説明

ワンタッチカートン起函装置

【課題】 カギ型ロック構造のワンタッチカートンであっても確実に起函できる起函装置の提供。
【解決手段】
折りたたまれたワンタッチカートン1の一方の表面側の第1の側面5を起函用バキュームパット20cを吸着したまま引出し、第2の側面6を起函用固定ガイド15の曲面上に沿わせてカートン底面を四角形状(方形状)にした後、第2の側面の底部及び上部に対して底部起函用ガイド40b及び上部起函用ガイド50bにより確実に押し込むことによりカギ型ロック構造のワンタッチカートン1のロックを確実に行なうことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折りたたまれたワンタッチカートンを上流側コンベアから1個ずつ引出し起函用固定ガイドの曲面により起函させ、カートンの底部に構成されたロック形状構造が自動的に組合さってロックする起函装置に関する。特に、そのロックの信頼度が高く実行され、その起函のロック不良により下流側コンベアへのカートンの移載が停止する確率が少なく、効率的に内容物が充填されるシステム構成ができる起函装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上流側コンベアからカートンを引出して起函させる構成に関しては、以下のようになっていた。すなわち、カートンを引出す手段はカートンマガジン内のカートンを一枚ずつ取出し前面の一方側面を吸着して取出し、前面の他方側面に起函用固定ガイドの曲面を接触させながら開函するか、更に、前記カートンの表、裏両側の側面から引離すように吸着して開函するかであった。
【0003】
しかし、以上の手段は、カートンの起函ミス、ロック不良が多く発生していた。この不良により下流側コンベアのカートン移載システムが停止し、停止時間が長くなることにより作業性を悪くしていた。
【0004】
そこで、特許文献1では、以上のシステムに加えて、さらに起函の良否を検出するセンサーを備えるシステムとし、起函不良カートンを下流のコンベアへ流さない考え方である。更にこのシステムにロボットハンドで吸盤により前後から吸着して引離すことにより、起函したカートンが弾性により元の状態に戻るのを防止するための起函補助手段を設け、それによってその側面を押し込み確実に起函させていた。(特許文献1段落0015、図11)
【0005】
特許文献2には、以上の問題点も配慮して、さらに、逆折れを起こさないように確実に起函する装置が開示されている。
【0006】
ここで、ワンタッチカートンにおける起函の詳細を以下に述べる。ワンタッチカートンが表、裏二面のシート形状の平面に折りたたまれた一方の平面の第1の側面をバキュームパットなどで吸着し、隣接する同じ方向の平面の第2の側面を起函用固定ガイドの曲面に当接させながら次第に第1の側面を引出すと、第1の側面と第2の側面のなす角度は180度から90度に近づき、カートンは開函し、底面部は、図3(a)に示すように四角形状となる。
【0007】
ワンタッチカートンは、以上の状態になった際に、自動的に底部のロック形状構造が組み合さって底面部を形成する。
【0008】
しかしながら、図3(a)に示すようなワンタッチカートン底部のロック形状がカギ型の場合は、ロックすれば解除し難い安定した構造であるが、ロックし難い構造である。
【0009】
従って、ロックし難いカギ型構造のワンタッチカートンを用いた起函装置では、発生するロック不良により、下流側コンベアへの流れが止まり、多くの時間を費やすこととなっていた。このため、ロックが外れ難いカギ型底部のワンタッチカートンに対応しロックを確実にする、信頼度の高い起函装置が望まれていた。
【0010】
【特許文献1】特開平11−11480号公報(第2、3頁、第1図)
【特許文献2】特開2002−96404号公報(第2、3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、カギ型底部構造のワンタッチカートンであっても、前述の問題を解決する起函装置を提供することを課題とする。
【0012】
すなわち、折りたたまれたワンタッチカートンの一方の表面側の第1の側面をバキュームパットで、その側面底面を吸着し引出し、第1の側面を吸着したまま同一表面側の隣接する第2の側面は起函用固定ガイドの曲面上を当接させながら、カートン底面部を四角形状にして、カギ状ロック形状を組合せ、さらに、そのロックを確実にするため、第2の側面底部を押し込む力を与え、その直後にさらに第2の側面上部を押し込む力を与え、カギ型ロックでも信頼度が高くロック不良がない起函装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため、本発明のワンタッチカートン起函装置は、上流のコンベアから折りたたまれたワンタッチカートンを1個ずつ受取り、カートンストッカ内に落とした前記ワンタッチカートン表面の第1の側面を吸着し、カートンを引出しながら、その吸着面に隣接する第2の側面を起函用固定ガイドの曲面上に当接させながら、スライドさせワンタッチカートンを起函させることにより、そのワンタッチカートン底部に構成されたロック形状構造が自動的に組合さってロックし底面部を形成させ、下流へのコンベアに移載する起函装置において、
前記カートンストッカ内に入ったワンタッチカートンの前記第1の側面の底面部に近い複数の位置で、パット吸着・解放制御信号によりバキュームバルブをON・OFFして吸着・解放する1組のバキュームパットと、
ストッカに入ったワンタッチカートンの収容・取出しを確実に行なうため、ストッカにゲート部材を設け、ゲート開閉制御信号によりエアシリンダをON・OFFしてカートンの収容・取出しを行なうゲート開閉機構と、
前記バキュームパットを搭載して、移動制御信号に基づいていずれかの水平方向に移動させるアクチュエーターと、そのアクチュエーター駆動により吸着したカートンをストッカから引き出して、第2の側面を起函用固定ガイドの曲面に当接させながら、次第に開函して底面部を四角形状になる所定位置までストローク長さを備えたスライド部材と、からなるパット移動機構と、
前記カートンが前記所定の位置まで引き出され、バキュームパットで第1の側面底部が吸着された状態で、更に、そのカートン底部ロックが確実になるように第2の側面底部を押し込む力を与えるための底部起函用ガイドと、その底部起函用ガイドを回転駆動させるため底部起函制御信号により駆動するエアシリンダとからなる底部起函機構と、
前記カートンの第2の側面底部が押し込まれた直後に続いて第2の側面上部を押し込むための上部起函用ガイドと、その上部起函用ガイドを回転駆動させるため上部起函制御信号により駆動するバキュームバルブとからなる上部起函機構と、
カートンの現在位置をセンサーにより入力し、そのカートンに対応する次の状態を制御する前記パット吸着・解放制御、ゲート開閉制御、パット移動制御、底部起函制御、上部起函制御を所定のタイミングで出力する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、前記制御部は、初期状態ではゲート開閉機構へのゲート制御信号はゲートの閉信号が送られ、バキュームパットへは、パット解放信号が送られ、パット移動機構には所定位置にセットされる制御信号が送られ、底部及び上部起函機構にはそれぞれその機構のエアシリンダがOFFとなるように信号が送られ、
制御部はこの状態で、カートンストッカにカートンが落下したことをセンサーを介して判定すれば、パット移動機構へ制御信号を送り、バキュームパットがカートンに接触したとセンサーを介して判定すれば、バキュームパットに吸着信号が送られカートンを吸着し、カートンが吸着されたとセンサーを介して判定すればパット移動機構へ制御信号を送り所定位置までカートンを引出し、カートンが所定位置にセットされたとセンサーを介して判定したときは、底部及び上部起函制御信号を送りカートンの底部及び上部に押し込む力を与えて底面ロックを確実にする各手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は以下の効果を奏する。すなわち、ワンタッチカートン底部のロック形状がカギ型のロックし難い形状のワンタッチカートンであっても、ロック不良がない起函装置となる。
【0016】
従って、その起函装置を用いたカートンに内容物を充填するシステム構成は、ロック不良により自動化作業が中断してしまう問題を無くすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のワンタッチカートン起函装置の実施の形態を以下に図を用いて詳細に説明する。
【0018】
図1は、ワンタッチカートン起函装置の平面図、図2はその前面図である。図3はワンタッチカートンの構造を示し、(a)は底面図、(b)は側面図、(c)は折りたたまれた状態を示す図である。
【0019】
図1、図2において1は、折りたたまれた状態のワンタッチカートンであり、図3(c)に示すように4方向側面は2つずつ表、裏の両面に分かれて折り畳まれている。2は、図3(a)、(b)に示すようにワンタッチカートンを開いて底面が四角形状となった開函された状態のワンタッチカートンを示す。
【0020】
図3(a)はワンタッチカートンの底部を示し、3は、底面ロック部である。図3(b)において、4は蓋、5は第1の側面、6は第2の側面、7は開函したカートンの底部、8はカートンの上部を示す。
【0021】
図3(c)に示すワンタッチカートンが折りたたまれた状態では底面ロック部3の底面部の構造は、その折込の内部内側に折り込まれている。
【0022】
図1、図2において、左側は折りたたまれたワンタッチカートン1を載せた上流側コンベア100である。100dは回転ベルト端部を示す。ワンタッチカートン1は所定間隔で配置されて上流側コンベア100と共に動くセパレータ部材9の間に所定個ずつ載せられている。
【0023】
25はカートンストッカであり、上流側コンベア100からカートン1を1個ずつ取出すため、ワンタッチカートン1の前面をバキュームパット90cで吸着し、次にエアシリンダ90aにカートン取出しの制御信号を制御部60から受け、ワンタッチカートン1を上昇させると共に、スライド部材90bは制御部60からの制御信号によりワンタッチカートン1をカートンストッカ25の真上に移動させてバキュームパット90cの吸着をOFFとしカートンストッカ25にワンタッチカートン1を落下させる。(図2参照)
【0024】
カートンストッカ25から前記1個のワンタッチカートン1がカートンストッカ25開口側から外側に倒れないようにゲート部材30bを押し下げる。(図1参照)
このゲート部材30bはゲート開閉用エアシリンダ30aへの制御信号により上下に動く。下に動けばワンタッチカートン1はカートンストッカ25から外に出ない。
【0025】
図1には以上の状態で起函用バキュームパット20c(複数、この実施の形態では2組)が折りたたまれたワンタッチカートン1を吸着した状態を示す。
【0026】
起函用バキュームパット20cは、パット移動機構20の先端に取付けられている。図1にはパット移動機構20が左方向に所定のストローク長移動しワンタッチカートン2が起函した状態も同時に図示してある。
【0027】
ワンタッチカートン1がどのように開くかを以下に説明する。
【0028】
折りたたまれたワンタッチカートン1の一方の前面には2つの側面があるが、それは第1の側面5と第2の側面6からなる。起函用バキュームパット20cは第1の側面5を吸着しパット移動機構20により右方向に移動する。移動につれて第2の側面6も右方向に移動する。但し、第2の側面6は吸着されていないので、第1の側面5の移動に伴い起函用固定ガイド15に沿って移動する。つまり第1の側面5と第2の側面6とのなす角度が180度から次第に90度に近づき、図1及び図2に図示された所定位置で開函したワンタッチカートン2となる。
【0029】
尚、パット移動機構20は、スライド部材20bと制御部60により制御されるアクチュエーター20aからなる。
【0030】
以上のようにワンタッチカートン2が所定の位置で開函しても、そのカートン底面に形成する底面ロック部3が完全にロックしていない場合、すなわちロック不完全の場合がある。特に、そのロック構造がカギ型の場合は不完全になる確率が高くなる。
【0031】
不完全ロックの状態で下流側コンベア200に載せられた場合は、そのカートンはロックが外れるか或いは内容物が入らない、または外に出てしまうなどの不具合が生じ、センサーに検出されシステム停止となる。
【0032】
そこで、本発明は、図1、図2に示すように底部起函機構40及び上部起函機構50を備える。
【0033】
底部起函機構40は、エアシリンダ40aとそのエアシリンダ40aに取付けられた底部起函用ガイド40bからなる。
【0034】
エアシリンダ40aに制御部60から送られてくる制御信号によりエアシリンダ40aのシリンダは前後に動いて、底部起函用ガイド40bは開函したワンタッチカートン2の第2の側面6の底部に押し込む力を与える。これによって、カギ型のかみ合いが不完全に形成されていた場合は、これを正すことができる。尚、40dは底部起函用ガイド40bの支点を示す。
【0035】
一方、上部起函機構50は、エアシリンダ50aとそのエアシリンダ50aに取付けられた上部起函用ガイド50bからなる。
【0036】
前記エアシリンダ40aに制御部から送られてくる制御信号に引き続きエアシリンダ50aにも制御信号が送られてくる。その制御信号によりエアシリンダ50aのシリンダは前後に動いて、上部起函用ガイド50bは第2の側面6の上部に押し込む力を与える。これによってカギ型不完全形成を正すこととなる。この動作によりロック不良がなくなり、作業ライン停止の確率をより少なくすることができる。尚、50dは上部起函用ガイド50bの支点を示す。
【0037】
以上のように、完全にカギ型により底部が形成されたワンタッチカートン2は下流側コンベア200に落下され、次の工程の内容物挿入コンベアに載せられる。
【0038】
図1、図2において、60は制御部を示し、前記上流側コンベア100、パット移動機構20、ゲート開閉機構30、底部起函機構40、上部起函機構50における前記ワンタッチカートン1、2の位置を検出する各種センサーからの受信信号を入力し、I/Fを介してCPUに送る外部情報入力端子60a、その外部情報をCPUで判断して予め定められたプログラムに従って前記各種機構20、30、40、50へ制御信号をI/Fを介して送信出力する制御信号出力端子60bを備える。図10にその制御部60の一例を示す。
【0039】
図4〜図9は、起函装置の動作順序の説明図である。それぞれ動作順序(1)〜(6)の各段階を示す
【0040】
なお、ここで動作を開始する直前の制御部60は、少なくとも以下のように初期設定されている。図10に示した制御部60において、初期状態のゲート開閉機構30へのゲート制御信号は、ゲート開閉用エアシリンダ30aへ閉信号が送られゲート部材30bが閉められている。
【0041】
また、パット移動機構20の先端に取付けられた起函用バキュームパット20cには、パット解放信号が送られており、そのパット移動機構20は所定位置で待ち状態となるように制御信号が送られている。すなわち、図1に示すように起函用バキュームパット20cにより引出されて底部ロック部が四角形状になるまでのストローク長となる位置で待機する。
【0042】
また、底部起函機構40、上部起函機構50にはそれぞれエアシリンダ40a、50aがOFFとなる制御信号が送られている。
【0043】
以上の初期状態にあって、CPUはカートンストッカ25にワンタッチカートン1が落下して収容されるのを待つ状態となる。ここでワンタッチカートンが落下してくるとそれを検出したセンサー信号を外部情報入力端子60aより入力して、I/Fを介してCPUでその入力信号を判定する。その判定結果と予め定められて記憶装置60cに書込まれている各種手段のプログラムを読み出し、CPUはI/Fを介して制御信号出力端子60bからパット移動機構20への制御信号を出力し、起函用バキュームパット20cを移動させカートンストッカ25内のワンタッチカートン1に押付ける。さらに、吸着制御信号が送られて起函用バキュームパット20cが吸着する。この状態を図4の動作順序(1)に示す。
【0044】
図5は、ゲート部材30bを開き、起函用バキュームパット20cを引いて起函させる次の動作順序(2)を示す。
【0045】
図4の動作順序(1)に続き、CPUは制御信号出力端子60bからパット移動機構20へ起函用バキュームパット20cを元の位置(所定位置)へ戻す制御信号を送ると共に、ゲート部材30bへゲートを開く制御信号を送る。
【0046】
図5では、所定位置までカートンが達していない、途中の状態を示す。ワンタッチカートン1は折りたたまれた状態からやや開函した途中の状態を示している。すなわち、この図では第1の側面5と第2の側面6とのなす角度は180度と90度の間にある。
【0047】
尚、この状態では第2の側面6は、起函用固定ガイド15の曲面に接して次第に水平方向に傾いている。
【0048】
図6は次の動作順序(3)ワンタッチカートンが四角形状(長方形)になった所定位置で起函用バキュームパット20cが停止した状態を示す。
【0049】
ここでは、ワンタッチカートン2の第1の側面5と第2の側面6のなす角度が90度となって所定位置で停止している。この時点で底面は不完全ロック状態、すなわち未だ底面がロック状態でないとする。
【0050】
図7は、動作順序(4)底部起函用ガイド40bが旋回してワンタッチカートン2の第2の側面6の底部を押し込み完全ロックさせる状態を示す。
【0051】
底部起函用ガイド40bが支点40dを中心にして旋回して第2の側面6底部の左端を押し込み、底面ロック部3を押し込んで未ロック或いは不完全ロックを完全ロック状態にする。
【0052】
図8は、動作順序(5)上部起函用ガイド50bが旋回してワンタッチカートン2の第2の側面上部を押し込み、よりカートンを四角形状に近づける状態を示す。
【0053】
上部起函用ガイド50bが支点50dを中心にして旋回して上部左側を押し込みカートンを四角形状に近づける状態とする。なお、その押し込むタイミングを底部起函用ガイド40bが底部をたたいた直後とすることにより、底面ロックがより完全になる。
【0054】
図9は、動作順序(6)底部起函用ガイド40b、上部起函用ガイド50bを戻し、起函用バキュームパットの吸着を解除し、起函され底部が完全ロックされたカートン2を下流側コンベア200へ落下させる状態を示す。
【0055】
すなわち、制御部60のCPUが底部起函用ガイド40b、上部起函用ガイド50bが動作し第2の側面6への押し込みが済んだと判定すれば、直ちにエアシリンダ40a、50aに制御信号を送り、エアシリンダを後方に引込んで、底部起函用ガイド40b、上部起函用ガイド50bを第2の側面6から引離し、さらに起函用バキュームパット20cの吸着を解除し、カートン2を下方にある下流側コンベア200の上に落下させる。
【0056】
落下したカートン2は内容物を入れるコンベアに運ばれる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】ワンタッチカートン起函装置の平面図である。
【図2】ワンタッチカートン起函装置の前面図である。
【図3】ワンタッチカートンの構造を示し、(a)は底面図、(b)は側面図、(c)は折りたたまれた状態を示す図である。
【図4】起函装置の動作順序(1)
【図5】起函装置の動作順序(2)
【図6】起函装置の動作順序(3)
【図7】起函装置の動作順序(4)
【図8】起函装置の動作順序(5)
【図9】起函装置の動作順序(6)
【図10】ワンタッチカートン起函装置の制御部を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ワンタッチカートン(カートン):折りたたまれた状態
2 ワンタッチカートン(カートン):開函された状態
3 底面ロック部(開函された状態)
4 蓋
5 第1の側面
6 第2の側面
7 底部
8 上部
9 セパレータ部材
15 起函用固定ガイド(曲面部材)
20 パット移動機構
20a アクチュエーター
20b スライド部材
20c 起函用バキュームパット(複数のバキュームパット)
25 カートンストッカ
30 ゲート開閉機構
30a ゲート開閉用エアシリンダ
30b ゲート部材
30d ストッカ高さ調整ネジ
40 底部起函機構
40a エアシリンダ
40b 底部起函用ガイド
40d 支点
50 上部起函機構
50a エアシリンダ
50b 上部起函用ガイド
50d 支点
60 制御部
60a 外部情報入力端子
60b 制御信号出力端子
60c 記憶装置
60d 表示装置
60e 入力装置
90 カートン取出機構
90a エアシリンダ
90b スライド部材
90c バキュームパット
100 上流側コンベア
100d 回転ベルト端部
200 下流側コンベア
200d 回転ベルト端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流のコンベアから折りたたまれたワンタッチカートンを1個ずつ受取り、カートンストッカ内に落とした前記ワンタッチカートン表面の第1の側面を吸着し、カートンを引出しながら、その吸着面に隣接する第2の側面を起函用固定ガイドの曲面上に当接させながら、スライドさせワンタッチカートンを起函させることにより、そのワンタッチカートン底部に構成されたロック形状構造が自動的に組合さってロックし底面部を形成させ、下流へのコンベアに移載する起函装置において、
前記カートンストッカ内に入ったワンタッチカートンの前記第1の側面の底面部に近い複数の位置で、パット吸着・解放制御信号によりバキュームバルブをON・OFFして吸着・解放する1組のバキュームパットと、
ストッカに入ったワンタッチカートンの収容・取出しを確実に行なうため、ストッカにゲート部材を設け、ゲート開閉制御信号によりエアシリンダをON・OFFしてカートンの収容・取出しを行なうゲート開閉機構と、
前記バキュームパットを搭載して、移動制御信号に基づいていずれかの水平方向に移動させるアクチュエーターと、そのアクチュエーター駆動により吸着したカートンをストッカから引き出して、第2の側面を起函用固定ガイドの曲面に当接させながら、次第に開函して底面部を四角形状になる所定位置までストローク長さを備えたスライド部材と、からなるパット移動機構と、
前記カートンが前記所定の位置まで引き出され、バキュームパットで第1の側面底部が吸着された状態で、更に、そのカートン底部ロックが確実になるように第2の側面底部を押し込む力を与えるための底部起函用ガイドと、その底部起函用ガイドを回転駆動させるため底部起函制御信号により駆動するエアシリンダとからなる底部起函機構と、
前記カートンの第2の側面底部が押し込まれた直後に続いて第2の側面上部を押し込むための上部起函用ガイドと、その上部起函用ガイドを回転駆動させるため上部起函制御信号により駆動するバキュームバルブとからなる上部起函機構と、
カートンの現在位置をセンサーにより入力し、そのカートンに対応する次の状態を制御する前記パット吸着・解放制御、ゲート開閉制御、パット移動制御、底部起函制御、上部起函制御を所定のタイミングで出力する制御部と、を備えることを特徴とするワンタッチカートン起函装置。
【請求項2】
前記制御部は、初期状態ではゲート開閉機構へのゲート制御信号はゲートの閉信号が送られ、バキュームパットへは、パット解放信号が送られ、パット移動機構には所定位置にセットされる制御信号が送られ、底部及び上部起函機構にはそれぞれその機構のエアシリンダがOFFとなるように信号が送られ、
制御部はこの状態で、カートンストッカにカートンが落下したことをセンサーを介して判定すれば、パット移動機構へ制御信号を送り、バキュームパットがカートンに接触したとセンサーを介して判定すれば、バキュームパットに吸着信号が送られカートンを吸着し、カートンが吸着されたとセンサーを介して判定すればパット移動機構へ制御信号を送り所定位置までカートンを引出し、カートンが所定位置にセットされたとセンサーを介して判定したときは、底部及び上部起函制御信号を送りカートンの底部及び上部に押し込む力を与えて底面ロックを確実にする各手段を備えることを特徴とする請求項1記載のワンタッチカートン起函装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−113428(P2009−113428A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291065(P2007−291065)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(390029090)靜甲株式会社 (30)
【Fターム(参考)】