説明

ワイヤレス内視鏡システム

【課題】内視鏡で取得される画像をモニタに表示するまでに必要な準備作業が少なく、内視鏡で取得される画像を容易にモニタに表示することができる内視鏡システムを提供することを課題とする。
【解決手段】ワイヤレス内視鏡システムは、内視鏡40に接続される医療用画像を出力するプロセッサ30と医療用画像を表示する複数のモニタ50、56を有する。プロセッサ30は、送信処理部33とワイヤレス制御送受信部34とワイヤレス映像送信部35を含む。ワイヤレス制御送受信部34が複数のモニタの各々との間で制御信号を無線で送受信し、送信処理部33がその制御信号に含まれる複数のモニタの各々の表示状態に基づいて医療用画像の送信先を、映像を表示していないモニタに決定する。ワイヤレス映像送信部35は送信処理部33で決定されたモニタに医療用画像をワイヤレス映像信号に変換して無線で送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡に接続されたプロセッサとモニタとの間で映像信号を無線で送受信するワイヤレス内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、患者の負担を軽減することができる手術法として、内視鏡を使用して腹腔内をモニタで観察しながら手術を行う内視鏡下外科手術が知られている。
【0003】
内視鏡下外科手術が行われる手術室には、使用頻度の高い硬性内視鏡が常設されているのが一般的であるが、その一方で、硬性内視鏡ほど使用頻度の高くない軟性内視鏡が常設されていることは稀である。これは、手術室内のスペースが限られていることなどが理由であり、通常、軟性内視鏡は、必要に応じて手術室内に搬入できるように可搬式のカートに実装された状態で手術室外に待機している。又は、内視鏡検査室で使用されている軟性内視鏡を手術室内に搬入して使用する場合もある。
【0004】
従って、手術で軟性内視鏡を使用する場合には、まず、軟性内視鏡を手術室内に搬入し、その後、軟性内視鏡を使用するための種々の準備作業、具体的には、軟性内視鏡からの画像を表示するモニタを選択して、そのモニタとの間でケーブルを接続する、といった作業が必要となる。また、場合によっては、軟性内視鏡に合わせたカラーモードの設定や軟性内視鏡による画像と硬性内視鏡による画像との2画面表示の設定など、モニタの表示設定の調整が必要となる。
【0005】
これらの準備作業は、滅菌域にいる術者によって直接に行われるのではなく、術者からの指示を受けた非滅菌域にいる看護師などによって行われる。また、手術中に室内にケーブルを這わせる作業は、非常に手間のかかる負担の大きい作業であるとともに、その行為は、手術室内にいる術者、看護師、さらには患者を危険にさらす行為でもあることから、極めて慎重に行う必要がある。これらの理由から、術者からの指示のタイミングによっては、準備作業が原因となって手術の中断が生じてしまうといった課題が指摘されている。又、床の上に這うケーブルは、術者や看護師がケーブルを引っ掛けるというリスクを増やしてしまう。
【0006】
このため、必要に応じて搬入される内視鏡で取得される画像を、手術を中断することなく容易にモニタに表示する技術が求められている。そのような技術的な課題に関連する技術として、無線通信技術が知られている。例えば、特許文献1には、無線通信技術を利用とした内視鏡システムが開示されている。
【0007】
特許文献1には、内視鏡装置と外部ディスプレイ装置との間で映像信号を無線により送受信する内視鏡システムが開示されている。特許文献1に開示される内視鏡システムによれば、内視鏡装置と外部ディスプレイ装置との間をケーブルで接続する作業を省略することができる。
また、特許文献2には、切替ツマミを操作してモニタに表示する映像信号を切り替える内視鏡システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−342400号公報
【特許文献2】特開平11−000310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、一般に無線通信を行うためには、利用者の操作によって送受信する機器を特定した上でそれらの間の接続を確立するといった作業が必要である。このため、特許文献1で開示される技術を用いた場合には、内視鏡システムの利用者(つまり、術者、看護師など)は、ケーブルを接続する作業の代わりに、無線で接続する内視鏡とモニタを指定する作業と、それらの間で無線接続を確立するように指示する作業と、を行う必要がある。
【0010】
従って、特許文献1に開示される技術を用いた場合であっても、内視鏡を必要に応じて手術室内に搬入して使用する場合には、搬入後に所定の準備作業が必要となり、術者が即座に内視鏡の使用を開始することはできない。又、硬性内視鏡の画像を表示しているモニタに軟性内視鏡の画像を表示したい場合に、所望の医療画像を自動的に切り替えて表示できない。
【0011】
また、特許文献2には、無線通信技術については全く開示されていないので、特許文献2に開示される技術を用いた場合でも、従来と変わらず、搬入後にケーブルを這わせる作業など種々の作業が必要である。このため、術者が即座に内視鏡の使用を開始することはできない。
【0012】
以上のような実情を踏まえて、本発明では、内視鏡で取得される画像をモニタに表示するまでに必要な準備作業が少なく、内視鏡で取得される画像を容易にモニタに表示することができる内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様は、内視鏡に接続される医療用画像を出力するプロセッサと、前記医療用画像を表示する複数のモニタと、を有するワイヤレス内視鏡システムであって、前記プロセッサは、前記複数のモニタの各々との間で制御信号を無線で送受信するワイヤレス制御送受信部と、前記ワイヤレス制御送受信部で受信される前記制御信号に含まれるモニタの表示状態を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記複数のモニタの各々の前記表示状態に基づいて、前記医療用画像の送信先を、前記複数のモニタのうちの映像を表示していないモニタに決定する送信処理部と、前記送信処理部により決定された映像を表示していない前記モニタに前記医療用画像をワイヤレス映像信号に変換して無線で送信するワイヤレス映像送信部と、を含み、前記複数のモニタの各々は、前記ワイヤレス映像送信部からの前記ワイヤレス映像信号を受信するワイヤレス映像受信部と、前記プロセッサとの間で前記制御信号を無線により送受信するワイヤレス制御送受信部と、前記ワイヤレス映像受信部が受信した前記ワイヤレス映像信号を前記医療用画像に変換して前記モニタの表示部に表示する受信処理部と、を含むワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【0014】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、前記記憶部は、前記複数のモニタの各々の個体識別子と前記複数のモニタの各々の表示状態とを関連付けて記憶するように構成され、前記送信処理部は、前記個体識別子により、前記ワイヤレス映像信号を無線で送信する送信先を指定するワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【0015】
本発明の第3の態様は、第1の態様に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、前記プロセッサは、前記プロセッサの電源がオンになると、前記プロセッサの前記ワイヤレス制御送受信部が前記複数のモニタの各々の表示状態を取得して、前記送信処理部が映像を表示していない前記モニタを特定して、前記ワイヤレス映像送信部が映像を表示していない前記モニタに前記ワイヤレス映像信号を無線で送信する、ように構成され、前記モニタは、前記ワイヤレス映像受信部が前記ワイヤレス映像信号を受信すると、前記受信処理部が前記ワイヤレス映像信号を前記医療用画像に変換して前記モニタの前記表示部に表示する、ように構成されるワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【0016】
本発明の第4の態様は、第3の態様に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、さらに、前記ワイヤレス内視鏡システムを備える手術室内の設備を集中管理するコントローラと、を含み、前記プロセッサは、さらに、前記設備の設定を行うための操作部を含み、前記コントローラは、前記プロセッサとの間で前記操作部により行われた前記設備の設定に関する情報を含む前記制御信号を無線により送受信するワイヤレス制御送受信部と、前記コントローラの前記ワイヤレス制御送受信部が受信した前記制御信号に含まれる前記設備の設定に関する情報に従って、前記設備の設定を変更する受信処理部と、を含み、前記プロセッサは、前記プロセッサの電源がオンになると、前記プロセッサの前記ワイヤレス制御送受信部が、前記制御情報を前記コントローラの前記ワイヤレス制御送受信部に無線で送信するように構成されるワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【0017】
本発明の第5の態様は、第1の態様に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、前記プロセッサは、さらに、映像を表示する前記複数のモニタの優先順位を設定する操作部を含み、前記送信処理部は、映像を表示していないモニタが複数存在する場合には、前記優先順位に従って、前記ワイヤレス映像信号を無線で送信するモニタを決定するワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【0018】
本発明の第6の態様は、第1の態様に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、前記プロセッサは、さらに、前記モニタの表示設定を行う操作部を含み、前記プロセッサの前記ワイヤレス制御送受信部は、前記送信処理部により決定された映像を表示していない前記モニタに、前記操作部により設定された前記モニタの表示設定を前記制御信号として無線で送信するように構成され、前記受信処理部は、前記モニタの前記ワイヤレス制御送受信部が受信した前記制御信号に含まれる表示設定に従って、前記モニタの表示設定を変更するワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【0019】
本発明の第7の態様は、内視鏡に接続される医療用画像を出力するプロセッサと、前記医療用画像を表示するモニタと、を有するワイヤレス内視鏡システムであって、前記プロセッサは、前記プロセッサに対する前記内視鏡の挿抜を検知する内視鏡検知部と、前記医療用画像をワイヤレス映像信号に変換して無線で送信するワイヤレス映像送信部と、前記内視鏡検知部の検知結果に応じて、前記ワイヤレス映像送信部による前記ワイヤレス映像信号の送信を制御する送信処理部と、を含み、前記モニタは、前記ワイヤレス映像送信部からの前記ワイヤレス映像信号を受信するワイヤレス映像受信部と、前記ワイヤレス映像受信部による前記ワイヤレス映像信号の受信を検知する入力検知部と、前記モニタに有線で接続された、前記プロセッサとは異なる医療機器が出力する有線映像信号を受信する有線映像受信部と、前記ワイヤレス映像信号を変換した前記医療用画像と、前記有線映像信号を変換した有線画像と、を切り換えて前記モニタの表示部に表示する受信処理部と、を含み、前記プロセッサは、前記内視鏡検知部が前記内視鏡の挿入を検知すると、前記送信処理部が前記ワイヤレス映像信号の送信開始を指示するように構成され、前記モニタは、前記入力検知部が前記ワイヤレス映像受信部による前記ワイヤレス映像信号の受信を検知すると、前記受信処理部が前記医療用画像を前記モニタの表示部に表示するように構成されるワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【0020】
本発明の第8の態様は、第7の態様に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、前記プロセッサは、前記内視鏡検知部が前記内視鏡の抜去を検知すると、前記送信処理部が前記ワイヤレス映像信号の送信停止を指示するように構成され、前記モニタは、前記入力検知部が前記ワイヤレス映像受信部による前記ワイヤレス映像信号の受信停止を検知すると、前記受信処理部が前記有線画像を前記モニタの表示部に表示するように構成されるワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【0021】
本発明の第9の態様は、第7の態様に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、前記プロセッサは、前記内視鏡が接続された状態で前記プロセッサの電源がオンになると、前記送信処理部が前記ワイヤレス映像信号の送信開始を指示するように構成され、前記モニタは、前記入力検知部が前記ワイヤレス映像受信部による前記ワイヤレス映像信号の受信を検知すると、前記受信処理部が前記医療用画像を前記モニタの表示部に表示するように構成されるワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【0022】
本発明の第10の態様は、第9の態様に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、前記モニタは、前記プロセッサの電源がオフになり、前記入力検知部が前記ワイヤレス映像受信部による前記ワイヤレス映像信号の受信停止を検知すると、前記受信処理部が前記有線画像を前記モニタの表示部に表示するように構成されるワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【0023】
本発明の第11の態様は、第7の態様に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、さらに、前記ワイヤレス内視鏡システムが備えられた手術室内の設備を集中管理するコントローラと、を含み、前記プロセッサは、さらに、前記設備の設定を行うための操作部と、前記コントローラとの間で前記操作部により行われた前記設備の設定に関する情報を含む制御信号を無線により送受信するワイヤレス制御送受信部と、を含み、前記コントローラは、前記プロセッサとの間で前記操作部により行われた前記設備の設定に関する情報を含む前記制御信号を無線により送受信するワイヤレス制御送受信部と、前記コントローラの前記ワイヤレス制御送受信部が受信した前記制御信号に含まれる前記設備の設定に関する情報に従って、前記設備の設定を変更する受信処理部と、を含み、前記プロセッサは、電源がオンになると、前記プロセッサの前記ワイヤレス制御送受信部が、前記制御情報を前記コントローラの前記ワイヤレス制御送受信部に無線で送信するように構成されるワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【0024】
本発明の第12の態様は、第7の態様に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、さらに、前記モニタの個体識別子を記憶する記憶部を含み、前記送信処理部は、前記個体識別子により、前記ワイヤレス映像信号を無線で送信する送信先を指定するワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【0025】
本発明の第13の態様は、内視鏡に接続される医療用画像を出力するプロセッサと、前記医療用画像を表示する複数のモニタと、を有するワイヤレス内視鏡システムであって、前記プロセッサは、前記複数のモニタの各々との間で制御信号を無線で送受信するワイヤレス制御送受信部と、前記制御信号に含まれる前記複数のモニタの各々の前記表示状態に基づいて、前記医療用画像の送信先を、前記複数のモニタのうちの映像を表示していないモニタに決定する送信処理部と、前記送信処理部により決定された前記モニタに前記医療用画像をワイヤレス映像信号に変換して無線で送信するワイヤレス映像送信部と、を含むワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【0026】
本発明の第14の態様は、内視鏡に接続される医療用画像を出力するプロセッサと、前記医療用画像を表示するモニタと、を有するワイヤレス内視鏡システムであって、前記プロセッサは、前記プロセッサに対する前記内視鏡の挿抜を検知する内視鏡検知部と、前記医療用画像をワイヤレス映像信号に変換して無線で送信するワイヤレス映像送信部と、前記内視鏡検知部が前記内視鏡の挿入を検知すると、前記ワイヤレス映像送信部に前記ワイヤレス映像信号の送信開始を指示する送信処理部と、を含むワイヤレス内視鏡システムを提供する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、内視鏡で取得される画像をモニタに表示するまでに必要な準備作業が少なく、内視鏡で取得される画像を容易にモニタに表示することができる内視鏡システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例1に係る医療手術システムの全体構成図である。
【図2】本発明の実施例1に係る医療手術システムに含まれる内視鏡を例示した図である。
【図3】本発明の実施例1に係る医療手術システムに含まれる他の内視鏡を例示した図である。
【図4】本発明の実施例1に係る医療手術システムに含まれるプロセッサとモニタについて説明するための図であり、プロセッサの電源がオフ状態での様子が示されている。
【図5】図4に例示されるプロセッサの送信部の構成を例示した概略図である。
【図6】図4に例示されるモニタの受信部の構成を例示した概略図である。
【図7】本発明の実施例1に係る医療手術システムに含まれるプロセッサとモニタについて説明するための図であり、プロセッサの電源がオン状態での様子が示されている。
【図8】図7に例示されるプロセッサで実行される通信準備処理のフローチャートである。
【図9】図5に例示されるプロセッサの操作部の構成を例示した外観図である。
【図10】本発明の実施例2に係る医療手術システムに含まれるプロセッサとモニタについて説明するための図であり、内視鏡がプロセッサに挿入されていない状態での様子が示されている。
【図11】本発明の実施例2に係る医療手術システムに含まれるプロセッサとモニタについて説明するための図であり、内視鏡がプロセッサに挿入されている状態での様子が示されている。
【図12】図10に例示されるプロセッサの送信部の構成を例示した概略図である。
【図13】図10に例示されるモニタの受信部の構成を例示した概略図である。
【図14】図10に例示されるプロセッサと内視鏡の構成を例示した概略図である。
【図15】本発明の実施例3に係る医療手術システムに含まれるプロセッサ、モニタ、コントローラについて説明するための図である。
【図16】図15に例示されるコントローラの受信部の構成を例示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0029】
図1は、本実施例に係る医療手術システムの全体構成図である。図2、図3は、それぞれ本実施例に係る医療手術システムに含まれる内視鏡を例示した図である。
【0030】
図1に例示される医療手術システム100は、内視鏡下外科手術が行われる手術室であり、且つ、ワイヤレス内視鏡システムあり、手術室に固定して配置された、即ち、常設された設備及び装置に加えて、手術室に必要に応じて搬入される装置を含んでいる。
【0031】
医療手術システム100は、手術室に常設された設備及び装置として、患者が横たわる患者ベッド10と、天井照明(天井照明11、天井照明12)と、天井から吊り下げられた無影灯(無影灯13、無影灯14)と、天井から吊り下げられた医療用画像を表示する複数のモニタ(モニタ50、モニタ56、モニタ57)と、内視鏡が接続されるプロセッサ15と、操作パネル24と、表示パネル26と、気腹装置27と、光源装置28と、電気メス装置29と、手術室内の設備を集中管理するコントローラ90と、を含んでいる。プロセッサ15、操作パネル24、表示パネル26、気腹装置27、光源装置28、電気メス装置29及びコントローラ90は、他の医療機器とともにラックに載置されている。操作パネル24は、例えば、液晶ディスプレイとタッチセンサとが一体となって構成された入力装置である。操作パネル24を操作することで種々の装置(例えば、光源装置28、電気メス装置29、気腹装置27など)を制御することができる。なお、操作パネル24は非滅菌域にいる看護師によって操作されるものであり、通常は術者が直接操作するものではない。
【0032】
内視鏡下外科手術では、術者は患者の症例や術者が用いる手技に応じて立ち位置を変化させる必要があるため、医療用画像を表示するモニタの最適な位置も術者の立ち位置に応じて変化することになる。上述した複数のモニタは、このような事情を考慮したものである。医療手術システム100は、術者の指示に従って看護師が操作パネル24を操作することでコントローラ90を制御し、医療機器(例えば、プロセッサ15)から出力される医療用画像を複数のモニタのうちの任意のモニタに表示させることができる。
【0033】
医療手術システム100は、手術室に必要に応じて搬入される装置として、内視鏡が接続されるプロセッサ30と、光源装置21と、電気メス装置22と、気腹装置23と、モニタ25を含み、これらの装置は可搬式のカート20に実装されている。
【0034】
手術室に常設されたプロセッサ15と必要に応じて手術室内に搬入されるプロセッサ30は、内視鏡が接続されて医療用画像を出力するという点では共通している。しかしながら、プロセッサ15とプロセッサ30は、プロセッサ15が出力する医療用画像は有線でモニタに送信されて表示されるのに対して、プロセッサ30が出力する医療用画像は無線でモニタに送信されて表示されるという点で異なっている。なお、以降では、プロセッサ15が出力される医療用画像を必要に応じて有線画像と記し、プロセッサ30から出力される医療用画像と区別する。
【0035】
図2に例示される内視鏡16は、手術室に常設されたプロセッサ15に接続される硬性内視鏡であり、そのコネクタ17をプロセッサ15に挿入することにより、プロセッサ15に接続される。一方、図3に例示される内視鏡40は、必要に応じて手術室に搬入されるプロセッサ30に接続される軟性内視鏡であり、そのコネクタ41をプロセッサ30に挿入することにより、プロセッサ30に接続される。
【0036】
図2、図3では、それぞれ、プロセッサ15に接続される内視鏡として硬性内視鏡を、プロセッサ30に接続される内視鏡として軟性内視鏡を例示した。このようなプロセッサと内視鏡の組み合わせは、内視鏡の使用頻度等から見て最も一般的な組み合わせであると考えられるが、プロセッサと内視鏡の組み合わせは、特にこの組み合わせに限られない。プロセッサ15に軟性内視鏡が接続され、プロセッサ30に硬性内視鏡が接続されてもよい。また、プロセッサ15及びプロセッサ30の両方に軟性内視鏡が接続されてもよく、同様に、両方に硬性内視鏡が接続されてもよい。
【0037】
医療手術システム100は、さらに、図1では図示しない種々の装置及び設備を含んでもよい。医療手術システム100は、例えば、術野を観察する術野カメラやプロセッサ30で生成される映像を保存するビデオレコーダなどを含んでもよい。
【0038】
図4は、本実施例に係る医療手術システムに含まれるプロセッサとモニタについて説明するための図であり、プロセッサの電源がオフ状態での様子が示されている。図5は、図4に例示されるプロセッサの送信部の構成を例示した概略図である。図6は、図4に例示されるモニタの受信部の構成を例示した概略図である。
【0039】
以下、図4から図6を参照しながら、必要に応じて手術室に搬入されるプロセッサ30と複数のモニタ(モニタ50、モニタ56、モニタ57)の構成について、より詳細に説明する。
【0040】
図4は、モニタ50の表示部に画像が表示されておらず、モニタ56の表示部にプロセッサ30以外の医療機器(例えば、プロセッサ15)から出力された医療用画像が表示されている状態を例示している。
【0041】
プロセッサ30は、図4に例示されるように、内視鏡40(のコネクタ41)と結合されるコネクタ37と、医療用画像をワイヤレス映像信号として出力する送信部31と、を含んでいる。また、モニタ50、モニタ56、及び、図示しないモニタ57の各々は、図4に例示されるように、医療用画像を表示する表示部と、ワイヤレス映像信号または有線映像信号として入力される医療用画像を受信する受信部51と、を含んでいる。
【0042】
プロセッサ30の送信部31は、図4及び図5に例示されるように、複数のモニタの各々との間で制御信号を無線で送受信するワイヤレス制御送受信部34と、ワイヤレス制御送受信部34で受信される制御信号に含まれるモニタの表示状態を記憶する記憶部32と、記憶部32に記憶された複数のモニタの各々の表示状態に基づいて医療用画像の送信先を複数のモニタのうちの映像を表示していないモニタに決定する送信処理部33と、送信処理部33により決定された映像を表示していないモニタに医療用画像をワイヤレス映像信号に変換して無線で送信するワイヤレス映像送信部35と、種々の設定を行う操作部36を含んでいる。
【0043】
記憶部32には、複数のモニタの各々の表示状態に加えて、複数のモニタの各々の個体識別子、及び、自身(プロセッサ30)の個体識別子が記憶されている。なお、個体識別子は、例えば、MACアドレスなどであるが、個体を一意に特定することができるものであれば、特にMACアドレスに限られない。
【0044】
記憶部32は、複数のモニタの各々の個体識別子と複数のモニタの各々の表示状態とを関連付けて記憶するように構成されていて、送信処理部33は、記憶部32に記憶されている個体識別子により、ワイヤレス映像信号を送信する送信先を指定するように構成されている。
【0045】
複数のモニタの各々の受信部51は、図4及び図6に例示されるように、プロセッサ30のワイヤレス映像送信部35からのワイヤレス映像信号を受信するワイヤレス映像受信部53と、プロセッサ30(ワイヤレス制御送受信部34)との間で制御信号を無線で送受信するワイヤレス制御送受信部52と、ワイヤレス映像受信部53が受信したワイヤレス映像信号を医療用画像に変換してそのモニタの表示部に表示する受信処理部55と、そのモニタの個体識別子(例えば、MACアドレス)を記憶する記憶部54を含んでいる。なお、受信部51は、さらに、図示しない有線映像受信部を含んでいる。
【0046】
なお、図4及び図5では、プロセッサ30の本体内部に送信部31を備えた構成が例示されているが、送信部31はプロセッサ30の本体の外部に設けられた外付けユニットとして構成されてもよい。また、プロセッサ30と内視鏡40が一体として構成されている場合には、送信部31は内視鏡40のカメラヘッド内部に設けられても良い。同様に、図4及び図6では、モニタ(モニタ50、モニタ56など)の本体内部に受信部51を備えた構成が例示されているが、受信部51はモニタの本体の外部に設けられた外付けユニットとして構成されてもよい。
【0047】
また、プロセッサ30と複数のモニタの各々との間で行われる無線通信には、同じ周波数チャンネル及び無線方式が利用されても、異なる周波数チャンネル及び無線方式が利用されてもよい。さらに、プロセッサ30とモニタとの間で行われる無線通信のうちの制御信号の無線通信と映像信号の無線通信についても、同じ周波数チャンネル及び無線方式が利用されても、異なる周波数チャンネル及び無線方式が利用されてもよい。同じ周波数チャンネルを利用する場合には、時分割で通信すればよい。
【0048】
次に、図7及び図8を参照しながら、プロセッサ30の電源をオフからオンに切り換えたときの医療手術システム100の動作について説明する。図7は、医療手術システム100に含まれるプロセッサ30とモニタについて説明するための図であり、プロセッサ30の電源がオン状態での様子が示されている。図8は、図7に例示されるプロセッサ30で実行される通信準備処理のフローチャートである。
プロセッサ30の電源がオンになると、医療手術システム100では、プロセッサ30が通信準備状態に遷移し、図8に例示される通信準備処理を実行する。
【0049】
通信準備処理では、まず、ワイヤレス制御送受信部34が無線通信範囲内にあるモニタを探索する(ステップS1)。具体的には、例えば、ワイヤレス制御送受信部34が通信対象を特定することなく自身のMACアドレスを含むブロードキャストパケットを送信し、ブロードキャストパケットを受信した無線通信範囲内のモニタ(例えば、モニタ50とモニタ56)が自身のMACアドレスをワイヤレス制御送受信部34に返信する。ワイヤレス制御送受信部34は、受信したMACアドレスを記憶部32に記憶させる。このような方法を用いることで、無線通信範囲内に存在する通信可能な各モニタ(例えば、モニタ50とモニタ56)の個体識別子を取得することができる。なお、モニタの探索は、ワイヤレス制御送受信部34の代わりに、ワイヤレス映像送信部35が行ってもよい。
【0050】
次に、ワイヤレス制御送受信部34が、記憶部32に記憶された個体識別子により各モニタを指定してそれぞれとユニキャスト通信、または、記憶部32に記憶された個体識別子により複数のモニタを指定してそれらとマルチキャスト通信を行い、受信した制御信号から各モニタの表示状態を取得する(ステップS2)。このときに取得される各モニタの表示状態は、例えば、図4に例示される状態であれば、モニタ50の表示状態は非表示状態であり、モニタ56の表示状態は表示中状態である。そして、記憶部32が、取得した各モニタの表示状態を各モニタの個体識別子と関連付けて記憶する(ステップS3)。
【0051】
最後に、送信処理部33が、記憶部32に記憶された各モニタの表示状態に基づいて映像が表示されていないモニタ(例えば、モニタ50)を特定して、そのモニタをワイヤレス映像信号の送信先として決定し(ステップS4)、通信準備処理を終了する。
【0052】
その後、ワイヤレス映像送信部35が、ステップS4で特定されたモニタの個体識別子により送信先を指定してワイヤレス映像信号を送信し、ワイヤレス映像受信部53で受信したワイヤレス映像信号を受信処理部55が医療用画像としてモニタの表示部に表示する。これにより、図7に示されるように、それまで映像が表示されていなかったモニタ50にプロセッサ30から出力された医療用画像が表示される。
【0053】
即ち、医療手術システム100では、プロセッサ30の電源がオンになると、プロセッサ30は、ワイヤレス制御送受信部34が制御信号を受信して複数のモニタの各々の表示状態を取得して、送信処理部33が映像を表示していないモニタを特定して、ワイヤレス映像送信部35が映像を表示していないモニタにワイヤレス映像信号を無線で送信するように構成されている。一方、モニタ(モニタ50、モニタ56など)は、ワイヤレス映像受信部53がワイヤレス映像信号を受信すると、受信処理部55がワイヤレス映像信号を医療用画像に変換してモニタの表示部に表示するように構成されている。
【0054】
以上に記載されるように、本実施例に係る医療手術システム100によれば、プロセッサ30の電源をオン状態に切り換えるだけで、無線通信範囲内に存在する複数のモニタと自動的に通信して映像を表示していないモニタを特定して、そのモニタにプロセッサ30から出力された医療用画像を表示させることができる。
【0055】
従って、無線で接続する内視鏡(プロセッサ)とモニタを指定する作業とそれらの間で無線接続を確立するように指示する作業を省略することが可能であるため、内視鏡で取得される画像をモニタに表示するまでに必要な準備作業が少なくなり、内視鏡で取得される画像を容易にモニタに表示することができる。また、無線でプロセッサとモニタを接続するため、ケーブルを用いて有線で接続する場合に比べて、作業負担の軽減、安全性の向上といった効果も得られる。また、他の医療機器(例えば、プロセッサ15)から出力されてすでにモニタに表示されている画像の表示は維持されるため、術者の作業を妨げることがなく安全性の面においても好ましい。また、複数の医療機器の各々からの医療用画像を同時に表示したい場合などには特に好適である。
【0056】
なお、本実施例に係る医療手術システム100は、さらに、以下のような種々の変形が可能である。
プロセッサ30の操作部36は、映像を表示する複数のモニタの優先順位を設定する機能を有してもよい。この場合、記憶部32は、複数のモニタの各々の個体識別子、表示状態、優先順位を関連付けて記憶するように構成され、図9に例示されるように、操作部36は、そのディスプレイ38に個体識別子(ID)、表示状態(Status)、優先順位(Priority)を表示するように構成されてもよい。
【0057】
このように、操作部36を介してモニタの優先順位を事前に設定しておくことで、送信処理部33は、映像を表示していないモニタが複数存在する場合には、ワイヤレス映像信号を無線で送信するモニタを優先順位に従って決定することができる。このため、例えば、図1に例示されるモニタ56及びモニタ57に映像が表示されていない場合など映像を表示していないモニタが複数存在する場合であっても、事前に優先順位を適切に設定することで、利用者にとって最適なモニタに映像が表示することができる。
【0058】
なお、操作部36は、図9に例示されるようなボタンやディスプレイ38を備えた構成に限られない。例えば、RS−232Cなどのインターフェースを介してPCなどから操作することができる設定機能として構成されてもよい。又、内視鏡にはスイッチがあるものもあり、それらで設定できるようにしてもよい。
【0059】
また、プロセッサ30の操作部36は、モニタの表示設定を行う機能を有してもよい。この場合、プロセッサ30のワイヤレス制御送受信部34は、送信処理部33により決定された映像を表示していないモニタに、操作部36により設定されたモニタの表示設定を制御信号として無線で送信するように構成され、モニタの受信処理部55は、モニタのワイヤレス制御送受信部52が受信した制御信号に含まれる表示設定に従ってモニタの表示設定を変更するように構成されてもよい。
【0060】
プロセッサ30には、接続される内視鏡の種類(例えば、軟性内視鏡、硬性内視鏡)などによって、好ましいモニタの表示設定が存在する場合がある。例えば、一般に、硬性内視鏡の画像は、軟性内視鏡の画像に比べて輝度を高くして表示することが好まれる。このため、予めプロセッサ30側で接続される内視鏡に応じたカラーモードをモニタの表示設定として指定しておくことで、映像が任意にモニタに表示される場合であっても、常に良好な映像を表示することができる。
【0061】
モニタの表示設定としては、カラーモードなどの内視鏡に応じた設定の他に、例えば、2画面設定を指定することもできる。そのような設定は、例えば、プロセッサ30から出力される軟性内視鏡の医療用画像とプロセッサ15から出力される硬性内視鏡の医療用画像とを一つのモニタ内で並べて表示したい場合などに好適である。具体的には、両画像を比較した診断が必要な場合などが挙げられる。この場合、2画面設定により術者の視点の移動を最小限に抑えることで術者の疲労を抑制することができる。また、モニタの導入数を削減にもつながるため、設備の導入または維持コストの低減にも寄与し得る。
【実施例2】
【0062】
図10、図11は、本実施例に係る医療手術システムに含まれるプロセッサとモニタについて説明するための図であり、それぞれ、内視鏡がプロセッサに挿入されていない状態、挿入されている状態での様子が示されている。なお、図10では、モニタ80の表示部にプロセッサ15の映像送信部18から出力された医療用画像が表示されている例が、図11では、モニタ80の表示部にプロセッサ60から出力された画医療用画像が表示されている例が示されている。図12は、図10に例示されるプロセッサの送信部の構成を例示した概略図である。図13は、図10に例示されるモニタの受信部の構成を例示した概略図である。図14は、図10に例示されるプロセッサと内視鏡の構成を例示した概略図である。
【0063】
本実施例に係る医療手術システム200は、図1に例示される実施例1に係る医療手術システム100と同様に、内視鏡下外科手術が行われる手術室であり、且つ、ワイヤレス内視鏡システムあり、内視鏡に接続される医療用画像を出力するプロセッサ(プロセッサ15、プロセッサ60)と、医療用画像を表示するモニタ80を有している。
【0064】
医療手術システム200は、プロセッサ30及び内視鏡40の代わりにプロセッサ60及び内視鏡70を含む点、複数のモニタ(モニタ50、モニタ56、モニタ57)の代わりにモニタ80を含む点が、実施例1に係る医療手術システム100と異なっている。その他の構成は、医療手術システム100の構成と同様であるので、以降では、医療手術システム100と同一の構成要素には同一の符号を付して参照し、詳細な説明は省略する。
【0065】
以下、図10から図14を参照しながら、必要に応じて手術室に搬入されるプロセッサ60及び内視鏡70の構成とモニタ80の構成について、より詳細に説明する。
【0066】
プロセッサ60は、図10、図11及び図14に例示されるように、内視鏡70(のコネクタ71)と結合されるコネクタ69と、撮像回路66と、CCD検知部67と、画像処理回路68と、医療用画像をワイヤレス映像信号として出力する送信部61を含んでいる。内視鏡70は、図14に例示されるように、プロセッサ60(のコネクタ69)と結合されるコネクタ71と、CCD72と、CCD検知用回路73を含んでいる。モニタ80は、図10及び図11に例示されるように、医療用画像を表示する表示部と、ワイヤレス映像信号または有線映像信号として入力される医療用画像を受信する受信部81と、を含んでいる。
【0067】
プロセッサ60の送信部61は、図10から図12に例示されるように、プロセッサ60に対する内視鏡70の挿抜を検知する内視鏡検知部65と、医療用画像をワイヤレス映像信号に変換して無線で送信するワイヤレス映像送信部64と、内視鏡検知部65の検知結果に応じて、ワイヤレス映像送信部64によるワイヤレス映像信号の送信を制御する送信処理部63と、プロセッサ60の個体識別子とモニタ80の個体識別子(例えば、MACアドレス)を記憶する記憶部62を含んでいる。送信処理部63は、モニタ80の個体識別子により、ワイヤレス映像信号を無線で送信する送信先を指定するように構成されている。
【0068】
モニタ80の受信部81は、図10、図11及び図13に例示されるように、プロセッサ60のワイヤレス映像送信部64からのワイヤレス映像信号を受信するワイヤレス映像受信部82と、ワイヤレス映像受信部82によるワイヤレス映像信号の受信を検知する入力検知部83と、モニタ80に有線で接続されたプロセッサ15が出力する有線映像信号を受信する有線映像受信部84と、ワイヤレス映像信号を変換した医療用画像と有線映像信号を変換した有線画像とを切り換えてモニタ80の表示部に表示する受信処理部86と、そのモニタ80の個体識別子(例えば、MACアドレス)を記憶する記憶部85を含んでいる。
【0069】
なお、送信部61や受信部81が外付けユニットとして構成されてもよい点、送信部61が内視鏡70に設けられてもよい点については、実施例1と同様である。また、図10及び図11では、医療手術システム200内に唯一のモニタ80が含まれる構成が例示されているが、実施例1に係る医療手術システム100と同様にモニタは複数存在してもよい。
【0070】
次に、内視鏡70をプロセッサ60に挿入したときの医療手術システム200の動作について説明する。
プロセッサ60では、内視鏡70がプロセッサ60に挿入されると、図14に例示されるように、内視鏡70のコネクタ71とプロセッサ60のコネクタ69が結合されて、内視鏡70とプロセッサ60が電気的に接続された状態(以降、導通状態と記す)となる。導通状態になると、内視鏡70のCCD72及びCCD検知用回路73からの電気信号は、コネクタ71及びコネクタ69を介してプロセッサ60へ伝達される。CCD72からの電気信号は、撮像回路66で画像化されて、画像処理回路68で所望の画像処理が施されてから、医療用画像として送信部61に出力される。一方、CCD検知用回路73からの電気信号は、CCD検知部67を経由して、送信部61の内視鏡検知部65へ出力される。
【0071】
内視鏡検知部65は、CCD検知用回路73からの信号の変化、例えば、信号がない状態からある状態(または、低レベル状態から高レベル状態)への変化を検知することによって、内視鏡70の挿入を検知することができる。内視鏡検知部65が内視鏡70の挿入を検知すると、送信処理部63は、記憶部62に記憶された個体識別子を用いてモニタ80を指定して、ワイヤレス映像送信部64にワイヤレス映像信号の送信開始を指示する。ワイヤレス映像送信部64は、画像処理回路68から出力された医療用画像をワイヤレス映像信号に変換して、指定されたモニタ80に無線で送信する。
【0072】
なお、記憶部62にモニタ80の個体識別子が記憶されていない場合には、実施例1で説明した方法でモニタ80を探索してモニタ80の個体識別子を取得してから送信処理を開始する。
【0073】
モニタ80では、ワイヤレス映像受信部82がワイヤレス映像信号を受信しそれを入力検知部83が検知すると、受信処理部86が有線映像受信部84からの有線映像信号の処理に優先して、ワイヤレス映像信号を医療用画像に変換して、モニタの表示部に表示する。これにより、図11に示されるように、モニタ80にプロセッサ60から出力された医療用画像が表示される。
【0074】
即ち、医療手術システム200では、プロセッサ60は、内視鏡検知部65が内視鏡70の挿入を検知すると、送信処理部63がワイヤレス映像信号の送信開始をワイヤレス映像送信部64に指示するように構成されている。一方、モニタ80は、入力検知部83がワイヤレス映像受信部82によるワイヤレス映像信号の受信を検知すると、受信処理部86がプロセッサ60からの医療用画像をモニタ80の表示部に表示するように構成されている。
【0075】
さらに、内視鏡検知部65は、CCD検知用回路73からの信号の変化、例えば、信号がある状態からない状態(または、高レベル状態から低レベル状態)への変化を検知することによって、内視鏡70の抜去を検知することも可能である。
【0076】
従って、プロセッサ60は、内視鏡検知部65が内視鏡70の抜去を検知すると、送信処理部63がワイヤレス映像送信部64にワイヤレス映像信号の送信停止を指示するように構成されてもよい。この場合、モニタ80は、ワイヤレス映像送信部64からの送信の停止により、入力検知部83がワイヤレス映像受信部82によるワイヤレス映像信号の受信停止を検知すると、受信処理部86が有線映像受信部84で受信した有線映像信号を有線画像に変換して、モニタ80の表示部に表示するように構成されてもよい。
【0077】
以上に記載されるように、本実施例に係る医療手術システム200によれば、内視鏡70をプロセッサ60へ挿入するだけで、無線通信範囲内に存在するモニタ80と自動的に通信して、有線で接続された医療機器(プロセッサ15)からの有線画像に優先してプロセッサ60から出力された医療用画像をモニタ80に表示させることができる。また、内視鏡70をプロセッサ60へ抜去するだけで、モニタ80に表示される画像を医療用画像から有線画像に戻すことができる。即ち、医療手術システム200によれば、内視鏡70の挿抜をトリガーとしてモニタ80に表示される画像を切り換えることができる。
【0078】
このように、医療手術システム200でも実施例1に係る医療手術システム100と同様に、無線で接続する内視鏡(プロセッサ)とモニタを指定する作業とそれらの間で無線接続を確立するように指示する作業を省略することが可能であるため、内視鏡で取得される画像をモニタに表示するまでに必要な準備作業が少なくなり、内視鏡で取得される画像を容易にモニタに表示することができる。また、無線でプロセッサとモニタを接続するため、ケーブルを用いて有線で接続する場合に比べて、作業負担の軽減、安全性の向上といった効果も得られる。また、プロセッサから有線で出力される有線画像に優先してプロセッサから無線で出力される医療用画像をモニタに表示することができるため、無線で接続されるプロセッサからの医療用画像を常に最良の位置にあるモニタに表示することができる。
【0079】
なお、本実施例に係る医療手術システム200は、さらに、以下のような種々の変形が可能である。
プロセッサ60の送信処理部63が、プロセッサ60の電源のオンオフ動作に連動して、ワイヤレス映像送信部64を制御する機能を有してもよい。この場合、プロセッサ60は、内視鏡70が接続された状態でプロセッサ60の電源がオンになると、送信処理部63がワイヤレス映像信号の送信開始を指示するように構成される。一方、モニタ80は、入力検知部83がワイヤレス映像受信部82によるワイヤレス映像信号の受信を検知すると、受信処理部86が医療用画像をモニタ80の表示部に表示するように構成される。さらに、モニタ80は、プロセッサ60の電源がオフになり入力検知部83がワイヤレス映像信号の受信停止を検知すると、受信処理部86が有線画像をモニタの表示部に表示するように構成されてもよい。
【0080】
これにより、医療手術システム200は、内視鏡70の挿抜に加えて、プロセッサ60の電源のオンオフをトリガーとして、モニタ80に表示される画像を切り換えることができる。
【実施例3】
【0081】
図15は、本実施例に係る医療手術システムに含まれるプロセッサ、モニタ、コントローラについて説明するための図である。図16は、図15に例示されるコントローラの受信部の構成を例示した概略図である。
【0082】
本実施例に係る医療手術システム300は、図1に例示される実施例1に係る医療手術システム100と同様に、内視鏡下外科手術が行われる手術室であり、且つ、ワイヤレス内視鏡システムある。
【0083】
医療手術システム300は、医療手術システム100と同様の構成を有するが、プロセッサ30の操作部36が手術室の設備95の設定機能を有する点、手術室内の設備95を集中管理するコントローラ90がプロセッサ30から送信される設備95の設定に関する情報(以降、単に、設定情報と記す)に従って設備95の設定を変更する点、が医療手術システム100と異なっている。
【0084】
コントローラ90は、図15に例示されるように、プロセッサ30からの設備95の設定情報を含む制御信号を受信する受信部91を含んでいる。受信部91は、図16に例示されるように、プロセッサ30との間で設定情報を含む制御信号を無線により送受信するワイヤレス制御送受信部92と、ワイヤレス制御送受信部92が受信した制御信号に含まれる設定情報に従って設備95の設定を変更する受信処理部94と、コントローラ90の個体識別子や管理対象の設備95の個体識別子を記憶する記憶部93を含んでいる。
【0085】
なお、受信部91は外付けユニットとして構成されてもよい。また、プロセッサ30とモニタの各々との間で行われる無線通信とプロセッサ30とコントローラ90との間で行われる無線通信には、同じ周波数チャンネル及び無線方式が利用されても、異なる周波数チャンネル及び無線方式が利用されてもよい。
【0086】
次に、プロセッサ30の電源をオフからオンに切り換えたときの医療手術システム300の動作について説明する。なお、プロセッサ30の電源がオンになったときに、プロセッサ30とモニタと間で行われる動作については、実施例1に係る医療手術システム100と同様であるため、説明を省略する。
【0087】
プロセッサ30の電源がオンになると、プロセッサ30は、図8で説明したモニタとの間の無線通信のための通信準備処理及びその後の無線映像信号の送信処理に加えて、さらに、以下の処理を行う。
【0088】
まず、プロセッサ30は、記憶部32にコントローラ90の個体識別子が記憶されていない場合には、実施例1で上述した探索方法を用いて、コントローラ90の個体識別子を取得し、記憶部32に記憶させる。次に、送信処理部33が、記憶部32に記憶されているコントローラ90の個体識別子により、予め操作部36から設定された設備95の設定情報を含む制御信号を送信する送信先を、コントローラ90に指定する。そして、プロセッサ30のワイヤレス制御送受信部34が、その制御情報をコントローラ90のワイヤレス制御送受信部92に無線で送信する。
【0089】
さらに、コントローラ90では、コントローラ90の受信処理部94が、ワイヤレス制御送受信部92で受信した制御信号から設備95の設定情報を抽出して、その設定情報に従って設備95の設定を変更する。
【0090】
即ち、医療手術システム300では、プロセッサ30は、プロセッサ30の電源がオンになると、プロセッサ30のワイヤレス制御送受信部34が、設備95の設定情報を含む制御情報をコントローラ90のワイヤレス制御送受信部92に無線で送信するように構成されている。
【0091】
以上に記載されるように、本実施例に係る医療手術システム300によれば、プロセッサ30の電源をオン状態に切り換えるだけで、手術室の設備95の設定を変更することができる。
【0092】
また、医療手術システム300では、操作部36から任意の設備の設定を行うことができるが、そのうちの代表的な設備としては、例えば、天井照明(天井照明11、天井照明12)や無影灯(無影灯13、無影灯14)などの照明設備や、気腹装置23などの医療機器が挙げられる。下表は、これらの設備(以降、設定対象と記す)の設定項目(以降、設定項目と記す)とその設定値または設定内容について例示したものである。
【表1】

【0093】
上表に示される設備の好ましい設定はいずれも、内視鏡の種類とある程度関連性を有している。例えば、軟性内視鏡を使用する場合には、硬性内視鏡を使用する場合に比べてより明るい環境が望まれる。このため、照明設備の設定もこれに合わせて調整されることが望ましい。
【0094】
このため、医療手術システム300によれば、予めプロセッサ30に接続される内視鏡の種類に応じて操作部36から設備の設定を指定することで、プロセッサ30の電源をオン状態に切り換えるだけで、使用する内視鏡に応じて手術室全体の設定を最適化することができる。
【0095】
なお、図15では、本実施例に係る医療手術システム300は、実施例1に係る医療手術システム100の変形例として記載している。このため、医療手術システム300によっても、実施例1に係る医療手術システム100と同様の効果を得ることができる。また、本実施例に係る医療手術システムを実施例2に係る医療手術システム100の変形例として構成することも可能である。その場合、プロセッサ60はさらに、ワイヤレス制御送受信部34を含んでもよく、または、プロセッサ60のワイヤレス映像送信部64が、設定情報を含む制御信号を送信してもよい。
【符号の説明】
【0096】
100、200、300・・・医療手術システム
10・・・患者ベッド
11、12・・・天井照明
13、14・・・無影灯
15、30、60・・・プロセッサ
16、40、70・・・内視鏡
17、37、41、69、71・・・コネクタ
18・・・映像送信部
20・・・カート
21、28・・・光源装置
22、29・・・電気メス装置
23、27・・・気腹装置
24・・・操作パネル
26・・・表示パネル
31、61・・・送信部
32、54、62、85、93・・・記憶部
33、63・・・送信処理部
34、52、92・・・ワイヤレス制御送受信部
35、64・・・ワイヤレス映像送信部
36・・・操作部
38・・・ディスプレイ
25、50、56、57、80、87、88・・・モニタ
51、81、91・・・受信部
53、82・・・ワイヤレス映像受信部
55、86、94・・・受信処理部
65・・・内視鏡検知部
66・・・撮像回路
67・・・CCD検知部
68・・・画像処理回路
72・・・CCD
73・・・CCD検知用回路
83・・・入力検知部
84・・・有線映像受信部
90・・・コントローラ
95・・・設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡に接続される医療用画像を出力するプロセッサと、前記医療用画像を表示する複数のモニタと、を有するワイヤレス内視鏡システムであって、
前記プロセッサは、
前記複数のモニタの各々との間で制御信号を無線で送受信するワイヤレス制御送受信部と、
前記ワイヤレス制御送受信部で受信される前記制御信号に含まれるモニタの表示状態を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記複数のモニタの各々の前記表示状態に基づいて、前記医療用画像の送信先を、前記複数のモニタのうちの映像を表示していないモニタに決定する送信処理部と、
前記送信処理部により決定された映像を表示していない前記モニタに前記医療用画像をワイヤレス映像信号に変換して無線で送信するワイヤレス映像送信部と、を含み、
前記複数のモニタの各々は、
前記ワイヤレス映像送信部からの前記ワイヤレス映像信号を受信するワイヤレス映像受信部と、
前記プロセッサとの間で前記制御信号を無線により送受信するワイヤレス制御送受信部と、
前記ワイヤレス映像受信部が受信した前記ワイヤレス映像信号を前記医療用画像に変換して前記モニタの表示部に表示する受信処理部と、を含む
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、
前記記憶部は、前記複数のモニタの各々の個体識別子と前記複数のモニタの各々の表示状態とを関連付けて記憶するように構成され、
前記送信処理部は、前記個体識別子により、前記ワイヤレス映像信号を無線で送信する送信先を指定する
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。
【請求項3】
請求項1に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、
前記プロセッサは、前記プロセッサの電源がオンになると、
前記プロセッサの前記ワイヤレス制御送受信部が前記複数のモニタの各々の表示状態を取得して、
前記送信処理部が映像を表示していない前記モニタを特定して、
前記ワイヤレス映像送信部が映像を表示していない前記モニタに前記ワイヤレス映像信号を無線で送信する、ように構成され、
前記モニタは、前記ワイヤレス映像受信部が前記ワイヤレス映像信号を受信すると、
前記受信処理部が前記ワイヤレス映像信号を前記医療用画像に変換して前記モニタの前記表示部に表示する、ように構成される
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。
【請求項4】
請求項3に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、さらに、
前記ワイヤレス内視鏡システムを備える手術室内の設備を集中管理するコントローラと、を含み、
前記プロセッサは、さらに、前記設備の設定を行うための操作部を含み、
前記コントローラは、
前記プロセッサとの間で前記操作部により行われた前記設備の設定に関する情報を含む前記制御信号を無線により送受信するワイヤレス制御送受信部と、
前記コントローラの前記ワイヤレス制御送受信部が受信した前記制御信号に含まれる前記設備の設定に関する情報に従って、前記設備の設定を変更する受信処理部と、を含み、
前記プロセッサは、前記プロセッサの電源がオンになると、
前記プロセッサの前記ワイヤレス制御送受信部が、前記制御情報を前記コントローラの前記ワイヤレス制御送受信部に無線で送信するように構成される
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。
【請求項5】
請求項1に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、
前記プロセッサは、さらに、映像を表示する前記複数のモニタの優先順位を設定する操作部を含み、
前記送信処理部は、映像を表示していないモニタが複数存在する場合には、前記優先順位に従って、前記ワイヤレス映像信号を無線で送信するモニタを決定する
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。
【請求項6】
請求項1に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、
前記プロセッサは、さらに、前記モニタの表示設定を行う操作部を含み、
前記プロセッサの前記ワイヤレス制御送受信部は、前記送信処理部により決定された映像を表示していない前記モニタに、前記操作部により設定された前記モニタの表示設定を前記制御信号として無線で送信するように構成され、
前記受信処理部は、前記モニタの前記ワイヤレス制御送受信部が受信した前記制御信号に含まれる表示設定に従って、前記モニタの表示設定を変更する
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。
【請求項7】
内視鏡に接続される医療用画像を出力するプロセッサと、前記医療用画像を表示するモニタと、を有するワイヤレス内視鏡システムであって、
前記プロセッサは、
前記プロセッサに対する前記内視鏡の挿抜を検知する内視鏡検知部と、
前記医療用画像をワイヤレス映像信号に変換して無線で送信するワイヤレス映像送信部と、
前記内視鏡検知部の検知結果に応じて、前記ワイヤレス映像送信部による前記ワイヤレス映像信号の送信を制御する送信処理部と、を含み、
前記モニタは、
前記ワイヤレス映像送信部からの前記ワイヤレス映像信号を受信するワイヤレス映像受信部と、
前記ワイヤレス映像受信部による前記ワイヤレス映像信号の受信を検知する入力検知部と、
前記モニタに有線で接続された、前記プロセッサとは異なる医療機器が出力する有線映像信号を受信する有線映像受信部と、
前記ワイヤレス映像信号を変換した前記医療用画像と、前記有線映像信号を変換した有線画像と、を切り換えて前記モニタの表示部に表示する受信処理部と、を含み、
前記プロセッサは、前記内視鏡検知部が前記内視鏡の挿入を検知すると、前記送信処理部が前記ワイヤレス映像信号の送信開始を指示するように構成され、
前記モニタは、前記入力検知部が前記ワイヤレス映像受信部による前記ワイヤレス映像信号の受信を検知すると、前記受信処理部が前記医療用画像を前記モニタの表示部に表示するように構成される
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。
【請求項8】
請求項7に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、
前記プロセッサは、前記内視鏡検知部が前記内視鏡の抜去を検知すると、前記送信処理部が前記ワイヤレス映像信号の送信停止を指示するように構成され、
前記モニタは、前記入力検知部が前記ワイヤレス映像受信部による前記ワイヤレス映像信号の受信停止を検知すると、前記受信処理部が前記有線画像を前記モニタの表示部に表示するように構成される
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。
【請求項9】
請求項7に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、
前記プロセッサは、前記内視鏡が接続された状態で前記プロセッサの電源がオンになると、前記送信処理部が前記ワイヤレス映像信号の送信開始を指示するように構成され、
前記モニタは、前記入力検知部が前記ワイヤレス映像受信部による前記ワイヤレス映像信号の受信を検知すると、前記受信処理部が前記医療用画像を前記モニタの表示部に表示するように構成される
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。
【請求項10】
請求項9に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、
前記モニタは、前記プロセッサの電源がオフになり、前記入力検知部が前記ワイヤレス映像受信部による前記ワイヤレス映像信号の受信停止を検知すると、前記受信処理部が前記有線画像を前記モニタの表示部に表示するように構成される
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。
【請求項11】
請求項7に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、さらに、
前記ワイヤレス内視鏡システムが備えられた手術室内の設備を集中管理するコントローラと、を含み、
前記プロセッサは、さらに、
前記設備の設定を行うための操作部と、
前記コントローラとの間で前記操作部により行われた前記設備の設定に関する情報を含む制御信号を無線により送受信するワイヤレス制御送受信部と、を含み、
前記コントローラは、
前記プロセッサとの間で前記操作部により行われた前記設備の設定に関する情報を含む前記制御信号を無線により送受信するワイヤレス制御送受信部と、
前記コントローラの前記ワイヤレス制御送受信部が受信した前記制御信号に含まれる前記設備の設定に関する情報に従って、前記設備の設定を変更する受信処理部と、を含み、
前記プロセッサは、電源がオンになると、
前記プロセッサの前記ワイヤレス制御送受信部が、前記制御情報を前記コントローラの前記ワイヤレス制御送受信部に無線で送信するように構成される
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。
【請求項12】
請求項7に記載のワイヤレス内視鏡システムにおいて、さらに、
前記モニタの個体識別子を記憶する記憶部を含み、
前記送信処理部は、前記個体識別子により、前記ワイヤレス映像信号を無線で送信する送信先を指定する
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。
【請求項13】
内視鏡に接続される医療用画像を出力するプロセッサと、前記医療用画像を表示する複数のモニタと、を有するワイヤレス内視鏡システムであって、
前記プロセッサは、
前記複数のモニタの各々との間で制御信号を無線で送受信するワイヤレス制御送受信部と、
前記制御信号に含まれる前記複数のモニタの各々の前記表示状態に基づいて、前記医療用画像の送信先を、前記複数のモニタのうちの映像を表示していないモニタに決定する送信処理部と、
前記送信処理部により決定された前記モニタに前記医療用画像をワイヤレス映像信号に変換して無線で送信するワイヤレス映像送信部と、を含む
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。
【請求項14】
内視鏡に接続される医療用画像を出力するプロセッサと、前記医療用画像を表示するモニタと、を有するワイヤレス内視鏡システムであって、
前記プロセッサは、
前記プロセッサに対する前記内視鏡の挿抜を検知する内視鏡検知部と、
前記医療用画像をワイヤレス映像信号に変換して無線で送信するワイヤレス映像送信部と、
前記内視鏡検知部が前記内視鏡の挿入を検知すると、前記ワイヤレス映像送信部に前記ワイヤレス映像信号の送信開始を指示する送信処理部と、を含む
ことを特徴とするワイヤレス内視鏡システム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図1】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−94593(P2013−94593A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242877(P2011−242877)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】