説明

ワイヤーラック

【課題】既存のワイヤーラックは、非常に便利な日用品であり、使い易く、安定性が高いとの長所があるが、その反面、分解が不可能な為、物流時に非常に大きな空間が必要となり、運送料金を浪費している。また、店頭に商品を並べる際も、最小限の数しか置く事ができず、販売店が多数の材庫を保有する事もできなかった。さらに、購入を希望する顧客も、自宅まで持ち帰る際に邪魔になり、非常に困っている。
そこで、特段の設備投資をせずに、物流時の容積を減らす技術が求められている。
【解決手段】針金の曲げ方を工夫する事で、支柱と棚の接合部などを分離・結合可能に構成し、接合部は、針金の弾性変形を利用して付勢力を与え、摩擦力によってガタつきを防止する。
スプリングなどのバネ鋼を使用せず、通常の軟鋼であっても、最小限の弾性と復元力を有している為、この弾性力を有効活用し、締結部品を使わずに使用時の安定性を確保する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として家庭内のキッチンや、風呂場などの水回りで、物を置く棚として使用される、ワイヤーラックに関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤーラックとは、図1に例示する通り、針金を曲げて接着、又は溶着によって組立てられた、複数の棚を有する収納用具であり、平板部が無い為、極めて水はけが良く、針金だけで構成されている為、材料に無駄が無く、低コストで製造が可能であり、日用品として広く市場に普及している。
また、針金と針金の接合部が、ロー付けや溶接などの、いわゆる溶着によって強力に固着されているので、剛性感が有ってガタが無い。従って、品物を収納した際の安定性が高い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存のワイヤーラックは、非常に便利な日用品であり、前述の通り安定性が高いとの長所があるが、その反面、分解が不可能な為、物流時に非常に大きな空間が必要となり、運送料金を浪費している。また、店頭に商品を並べる際も、最小限の数しか置く事ができず、販売店が多数の材庫を持つ事もできなかった。さらに、購入したい顧客も、使用状態のままで販売店から自宅まで持ち帰らねばならず、非常にがさばる事を理由に購入をためらう場合が有り、製造メーカーが良い商品を作っても、販売数量が増加しない要因、即ち産業の発展の妨げの原因となっている。
また、ワイヤーラックは、20年以上前から市販され、現在、3〜4社の当業者が製造販売しているが、いまだに、この解決策が発見されていない事実からも、問題の難しさが証明されている。
即ち、ワイヤーラックにおいて、当業者が何年かかっても解決できない以下の問題を、全て解決する事が、本発明の課題である。
1,物流時や保管時の容積を、使用時の容積よりも半分以下に減らす事。
2,設備投資不要で、既存のワイヤーラックを製造する為の設備のみで、製造可能な事。
即ち、ネジ等の締結部品は使用せず、針金の曲げと溶着だけで、問題を解決する事。
3,組立ての際は道具を使わず、主婦や高齢者でも、容易に組立てが可能な事。
4,使用時はガタが無く、既存品と同程度の安定性と剛性感を確保する事。
5,部品や製品の製造に、高い寸法精度を要求しない事。
6,既存品と同程度の、水はけ性と防錆性を有する事。
7,既存品に対して、コストが大幅に上がる要因が無い事。
8,各部の要求品質・要求機能に応じて、材質や表面処理を選択可能な事。
尚、上記の既存品とは、図1に例示した、溶着による一体化された市販品を指す。
【課題を解決するための手段】
【0004】
針金の曲げ方を工夫する事で、支柱と棚の部分を、分離・結合可能に構成し、接合部は、針金の弾性変形を利用して付勢力を与え、得られた摩擦力によってガタつきを防止する。
スプリングなどのバネ鋼を使用せず、通常の軟鋼であっても、最小限の弾性と復元力を有しているため、この弾性力を有効活用し、使用時の安定性を確保する。
具体的には、請求項1から10に詳述された、いずれかの構成を採用すれば良い。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、特別な設備投資を必要とせず、保管時や物流時の体積を、使用時の半分以下にする事が可能で、販売価格に対して大きなウエイトを占めていた物流コストを、大幅に下げる事ができる。また、針金の曲げ方に、高い寸法精度が要求されない為、容易に製造できる。
針金の曲げ工程が増加する事で、若干のコストアップが有ったとしても、溶着工程が減るので、製造コストは変わらない。即ち、製造コストを上げずに物流コストだけを大幅に低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
針金を所定の形状に曲げ、相手の針金を強固に保持できる様に構成する。この際、針金の弾性変形可能範囲内に変形を押え、永久変形させない事で、長期間の使用にも耐える安定性を確保する。具体的には、請求項1から10に詳述された、いずれかの構成の通りに装置する。
【実施例】
【0007】
本発明を実施し、課題を解決する為の形態は、請求項1から10に詳述された通りであるが、その一例を、図を使用して説明する。
図1は、ワイヤーラックの既存品の一例であり、針金を曲げて作られた支柱1と、複数の針金を曲げ、溶着して作られた棚2とが、3の接合部で溶着され、一体物の商品となっており、具体的な詳細構成は請求項1に記載の通りである。この接合部3を、分解・組立て可能とし、組立て後は、針金の持つ弾性力を利用して安定性を確保する構成が、請求項1に記載された本発明のワイヤーラックである。
【0008】
図2から図8は、接合部3の接合方法の具体例を、模式的に表している。4は針金を環状に曲げた状態を示し、ここに棒状の針金5を差し込む。この時、4の内径を5の外径よりも小さくする事で、組立て後に棒が抜けにくくなり、本体は安定する。
図3では、4に捻りを加えて6の形状としている。この構成により、棒5を真っ直ぐに差し込んだ際、捻られた環状部分6の内径と強く接触し、摩擦力が発生する事で、棒は抜けにくくなる。
図4は、図3の構成に対して組立性を向上させた構成であり、棒の先端を7の様に曲げ、先端部だけが捻られた環状部分6に垂直に抵抗無く挿入可能で、そのまま棒を真っ直ぐ押し込むと、図3と同様の摩擦力を発生させる事ができる。
図5は、棒の先端9をアルファベットのJ字状に曲げ、相手の針金に強く抱きつかせる事で接合する構成であるが、これだけでは、棚に物を乗せた際、滑りが発生してしまう。そこで相手の針金8をカタカナのコ状に曲げる事で、滑らず、確実に取り付け位置を確定できる。
図6は、コ字状に曲げた棒8と、平仮名のひ字状に曲げた棒10の組合せであり。この場合、10を左から右へ押し込めば、図7の様に嵌合し、針金の弾性によって発生する付勢力で、確実な固定ができる。以上が、請求項2に記載の本発明の実施例である。
【0009】
図8は、図5の接合部とした全幅の短い棚12と、図6の接合部とした全幅の長い棚13とを、交互に支柱11の間に配置した状態の模式図を示す。この構成によれば、無負荷時に略直線である支柱が僅かに弾性変形し、その付勢力によって接合部に摩擦力を発生させる為、本体にガタが発生せず、溶着された図1の一体物と同等の安定性を確保する事ができる。以上が、請求項3に記載された本発明の実施例である。
また、この時に、最上段、又は最下段の棚だけを上側、又は下側から挿入する様に構成すれば、組立性を向上させる事ができる。以上が、請求項9に記載された本発明の実施例である。
【0010】
図2から図8を使って説明された本発明の実施例を、応用・活用すると、さらにワイヤーラックの組立て性や安定性を向上させる事ができる。
図5の形状で、J字状の部分の内径を相手の針金の外径よりも若干大きくすると共に、解放部を相手の針金の外径より小さくすれば、部品点数を増やす事無く、蝶番の機能が得られる。これをワイヤーラックの各部に応用すれば、本体が側面視で平行四辺形に畳む事が可能となる。
使用時の安定性を向上させる為には、棚と同様の枠を用意し、側面に嵌め込む構成や、建築で用いられる斜交いの様に、棚と棚、棚と支柱、支柱と支柱の間に別の針金を取付け、押し付け力や、張力を加えれば良い。
また、針金を波状や鋸刃状に曲げ、その両端をJ字状のフックとし、支柱と支柱や、棚と棚を連結すれば、引っ張りスプリングと同様の付勢力を発揮できる為、接合部に圧力が加わり、発生した摩擦力によってガタが無くなり、本体は極めて安定する。針金を曲げる事や、取っ手を装置する事は、設備投資しなくても既存の製造設備で対応可能なので、コスト上昇を防止できる。
また、図2から図4に示す接合方法を利用すれば、支柱の中間部で分離・接合も可能となる。
以上が、請求項4から8に記載の本発明の実施例である。
【0011】
既存のワイヤーラックでは、溶着による一体成形のため、使用する全ての針金は同一の材質としなければならない。同じスチールであっても、成分が異なれば溶着時の電流や温度の管理値が変わってしまう為、同一の材質を使用せざるを得ないからである。また、溶着時にスパッタが付着したり、表面が焦げて変色したりするので、完成後に塗装する必要がある。
しかし本発明では、部分的に製造し、使用時に組立てる構成の為、全ての材質を同一に揃える必然性が無く、それぞれの部位に応じて最適な材料を選定可能であり、その結果、トータルで大幅なコストダウンが可能となる。例えば、支柱は塗装とし、棚をめっきし、斜交いとなる針金はステンレスを使用する等の構成ができる上、棚と支柱で色を変えるなど、デザイン性や商品性を高める事が可能となる。以上が請求項10に記載の本発明の実施例である。
【0012】
本発明によれば、針金の曲げ方によって新たな機能を生み出す事になり、既存の生産設備をそのまま使用可能で、設備投資をする必要が無い。また、曲げ工程の増加によって僅かにコストが上がったとしても、その分、溶着工程が減っているので、トータルでコストの低減が図れる。
さらに、安定性を向上させる為、背面に折り曲げた針金を取り付け、引っ張りスプリングの代替として使用する場合、針金でメーカー名などの意匠を施せば、全く新しい商品となりうる上、単純なスプリングを取付けた場合の不自然さも解消できる。
また、物流や保管時の容積が半分以下になる為、運搬・保管のコストが大幅に低減できる。従って、機能向上の為に、スプリングやパイプ材を追加しても、トータルでのコストは低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明によれば、既存のワイヤーラックの機能・効果を一切下げる事無く、物流や保管にかかる費用を大幅に低減可能で、トータルで商品価値を高め、顧客の購買意欲を高め、産業の発展に大きく寄与する。
また、余分な締結部品を追加する事無く、材料となる一般的な針金が有する最小限の弾性力を有効活用しており、極めて画期的な発明と言える。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】既存のワイヤーラックの一例であり、本発明品においては使用状態を表す。
【図2】環状に曲げた針金と、棒状の針金の接合部を表す。尚、環状に曲げた針金は、リング状の別の針金を溶着する事でも代用できる。
【図3】環状に曲げた針金を捻った物と、棒状の針金の接合部を表す。
【図4】環状に曲げた針金を捻った物と、先端を曲げた棒状の針金の接合部を表す。
【図5】コ字状の針金と、J字状のフックとの接合部を表す。尚、J字状のフックは、スリットの入った環状の針金でも代用できる。
【図6】コ字状の針金と、平仮名のひ字状の針金との接合部を表す。
【図7】コ字状の針金と、平仮名のひ字状の針金との結合後の状態を表す。
【図8】全長の異なる棚を交互に配置し、支柱が僅かに弾性変形している状態の模式図を表す。
【符号の説明】
【0015】
1、ワイヤーラックの支柱(図1は、上部が連結されている場合の例を示す)
2、棚
3、接合部(図1は、溶着されている既存品の例を示す)
4、環状部(リング状の針金で代用できる)
5、棒状部
6、捻りを加えた、環状部
7、先端を環状部の捻りに合わせて曲げた、棒状部
8、カタカナのコ字状部
9、アルファベットのJ字状部
10、平仮名のひ字状部
11、弾性変形可能範囲内で、僅かに変形している支柱
12、支柱の間隔よりも、僅かに全幅が短い棚
13、支柱の間隔よりも、僅かに全幅が長い棚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太さが0.5mmから10mm程度の針金を、所定の形状に曲げ、組合せて溶着、又は接着して一体化させた、複数の支柱と複数の棚を備えるワイヤーラックにおいて、棚と支柱の接合部及びその近傍、又は支柱の中間部で、道具を使わずに分離と結合を可能に構成すると共に、結合部では、針金を曲げて相手物を保持する構造により、材料となる針金の弾性力と摩擦力を利用し、結合部のガタつきを押さえ、組立て完成状態の製品では、溶着又は接着によって一体化された製品と、略同等の剛性と安定性を確保した事を特徴とする、ワイヤーラック。
尚、本発明のワイヤーラックとは、図1に代表される構成を指し、支柱となる略垂直の針金は3本から6本であり、略水平に装着された棚は、1段から10段とする。棚は略水平に限らず、図1の様に、収納する物の形状やワイヤーラックの置き場所に合わせて、所定の形状に成形した構成や、所定の位置関係に支柱を配置した構成や、収納品の出し入れを容易にする為に棚を傾斜させて装置した構成も含む。支柱は、図1の様に逆U字状にするなど、上部や下部や中間部を一体化、又は連結した構成も含む。また、溶着とは、ロー付けや溶接に代表される結合・固定方法を指し、熱で母材を溶かす、又は別の金属を溶かして強固に結合させる方法を言う。
【請求項2】
棚と支柱との接合部は、以下のいずれかの構成である事を特徴とする、請求項1に記載のワイヤーラック。
1,一方を360度に曲げ、略直線部分の途中に環状部分を構成する。他方を棒状に形成し、環状部分に抜き差し可能とする。また、環状部分の内径は、棒の外径よりも若干小さく成形する事により、棒の動きに抵抗を与える様に装置する。尚、環状部分は、図2及び図3に示す通り、1本の針金を曲げて形成する他、環状又は一部にスリットの入った環状の針金を、別の針金に接着、又は溶着する事で、同機能を発揮可能にした構成も含む。また、棒状の部分も、別の針金を接着、又は溶着して同機能を発揮可能にした構成を含む。
2,上記1の構成において、環状部分の内径を棒の外径よりも若干大きく、又は同等、又は若干小さく成形すると共に、環状部分を棒に対して直角から45度の範囲で捻り、棒を、捻る前の環状部分の孔に対して略垂直に挿入した際、捻られた環状部分の内側の2か所で、特に強く棒に接触し、棒の動きに抵抗を与える様に装置する。即ち、棒に対して孔を傾斜させる事で、環状部分と棒の間に、強い摩擦抵抗を得る様に構成する。
3,上記2の構成において、環状部分に挿入する棒の先端部分のみを、捻られた環状部分の孔に略垂直となる様に曲げる事で、棒を環状部分に挿入し易くすると共に、そのまま棒を押し込めば、上記2と同機能を発揮する様に装置する。即ち、図3に示す通り、挿入時は孔が棒に対して略垂直で、棒を押し込んだ後は、棒に対して孔が傾斜した状態になる。
4,一方の略直線部分の途中に、カタカナのコ字状、又は同等の接合相手物の滑動を防止する折り曲げ部を設け、他方の先端部分に、平仮名のひ、又はアルファベットのU・J・Y・S・H・C字状の、相手物を挟み込める形状を設け、コ字状の段差部に嵌め込む。この時、ひ字状等の接合部の内径、又は幅は、コ字状等に曲げられた針金の外径よりも小さく装置する事で挿入後のガタを押える。尚、コ字状等の曲げ部分や、ひ字状等の曲げ部分は、一体曲げによる形成の他、形成した針金を別の針金に接着、又は溶着した構成も含む。
5,上記4の構成において、ひ字状等の接合部の内径、又は内幅を、相手の針金の外径よりも若干小さくする、又は同等とする、又は若干大きくし、コ字状の針金に対して、ひ字状の接合部を45度以内で捻り、上記2と同様、棒の挿入後のガタを押える様に構成する。
6,上記4及び5の構成において、コ字状の滑動防止形状を廃止し、短い針金等の小部品を接着、又は溶着する事で滑動防止とした、又は、上下の棚を連結する針金を設ける事で滑動防止とした、又は支柱と支柱の間を連結した針金に接合する事で滑動防止とした。
尚、支柱と棚を針金で連結する構成や、棚を針金又はワイヤーで吊り下げる構成も含む。
7,上記1から6のいずれかの構成において、環状部分に挿入する棒状部分の先端に、面取り形状、又は角R形状、又は半球形状を設けた。尚、面取り形状は、針金を切断する際、斜めに切る工程や、所定の形状の刃物で切る工程により形成される形状も含む。
【請求項3】
複数の支柱の内、隣接する2本の支柱と、その支柱に取付けられる棚との接合部が、以下のいずれかの構成である事を特徴とする、請求項1、又は2に記載のワイヤーラック。
1,両支柱の棚との接合部間の距離に対して、棚の接合部間距離を若干長くし、棚を接合した際、2本の支柱間距離が、棚との接合部のみ、支柱の弾性変形可能範囲内で広くなる様に装置し、支柱の弾性変形後の復元力によって結合部に圧力を加え、ガタ付きを防止する。即ち、支柱が発生する付勢力で、接合部に強い摩擦力を発生する様に装置する。
2,両支柱の棚との接合部間の距離に対して、棚の接合部間距離を若干短くし、棚を接合した際、2本の支柱間距離が、棚との接合部のみ、支柱の弾性変形可能範囲内で狭くなる様に装置し、支柱の弾性変形後の復元力によって結合部に圧力を加え、ガタ付きを防止する。即ち、支柱が発生する付勢力で、接合部に強い摩擦力を発生する様に装置する。
3,上記1の構成の棚において、上側の棚、又は下側の棚を、上記2の様に構成した。
4,上記2の構成の棚において、上側の棚、又は下側の棚を、上記1の様に構成した。
5,上記1の構成の棚と、上記2の構成の棚を、互い違いに順番に配置した。
6,上記5において、1の構成の棚の接合部は、請求項2に記載された平仮名のひ字状等の支柱に押付けて固定する形状とし、2の構成の接合部は、J形や?形のフック形状とした。
7,上記5において、各棚の支柱との接合部は、リング状、又はスリットの入った環状形状とし、相手の支柱に、棒状形状を設けた、又は棒状の針金を接着、又は溶着した。尚、リング状の針金や、環状形状の針金に、捻りを加えた構成も含む。
【請求項4】
棚を構成する枠部分と枠内に張られた複数の針金、及び支柱と棚の接合部の、全部又は一部を、蝶番状に可動自在に結合し、上面視または側面視で、略長方形を略平行四辺形に変形させる事で、ワイヤーラック全体の体積を可変自在に構成すると共に、以下のいずれかの特徴を有する請求項1に記載のワイヤーラック。尚、蝶番状の可動自在結合部は、一方の針金に他方の針金の先端部分を巻き付ける、又は図5の形状に構成する事で、外れずに、回転・搖動・移動が可能に装置する。
1,使用時に、支柱と支柱の間、又は支柱と棚の間、又は棚と棚の間に、1本又は複数の斜交いを装置し、斜交いとなる針金の両端部分の接合は、請求項2に記載の構成とした。
2,上記1の構成に対して、斜交いを取り付ける支柱と支柱の間、又は支柱と棚の間、又は棚と棚の間の距離よりも、斜交いとなる針金の長さを若干長く、又は若干短くし、斜交いを取り付ける相手の針金、又は斜交いを、弾性変形可能範囲内で変形させる様に装置した。
【請求項5】
本体の側面に、板状部材、又は複数のスリットや貫通孔を設けた板状部材、又は、環状の針金に1本以上の針金を接着又は溶着した枠体を着脱自在に装置し、使用時のガタつきを防止した事を特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載のワイヤーラック。
尚、板状部材や枠体の、本体への接合部は、請求項2に記載の構成とし、請求項4に記載の斜交いと同様、取り付け相手物、又は枠体等を、弾性変形可能範囲内で変形させる構成も含む。
【請求項6】
最下段、又は最上段の棚と、支柱との接続部のみ、請求項4に記載の蝶番状接続とし、他の棚を請求項1、2、3、及び5のいずれかに記載の構成とした事を特徴とするワイヤーラック。
【請求項7】
支柱の一部をパイプ材とし、支柱となる針金をパイプの内部に挿入して伸縮自在に構成する事で、全体の容積を可変自在に装置した、又は支柱をその中間部で分割・連結可能に構成する事で、全体の容積を可変自在に装置した事を特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載のワイヤーラック。尚、分割・連結部は、請求項2に記載のいずれかの構成とする。
【請求項8】
使用時に、支柱と支柱の間、又は支柱と棚の間、又は棚と棚の間に、1本又は複数の引っ張りスプリングを取り付け、スプリングの付勢力によって接合部に圧力を加え、摩擦力によってガタつきを防止した事を特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載のワイヤーラック。
尚、引っ張りスプリングは、2点間を直線的に連結する構成の他、ある支柱から棚を経由して他の支柱と連結するなど、複数の部材を取り巻いて圧力を加える様、中間部分を折り曲げながら連結する構成も含む。また、引っ張りスプリングを取り付ける相手となる針金を、カタカナのコ字状に曲げる、又はフックを取り付ける、又は別の針金を溶着する事で、スプリングの取り付け位置を明確化した構成も含む。また、一般的なコイルスプリングの他、針金を蛇腹状や鋸刃状やループ状や波状など、真直状態での全長よりも短くなる様に曲げ、又は成形し、その針金の両端に引っ張り荷重を加えた際、針金の弾性変形によって付勢力を発揮可能に装置した構成や、針金を曲げる、又は別の針金を溶着する事により、引っ張り時に指で操作する、取っ手やツマミを設けた構成や、曲げた針金で図形や文字や記号を表現する、意匠を施した構成も含む。
【請求項9】
以下の構成により、少なくとも最上段の棚は、支柱の上側から下に向かって取付ける様に装置した事を特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載のワイヤーラック。
尚、少なくとも最下段の棚に本請求項の記載内容を適用した構成も含み、その場合、下記の記載内容は、上と下とを逆にして読み替える。
1,複数の支柱の、棚を取付ける所定の位置に、別の針金を接着又は溶着する、又は略直線状の支柱の所定の位置に曲げ形状を設ける。
2,棚の外周部に設けた支柱との接合部は、リング状、又はJ字に代表されるスリットの入った環状形状の針金とする。尚、支柱に対してリングや環状形状を傾斜させた構成も含む。
3,棚を支柱の上側から下へ挿入し、リングや環状形状に支柱を通し、所定の位置まで移動させる。
【請求項10】
製造時に、支柱や棚などを作る為の、所定の接着や溶着作業が完了し、各構成部品が分離した出荷前の状態において、以下のいずれかの特徴を有する、請求項1から8のいずれかに記載のワイヤーラック。
1,各構成部品を、別々に塗装、又はメッキした。
2,各構成部品の内、いずれか、又は全ての材質を、ステンレス鋼とした。
3,各構成部品の内、いずれか、又は全ての材質を、アルミ合金とした。
4,各構成部品の内、いずれか、又は全ての材質を、チタン合金とした。
5,各構成部品の内、いずれか、又は全ての材質を、めっき済線材や表面処理線材とした。
6,各構成部品の内、いずれか、又は全ての材質を、塗装済線材とした。
7,各構成部品の内、いずれか、又は全ての材質を、樹脂コーティング線材、又は樹脂で被覆された線材とした。
8,使用時の状態に組立て後、全体を塗装、又はメッキした。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−31619(P2013−31619A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178612(P2011−178612)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(596098759)
【Fターム(参考)】