説明

ロータの検査方法及び検査装置

【課題】各ベーン収容溝の異常を自動的に判定するロータの検査方法及び検査装置を提供する。
【解決手段】複数のベーン収容溝3がロータ1の回転軸の中心から放射状に延びるロータ1の検査方法であって、各ベーン収容溝3に摺動可能に嵌合する複数の検査ゲージ11をロータ1の回転軸方向に移動して各ベーン収容溝3に同時に通し、各検査ゲージ11に働く摺動抵抗を個別に測定してロータ1の異常を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーンポンプに備えられるロータの検査方法及び検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に油圧源として搭載されるベーンポンプは、回転するロータに対して径方向に往復動する複数のベーンを備え、ロータの回転に伴って各ベーンによって仕切られたポンプ室が拡縮することによって作動流体を給排する(特許文献1参照)。
【0003】
ロータは、ベーン収容溝の切削加工時に加工誤差が生じたり、搬送時にベーン収容溝に打痕が生じると、組立工程にてベーンがベーン収容溝に円滑に収まらない可能性がある。また、ベーン収容溝に打痕等が生じると、組立工程にてベーンがベーン収容溝に収まった場合でも、ベーンの摺動不良によってベーンポンプの効率低下を招くことがある。
【0004】
これに対処して、従来、作業者がゲージをベーン収容溝に挿入して、ベーン収容溝が正常に形成されているかどうかを検査していた。
【0005】
また、ロータとケーシング等の隙間を測定するゲージとして、例えば特許文献2に開示されたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−179469号公報
【特許文献2】特開平08−304061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来のロータの検査方法にあっては、ロータに形成される複数(例えば12個)のベーン収容溝に対して、作業者がゲージを逐一挿入する必要があるため、この検査作業に手間がかかるという問題点があった。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、各ベーン収容溝の異常を自動的に判定するロータの検査方法及び検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数のベーン収容溝がロータの回転軸の中心から放射状に延びるロータの検査方法であって、各ベーン収容溝に摺動可能に嵌合する複数の検査ゲージをロータの回転軸方向に移動して各ベーン収容溝に同時に通し、各検査ゲージに働く摺動抵抗を測定してロータの異常を判定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、複数のベーン収容溝がロータの回転軸の中心から放射状に延びるロータの検査装置であって、各ベーン収容溝に摺動可能に嵌合する複数の検査ゲージと、この各検査ゲージをロータの回転軸方向に移動して各ベーン収容溝に同時に通すアクチュエータと、各検査ゲージに働く摺動抵抗を個別に測定するゲージユニットとを備え、この各ゲージユニットの測定値に基づいてロータの異常を判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によると、検査ゲージの摺動抵抗が大きくなっている場合、各ベーン収容溝に加工不良または打痕等の異常が生じているものと自動的に判定することができる。
【0012】
複数の検査ゲージをロータの回転軸方向に移動して各ベーン収容溝に同時に通すことにより、一つのロータを検査するのに要するタクトタイムを削減できる。
【0013】
複数の検査ゲージをロータの回転軸方向に移動することにより、単一のアクチュエータによって各検査ゲージを同時に移動することが可能となり、検査装置の構造を簡素化できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態を示す検査装置の概略平面図。
【図2】同じくゲージユニットの概略側面図及び概略正面図。
【図3】同じく検査装置の動作を示す概略側面図。
【図4】同じく検査ゲージの側面図及び正面図。
【図5】同じくコントローラで実行されるこの制御動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、ベーンポンプに備えられるロータ1の検査装置10の構成を示す概略平面図である。
【0017】
ベーンポンプは、ロータ1に対して径方向に往復動する複数のベーン(図示せず)を備え、ロータ1の回転に伴って各ベーンによって仕切られたポンプ室が拡縮する。ロータ1の回転に伴ってその容積が拡張するポンプ室は、吸込ポート(図示せず)から作動流体を吸込む一方、ロータ1の回転に伴ってその容積が収縮するポンプ室は、吐出ポート(図示せず)から加圧作動流体を吐出する。
【0018】
円柱状のロータ1は、その中心部に駆動軸(図示せず)が嵌合するスプライン穴2が形成され、そのまわりに各ベーンが摺動可能に収まる複数のベーン収容溝3が放射状に形成される。
【0019】
ベーン収容溝3は、ロータ1の回転軸方向に延びるとともに、回転軸の中心から放射状に延び、ロータ1の両側面と外周面に渡って開口する。焼結体として成形されるロータ1は、ベーン収容溝3が切削加工機(図示せず)によって規定寸法に仕上げ加工される。
【0020】
ところで、ロータ1は、ベーン収容溝3の切削加工時に加工誤差が生じたり、搬送時にベーン収容溝3に打痕が生じて、組立工程にてベーンがベーン収容溝3に円滑に収まらない可能性がある。
【0021】
これに対処して、ベーンポンプの製造ラインには、ロータ1の検査装置10を備える検査ライン(図示せず)が設けられ、この検査ラインにて後述するように検査装置10を用いてベーン収容溝3が一定の溝幅を有しているかどうかを検査する検査工程を行われる。ロータ1を形成する加工工程が行われた後、この検査工程で異常がないことが判定されたロータ1のみが次の組立工程に進み、このロータ1にベーンを組み付けてベーンポンプを組み立てる組立工程が行われる。
【0022】
以下、ロータ1の検査装置10の構成について説明する。
【0023】
検査装置10は、ロータ1を支持する治具15と、ロータ1のベーン収容溝3に摺動可能に嵌合する検査ゲージ11と、複数の検査ゲージ11をロータ1の回転軸方向に移動してロータ1のベーン収容溝3に通すアクチュエータ20と、各検査ゲージ11に働く摺動抵抗を個別に測定するゲージユニット30と、この各ゲージユニット30の測定値に基づいてロータ1の異常を判定するコントローラ(図示せず)とを備える。
【0024】
図2の(a)はゲージユニット30を示す概略側面図であり、(b)はゲージユニット30を示す概略正面図である。
【0025】
アクチュエータ20は、電動モータ(図示せず)の動力によって環状のブラケット31をロータ1の回転軸方向に平行移動(昇降)する。
【0026】
ブラケット31はコの字形の断面をし、水平方向に延びる円盤状をした上環部31a及び下環部31bと、垂直方向に延びる円筒状をした外周環部31cとを有する。
【0027】
ゲージユニット30は、ブラケット31に対して検査ゲージ11をロータ1の回転軸方向に移動(昇降)可能に支持するガイドロッド33と、このガイドロッド33に検査ゲージ11を介して働く荷重を検出するロードセル17とを備える。
【0028】
ブラケット31の下環部31bにはこれを貫通する2個のブッシュ32が固定して設けられ、この各ブッシュ32にガイドロッド33がそれぞれ摺動可能に挿入される。各ブッシュ32は、ロータ1の回転軸方向(垂直方向)に延びるように配置され、各ガイドロッド33をロータ1の回転軸方向(垂直方向)に移動(昇降)可能に支持する。
【0029】
2本のガイドロッド33の上部は、荷重受けフレーム34によって連結される。荷重受けフレーム34は、水平方向に延び、各ガイドロッド33と共にロータ1の回転軸方向(垂直方向)に平行移動(昇降)する。
【0030】
ゲージユニット30は、アクチュエータ20の作動によってゲージユニット30が下降するときに、検査ゲージ11のゲージ先端部11aがロータ1のベーン収容溝3に挿入されたかどうかを検出するゲージ先端部挿入検出手段を備える。このゲージ先端部挿入検出手段として、ブラケット31には荷重受けフレーム34の移動を検出する光電センサ18が設けられる。この光電センサ18は、荷重受けフレーム34が図3の(a)に示すように下位置にある場合にONになり、荷重受けフレーム34が図3の(b)に示すように下位置から所定距離だけ移動(上昇)するとOFFになる。光電センサ18のON・OFF信号はコントローラに入力される。
【0031】
ロードセル17は、ブラケット31の上環部31aの下面に取り付けられる。図3の(c)に示すように、ガイドロッド33がブッシュ32に対して摺動し、荷重受けフレーム34が所定距離だけ移動(上昇)すると、荷重受けフレーム34がロードセル17に当接する。ロードセル17は、荷重受けフレーム34から付与される荷重に応じた信号をコントローラに出力する。
【0032】
ゲージユニット30は、アクチュエータ20に対して検査ゲージ11を相対変位可能に支持するフローティング機構40を備える。これにより、ロータ1のベーン収容溝3の位置に若干の誤差があっても、フローティング機構40を介してベーン収容溝3に対する検査ゲージ11のズレが修正される。
【0033】
このフローティング機構40は、ガイドロッド33の下端部に連結されるガイドブロック36を備え、このガイドブロック36に検査ゲージ11を摺動可能に嵌合させるガイド溝37が形成される。ガイドブロック36には、検査ゲージ11の先端(下端)を着座させるガイドシート38と、検査ゲージ11の基端(上端)に係合して検査ゲージ11の抜け止めをするガイドストッパ39とが取り付けられる。
【0034】
ガイド溝37は、ロータ1のベーン収容溝3の延長方向に延びるように配置され、ガイドブロック36が下降するのに伴ってガイド溝37に嵌合した検査ゲージ11がロータ1のベーン収容溝3に挿通するようになっている。
【0035】
ガイド溝37は、検査ゲージ11を所定のハメアイスキマをもって嵌合させる。これにより、検査ゲージ11はガイドロッド33に対して若干の相対変位が許容される。
【0036】
図4の(a)は検査ゲージ11の側面図であり、(b)は検査ゲージ11の正面図である。検査ゲージ11は所定の板厚Aを有する平板状に形成される。検査ゲージ11は、先細となるゲージ先端部11aを有する。このゲージ先端部11aの板厚Bは板厚Aより小さく形成される。
【0037】
検査ゲージ11の板厚Aは、ロータ1のベーン収容溝3の溝幅Cより若干小さく形成されるとともに、ベーンの板厚Dより若干大きく形成される。すなわち、D<A<Cの寸法関係に設定される。
【0038】
ロータ1の回転軸方向について、検査ゲージ11のの長さは、ベーン収容溝3の長さと同等に形成される。
【0039】
なお、これに限らず、検査ゲージ11のの長さを、ベーン収容溝3の長さの例えば半分程度と、短く形成してもよい。
【0040】
コントローラは、アクチュエータ20を作動させてゲージユニット30を所定の低速度V1で所定のストロークE1だけ下降させ、光電センサ18の信号に基づいて検査ゲージ11のゲージ先端部11aがベーン収容溝3に挿入されたことを判定する。ここでゲージ先端部11aがベーン収容溝3に挿入されたことが判定された場合、ゲージユニット30を所定の高速度V2でさらに所定のストロークE2だけ下降させ、ロードセル17によって検出される荷重Fが所定値F1を超えるかどうかを判定する。ここで、検出される荷重Fが所定値F1より小さい場合にロータ1が正常であるものとし、ロードセル17によって検出される荷重Fが所定値F1を超える場合にロータ1に異常があるものとし、この判定結果を知らせるようになっている。
【0041】
コントローラで実行されるこの制御動作を図5のフローチャートにしたがって説明する。
【0042】
まず、ステップ1にて検査されるロータ1が治具15を介して検査装置10にセットされたかどうかことを判定する。
【0043】
ここで、検査装置10にセットされたことが判定された場合、ステップ2に進んで、アクチュエータ20を作動させてゲージユニット30を所定の低速度V1で所定のストロークE1だけ下降させる。
【0044】
続くステップ3にて、光電センサ18のON・OFF信号を判定する。
【0045】
ここで、光電センサ18の信号がOFFであると判定した場合、ステップ7に進んでロータ1に異常があることを知らせる。光電センサ18の信号がOFFである場合、荷重受けフレーム34が図3の(b)に示すように下位置から離れて、検査ゲージ11のゲージ先端部11aがベーン収容溝3に挿入されていないものとみなされる。
【0046】
一方、光電センサ18の信号がONであると判定した場合、検査ゲージ11のゲージ先端部11aがベーン収容溝3に挿入されているものとみなして、ステップ4に進んで、アクチュエータ20を作動させてゲージユニット30を所定の高速度V2でさらに所定のストロークE2だけ下降させる。
【0047】
続くステップ5にて、ロードセル17によって検出される荷重Fが所定値F1を超えるかどうかを判定する。
【0048】
ここで、ロードセル17によって検出される荷重Fが所定値F1を超える場合にロータ1のベーン収容溝3に加工不良または打痕等が生じて検査ゲージ11の摺動抵抗が大きくなっているものとし、ステップ7に進んでロータ1に異常があることを知らせる。
【0049】
一方、検出される荷重Fが所定値F1より小さい場合にロータ1が正常であるものとし、ステップ6に進んでロータ1が正常であることを知らせる。
【0050】
図1に示すように、ロータ1は12個のベーン収容溝3を有するのに対して、検査装置10は6枚の検査ゲージ11を有し、検査ゲージ11をベーン収容溝3の一つおきに同時に挿入するようになっている。検査ゲージ11をベーン収容溝3の一つおきに挿入される配置によって、隣り合う各検査ゲージ11毎に設けられるゲージユニット30どうしの間隔が確保され、これらが互いに干渉することを回避している。
【0051】
検査ライン(図示せず)には2台の検査装置10が設けられ、各検査装置10がロータ1の半数の各ベーン収容溝3を交互に検査するようになっている。これにより、一つのロータ1を検査するのに要するタクトタイムが半減される。
【0052】
なお、これに限らず、ロータ1に形成されるベーン収容溝3の個数が少ない場合、あるいはロータ1の外径が大きくベーン収容溝3どうしの間隔が大きい場合に、検査装置10はベーン収容溝3と同数の検査ゲージ11を備え、検査ゲージ11を全てのベーン収容溝3に同時に挿入するように構成してもよい。
【0053】
以上のように本実施の形態は、複数のベーン収容溝3がロータ1の回転軸の中心から放射状に延びるロータ1の検査方法であって、各ベーン収容溝3に摺動可能に嵌合する複数の検査ゲージ11をロータ1の回転軸方向に移動して各ベーン収容溝3に同時に通し、各検査ゲージ11に働く摺動抵抗を測定してロータ1の異常を判定することを特徴とする。
【0054】
また、本実施の形態は、複数のベーン収容溝3がロータ1の回転軸の中心から放射状に延びるロータ1の検査装置であって、各ベーン収容溝3に摺動可能に嵌合する複数の検査ゲージ11と、この各検査ゲージ11をロータ1の回転軸方向に移動して各ベーン収容溝3に同時に通すアクチュエータ20と、各検査ゲージ11に働く摺動抵抗を個別に測定するゲージユニット30とを備え、この各ゲージユニット30の測定値に基づいてロータ1の異常を判定することを特徴とする。
【0055】
これにより、検査ゲージ11の摺動抵抗が大きくなっている場合、各ベーン収容溝3に加工不良または打痕等の異常が生じているものと自動的に判定し、省力化がはかれる。
【0056】
複数の検査ゲージ11をロータ1の回転軸方向に移動して各ベーン収容溝3に同時に通すことにより、一つのロータ1を検査するのに要するタクトタイムを削減できる。
【0057】
複数の検査ゲージ11をロータ1の回転軸方向に移動することにより、単一のアクチュエータ20によって各検査ゲージ11を同時に移動することが可能となり、検査装置の構造を簡素化できる。
【0058】
これに対して、複数の検査ゲージ11をロータ1の回転径方向に移動して各ベーン収容溝3に同時に通す構成とした場合、複数のアクチュエータを設ける必要があり、検査装置の構造が複雑化する。
【0059】
本実施の形態では、ゲージユニット30は、アクチュエータ20に対して検査ゲージ11を相対変位可能に支持するフローティング機構40を備えることを特徴とする。
【0060】
上記構成に基づき、ロータ1のベーン収容溝3の位置に若干のズレがあっても、フローティング機構40を介してベーン収容溝3に対する検査ゲージ11の位置が修正され、検査ゲージ11がベーン収容溝3に円滑に通され、ベーン収容溝3に加工不良または打痕等の異常が生じているかどうかを的確に判定することができる。
【0061】
本実施の形態では、ゲージユニット30は、アクチュエータ20によって移動するブラケット31と、このブラケット31に対して検査ゲージ11をロータ1の回転軸方向に移動可能に支持するガイドロッド33と、このガイドロッド33に検査ゲージ11を介して働く荷重を検出するロードセル17と、検査ゲージ11のゲージ先端部11aがロータ1のベーン収容溝3に挿入されたかどうかを検出するゲージ先端部挿入検出手段(光電センサ18)とを備える構成とした。
【0062】
上記構成に基づき、例えばベーン収容溝3の形状や位置に大きなズレがある場合、ゲージ先端部挿入検出手段(光電センサ18)によって検査ゲージ11のゲージ先端部11aがロータ1のベーン収容溝3に挿入されないことが検出されるため、その時点でアクチュエータ20の作動を停止することにより、検査ゲージ11とロータ1とが衝突して、これらが損傷することを防止できる。
【0063】
本実施の形態では、検査ゲージ11は、先細となるゲージ先端部11aを有する構成とした。
【0064】
上記構成に基づき、ロータ1のベーン収容溝3の位置に若干のズレがあっても、先細となるゲージ先端部11aがベーン収容溝3に円滑に挿入され、ベーン収容溝3に対する検査ゲージ11の位置が修正される。これにより、検査ゲージ11がベーン収容溝3に円滑に通され、ベーン収容溝3に加工不良または打痕等の異常が生じているかどうかを的確に判定することができる。
【0065】
なお、ブラケット31、ガイドロッド33は、垂直方向に移動する構成に限らず、例えば水平方向に移動する配置としてもよい。その場合、例えばスプリングの付勢力によって検査ゲージ11がベーン収容溝3に挿入される構成する必要がある。
【0066】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【符号の説明】
【0067】
1 ロータ
3 ベーン収容溝
10 検査装置
11 検査ゲージ
11a ゲージ先端部
15 治具
17 ロードセル
18 光電センサ
20 アクチュエータ
30 ゲージユニット
31 ブラケット
32 ブッシュ
33 ガイドロッド
34 荷重受けフレーム
36 ガイドブロック
37 ガイド溝
40 フローティング機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のベーン収容溝がロータの回転軸の中心から放射状に延びるロータの検査方法であって、
前記各ベーン収容溝に摺動可能に嵌合する複数の検査ゲージを前記ロータの回転軸方向に移動して前記各ベーン収容溝に同時に通し、
前記各検査ゲージに働く摺動抵抗を測定して前記ロータの異常を判定することを特徴とするロータの検査方法。
【請求項2】
複数のベーン収容溝がロータの回転軸の中心から放射状に延びるロータの検査装置であって、
前記各ベーン収容溝に摺動可能に嵌合する複数の検査ゲージと、
この各検査ゲージを前記ロータの回転軸方向に移動して前記各ベーン収容溝に同時に通すアクチュエータと、
前記各検査ゲージに働く摺動抵抗を個別に測定するゲージユニットとを備え、
この各ゲージユニットの測定値に基づいて前記ロータの異常を判定することを特徴とするロータの検査装置。
【請求項3】
前記ゲージユニットは、前記アクチュエータに対して検査ゲージを相対変位可能に支持するフローティング機構を備えることを特徴とする請求項2に記載のロータの検査装置。
【請求項4】
前記ゲージユニットは、
前記アクチュエータによって移動するブラケットと、
このブラケットに対して前記検査ゲージを前記ロータの回転軸方向に移動可能に支持するガイドロッドと、
このガイドロッドに前記検査ゲージを介して働く荷重を検出するロードセルと、
前記検査ゲージのゲージ先端部が前記ベーン収容溝に挿入されたかどうかを検出するゲージ先端部挿入検出手段とを備えたことを特徴とする請求項2または3に記載のロータの検査装置。
【請求項5】
前記検査ゲージは、先細となるゲージ先端部を有したことを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載のロータの検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−237012(P2010−237012A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84857(P2009−84857)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【Fターム(参考)】