載でき、少なくとも第一前駆体ウェブは、不織布ウェブであり、ラミネートウェブは、第一側面が第二前駆体ウェブ及び複数個の個別の房を含み、個別の房のそれぞれが第一前駆体ウェブの構成的伸長であり、第二前駆体ウェブを通じて伸長する複数個の房化された繊維を含む、第一側面、並びに第二側面が第一前駆体ウェブを含む、第二側面を有することが分かる。
【0047】
繊維8若しくは18の伸長は、繊維の塑性変形及びポワソン比効果により、繊維断面直径(即ち、丸い繊維の直径)の一般的縮小を伴うことができる。従って、房6の整列されたループ化繊維8は、第一前駆体ウェブ20の繊維の平均繊維直径を有することができる。繊維直径のこの縮小が、ウェブ1の第一側面3の感知される柔軟性に寄与し、柔軟性が、綿テリ織布地と比較でき、第一前駆体ウェブ20の材料特性に依存することが信じられている。繊維断面直径の縮小は、基底17及び房6の遠心部分31を媒介して、最大であることが分かった。これは、以下でさらに十分に開示されるように、作製する好ましい方法のためであると考えられている。簡潔に、図3に示されるように、基底17及び房6の遠心部分31における繊維の部分は、以下にさらに十分に記載される、ロール104の歯110の先端の隣接であり、プロセスの間、摩擦的に固着されて不動であると考えられている。従って、房6の中間体部分は、延展からより自由であり、又は伸長し、それ故に、対応する繊維断面直径を縮小することができる。第一前駆体ウェブ20のいくつかの繊維は、横方向に房6の基底17を絞り得る。房6の基底17は、(房6からの繊維は、互いに接触するのに十分に近い場合)更に閉じられている。一般的に、基底17におけるいずれの開口は、狭い。基底17における他の繊維の接近又は狭化又は絞りは、房6及び第二前駆体ウェブ21の安定化を助長する。
【0048】
図5を参照し、本発明のウェブ1を作製するための装置及び方法が示される装置100は、各々が軸Aを中心として回転する一対の噛み合いロール102及び104を具備し、これら軸Aは同一平面内で平行である。ロール102は、ロール102の円周全体にとぎれずに伸張する複数個の隆起部106と、対応する溝108とを具備する。ロール104はロール102に類似しているが、円周全体にとぎれずに伸張する隆起部を有さず、ロール104は、ロール104の少なくとも一部分の周りに離間した関係で延出する、周囲方向に離間した歯110の列となるように修正された、周囲方向に伸張する複数個の隆起部の列を具備する。ロール104の歯110の個々の列は、対応する溝112により分離される。作動中、ロール102及び104は、ロール102の隆起部106がロール104の溝112内まで伸張し、ロール104の歯110がロール102の溝108内まで伸張するように噛み合う。噛み合せが、以下で議論される、図6の断面表示内で極めて詳細に示される。ロール102及び104の両方又はいずれかは、ホットオイルを充填したローラー又は電気的に加熱されたローラーを使用するなどの、当該技術分野において既知の手段により加熱され得る。
【0049】
図5で、装置100が、1つの模様付きロール、例えば、ロール104、及び1つの模様なし溝付きロール102を有する好ましい構成で示される。しかしながら、特定の実施形態において、それぞれのロールの同一の、又は異なる対応区域において、同一の、又は異なる模様を有する2つの模様付きロール104を使用することが好ましいこともある。そのような装置は、ウェブ1の両側から突き出た房6付きのウェブを作製する。装置は、その上、ロール上の反対方向を指す歯を有するように設計できる。これは、ウェブの両側に作製される房6付きウェブとなる。
【0050】
商業的に実行可能な連続したプロセスで、本発明のウェブ1を作製する方法が、図5に示される。ウェブ1は、図5に示される装置によるプロセスの前にほぼ平面的な及び2次元として記載される第一及び第二前駆体ウェブ20及び21のような、前駆体ウェブを機械的に変形することにより作製される。「平面的」及び「2次元の」は、単に、ウェブが、房6の形成により独特の、面外の、Z方向3次元性を有する仕上げされたウェブ1に関する一般に平坦条件でプロセスを開始することを意味する。「平面的」及び「2次元の」は、特定の平坦性、平滑性又は次元性を意味するものではない。
【0051】
本発明のプロセス及び装置は、多くの点で、「弾性様挙動を示すウェブ材料」と題する米国特許番号第5,518,801号で記載され、次の特許文献で「構造的弾性様フィルム」を意味する「自己」ウェブと言われるプロセスと類似する。しかしながら、本発明の装置及びプロセスと’801特許に開示の装置及びプロセスとの間の有意差があり、その差は、ここで作製される各ウェブ内で明らかである。以下に記載されるように、ロール104の歯110は、歯が、ウェブを変形することとは本質的に反対に、前駆体ウェブ20、21に本質的に「穴を開ける」ことを許容する、先及び後縁に関連する、特定の形状を有する。2つの層ラミネートウェブ1で、歯110は、第一前駆体ウェブ20から、同時に面外に並びに、房6を形成するために繊維8を押し通す歯110により、いわゆる穴を開けられた第二前駆体ウェブ21を通じて繊維を駆り立てる。従って、本発明のウェブ1は、自由繊維端18の房6及び/又は、自主ウェブの「テント状」「リブ状」要素とは異なる、それらと関連する連続した側壁、即ち連続した「遷移領域」をそれぞれ有し、一方の層から他の層への相互貫通を示さない、ループ化され、第一側面3の表面13から離れて伸長する、ループ状の、整列された繊維8の「トンネル状」房6を有することができる。
【0052】
前駆体ウェブ20及び21は、直接的にそれらの各ウェブ作製プロセスから、又は間接的に供給ロールからのいずれかで(両方図示されず)提供され、機械方向に、逆回転噛合ロール102及び104のニップ116へ移動する。前駆体ウェブは、好ましくはウェブ取り扱いの当該技術分野において周知の手段により、ニップ16を一般に平坦化された環境に入れるような十分なウェブ張力で支えられる。各前駆体ウェブ20、21がニップ116を通過する時、ロール102の溝108と噛み合されるロール104の歯110は、同時に、第一前駆体ウェブ20の部分を、第一前駆体ウェブ20の面から並びに房6を形成する第二前駆体ウェブ21を通じて、駆り立てる。実際、歯110は、第一前駆体ウェブ20の繊維を第二前駆体ウェブ21を通じて「押す」又は「穴を開ける」。
【0053】
歯110の先端が、第一及び第二前駆体ウェブ20、21を通じて押される時、主に機械横方向に配向された、歯110を渡る第一前駆体ウェブ20の繊維の部分は、歯110により第一前駆体ウェブ20の面外に駆り立てられる。繊維を、繊維移動度により、又はZ方向に延展及び/又は可塑的に変形することにより、面外に駆り立てできる。歯110により駆り立てられた第一前駆体ウェブ20の部分は、その比較的低い伸張性のため破裂する第二前駆体ウェブ21を通じて押され、それらによりウェブ1の第一側面3上に房6が形成される。一般に長手方向軸線Lに平行に、(即ち図1に示される前駆体ウェブ20の機械方向に)主に配向された第一前駆体ウェブ20の繊維は、歯110により単に離れて広がり、実質的にそれらの初期の無作為配向条件に留まる。これは、ループ化された繊維8が、図1〜4で示される1つのような実施形態において均一繊維配向を示し得る理由であり、高い割合の、房6の横断方向軸線Tに平行な有意な又は主要なベクトル成分を有する各房6の繊維である。
【0054】
ウェブ1が、本発明の装置及び方法により作製される時、前駆体ウェブ20、21は、破壊、例えば、引張応力による破壊の前の伸長する前駆体ウェブの能力を考慮し、異なる材料特性を有し得ることが前述の記載により理解できる。特に、不織布第一前駆体ウェブ20は、より高い繊維移動度及び/又は第二前駆体ウェブ21と比較して、より大きな繊維伸長特性を有し得るので、第二前駆体ウェブ21が破裂する、即ち房を形成するために必要な程度まで延展しない一方で、その繊維が、房6を形成するために十分に移動又は延展できる。しかしながら、他の実施形態において、両前駆体ウェブは、その繊維が、房6を形成するために十分に移動又は延展できるような、十分な伸長性を有する。
【0055】
例えば、不織布前駆体ウェブの繊維が極めてただ緩く互いに絡み合っている場合、それらは、互いに滑り(即ち、隣接繊維に相対して移動し(by reptation))、従って房を形成するために面外により容易に伸長できる。一方で、例えば高レベルの熱点結合、水流交絡不織、又はその同種により、より強く結合された不織布前駆体ウェブの繊維は、おそらく伸長された面外房内で、より高程度の塑性変形を必要とする。従って、第一前駆体ウェブの繊維が面外に伸張でき、一方第二前駆体ウェブ21が伸長できないように、第一前駆体ウェブ20は、一実施形態において、比較的低い繊維間結合を有する不織布ウェブであり得、第二前駆体ウェブ21は、比較的高い繊維間結合を有する不織布ウェブであり得る。第一前駆体ウェブ21に印加される十分な抵抗力のもとで、その中の繊維は伸長する傾向にあり、一方伸長できない第二前駆体ウェブの繊維は破断する傾向にある。
【0056】
房6の数、空隙、及び寸法は、歯110の数、空隙、及び寸法により、並びにロール104及び/若しくはロール102に必要な対応寸法を変えることにより変わり得る。この変化は、前駆体ウェブ20、21の可能な変化とともに、多くの様々なウェブ1を多くの目的のために作製することを許容する。例えば、機械方向及び横機械方向に可塑的伸張可能な糸を有する、比較的高い坪量の織布を含む第一前駆体ウェブ20、及び比較的高い坪量、比較的低い延伸性合成ポリマー不織布材料を含む、第二前駆体ウェブ21から作製されるウェブ1は、傾斜した通路の劣化を低減し、不安定な土壌で固有の植物の成長を可能にするために有用な侵食制御デバイスのような、強い多孔質下被覆になり得る。
【0057】
図6は、ロール102と104及び隆起部106及び歯110が噛合う部分を断面で示す。図示されるように、歯110は、歯の高さTH(THは、その上隆起部高さに加えられ得ることに留意すること;好ましい実施形態において、歯の高さ及び隆起部高さは、等しい)、並びにピッチPと示される歯間空隙部(又は隆起部間空隙部)を有する。示されるように、係合部Eの深さは、ロール102と104との噛み合いレベルの測定値であり、隆起部106の先端から歯110の先端までを測定する。嵌合の深さE、歯高さTH、及びピッチPは、前駆体ウェブ20、21の特性及びウェブ1の要望の特性に依存し、要望通り変化し得る。例えば一般に、嵌合Eのレベルが大きくなると、第一ウェブ20の繊維が保有するべき必要な伸長及び繊維間移動度特性は大きくなる。その上、所望の房6の密度(ウェブ1の単位領域当りの房6)が大きくなると、ピッチは、小さくなるべきであり、歯長さTL及び歯距離TDは、下記のように、小さくなるべきである。
【0058】
図7は、約60gsm〜約100gsm間の、好ましくは約80gsmの坪量を有する不織布第一前駆体ウェブ20及び約0.91〜0.94の密度及び約20gsmの坪量を有するポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン)第二前駆体ウェブ21からテリ織様ウェブ1を作製するために有用な複数個の歯110を有するロール104の一実施形態を示す。
【0059】
歯110の拡大図が、図8に示される。ロール104のこの実施形態において、歯110は、約1.25mmの歯先端111で先縁LEから後縁TEに一般に測定された均一周辺長寸法TLを有し、約1.5mmの距離TDで周囲方向に互いから均一に間隔が開けられる。約60〜約100gsmの範囲の全坪量を有するウェブ1からテリ織布地ウェブ1を作製するために、ロール104の歯110は、約0.5mm〜約3mmの範囲の長さTL及び約0.5mm〜約3mmの空隙TD、約0.5mm〜約5mmの範囲の歯高さTH、及び約1mm(0.040インチ)〜約5mm(0.200インチ)間のピッチPを有し得る。嵌合の深さEは、約0.5mm〜約5mm(最大歯の高さTHと等しくなるまで)であり得る。勿論、E、P、TH、TD及びTLは、を所望の寸法、空隙、及び房6の面密度(ウェブ1の単位領域当りの房6の数)を実現するために互いに独立に変わり得る。
【0060】
図8に示すように、各歯110は、先端111と、前縁LEと、後縁TEとを有する。歯先端部111は伸長され、一般に房6及び不連続部16の長手方向軸線Lに対応する長手方向配向を有する。テリ織様として記述され得るウェブ1の房化され、ループ化された房6を取得するために、そのLE及びTEは、ロール104の局所周囲表面120と極めて近く直交しなければならないと考えられている。同様に、先端111及びLE又はTEからの遷移は、歯110が、LE及びTEで第二前駆体ウェブ21を通じて押されるような、十分に小さな曲率半径を有する直角のような、鋭角でなければならない。理論には制限されないが、歯110の先端とLE及びTEとの間の比較的鋭利な角度の先端遷移を有することは、歯110が前駆体ウェブ20、21を通じて「純粋に」、即ち局所的に及び個々に穴を開けることを許容し、その結果、結果のウェブ1の第一側面3は、「変形された」よりも「房化された」として記述し得る。そのように処理される時、ウェブ1は、前駆体ウェブ20及び21が元来有し得るものを超えるいずれの特定の弾性をも付与しないと考えられている。前駆体ウェブ21の穴開けは、「細片」又は小片を形成するウェブ21の小さな部分となる。
【0061】
理論に制限されることを望まないが、前駆体ウェブの繊維が、高度に曲線形状、例えば、巻かれた繊維を有する場合、得られた房6は、よりループ化された繊維8及びより線状の繊維形態と比べあまり破壊されていない繊維18を有すると信じられる。そのような繊維形態は、2つの隣接する歯の間を架橋する可能性は低く、結果としてそれらは、それらの破壊点を越えて延展する傾向が低く、したがって完全なループ構造を形成する可能性が高いと考えられる。更に、そのような曲線状形状繊維は、偏心バイコンポーネント繊維、又はポリエチレン及びナイロンから成るバイコンポーネント繊維のような、側間バイコンポーネント繊維を使用することにより作製できる。
【0062】
好ましい実施形態において、第一及び第二前駆体ウェブは、最小繊維間結合がある、不織布ウェブである。例えば、前駆体ウェブは、不織布ウェブの分野において一般に既知であるように、区別される熱点結合の模様を有する不織布ウェブであり得る。一般に、しかしながら、房6の形成の間、最大の繊維移動度及び転位を許容するように、結合点の数を最小化し、空隙を最大化することが望ましい。一般に、比較的大きな直径、及び/又は比較的高い破壊するまでの伸張、及び/又は比較的高い繊維移動度を有する繊維を使用することは、より優れた、より個別に形成される房6を生じる。
【0063】
ウェブ1が、好ましい実施形態において、2つの前駆体ウェブから作製される2つの層ウェブとして開示されたが、2つの層に限定する必要はない。例えば、3つの層若しくは更なるラミネートは、前駆体ウェブの1つが、伸長し及び他の房を形成するために層内の開口を通じ押すことができる限り、3つの前駆体ウェブから作製され得る。例えば、ウェブ1は、トップシート、二次トップシート、及び衛生用製品のコアを含む。一般に、ラミネートウェブ1を作製するために、接着剤若しくは他の結合手段を使用する必要はない。
【0064】
ウェブ1の構成要素層(例えば、前駆体ウェブ20及び21及びいずれかの他の層)は、第二前駆体ウェブ21内の開口4を通じて伸長する房6の「固定」効果による向かい合わせ積層関係で、支持され得る。幾つかの実施形態において、ウェブ1の最終用途応用に依り、接着剤若しくは熱接着又は他の結合手段を使用することが望ましいことがあり得る。例えば、2成分繊維不織布ウェブを含むウェブ1は、大きな剥離強度に対して層間固着を提供するために、房6の形成後、通気結合であり得る。加えて、接着剤を少なくとも前駆体ウェブの1つの一部分に適用することが望ましいことがあり得る。例えば、幾つかの実施形態において、接着剤、化学結合、樹脂又は粉末結合、若しくは層間の熱接着を、前駆体ウェブのある領域に又はすべてに選択的に適用することができる。接着剤適用の場合、例えば、接着剤を、溝コーティングによるなどの連続した方法で、又は噴霧、押出、及びその類似方法によるなどの不連続な方法で加えることができる。接着剤の不連続な適用は、ストリップ、バンド、液滴、及びその類似の形態であり得る。
【0065】
多層ウェブ1において、各前駆体ウェブは、生理用ナプキンのような使い捨て吸収性物品内でトップシートとして使用される時、異なる材料特性を有し得、それらによりウェブ1に利益のある特性を与える。例えば、2つの(又は更なる)前駆体ウェブ、例えば、第一及び第二前駆体ウェブを含むウェブ1は、利益のある流体処理特性を有し得る。優れた流体処理のために、例えば、第一前駆体ウェブ20は、比較的親水性の繊維から成り得る。第二前駆体ウェブ21は、比較的疎水性の繊維から成り得る。そのようなウェブの房6は、流体を身体から離し、トップシートを通じて引き寄せるような親水性の房を伴い、比較的疎水性の身体面表面を有するトップシートを形成し得る。上部の比較的親水性の房上に堆積する流体は、比較的疎水性の層から離れて、第二前駆体ウェブ層(例えば、吸収性コア)の下にある物品の部分へ、速やかに輸送され得る。理論には拘束されないが、観察される高速流体輸送の一つの理由は、房6の一般に整列された繊維8、18により形成される毛管構造であると信じられる。繊維8、18は、隣接する繊維間に方向性整列毛管を形成し、毛管現象は、房6の基底17付近の繊維の一般的収束により強化される。
【0066】
高速流体輸送は、ループ化房6により画定されるボイド10を経由しウェブ1に入る流体の能力により、更に増加すると考えられる。この「横への進入」能力、及び/又は毛管現象、及び/又はウェブ1の構造により提供された親水性勾配により、ウェブ1は使い捨て吸収性物品に最適な流体処理用の理想的な材料となる。特に、多層ウェブ1は流体処理特徴の点で更に大きな向上を提供し得る。
【0067】
図10は、その構成要素の1つとしての本発明のウェブ1を有する生理用ナプキンを部分的切欠平面図で示す。一般に、生理用ナプキン200は、バックシート202と、トップシート206と、トップシート206とバックシート202との間に配置された吸収性コア204とを具備し、これらトップシート206及びバックシート202は、周辺部210の周囲で接合され得る。生理用ナプキン1は、生理用ナプキン1のユーザーのパンティーの股領域の側面を包むように設計された「ウィング」208と共通して言われる側面伸長部を有し得る。その身体面表面として使用するトップシートを含む生理用ナプキンは、当該技術分野において周知であり、様々な代替設計及び任意設計についての詳細な説明を必要としない。生理用ナプキンに加えて、ウェブ1は、おむつ若しくは成人用失禁製品若しくは他の使い捨て衛生用製品内でもまた使用され得る。しかしながら、ウェブ1が、バックシート、コア材料、トップシート、二次トップシート、又はウイング材料の1以上として、又は構成要素として、使用できることに留意する。ウェブ1は、多層も有し、トップシート、二次トップシート、コア、バックシート、又は層のいずれの部材をも含み得る。
【0068】
ウェブ1は特に、生理用ナプキン200のトップシート206として有用である。ウェブ1は、優れた流体捕捉と吸収性コア204への分配との組合せ、並びに使用中のトップシート206の身体面表面への再湿潤の優れた防御により、生理用ナプキンのためのトップシート206として特に有益である。再湿潤は、少なくとも2つの原因の結果であり得る:(1)生理用ナプキン200上への圧力による、吸収された流体からの圧搾及び/又は(2)トップシート206内又は上に捕獲された湿潤。両特性の好ましいトップシート206において、流体捕捉及び流体保持は最大化され、再湿潤は最小化される。換言すると、好ましくはトップシートは高率の流体捕捉及び低度の再湿潤を示す。
【0069】
トップシート206は、不織布第一前駆体ウェブ20及び流体浸透不可能ポリエチレンフィルム第二前駆体ウェブ21を使用することにより作製できる。構成要素ウェブの坪量は、変化し得るが、一般に費用及び利益の考慮により、約20gsm〜約80gsmの全坪量が、ウェブ1には望ましい。身体に面する側である第一側面3及び下にある吸収性コアと流体連通の第二側面5を伴うウェブ1を含むトップシート206を有する生理用ナプキンが使用される時、流体は、ウェブ1の第一側面3上の房6により取り入れられ、第二前駆体ウェブ21を通じて、次に吸収性コア204に脱着され得るウェブ1の第二側面5に、吸上され得る。房6が別個であり、離れて間が開けられ、流体不浸透第二前駆体ウェブ21により分離されているので、再湿潤は最小化され得る。あるいは、ウェブ1は、流体連通側である第一側面3及び身体に面する側である第二側面5とともに使用され得る。これは、不連続部16が、潜在的に流体が房6内へ又は房6を通じて輸送されることを許容することを可能にする。
【0070】
本発明の生理用ナプキンにおいて、トップシート206は、それに半固体ローション組成物を加えた。ローション組成物は、ユーザーに皮膚利益を提供する、ワセリンを含むローションのような、任意の周知のローションであり得る。好ましい実施形態において、ローションは、その上、清潔な身体利益をユーザーに提供する。即ち、ローションは、好ましくは身体に塗られ、経血を毛髪及び皮膚を含む身体に粘着しにくくする。好ましくは、従って、ローションは、疎水性であり、毛髪及び皮膚を疎水性にする。
【0071】
ローションは、ローションを不織布ウェブに加えるための、当該技術分野において既知の任意の方法で、加えることができる。ローションは、房6の先端(即ち、遠位端)に加えることができる。ローションを先端に適用することが、着用者の皮膚への効率的な輸送を可能にすることが見出された。理論に拘束されないが、房が、歩行などの動作の間、ローションを身体上に塗りつける小さなブラシとして作用すると考えられる。
【0072】
本発明のローションは、米国特許第5,968,025号、同6,627,787号、同6,498,284号、同6,426,444号、同6,586,652号、同3,489,148号、同6,503,526号、同6,287,581号、同6,475,197号、同6,506,394号、同6,503,524号、同6,626,961号、同6,149,934号、同6,515,029号、同6,534,074号、同6,149,932号、WO第2000038747号、又はEP−A第927,050号に開示されたものを含み得る。
【0073】
ローション処理に加え、トップシート206(又はそれらの部分)は、それを十分に疎水性にするために、他の材料又は組成物で処理可能である。例えば、トップシートは、シリコーン処理、低表面エネルギー処理、フッ素化炭化水素処理で処理できる。一般に、比較的疎水性は、水で少なくとも約70度、好ましくは少なくとも約90度の接触角を有する材料又は組成物を意味する。一般に、低表面エネルギーは、約2〜約6Pa(1平方センチメートル当り20〜約60ダイン)、好ましくは約2〜5Pa(1平方センチメートル当り20〜約50ダイン)、最も好ましくは約2〜4Pa(1平方センチメートル当り20〜40ダイン)を意味する。
【0074】
好ましい実施形態において、ウェブ1は、高容量及び高吸収性コア204と連結するトップシート206として使用される。一般に、好ましい吸収性コアは、米国特許第5,445,777号又は同5,607,414号に開示される型の風成コアである。好ましい実施形態において、吸収性コア204は、米国特許第5,550,167号、同5,387,207号、同5,352,711号、及び同5,331,015号に開示されたもののような、高内相エマルションフォームと一般に言われる型である。好ましい実施形態において、吸収性コア204は、30cmで脱着後、その自由吸収能力の約10%未満の能力、約3〜約20cmの毛管吸収圧力約8〜約25cmの毛管脱着圧力、封圧のもとで測定された時の約5〜約85%の圧縮たわみに対する抵抗性、及び約4〜125グラム/グラムの自由吸収能力を有する。これらのパラメータのそれぞれは、1996年8月27日にデスマライスで発行された米国特許第5,550,167号で述べたように決定できる。開示されたような風成又は高内相エマルションフォームコアを使用する一つの利点は、吸収性コアを極めて薄く作製可能であることである。例えば、本発明の吸収性コアは、約20mm未満の、好ましくは10mm未満の平均キャリパー(厚さ)を有し得、厚さは、約5mm未満であり得る。
【0075】
本発明のウェブ1及び装置100に関する上記の記述から理解できるように、ウェブ1の多数の様々な構造は、添付した請求の範囲に要求される本発明の範囲から逸脱することなく作製されることができる。例えば、トップシート206は、薬剤、洗浄流体、抗菌溶液、乳化、エマルション、芳香剤、又は界面活性剤で付加的に塗布又は処理できる。同様に、装置100は、ウェブ1の一部分上に房6を形成するためにのみ、又は様々な寸法又は房6の面密度を形成するために、配置され得る。
【0076】
本発明のウェブを製造するために記述されるプロセスの別の利点は、本発明のウェブを他のウェブ製造機器を用いてインラインで、又は使い捨て吸収性物品の製造機器と用いてインラインで製造可能であるということである。更に、本発明のプロセスの前又は後に使用することができる他の固体形成プロセスがあり得る。例えば、ウェブは、本発明に従い処理され、次に、キュロ他の米国特許番号第5,658,639号に記載されるもののような延展プロセスで、穴開けされ得る。あるいは、材料を、米国公開特許2003/028,165A1(キュロ(Curro)ら)に記載されたものなどの様々なプロセスを通して複合体にするか、又は例えば米国特許第5,167,897号(ウェバー(Weber)ら)におけるようにリングロールし、次いで本発明に従って加工処理することができる。従って、結果として生じたウェブは、これら多数の材料変性の組み合わせた効果を示すことができる。
【0077】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、どの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
【0078】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明のウェブの斜視図。
【図2】図1で示されるウェブの一部分の拡大図。
【図3】図2の断面3−3の断面図。
【図4】図3の4−4で示されるウェブの一部分の平面図。
【図5】本発明のウェブを形成する装置の透視図。
【図6】図5に示される装置の一部分の断面図。
【図7】本発明のウェブを形成する装置の一部分の透視図。
【図8】本発明のウェブを形成するための装置の一部分の拡大斜視図。
【図9】本発明のウェブの他の実施形態の一部分の拡大図。
【図10】本発明の生理用ナプキンの部分的切欠平面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理用ナプキンであって、
身体に面する側面を有し、複数個の繊維性材料の別個の房を含むトップシートと
前記トップシートの前記身体に面する側面の少なくとも一部分に適用されたローション組成物と、並びに
前記トップシートと流体連通の吸収性コアであって、約10mm未満の平均厚さ、及びグラム当り約4〜約125グラムの自由吸収能力を有する前記吸収性コアとにより特徴付けられる生理用ナプキン。
【請求項2】
前記トップシートが、不織布ウェブを含む、請求項1に記載の生理用ナプキン。
【請求項3】
前記トップシートが、ポリマーフィルムウェブを含む、請求項1又は2に記載の生理用ナプキン。
【請求項4】
前記トップシートが、不織布ウェブ及びポリマーフィルムウェブを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の生理用ナプキン。
【請求項5】
前記トップシートが、少なくとも2つの前駆体ウェブを含み、及び前記別個の房が、各前記前駆体の繊維を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の生理用ナプキン。
【請求項6】
前記トップシートが、第一前駆体ウェブ及び第二前駆体ウェブを含み、前記第一前駆体ウェブが、不織布ウェブを含み、並びに前記第二前駆体ウェブが、ポリマーフィルムを含み、前記房が、前記不織布ウェブ第一前駆体ウェブからの繊維を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の生理用ナプキン。
【請求項7】
生理用ナプキンであって、
身体に面する側面を有し、センチ平方メートル当り約10〜50個の繊維性材料の別個の房を含むトップシートと、
前記トップシートの前記身体に面する側面の少なくとも一部分に適用される半固体ローション組成物と、並びに
前記トップシートと流体連通の吸収性コアであって、高内相エマルション発泡体であり、約10mm未満の平均厚さを有する前記吸収性コアとにより特徴付けられる生理用ナプキン。
【請求項8】
前記ローションがワセリンを含む、請求項7に記載の生理用ナプキン。
【請求項9】
前記トップシートが、第一前駆体ウェブ及び第二前駆体ウェブを含み、前記前駆体ウェブの少なくとも一方が、前記前駆体ウェブの他方に対して、比較的より疎水性である、請求項7又は8に記載の生理用ナプキン。
【請求項10】
生理用ナプキンであって、
第一前駆体ウェブ及び第二前駆体ウェブを含むトップシートであり、前記前駆体ウェブの少なくとも一方が、前記前駆体ウェブの他方に対して、比較的より疎水性であり、前記トップシートが、前記第一若しくは第二前駆体ウェブからの繊維性材料の別個の房を更に含む、トップシートと、
前記トップシートの少なくとも一部分上に配置されるワセリンを含む半固体疎水性ローションと、
前記トップシートと流体連通の吸収性コアであり、約7mm未満の平均厚さを有する前記吸収性コアと、
前記トップシートと接合するバックシートとで特徴付けられる生理用ナプキン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2008−503323(P2008−503323A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518174(P2007−518174)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/021752
【国際公開番号】WO2006/009996
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】