説明

ワークピース用モジュラー移送システム

【課題】
【解決手段】本発明は、ワークピース用モジュラー移送システム1に関する。本発明の本質は、ワークピースキャリアー22乃至27が、製造モジュール6乃至9において、ワークピースキャリアーを移送するのと同じCNC(x−y)軸システム及びサーボ駆動装置13,14,15によって位置決めされることである。このため、移送ための独立したコンベアーベルトが必要ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークピース用モジュラー移送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの移送システムは、移送ラインとも称され、当該技術分野で知られている。例えば、ボッシュの調査リポート1/1999、第11頁には、移送システムMTS2が開示されている。移送システムMTS2は、モジュラー形態を有し、自動のステーション及びマニュアルの作業場を備える完全に作動可能な複数のユニットを有する。完全な機能的グループ内の電子、空圧、さらに、機械的、制御装置として完全に作動可能な複数のモジュールが設けられており、これらは装置用の3つのプラグコネクタによって相互接続されている。ワークピースキャリアーの移送はコンベアーベルトを用いて行われ、移送システムの各モジュールにはコンベアーベルトを駆動するためのモータが設けられている。
【非特許文献1】ボッシュの調査リポート1/1999、第11頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、フレキシビリティーの程度をさらに向上させることが可能な移送システムを提供することである。従来技術の移送システムは移送ラインの選択においてある程度のフレキシビリティーを提供してはいるが、特に製造モジュール間のワークピースキャリアーの移送について、他の製造プロセス又は完全に新しいワークピースのためのリセット作動さえも迅速かつ簡単に実行可能となるように、モジュラー形態をさらに改良することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1の特徴を用いることにより達成される。
【0005】
本発明のさらなる詳細は、詳細な説明及び図面を参照し、従属請求項から理解されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
各図は、夫々、移送システムを基礎とする、モジュラー形態の自動製造組立システムの本質的な側面を縮小して示す斜視図であり、このシステムは、基準座標(leading dimension)が等しく、対応するステーションを備える複数の製造モジュールを有し、これら製造モジュールは、特に非切削の、しかしながら本質的には金属切削機械加工プロセスにも用いられる。
【0007】
複数のモジュールは一様な形態を有し、基準座標については標準化されている。システムを簡単に変更するために、モジュールの高さ及び奥行きは同一であり、主に幅が可変である。例えば、幅狭モジュールが形成可能であり、この幅狭モジュールは側方への移送動作のような比較的複雑でない作動を実行する。このタイプの「幅狭」モジュールの幅(510mm)は、本質的に、標準的なモジュールの幅(1020mm)よりも小さく、好ましくは、ほぼ半分の大きさに設定可能である。
【0008】
最小で2つの、最大で所望の個数のモジュールが連結可能である。
【0009】
モジュールは主にテーブル(骨格ベース(profile base)を備えるテーブルプレート)によって形成されており、テーブル上で、ワークピースキャリアーの滑動部材が低摩擦であるが安定的に滑動可能であり、機械加工の力がテーブルへとz主軸方向に直接導入可能である。x−y主軸方向に作用する力は、サーボ駆動装置、あるいは、これら装置の前段の戻り止めギアによって捕捉される。
【0010】
通信のための、さらに、エネルギー供給及び情報供給ための手段が、上位電子制御ステーションへの接続(crosslinking)のために、さらに、各々の製造モジュール間に設けられている。この手段は、電子、液圧及び/又は空圧タイプである。必要なエネルギー及び信号ラインが全ての製造モジュールにおいて標準位置に配置され、好ましくは、骨格ベースに一体化されている。これらラインは、プラグコネクタによって簡単に接続可能であり、必要な場合には、移送ラインシステムのレイアウトの改良を簡単に実行可能なように再分離可能である。
【0011】
テーブルの上方にフレームが配置されており、フレームによってモジュールにドア、壁あるいは同様な部材を設けることが可能となり、機械加工スペースによって、ワークピースの通過及び機械加工のためのクリーンで、騒音が緩和され、故障が防止される雰囲気が提供される。汚染や細孔の不注意な閉塞を避けるために、空気をクリーンに保持するための(粒子濾過)手段も用いることが可能である。
【0012】
各製造モジュールは、サーボ駆動装置を備える1つ以上の好ましくは静止している工具保持取付具を有する。用語「静止」は、x−y主軸方向について言及しており、例えば工具の交換において、工具保持取付具がx−y主軸方向に移動可能であることを含意する。しかしながら、x及びy方向への移動は、ワークピースプロセスの範囲内でワークピースによってなすことが可能である。この平面において工具が固定されている。
【0013】
テーブルにステーション1,2,3,4,5が配置されており、このステーションは工具スライドユニットを有する。工具は、例えば、プレス、パンチ、曲げ工具であり、駆動装置即ちアクチュエータによってz主軸方向に移動可能である。支柱は、好ましくはz主軸方向に垂直に作動し、機械加工工具を交換可能とするために設けられているアクチュエータ(例えば、工具を備える電力補助プレス機、液圧プレス機、空圧−液圧プレス機、及び/又は、接合モジュール)を有する。好ましくは、アクチュエータは、液圧により、空圧により、又は、電気的/電磁的に駆動されるピストン−シリンダ組体として形成されている。このため、プレス、接合、機械加工プロセスを頂部から底部までz軸方向(鉛直方向)へと行うことが可能である。他方、再配置手段あるいは同様な要素のようなモジュールの別の機械器具が利用可能である。
【0014】
移送システム内へと送るために、ワークピースは規定の方法でワークピースキャリアーに配置され、機械加工のためにワークピースキャリアーに固定される。ワークピースキャリアーは、テーブル上でのx−y主軸方向への滑動により移動可能である。機械加工スペース内での移動のために二軸CNCシステムが用いられ、この二軸CNCシステムは、ワークピースを備えたワークピースキャリアーの規定の送り動作のためのサーボ駆動装置及びガイドを有する。サーボ駆動装置は、機械加工されるワークピースWSの規定の位置決め及び送り動作を確保し、さらに機械加工プロセス中には対応位置に固定する。さらに、サーボ駆動装置は、各場合に、一方の製造モジュールから他方へのワークピースキャリアーの移送のために用いられる。このために、(1つ以上の)ワークピースキャリアーを規定の方式で保持する保持手段(インデックス把持装置)が、ワークピースキャリアーを製造モジュールへと引き入れ、作業スペース内で所望の位置(製造モジュールの機械加工スペース内の1乃至nの位置が利用可能)に配置し、そして、ワークピースWSを備えるワークピースキャリアーを現時点の製造モジュールから次の製造モジュールへとさらなる機械加工及び処理作動のために移送する。この結果、メンテナンスや磨耗の影響を受けやすいワークピース移送用のベルトバンドが必要ない。
【0015】
移送ラインシステムの作動の観点から、本出願人の独国特許出願が参照でき、この出願は、公開前であり、発明の名称は「移送システム用のワークピースの機械加工方法及びこの方法を実施するための装置」であり、同一の出願及び優先日を有し、その開示内容は全範囲まで含まれる。これは、特に、ワークピースキャリアーの戻り動作について、また、ワークピースキャリアーの配置のために適用される。ワークピース及びワークピースキャリアーの戻り動作は、上述した特許出願からおおよそ理解可能なように、移送ラインシステムの後方側に設けられているコンベアーベルトを用いて実行可能である。
【0016】
もちろん、各製造モジュールには、機械加工、工具、ワークピースに関するデータを収集するためのスイッチ及び/又はセンサが設けられており、スイッチ及び/又はセンサは、駆動装置のための少なくとも1つの局所的な電子制御演算ユニットに接続されている。変換装置、スイッチ、センサが、位置、占有(occupancies)、その他の情報を検出し、これら情報を制御装置、機械保護装置において、又は、操作者保護装置のために処理可能である。一体的な機械保護装置を備える局所的な制御演算ユニットが、完全な自律機能(self−supporting function)を各製造モジュールに付与している。このため、好都合にも、各製造モジュールを容易に交換可能とすることができ、これは特にワークピースの処理に関連する。複数の製造モジュールは本質的に等しい、選択的に同一な形態を有するため、これらを移送システム内の所望の位置にフレキシブルに配置することが可能である。
【0017】
安全装置さらに制御装置が各モジュールのために自律的に設けられているが、これらはモジュールの一部を共通化するように相互に通信を行っている。このため、各製造モジュールは、常に、隣接する製造モジュールに関する少なくともプロセスの状態、状況、又は、同様な事実についての情報を提供される。必要な場合には、各製造モジュールにおいて画像取得手段が用いられ、この情報は、上述した目的のために、電子制御装置、機械保護装置、操作者保護装置において処理される。
【0018】
通常、移送システムは全ての金属切削及び非切削機械加工プロセスでの使用に適しており、これは連続的な生産の観点から重要である。例えば、かしめ、パンチ、形削り、リベット締め、セメンティング、溶接、配置(placing)、チッピング、測定、試験、その他多数がある。しかしながら、ポンプ孔は半径が同一であり同じ工具を用いて製造可能であるため、移送システムはポンプ孔の加工に特に適しており、又は、移送システムは例えば所謂ボールタイプ係合に特に適しており、このボールタイプ係合では、ころ軸受け鋼により形成されている硬性のころ軸受けボールが比較的軟性の材料により形成されている収容部材の孔へとプレスされる。このようにして孔を安価かつ圧力流体密に密閉するために、ボールタイプ係合が行われる。他の可能な応用としては、電磁的に作動可能なバルブハウジング、ポンプブッシュ、カバー、あるいは、同様な部材についてのいわゆるクリンチ係合が関連する。
【0019】
図1は好ましい実施形態の移送システム1を示し、この移送システム1は自動製造組立ラインの形態を有する。複数の相互接続されたモジュール2,3,4,5を備えるこのタイプの配置は所謂「レイアウト」と称され、好ましくは非切削、場合により金属切削機械加工プロセス用の製造モジュール6,7,8,9を有する。モジュールは、特に、関連する機械的又は電計的接続手段、さらに、基準座標について同一である。直列に接続されて配置されている最小で2つの、最大で所望の個数のモジュール2,3,4,5が、本発明の範囲から外れることなく提供され得る。
【0020】
各製造モジュール6,7,8,9は、機械加工の力を受けるためのテーブル12と、工具の移動のための駆動装置としてのアクチュエータを備える1つ以上の静止した工具保持取付具10と、を有する。用語「静止」は、夫々図示されているx−y主軸方向について言及しており、これに関しては、工具保持取付具10が例外的に移動することを含意している(例えば、工具の交換、又は、保管ユニット(図示せず)、ソーター等からの容易に装着できる構成部材の取り出し)。しかしながら、直接的な機械加工プロセスについて、x及びy主軸方向への必要な搬送動作はワークピースWSのみによって行われる。
【0021】
明らかに、各製造モジュール6,7,8,9には、プロセス、及び/又は、機械、工具及びワークピースに関するデータを記録しモニタするスイッチ及び/又はセンサ(詳細は図示せず)が設けられており、スイッチ及び/又はセンサは、サーボ駆動装置13,14,15のための少なくとも1つの局所的な電子制御演算ユニット41に接続されている。多数の変換器、センサ、スイッチが、位置、占有等を検知するために用いられ、他の装置の中で操作者保護装置さらに機械保護装置として機能する。これら安全装置(機械保護装置)及び制御装置はモジュールの一部分を共通化する。これは、制御ステーション(IPC制御装置)によって複数の製造モジュール6乃至9及びその安全装置を制御しモニタすることが可能であることを意味する。必要ならば、各製造モジュール6乃至9はさらに画像取得手段を有する。モジュール2乃至5に一体化されている局所的な電子制御ユニットに電子要素が接続されている。このタイプの構成によって、各製造モジュール6乃至9を本質的に完全に自律的なものとすることが可能であり、これは特にワークピースキャリアーの取り扱いに関連する。製造モジュール6乃至9は本質的に等しい、選択的に同一な形態であるため、移送システム1内で複数の製造モジュール6乃至9を本質的に所望のいかなる配置にも配列することが可能であり、プログラムを上位制御ステーションからロード可能である。
【0022】
さらに、各製造モジュール6,7,8,9間の通信、上位電子制御ステーションへの接続、さらに、エネルギー供給、及び、情報の供給のための手段がある。局所的な電子制御装置の最初のプログラミングについて、上位制御ステーションは上述した作業工程に対応するプログラムをロード可能である。
【0023】
ワークピースWSをワークピースキャリアー22乃至27と共に製造モジュール6乃至9から製造モジュール6乃至9へと移送するのに、スライダ28,29,30用のサーボ駆動装置13,14,15が用いられる。しかしながら、さらなる機能があり、この機能によって本発明の特別な効果が奏される。これは、さらなる目的が機械加工プロセス中のワークピースWSの位置決め及び送り動作に関するためである。詳細に説明すると、サーボ駆動装置13,14,15は、製造モジュール6乃至9から製造モジュール6乃至9への、ワークピースキャリアー22乃至27を用いるワークピースWSの移送のためだけではなく、ワークピースWSを機械加工するための送り動作を実行するのにも用いられる。この二重の機能により、少なくとも1つの従来のコンベアーベルトが節約される。スライダ28,29,30は、その保持手段(インデックス把持装置)により、ワークピースキャリアー22乃至27をインデックス作動(index)させ、製造モジュール6乃至9へと導入し、製造モジュール6乃至9内で夫々必要な機械加工位置に配置し(製造モジュール6乃至9の機械加工スペース内の1乃至nの加工位置が利用可能である)、ワークピースWSを備えるワークピースキャリアー22乃至27を現時点での製造モジュール6乃至9から次の製造モジュール6乃至9へとさらなる機械加工及びプロセス作動のために移送する。
【0024】
プレス、接合、及び、機械加工プロセスが頂部から底部へとz主軸方向に実行可能である。このために駆動装置11が設けられており、この駆動装置11は、好ましくは、液圧により、空圧により、電気的/電磁的に駆動されるピストン−シリンダ組体40として形成されている。機械加工プロセス中、ワークピースWSは規定の方式でワークピースキャリアー22乃至27に配置され(好ましくは、ワークピースキャリアー22乃至27にクランプ固定され)、ワークピースキャリアー22乃至27は機械加工スペース内で規定の方式で位置決めされる。ワークピースキャリアー22乃至27はテーブル12に当接され、テーブル12はz主軸方向への機械加工の力を受ける。
【0025】
モジュール2乃至5の基本形態はテーブル12(骨格ベースを備えるテーブル板)を有する製造モジュール6乃至9からなり、テーブル12上で、滑りコーティングを備える平板状のワークピースキャリアー22乃至27がx−y主軸方向に滑動可能であり、テーブル12において、機械加工の力がz主軸方向にテーブル12へと導入可能である。x−y主軸方向に、介設されたサーボ駆動装置ユニット13乃至15を介して力が導入され、サーボ駆動ユニットは駆動装置ありであるいはなしで形成され得る。戻り止めギアには必要な保持動作を省略できるという効果がある。製造モジュール6乃至9の形態は好ましくは以下の通りである:テーブル12上にフレーム31が配置されており、フレーム31は、支柱、及び、z主軸方向へと鉛直に作動する機械加工工具用アクチュエータ(例えば、工具を備える電気サーボプレス機、液圧プレス機、空圧−液圧プレス機、及び/又は、接合モジュール)を有する。製造モジュール6乃至9さらにモジュール2乃至5は、均一な形態を有し、基準座標について標準化されている。移送システム1を簡単に変更するために、モジュールの高さ及び奥行きが同一であり、幅が可変である。特に、一定倍の幅を有する拡幅モジュール、又は、一定だけ減少された幅を有する幅狭モジュールが可能である。幅の寸法の変化については、整数倍(例えば、標準幅の2倍)、あるいは、対応する減少ファクター(例えば、標準幅の半分)が好ましい。例えば、図6は、モジュラー座標を備える幅狭モジュール(510mmの幅を有するタイプ510)を示しており、この幅狭モジュールの幅は、標準的なモジュール(1020mmの幅を有するタイプ1020)の幅の半分である。
【0026】
通常、移送システム1は、連続的な生産に関連する全ての金属切削及び非切削機械加工プロセスで用いるのに適している。例えば、ボールタイプ係合、かしめ、パンチ、形削り、リベット止め、セメンティング、溶接、配置、チッピング、測定、試験、その他多数がある。
【0027】
本発明は、以下の本質的な効果を奏する。
【0028】
・ワークピースWSを備えるワークピースキャリアー22乃至29の移送は、各製造モジュール6乃至9で完全に自律的になされる。
【0029】
・夫々の製造モジュール6乃至9内でのワークピースキャリアー22乃至29の位置決めは、ワークピースキャリアーの移送で用いられるのと同じCNC−(x−y)軸システム及びサーボ駆動装置13乃至15によって実行される。移送のための独立したコンベアーベルトが必要ない。
【0030】
・ワークピースキャリアー22乃至27のインデックス動作は、インデックス把持装置を用いるCNC−軸システムによって実行される。インデックス把持装置は、規定の方式でワークピースキャリアー22乃至27を捕捉する。追加のインデックスリフト装置が必要ない。
【0031】
・機械加工の力(プレス、かしめ等)は、鉛直方向にワークピースキャリアー22乃至27を介して平らなテーブル12へと導入される。追加のリフトあるいは支持装置が必要ない。
【0032】
・ワークピースキャリアー22乃至27は、テーブル12上でほぼ不動に位置決めされ、主軸方向への移動を除いて、事実上いかなる移動(送り動作、供給移動、あるいは、同様な移動)も行わない。このため、低順応性(low elasticities)を備える、簡単、低廉で、標準化されていながら、安定な構成(プレスセグメント、接合セグメント、試験及び調査セグメント等)が可能である。加えて、自動工具交換システムが非常に容易に一体化可能である。
【0033】
・各モジュール2乃至5は、機械加工をモニタし、制御するためのそれ自身のIPC制御及び自律安全回路を備えるそれ自身の保護装置を有する。しかしながら、この自律システムは、バスシステムによって電子制御ステーションに接続可能である。
【0034】
・完全に自律的な形態により、製造において異なる作業をフレキシブルに採用することが可能となる。特に、製造モジュール6乃至9が(例えば、拡張、形態の変更、修理等のために)標準化された滑り収容(slide−in accommodation)をなす場合には、迅速な工具の交換、工具の挿入等が可能である。
【0035】
・x/y−CNC−サーボ軸システムは、交換可能なモジュール形態を備えることが可能であり、次の点についてもフレキシブルとなる。例えば、以下が可能である:
1.2つの固定終端位置を備えるx−あるいはy−空圧軸:2つの固定機械加工位置を備えるワークピースキャリアーの移送、あるいは、ワークピースキャリアーの位置Aから位置Bへの単なる通過
2.Y−CNC−軸:Y方向へのフレキシブルな機械加工位置、及び、ワークピースキャリアーの移送
3.X−Y−二軸システム:X及びY方向への固定終端位置を有さない機械加工のための充分にフレキシブルな位置決め、及び、ワークピースキャリアーの移送。
【0036】
本発明の本質的な特徴は以下の通りである:
製造モジュール6乃至9において、自律的に、ワークピースWSを備えるワークピースキャリアー22乃至27を位置決めするのに、CNC−サーボ軸システムが用いられる。同じシステムが、例えば、導入、移送ラインシステム内での移送、システムからの取り出し、といった移送作業を実行する。ワークピースキャリアー22乃至27は、このシステムによって各位置で規定の方式でインデックス動作される。機械加工の力は、各モジュール6乃至9のテーブル12へと直接的に導入される。各モジュール6乃至9は、それ自身の安全保護装置と、自律電子制御装置(IPC)を有する。機械加工セグメント内での複数の製造モジュール6乃至9間での通信及び同調がバスシステムを介して行われる。製造モジュール6乃至9と制御ステーション(主コンピューター)との間での、特に、作動サイクルを備える目標/実測値のモニタにおける測定値のような、試験及び機械加工パラメーターに関するデータの転送、及び、各モジュール間でのデータの転送がバスシステムを介して実行される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】移送システムを基礎とする、モジュラー形態の自動製造組立システムの本質的な側面を縮小して示す斜視図。
【図2】移送システムを基礎とする、モジュラー形態の自動製造組立システムの本質的な側面を縮小して示す斜視図。
【図3】移送システムを基礎とする、モジュラー形態の自動製造組立システムの本質的な側面を縮小して示す斜視図。
【図4】移送システムを基礎とする、モジュラー形態の自動製造組立システムの本質的な側面を縮小して示す斜視図。
【図5】移送システムを基礎とする、モジュラー形態の自動製造組立システムの本質的な側面を縮小して示す斜視図。
【図6a】移送システムを基礎とする、モジュラー形態の自動製造組立システムの本質的な側面を縮小して示す斜視図。
【図6b】移送システムを基礎とする、モジュラー形態の自動製造組立システムの本質的な側面を縮小して示す斜視図。
【図6c】移送システムを基礎とする、モジュラー形態の自動製造組立システムの本質的な側面を縮小して示す斜視図。
【図6d】移送システムを基礎とする、モジュラー形態の自動製造組立システムの本質的な側面を縮小して示す斜視図。
【符号の説明】
【0038】
1…移送システム、2…モジュール、3…モジュール、4…モジュール、5…モジュール、6…製造モジュール、7…製造モジュール、8…製造モジュール、9…製造モジュール、10…工具保持取付具、11…駆動装置、12…テーブル、13…サーボ駆動装置、14…サーボ駆動装置、15…サーボ駆動装置、16…ガイド、17…ガイド、18…ガイド、19…ガイド、20…ガイド、21…ガイド、22…ワークピースキャリアー、23…ワークピースキャリアー、24…ワークピースキャリアー、25…ワークピースキャリアー、26…ワークピースキャリアー、27…ワークピースキャリアー、28…スライダ、29…スライダ、30…スライダ、31…フレーム、32…骨格ベース、33…支柱、34…支柱、35…端部プレート、36…ベアリングプレート、40…ピストン−シリンダ組体、41…制御演算ユニット、WS…ワークピース、X,Y,Z…主軸方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準座標が互いに等しく、金属切削あるいは非切削機械加工プロセス用の製造モジュール(6,7,8,9)を有する、少なくとも2つのモジュール(2,3,4,5)を具備し、各製造モジュール(6,7,8,9)は、工具移動用の駆動装置(11)を有する1つ以上の工具装着取付具(10)と、機械加工スペース内での主軸(x,y)方向へのワークピースキャリアー(22,23,24,25,26,27)の目的位置への配置のためのサーボ駆動装置(13,14,15)及びガイド(16,17,18,19,20,21)を有し機械加工の力を支持するためのテーブル(12)と、機械加工、工具及びワークピースに関する情報を収集するスイッチ及び/又はセンサと、を有し、スイッチ及びセンサは、少なくとも、サーボ駆動装置(13,14,15)用の局所的な電子制御演算ユニット(41)に接続されており、さらに、エネルギーの供給、情報の供給、製造モジュール(6,7,8,9)間の通信のための手段を具備し、好ましくは、1つの上位電子制御ステーションを具備し、サーボ駆動装置(13,14,15)は、スライダ(28,29,30)のために設けられ、機械加工されるワークピース(WS)についての位置決め動作及び送り動作を行い、加えて、サーボ駆動装置(13,14,15)は、製造モジュール(6乃至9)から製造モジュール(6乃至9)へのワークピースキャリアー(22乃至27)の移送のために設けられている、ワークピース(WS)用モジュラー移送システム(1)。
【請求項2】
工具装着取付具(10)は静止してあるいは移動可能に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュラー移送システム。
【請求項3】
製造モジュール(6乃至9)は、ワークピース(WS)の非切削機械加工のための少なくとも1つのピストン−シリンダ組体(40)を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュラー移送システム。
【請求項4】
製造モジュール(6乃至9)は、少なくとも1つの工具保管ユニットと、特にマガジンあるいはレボルバのような工具を交換するための手段と、を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュラー移送システム。
【請求項5】
製造モジュール(6乃至9)に、部品のための送りシステム、好ましくは、特にソーター及びその受渡装置のような、非常に小さな部品のための送りシステムが接続されている、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュラー移送システム。
【請求項6】
製造モジュール(6乃至9)は1つ以上の並列に配置されている処理組立ロボットを有し、処理組立ロボットは、独立して、部品保管ユニットから機械加工されるワークピース(WS)及び/又は構成部材を取得し、構成部材を移送し、構成部材をワークピース(WS)における組立位置に配置し、好ましくは構成部材を装着固定する、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュラー移送システム。
【請求項7】
処理組立ロボットは製造モジュール(6乃至9)のフレーム(31)に取り付けられている、ことを特徴とする請求項6に記載のモジュラー移送システム。
【請求項8】
フレーム(31)は製造モジュール(6乃至9)のテーブル(12)に装着されており、フレーム(31)は、少なくとも2つの支柱(33,34)と、支柱(33,34)の端部を支持している少なくとも1つの端部プレート(35)と、を有する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のモジュラー移送システム。
【請求項9】
支柱の反対側の端部は、製造モジュール(6乃至9)のテーブル(12)、あるいは、フレーム(31)のベースプレート(36)に直接支持されている、ことを特徴とする請求項8に記載のモジュラー移送システム。
【請求項10】
スライダ(28,29,30)には、ワークピースキャリアー(22乃至27)用保持手段と、特にワークピースキャリアー(22乃至27)用連結手段と、が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュラー移送システム。
【請求項11】
保持手段は2つの固定点を有し、これら固定点を介して、ワークピースキャリアー(22乃至27)は、x及びy主軸方向に移動可能なスライダ(28,29,30)に取り付けられており、ワークピースキャリアー(22乃至27)はz主軸方向にテーブル(12)に当接されている、ことを特徴とする請求項10に記載のモジュラー移送システム。
【請求項12】
保持手段は円柱ピンとして形成されており、この円柱ピンはz主軸方向にワークピースキャリアー(22乃至27)の凹部に係合されている、ことを特徴とする請求項10又は11に記載のモジュラー移送システム。
【請求項13】
ワークピースキャリアー(22乃至27)は、ばね付勢、空圧、液圧又は電磁力によるワークピースクランプ手段を有する、ことを特徴とする請求項1又は10に記載のモジュラー移送システム。
【請求項14】
ワークピースキャリアー(22乃至27)は、移送システム(1)のエネルギーバス又は情報バスに接続するための連結手段を有する、ことを特徴とする請求項10に記載のモジュラー移送システム。
【請求項15】
ワークピースキャリアー(22乃至27)は、変換器、及び/又は、スイッチ、及び/又は、センサを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュラー移送システム。
【請求項16】
スライダ(28,29,30)は、ワークピースキャリアー(22乃至27)の連結手段に接続される連結手段を有し、連結手段は、保持手段と共に、スライダとワークピースキャリアーとの間で自動的に固定され、又は、これらから分離される、ことを特徴とする請求項10に記載のモジュラー移送システム。
【請求項17】
製造モジュール(6乃至9)は光学的又は電子的な画像処理システムを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュラー移送システム。
【請求項18】
各製造モジュール(6乃至9)はエネルギーバスと情報バスとを有する、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュラー移送システム。
【請求項19】
移送システム(1)は、モジュラー形態を有し、規定のレイアウトに従って直列接続されて配置される複数の製造モジュール(6乃至9)を有し、製造モジュール(6乃至9)には、互いの間の機械的な連結手段、及び/又は、エネルギーバス用の連結手段、及び/又は、情報バス用の連結手段、が設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のモジュラー移送システム。
【請求項20】
連結手段は、工具を使用せずに解放及びロック可能なように形成されている、ことを特徴とする請求項19に記載のモジュラー移送システム。
【請求項21】
全ての製造モジュール(6乃至9)は、少なくともすべり収容に関して同一の形態を有し、製造における適用又は製造上の変化は、電子制御ステーションからの簡単なプログラムのロード操作、及び、必要な場合には、さらに製造モジュール(6乃至9)を交換することによって実行される、ことを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載のモジュラー移送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【公表番号】特表2007−530303(P2007−530303A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−505554(P2007−505554)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051417
【国際公開番号】WO2005/095049
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願人】(500030596)コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー (126)
【Fターム(参考)】