説明

ワイヤボンダ

【目的】 設備的にコンパクト化を図ると共に、稼働効率を向上させることにある。
【構成】 ワイヤ(19)が挿通されたキャピラリ(4a)(4b)を有し、そのキャピラリ(4a)(4b)から導出されたワイヤ先端をリードフレーム(2)上のペレット(1)及びリード(8)にボンディングして両者間を接続する二つ以上のボンディングツール(5a)(5b)を、同一リードフレーム(2)に対してペレット配列ピッチに合わせてXYテーブル機構(6)上に配置し、各ボンディングツール(5a)(5b)を、共通のXテーブル機構(10)に取り付ける。一方のボンディングツール(5b)に、そのボンディングツール(5b)をX移動させるオフセット機構(20)を付設する。また、最初に位置する一方のボンディングツール(5a)の設置ポジションに、そのポジションで被ボンディングポイントを画像認識し、その画像認識データに基づいて次のポジションに位置する他方のボンディングツール(5a)を動作させるパターン認識手段(21)を配設する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はワイヤボンダに関し、詳しくは、半導体装置の製造におけるワイヤボンディング工程で使用され、例えば、リードフレーム上に搭載された半導体ペレットとリードとをワイヤで電気的に接続するワイヤボンダに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置は、多数の半導体素子を形成した半導体ウェーハから一括して製造され、その製造工程は、半導体ウェーハを各半導体素子ごとに分割して半導体ペレットを製作するペレッタイズ工程と、その半導体ペレットをリードフレームに搭載するペレットマウント工程と、半導体ペレットとリードとをワイヤで電気的に接続するワイヤボンディング工程と、半導体ペレットを含む主要部を外装樹脂材でモールドする樹脂モールド工程とを主要部として構成される。
【0003】このワイヤボンディング工程では、キャピラリと称される専用治具を具備したボンディングツールにより、そのキャピラリに挿通されて先端が導出されたワイヤを半導体ペレット及びリードに超音波振動を付与しながら熱圧着することによってワイヤボンディングが行なわれている〔特開昭50−67079号公報〕。
【0004】ここで、そのワイヤボンディングで使用されるワイヤは、通常、Au、Cu又はAl等からなるいずれか一種類の線材である。しかしながら、半導体ペレット中には、パワー部とコントロール部の両者を有するものがあり、このような場合、パワー部では大電流が流れる関係上、線径の大きいAl製ワイヤを使用し、コントロール部では微小電流が流れる関係上、線径の小さいAu製ワイヤを使用するようにしている。
【0005】従って、上述したような半導体ペレットとリードとのワイヤボンディングを行なう場合、線径の大きいワイヤが適用できるキャピラリを具備したワイヤボンダと、線径の小さいワイヤが適用できるキャピラリを具備したワイヤボンダとを用意し、この二つのワイヤボンダを並べて設置することにより、線径の大きいワイヤによるボンディングと線径の小さいワイヤによるボンディングとを別々に行なっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、半導体装置の高密度実装化に伴い、ワイヤボンディングにおいて、半導体ペレットとリードとを接続するワイヤの本数が増加する傾向にあり、多数本のワイヤを一つのキャピラリでボンディングしていると、一つの半導体ペレットでのワイヤボンディングに長時間を要し、作業インデックスを向上させることが困難であった。
【0007】また、上述したように線径の異なるワイヤによるボンディングでは、Al製ワイヤとAu製ワイヤとを併用しているが、線径の大きいワイヤにAu製のものを使用した場合、線径の大きいAu製ワイヤでは電流容量が小さいために不適である。そこで、線径の小さいAu製ワイヤを複数本並列接続で使用することも考えられるが、使用本数が増加すると、高いAu製ワイヤではコストアップを招来する。それ故に、線径の大きいワイヤとしてはAl製のものが適している。
【0008】しかしながら、このように線径が異なり而も線材が異なるワイヤによりボンディングしようとすると、前述したようにそれぞれのワイヤが適用できるキャピラリを具備した二つのワイヤボンダを別々に設置し、そのワイヤボンディングを別々の工程で行なわなければならない。従って、設備が大掛りとなり、稼働効率も悪いという問題があった。
【0009】そこで、本発明は上記問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、設備的にコンパクト化を図ると共に稼働効率を向上させ得るワイヤボンダを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための技術的手段として、本発明は、ワイヤが挿通されたキャピラリを有し、そのキャピラリから導出されたワイヤ先端をリードフレーム上のペレット及びリードにボンディングして両者間を接続する二つ以上のボンディングツールを、同一リードフレームに対してペレット配列ピッチに合わせてXYテーブル機構上に配置し、各ボンディングツールを、共通のXテーブル機構に取り付けたことを特徴とする。尚、上記ボンディングツールの少なくとも一つに、そのボンディングツールをX移動させるオフセット機構を付設することが望ましい。
【0011】このワイヤボンダでは、ペレット配列方向に対して最初に位置するボンディングツールの設置ポジションに配置され、そのポジションで被ボンディングポイントを画像認識し、その画像認識データに基づいて他のポジションに位置するボンディングツールを動作させるパターン認識手段を設けることが可能である。
【0012】上記ワイヤボンダにおいて、二つ以上のボンディングツールは、ペレット配列方向に対して、キャピラリが相互に反対方向に延びるように配置することも可能である。
【0013】また、本発明は、キャピラリに挿通されたワイヤの線径が異なり、そのキャピラリから導出されたワイヤ先端をリードフレーム上のペレット及びリードにボンディングして両者間を接続する二つ以上のボンディングツールを、同一リードフレームに対してペレット配列ピッチに合わせて配置したことを特徴とする。尚、この場合、線材が異なるワイヤであってもよい。
【0014】
【作用】本発明に係るワイヤボンダでは、二つ以上のボンディングツールを、XYテーブル機構を構成する共通のXテーブル機構に搭載したことにより、同一リードフレームでのワイヤボンディングを各ボンディングツールで分担して行なうことができる。
【0015】また、キャピラリに挿通されたワイヤの線径が異なる二つ以上のボンディングツールを同一リードフレームに対して配置したことにより、同一リードフレームに対して、線径が異なるワイヤによるボンディングが可能な一つのワイヤボンダが実現できる。
【0016】
【実施例】本発明に係るワイヤボンダの実施例を図1乃至図7に示して説明する。
【0017】図1及び図2に示す実施例のワイヤボンダは、半導体ペレット(1)をマウントしたリードフレーム(2)を定方向に移送する搬送レール(3)に沿って配置され、二つのキャピラリ(4a)(4b)〔以下、第1、第2のキャピラリと称す〕を有する第1、第2のボンディングツール(5a)(5b)を搭載したXYテーブル機構(6)で構成される。
【0018】具体的に、被ボンディング物である半導体ペレット(1)の表面周縁部には、ワイヤをボンディングすべき多数の電極パッド(7)が配設され、半導体ペレット(1)の周囲近傍には、電極パッド(7)と対応させてワイヤで接続されるべき多数のリード(8)が配置されている。
【0019】一方、XYテーブル機構(6)は、ベース(9)上に搭載されて、第1、第2のキャピラリ(4a)(4b)で共通するXテーブル機構(10)を具備する。このXテーブル機構(10)は、以下の構成を有する。即ち、上記ベース(9)のリードフレーム移送方向に沿う両端に支持台(11)を固設し、両支持台(11)にステッピングモータ等の第1、第2のX駆動源(12a)(12b)を装着する。そして、第1、第2のX駆動源(12a)(12b)の出力軸と同軸的に連結された平行な第1、第2のボールネジ(13a)(13b)がそれぞれ支持台(11)間に回転自在に架設され、その第1、第2のボールネジ(13a)(13b)の外側に、上記支持台(11)間に架設された二本のガイドロッド(14)が配置される。その支持台(11)間に、ガイドロッド(14)に摺動可能に挿着された第1、第2のXテーブル(15a)(15b)を配置し、第1のXテーブル(15a)を第1のボールネジ(13a)に螺着すると共に第2のボールネジ(13b)にX方向で摺動可能に挿着し、第2のXテーブル(15b)を第2のボールネジ(13b)に螺着すると共に第1のボールネジ(13a)にX方向で摺動可能に挿着する。
【0020】このXテーブル機構(6)の第1、第2のXテーブル(15a)(15b)上に、駆動源〔図示せず〕によりそれぞれY方向で摺動可能とした相互に独立の第1、第2のYテーブル(16a)(16b)を搭載する。そして、この第1、第2のYテーブル(16a)(16b)に第1、第2のボンディングツール(5a)(5b)を搭載する。この第1、第2のボンディングツール(5a)(5b)は、超音波振動子(17)が付設されたホーン(18)と、その先端に装着されてワイヤ(19)が挿通された第1、第2のキャピラリ(4a)(4b)とで構成される。
【0021】尚、第2のXテーブル(15b)とYテーブル(16b)との間には、第2のキャピラリ(4b)を後述するようにオフセットするためのオフセット機構(20)が配設され、第2のYテーブル(16b)をX方向に沿って移動可能とする。
【0022】また、リードフレーム(2)の移送方向に沿って最初に位置する第1のボンディングツール(5a)の設置ポジションにはパターン認識手段を配置する。このパターン認識手段は、具体的に、半導体ペレット(1)の表面を撮像する認識カメラ(21)と、この認識カメラ(21)により得られた画像データを画像処理する制御部〔図示せず〕とで構成され、その制御部からの出力に基づいて第1、第2のボンディングツール(5a)(5b)をXYテーブル機構(6)で所定動作させる。
【0023】上記構成からなるワイヤボンダによるボンディング動作を図3(a)(b)に基づいて説明する。以下では、半導体ペレット(1)の周縁部に多数の電極パッド(7)が配設され、第1、第2のキャピラリ(4a)(4b)により同一線径及び線材のワイヤ(19)でもってボンディングする場合について詳述する。
【0024】まず、第1のキャピラリ(4a)の設置ポジションでは、認識カメラ(21)によりリードフレーム(2)上に搭載された半導体ペレット(1)の表面をパターン認識し、その画像認識データに基づいて制御部から出力される信号でもって、第1のキャピラリ(4a)をボンディング動作させる。例えば、図3(a)に示すように、初期位置〔図中A点〕から第1のキャピラリ(4a)を図中矢印のように中間位置〔図中B点〕を経由して終期位置〔図中C点〕に向けてX移動させながら、半導体ペレット(1)の電極パッド(7)とリード(8)とを、第1のキャピラリ(4a)から導出したワイヤ(19)で電気的に接続する。この第1のキャピラリ(4a)の図中矢印方向でのX移動〔A点からB点まで〕は、第1の駆動源(12a)の作動により第1のボールネジ(13a)に螺合する第1のXテーブル(15a)を移動させることにより行なわれ、Y移動〔B点からC点まで〕は、第1のYテーブル(16a)を移動させることにより行なわれる。尚、第1のキャピラリ(4a)による電極パッド(7)とリード(8)間の移動については、第1のXテーブル(15a)及びYテーブル(16a)を選択的に移動させることにより、第1のキャピラリ(4a)を選択的にXY移動させることでもって行なわれる。
【0025】これに対して、第2のキャピラリ(4b)の設置ポジションでは、上述した第1のキャピラリ(4a)によるワイヤボンディング動作中、第1のキャピラリ(4a)によるワイヤボンディングを完了した上で移送されてきた半導体ペレット(1)に対して、認識カメラ(21)による画像認識データに基づく制御部からの出力信号により、第2のキャピラリ(4b)をボンディング動作させる。
【0026】即ち、図3(b)に示すように、初期位置〔図中D点〕から第2のキャピラリ(4b)を図中矢印方向に沿ってX移動させて終期位置〔図中C点〕に達した後、再度、第2のキャピラリ(4b)を初期位置〔図中D点〕に復帰させた上で終期位置〔図中A点〕に向けてY移動させながら、半導体ペレット(1)の電極パッド(7)とリード(8)とを、第2のキャピラリ(4b)から導出したワイヤ(19)で電気的に接続する。この第2のキャピラリ(4b)の図中矢印方向でのX移動〔D点からC点まで〕は、第2の駆動源(12b)の作動により第2のボールネジ(13b)に螺合する第2のXテーブル(15b)を移動させることにより、また、C点からD点までのX移動は、オフセット機構(20)により第2のYテーブル(16b)を移動させることによりそれぞれ行なわれ、更に、Y移動〔D点からA点まで〕は、第2のYテーブル(16b)を移動させることにより行なわれる。尚、第1のキャピラリ(4a)の場合と同様、第2のキャピラリ(4b)による電極パッド(7)とリード(8)間の移動については、第2のXテーブル(15b)及びYテーブル(16b)を選択的に移動させることにより、第2のキャピラリ(4b)を選択的にXY移動させることでもって行なわれる。
【0027】このようにして、半導体ペレット(1)の表面周縁部に配列した多数の電極パッド(7)のうち、図中A点からB点を経由してC点に至る箇所の電極パッド(7)については、第1のキャピラリ(4a)によりリード(8)とワイヤボンディングし、図中A点からD点を経由してC点に至る箇所の電極パッド(7)については、第2のキャピラリ(4b)によりリード(8)とワイヤボンディングするように第1と第2のキャピラリ(4a)(4b)で分担する。これにより、多数の電極パッド(7)を有する半導体ペレット(1)についてワイヤボンディングする場合でも、第1、第2のキャピラリ(4a)(4b)により分担して行なうことができるので、単一のキャピラリの場合よりも作業インデックスを向上させることが可能となる。
【0028】また、上記実施例では、多数のボンディングポイントを同一線径及び線材のワイヤでボンディングする場合について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、ボンディングポイント数が少ない一つの半導体ペレット(1)について、線径の大きいAl製ワイヤと線径の小さいAu製ワイヤのように、線径又は線材が異なるワイヤによるボンディングを行なう場合についても好適である。
【0029】その場合、第1、第2のキャピラリ(4a)(4b)に、線径の大きいAl製ワイヤ、線径の小さいAu製ワイヤ等のように線径又は線材が異なるワイヤをそれぞれ挿通してセッティングし、Al製ワイヤとAu製ワイヤのボンディングを第1、第2のキャピラリ(4a)(4b)で分担し、その各ボンディングポイントの位置、数に応じてXYテーブル機構(6)を構成する第1、第2のXテーブル(15a)(15b)及びYテーブル(16a)(16b)、オフセット機構(20)をXY移動させることにより、第1、第2のキャピラリ(4a)(4b)によるワイヤボンディングを実行することができる。
【0030】次に、例えば、ボンディングポイントが、半導体ペレット(1)の一辺でX方向に並ぶ多数の電極パッド(7)のような場合、以下のような構成のワイヤボンダであってもよい。
【0031】このワイヤボンダは、図4及び図5に示すように、ベース(9)上にXYテーブル機構(6)を搭載し、そのXYテーブル機構(6)を、ベース(9)にX方向で摺動可能に装着された共通のXテーブル(15)と、そのXテーブル(15)上にY方向で摺動可能に装着された相互に独立の第1、第2のYテーブル(16a)(16b)とで構成され、この第1、第2のYテーブル(16a)(16b)上に第1、第2のボンディングツール(5a)(5b)を搭載する。他の構成については、図1及び図2に示す前述のワイヤボンダと同様であるため、同一参照符号を付して説明は省略する。
【0032】このようなボンディングポイントの場合、第1のキャピラリ(4a)は、初期位置〔図中A点〕から図中矢印のように中間位置〔図中E点〕までX移動しながら、半導体ペレット(1)の電極パッド(7)とリード(8)とを、第1のキャピラリ(4a)から導出したワイヤ(19)で電気的に接続する。また、第2のキャピラリ(4b)は、初期位置〔図中E点〕から図中矢印のように終期位置〔図中B点〕までX移動しながら、半導体ペレット(1)の電極パッド(7)とリード(8)とを、第2のキャピラリ(4b)から導出したワイヤ(19)で電気的に接続する。
【0033】この第1のキャピラリ(4a)の図中矢印方向でのX移動〔A点からE点まで〕と、第2のキャピラリ(4b)のE点からB点までのX移動とは、共通のXテーブル(15)を移動させることにより行なわれる。尚、第2のキャピラリ(4b)の初期位置〔図中E点〕の設定はオフセット機構(20)により行なわれる。また、第1、第2のキャピラリ(4a)(4b)による電極パッド(7)とリード(8)間の移動については、Y方向のみとなり、第1、第2のYテーブル(16a)(16b)を移動させることにより、第1、第2のキャピラリ(4a)(4b)をY移動させることでもって行なわれる。
【0034】このようにして、半導体ペレット(1)の一辺のみに配列した多数の電極パッド(7)のうち、図中A点からE点までの箇所にある電極パッド(7)については、第1のキャピラリ(4a)によりリード(8)とワイヤボンディングし、図中E点からB点までの箇所にある電極パッド(7)については、第2のキャピラリ(4b)によりリード(8)とワイヤボンディングするように第1と第2のキャピラリ(4a)(4b)で分担する。
【0035】また、前述した実施例と同様、線径の大きいAl製ワイヤと線径の小さいAu製ワイヤのように、線径又は線材が異なるワイヤによるボンディングを行なう場合についても適用可能で、各ボンディングポイントの位置、数に応じてXYテーブル機構(6)を構成するXテーブル(15)及び第1、第2のYテーブル(16a)(16b)、オフセット機構(20)をXY移動させることにより、第1、第2のキャピラリ(4a)(4b)で線径又は線材の異なるワイヤボンディングを実行できる。
【0036】尚、リードフレーム(2)上で隣接する半導体ペレット(1)同士が近接するような場合、第1、第2のボンディングツール(5a)(5b)を相互に近接配置することが困難となる時には、ホーン(18)をハ字状に取り付けることにより第1、第2のキャピラリ(4a)(4b)を近接配置することが可能となる。
【0037】更に、上記実施例では、リードフレーム(2)を定方向に移送する一つの搬送レール(3)に対して、第1、第2のボンディングツール(5a)(5b)は、第1、第2のキャピラリ(4a)(4b)がリードフレーム(2)に向けて同一方向に延びるように配置した場合であるが、これ以外にも、図7(a)に示すようにXテーブル(15)に対してその両側に二つの搬送レール〔図示せず〕が配置され、それら搬送レール上のリードフレーム(2)に対して、第1、第2のキャピラリ(4a)(4b)が反対方向に延びるように第1、第2のボンディングツール(5a)(5b)を配置するようにしてもよい。このようにXテーブル(15)を共通とする第1、第2のボンディングツール(5a)(5b)の全幅(L0)は、第1、第2のボンディングツールを別々に設置した場合よりも小さくできる。
【0038】ここで、図7(a)の場合、第1、第2のボンディングツール(5a)(5b)を搭載した第1、第2のYテーブル(16a)(16b)をその中央部でXテーブル(15)に装設しているが、図7(b)に示すように第1、第2のYテーブル(16a)(16b)をその中央部から相互に逆方向にずらしてXテーブル(15)に装設すれば、第1、第2のボンディングツール(5a)(5b)の全幅(L1)は、図7(a)の場合よりも更に小さく設定することができる。
【0039】尚、前述した各実施例では、二つのキャピラリについて説明したが、三つ以上のキャピラリを配置することも可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明に係るワイヤボンダによれば、二つ以上のボンディングツールを、XYテーブル機構を構成する共通のXテーブル機構に搭載したことにより、同一リードフレームでのワイヤボンディングを各ボンディングツールで分担して行なうことができるので、ボンディング作業でのインデックスを向上させることが可能となり、作業性が大幅に改善される。
【0041】また、キャピラリに挿通されたワイヤの線径が異なる二つ以上のボンディングツールを同一リードフレームに対して配置したことにより、同一リードフレームに対して、線径が異なるワイヤによるボンディングが可能な一つのワイヤボンダが実現できるので、設備全体のコンパクト化が図れて稼働効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るワイヤボンダの一実施例を示す平面図
【図2】(a)は図1の第1のボンディングツールを示す断面図
(b)は図1の第2のボンディングツールを示す断面図
【図3】(a)は第1のキャピラリのボンディング動作を説明する拡大平面図
(b)は第2のキャピラリのボンディング動作を説明する拡大平面図
【図4】ワイヤボンダの従来例を示す平面図
【図5】(a)は図4の第1のボンディングツールを示す側面図
(b)は図4の第2のボンディングツールを示す側面図
【図6】(a)は第1のキャピラリのボンディング動作を説明する拡大平面図
(b)は第2のキャピラリのボンディング動作を説明する拡大平面図
【図7】(a)は本発明に係るワイヤボンダの他の実施例を示す平面図
(b)は(a)のワイヤボンダの変形例を示す平面図
【符号の説明】
1 ペレット
2 リードフレーム
4a4b キャピラリ
5a5b ボンディングツール
6 XYテーブル機構
8 リード
10 Xテーブル機構
19 ワイヤ
20 オフセット機構
21 パターン認識手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ワイヤが挿通されたキャピラリを有し、そのキャピラリから導出されたワイヤ先端をリードフレーム上のペレット及びリードにボンディングして両者間を接続する二つ以上のボンディングツールを、同一リードフレームに対してペレット配列ピッチに合わせてXYテーブル機構上に配置し、各ボンディングツールを、共通のXテーブル機構に取り付けたことを特徴とするワイヤボンダ。
【請求項2】 請求項1記載のボンディングツールの少なくとも一つに、そのボンディングツールをX移動させるオフセット機構を付設したことを特徴とするワイヤボンダ。
【請求項3】 ペレット配列方向に対して最初に位置するボンディングツールの設置ポジションに配置され、そのポジションで被ボンディングポイントを画像認識し、その画像認識データに基づいて他のポジションに位置するボンディングツールを動作させるパターン認識手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のワイヤボンダ。
【請求項4】 請求項1又は2記載の二つ以上のボンディングツールは、ペレット配列方向に対して、キャピラリが相互に反対方向に延びるように配置したことを特徴とするワイヤボンダ。
【請求項5】 キャピラリに挿通されたワイヤの線径が異なり、そのキャピラリから導出されたワイヤ先端をリードフレーム上のペレット及びリードにボンディングして両者間を接続する二つ以上のボンディングツールを、同一リードフレームに対してペレット配列ピッチに合わせて配置したことを特徴とするワイヤボンダ。
【請求項6】 請求項5記載のワイヤは、その線材が異なることを特徴とするワイヤボンダ。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図2】
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【図5】
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【図7】
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