説明

ロータハブの製造方法

【課題】高精度を維持しつつ、切粉の削減、コストダウン、及び作業効率の向上を図ることができるロータハブの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】有頂円筒形状の筒部とディスク載置面が形成されたフランジ部とを有するロータハブの製造方法において、被加工材50をチャッキングして軸線O´回りに回転させながら、被加工材50の端面にマンドレル61を押し付けることで筒部の内孔となる凹孔51を成形し、且つ被加工材50の外周面にローラ62を当接させつつローラ62を軸方向に沿って移動させることで被加工材50の端部を径方向外側に突出させてフランジ部となる凸リブ52を成形すると共に、筒部の外周面となる周壁面53を成形するフローフォーミング工程と、被加工材50をチャッキングしたまま軸線回りに回転させながら、凸リブ52の表面に刃具64を当接させることでディスク載置面を形成する切削工程と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータハブの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のロータハブの製造方法として、例えば下記特許文献1に示されているような製造方法がある。詳しく説明すると、まず、被加工材をチャッキングし、その被加工材からワーク材を切り出す工程を行う。このワーク材は、最終形状に近い形状に粗加工されたものであり、その概略構成としては、有頂円筒形状の筒部と、その筒部の開口縁部から径方向外側に向かって突出したフランジ部と、を備えている。そして、上記したワーク材の切り出し工程の後、ワーク材の筒部の外周面をチャッキングしてフランジ部の外周面及び下面並びに筒部の内孔を切削して仕上げる一次仕上げ加工工程を行う。次に、フランジ部の外周面をチャッキングして筒部の外周面及び頂壁上面並びにフランジ部の上面(ディスク載置面)を切削して仕上げる二次仕上げ加工工程を行う(例えば下記特許文献1の段落[0020]及び図13参照。)。
【0003】
また、ワーク材の切り出し工程の後、先に、フランジ部の外周面をチャッキングして筒部の外周面及び頂壁上面並びにフランジ部の上面を仕上げ、その後、筒部の外周面をチャッキングしてフランジ部の外周面及び下面並びに筒部の内孔を仕上げる方法もある(例えば下記特許文献1の段落[0021]及び図14参照。)。
【0004】
また、筒部の頂壁の下面に円筒部が垂設された構成では、フランジ部の外周面をチャッキングする代わりに円筒部の外周面をチャッキングして筒部の外周面及び頂壁上面並びにフランジ部の上面を仕上げる方法もある。これにより、チャッキング時の歪みを抑制することができる(例えば下記特許文献1の段落[0024]及び図6参照。)。
【0005】
さらに、上記したワーク材の切り出し工程工の際、ワーク材が被加工材から切り離されないように筒部の頂壁を被加工材に繋げた状態にしておく方法もある。これにより、ワーク材をチャッキングすることなくフランジ部の外周面及び下面並びに筒部の内孔を仕上げることが可能である(例えば下記特許文献1の段落[0026]及び図7参照。)。
【0006】
また、被加工材からワーク材を切り出すのではなく、鍛造によってワーク材を成形する方法もある。すなわち、まず、鍛造によってワーク材を成形し、その後、ワーク材の筒部の外周面をチャッキングしてフランジ部の外周面及び下面並びに筒部の内孔を仕上げ、その後、フランジ部の外周面をチャッキングしてフランジ部の上面及び筒部の外周面及び頂壁の上面を仕上げる。或いは、鍛造によってワーク材を成形した後、ワーク材のフランジ部の外周面をチャッキングして筒部の外周面及び頂壁上面並びにフランジ部の上面を仕上げ、その後、筒部の外周面をチャッキングしてフランジ部の外周面及び下面並びに筒部の内孔を仕上げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−35367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、被加工材からワーク材を切り出す従来の技術では、ワーク材の切り出し工程の際に切粉が多量に発生するという問題があり、また、材料費が嵩むという問題もある。
また、切削加工によって被加工材からワーク材を切り出すと、完成したロータハブの鍛流線(メタルフロー)が軸方向に沿って真直ぐに延在するため、筒部とフランジ部との間で不連続なメタルフローとなる。このため、所望の強度を得るためにフランジ部を厚くする必要があり、コストアップとなる。
【0009】
また、鍛造によってワーク材を成形する従来の技術では、仕上げ加工を行うためにワーク材のチャッキングを2回行う必要があるので、作業工数が多くて煩雑であるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、切粉の発生量を削減することができ、また、材料費を低減させると共に強度を向上させて薄肉化することでコストダウンを図ることができ、さらに、作業工数を削減して作業効率を向上させることができるロータハブの製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るロータハブの製造方法は、ディスク中央の孔に嵌着可能な有頂円筒形状の筒部と、該筒部の開口縁部から径方向外側に向かって突出し、前記ディスクを載置可能なディスク載置面が形成されたフランジ部と、を有するロータハブの製造方法において、被加工材をチャッキングして軸線回りに回転させながら、該被加工材の軸方向一方側の端面にマンドレルを押し付けることで、前記被加工材の軸方向一方側の端面に、前記筒部の内孔となる凹孔を成形し、且つ前記被加工材の径方向外側の外周面に回転自在なローラを当接させつつ該ローラを前記被加工材に対して相対的に該被加工材の軸方向に沿って移動させることで、前記被加工材の軸方向一方側の端部を径方向外側に突出させて前記フランジ部となる凸リブを成形すると共に前記筒部の外周面となる周壁面を成形するフローフォーミング工程と、前記被加工材をチャッキングしたまま軸線回りに回転させながら、前記凸リブの軸方向他方側の表面に刃具を当接させることで、前記凸リブの軸方向他方側の表面を切削して前記ディスク載置面を形成する切削工程と、を備えることを特徴としている。
【0012】
このような特徴により、フローフォーミング工程によってロータハブの粗成形が行われてロータハブの大まかな形状が成形され、その後、切削工程によってディスク載置面が形成される。前記したフローフォーミング工程は、被加工材を塑性変形させることで所定形状に成形する加工方法であり、切粉が発生せず、また、被加工材の大きさも最小限に抑えられる。また、フローフォーミング工程によって粗成形されたロータハブは、メタルフローが筒部からフランジ部にかけて連続するため、筒部とフランジ部とが連結部分の強度が高くなる。また、加工精度の高い切削加工によってディスク載置面が形成されるため、高精度なディスク載置面が得られる。さらに、フローフォーミング工程から切削加工にかけてチャッキングし直す必要がなく、ワンチャックで行うことが可能である。
【0013】
また、本発明に係るロータハブの製造方法は、前記凹孔の内側に前記マンドレルを挿入したまま前記切削工程を行うことが好ましい。
これにより、凹孔にマンドレルが挿入されていることで、被加工材の軸方向一方側の端部の剛性が上昇するため、切削工程を行う際に被加工材(ワーク)が歪みにくくなり、切削精度を向上させることができる。
【0014】
また、本発明に係るロータハブの製造方法は、前記切削工程の際、前記周壁面及び前記凸リブの外周面のうちの少なくとも一方にも前記刃部を当接させて切削することで、前記筒部及び前記フランジ部のうちの少なくとも一方の外周面を仕上げることが好ましい。
これにより、作業工数を増加させることなく、ロータハブの真円度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るロータハブの製造方法によれば、フローフォーミング工程でロータハブの粗成形が行われてロータハブの大まかな形状が成形され、その後、切削工程でディスク載置面を形成するため、ディスク載置面の精度を確保しつつ切粉の発生量を削減することができ、また、材料費を削減させることができる。また、メタルフローが筒部からフランジ部にかけて連続しており、筒部とフランジ部との連結部分が高強度となるため、ローラハブを薄肉化することが可能であり、コストダウンを図ることができる。さらに、ワンチャックで製造することができるので、作業工数を削減することができ、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態を説明するためのロータハブを備えたスピンドルモータの断面図である。
【図2】本発明の実施の形態を説明するための被加工材のセット状態を表した断面図である。
【図3】本発明の実施の形態を説明するためのフローフォーミング工程を表した断面図である。
【図4】本発明の実施の形態を説明するための切削工程を表した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るロータハブの製造方法の実施の形態について、図面に基いて説明する。
【0018】
まず、ロータハブ1の構成について説明する。
図1に示すロータハブ1は、アウターロータ式のスピンドルモータ100を構成するカップ状の回転子であり、その概略構成としては、有頂円筒形状の筒部2と、筒部2の開口縁部21から径方向外側に向かって突出したフランジ部3と、を備えている。
なお、図1に示す一点鎖線Oは、ロータハブ1の回転中心線であり、以下「軸線O」と記す。また、軸線Oに沿った方向を「軸方向」とし、軸線Oに直交する方向を「径方向」とし、軸線O回りの方向を「周方向」とする。さらに、本実施の形態では、筒部2の頂壁部20側(図1における上側)を「上」とし、筒部2の開口縁部21側(図1における上側)を「下」とする。
【0019】
上記したスピンドルモータ100は、ロータハブ1の他に、円筒形状の立上り筒部11が立設されたベース10と、立上り筒部11の内側に嵌合された円筒形状のスリーブ12と、スリーブ12内に軸回転可能に挿嵌されたシャフト13と、立上り筒部11の外周に配設されたステータ14と、ロータハブ1の筒部2の内周面に取り付けられた永久磁石15と、を備えている。シャフト13は、ロータハブ1の筒部2の頂壁部20の中央部分に垂設されており、軸線Oを共通軸にしてロータハブ1と同軸上に配設されている。そして、ロータハブ1は、前記シャフト13を介して軸線O回りに回転自在に支持されている。
ステータ14は、固定子にコイルが巻かれた構成からなり、複数のステータ14は、周方向に沿って並設されている。そして、これら複数のステータ14の外周側に前記した永久磁石15が配設されている。
【0020】
ここで、ロータハブ1の構成について詳しく説明すると、筒部2は、ディスクDの中央の孔D1に嵌着可能なディスク嵌着部である。この筒部2は、平面視略円形の頂壁部20の外縁から円筒形状の周壁部22が垂下され、その周壁部22の下端に開口縁部21が形成された構成からなる。フランジ部3は、ディスクDの孔D1の縁部が載置されるディスク載置部であり、筒部2の開口縁部21に沿って全周に亘って平面視円環状に形成されている。フランジ部3の上面には、全周にディスクDの孔D1の縁部が載置されるディスク載置面30が形成されている。
【0021】
次に、上記した構成からなるロータハブ1の製造方法について説明する。
【0022】
まず、図2に示すように、丸棒状(円柱形状)の被加工材50を用意する。この被加工材50は、上記した図1に示すロータハブ1の素材となる金属材料であり、例えばステンレス鋼などからなる。被加工材50の直径は、図1に示すロータハブ1の筒部2の直径に応じて適宜設定され、被加工材50の長さは、少なくともチャッキングできる程度の長さがあればよい。
なお、図2に示す一点鎖線O´は、被加工材50の中心軸線を示しており、この被加工材50の中心軸線O´と上記した図1に示すロータハブ1の軸線Oとは同一線上になる。なお、中心軸線O´に沿った方向を「軸方向」とし、中心軸線O´に直交する方向を「径方向」とする。
【0023】
そして、上記した被加工材50を図示せぬ旋盤にセットする。具体的に説明すると、図示せぬ旋盤には、チャック60と、フローフォーミング用のマンドレル61及びローラ62と、切削加工用の刃具64(図4に示す)と、が備えられている。そして、前記したチャック60で被加工材50をチャッキングすると共に、被加工材50の軸方向一方側(図2における右側)の端面(先端面)にマンドレル61をセットし、さらに、被加工材50の外周面にローラ62をセットする。
【0024】
チャック60は、被加工材50の外周面を把持する把持機構であり、図示せぬ回転機構によって中心軸線O´回りに回転可能な構成となっている。このチャック60にチャッキングされた被加工材50は、チャック60の先端から所定長さだけ突出させた状態で保持されており、チャック60が図示せぬ回転機構によって回転することによって中心軸線O´回りに回転する。
【0025】
マンドレル61は、被加工材50の先端面に図3に示す凹孔51を成形するための芯金であり、被加工材50よりも小径の丸棒状の部材である。このマンドレル61は、被加工材50の中心軸線O´の延長線上に延設されており、その先端面を被加工材50の先端面に当接させた状態でセットされる。また、マンドレル61は、図示せぬ回転機構によって中心軸線O´回りに回転可能な構成となっている。なお、マンドレル61の回転方向は、上記したチャック60(被加工材50)の回転方向と同方向であっても逆方向であってもよい。また、マンドレル61は、図示せぬ移動機構によって軸方向に往復移動可能な構成となっている。
【0026】
ローラ62は、被加工材50の先端部に図3に示す凸リブ52を成形すると共に被加工材50の周壁面53を所定形状に成形するための成形ローラであり、アーム63の先端に回転自在に取り付けられている。このローラ62は、被加工材50の外周に配設され、その外周面を被加工材50の外周面に当接させた状態でセットされる。また、ローラ62は、図示せぬ移動機構によって軸方向に沿って往復移動可能な構成となっている。なお、図示せぬ移動機構によってローラ62とチャック60(被加工材50)とが相対的に往復移動する構成であればよく、ローラ62が移動せずにチャック60(被加工材50)が移動する構成であってもよく、或いは、ローラ62及びチャック60(被加工材50)がそれぞれ移動する構成であってもよい。
【0027】
次に、図3に示すように、被加工材50の先端面に凹孔51を成形し、且つ、被加工材50の先端部に凸リブ52を成形すると共に被加工材50の外周面に所定形状の周壁面53を成形するフローフォーミング工程を行う。
【0028】
詳しく説明すると、まず、図示せぬ回転機構によってチャック60を中心軸線O´回りに回転させることで、被加工材50を中心軸線O´回りに軸回転させる。続いて、被加工材50を軸回転させた状態で、マンドレル61を図示せぬ移動機構によって被加工材50側(軸方向他方側)に付勢し、マンドレル61の先端を被加工材50の先端面に押し付ける。これにより、被加工材50が塑性変形しながらマンドレル61が被加工材50に押し込まれ、被加工材50の先端面に凹孔51が成形される。この凹孔51は、ロータハブ1の筒部2の内孔となる孔部であり、筒部2の内孔の大まかな形状に形成されている。
【0029】
また、上述したように被加工材50を軸回転させた状態で、被加工材50の外周面に当接して回転するローラ62を図示せぬ移動機構によって軸方向に沿って先端側(軸方向一方側)に向かって移動させる。これにより、被加工材50の外周面がローラ62によってこそげるように塑性変形する。その結果、被加工材50の先端部が全周に亘って径方向外側に突出し、被加工材50の先端に円環状の環状の凸リブ52が成形されると共に、被加工材50の外周面に真円状の周壁面53が成形される。前記した凸リブ52は、ロータハブ1のフランジ部3となる突出部であり、フランジ部3の大まかな形状に形成される。周壁面53は、筒部2の外周面となる周壁面であり、軸方向に沿って直筒状に形成される。
【0030】
次に、図4に示すように、フローフォーミング加工された被加工材50の表面を切削加工によって仕上げる切削工程を行う。
詳しく説明すると、フローフォーミング工程に続けて被加工材50を中心軸線O´回りに回転させつつ、被加工材50の凹孔51にマンドレル61を挿入したままの状態で、前記した周壁面53、凸リブ52の軸方向他方側(図4における左側)の表面、及び凸リブ52の外周面に刃具64を順次当接させる。これにより、周壁面53が切削されて筒部2の外周面が形成され、また、凸リブ52の軸方向他方側の表面が切削されてフランジ部3のディスク載置面30が形成され、さらに、環状の凸リブ52の外周面が切削されてフランジ部3の外周面が形成される。
なお、凹孔51の内面にも刃具を当てて、凹孔51の内面を切削して筒部2の内孔を仕上げてもよい。
【0031】
次に、筒部2の頂面位置において被加工材50を径方向に切断する切断工程を行う。これにより、上述したフローフォーミング加工及び切削加工が施された部分(ローラハブ1)が分離され、ロータハブ1が完成する。
【0032】
上記したロータハブ1の製造方法によれば、フローフォーミング工程でロータハブの1粗成形が行われてロータハブ1の大まかな形状が成形され、その後、切削工程でディスク載置面30等を形成するため、ディスク載置面30の精度を確保しつつ切粉の発生量を削減することができ、また、材料費を低減させることができる。
【0033】
また、フローフォーミング工程によって粗成形されたロータハブ1は、メタルフローが筒部2からフランジ部3にかけて連続するため、筒部2とフランジ部3とが連結部分の強度が高くなる。これにより、ローラハブ1を薄肉化することが可能であり、コストダウンを図ることができる。
【0034】
また、フローフォーミング工程から切削加工にかけてチャッキングし直す必要がなく、ワンチャックで製造することができるので、作業工数を削減することができ、作業効率を向上させることができる。
【0035】
また、フローフォーミング工程によって形成された凹孔51の内側にマンドレル61を挿入したまま切削工程を行うため、切削工程時における被加工材50の先端部の剛性が上昇する。これにより、切削工程を行う際に被加工材50が歪みにくくなり、切削精度を向上させることができる。
【0036】
また、切削工程の際、ディスク載置面30だけでなく、筒部2の外周面及びフランジ部3の外周面も仕上げるため、作業工数を増加させることなく、ロータハブ1の真円度を向上させることができる。
【0037】
以上、本発明に係るロータハブの製造方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、凹孔51にマンドレル61を挿入したまま切削工程を行っているが、本発明は、切削工程を行う前にマンドレル61を凹孔51から引き抜いてもよい。
【0038】
また、上記した実施の形態では、切削工程の際に、被加工材50の周壁面53及び凸リブ52の外周面を切削して筒部2の外周面及びフランジ部3の外周面をそれぞれ仕上げているが、本発明は、フローフォーミング工程によって所望の真円度が確保されている場合、筒部2やフランジ部3の外周面を切削で仕上げる必要はない。
【0039】
また、上記した実施の形態では、アウターロータ式のスピンドルモータ100に用いられるロータハブ1について説明しているが、本発明は、インナーロータ式のスピンドルモータに用いられるロータハブであってもよい。
また、上記した実施の形態では、筒部2が直筒状に形成されているが、本発明は、筒部がテーパー筒状に形成されていてもよい。
また、上記した実施の形態では、凸リブ52(フランジ部3)が全周に亘って連続して円環状に形成されているが、本発明は、円環状の凸リブやフランジ部に限定されない。例えば、筒部の開口縁部に沿って複数の凸リブ(フランジ部)が周方向に間欠的に並設された構成であってもよく、或いは、平面視C状に形成された凸リブ(フランジ部)であってもよい。
【0040】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 ロータハブ
2 筒部
3 フランジ部
21 開口縁部
30 ディスク載置面
50 被加工材
51 凹孔
52 凸リブ
53 周壁面
61 マンドレル
62 ローラ
64 刃具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク中央の孔に嵌着可能な有頂円筒形状の筒部と、該筒部の開口縁部から径方向外側に向かって突出し、前記ディスクを載置可能なディスク載置面が形成されたフランジ部と、を有するロータハブの製造方法において、
被加工材をチャッキングして軸線回りに回転させながら、該被加工材の軸方向一方側の端面にマンドレルを押し付けることで、前記被加工材の軸方向一方側の端面に、前記筒部の内孔となる凹孔を成形し、且つ前記被加工材の径方向外側の外周面に回転自在なローラを当接させつつ該ローラを前記被加工材に対して相対的に該被加工材の軸方向に沿って移動させることで、前記被加工材の軸方向一方側の端部を径方向外側に突出させて前記フランジ部となる凸リブを成形すると共に前記筒部の外周面となる周壁面を成形するフローフォーミング工程と、
前記被加工材をチャッキングしたまま軸線回りに回転させながら、前記凸リブの軸方向他方側の表面に刃具を当接させることで、前記凸リブの軸方向他方側の表面を切削して前記ディスク載置面を形成する切削工程と、
を備えることを特徴とするロータハブの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のロータハブの製造方法において、
前記凹孔の内側に前記マンドレルを挿入したまま前記切削工程を行うことを特徴とするロータハブの製造方法。
【請求項3】
請求項1または2記載のロータハブの製造方法において、
前記切削工程の際、前記周壁面及び前記凸リブの外周面のうちの少なくとも一方にも前記刃部を当接させて切削することで、前記筒部及び前記フランジ部のうちの少なくとも一方の外周面を仕上げることを特徴とするロータハブの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−187672(P2012−187672A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53956(P2011−53956)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】