説明

ロール巻フィルムの切断方法及び刃型

【課題】 搬送ロールによって連続的に繰り出されるフィルムを、一定寸法、かつ、一定位置でシート状に切断するにあり、切断時の位置決めをするための位置決めマークを形成する際に切り込みカスなどが生じるなどの不具合を有効に回避する。
【解決手段】 連続的に繰り出されるロール巻きされたフィルム1に、位置決めマーク3を形成する特殊加工を施し、これによって、フィルム1の搬送方向に対して垂直又はほぼ垂直に、位置決めマーク3としての直線状の切り込み溝を形成した後に、位置決めマーク3を読み取って位置決めし、フィルム1の目的の位置を切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール巻フィルムの切断方法及び刃型に関し、詳しくは、搬送ロールによって連続的に繰り出されるロール巻きされた単層フィルム、積層フィルム、又は各フィルム層間に樹脂などを塗布・硬化した積層フィルムを、一定寸法、かつ、一定位置で、シート状に切断するロール巻フィルムの切断方法、及びそのような方法において、切断時の位置決めをするための位置決めマークを形成するのに好適な刃型に関する。
【背景技術】
【0002】
搬送ロールにより連続的に繰り出されるロール巻きされた単層フィルム、積層フィルム、又は各フィルム層間に樹脂等を塗布・硬化した積層フィルムを、一定寸法、かつ、一定位置で、シート状に切断する際の切断位置決め方法としては、例えば、以下に示す方法がある。
【0003】
(1)図6に示すように、シート切断を実施する前加工として、フィルム101の端縁に、一定寸法で切り込み103aをつけることでマーク加工し、シート切断前にセンサなどで上記マークを検知し、切断位置を決めて切断する方法(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
(2)図7に示すように、シート切断を実施する前加工として、フィルム101の全面の一部に、一定寸法で切抜き穴103bを穿設することでマーク加工し、シート切断前にセンサなどで上記マークを検知し、切断位置を決めて切断する方法(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
(3)図8に示すように、フィルム101にハーフカット加工などを施した後、例えば、3層構造の積層フィルムであれば、製品として必要のない1層又は2層を剥離し、ハーフカット部の端部形状(境界)103cをマークとしてセンサなどで検知し、切断位置を決めて切断する方法(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
いずれの方式においても、連続的に繰り出されるロール巻きされたフィルムをシート状に切断する際には、シート状に切断する前に、打ち抜き加工や、フィルム剥離といった方法を用いて、位置決めのためのマークを形成している。
【0007】
【特許文献1】特開平10−264092号公報
【特許文献2】特開平11−123879号公報
【特許文献3】特開平08−143017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これらの従来技術では、切断位置を決めるための切り込みを設ける際に発生する切り込みカスを回収するために、回収用の粘着フィルム等が幅資材として必要となり、また、ロール巻きされた積層フィルムの一部を剥離する際に、剥離不良や異物の発生により品質低下・歩留低下の原因となるといった問題点がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、搬送ロールによって連続的に繰り出される単層フィルム、積層フィルム、又は積層フィルム間に樹脂などを塗布・硬化した積層フィルムを、一定寸法、かつ、一定位置でシート状に切断する際の切断位置決め方法として有効であり、切断時の位置決めをするための位置決めマークを形成する際に切り込みカスなどが生じずに、切込みカスなどの回収のための回収用の粘着フィルムなどの幅資材を必要とせず、また、積層フィルムの一部を剥離する際に、剥離不良や異物の発生による品質低下・歩留低下の影響も少ないロール巻フィルムの切断方法、及びそのような方法において、切断時の位置決めをするための位置決めマークを形成するのに好適な刃型の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るロール巻フィルムの切断方法は、搬送ロールによって連続的に繰り出されるロール巻フィルムの切断方法であって、前記フィルムに、搬送方向に対して垂直又はほぼ垂直に直線状の切り込み溝を形成するとともに、前記直線状の切り込み溝を位置決めマークとして読み取って、位置決めし、前記フィルムの目的の位置を切断する方法としてある。
【0011】
このような方法とした本発明に係るロール巻フィルムの切断方法は、搬送ロールによって連続的に繰り出される単層フィルム、積層フィルム、又は積層フィルム間に樹脂などを塗布・硬化した積層フィルムを、一定寸法、かつ、一定位置でシート状に切断する際の切断位置決め方法として有効である。そして、本発明によれば、位置決めマークを形成する際に切り込みカスなどが生じないため、切込みカスなどの回収のための回収用の粘着フィルムなどの幅資材を必要とせず、また、積層フィルムの一部を剥離する際に、剥離不良や異物の発生による品質低下・歩留低下の影響を少なくしたシート切断が実施できる。
【0012】
また、本発明に係るロール巻フィルムの切断方法は、特に、搬送ロールによって連続的に繰り出される上記フィルムに対し、ロータリ(回転)動作又は上下クランク動作によるハーフカット加工などの加工を施した後に切断する際の切断位置決め方法として有効であり、前記フィルムを切断するに先立って、前記フィルムにハーフカット加工を施す工程を含み、かつ、前記位置決めマークとしての直線状切り込み溝を、前記フィルムにハーフカット加工を施すのと同時に形成する方法とすることができる。
【0013】
また、本発明に係るロール巻フィルムの切断方法は、前記位置決めマークとしての直線状切り込み溝を、刃型によって形成する方法としてもよく、前記刃型が、高さの異なる二種の刃を有し、前記位置決めマークとしての直線状切り込み溝を、前記刃型の高さの低い方の刃により形成する方法としてもよい。
【0014】
また、本発明に係るロール巻フィルムの切断方法は、高さの異なる二種の刃を有する刃型を用いて、位置決めマークとしての直線状切り込み溝の形成と、ハーフカット加工とを同時に行い、位置決めマークとしての直線状切り込み溝を、前記刃型の高さの低い方の刃により形成し、ハーフカット加工を、前記刃型の高さの高い方の刃により実施する方法としてもよい。
【0015】
また、本発明に係るロール巻フィルムの切断方法は、高さの異なる二種の刃を有する刃型において、高さの低い方の刃が、高い方の刃に対して93%未満の高さとなるようにすることが好ましい。
【0016】
また、本発明に係るロール巻フィルムの切断方法は、前記位置決めマークとしての直線状切り込み溝の幅が、0.4〜1mmであるのが好ましく、前記位置決めマークの読み取りを、透過型又は反射型のレーザセンサを用いて行うのが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る刃型は、搬送ロールによって連続的に繰り出されるロール巻フィルムをシート状に切断するにあたり、切断時の位置決めをするための位置決めマークが前記フィルムに形成されるようにした刃型であって、高さの異なる二種の刃を有し、高さの低い方の刃が、高い方の刃に対して93%未満の高さとなるようにするとともに、前記位置決めマークが、前記高さの低い方の刃により形成される構成としてある。
【0018】
このような構成とした本発明に係る刃型は、上記したようなロール巻フィルムの切断方法において、切断時の位置決めをするための位置決めマークをフィルムに形成するのに好適な刃型として利用することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、搬送ロールによって連続的に繰り出される単層フィルム、積層フィルム、又は各フィルム層間に樹脂などを塗布・硬化した積層フィルムを、一定寸法、かつ、一定位置でシート状に切断することができる。そして、切断時の位置決めをするための位置決めマークを形成する際には、切り込みカスなどが生じないため、切込みカスなどの回収のための回収用の粘着フィルムなどの幅資材を必要とせず、また、積層フィルムの一部を剥離する際に、剥離不良や異物の発生による品質低下・歩留低下の影響を少なくしたシート切断が実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係るロール巻フィルムの切断方法について、その実施形態の概略を示す説明図である。
【0021】
図1に示す例において、ロール巻きされたフィルム1は、搬送ロール10によって連続的に繰り出されて、刃型20によりハーフカット加工が施される。このとき、フィルム1には、位置決めマーク3を形成する特殊加工が施され、これによって、フィルム1の搬送方向に対して垂直又はほぼ垂直に、図2に示すような位置決めマーク3としての直線状の切り込み溝が形成される。次いで、この切り込み溝を位置決めマーク3としてセンサ30で読み取って、位置決めし、シャーカッティング装置40で目的の位置を切断する。このようにすることで、ロール巻きされたフィルム1は、連続的に繰り出されながらシート状に切断されて、搬送コンベア50により搬送される。
【0022】
ここで、図2は、フィルム1にハーフカット加工を施す際に、ハーフカット線2とともに形成される位置決めマーク3の例を示すフィルム1の概略平面図であり、図3は、フィルム1の基本構成の例を示す概略断面図である。図3には、フィルム1として、三層構造のフィルムの例を示すが、フィルム1は、三層構造のものには制限されない。二層以上の多層構造とするほか、単層構造であってもよい。フィルム1は、単層フィルム、積層フィルム、又は各フィルム層間に樹脂などを塗布・硬化した積層フィルムとすることができる。
【0023】
フィルム1にハーフカット加工を施すのに使用する刃型20としては、腐食刃型、彫刻刃型、トムソン刃型など、この種の加工に使用可能な種々の刃型を挙げることができる。このような刃型20の材質に特に制限はないが、品種切り替え、刃型製作の容易さを考慮すると、いわゆるステンレス(SUS)系やダイス鋼(SDK)といった材質であることが好ましい。
【0024】
図示する例では、マグネットシリンダーに腐食刃を装着するなどして構成された円筒状の刃型20のロータリ(回転)動作で、フィルム1にハーフカット加工を施している。ハーフカット方式としては、図示するようなロータリ(回転)動作によるもののほか、刃型20を平板状のものに置き換えて、上下クランク動作によってハーフカット加工を実施する方式のものであってもよい。
【0025】
いずれにしても、図4及び図5に示すように、刃型20の一部に、押付け用の刃形状を特殊加工部22として形成することで、その押付跡により位置決めマーク3としての直線状の切り込み溝を形成することができればよい。フィルム1に対して特殊加工を施す特殊加工部22を形成する位置は、ハーフカット加工によるハーフカット線2の形成に影響がなければ、刃型20中の任意の位置で差し支えない。
ここで、図4は、ロータリ(回転)方式でハーフカット加工を実施するに際し、円筒状に形成される刃型20の一例を示す展開図であり、図5は、図4のA−A断面図である。
【0026】
フィルム1に対して、切断時の位置決めをするための位置決めマーク3を形成する特殊加工を施すために、刃型20に形成される特殊加工部22の刃高さH22は、ハーフカット加工を実施するハーフカット部21の刃高さH21よりも低いことが好ましい。特に、特殊加工部22の刃高さH22は、ハーフカット部21の刃高さH21の93%未満であることが好ましい。
特殊加工部22の刃高さH22が、ハーフカット部21の刃高さH21の93%以上となると、フィルム1への特殊加工部22の押付け負荷が大きくなってしまう傾向がある。フィルム1への特殊加工部22の押付け負荷が大きいと、フィルム1の変形、シワ、さらには、ハーフカット部分の寸法ばらつきや、製品形状のばらつきなどの不具合を生じる原因となり、さらには、適正な位置決めマークの形成が困難になることから、センサ30による位置決めマークの読み取りに誤動作が発生するおそれがある。
さらに、位置決めマーク3を形成する特殊加工部22の刃高さH22は、少なくともフィルム1の総厚みよりも、その刃の進入深さが小さくなるようにするのが好ましい。
【0027】
また、フィルム1の搬送方向に対して垂直又はほぼ垂直に位置決めマーク3を形成する特殊加工部22の先端幅Wは、特殊加工部22の押付跡により形成される位置決めマーク3としての直線状の切り込み溝の幅が、0.4mm〜1mmとなるように、上記切り込み溝の幅に応じて設定することが好ましい。
【0028】
上記切り込み溝の幅が0.4mmに満たないと、位置決めマーク3の形成が不十分となり、センサ30によって位置決めマーク3を読み取る際に、十分な反応出力を得ることが困難となり、切断位置のズレなどが発生する傾向がある。一方、1mmを超えるような幅で上記切り込み溝を形成しようとして、特殊加工部22の先端幅Wをそれに応じたものとすると、位置決めマーク3を形成する際に、フィルム1への特殊加工部22の押付け負荷が大きくなってしまう傾向がある。フィルム1への特殊加工部22の押付け負荷が大きいと、フィルム1の変形、シワ、さらには、ハーフカット部分の寸法ばらつきや、製品形状のばらつきなどの不具合を生じる原因となってしまうため好ましくない。
なお、上記切り込み溝の幅は、特殊加工部22の先端幅Wと極端に異なるものではなく、両者の幅はほぼ等しい関係にある。
【0029】
また、特殊加工部22の刃の先端長さLに関しては、位置決めマーク3を読み取るセンサ30の能力を考慮して、少なくとも2mm以上とすることが好ましい。特殊加工部22の刃の先端長さLの最大長さに制限はないが、少なくとも搬送されるフィルム1の幅よりも小さいことが好ましい。
【0030】
位置決めマーク3を読み取るセンサ30としては、一般的なレーザセンサを採用することで対応可能である。例えば、透過式レーザセンサや、反射式レーザセンサなどを採用することができる。透過式レーザセンサを採用する場合には、レーザ光のスポット径が極力小さいものが好ましい。また、反射式レーザセンサを採用する場合には、フィルム1を挟んでセンサ30の発信機側と正反対側となる位置に、ミラー又は光正反射フィルムなどを設置し、発信機側からのレーザ光を全反射出来るような反射板を設置することが好ましい。
【0031】
以上のようにして、フィルム1の全面の一部に、一定寸法、かつ、一定位置で、位置決めマーク3を形成した後、センサ30をシャーカッティング装置40の手前に配置することにより、ロール巻きされたフィルム1を一定寸法、かつ、一定位置でシート状に切断することができる。
【0032】
このように、本発明は、搬送ロールによって連続的に繰り出される単層フィルム、積層フィルム、又は積層フィルム間に樹脂などを塗布・硬化した積層フィルムを、一定寸法、かつ、一定位置でシート状に切断する際の切断位置決め方法、特に、搬送ロールによって連続的に繰り出される上記フィルムに対し、ロータリ(回転)動作又は上下クランク動作によるハーフカット加工などの加工を施した後に切断する際の切断位置決め方法として有効である。そして、本発明によれば、位置決めマークを形成する際には切り込みカスなどは生じないため、切込みカスなどの回収のための回収用の粘着フィルムなどの幅資材を必要とせず、また、積層フィルムの一部を剥離する際に、剥離不良や異物の発生による品質低下・歩留低下の影響を少なくしたシート切断が実施できる。
【実施例】
【0033】
以下、実施例1〜5により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらに制限されるものではない。
【0034】
[実施例1]
図1に示す実施形態において、刃型20として腐食刃を用い、この刃型20に形成されたハーフカット部21の刃高さH21を550μmとした。また、位置決めマーク3の押付跡をフィルム1に形成するための特殊加工部22の刃高さH22を495μm、先端幅Wを0.5mm、先端長さLを10mmとした。
そして、腐食刃からなる刃型20をマグネットシリンダーに装着して、ロータリ(回転)動作でハーフカット加工が実施されるようにして、フィルム1には、図2に示す例のように、ハーフカット線2とともに、位置決めマーク3として直線状の切り込み溝が、搬送方向に対して垂直又はほぼ垂直に形成されるようにした。
【0035】
フィルム1としては、三層構造の積層フィルムを用い、その構成は、図3に示すように、腐食刃の進入する側から厚み40μmの第一層1a、厚み70μmの第二層1b、厚み50μmの第三層1cとした。
また、位置決めマーク3の形成位置を読み取るセンサ30としては、透過型レーザセンサ(キーエンス株式会社製:LV−S71)を用いた。
【0036】
フィルム1の繰り出し速度を15m/分に設定し、位置決めマーク3をセンサ30で読み取って、位置決めし、シャーカッティング装置40でフィルム1をシート状に切断してサンプルを得た。得られたサンプルの切断寸法、切断位置をノギスにて測定して評価し、その結果を実施例2〜5とともに表1に示す。
【0037】
[実施例2]
フィルム1に位置決めマーク3の押付跡を形成するための刃型20の特殊加工部22の先端幅Wを0.4mmとした以外は、実施例1と同様にした。
【0038】
[実施例3]
フィルム1に位置決めマーク3の押付跡を形成するための刃型20の特殊加工部22の刃高さH22を485μmにした以外は、実施例1と同様にした。
【0039】
[実施例4]
フィルム1に位置決めマーク3の押付跡を形成するための刃型20の特殊加工部22の先端幅Wを0.3mmとした以外は、実施例1と同様にした。
【0040】
[実施例5]
フィルム1に位置決めマーク3の押付跡を形成するための刃型20の特殊加工部22の刃高さH22を505μmにした以外は、実施例1と同様にした。
【0041】
【表1】

【0042】
表1に示されるように、本発明は、搬送ロールによって連続的に繰り出される単層フィルム、積層フィルム、又は積層フィルム間に樹脂などを塗布・硬化した積層フィルムを、一定寸法、かつ、一定位置でシート状に切断する際の切断位置決め方法、特に、搬送ロールによって連続的に繰り出される上記フィルムに対し、ロータリ(回転)動作又は上下クランク動作によるハーフカット加工などの加工を施した後に切断する際の切断位置決め方法として有効である。そして、位置決めマークを形成する際には切り込みカスなどは生じないため、切込みカスなどの回収のための回収用の粘着フィルムなどの幅資材を必要とせず、また、積層フィルムの一部を剥離する際に、剥離不良や異物の発生による品質低下・歩留低下の影響を少なくしたシート切断が実施できることが明らかである。
【0043】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0044】
例えば、前述した実施形態では、フィルム1にハーフカット加工を施すのと同時に、位置決めマーク3としての直線状切り込み溝が形成される例を示したが、このとき、フィルム1に施す加工は、ハーフカット加工に限らず、抜き加工などの他の加工手段を適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、ロール巻フィルムの切断方法を提供するとともに、そのような方法において、切断時の位置決めをするための位置決めマークを形成するのに好適な刃型を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るロール巻フィルムの切断方法について、その実施形態の概略を示す説明図である。
【図2】位置決めマークの例を示すフィルムの概略平面図である。
【図3】フィルムの基本構成の例を示す概略断面図である。
【図4】刃型(腐食刃型)の例を示す展開図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】従来例を示すフィルムの概略平面図である。
【図7】従来例を示すフィルムの概略平面図である。
【図8】従来例を示すフィルムの概略平面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 フィルム
2 ハーフカット線
3 位置決めマーク
10 搬送ロール
20 刃型
21 ハーフカット部
22 特殊加工部
30 センサ
H21 ハーフカット部の刃高さ
H22 特殊加工部の刃高さ
W 特殊加工部の先端幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送ロールによって連続的に繰り出されるロール巻フィルムの切断方法であって、
前記フィルムに、搬送方向に対して垂直又はほぼ垂直に直線状の切り込み溝を形成するとともに、
前記直線状の切り込み溝を位置決めマークとして読み取って、位置決めし、前記フィルムの目的の位置を切断することを特徴とするロール巻フィルムの切断方法。
【請求項2】
前記フィルムを切断するに先立って、前記フィルムにハーフカット加工を施す工程を含み、かつ、前記位置決めマークとしての直線状切り込み溝を、前記フィルムにハーフカット加工を施すのと同時に形成する請求項1に記載のロール巻フィルムの切断方法。
【請求項3】
前記位置決めマークとしての直線状切り込み溝を、刃型によって形成する請求項1又は2記載のロール巻フィルムの切断方法。
【請求項4】
前記刃型が、高さの異なる二種の刃を有し、
前記位置決めマークとしての直線状切り込み溝を、前記刃型の高さの低い方の刃により形成する請求項3に記載のロール巻フィルムの切断方法。
【請求項5】
高さの異なる二種の刃を有する刃型を用いて、位置決めマークとしての直線状切り込み溝の形成と、ハーフカット加工とを同時に行い、
位置決めマークとしての直線状切り込み溝を、前記刃型の高さの低い方の刃により形成し、
ハーフカット加工を、前記刃型の高さの高い方の刃により実施する請求項2記載のロール巻フィルムの切断方法。
【請求項6】
高さの異なる二種の刃を有する刃型において、高さの低い方の刃が、高い方の刃に対して93%未満の高さとなるようにした請求項4又は5のいずれか1項に記載のロール巻フィルムの切断方法。
【請求項7】
前記位置決めマークとしての直線状切り込み溝の幅が、0.4〜1mmである請求項1〜6のいずれか1項に記載のロール巻フィルムの切断方法。
【請求項8】
前記位置決めマークの読み取りを、透過型又は反射型のレーザセンサを用いて行う請求項1〜7のいずれか1項に記載のロール巻フィルムの切断方法。
【請求項9】
搬送ロールによって連続的に繰り出されるロール巻フィルムをシート状に切断するにあたり、切断時の位置決めをするための位置決めマークが前記フィルムに形成されるようにした刃型であって、
高さの異なる二種の刃を有し、高さの低い方の刃が、高い方の刃に対して93%未満の高さとなるようにするとともに、
前記位置決めマークが、前記高さの低い方の刃により形成されることを特徴とする刃型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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