説明

ワクチン評価のための動物モデル

【課題】効果的な癌の免疫療法を提供するための、ヒトの腫瘍の免疫原性を高めると共に、ヒトの抗腫瘍免疫応答を予測する動物モデルの提供。
【解決手段】ワクチン評価のための動物および方法を提供する。特に、ヒト免疫不全ウイルスに対して作製したワクチンを含む、ヒトの病原体に対する免疫を付与するようデザインされたワクチンの評価のためのヒト化動物モデルを提供する。さらに、HIVワクチンにも関する。特に、弱毒化された複製可能HIVワクチンおよび複製不能HIVワクチンを提供する。また、HIVタンパク質を発現する修飾リーシュマニア(Leishmania)細胞を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) (i) ヒト細胞を含む免疫不全マウスと、
(ii) ヒトの病原体に由来する少なくとも1つの成分を含む注射用調製物と、
(iii) 感染性ヒト病原体を含む組成物とを提供する段階;
(b) 該マウスに該注射用調製物を注射する段階;
(c) 該注射済みマウスを該組成物に暴露する段階;および
(d)該暴露されたマウスについて、該感染性ヒト病原体による該ヒト細胞の感染の有無をモニターする段階を含む方法。
【請求項2】
免疫不全マウスが、SCID/beigeおよびSCID/nodからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ヒト細胞がヒト免疫細胞である請求項1記載の方法。
【請求項4】
段階(b)の注射が、マウスを組成物に暴露する前に、少なくとも1回は繰り返される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
ヒト病原体が、ヒト免疫不全ウイルス、リーシュマニア、マイコバクテリウム、リステリア、およびマラリア原虫からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
ヒト病原体の成分が、該病原体に由来するタンパク質の少なくとも一部を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
ヒト病原体の成分がポリヌクレオチドを含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
ポリヌクレオチドが、ウイルスの構造遺伝子を発現する能力はあるがウイルス粒子にパッケージングされる能力は持たないヒト免疫不全ウイルスゲノムをコードするプロウイルスDNAを含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
ポリヌクレオチドが、pHP-1、pHP-2、およびpHP-3からなる群より選択されるプラスミドDNAを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
注射用調製物が、弱毒化複製可能ヒト免疫不全ウイルスを含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
弱毒化ウイルスのゲノムが、変異tat遺伝子を含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
ゲノムが変異nef遺伝子をさらに含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
注射用調製物が弱毒化リーシュマニア細胞を含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
弱毒化リーシュマニア細胞が、システインプロテアーゼ遺伝子をコードする異種DNAを含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
異種DNAが、env遺伝子、gag遺伝子、pol遺伝子、tat遺伝子、rev遺伝子、vif遺伝子、vpu遺伝子、vpr遺伝子、およびnef遺伝子からなる群より選択されるヒト免疫不全ウイルス遺伝子をコードするDNAをさらに含む、請求項14記載の方法。
【請求項16】
(a) (i) ヒト免疫細胞を含むSCID/beigeマウスと、
(ii) ヒト免疫不全ウイルスに由来する1つまたは複数の成分を含む注射用調製物と、
(iii) 非弱毒化ヒト免疫不全ウイルスを含む組成物とを提供する段階;
(b) 該マウスに該注射用調製物を注射する段階;
(c) 該注射済みマウスを該組成物に暴露する段階;および
(d) 該非弱毒化ヒト免疫不全ウイルスによる該ヒト免疫細胞の感染の有無について、該暴露されたマウスをモニターする段階を含む方法。
【請求項17】
段階(b)の注射が、マウスを組成物に暴露する前に、少なくとも1回は繰り返される、請求項16記載の方法。
【請求項18】
ヒト免疫不全ウイルスの成分が、該ウイルス由来のタンパク質をコードする遺伝子の少なくとも一部を含む、請求項16記載の方法。
【請求項19】
ヒト免疫不全ウイルスの成分がDNAを含む、請求項16記載の方法。
【請求項20】
DNAが、ウイルスの構造遺伝子を発現する能力はあるがウイルス粒子にパッケージングされる能力は持たないヒト免疫不全ウイルスゲノムをコードするプロウイルスDNAを含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
DNAが、pHP-1、pHP-2、およびpHP-3からなる群より選択されるプラスミドDNAを含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
注射用調製物が、弱毒化複製可能ヒト免疫不全ウイルスを含む、請求項16記載の方法。
【請求項23】
ウイルスゲノムが変異tat遺伝子および変異nef遺伝子を含む、弱毒化ヒト免疫不全ウイルス。
【請求項24】
ウイルスが、 HIVCMV/tat-B、HIVCMV/AD8/nef-B/tat-B、HIVNL43/AD8/tat-B/nef-B、およびHIVNL43/nef-B/tat-Bからなる群より選択される、請求項17記載のウイルス。
【請求項25】
免疫スポットアッセイで得られた結果の分析方法において、検出可能シグナルがコンピュータ援用ビデオイメージング手段によってデジタル画像に変換される免疫スポットアッセイの実施、および分析手段を用いた該シグナルの該デジタル画像の分析を含む方法。
【請求項26】
シグナルが酵素基質反応によって生成される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
デジタル画像がコントラスト、グレースケール、および露出時間について最適化される、請求項25記載の方法。
【請求項28】
コンピュータ援用ビデオイメージング手段が、
(a) ビデオ画像を作製することのできるビデオカメラと、
(b) 該ビデオ画像のデジタル画像を作成することのできるイメージングソフトウェアとを含む、請求項25記載の方法。
【請求項29】
イメージングソフトウェアがThe Imagerバージョン2.03である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
分析手段が画像処理ソフトウェアを含む、請求項25記載の方法。
【請求項31】
免疫スポットアッセイが、細胞集団におけるサイトカインの生産を測定するものである、請求項25記載の方法。
【請求項32】
抗原および免疫調節タンパク質を発現するように修飾された細胞を含むワクチン。
【請求項33】
免疫調節タンパク質が、サイトカイン、共刺激分子、ケモタクチン、細胞周期の調節因子、アポトーシス誘導因子、ウイルス因子、および腫瘍サプレッサーからなる群より選択される、請求項32記載のワクチン。
【請求項34】
細胞が、リーシュマニア、マイコバクテリウム、リステリア、およびマラリア原虫からなる群より選択される、請求項32記載のワクチン。
【請求項35】
免疫調節タンパク質がB7-2である、請求項32記載のワクチン。
【請求項36】
細胞が腫瘍細胞である、請求項32記載のワクチン。
【請求項37】
抗原と少なくとも1つの免疫調節タンパク質とをコードするポリヌクレオチド配列を含む発現ベクター。
【請求項38】
免疫調節タンパク質が、細胞周期調節因子、アポトーシス誘導因子、ウイルス因子、および腫瘍サプレッサーからなる群より選択される、請求項37記載の発現ベクター。
【請求項39】
免疫調節タンパク質がB7-2である、請求項37記載の発現ベクター。
【請求項40】
十分な数のヒト免疫細胞を含む免疫不全マウスにおいて、該細胞が、該マウスにおいて持続的免疫応答を生成することができる免疫不全マウス。
【請求項41】
ヒト免疫細胞が、CD45抗原を発現するヒトTリンパ球を含み、CD45抗原を発現するヒト免疫細胞の少なくとも約10%が未成熟なナイーブTリンパ球である、請求項40記載の免疫不全マウス。
【請求項42】
ヒト免疫細胞が、CD45抗原を発現するヒトTリンパ球を含み、CD45抗原を発現するヒト免疫細胞の少なくとも約5%が未成熟なナイーブTリンパ球である、請求項40記載の免疫不全マウス。
【請求項43】
ヒト免疫細胞が、CD45抗原を発現するヒトTリンパ球を含み、CD45抗原を発現するヒト免疫細胞の少なくとも約1%が未成熟なナイーブTリンパ球である、請求項40記載の免疫不全マウス。
【請求項44】
マウスがSCID/beigeマウスである、請求項40記載のマウス。
【請求項45】
ヒト腫瘍細胞をさらに含む、請求項44記載のマウス。
【請求項46】
ヒト免疫細胞を含むSCID/beigeマウス。
【請求項47】
ヒト腫瘍細胞をさらに含む、請求項46記載のマウス。
【請求項48】
腫瘍細胞が樹立された腫瘍細胞である、請求項47記載のマウス。
【請求項49】
腫瘍細胞が初代腫瘍細胞である、請求項47記載のマウス。
【請求項50】
腫瘍細胞が中枢神経系細胞に由来する、請求項47記載のマウス。
【請求項51】
腫瘍細胞がグリオブラストーマ細胞である、請求項50記載のマウス。
【請求項52】
(a) (i) SCID/beigeマウスと、
(ii) ヒト腫瘍細胞と、
(iii) ヒト末梢血リンパ球とを提供する段階;
(b) 該マウスに該腫瘍細胞の初回投与量を導入する段階;
(c) 該腫瘍細胞を含む該マウスを、該リンパ球で再構成する段階;および
(d) 該腫瘍細胞の増殖について、該再構成マウスをモニターする段階を含む方法。
【請求項53】
腫瘍細胞が少なくとも1つの免疫調節遺伝子を発現する、請求項52記載の方法。
【請求項54】
その発現が再構成マウスに導入された腫瘍細胞の増殖を阻害する少なくとも1つの免疫調節遺伝子を同定することをさらに含む、請求項52記載の方法。
【請求項55】
再構成後に、腫瘍細胞の第2回目の投与量によって再構成マウスにワクチン接種する付加的段階を含む、請求項52記載の方法。
【請求項56】
初回投与の腫瘍細胞が非修飾腫瘍細胞を含み、第2回目投与の腫瘍細胞が放射線照射腫瘍細胞を含む、請求項55記載の方法。
【請求項57】
放射線照射腫瘍細胞が少なくとも1つの免疫調節遺伝子を発現する、請求項56記載の方法。
【請求項58】
腫瘍細胞が樹立された腫瘍細胞である、請求項52記載の方法。
【請求項59】
腫瘍細胞が初代腫瘍細胞である、請求項52記載の方法。
【請求項60】
腫瘍細胞が中枢神経系細胞に由来する、請求項52記載の方法。
【請求項61】
腫瘍細胞がグリオブラストーマ細胞である、請求項52記載の方法
【請求項62】
腫瘍細胞とリンパ球が同一のドナーから提供される、請求項52記載の方法。
【請求項63】
腫瘍細胞とリンパ球が異なるドナーから提供される、請求項52記載の方法。
【請求項64】
(a) (i) SCID/beigeマウスと、
(ii) 放射線照射および非照射ヒト腫瘍細胞と、
(iii) ヒト末梢血リンパ球とを提供する段階;
(b) 該リンパ球で該マウスを再構成する段階;
(c) 該放射線照射腫瘍細胞を該マウスにワクチン接種する段階;
(d) 該ワクチン接種マウスに該放射線非照射腫瘍細胞を導入する段階:および
(e) 該放射線非照射腫瘍細胞の増殖について、該ワクチン接種マウスをモニターする段階を含む方法。
【請求項65】
放射線照射腫瘍細胞が少なくとも1つの免疫調節遺伝子を発現する、請求項64記載の方法。
【請求項66】
その発現がワクチン接種マウスにおいて放射線非照射腫瘍細胞の増殖を阻害する少なくとも1つの免疫調節遺伝子を同定することをさらに含む、請求項64記載の方法。
【請求項67】
腫瘍を有する被験者を治療する方法において、
(a) 抗原および少なくとも1つの別の免疫調節因子をコードする発現ベクターを提供する段階と、
(b) 該腫瘍の少なくとも一部によって、該抗原および該免疫調節因子が発現されるような条件下で、該発現ベクターを該腫瘍に導入する段階とを含む方法。
【請求項68】
発現ベクターの導入の前に、被験者から腫瘍の少なくとも一部を除去し、該発現ベクターの該導入後に、前記抗原および前記免疫調節因子を発現する該腫瘍細胞に放射線照射し、該放射線照射腫瘍細胞を該被験者に戻して、免疫された被験者を作製する段階をさらに含む、請求項67記載の方法。
【請求項69】
抗原および免疫調節因子を発現する放射線照射腫瘍細胞の少なくとも1回の追加投与量を、免疫された被験者に導入することをさらに含む、請求項68記載の方法。
【請求項70】
免疫調節因子が、サイトカイン、共刺激分子、ケモタクチン、細胞周期の調節因子、アポトーシスの誘導因子、ウイルス因子、および腫瘍サプレッサーからなる群より選択される、請求項68記載の方法。
【請求項71】
免疫調節因子がB7-2である、請求項70記載の方法。

【図1】
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【図2A−C】
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【図2DE】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8A−D】
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【図8E】
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【図9】
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【図10AB】
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【図10CD】
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【図10E】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−237216(P2008−237216A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74321(P2008−74321)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【分割の表示】特願平10−543062の分割
【原出願日】平成10年4月9日(1998.4.9)
【出願人】(508087066)
【Fターム(参考)】