ワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造
【課題】両端のパネル固定部の間に蛇腹筒部を備えたワイヤハーネス用のグロメットにおいて該グロメットの蛇腹筒部の長さを車種に応じて所要長さに調節できるようにする。
【解決手段】蛇腹筒部の長さ方向の中間部に、長さ方向の両端に一対の係止用山部を設けた長さ調節部を設ける一方、前記蛇腹筒部に取り付けるクリップを備え、該クリップは、一端をヒンジ部で連結すると共に他端にロック結合部を設けた一対の半円環部を備え、前記一対の半円環部の長さ方向の両側内面にそれぞれ一対の突起を形成しており、前記蛇腹筒部の長さ調節部を伸縮させて前記係止用山部の側面に前記クリップの突起を位置させ、前記蛇腹筒部の全長を調節して保持可能としている。
【解決手段】蛇腹筒部の長さ方向の中間部に、長さ方向の両端に一対の係止用山部を設けた長さ調節部を設ける一方、前記蛇腹筒部に取り付けるクリップを備え、該クリップは、一端をヒンジ部で連結すると共に他端にロック結合部を設けた一対の半円環部を備え、前記一対の半円環部の長さ方向の両側内面にそれぞれ一対の突起を形成しており、前記蛇腹筒部の長さ調節部を伸縮させて前記係止用山部の側面に前記クリップの突起を位置させ、前記蛇腹筒部の全長を調節して保持可能としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造に関し、詳しくは、グロメットの両端固定部の間に設ける蛇腹筒部の長さを調節可能とし、両端の固定部間の寸法が相違しても共用で用いることができるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のトランクルームの蓋(トランクリッド)やバックドア等の車体に回転自在に軸着したパネルに配索するワイヤハーネスは、前記蓋やドアのパネルに穿設した貫通穴からワイヤハーネスの車体連続側を引き出して車体パネルへと架け渡し、車体パネルに配索したワイヤハーネスとコネクタ接続している場合が多い。
前記ワイヤハーネスの車体パネル架け渡し部分は外部に露出するため、ワイヤハーネスの保護と見栄え向上を図るために、蛇腹筒部を備えたゴムまたはエラストマーからなるグロメットで外装している。
前記グロメットは両端にパネルに穿設した貫通穴に嵌合する固定部を設け、両側の固定部に挟まれた部分を蛇腹筒部とし、前記蓋やドアの開閉作動に応じて追従して屈曲できるようにしている。
【0003】
また、この種のグロメットとして、特開2008−17676号公報において、図11(A)(B)に示すグロメット100が提供されている。該グロメット100は、蛇腹筒部101の両側に固定部102、103を設け、一方の固定部102に延長部分105を突設し、この延長部分105にスリット106を設け、グロメット100内に通すワイヤハーネス120の一部分を延長部分105内に移動可能とすると共にスリット106から引き出している。該グロメット100の車体への組み付けは、一方の固定部103を車体パネルの貫通穴に係止した後に、蛇腹筒部101を収縮状態として他方の固定部102を回転側の他方のパネルの係止穴に係止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−17676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記図11に示すグロメットでは、蛇腹筒部の両側に設ける固定部の間の寸法が一定であっても、車体への取り付け時に蛇腹筒部の伸縮の程度を変えることで共用することは可能である。
しかしながら、グロメットを車体に組みつける時の蛇腹筒部の収縮の程度および組みつけ後の伸縮の程度が安定的でない。かつ、トランクリッドの蓋が閉鎖された通常状態やドアが閉鎖された状態で蛇腹筒部が原状より収縮された状態であると、復元力が常時働くため、常に一定の形状を保持することができない。
よって、グロメット両端の固定部間の寸法が相違、その間の蛇腹筒部の長さが相違する場合に、前記図11に示すグロメットを用いることは不適である。
【0006】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、両端の固定部の間に設ける蛇腹筒部の長さを一定としながら、該蛇腹筒部の長さ寸法を多段階で短縮および伸長できるようにして、グロメットの共用化を図ることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、環状の山部と谷部を長さ方向に交互に設けた蛇腹筒部と、該蛇腹筒部の長さ方向の両端にパネルの貫通穴に挿入係止するパネル固定部を設けたゴムまたはエラストマーからなるワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造であって、
前記蛇腹筒部の長さ方向の中間部に、長さ方向の両端に一対の係止用山部を設けた長さ調節部を設ける一方、
前記蛇腹筒部に取り付けるクリップを備え、該クリップは、一端をヒンジ部で連結すると共に他端にロック結合部を設けた一対の半円環部を備え、前記一対の半円環部の長さ方向の両側内面にそれぞれ突起を形成しており、
前記蛇腹筒部の長さ調節部を伸縮させて前記係止用山部の側面に前記クリップの突起を位置させ、前記蛇腹筒部の全長を調節して保持可能としているワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造を提供している。
【0008】
前記クリップの一対の半円環部の長さ方向の両側内面に設ける前記突起は一対の外側突起と内側突起からなる係止用突起であり、
該クリップの外側突起の外面の外側位置、該外側突起と内側突起に挟まれた中間位置、該内側突起の内面の内側位置のうちの少なくとも2つの位置に、前記蛇腹筒部の長さ調節部を伸縮させて前記係止用山部を配置させ、前記蛇腹筒部の全長を調節して保持可能としている。
【0009】
前記のように、クリップの両側にそれぞれ外側突起と内側突起を設けると、グロメットの蛇腹筒部の長さ調節部の両側に設けた一対の係止用山部の両方を前記クリップの外側突起の外面の外側位置に配置した状態で長さ調節部の長さは最大となりグロメットの長さも最大となる。
また、一対の係止用山部の両方を前記クリップの外側突起と内側突起に挟まれた中間位置に配置した状態で長さ調節部の長さは中間長さとなる。
また、一対の係止用山部の両方を前記クリップの内側突起の内面に配置した状態で長さ調節部の長さは最小長さとなる。
【0010】
このように、前記基本3パターンで長さ調節ができ、さらに、一方の係止用山部の配置位置と他方の係止用山部の配置位置を相違させることで、全部で9通りの長さ調節が可能となる。
例えば、一対の係止用山部の一方を内側突起の内面に、他方の係止用山部を他方の外側突起の外面に配置すると前記中間長さと同様の長さとなり、かつ、クリップを挟む一方側を長く、他方側を短くすることができる。
【0011】
また、前記長さ調節部の両端に設ける一対の係止用山部は前記蛇腹筒部の山部より大径で且つ該山部と同一幅とすることが好ましい。なお、蛇腹筒部の山部の外径と同一としてもよい。
【0012】
前記クリップはグロメットの蛇腹筒部の車体パネルへの取付用で、該クリップの一方の半円環部の外面よりフック片を突設していることが好ましい。
トランクリッドの蓋と車体パネルとの間に架け渡すワイヤハーネスに外装するグロメットは、蓋と車体パネルとの間にグロメットが噛み込むことがないように、グロメットの長さ方向の中間部の蛇腹筒部をクリップを介して車体パネルで保持する場合がある。
【0013】
前記蛇腹筒部の前記一対の係止用山部に挟まれた長さ調節部に複数の山部と谷部を小ピッチで連続して設け、該ピッチは長さ調節部以外のピッチより小さくしていることが好ましい。
【0014】
前記長さ調節部のピッチは3mm〜4mmとし、他の部分のピッチの1/2〜2/3とすることが好ましい。
このように、伸縮部分のピッチを小さくすると、蛇腹筒部の全長、さらに、グロメットの全長の寸法を微調節することができる。
【0015】
本発明は、前記グロメットのパネル固定部の一方を車体パネルの貫通穴に挿入係止し、パネル固定部の他方をトランクリッドのパネルまたはドアパネルの貫通穴に挿入係止する場合に好適に用いられる。
【発明の効果】
【0016】
前記のように、本発明では、車体パネルに架け渡すワイヤハーネスに外装するグロメットの蛇腹筒部を車体に保持するクリップを利用し、該クリップに設けた係止用突起に対して蛇腹筒部に設けた長さ調節部の両側の一対の係止用山部の配置位置を選択するだけで蛇腹筒部の長さ、ひいてはグロメット全長を容易に調節することができる。
よって、車種に応じて蛇腹筒部の長さを相違させる必要がある場合においても、グロメットの共用化を図ることができ、その結果、グロメットを安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態のグロメットとクリップの分解斜視図である。
【図2】前記グロメットにクリップを取り付けた状態の平面図である。
【図3】グロメットの長さ調節部の拡大図である。
【図4】クリップの拡大展開図である。
【図5】グロメットへのクリップの取り付け方法を示す斜視図である。
【図6】(A)(B)(C)はグロメットに対するクリップの係止位置を示す図面である。
【図7】(A)はグロメットに対するクリップの係止位置を長さ方向で変えた状態を示す図面、(B)は(A)の係止位置での蛇腹筒部の長さ関係を示す図面である。
【図8】第2実施形態のグロメットを示す平面図である。
【図9】(A)(B)(C)は第2実施形態のグロメットにクリップを取り付けた状態を示す平面図である。
【図10】(A)(B)は第3実施形態のクリップをグロメットに取り付けた状態を示す平面図である。
【図11】(A)(B)は従来例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図7に第1実施形態を示す。
本発明のグロメット1は自動車のトランクリッド(以下、蓋と称す)に配索するワイヤハーネス2の車体パネルへの架け渡し部分に外装するものであり、ゴムまたはエラストマーで成形している。
【0019】
グロメット1は、環状の山部3aと谷部3bを長さ方向に交互に設けた蛇腹筒部3と、該蛇腹筒部3の長さ方向の両端にパネルの貫通穴に挿入係止するパネル固定部4、5を設けている。パネル固定部4、5は蛇腹筒部3の端部の先端側に突設した拡径筒部の外周面に車体係止凹部4a、5aを設けた形状で、パネル固定部4は車体パネルの貫通穴へ挿入係止するものとし、パネル固定部5は蓋パネルの貫通穴に挿入係止するものとしている。
【0020】
グロメット1の蛇腹筒部3の長さ方向の中間部に複数の山部10aと谷部10bを小ピッチで連続して設けた長さ調節部10を設け、長さ調節部10の両側に前記山部3aより大径で且つ同一幅とした一対の係止用山部11、12を設けている。
前記係止用山部11と12に挟まれた長さ調節部10の山部10aのピッチは他の領域の蛇腹筒部3の山部3aのピッチの1/2〜2/3程度としている。
【0021】
前記グロメット1に通したワイヤハーネス2を車体と蓋との間に架け渡した後に、該グロメット1の蛇腹筒部3の中間部分に取り付けたクリップ15を車体パネル(被取付部材)に係止して、グロメット1が蓋閉鎖時に蓋と車体との間に噛み込まないようにしている。
【0022】
クリップ15は樹脂成形品からなり、一端をヒンジ部20で連結すると共に他端にロック結合部21、22を設けた一対の半円環部23、24を備えている。一方の半円環部23の外面から車体パネルへの取付部としてL形状のフック25を突設している。
前記一方の半円環部23の長さ方向の両側内面にそれぞれ一対の外側突起23A、23Bと内側突起23Cと23Dからなる係止用突起を突設している。該半円環部23の長さ方向の一方側内面に突設する外側突起23Aと内側突起23Cに挟まれた中間部分に前記係止用山部11の半周部が挿入できる中間隙間C1をあけている。同様に、半円環部23の長さ方向の他方側内面に突設する外側突起23Bと内側突起23Dに挟まれた中間部分に前記係止用山部12の半周部が挿入できる中間隙間C2をあけている。
【0023】
同様に、他方の半円環部24の長さ方向の両側内面にそれぞれ一対の外側突起24A、24Bと内側突起24Cと24Dを突設している。該外側突起24A、24Bは半円環部23の外側突起23A、23Bと対向位置に設け、内側突起24C、24Dは半円環部23の内側突起23C、23Dと対向位置に設けている。
【0024】
半円環部24の長さ方向の一方側内面に突設する外側突起24Aと内側突起24Cに挟まれた中間部分に前記係止用山部11の他半周部が挿入できる中間隙間C3をあけている。同様に、半円環部24の長さ方向の他方側内面に突設する外側突起24Bと内側突起24Dに挟まれた中間部分に前記係止用山部12の他半周部が挿入できる中間隙間C4をあけている。
【0025】
前記クリップ15は、図5に示すように、前記外側突起と内側突起に対してグロメット1の係止用山部11、12を後述する所要位置に配置した後、一対の半円環部23、24をヒンジ部20を支点として円環状に閉じ、ロック結合部21、22を互いにロック結合すると、グロメットの係止用山部11、12を位置決め保持し、蛇腹筒部の長さを調節した状態で固定できるものとしている。
【0026】
即ち、グロメット1の蛇腹筒部3の長さ調節部10を伸縮し、一対の係止用山部11、12を係止させるクリップ15の係止位置を選択して配置できるようにしている。
該クリップ15の選択位置は、外側突起23A、23B、24A、24Bの外面の外側位置P1、該外側突起と内側突起に挟まれた中間隙間C1〜C4の中間位置P2、前記内側突起23C、23D、24C、24Dの内面の内側位置P3の3位置からなる。
【0027】
図6(A)では、グロメット1の長さ調節部10を最も収縮し、両側の係止用山部11、12とも内側位置P3に位置させ、係止用山部11と12間の寸法を最小とし、本実施形態では25mmとしている。
図6(B)では、グロメット1の長さ調節部10は伸縮せずに原状とし、両側の係止用山部11、12とも前記中間隙間C1、C3とC2、C4に嵌合した中間位置P2に位置させ、係止用山部11と12間の寸法を本実施形態では35mmとしている。
図6(C)では、グロメット1の長さ調節部10を最も伸長し、両側の係止用山部11、12とも外側位置P1に位置させ、係止用山部11と12間の寸法を最大とし、本実施形態では47mmとしている。
【0028】
前記図6(A)(B)(C)を基本3パターンとすると、係止用山部11、12をそれぞれ外側位置P1、中間位置P2、内側位置P3のいずれかに選択配置することで、9通りのパターンで長さ調節が可能となる。
【0029】
前記9通りのパターンには、クリップ15による固定位置からパネル固定部4またはパネル固定部5までの寸法を調節するために、図7(A)に示すように、係止用山部12を内側位置P3、係止用山部11を外側位置P1とする場合も含まれる。該構成とすると、クリップ15からパネル固定部4までの寸法を短く、パネル固定部5までの寸法を長くすることができる。
また、蛇腹筒部3の長さ調節部10の調整した長さは、クリップ15の係止突起23A〜23D、24A〜24Dで位置決め保持できるため、調節後の蛇腹筒部3の長さを安定させることができ、かつ、通常の閉じ状態で蛇腹筒部に復元力を作用させないため、常に一定の形状を保持できる。
【0030】
図8および図9に第2実施形態を示す。
第2実施形態では、蛇腹筒部に設ける長さ調節部10の両端の一対の係止用山部11−1、12ー1は他の山部と同径とし、第1実施形態のように大径としていない。該両端の係止用山部11−1、12−1に挟まれた山部の外径も他の山部の外径と同等としているが、山部のピッチは第1実施形態と同様に他の部分よりも小さいピッチとしている。
一方、クリップ15は第1実施形態と同一の形状としている。
【0031】
このように、長さ調節部10の両端の係止用山部11−1、12−1の外径を拡大しなくとも、図9に示すように、クリップ15の係止用突起の外側突起23A、23B、24A、24B、内側突起23C、23D、24C、24Dを係止用山部11−1、12−1の側面に位置させることで、長さ調節部10を長さ調節保持することができる。
【0032】
図10に第3実施形態を示す。
第3実施形態では、クリップ15の各半円環部の両側に設ける係止用突起はそれぞれ各1個の係止用突起50としている。
グロメットの蛇腹筒部に第1実施形態と同様な長さ調節部10を設け、その両端に大径とした係止用山部11、12を設けている。
【0033】
図10(A)に示すように、クリップ15の係止用突起50の内面側に係止用山部11、12を配置する場合と、係止用突起50の外面側に係止用山部11、12を配置する場合とで長さを調節することができる。
【0034】
本発明は前記実施形態に限定されず、グロメットの蛇腹筒部に設ける長さ調節部の両側に一対の係止用山部を設ければよく、この係止用山部に挟まれた部分の山部のピッチを必ずしも小ピッチにする必要はない。同一ピッチであっても収縮すると長さを短くすることができる。
【0035】
また、前記クリップは車体パネルに取り付けるものとしているが、グロメットを車体パネルで保持しない場合には、蛇腹筒部の長さ調節用のみとして取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 グロメット
2 ワイヤハーネス
3 蛇腹筒部
4、5 パネル固定部
10 長さ調節部
11、12 係止用山部
15 クリップ
23、24 半円環部
23A、23B、24A、24B 外側突起
23C、23D、24C、24D 内側突起
C1〜C4 中間隙間
P1 外側位置
P2 中間位置
P3 内側位置
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造に関し、詳しくは、グロメットの両端固定部の間に設ける蛇腹筒部の長さを調節可能とし、両端の固定部間の寸法が相違しても共用で用いることができるようにするものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のトランクルームの蓋(トランクリッド)やバックドア等の車体に回転自在に軸着したパネルに配索するワイヤハーネスは、前記蓋やドアのパネルに穿設した貫通穴からワイヤハーネスの車体連続側を引き出して車体パネルへと架け渡し、車体パネルに配索したワイヤハーネスとコネクタ接続している場合が多い。
前記ワイヤハーネスの車体パネル架け渡し部分は外部に露出するため、ワイヤハーネスの保護と見栄え向上を図るために、蛇腹筒部を備えたゴムまたはエラストマーからなるグロメットで外装している。
前記グロメットは両端にパネルに穿設した貫通穴に嵌合する固定部を設け、両側の固定部に挟まれた部分を蛇腹筒部とし、前記蓋やドアの開閉作動に応じて追従して屈曲できるようにしている。
【0003】
また、この種のグロメットとして、特開2008−17676号公報において、図11(A)(B)に示すグロメット100が提供されている。該グロメット100は、蛇腹筒部101の両側に固定部102、103を設け、一方の固定部102に延長部分105を突設し、この延長部分105にスリット106を設け、グロメット100内に通すワイヤハーネス120の一部分を延長部分105内に移動可能とすると共にスリット106から引き出している。該グロメット100の車体への組み付けは、一方の固定部103を車体パネルの貫通穴に係止した後に、蛇腹筒部101を収縮状態として他方の固定部102を回転側の他方のパネルの係止穴に係止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−17676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記図11に示すグロメットでは、蛇腹筒部の両側に設ける固定部の間の寸法が一定であっても、車体への取り付け時に蛇腹筒部の伸縮の程度を変えることで共用することは可能である。
しかしながら、グロメットを車体に組みつける時の蛇腹筒部の収縮の程度および組みつけ後の伸縮の程度が安定的でない。かつ、トランクリッドの蓋が閉鎖された通常状態やドアが閉鎖された状態で蛇腹筒部が原状より収縮された状態であると、復元力が常時働くため、常に一定の形状を保持することができない。
よって、グロメット両端の固定部間の寸法が相違、その間の蛇腹筒部の長さが相違する場合に、前記図11に示すグロメットを用いることは不適である。
【0006】
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、両端の固定部の間に設ける蛇腹筒部の長さを一定としながら、該蛇腹筒部の長さ寸法を多段階で短縮および伸長できるようにして、グロメットの共用化を図ることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、環状の山部と谷部を長さ方向に交互に設けた蛇腹筒部と、該蛇腹筒部の長さ方向の両端にパネルの貫通穴に挿入係止するパネル固定部を設けたゴムまたはエラストマーからなるワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造であって、
前記蛇腹筒部の長さ方向の中間部に、長さ方向の両端に一対の係止用山部を設けた長さ調節部を設ける一方、
前記蛇腹筒部に取り付けるクリップを備え、該クリップは、一端をヒンジ部で連結すると共に他端にロック結合部を設けた一対の半円環部を備え、前記一対の半円環部の長さ方向の両側内面にそれぞれ突起を形成しており、
前記蛇腹筒部の長さ調節部を伸縮させて前記係止用山部の側面に前記クリップの突起を位置させ、前記蛇腹筒部の全長を調節して保持可能としているワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造を提供している。
【0008】
前記クリップの一対の半円環部の長さ方向の両側内面に設ける前記突起は一対の外側突起と内側突起からなる係止用突起であり、
該クリップの外側突起の外面の外側位置、該外側突起と内側突起に挟まれた中間位置、該内側突起の内面の内側位置のうちの少なくとも2つの位置に、前記蛇腹筒部の長さ調節部を伸縮させて前記係止用山部を配置させ、前記蛇腹筒部の全長を調節して保持可能としている。
【0009】
前記のように、クリップの両側にそれぞれ外側突起と内側突起を設けると、グロメットの蛇腹筒部の長さ調節部の両側に設けた一対の係止用山部の両方を前記クリップの外側突起の外面の外側位置に配置した状態で長さ調節部の長さは最大となりグロメットの長さも最大となる。
また、一対の係止用山部の両方を前記クリップの外側突起と内側突起に挟まれた中間位置に配置した状態で長さ調節部の長さは中間長さとなる。
また、一対の係止用山部の両方を前記クリップの内側突起の内面に配置した状態で長さ調節部の長さは最小長さとなる。
【0010】
このように、前記基本3パターンで長さ調節ができ、さらに、一方の係止用山部の配置位置と他方の係止用山部の配置位置を相違させることで、全部で9通りの長さ調節が可能となる。
例えば、一対の係止用山部の一方を内側突起の内面に、他方の係止用山部を他方の外側突起の外面に配置すると前記中間長さと同様の長さとなり、かつ、クリップを挟む一方側を長く、他方側を短くすることができる。
【0011】
また、前記長さ調節部の両端に設ける一対の係止用山部は前記蛇腹筒部の山部より大径で且つ該山部と同一幅とすることが好ましい。なお、蛇腹筒部の山部の外径と同一としてもよい。
【0012】
前記クリップはグロメットの蛇腹筒部の車体パネルへの取付用で、該クリップの一方の半円環部の外面よりフック片を突設していることが好ましい。
トランクリッドの蓋と車体パネルとの間に架け渡すワイヤハーネスに外装するグロメットは、蓋と車体パネルとの間にグロメットが噛み込むことがないように、グロメットの長さ方向の中間部の蛇腹筒部をクリップを介して車体パネルで保持する場合がある。
【0013】
前記蛇腹筒部の前記一対の係止用山部に挟まれた長さ調節部に複数の山部と谷部を小ピッチで連続して設け、該ピッチは長さ調節部以外のピッチより小さくしていることが好ましい。
【0014】
前記長さ調節部のピッチは3mm〜4mmとし、他の部分のピッチの1/2〜2/3とすることが好ましい。
このように、伸縮部分のピッチを小さくすると、蛇腹筒部の全長、さらに、グロメットの全長の寸法を微調節することができる。
【0015】
本発明は、前記グロメットのパネル固定部の一方を車体パネルの貫通穴に挿入係止し、パネル固定部の他方をトランクリッドのパネルまたはドアパネルの貫通穴に挿入係止する場合に好適に用いられる。
【発明の効果】
【0016】
前記のように、本発明では、車体パネルに架け渡すワイヤハーネスに外装するグロメットの蛇腹筒部を車体に保持するクリップを利用し、該クリップに設けた係止用突起に対して蛇腹筒部に設けた長さ調節部の両側の一対の係止用山部の配置位置を選択するだけで蛇腹筒部の長さ、ひいてはグロメット全長を容易に調節することができる。
よって、車種に応じて蛇腹筒部の長さを相違させる必要がある場合においても、グロメットの共用化を図ることができ、その結果、グロメットを安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態のグロメットとクリップの分解斜視図である。
【図2】前記グロメットにクリップを取り付けた状態の平面図である。
【図3】グロメットの長さ調節部の拡大図である。
【図4】クリップの拡大展開図である。
【図5】グロメットへのクリップの取り付け方法を示す斜視図である。
【図6】(A)(B)(C)はグロメットに対するクリップの係止位置を示す図面である。
【図7】(A)はグロメットに対するクリップの係止位置を長さ方向で変えた状態を示す図面、(B)は(A)の係止位置での蛇腹筒部の長さ関係を示す図面である。
【図8】第2実施形態のグロメットを示す平面図である。
【図9】(A)(B)(C)は第2実施形態のグロメットにクリップを取り付けた状態を示す平面図である。
【図10】(A)(B)は第3実施形態のクリップをグロメットに取り付けた状態を示す平面図である。
【図11】(A)(B)は従来例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図7に第1実施形態を示す。
本発明のグロメット1は自動車のトランクリッド(以下、蓋と称す)に配索するワイヤハーネス2の車体パネルへの架け渡し部分に外装するものであり、ゴムまたはエラストマーで成形している。
【0019】
グロメット1は、環状の山部3aと谷部3bを長さ方向に交互に設けた蛇腹筒部3と、該蛇腹筒部3の長さ方向の両端にパネルの貫通穴に挿入係止するパネル固定部4、5を設けている。パネル固定部4、5は蛇腹筒部3の端部の先端側に突設した拡径筒部の外周面に車体係止凹部4a、5aを設けた形状で、パネル固定部4は車体パネルの貫通穴へ挿入係止するものとし、パネル固定部5は蓋パネルの貫通穴に挿入係止するものとしている。
【0020】
グロメット1の蛇腹筒部3の長さ方向の中間部に複数の山部10aと谷部10bを小ピッチで連続して設けた長さ調節部10を設け、長さ調節部10の両側に前記山部3aより大径で且つ同一幅とした一対の係止用山部11、12を設けている。
前記係止用山部11と12に挟まれた長さ調節部10の山部10aのピッチは他の領域の蛇腹筒部3の山部3aのピッチの1/2〜2/3程度としている。
【0021】
前記グロメット1に通したワイヤハーネス2を車体と蓋との間に架け渡した後に、該グロメット1の蛇腹筒部3の中間部分に取り付けたクリップ15を車体パネル(被取付部材)に係止して、グロメット1が蓋閉鎖時に蓋と車体との間に噛み込まないようにしている。
【0022】
クリップ15は樹脂成形品からなり、一端をヒンジ部20で連結すると共に他端にロック結合部21、22を設けた一対の半円環部23、24を備えている。一方の半円環部23の外面から車体パネルへの取付部としてL形状のフック25を突設している。
前記一方の半円環部23の長さ方向の両側内面にそれぞれ一対の外側突起23A、23Bと内側突起23Cと23Dからなる係止用突起を突設している。該半円環部23の長さ方向の一方側内面に突設する外側突起23Aと内側突起23Cに挟まれた中間部分に前記係止用山部11の半周部が挿入できる中間隙間C1をあけている。同様に、半円環部23の長さ方向の他方側内面に突設する外側突起23Bと内側突起23Dに挟まれた中間部分に前記係止用山部12の半周部が挿入できる中間隙間C2をあけている。
【0023】
同様に、他方の半円環部24の長さ方向の両側内面にそれぞれ一対の外側突起24A、24Bと内側突起24Cと24Dを突設している。該外側突起24A、24Bは半円環部23の外側突起23A、23Bと対向位置に設け、内側突起24C、24Dは半円環部23の内側突起23C、23Dと対向位置に設けている。
【0024】
半円環部24の長さ方向の一方側内面に突設する外側突起24Aと内側突起24Cに挟まれた中間部分に前記係止用山部11の他半周部が挿入できる中間隙間C3をあけている。同様に、半円環部24の長さ方向の他方側内面に突設する外側突起24Bと内側突起24Dに挟まれた中間部分に前記係止用山部12の他半周部が挿入できる中間隙間C4をあけている。
【0025】
前記クリップ15は、図5に示すように、前記外側突起と内側突起に対してグロメット1の係止用山部11、12を後述する所要位置に配置した後、一対の半円環部23、24をヒンジ部20を支点として円環状に閉じ、ロック結合部21、22を互いにロック結合すると、グロメットの係止用山部11、12を位置決め保持し、蛇腹筒部の長さを調節した状態で固定できるものとしている。
【0026】
即ち、グロメット1の蛇腹筒部3の長さ調節部10を伸縮し、一対の係止用山部11、12を係止させるクリップ15の係止位置を選択して配置できるようにしている。
該クリップ15の選択位置は、外側突起23A、23B、24A、24Bの外面の外側位置P1、該外側突起と内側突起に挟まれた中間隙間C1〜C4の中間位置P2、前記内側突起23C、23D、24C、24Dの内面の内側位置P3の3位置からなる。
【0027】
図6(A)では、グロメット1の長さ調節部10を最も収縮し、両側の係止用山部11、12とも内側位置P3に位置させ、係止用山部11と12間の寸法を最小とし、本実施形態では25mmとしている。
図6(B)では、グロメット1の長さ調節部10は伸縮せずに原状とし、両側の係止用山部11、12とも前記中間隙間C1、C3とC2、C4に嵌合した中間位置P2に位置させ、係止用山部11と12間の寸法を本実施形態では35mmとしている。
図6(C)では、グロメット1の長さ調節部10を最も伸長し、両側の係止用山部11、12とも外側位置P1に位置させ、係止用山部11と12間の寸法を最大とし、本実施形態では47mmとしている。
【0028】
前記図6(A)(B)(C)を基本3パターンとすると、係止用山部11、12をそれぞれ外側位置P1、中間位置P2、内側位置P3のいずれかに選択配置することで、9通りのパターンで長さ調節が可能となる。
【0029】
前記9通りのパターンには、クリップ15による固定位置からパネル固定部4またはパネル固定部5までの寸法を調節するために、図7(A)に示すように、係止用山部12を内側位置P3、係止用山部11を外側位置P1とする場合も含まれる。該構成とすると、クリップ15からパネル固定部4までの寸法を短く、パネル固定部5までの寸法を長くすることができる。
また、蛇腹筒部3の長さ調節部10の調整した長さは、クリップ15の係止突起23A〜23D、24A〜24Dで位置決め保持できるため、調節後の蛇腹筒部3の長さを安定させることができ、かつ、通常の閉じ状態で蛇腹筒部に復元力を作用させないため、常に一定の形状を保持できる。
【0030】
図8および図9に第2実施形態を示す。
第2実施形態では、蛇腹筒部に設ける長さ調節部10の両端の一対の係止用山部11−1、12ー1は他の山部と同径とし、第1実施形態のように大径としていない。該両端の係止用山部11−1、12−1に挟まれた山部の外径も他の山部の外径と同等としているが、山部のピッチは第1実施形態と同様に他の部分よりも小さいピッチとしている。
一方、クリップ15は第1実施形態と同一の形状としている。
【0031】
このように、長さ調節部10の両端の係止用山部11−1、12−1の外径を拡大しなくとも、図9に示すように、クリップ15の係止用突起の外側突起23A、23B、24A、24B、内側突起23C、23D、24C、24Dを係止用山部11−1、12−1の側面に位置させることで、長さ調節部10を長さ調節保持することができる。
【0032】
図10に第3実施形態を示す。
第3実施形態では、クリップ15の各半円環部の両側に設ける係止用突起はそれぞれ各1個の係止用突起50としている。
グロメットの蛇腹筒部に第1実施形態と同様な長さ調節部10を設け、その両端に大径とした係止用山部11、12を設けている。
【0033】
図10(A)に示すように、クリップ15の係止用突起50の内面側に係止用山部11、12を配置する場合と、係止用突起50の外面側に係止用山部11、12を配置する場合とで長さを調節することができる。
【0034】
本発明は前記実施形態に限定されず、グロメットの蛇腹筒部に設ける長さ調節部の両側に一対の係止用山部を設ければよく、この係止用山部に挟まれた部分の山部のピッチを必ずしも小ピッチにする必要はない。同一ピッチであっても収縮すると長さを短くすることができる。
【0035】
また、前記クリップは車体パネルに取り付けるものとしているが、グロメットを車体パネルで保持しない場合には、蛇腹筒部の長さ調節用のみとして取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 グロメット
2 ワイヤハーネス
3 蛇腹筒部
4、5 パネル固定部
10 長さ調節部
11、12 係止用山部
15 クリップ
23、24 半円環部
23A、23B、24A、24B 外側突起
23C、23D、24C、24D 内側突起
C1〜C4 中間隙間
P1 外側位置
P2 中間位置
P3 内側位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状の山部と谷部を長さ方向に交互に設けた蛇腹筒部と、該蛇腹筒部の長さ方向の両端にパネルの貫通穴に挿入係止するパネル固定部を設けたゴムまたはエラストマーからなるワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造であって、
前記蛇腹筒部の長さ方向の中間部に、長さ方向の両端に一対の係止用山部を設けた長さ調節部を設ける一方、
前記蛇腹筒部に取り付けるクリップを備え、該クリップは、一端をヒンジ部で連結すると共に他端にロック結合部を設けた一対の半円環部を備え、前記一対の半円環部の長さ方向の両側内面にそれぞれ突起を形成しており、
前記蛇腹筒部の長さ調節部を伸縮させて前記係止用山部の側面に前記クリップの突起を位置させ、前記蛇腹筒部の全長を調節して保持可能としているワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造。
【請求項2】
前記クリップの一対の半円環部の長さ方向の両側内面に設ける前記突起は一対の外側突起と内側突起からなる係止用突起であり、
該クリップの外側突起の外面の外側位置、該外側突起と内側突起に挟まれた中間位置、該内側突起の内面の内側位置のうちの少なくとも2つの位置に、前記蛇腹筒部の長さ調節部を伸縮させて前記係止用山部を配置させ、前記蛇腹筒部の全長を調節して保持可能としている請求項1に記載のワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造。
【請求項3】
前記長さ調節部の両端に設ける一対の係止用山部は前記蛇腹筒部の山部より大径で且つ該山部と同一幅としている請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造。
【請求項4】
前記クリップはグロメットの蛇腹筒部の車体パネルへの取付用で、該クリップの一方の半円環部の外面よりフック片を突設している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造。
【請求項5】
前記蛇腹筒部の前記一対の係止用山部に挟まれた長さ調節部に複数の山部と谷部を小ピッチで連続して設け、該ピッチは長さ調節部以外のピッチより小さくしている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造。
【請求項6】
前記グロメットのパネル固定部の一方を車体パネルの貫通穴に挿入係止し、パネル固定部の他方をトランクリッドのパネルまたはドアパネルの貫通穴に挿入係止している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造。
【請求項1】
環状の山部と谷部を長さ方向に交互に設けた蛇腹筒部と、該蛇腹筒部の長さ方向の両端にパネルの貫通穴に挿入係止するパネル固定部を設けたゴムまたはエラストマーからなるワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造であって、
前記蛇腹筒部の長さ方向の中間部に、長さ方向の両端に一対の係止用山部を設けた長さ調節部を設ける一方、
前記蛇腹筒部に取り付けるクリップを備え、該クリップは、一端をヒンジ部で連結すると共に他端にロック結合部を設けた一対の半円環部を備え、前記一対の半円環部の長さ方向の両側内面にそれぞれ突起を形成しており、
前記蛇腹筒部の長さ調節部を伸縮させて前記係止用山部の側面に前記クリップの突起を位置させ、前記蛇腹筒部の全長を調節して保持可能としているワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造。
【請求項2】
前記クリップの一対の半円環部の長さ方向の両側内面に設ける前記突起は一対の外側突起と内側突起からなる係止用突起であり、
該クリップの外側突起の外面の外側位置、該外側突起と内側突起に挟まれた中間位置、該内側突起の内面の内側位置のうちの少なくとも2つの位置に、前記蛇腹筒部の長さ調節部を伸縮させて前記係止用山部を配置させ、前記蛇腹筒部の全長を調節して保持可能としている請求項1に記載のワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造。
【請求項3】
前記長さ調節部の両端に設ける一対の係止用山部は前記蛇腹筒部の山部より大径で且つ該山部と同一幅としている請求項1または請求項2に記載のワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造。
【請求項4】
前記クリップはグロメットの蛇腹筒部の車体パネルへの取付用で、該クリップの一方の半円環部の外面よりフック片を突設している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造。
【請求項5】
前記蛇腹筒部の前記一対の係止用山部に挟まれた長さ調節部に複数の山部と谷部を小ピッチで連続して設け、該ピッチは長さ調節部以外のピッチより小さくしている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造。
【請求項6】
前記グロメットのパネル固定部の一方を車体パネルの貫通穴に挿入係止し、パネル固定部の他方をトランクリッドのパネルまたはドアパネルの貫通穴に挿入係止している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のワイヤハーネス用グロメットの長さ調節構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−165542(P2012−165542A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−23334(P2011−23334)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】
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