ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置
【課題】支柱並び方向での長さが短縮されてコンパクト化が図られたワイヤ巻き取り式昇降搬送装置を提供する。
【解決手段】制動手段Sが、固定側パッド31と、移動側パッド32を支柱並び方向に沿って移動させるように揺動自在な揺動体33と、その揺動体33に作用する作用部34rを支柱並び方向に沿って移動させることにより、移動側パッド32を固定側パッド31に接近させて両パッド31,32にて昇降用ワイヤを挟み付ける制動状態にすべく揺動体33を揺動させる揺動駆動手段34とを備えて構成されたワイヤ巻き取り式昇降搬送装置であって、揺動体33が、その先端33Tと基端33Bとが並ぶ方向である長手方向の中間部にて揺動自在に支持され、揺動駆動手段34が、作用部34rを揺動体33の基端部33hに作用させるように設けられている。
【解決手段】制動手段Sが、固定側パッド31と、移動側パッド32を支柱並び方向に沿って移動させるように揺動自在な揺動体33と、その揺動体33に作用する作用部34rを支柱並び方向に沿って移動させることにより、移動側パッド32を固定側パッド31に接近させて両パッド31,32にて昇降用ワイヤを挟み付ける制動状態にすべく揺動体33を揺動させる揺動駆動手段34とを備えて構成されたワイヤ巻き取り式昇降搬送装置であって、揺動体33が、その先端33Tと基端33Bとが並ぶ方向である長手方向の中間部にて揺動自在に支持され、揺動駆動手段34が、作用部34rを揺動体33の基端部33hに作用させるように設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降台を互いの間で昇降自在に支持する一対の支柱と、前記支柱の上端側に設けられた案内体にて前記一対の支柱の並び方向に沿う方向である支柱並び方向の両側に垂下された状態で、一端に前記昇降台が吊り下げられた昇降用ワイヤと、その昇降用ワイヤの他端側を巻き取る巻取りドラムと、その巻取りドラムを回転駆動するモータと、前記案内体と前記巻取りドラムとの間で、前記昇降用ワイヤにおける前記巻取りドラム側の垂下部分であるドラム側垂下部分を挟み付けて制動する制動状態に作動可能な制動手段と、前記昇降台を上昇又は下降させるべく作動させている前記モータを非常停止させるときに、前記制動手段を前記制動状態に作動させる制御手段とが設けられ、前記昇降用ワイヤのドラム側垂下部分が、前記一対の支柱のうちの前記巻取りドラムが位置する側のドラム側支柱よりも前記支柱並び方向で外方側に配置され、前記制動手段が、前記昇降用ワイヤのドラム側垂下部分の移動経路における前記ドラム側支柱の側の側方に固定状に設けられた固定側パッドと、移動側パッドを前記移動経路における前記ドラム側支柱の側とは反対側の側方にて前記固定側パッドと対向させた状態で先端に支持し且つ前記移動側パッドを前記支柱並び方向に沿って移動させるように揺動自在な揺動体と、その揺動体に作用する作用部を前記支柱並び方向に沿って移動させることにより、前記移動側パッドを前記固定側パッドに接近させて両パッドにて前記昇降用ワイヤを挟み付ける前記制動状態にすべく前記揺動体を揺動させる揺動駆動手段とを備えて構成されたワイヤ巻き取り式昇降搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるワイヤ巻き取り式昇降搬送装置は、モータにより巻取りドラムを正逆回転させて、巻取りドラムによって昇降用ワイヤの巻取り繰り出し作用をさせることにより、昇降台を昇降させるものであり、例えば、自動倉庫における物品の入出庫用として用いられる。
そして、昇降台を上昇又は下降させるべく作動させているモータを非常停止させて、昇降台の上昇又は下降を非常停止させるときに、制動手段を制動状態に作動させて、案内体と巻取りドラムとの間で、固定側パッドと移動側パッドにより昇降用ワイヤのドラム側垂下部分を挟み付けることにより、巻取りドラムにおける昇降用ワイヤの巻き状態が乱れて、乱巻き状態になるのを防止する構成となっている。
【0003】
このような乱巻き状態は、特に、昇降台の上昇を非常停止させるときに起こり易い。
即ち、モータの非常停止に伴って巻取りドラムの回転が非常停止して、昇降用ワイヤの巻取りが非常停止しても、昇降台には上方向きの慣性力が働くので、昇降台が停止するのに多少の遅れが生じる。
すると、停止状態の巻取りドラムに対して、巻取り方向に昇降用ワイヤが送り込まれて昇降用ワイヤが弛むので、乱巻き状態になり易い。
そこで、モータの非常停止に伴って制動手段を制動状態に作動させて、固定側パッドと移動側パッドとにより昇降用ワイヤのドラム側垂下部分を挟み付けることにより、昇降用ワイヤの弛みを抑制して、乱巻き状態になるのを防止するのである。
【0004】
このようなワイヤ巻き取り式昇降搬送装置において、従来は、揺動体が、基端部にて揺動自在に支持され、並びに、揺動駆動手段が、作用部を揺動体の先端部に押し付け作用させるように、揺動体の先端部よりもドラム側支柱の側とは反対側に設けられていた。
そして、作用部を突出させて揺動体の先端部を押すことにより、移動側及び固定側の両パッドにて昇降用ワイヤを挟み付けるべく揺動体を揺動させるように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−302186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の如き揺動体及び揺動駆動手段の配置形態では、揺動駆動手段の全体が揺動体の先端部よりもドラム側支柱とは反対側に突出する状態となるので、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置における支柱並び方向での長さが長くなるという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、支柱並び方向での長さが短縮されてコンパクト化が図られたワイヤ巻き取り式昇降搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のワイヤ巻き取り式昇降搬送装置は、昇降台を互いの間で昇降自在に支持する一対の支柱と、前記支柱の上端側に設けられた案内体にて前記一対の支柱の並び方向に沿う方向である支柱並び方向の両側に垂下された状態で、一端に前記昇降台が吊り下げられた昇降用ワイヤと、その昇降用ワイヤの他端側を巻き取る巻取りドラムと、その巻取りドラムを回転駆動するモータと、前記案内体と前記巻取りドラムとの間で、前記昇降用ワイヤにおける前記巻取りドラム側の垂下部分であるドラム側垂下部分を挟み付けて制動する制動状態に作動可能な制動手段と、前記昇降台を上昇又は下降させるべく作動させている前記モータを非常停止させるときに、前記制動手段を前記制動状態に作動させる制御手段とが設けられ、前記昇降用ワイヤのドラム側垂下部分が、前記一対の支柱のうちの前記巻取りドラムが位置する側のドラム側支柱よりも前記支柱並び方向で外方側に配置され、 前記制動手段が、前記昇降用ワイヤのドラム側垂下部分の移動経路における前記ドラム側支柱の側の側方に固定状に設けられた固定側パッドと、移動側パッドを前記移動経路における前記ドラム側支柱の側とは反対側の側方にて前記固定側パッドと対向させた状態で先端に支持し且つ前記移動側パッドを前記支柱並び方向に沿って移動させるように揺動自在な揺動体と、その揺動体に作用する作用部を前記支柱並び方向に沿って移動させることにより、前記移動側パッドを前記固定側パッドに接近させて両パッドにて前記昇降用ワイヤを挟み付ける前記制動状態にすべく前記揺動体を揺動させる揺動駆動手段とを備えて構成されたものであって、
第1特徴構成は、前記揺動体が、その先端と基端とが並ぶ方向である長手方向の中間部にて揺動自在に支持され、
前記揺動駆動手段が、前記作用部を前記揺動体の基端部に作用させるように設けられている点にある。
【0009】
即ち、作用部を引っ込ませることにより作動状態にする形態の揺動駆動手段を用いる場合は、揺動駆動手段を揺動体の基端部よりもドラム側支柱とは反対側に設けて、作用部を引っ込ませて揺動体の基端部を引っ張ることにより、両パッドにて昇降用ワイヤを挟み付けるべく揺動体を揺動させることになる。
この場合、揺動駆動手段を、支柱並び方向において揺動体の先端部よりもドラム側支柱の側に寄せて設けることができるので、揺動駆動手段が支柱並び方向において揺動体の先端部よりもドラム側支柱の側とは反対側に突出するのを抑制することが可能である。
又、作用部を突出させることにより作動状態にする形態の揺動駆動手段を用いる場合は、揺動駆動手段を揺動体の基端部よりもドラム側支柱の側に設けることになり、この場合は、勿論、揺動駆動手段が支柱並び方向において揺動体の先端部よりもドラム側支柱の側とは反対側に突出しない状態となる。
従って、支柱並び方向での長さが短縮されてコンパクト化が図られたワイヤ巻き取り式昇降搬送装置を提供することができるようになった。
【0010】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記揺動駆動手段が、前記揺動体の基端部よりも前記ドラム側支柱の側に設けられて、前記作用部を突出させて前記揺動体の基端部を押すことにより、前記両パッドにて前記昇降用ワイヤを挟み付けるべく前記揺動体を揺動させるように構成されている点にある。
【0011】
即ち、作用部を突出させることにより作動状態にする形態の揺動駆動手段を用いることにより、上述したように、揺動駆動手段が支柱並び方向において揺動体の先端部よりもドラム側支柱の側とは反対側に突出しない状態となる。
従って、支柱並び方向での長さを極力短縮することができるので、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置のコンパクト化を効果的に図ることができる。
【0012】
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記揺動体が、前記長手方向を上下方向に向けた姿勢で、前記支柱並び方向に直交する横方向である横幅方向の軸心周りで揺動自在に設けられ、
前記揺動体の基端側に、前記ドラム側支柱よりも前記横幅方向に突出する操作部が備えられ、
前記揺動駆動手段が、前記作用部にて前記揺動体の操作部を押し付け可能な状態で、前記ドラム側支柱における前記横幅方向の側方に設けられている点にある。
【0013】
即ち、揺動体を、その長手方向が上下方向に向く姿勢で横幅方向の軸心周りで揺動自在に設け、並びに、揺動体の基端側に、ドラム側支柱よりも横幅方向に突出する操作部を備えることにより、揺動駆動手段をドラム側支柱における横幅方向の側方に設けても、作用部にて揺動体の操作部を押し付けて、固定側及び移動側の両パッドにて昇降用ワイヤを挟み付けるべく揺動体を揺動させることができる。
そして、揺動体をその長手方向が上下方向に向く姿勢で設けることにより、揺動体が横幅方向においてドラム側支柱から突出するのを抑制することができる。
又、揺動駆動手段をドラム側支柱における横幅方向の側方に設けることにより、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置における支柱並び方向での長さをより一層短縮することができ、しかも、揺動駆動手段のメンテナンス作業を行い易いようにすることができる。
従って、メンテナンス作業を行い易いようにしながら、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置をより一層コンパクト化することができる。
【0014】
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記制御手段が、前記揺動体における前記ドラム側支柱の側とは反対側の側方に設けられている点にある。
【0015】
即ち、制御手段が揺動体におけるドラム側支柱の側とは反対側の側方に設けられているので、制御手段がドラム側支柱における横幅方向の側方に設けられる場合に比べて、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置における支柱並び方向に直交する横幅方向での長さである横幅を狭くすることができる。
尚、作用部を引っ込ませることにより作動状態にする形態の揺動駆動手段を用いる場合は、制御手段を揺動駆動手段よりも下方に設けることにより、制御手段を揺動駆動手段に規制されることなく揺動体側に寄せて設けることができるので、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置における支柱並び方向での長さが長くなるのを防止することができる。
【0016】
つまり、このようなワイヤ巻き取り式昇降搬送装置を自動倉庫での物品の入出庫用として用いる場合、複数の収納部を縦横に並べて備える左右一対の物品収納棚の間に、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置をその支柱並び方向が物品収納棚の前面に沿う姿勢で設けて、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置をその支柱並び方向に走行させることになる。
このような場合、左右一対の物品収納棚の間隔を狭くして、自動倉庫のコンパクト化を図ることが望まれ、その要望に対応するために、制御手段を支柱並び方向においてドラム側支柱の外側に設けることにより、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置における横幅を狭くすることになる。
そこで、このような制御手段の配置形態を採用することにより横幅を狭くしたワイヤ巻き取り式昇降搬送装置において、本発明を適用することにより、支柱並び方向での長さを短縮してより一層コンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】スタッカークレーンを備えた自動倉庫の正面図
【図2】スタッカークレーンを備えた自動倉庫の概略平面図
【図3】スタッカークレーンの側面図
【図4】スタッカークレーンの上部の斜視図
【図5】スタッカークレーンの横断平面図
【図6】スタッカークレーンの下部の斜視図
【図7】スタッカークレーンにおける制動手段の周辺の側面図
【図8】スタッカークレーンにおける制動手段の周辺の側面図
【図9】スタッカークレーンにおける制動手段の周辺の正面図
【図10】スタッカークレーンにおける制動手段の周辺の横断平面図
【図11】制動手段の斜視図
【図12】制動手段の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本発明をワイヤ巻き取り式昇降搬送装置の一例としてのスタッカークレーンに適用した場合の実施形態を説明する。
図1及び図2に示すように、バケット状の容器等の物品を収納する複数の収納部1を縦横に並べて備える左右一対の物品収納棚Bが設けられ、それら一対の物品収納棚Bの間の作業通路Eを移動するスタッカークレーンAが設けられ、物品収納棚Bへ収納するする物品を外部から搬入する物品入庫部Da、及び、物品収納棚Bから取り出された物品を外部に搬出するための物品出庫部Dbが、一対の物品収納棚Bの夫々の横側部に隣接する箇所に振り分け設置され、そして、スタッカークレーンAによって、収納部1に収納された物品を物品出庫部Dbに取り出す出庫作業及び物品入庫部Daに搬入された物品を収納部1に収納する入庫作業を行う自動倉庫が構成されている。
【0019】
図3及び図4に示すように、スタッカークレーンAは、上述の作業通路Eに沿って床面上に設置された単一の走行レール2に沿って走行する下部枠体3と、その下部枠体3の走行方向の前後端部箇所に立設されて、昇降台4を互いの間に昇降自在に支持する前後一対の支柱5と、一対の支柱5の上端部同士を連結する上部枠体6とを備え、且つ、前後一対の支柱5の上端側部分の夫々に、作業通路Eの天井側に設置されたガイドレール7の横側面に接当するガイドローラ8が左右一対ずつ装備されている。
従って、スタッカークレーンAは、走行レール2とガイドレール7にて案内される状態で作業通路Eを走行して、上述の入庫作業や出庫作業を行うように構成されている。
【0020】
図3及び図6に示すように、下部枠体3は、その前後方向の一端側に、走行レール2の上面に載置される駆動車輪9と走行レール2の横側面に接当する左右一対のガイド輪10、及び、駆動車輪9を回転駆動する走行用モータ11を備え、かつ、その前後方向の他端側に、走行レール2の上面に載置される遊転車輪12と走行レール2の横側面に接当する左右一対のガイド輪13を備えて、走行レール2に沿って走行するように構成されている。
【0021】
ちなみに、以下の説明においては、駆動車輪9が位置する側がスタッカークレーンAの前方側であり、遊転車輪12が位置する側がスタッカークレーンAの後方側であるとして説明する。
そして、以下の説明で、一対の支柱5をその配設位置を特定して記載する場合、駆動車輪9の存在側に配設されているものを前方側支柱5Fと記載し、遊転車輪12の存在側に配設されているものを後方側支柱5Rと記載する。
尚、以下の記載においては、スタッカークレーンAの前後方向を、車体前後方向と簡略して記載し、また、スタッカークレーンAの横幅方向を、車体横幅方向と簡略して記載する。
【0022】
図2〜図4に示すように、昇降台4には、物品移載用のフォーク装置Fが、車体前後方向に並べて2台設けられている。
この2台のフォーク装置Fの設置間隔は、図2に示すように、物品収納棚Bにおける収納部1が車体前後方向に相当する棚横幅方向に並ぶ間隔と同じであり、2台のフォーク装置Fによって、棚横幅方向に並ぶ2つの収納部1に対して同時に移載作業を行えるようになっている。
【0023】
図3、図4及び図6に示すように、更に、このスタッカークレーンAには、支柱5の上端側に設けられた案内体15にて車体前後方向(一対の支柱5の並び方向に沿う方向である支柱並び方向に相当する)の両側に垂下された状態で、夫々の一端に昇降台4が吊り下げられた一対の昇降用ワイヤ14と、その一対の昇降用ワイヤ14の他端側を巻き取る巻取りドラム16と、その巻取りドラムを回転駆動するモータとしての昇降用モータ17と、案内体15と巻取りドラム16との間で、一対の昇降用ワイヤ14夫々における巻取りドラム16側の垂下部分であるドラム側垂下部分14dを挟み付けて制動する制動状態に作動可能な制動手段Sと、このスタッカークレーンAの運転を制御する制御手段としての制御装置Hとが設けられている。
この制御装置Hは、昇降台4を上昇させるべく作動させている昇降用モータ17を非常停止させるときに、制動手段Sを前記制動状態に作動させるように構成されている。
ちなみに、昇降用モータ17は、無励磁作動型の電磁ブレーキ付であり、その回転を停止させるべく通電を断つと、同時に電磁ブレーキが作動するように構成されている。
【0024】
以下の説明で、一対の昇降用ワイヤ14をその配設位置を特定して記載する場合、昇降台4の車体前方側箇所に連結されるものを前方側の昇降用ワイヤ14Fと記載し、昇降台4の車体後方側箇所に連結されるものを後方側の昇降用ワイヤ14Rと記載する。
図3及び図4に示すように、前方側支柱5Fの上端部の左側の側部には、案内体15として、第1案内体15A及び第2案内体15Bが、第2案内体15Bが第1案内体15Aの前方で且つ下方側に隣接して並ぶ形態で設けられている。
そして、前方側の昇降用ワイヤ14Fは、昇降台4から上方に向けて伸びたのちに、第1案内体15A及び第2案内体15Bにて、前方側支柱5Fの前面に沿って下方に向かうように案内されて、前方側支柱5Fの下端側部分の前方側箇所に位置する巻取りドラム16に巻き取られるようになっている。
【0025】
又、図3及び図4に示すように、後方側支柱5Rの上端部の右側の側部には、案内体15として、第3案内体15Cが設けられ、前方側支柱5Fの上端部の右側の側部には、案内体15として、第4案内体15Dが設けられている。
そして、後方側の昇降用ワイヤ14Rは、昇降台4から上方に向けて伸びたのちに、先ず、第3案内体15Cにて車体前方側に向かうように案内され、次に、第4案内体15Dにて、前方側支柱5Fの前面に沿って下方に向かうように案内されて、上述した巻取りドラム16に巻き取られるようになっている。
従って、巻取りドラム16が昇降用モータ17にて正逆に駆動回転されて、一対の昇降用ワイヤ14の巻取りドラム16からの繰り出しや巻取りドラム16への巻き取りが行われることにより、昇降台4が昇降されるように構成されている。
【0026】
図3〜図5に示すように、昇降台4の車体前方側の端部には、前方側支柱5Fの両横側面に接当する横位置規制用輪体19、及び、前方側支柱5Fの車体後方側に相当する面に接当する前後位置規制用輪体20が設けられている。
又、昇降台4の車体後方側の端部には、後方側支柱5Rの両横側面に接当する横位置規制用輪体21、及び、後方側支柱5Aの車体前方側に相当する面に接当する前後位置規制用輪体22が設けられている。
従って、昇降台4は、車体横幅方向や車体前後方向での位置が規制されるように、前後一対の支柱5にて案内される状態で、前後の一対の支柱5に沿って昇降されるように構成されている。
【0027】
図3及び図6に示すように、下部枠体3は、駆動車輪9及びその駆動車輪9を正逆に駆動する走行用モータ11を支持する駆動車輪支持枠23と、遊転車輪11を支持する遊転車輪支持枠24と、それら駆動車輪支持枠23と遊転車輪支持枠24とに亘って架設される連結枠25とを備える状態に構成されている。
尚、駆動車輪支持枠23には、上述したガイド輪10が支持され、また、遊転車輪支持枠24には、上述したガイド輪13が支持されている。
【0028】
下部枠体3を構成する連結枠25は、図3及び図6に示すように、前後方向に延びる主体部分25Aの前後両端の夫々に、平面視形状L字状の副枠部分25F、25Rが、主体枠部分25Aから上方に立設する状態で溶接により取付けられ、駆動車輪支持枠23が前方側の副枠部分25Fに取り付けられ、遊転車輪支持枠24が後方側の副枠部分25Rに取り付けられている。
前方側支柱5Fは、ボルト(図示省略)によって、前方側の副枠部分25F及び駆動車輪支持枠23に固定され、後方側支柱5Rは、ボルト(図示省略)によって、後方側の副枠部分25R及び遊転車輪支持枠24に、固定されている。
ちなみに、前方側支柱5F及び後方側支柱5Rは、角筒状に形成されている。
【0029】
図6に示すように、前方側の副枠部分25Fにおける上端側部分に、取付け枠26が溶接される状態で設けられ、その取付け枠26に、巻取りドラム16及び昇降用モータ17が取り付けられている。
つまり、巻取りドラム16及び昇降用モータ17が、一対の支柱5のうちの前方側支柱5Fの下端部分に位置することになる。
そして、一対の昇降用ワイヤ4夫々のドラム側垂下部分14dが、車体横幅方向に間隔を隔てて並ぶ形態で、一対の支柱5のうちの前方側支柱5F(巻取りドラム16が位置する側のドラム側支柱に相当する)よりも車体前後方向(支柱並び方向に相当する)で外方側に配置されていることになる。
【0030】
図6〜図12に示すように、上述の制動手段Sは、一対の昇降用ワイヤ14のドラム側垂下部分14dの移動経路(以下、ワイヤ移動経路と記載する場合がある)Cにおける前方側支柱5Fの側の側方に固定状に設けられた固定側パッド31と、移動側パッド32をワイヤ移動経路Cにおける前方側支柱5Fの側とは反対側の側方にて固定側パッド31と対向させた状態で先端33Tに支持し且つ移動側パッド32を車体前後方向に沿って移動させるように揺動自在な揺動体33と、その揺動体33に作用する作用部としてのロッド34rを車体前後方向に沿って移動させることにより、移動側パッド32を固定側パッド31に接近させて両パッド31,32にて一対の昇降用ワイヤ14を挟み付ける制動状態にすべく揺動体33を揺動させる揺動駆動手段としての制動用ソレノイド34とを備えて構成されている。
【0031】
尚、図7は、制動状態が解除された状態での制動手段Sの側面図を示し、図8は、制動状態に作動された状態での制動手段Sの側面図を示す。
又、図9は、制御装置Hが内部に設けられた制御ボックス39(詳細は後述)を省略した状態での要部の正面図であり、図10は、制御ボックス39を省略した状態での要部の横断平面図である。
【0032】
そして、本発明では、揺動体33が、その先端33Tと基端33Bとが並ぶ方向である長手方向の中間部にて揺動自在に支持され、制動用ソレノイド34が、ロッド34rを揺動体33の基端部33h(後述する操作部に相当する)に作用させるように設けられている。
【0033】
以下、図7〜図12に基づいて、上述の制動手段Sについて、説明を加える。
前方側支柱5Fの前面よりもやや幅広の部分を備える台枠35が、前方側支柱5Fの前面部にボルト固定されている。
更に、その台枠35の上端側の広幅部分には、一対の揺動支持アーム部35aが、車体横幅方向両端側に振り分けられて、前方に突出する状態で一体的に備えられている。
固定側パッド31は、台枠35の幅と略同幅の長さを有する長尺状に形成され、その固定側パッド31が、台枠35の前面の下端に、その幅方向に沿わせてボルト固定されている。ちなみに、固定側パッド31にはボルト挿通用の座ぐり孔が設けられて、固定側パッド31がボルト固定された状態で、ボルトの頭が突出しない構成となっている。
【0034】
揺動体33は、前面視で、台枠35と略同幅の板状の先端側部分33tと、その先端側部分33tにおける基端33B側の端部の左側から基端B側に片状に突出する基端側部分33bを備え、更に、その基端側部分33bの基端33B側の端部に、前方側支柱5Fよりも車体横幅方向で左側に突出する操作部33hを備えた形状に構成されている。
更に、揺動体33の先端側部分33tにおける基端33B側の端部には、一対の軸支部33aが、車体横幅方向両端に振り分けられて、前方に突出する状態で一体的に備えられている。
移動側パッド32は、固定側パッド31と同形状の長尺状に形成され、その移動側パッド32が、揺動体33の先端側部分33tにおける後面の先端に、その幅方向に沿わせてボルト固定されている。ちなみに、移動側パッド32にも、固定側パッド31と同様にボルト挿通用の座ぐり孔が設けられて、移動側パッド32がボルト固定された状態で、ボルトの頭が突出しない構成となっている。
【0035】
そして、揺動体33がその一対の軸支部33a夫々を台枠35の一対の揺動支持アーム部35a夫々に重ねて配設された状態で、一対の軸支用ボルト36夫々が、車体横幅方向に沿わせた姿勢で、揺動支持アーム部35aに形成された挿通孔に挿通されて軸支部33aに螺挿されている。
つまり、揺動体33が、一対の軸支用ボルト36を支軸として、車体前後方向に揺動自在に設けられていることになる。
【0036】
更に、一対のコイルバネ37が、車体横幅方向に振り分けられた状態で、台枠35と揺動体33の先端側部分33tにおける軸支部33aよりも先端33T側の部分との間に収縮状態で設けられている。それによって、揺動体33が、その先端33Tが車体前後方向で前方側に移動するように、即ち、移動側パッド32が固定側パッド31から離間する方向に移動するように付勢されている。尚、各コイルバネ37は、台枠35にその前方に突出する状態で設けられたピン42と、揺動体33にその後方に突出する状態で設けられたピン43とにより保持されている。
【0037】
つまり、この実施形態では、揺動体33が、その長手方向を上下方向に向けた姿勢で、車体横幅方向(支柱並び方向に直交する横方向である横幅方向に相当する)の軸心P(一対の軸支用ボルト36の軸心に相当する)周りで揺動自在に設けられていることになる。
又、揺動体33の基端33B側に、前方側支柱5Fよりも車体横幅方向に突出する操作部33hが備えられていることになる。この揺動体33の操作部33hが、制動用ソレノイド34のロッド34rが作用する箇所である揺動体33の基端部33hに相当する。
【0038】
制動用ソレノイド34を取り付けるソレノイド取付板38が、前方側支柱5Fの前面部における台枠35よりも上方側の箇所に、前面視において車体横幅方向で右側に突出する状態でボルト固定されている。
制動用ソレノイド34が、そのロッド34rの突出方向が車体前後方向の前方を向く姿勢でソレノイド取付板38における前方側支柱5Fの側方への突出部分に取り付けられている。
この制動用ソレノイド34は、通電して励磁するとロッド34rが突出し(図8参照)、通電を断って消磁するとロッド34rが引込む(図7参照)構成である。
そして、図8に示すように、制動用ソレノイド34に通電して、ロッド34rを突出させて揺動体33の操作部33hを車体前後方向の前方側に押すことにより、一対のコイルバネ37の付勢力に抗して揺動体33をその先端33Tが車体前後方向の後方側に移動するように車体横幅方向の軸心P周りで揺動させて、移動側パッド32を固定側パッド31に接近させて両パッド31,32にて一対の昇降用ワイヤ14を挟み付けるように構成されている。
つまり、制動用ソレノイド34に通電することにより、制動手段Sが、固定側及び移動側の両パッド31,32にて一対の昇降用ワイヤ14を挟み付ける制動状態に作動される構成となっている。
【0039】
つまり、この実施形態では、制動用ソレノイド34が、揺動体33の基端部(操作部)33hよりも前方側支柱5Fの側に設けられて、ロッド34rを突出させて揺動体33の基端部(操作部)33hを押すことにより、固定側及び移動側の両パッド31,32にて一対の昇降用ワイヤ14を挟み付けるべく揺動体33を揺動させるように構成されていることになる。
更に、制動用ソレノイド34が、ロッド34rにて揺動体33の操作部33hを押し付け可能な状態で、前方側支柱5Fにおける車体横幅方向の側方に設けられていることになる。
【0040】
上述の制御装置Hは、制御ボックス39の内部に設けられ、その制御ボックス39が、揺動体33における車体前後方向の前方(前方側支柱5Fの側とは反対側の側方に相当する)に位置する状態で、受け台40と連結具41とによって前方側支柱5Fの前面部に取り付けられている。
以下、この制御装置Hにおける昇降用モータ17及び制動用ソレノイド34の制御動作について、説明を加える。
尚、制御装置Hにおける昇降用モータ17の制御動作は公知であるので、昇降台4の昇降を停止させるときの制御動作について説明して、その他の制御動作の説明は省略する。
【0041】
制御装置Hは、昇降台4を目的位置に上昇又は下降させるときは、巻取りドラム16を高速の回転速度で正逆回転させて、高速で巻取り繰り出し作用をさせるべく、昇降用モータ17を高速の回転速度で作動させる。
そして、制御装置Hは、通常の制御状態において、昇降台4が目的位置よりも所定距離手前に達すると、巻取りドラム16の回転速度を高速から低速に減速すべく昇降用モータ17を作動させ、昇降台4が目的位置に達すると、昇降用モータ17への通電を断つ。
すると、電磁ブレーキが作動して昇降用モータ17の回転が停止して、巻取りドラム16の回転が停止し、それによって、巻取りドラム16による巻取り繰り出し作用が停止して、昇降台4が停止する。
【0042】
制御装置Hは、昇降台4を目的位置に上昇又は下降させるべく昇降用モータ17を高速の回転速度で作動させている状態で、非常停止指令が指令されると、昇降用モータ17への通電を断つと共に、制動用ソレノイド34に通電して制動手段Sを制動状態に切り換える。
すると、電磁ブレーキが作動して昇降用モータ17の回転が非常停止し、それに伴って巻取りドラム16の回転が非常停止し、並びに、制動用ソレノイド34のロッド34rが突出して揺動体33の操作部33hが押されることにより、一対のコイルバネ37の付勢力に抗して、先端33Tが車体前後方向の後方側に移動する側に揺動体33が軸心P周りで揺動して、固定側及び移動側の両パッド31,32にて一対の昇降用ワイヤ14が挟み付けられて制動される。
尚、制動用ソレノイド34に通電して制動手段Sを制動状態に切り換えるタイミングは、昇降用モータ17への通電を断つのと同時でも良いし、昇降用モータ17への通電を断った後、予め設定した遅延時間が経過した後でも良い。
ちなみに、非常停止指令は、人為操作式の非常停止ボタン(図示省略)が操作されることに基づいて、あるいは、昇降台4の異常動作等を検知する異常検知用センサ(図示省略)が検知作動することに基づいて指令される。
【0043】
上述のように、巻取りドラム16の回転の非常停止により、昇降用ワイヤ14の巻取りが非常停止されても、昇降台4には上方向きの慣性力が働くので、昇降台4が停止するのに多少の遅れが生じる。
すると、停止状態の巻取りドラム16の側に昇降用ワイヤ14が送り込まれることになるが、固定側及び移動側の両パッド31,32にて一対の昇降用ワイヤ14が挟み付けられて制動されるので、停止状態の巻取りドラム16に昇降用ワイヤ14が送り込まれるのが防止されることになり、乱巻き状態になるのを防止することができる。
【0044】
制御装置Hは、制動用ソレノイド34に通電して制動手段Sを制動状態に切り換えた後、制動解除用の設定時間が経過すると、制動用ソレノイド34への通電を停止して制動手段Sの制動状態を解除する。すると、制動用ソレノイド34が消磁されてロッド34rを突出状態に保持する力が解除されるので、一対のコイルバネ37の付勢力により、揺動体33がその先端33Tが車体前後方向の前方側に移動する側に軸心P周りで揺動して、移動側パッド32が固定側パッド33から離れる側に移動することになり、両パッド31,32で一対の昇降用ワイヤ14を挟み付ける状態が解除される。
【0045】
上述のように、揺動体33が、その先端33Tと基端33Bとが並ぶ方向である長手方向の中間部にて揺動自在に支持され、制動用ソレノイド34が、ロッド34rを揺動体33の基端部(操作部)33hに作用させるように設けられる構成とすることにより、スタッカークレーンAにおける車体前後方向での長さを短縮することができる。
しかも、揺動体33、制動用ソレノイド34及び制御装置Hの配置形態としては、上述の如き配置形態、即ち、揺動体33が、その長手方向を上下方向に向けた姿勢で車体横幅方向の軸心P周りで揺動自在に設けられ、制動用ソレノイド34が前方側支柱5Fにおける車体横幅方向の側方に設けられ、並びに、制御装置Hが、揺動体33の前方に設けられている配置形態となっている。
このような配置形態にすることにより、左右一対の物品収納棚Bの間隔を狭くして自動倉庫のコンパクト化を図るために、車体横幅を狭くするという目的で、制御装置Hを揺動体33の前方に設けたスタッカークレーンAにおいて、車体横幅を狭くする状態を維持しながら、車体前後方向での長さを短縮することができるようになり、コンパクト化を効果的に図ることができる。
【0046】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 揺動駆動手段として、通電によりロッドを引っ込ませる形態の制動用ソレノイドを用いて、この制動用ソレノイドを、揺動体33の基端部33hよりも前方側支柱5Fとは反対側に設けて、ロッドを引っ込ませて揺動体33の基端部33hを引っ張ることにより、固定側及び移動側の両パッド31,32にて昇降用ワイヤ14を挟み付けるべく揺動体33を揺動させるように構成しても良い。
但し、この場合、制御装置Hを内部に設けた制御ボックス39を制動用ソレノイドよりも下方に設けることにより、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置における車体前後方向での長さが長くなるのを防止する。
【0047】
(ロ) 揺動体33の設置形態は、上記の実施形態において例示した形態、即ち、長手方向を上下方向に向けた姿勢で、車体横幅方向の軸心P周りで揺動自在に設ける形態に限定されるものではない。例えば、長手方向を車体横幅方向に向けた姿勢で、上下方向の軸心周りで揺動自在に設けても良い。
【0048】
(ハ) 上記の実施形態では、昇降台4を上昇させるべく作動させている昇降用モータ17を非常停止させるときに、制動手段Sを制動状態に作動させたが、昇降台4を下降させるべく作動させている昇降用モータ17を非常停止させるときにも、制動手段Sを制動状態に作動させるように構成しても良い。
【0049】
(ニ) 揺動駆動手段の具体的構成は、上記の実施形態において例示した制動用ソレノイド34に限定されるものではなく、例えば、電動シリンダを用いことができる。
【0050】
(ホ) 本発明を適用可能なワイヤ巻き取り式昇降搬送装置は、上記の実施形態において説明したスタッカクレーンAに限定されるものではなく、例えば、静止状態で設けるものでも良い。
【符号の説明】
【0051】
4 昇降台
5 支柱
5F ドラム側支柱
14 昇降用ワイヤ
14d ドラム側垂下部分
15 案内体
16 巻取りドラム
17 モータ
31 固定側パッド
32 移動側パッド
33 揺動体
33h 基端部、操作部
33B 基端
33T 先端
34 揺動駆動手段
34r 作用部
C 移動経路
H 制御手段
P 軸心
S 制動手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降台を互いの間で昇降自在に支持する一対の支柱と、前記支柱の上端側に設けられた案内体にて前記一対の支柱の並び方向に沿う方向である支柱並び方向の両側に垂下された状態で、一端に前記昇降台が吊り下げられた昇降用ワイヤと、その昇降用ワイヤの他端側を巻き取る巻取りドラムと、その巻取りドラムを回転駆動するモータと、前記案内体と前記巻取りドラムとの間で、前記昇降用ワイヤにおける前記巻取りドラム側の垂下部分であるドラム側垂下部分を挟み付けて制動する制動状態に作動可能な制動手段と、前記昇降台を上昇又は下降させるべく作動させている前記モータを非常停止させるときに、前記制動手段を前記制動状態に作動させる制御手段とが設けられ、前記昇降用ワイヤのドラム側垂下部分が、前記一対の支柱のうちの前記巻取りドラムが位置する側のドラム側支柱よりも前記支柱並び方向で外方側に配置され、前記制動手段が、前記昇降用ワイヤのドラム側垂下部分の移動経路における前記ドラム側支柱の側の側方に固定状に設けられた固定側パッドと、移動側パッドを前記移動経路における前記ドラム側支柱の側とは反対側の側方にて前記固定側パッドと対向させた状態で先端に支持し且つ前記移動側パッドを前記支柱並び方向に沿って移動させるように揺動自在な揺動体と、その揺動体に作用する作用部を前記支柱並び方向に沿って移動させることにより、前記移動側パッドを前記固定側パッドに接近させて両パッドにて前記昇降用ワイヤを挟み付ける前記制動状態にすべく前記揺動体を揺動させる揺動駆動手段とを備えて構成されたワイヤ巻き取り式昇降搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかるワイヤ巻き取り式昇降搬送装置は、モータにより巻取りドラムを正逆回転させて、巻取りドラムによって昇降用ワイヤの巻取り繰り出し作用をさせることにより、昇降台を昇降させるものであり、例えば、自動倉庫における物品の入出庫用として用いられる。
そして、昇降台を上昇又は下降させるべく作動させているモータを非常停止させて、昇降台の上昇又は下降を非常停止させるときに、制動手段を制動状態に作動させて、案内体と巻取りドラムとの間で、固定側パッドと移動側パッドにより昇降用ワイヤのドラム側垂下部分を挟み付けることにより、巻取りドラムにおける昇降用ワイヤの巻き状態が乱れて、乱巻き状態になるのを防止する構成となっている。
【0003】
このような乱巻き状態は、特に、昇降台の上昇を非常停止させるときに起こり易い。
即ち、モータの非常停止に伴って巻取りドラムの回転が非常停止して、昇降用ワイヤの巻取りが非常停止しても、昇降台には上方向きの慣性力が働くので、昇降台が停止するのに多少の遅れが生じる。
すると、停止状態の巻取りドラムに対して、巻取り方向に昇降用ワイヤが送り込まれて昇降用ワイヤが弛むので、乱巻き状態になり易い。
そこで、モータの非常停止に伴って制動手段を制動状態に作動させて、固定側パッドと移動側パッドとにより昇降用ワイヤのドラム側垂下部分を挟み付けることにより、昇降用ワイヤの弛みを抑制して、乱巻き状態になるのを防止するのである。
【0004】
このようなワイヤ巻き取り式昇降搬送装置において、従来は、揺動体が、基端部にて揺動自在に支持され、並びに、揺動駆動手段が、作用部を揺動体の先端部に押し付け作用させるように、揺動体の先端部よりもドラム側支柱の側とは反対側に設けられていた。
そして、作用部を突出させて揺動体の先端部を押すことにより、移動側及び固定側の両パッドにて昇降用ワイヤを挟み付けるべく揺動体を揺動させるように構成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−302186号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の如き揺動体及び揺動駆動手段の配置形態では、揺動駆動手段の全体が揺動体の先端部よりもドラム側支柱とは反対側に突出する状態となるので、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置における支柱並び方向での長さが長くなるという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、支柱並び方向での長さが短縮されてコンパクト化が図られたワイヤ巻き取り式昇降搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のワイヤ巻き取り式昇降搬送装置は、昇降台を互いの間で昇降自在に支持する一対の支柱と、前記支柱の上端側に設けられた案内体にて前記一対の支柱の並び方向に沿う方向である支柱並び方向の両側に垂下された状態で、一端に前記昇降台が吊り下げられた昇降用ワイヤと、その昇降用ワイヤの他端側を巻き取る巻取りドラムと、その巻取りドラムを回転駆動するモータと、前記案内体と前記巻取りドラムとの間で、前記昇降用ワイヤにおける前記巻取りドラム側の垂下部分であるドラム側垂下部分を挟み付けて制動する制動状態に作動可能な制動手段と、前記昇降台を上昇又は下降させるべく作動させている前記モータを非常停止させるときに、前記制動手段を前記制動状態に作動させる制御手段とが設けられ、前記昇降用ワイヤのドラム側垂下部分が、前記一対の支柱のうちの前記巻取りドラムが位置する側のドラム側支柱よりも前記支柱並び方向で外方側に配置され、 前記制動手段が、前記昇降用ワイヤのドラム側垂下部分の移動経路における前記ドラム側支柱の側の側方に固定状に設けられた固定側パッドと、移動側パッドを前記移動経路における前記ドラム側支柱の側とは反対側の側方にて前記固定側パッドと対向させた状態で先端に支持し且つ前記移動側パッドを前記支柱並び方向に沿って移動させるように揺動自在な揺動体と、その揺動体に作用する作用部を前記支柱並び方向に沿って移動させることにより、前記移動側パッドを前記固定側パッドに接近させて両パッドにて前記昇降用ワイヤを挟み付ける前記制動状態にすべく前記揺動体を揺動させる揺動駆動手段とを備えて構成されたものであって、
第1特徴構成は、前記揺動体が、その先端と基端とが並ぶ方向である長手方向の中間部にて揺動自在に支持され、
前記揺動駆動手段が、前記作用部を前記揺動体の基端部に作用させるように設けられている点にある。
【0009】
即ち、作用部を引っ込ませることにより作動状態にする形態の揺動駆動手段を用いる場合は、揺動駆動手段を揺動体の基端部よりもドラム側支柱とは反対側に設けて、作用部を引っ込ませて揺動体の基端部を引っ張ることにより、両パッドにて昇降用ワイヤを挟み付けるべく揺動体を揺動させることになる。
この場合、揺動駆動手段を、支柱並び方向において揺動体の先端部よりもドラム側支柱の側に寄せて設けることができるので、揺動駆動手段が支柱並び方向において揺動体の先端部よりもドラム側支柱の側とは反対側に突出するのを抑制することが可能である。
又、作用部を突出させることにより作動状態にする形態の揺動駆動手段を用いる場合は、揺動駆動手段を揺動体の基端部よりもドラム側支柱の側に設けることになり、この場合は、勿論、揺動駆動手段が支柱並び方向において揺動体の先端部よりもドラム側支柱の側とは反対側に突出しない状態となる。
従って、支柱並び方向での長さが短縮されてコンパクト化が図られたワイヤ巻き取り式昇降搬送装置を提供することができるようになった。
【0010】
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記揺動駆動手段が、前記揺動体の基端部よりも前記ドラム側支柱の側に設けられて、前記作用部を突出させて前記揺動体の基端部を押すことにより、前記両パッドにて前記昇降用ワイヤを挟み付けるべく前記揺動体を揺動させるように構成されている点にある。
【0011】
即ち、作用部を突出させることにより作動状態にする形態の揺動駆動手段を用いることにより、上述したように、揺動駆動手段が支柱並び方向において揺動体の先端部よりもドラム側支柱の側とは反対側に突出しない状態となる。
従って、支柱並び方向での長さを極力短縮することができるので、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置のコンパクト化を効果的に図ることができる。
【0012】
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記揺動体が、前記長手方向を上下方向に向けた姿勢で、前記支柱並び方向に直交する横方向である横幅方向の軸心周りで揺動自在に設けられ、
前記揺動体の基端側に、前記ドラム側支柱よりも前記横幅方向に突出する操作部が備えられ、
前記揺動駆動手段が、前記作用部にて前記揺動体の操作部を押し付け可能な状態で、前記ドラム側支柱における前記横幅方向の側方に設けられている点にある。
【0013】
即ち、揺動体を、その長手方向が上下方向に向く姿勢で横幅方向の軸心周りで揺動自在に設け、並びに、揺動体の基端側に、ドラム側支柱よりも横幅方向に突出する操作部を備えることにより、揺動駆動手段をドラム側支柱における横幅方向の側方に設けても、作用部にて揺動体の操作部を押し付けて、固定側及び移動側の両パッドにて昇降用ワイヤを挟み付けるべく揺動体を揺動させることができる。
そして、揺動体をその長手方向が上下方向に向く姿勢で設けることにより、揺動体が横幅方向においてドラム側支柱から突出するのを抑制することができる。
又、揺動駆動手段をドラム側支柱における横幅方向の側方に設けることにより、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置における支柱並び方向での長さをより一層短縮することができ、しかも、揺動駆動手段のメンテナンス作業を行い易いようにすることができる。
従って、メンテナンス作業を行い易いようにしながら、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置をより一層コンパクト化することができる。
【0014】
第4特徴構成は、上記第1〜第3特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記制御手段が、前記揺動体における前記ドラム側支柱の側とは反対側の側方に設けられている点にある。
【0015】
即ち、制御手段が揺動体におけるドラム側支柱の側とは反対側の側方に設けられているので、制御手段がドラム側支柱における横幅方向の側方に設けられる場合に比べて、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置における支柱並び方向に直交する横幅方向での長さである横幅を狭くすることができる。
尚、作用部を引っ込ませることにより作動状態にする形態の揺動駆動手段を用いる場合は、制御手段を揺動駆動手段よりも下方に設けることにより、制御手段を揺動駆動手段に規制されることなく揺動体側に寄せて設けることができるので、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置における支柱並び方向での長さが長くなるのを防止することができる。
【0016】
つまり、このようなワイヤ巻き取り式昇降搬送装置を自動倉庫での物品の入出庫用として用いる場合、複数の収納部を縦横に並べて備える左右一対の物品収納棚の間に、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置をその支柱並び方向が物品収納棚の前面に沿う姿勢で設けて、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置をその支柱並び方向に走行させることになる。
このような場合、左右一対の物品収納棚の間隔を狭くして、自動倉庫のコンパクト化を図ることが望まれ、その要望に対応するために、制御手段を支柱並び方向においてドラム側支柱の外側に設けることにより、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置における横幅を狭くすることになる。
そこで、このような制御手段の配置形態を採用することにより横幅を狭くしたワイヤ巻き取り式昇降搬送装置において、本発明を適用することにより、支柱並び方向での長さを短縮してより一層コンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】スタッカークレーンを備えた自動倉庫の正面図
【図2】スタッカークレーンを備えた自動倉庫の概略平面図
【図3】スタッカークレーンの側面図
【図4】スタッカークレーンの上部の斜視図
【図5】スタッカークレーンの横断平面図
【図6】スタッカークレーンの下部の斜視図
【図7】スタッカークレーンにおける制動手段の周辺の側面図
【図8】スタッカークレーンにおける制動手段の周辺の側面図
【図9】スタッカークレーンにおける制動手段の周辺の正面図
【図10】スタッカークレーンにおける制動手段の周辺の横断平面図
【図11】制動手段の斜視図
【図12】制動手段の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて、本発明をワイヤ巻き取り式昇降搬送装置の一例としてのスタッカークレーンに適用した場合の実施形態を説明する。
図1及び図2に示すように、バケット状の容器等の物品を収納する複数の収納部1を縦横に並べて備える左右一対の物品収納棚Bが設けられ、それら一対の物品収納棚Bの間の作業通路Eを移動するスタッカークレーンAが設けられ、物品収納棚Bへ収納するする物品を外部から搬入する物品入庫部Da、及び、物品収納棚Bから取り出された物品を外部に搬出するための物品出庫部Dbが、一対の物品収納棚Bの夫々の横側部に隣接する箇所に振り分け設置され、そして、スタッカークレーンAによって、収納部1に収納された物品を物品出庫部Dbに取り出す出庫作業及び物品入庫部Daに搬入された物品を収納部1に収納する入庫作業を行う自動倉庫が構成されている。
【0019】
図3及び図4に示すように、スタッカークレーンAは、上述の作業通路Eに沿って床面上に設置された単一の走行レール2に沿って走行する下部枠体3と、その下部枠体3の走行方向の前後端部箇所に立設されて、昇降台4を互いの間に昇降自在に支持する前後一対の支柱5と、一対の支柱5の上端部同士を連結する上部枠体6とを備え、且つ、前後一対の支柱5の上端側部分の夫々に、作業通路Eの天井側に設置されたガイドレール7の横側面に接当するガイドローラ8が左右一対ずつ装備されている。
従って、スタッカークレーンAは、走行レール2とガイドレール7にて案内される状態で作業通路Eを走行して、上述の入庫作業や出庫作業を行うように構成されている。
【0020】
図3及び図6に示すように、下部枠体3は、その前後方向の一端側に、走行レール2の上面に載置される駆動車輪9と走行レール2の横側面に接当する左右一対のガイド輪10、及び、駆動車輪9を回転駆動する走行用モータ11を備え、かつ、その前後方向の他端側に、走行レール2の上面に載置される遊転車輪12と走行レール2の横側面に接当する左右一対のガイド輪13を備えて、走行レール2に沿って走行するように構成されている。
【0021】
ちなみに、以下の説明においては、駆動車輪9が位置する側がスタッカークレーンAの前方側であり、遊転車輪12が位置する側がスタッカークレーンAの後方側であるとして説明する。
そして、以下の説明で、一対の支柱5をその配設位置を特定して記載する場合、駆動車輪9の存在側に配設されているものを前方側支柱5Fと記載し、遊転車輪12の存在側に配設されているものを後方側支柱5Rと記載する。
尚、以下の記載においては、スタッカークレーンAの前後方向を、車体前後方向と簡略して記載し、また、スタッカークレーンAの横幅方向を、車体横幅方向と簡略して記載する。
【0022】
図2〜図4に示すように、昇降台4には、物品移載用のフォーク装置Fが、車体前後方向に並べて2台設けられている。
この2台のフォーク装置Fの設置間隔は、図2に示すように、物品収納棚Bにおける収納部1が車体前後方向に相当する棚横幅方向に並ぶ間隔と同じであり、2台のフォーク装置Fによって、棚横幅方向に並ぶ2つの収納部1に対して同時に移載作業を行えるようになっている。
【0023】
図3、図4及び図6に示すように、更に、このスタッカークレーンAには、支柱5の上端側に設けられた案内体15にて車体前後方向(一対の支柱5の並び方向に沿う方向である支柱並び方向に相当する)の両側に垂下された状態で、夫々の一端に昇降台4が吊り下げられた一対の昇降用ワイヤ14と、その一対の昇降用ワイヤ14の他端側を巻き取る巻取りドラム16と、その巻取りドラムを回転駆動するモータとしての昇降用モータ17と、案内体15と巻取りドラム16との間で、一対の昇降用ワイヤ14夫々における巻取りドラム16側の垂下部分であるドラム側垂下部分14dを挟み付けて制動する制動状態に作動可能な制動手段Sと、このスタッカークレーンAの運転を制御する制御手段としての制御装置Hとが設けられている。
この制御装置Hは、昇降台4を上昇させるべく作動させている昇降用モータ17を非常停止させるときに、制動手段Sを前記制動状態に作動させるように構成されている。
ちなみに、昇降用モータ17は、無励磁作動型の電磁ブレーキ付であり、その回転を停止させるべく通電を断つと、同時に電磁ブレーキが作動するように構成されている。
【0024】
以下の説明で、一対の昇降用ワイヤ14をその配設位置を特定して記載する場合、昇降台4の車体前方側箇所に連結されるものを前方側の昇降用ワイヤ14Fと記載し、昇降台4の車体後方側箇所に連結されるものを後方側の昇降用ワイヤ14Rと記載する。
図3及び図4に示すように、前方側支柱5Fの上端部の左側の側部には、案内体15として、第1案内体15A及び第2案内体15Bが、第2案内体15Bが第1案内体15Aの前方で且つ下方側に隣接して並ぶ形態で設けられている。
そして、前方側の昇降用ワイヤ14Fは、昇降台4から上方に向けて伸びたのちに、第1案内体15A及び第2案内体15Bにて、前方側支柱5Fの前面に沿って下方に向かうように案内されて、前方側支柱5Fの下端側部分の前方側箇所に位置する巻取りドラム16に巻き取られるようになっている。
【0025】
又、図3及び図4に示すように、後方側支柱5Rの上端部の右側の側部には、案内体15として、第3案内体15Cが設けられ、前方側支柱5Fの上端部の右側の側部には、案内体15として、第4案内体15Dが設けられている。
そして、後方側の昇降用ワイヤ14Rは、昇降台4から上方に向けて伸びたのちに、先ず、第3案内体15Cにて車体前方側に向かうように案内され、次に、第4案内体15Dにて、前方側支柱5Fの前面に沿って下方に向かうように案内されて、上述した巻取りドラム16に巻き取られるようになっている。
従って、巻取りドラム16が昇降用モータ17にて正逆に駆動回転されて、一対の昇降用ワイヤ14の巻取りドラム16からの繰り出しや巻取りドラム16への巻き取りが行われることにより、昇降台4が昇降されるように構成されている。
【0026】
図3〜図5に示すように、昇降台4の車体前方側の端部には、前方側支柱5Fの両横側面に接当する横位置規制用輪体19、及び、前方側支柱5Fの車体後方側に相当する面に接当する前後位置規制用輪体20が設けられている。
又、昇降台4の車体後方側の端部には、後方側支柱5Rの両横側面に接当する横位置規制用輪体21、及び、後方側支柱5Aの車体前方側に相当する面に接当する前後位置規制用輪体22が設けられている。
従って、昇降台4は、車体横幅方向や車体前後方向での位置が規制されるように、前後一対の支柱5にて案内される状態で、前後の一対の支柱5に沿って昇降されるように構成されている。
【0027】
図3及び図6に示すように、下部枠体3は、駆動車輪9及びその駆動車輪9を正逆に駆動する走行用モータ11を支持する駆動車輪支持枠23と、遊転車輪11を支持する遊転車輪支持枠24と、それら駆動車輪支持枠23と遊転車輪支持枠24とに亘って架設される連結枠25とを備える状態に構成されている。
尚、駆動車輪支持枠23には、上述したガイド輪10が支持され、また、遊転車輪支持枠24には、上述したガイド輪13が支持されている。
【0028】
下部枠体3を構成する連結枠25は、図3及び図6に示すように、前後方向に延びる主体部分25Aの前後両端の夫々に、平面視形状L字状の副枠部分25F、25Rが、主体枠部分25Aから上方に立設する状態で溶接により取付けられ、駆動車輪支持枠23が前方側の副枠部分25Fに取り付けられ、遊転車輪支持枠24が後方側の副枠部分25Rに取り付けられている。
前方側支柱5Fは、ボルト(図示省略)によって、前方側の副枠部分25F及び駆動車輪支持枠23に固定され、後方側支柱5Rは、ボルト(図示省略)によって、後方側の副枠部分25R及び遊転車輪支持枠24に、固定されている。
ちなみに、前方側支柱5F及び後方側支柱5Rは、角筒状に形成されている。
【0029】
図6に示すように、前方側の副枠部分25Fにおける上端側部分に、取付け枠26が溶接される状態で設けられ、その取付け枠26に、巻取りドラム16及び昇降用モータ17が取り付けられている。
つまり、巻取りドラム16及び昇降用モータ17が、一対の支柱5のうちの前方側支柱5Fの下端部分に位置することになる。
そして、一対の昇降用ワイヤ4夫々のドラム側垂下部分14dが、車体横幅方向に間隔を隔てて並ぶ形態で、一対の支柱5のうちの前方側支柱5F(巻取りドラム16が位置する側のドラム側支柱に相当する)よりも車体前後方向(支柱並び方向に相当する)で外方側に配置されていることになる。
【0030】
図6〜図12に示すように、上述の制動手段Sは、一対の昇降用ワイヤ14のドラム側垂下部分14dの移動経路(以下、ワイヤ移動経路と記載する場合がある)Cにおける前方側支柱5Fの側の側方に固定状に設けられた固定側パッド31と、移動側パッド32をワイヤ移動経路Cにおける前方側支柱5Fの側とは反対側の側方にて固定側パッド31と対向させた状態で先端33Tに支持し且つ移動側パッド32を車体前後方向に沿って移動させるように揺動自在な揺動体33と、その揺動体33に作用する作用部としてのロッド34rを車体前後方向に沿って移動させることにより、移動側パッド32を固定側パッド31に接近させて両パッド31,32にて一対の昇降用ワイヤ14を挟み付ける制動状態にすべく揺動体33を揺動させる揺動駆動手段としての制動用ソレノイド34とを備えて構成されている。
【0031】
尚、図7は、制動状態が解除された状態での制動手段Sの側面図を示し、図8は、制動状態に作動された状態での制動手段Sの側面図を示す。
又、図9は、制御装置Hが内部に設けられた制御ボックス39(詳細は後述)を省略した状態での要部の正面図であり、図10は、制御ボックス39を省略した状態での要部の横断平面図である。
【0032】
そして、本発明では、揺動体33が、その先端33Tと基端33Bとが並ぶ方向である長手方向の中間部にて揺動自在に支持され、制動用ソレノイド34が、ロッド34rを揺動体33の基端部33h(後述する操作部に相当する)に作用させるように設けられている。
【0033】
以下、図7〜図12に基づいて、上述の制動手段Sについて、説明を加える。
前方側支柱5Fの前面よりもやや幅広の部分を備える台枠35が、前方側支柱5Fの前面部にボルト固定されている。
更に、その台枠35の上端側の広幅部分には、一対の揺動支持アーム部35aが、車体横幅方向両端側に振り分けられて、前方に突出する状態で一体的に備えられている。
固定側パッド31は、台枠35の幅と略同幅の長さを有する長尺状に形成され、その固定側パッド31が、台枠35の前面の下端に、その幅方向に沿わせてボルト固定されている。ちなみに、固定側パッド31にはボルト挿通用の座ぐり孔が設けられて、固定側パッド31がボルト固定された状態で、ボルトの頭が突出しない構成となっている。
【0034】
揺動体33は、前面視で、台枠35と略同幅の板状の先端側部分33tと、その先端側部分33tにおける基端33B側の端部の左側から基端B側に片状に突出する基端側部分33bを備え、更に、その基端側部分33bの基端33B側の端部に、前方側支柱5Fよりも車体横幅方向で左側に突出する操作部33hを備えた形状に構成されている。
更に、揺動体33の先端側部分33tにおける基端33B側の端部には、一対の軸支部33aが、車体横幅方向両端に振り分けられて、前方に突出する状態で一体的に備えられている。
移動側パッド32は、固定側パッド31と同形状の長尺状に形成され、その移動側パッド32が、揺動体33の先端側部分33tにおける後面の先端に、その幅方向に沿わせてボルト固定されている。ちなみに、移動側パッド32にも、固定側パッド31と同様にボルト挿通用の座ぐり孔が設けられて、移動側パッド32がボルト固定された状態で、ボルトの頭が突出しない構成となっている。
【0035】
そして、揺動体33がその一対の軸支部33a夫々を台枠35の一対の揺動支持アーム部35a夫々に重ねて配設された状態で、一対の軸支用ボルト36夫々が、車体横幅方向に沿わせた姿勢で、揺動支持アーム部35aに形成された挿通孔に挿通されて軸支部33aに螺挿されている。
つまり、揺動体33が、一対の軸支用ボルト36を支軸として、車体前後方向に揺動自在に設けられていることになる。
【0036】
更に、一対のコイルバネ37が、車体横幅方向に振り分けられた状態で、台枠35と揺動体33の先端側部分33tにおける軸支部33aよりも先端33T側の部分との間に収縮状態で設けられている。それによって、揺動体33が、その先端33Tが車体前後方向で前方側に移動するように、即ち、移動側パッド32が固定側パッド31から離間する方向に移動するように付勢されている。尚、各コイルバネ37は、台枠35にその前方に突出する状態で設けられたピン42と、揺動体33にその後方に突出する状態で設けられたピン43とにより保持されている。
【0037】
つまり、この実施形態では、揺動体33が、その長手方向を上下方向に向けた姿勢で、車体横幅方向(支柱並び方向に直交する横方向である横幅方向に相当する)の軸心P(一対の軸支用ボルト36の軸心に相当する)周りで揺動自在に設けられていることになる。
又、揺動体33の基端33B側に、前方側支柱5Fよりも車体横幅方向に突出する操作部33hが備えられていることになる。この揺動体33の操作部33hが、制動用ソレノイド34のロッド34rが作用する箇所である揺動体33の基端部33hに相当する。
【0038】
制動用ソレノイド34を取り付けるソレノイド取付板38が、前方側支柱5Fの前面部における台枠35よりも上方側の箇所に、前面視において車体横幅方向で右側に突出する状態でボルト固定されている。
制動用ソレノイド34が、そのロッド34rの突出方向が車体前後方向の前方を向く姿勢でソレノイド取付板38における前方側支柱5Fの側方への突出部分に取り付けられている。
この制動用ソレノイド34は、通電して励磁するとロッド34rが突出し(図8参照)、通電を断って消磁するとロッド34rが引込む(図7参照)構成である。
そして、図8に示すように、制動用ソレノイド34に通電して、ロッド34rを突出させて揺動体33の操作部33hを車体前後方向の前方側に押すことにより、一対のコイルバネ37の付勢力に抗して揺動体33をその先端33Tが車体前後方向の後方側に移動するように車体横幅方向の軸心P周りで揺動させて、移動側パッド32を固定側パッド31に接近させて両パッド31,32にて一対の昇降用ワイヤ14を挟み付けるように構成されている。
つまり、制動用ソレノイド34に通電することにより、制動手段Sが、固定側及び移動側の両パッド31,32にて一対の昇降用ワイヤ14を挟み付ける制動状態に作動される構成となっている。
【0039】
つまり、この実施形態では、制動用ソレノイド34が、揺動体33の基端部(操作部)33hよりも前方側支柱5Fの側に設けられて、ロッド34rを突出させて揺動体33の基端部(操作部)33hを押すことにより、固定側及び移動側の両パッド31,32にて一対の昇降用ワイヤ14を挟み付けるべく揺動体33を揺動させるように構成されていることになる。
更に、制動用ソレノイド34が、ロッド34rにて揺動体33の操作部33hを押し付け可能な状態で、前方側支柱5Fにおける車体横幅方向の側方に設けられていることになる。
【0040】
上述の制御装置Hは、制御ボックス39の内部に設けられ、その制御ボックス39が、揺動体33における車体前後方向の前方(前方側支柱5Fの側とは反対側の側方に相当する)に位置する状態で、受け台40と連結具41とによって前方側支柱5Fの前面部に取り付けられている。
以下、この制御装置Hにおける昇降用モータ17及び制動用ソレノイド34の制御動作について、説明を加える。
尚、制御装置Hにおける昇降用モータ17の制御動作は公知であるので、昇降台4の昇降を停止させるときの制御動作について説明して、その他の制御動作の説明は省略する。
【0041】
制御装置Hは、昇降台4を目的位置に上昇又は下降させるときは、巻取りドラム16を高速の回転速度で正逆回転させて、高速で巻取り繰り出し作用をさせるべく、昇降用モータ17を高速の回転速度で作動させる。
そして、制御装置Hは、通常の制御状態において、昇降台4が目的位置よりも所定距離手前に達すると、巻取りドラム16の回転速度を高速から低速に減速すべく昇降用モータ17を作動させ、昇降台4が目的位置に達すると、昇降用モータ17への通電を断つ。
すると、電磁ブレーキが作動して昇降用モータ17の回転が停止して、巻取りドラム16の回転が停止し、それによって、巻取りドラム16による巻取り繰り出し作用が停止して、昇降台4が停止する。
【0042】
制御装置Hは、昇降台4を目的位置に上昇又は下降させるべく昇降用モータ17を高速の回転速度で作動させている状態で、非常停止指令が指令されると、昇降用モータ17への通電を断つと共に、制動用ソレノイド34に通電して制動手段Sを制動状態に切り換える。
すると、電磁ブレーキが作動して昇降用モータ17の回転が非常停止し、それに伴って巻取りドラム16の回転が非常停止し、並びに、制動用ソレノイド34のロッド34rが突出して揺動体33の操作部33hが押されることにより、一対のコイルバネ37の付勢力に抗して、先端33Tが車体前後方向の後方側に移動する側に揺動体33が軸心P周りで揺動して、固定側及び移動側の両パッド31,32にて一対の昇降用ワイヤ14が挟み付けられて制動される。
尚、制動用ソレノイド34に通電して制動手段Sを制動状態に切り換えるタイミングは、昇降用モータ17への通電を断つのと同時でも良いし、昇降用モータ17への通電を断った後、予め設定した遅延時間が経過した後でも良い。
ちなみに、非常停止指令は、人為操作式の非常停止ボタン(図示省略)が操作されることに基づいて、あるいは、昇降台4の異常動作等を検知する異常検知用センサ(図示省略)が検知作動することに基づいて指令される。
【0043】
上述のように、巻取りドラム16の回転の非常停止により、昇降用ワイヤ14の巻取りが非常停止されても、昇降台4には上方向きの慣性力が働くので、昇降台4が停止するのに多少の遅れが生じる。
すると、停止状態の巻取りドラム16の側に昇降用ワイヤ14が送り込まれることになるが、固定側及び移動側の両パッド31,32にて一対の昇降用ワイヤ14が挟み付けられて制動されるので、停止状態の巻取りドラム16に昇降用ワイヤ14が送り込まれるのが防止されることになり、乱巻き状態になるのを防止することができる。
【0044】
制御装置Hは、制動用ソレノイド34に通電して制動手段Sを制動状態に切り換えた後、制動解除用の設定時間が経過すると、制動用ソレノイド34への通電を停止して制動手段Sの制動状態を解除する。すると、制動用ソレノイド34が消磁されてロッド34rを突出状態に保持する力が解除されるので、一対のコイルバネ37の付勢力により、揺動体33がその先端33Tが車体前後方向の前方側に移動する側に軸心P周りで揺動して、移動側パッド32が固定側パッド33から離れる側に移動することになり、両パッド31,32で一対の昇降用ワイヤ14を挟み付ける状態が解除される。
【0045】
上述のように、揺動体33が、その先端33Tと基端33Bとが並ぶ方向である長手方向の中間部にて揺動自在に支持され、制動用ソレノイド34が、ロッド34rを揺動体33の基端部(操作部)33hに作用させるように設けられる構成とすることにより、スタッカークレーンAにおける車体前後方向での長さを短縮することができる。
しかも、揺動体33、制動用ソレノイド34及び制御装置Hの配置形態としては、上述の如き配置形態、即ち、揺動体33が、その長手方向を上下方向に向けた姿勢で車体横幅方向の軸心P周りで揺動自在に設けられ、制動用ソレノイド34が前方側支柱5Fにおける車体横幅方向の側方に設けられ、並びに、制御装置Hが、揺動体33の前方に設けられている配置形態となっている。
このような配置形態にすることにより、左右一対の物品収納棚Bの間隔を狭くして自動倉庫のコンパクト化を図るために、車体横幅を狭くするという目的で、制御装置Hを揺動体33の前方に設けたスタッカークレーンAにおいて、車体横幅を狭くする状態を維持しながら、車体前後方向での長さを短縮することができるようになり、コンパクト化を効果的に図ることができる。
【0046】
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) 揺動駆動手段として、通電によりロッドを引っ込ませる形態の制動用ソレノイドを用いて、この制動用ソレノイドを、揺動体33の基端部33hよりも前方側支柱5Fとは反対側に設けて、ロッドを引っ込ませて揺動体33の基端部33hを引っ張ることにより、固定側及び移動側の両パッド31,32にて昇降用ワイヤ14を挟み付けるべく揺動体33を揺動させるように構成しても良い。
但し、この場合、制御装置Hを内部に設けた制御ボックス39を制動用ソレノイドよりも下方に設けることにより、ワイヤ巻き取り式昇降搬送装置における車体前後方向での長さが長くなるのを防止する。
【0047】
(ロ) 揺動体33の設置形態は、上記の実施形態において例示した形態、即ち、長手方向を上下方向に向けた姿勢で、車体横幅方向の軸心P周りで揺動自在に設ける形態に限定されるものではない。例えば、長手方向を車体横幅方向に向けた姿勢で、上下方向の軸心周りで揺動自在に設けても良い。
【0048】
(ハ) 上記の実施形態では、昇降台4を上昇させるべく作動させている昇降用モータ17を非常停止させるときに、制動手段Sを制動状態に作動させたが、昇降台4を下降させるべく作動させている昇降用モータ17を非常停止させるときにも、制動手段Sを制動状態に作動させるように構成しても良い。
【0049】
(ニ) 揺動駆動手段の具体的構成は、上記の実施形態において例示した制動用ソレノイド34に限定されるものではなく、例えば、電動シリンダを用いことができる。
【0050】
(ホ) 本発明を適用可能なワイヤ巻き取り式昇降搬送装置は、上記の実施形態において説明したスタッカクレーンAに限定されるものではなく、例えば、静止状態で設けるものでも良い。
【符号の説明】
【0051】
4 昇降台
5 支柱
5F ドラム側支柱
14 昇降用ワイヤ
14d ドラム側垂下部分
15 案内体
16 巻取りドラム
17 モータ
31 固定側パッド
32 移動側パッド
33 揺動体
33h 基端部、操作部
33B 基端
33T 先端
34 揺動駆動手段
34r 作用部
C 移動経路
H 制御手段
P 軸心
S 制動手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降台を互いの間で昇降自在に支持する一対の支柱と、
前記支柱の上端側に設けられた案内体にて前記一対の支柱の並び方向に沿う方向である支柱並び方向の両側に垂下された状態で、一端に前記昇降台が吊り下げられた昇降用ワイヤと、
その昇降用ワイヤの他端側を巻き取る巻取りドラムと、
その巻取りドラムを回転駆動するモータと、
前記案内体と前記巻取りドラムとの間で、前記昇降用ワイヤにおける前記巻取りドラム側の垂下部分であるドラム側垂下部分を挟み付けて制動する制動状態に作動可能な制動手段と、
前記昇降台を上昇又は下降させるべく作動させている前記モータを非常停止させるときに、前記制動手段を前記制動状態に作動させる制御手段とが設けられ、
前記昇降用ワイヤのドラム側垂下部分が、前記一対の支柱のうちの前記巻取りドラムが位置する側のドラム側支柱よりも前記支柱並び方向で外方側に配置され、
前記制動手段が、前記昇降用ワイヤのドラム側垂下部分の移動経路における前記ドラム側支柱の側の側方に固定状に設けられた固定側パッドと、移動側パッドを前記移動経路における前記ドラム側支柱の側とは反対側の側方にて前記固定側パッドと対向させた状態で先端に支持し且つ前記移動側パッドを前記支柱並び方向に沿って移動させるように揺動自在な揺動体と、その揺動体に作用する作用部を前記支柱並び方向に沿って移動させることにより、前記移動側パッドを前記固定側パッドに接近させて両パッドにて前記昇降用ワイヤを挟み付ける前記制動状態にすべく前記揺動体を揺動させる揺動駆動手段とを備えて構成されたワイヤ巻き取り式昇降搬送装置であって、
前記揺動体が、その先端と基端とが並ぶ方向である長手方向の中間部にて揺動自在に支持され、
前記揺動駆動手段が、前記作用部を前記揺動体の基端部に作用させるように設けられているワイヤ巻き取り式昇降搬送装置。
【請求項2】
前記揺動駆動手段が、前記揺動体の基端部よりも前記ドラム側支柱の側に設けられて、前記作用部を突出させて前記揺動体の基端部を押すことにより、前記両パッドにて前記昇降用ワイヤを挟み付けるべく前記揺動体を揺動させるように構成されている請求項1に記載のワイヤ巻き取り式昇降搬送装置。
【請求項3】
前記揺動体が、前記長手方向を上下方向に向けた姿勢で、前記支柱並び方向に直交する横方向である横幅方向の軸心周りで揺動自在に設けられ、
前記揺動体の基端側に、前記ドラム側支柱よりも前記横幅方向に突出する操作部が備えられ、
前記揺動駆動手段が、前記作用部にて前記揺動体の操作部を押し付け可能な状態で、前記ドラム側支柱における前記横幅方向の側方に設けられている請求項1又は2に記載のワイヤ巻き取り式昇降搬送装置。
【請求項4】
前記制御手段が、前記揺動体における前記ドラム側支柱の側とは反対側の側方に設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイヤ巻き取り式昇降搬送装置。
【請求項1】
昇降台を互いの間で昇降自在に支持する一対の支柱と、
前記支柱の上端側に設けられた案内体にて前記一対の支柱の並び方向に沿う方向である支柱並び方向の両側に垂下された状態で、一端に前記昇降台が吊り下げられた昇降用ワイヤと、
その昇降用ワイヤの他端側を巻き取る巻取りドラムと、
その巻取りドラムを回転駆動するモータと、
前記案内体と前記巻取りドラムとの間で、前記昇降用ワイヤにおける前記巻取りドラム側の垂下部分であるドラム側垂下部分を挟み付けて制動する制動状態に作動可能な制動手段と、
前記昇降台を上昇又は下降させるべく作動させている前記モータを非常停止させるときに、前記制動手段を前記制動状態に作動させる制御手段とが設けられ、
前記昇降用ワイヤのドラム側垂下部分が、前記一対の支柱のうちの前記巻取りドラムが位置する側のドラム側支柱よりも前記支柱並び方向で外方側に配置され、
前記制動手段が、前記昇降用ワイヤのドラム側垂下部分の移動経路における前記ドラム側支柱の側の側方に固定状に設けられた固定側パッドと、移動側パッドを前記移動経路における前記ドラム側支柱の側とは反対側の側方にて前記固定側パッドと対向させた状態で先端に支持し且つ前記移動側パッドを前記支柱並び方向に沿って移動させるように揺動自在な揺動体と、その揺動体に作用する作用部を前記支柱並び方向に沿って移動させることにより、前記移動側パッドを前記固定側パッドに接近させて両パッドにて前記昇降用ワイヤを挟み付ける前記制動状態にすべく前記揺動体を揺動させる揺動駆動手段とを備えて構成されたワイヤ巻き取り式昇降搬送装置であって、
前記揺動体が、その先端と基端とが並ぶ方向である長手方向の中間部にて揺動自在に支持され、
前記揺動駆動手段が、前記作用部を前記揺動体の基端部に作用させるように設けられているワイヤ巻き取り式昇降搬送装置。
【請求項2】
前記揺動駆動手段が、前記揺動体の基端部よりも前記ドラム側支柱の側に設けられて、前記作用部を突出させて前記揺動体の基端部を押すことにより、前記両パッドにて前記昇降用ワイヤを挟み付けるべく前記揺動体を揺動させるように構成されている請求項1に記載のワイヤ巻き取り式昇降搬送装置。
【請求項3】
前記揺動体が、前記長手方向を上下方向に向けた姿勢で、前記支柱並び方向に直交する横方向である横幅方向の軸心周りで揺動自在に設けられ、
前記揺動体の基端側に、前記ドラム側支柱よりも前記横幅方向に突出する操作部が備えられ、
前記揺動駆動手段が、前記作用部にて前記揺動体の操作部を押し付け可能な状態で、前記ドラム側支柱における前記横幅方向の側方に設けられている請求項1又は2に記載のワイヤ巻き取り式昇降搬送装置。
【請求項4】
前記制御手段が、前記揺動体における前記ドラム側支柱の側とは反対側の側方に設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載のワイヤ巻き取り式昇降搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−126533(P2012−126533A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280640(P2010−280640)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
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