説明

一体化したRFID識別装置を備えた硬貨及びその製造方法

本発明は好ましくは円板状の、金属製の基本要素(2)及び少なくとも1つの平らなはめ込み要素(4)から成る硬貨に関し、このはめ込み要素が円板状の金属製の基本要素(2)内に収容される。
有利には、平らなはめ込み要素(4)は非伝導性材料から、好ましくはプラスチックから製造され、平らなはめ込み要素(4)内に少なくとも1つのRFID識別装置(5)が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに基づく硬貨及び請求項11のプリアンブルに基づくこのような硬貨の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな国の通貨において、硬貨は通常刻印を備えた支払手段として使用されている。この種の硬貨は、金属製又は金属合金製の少なくとも1つの円板状のブランクディスク又は基本要素から作られる。
【0003】
また、少なくとも2つのパーツ、すなわちリング形状の基本要素と好ましくは円板状の中心要素又は中核要素から形成されている硬貨も公知である。挙げられた硬貨要素は、硬貨の特殊な視覚的外観を達成するために例えば異なった金属原材料から作られていてよい。これまでの間には、この種の硬貨のいくつかで、その額面金額が各硬貨の材料価値を大幅に上回り、その結果この種の硬貨の識別対策又はその真贋の検査が必要となっている。
【0004】
さらに、可動物体の識別及び追跡のために非接触式の識別システムが企図されていることが公知であり、このシステムは識別するべき物体に不動に結合されている。このためには、しばしばいわゆるRFID識別システムが使用され、このシステムのデータ伝送は基本的にRFID技術に基づいている。略語RFIDは、ここでは「Radio Frequency Identification(無線認証)」の略であり、電波ないし電磁波をベースにした伝送インターフェースを使用した識別を指し示している。
【0005】
典型的なRFIDシステムは、固定式又は可動式のRFIDレーザー機器とRFIDトランスポンダーから構成されており、このトランスポンダーはアンテナ装置と協働するRFIDチップから構成されている。RFIDレーザー機器は同様に電磁場を生じさせるアンテナ装置を含んでいる。RFIDトランスポンダーのアンテナ装置がRFIDレーザー機器の電磁場に入れられると、RFIDレーザー機器とRFIDトランスポンダー間で誘導信号結合が生じる。RFIDレーザー機器によって発生した電磁場の減衰変調によって少なくとも1つの単一方向のデータ伝送、特に識別情報のデータ伝送がRFIDトランスポンダーからRFIDレーザー機器へ行われる。この種のRFIDシステムは、例えば周波数125kHz〜13.56MHzで機能する。
【0006】
また非常に平らに形成された、好ましくはパッシブRFIDトランスポンダー、いわゆる「スマートラベル」も、プラスチック製の物体表面上に配設することができる。しかしこの種のパッシブRFIDトランスポンダーの運用は、磁気伝導性材料及び/又は電気伝導性材料、特に少なくとも1つの顕著な金属部分を備えた伝導性表面の直近では問題がある。なぜなら交流磁界が原因で、磁気伝導性材料及び/又は電気伝導性材料内に渦電流が誘導され、それによりRFIDレーザー機器によって生じた電磁場がそれぞれの物体の表面で、物体表面上にあるRFIDトランスポンダーのデータ伝送が妨げられるほど強く、すなわち使用できるデータがRFIDレーザー機器によって受信できないほど強く、減衰される。
【0007】
この種の渦電流の遮蔽は、RFID技術の場合伝導層の直近に配置されているアンテナ構造のジオメトリに基づいて決まるという技術上の問題がある。この問題は、フェライト又は特殊な合金のような高透過性の材料から成る遮蔽層が、誘導された渦電流を十分に遮断するために、少なくとも1つの導体ループから構成されたアンテナ装置及び金属製の物体表面を備え、適切に方向付けされることによって解決される。遮蔽のために例えばすでにフェライトフィルムが使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
公知の従来技術から出発し、本発明の課題は、価値のないコピーの偽造された硬貨を確実に区別可能にするため、簡単及び迅速な硬貨の真贋検査を可能にするよう、硬貨を改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1のプリアンブルに基づき、明らかにされたその特徴によって解決される。
【0010】
本発明による硬貨の基本的な観点は、硬貨の基本要素内に収容される平らなはめ込み要素が、非伝導性材料から、好ましくはプラスチックから作られ、及び平らなはめ込み要素が少なくとも1つのRFID識別装置を備えていることにある。RFID識別装置がRFIDトランスポンダーによって形成されると特に有利である。
【0011】
さらに、少なくとも1つの円板状の金属製の基本要素が、好ましくは円板状の、平らなはめ込み要素を収容するための少なくとも1つのくぼみ又は穴を備え、その際はめ込み要素がRFID識別装置のためのプラスチック外被を形成していると有利である。これによってRFID識別装置又はRFIDトランスポンダーは、一体化したRFID識別装置を備えた硬貨の加工プロセス及び後の使用の範囲において損傷から効果的に保護される。
【0012】
RFIDトランスポンダーは、少なくとも1つのRFIDチップ、及び少なくとも1つの、このRFIDチップと接続されたアンテナ構造を備え、その際このアンテナ構造は好ましくはパッシブユニットとして自給のエネルギー供給なしに形成される。この場合RFIDチップ及び付属するアンテナ構造は、支持層、例えば薄い紙層又はプラスチックフィルム上に配設され、及びRFIDトランスポンダーがRFIDチップ又はそのアンテナ構造を金属製の基本要素が引き起こす渦電流から遮蔽するための少なくとも1つの電気伝導性遮蔽層を備えていると、特に有利である。
【0013】
さらに、本発明は好ましくは円板状の、金属製の基本要素から成る、一体化したRFID識別装置を備えた硬貨の製造方法に関し、この基本要素では特に有利には基本要素内にくぼみ又は穴が作られ、及びくぼみ又は穴内に平らなはめ込み要素がその中に収容されたRFID識別装置と共に入れられ、並びに平らなはめ込み要素が基本要素とプレス加工される。
【0014】
本発明は以下に、図に示された実施例に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1a】例となる、従来の硬貨の平面図である。
【図1b】例となる、図1に従った硬貨の横断面図である。
【図2a】例となる、くぼみ又は穴を備えた円板状の基本要素の平面図である。
【図2b】例となる、平らなはめ込み要素の平面図である。
【図2c】例となる、穴の中にはめ込まれる平らなはめ込み要素を備えた円板状の基本要素の横断面図である。
【図2d】例となる、くぼみの中にはめ込まれる平らなはめ込み要素を備えた円板状の基本要素の横断面図である。
【図3】例となる、一体化したRFID識別装置を備えた平らなはめ込み要素の平面図である。
【図4】例となる、円板状の基本要素及び付属している平らな、凹型又は凸型の縁断面を持つはめ込み要素の横断面図である。
【図5】例となる、円板状の基本要素及び付属している平らな、溝及び突起断面を備えたはめ込み要素の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1aには例として、支払手段に使用される硬貨1の平面図が、図1bには図1aに従った硬貨1の断面図が示されている。この種の硬貨1は、従来技術では十分に公知であり、任意の形状及び実施形態で作られている。
【0017】
この種の、支払手段として使用される硬貨1は、通常ワンピース又はマルチピース構造として形成され、非常に耐摩耗性の高い材料、すなわち金属及び/又は金属合金から作られる。硬貨は、基本的に円板状の基本要素2から、又はマルチピース構造の硬貨1の場合は基本要素2と少なくとも1つの、この基本要素によって収容されるさらなる要素から構成される。硬貨1は通常少なくとも1つの表面1.1、1つの裏面1.2及び1つの硬貨縁1.3を備えている。
【0018】
図1a及び図1bに示された硬貨1は、さらに刻印3を硬貨1の表面1.1及び/又は裏面1.2に備えており、この刻印によって例えば硬貨1の価値が示された数、シンボル、図又はさまざまな装飾要素が硬貨1の表面1.1及び/又は裏面1.2に付けられる。硬貨刻印の原理は十分に公知である。ここで好ましくは金属製の硬貨地板が円板状の基本要素2の形で上部ダイと下部ダイの間に入れられ、これらダイはそれぞれ刻印するモチーフの陰型を備えている。上部ダイと下部ダイが互いにプレスされ、それによってそれぞれのモチーフが硬貨1の基本要素2表面と裏面に刻印される。これによって特に円板状の基本要素2の厚みが小さくなり、その際刻印工程によって硬貨1の縁に外輪2.1が生じてよく、この輪は刻印によって生じた硬貨1の表面及び/又は裏面より上へ又は下へ突出し、それによって硬貨1のリング形状の基底部が形成される。
【0019】
硬貨1の基本要素2は、好ましくは円板状に及び平らに形成される。バイメタルの硬貨1に備えられている少なくとも1つの別の要素は、同様に金属又は金属合金から作られていてよく、基本要素2内に備えられているくぼみ又は穴2.2に、すなわち好ましくは硬貨1の中心エリアにはめ込まれる。基本要素2及びその他の要素は、塑性変形によって圧力下で互いに結合されるか又は互いにプレス加工される。例えばその他の要素が基本要素2のくぼみ又は穴2.2に好ましくは打抜プレス工程の範囲で圧入される。
【0020】
本発明による、一体化したRFID識別装置5を備えた硬貨1の製造は、まず円板状の基本要素2を形成する金属製の貨幣地板を企図し、この地板は必要に応じてマルチピース構造に形成される。円板状の基本要素2はすでに製造するべき硬貨1の基本形状にほぼ相当している。図2aには例として、硬貨1を製造するための円板状の基本要素2の平面図が示されている。
【0021】
発明に従い、続いて円板状の基本要素2に少なくとも1つのくぼみ又は穴2.2が作られ、このくぼみ又は穴は平らなはめ込み要素4を収容するために備えられる。平らなはめ込み要素4の形状又は横断面は、ここでは円板状の基本要素2内のくぼみの形状又は穴2.2の寸法に合わせられる。
【0022】
さらに、くぼみ又は穴2.2は円板状の基本要素2のほとんど任意の位置に備えられてよく、すなわち硬貨1の偏心位置でも中心エリアでもよい。好ましい一実施形態では、平らなはめ込み要素4は横断面が円形に形成され、その際平らなはめ込み要素4の厚みは円板状の基本要素2の厚みより小さく選択されている。
【0023】
発明に従い、平らなはめ込み要素4はさらに非伝導性材料から、好ましくはプラスチックから製造され、平らなはめ込み要素4内に少なくとも1つのRFID識別装置5が備えられている。図2bは、例として、本発明による、一体化したRFID識別装置5を備えたはめ込み要素4の平面図を示しており、図2cないし図2dは円板状の基本要素2のそれぞれ1つの横断面図であり、この基本要素は穴又はくぼみ2.2にはめ込まれた、一体化したRFID識別装置5を備えたはめ込み要素4を備えている。ここで、平らなはめ込み要素4の平面比率は硬貨1の基本要素2と比較して5%未満であり、その結果平らなはめ込み要素4を基本要素2内にはめ込んだ後も硬貨1の金属としての特徴は保たれる。
【0024】
RFID識別装置5は、例えばRFIDトランスポンダーとして形成され、このトランスポンダーは、RFIDチップ5.1、及びこのRFIDチップと接続されたアンテナ構造5.2から構成されている。図3は、この種のRFIDトランスポンダー5の可能な実施形態を示している。RFIDトランスポンダー5は、ここでは自給の電源供給を備えておらず、つまりパッシブユニットとして形成されており、それゆえにRFIDレーザー機器の応答範囲内でアクティブになる。その際、RFIDトランスポンダー5又はRFIDチップ5.1の駆動のために必要な電気エネルギーは、それ自体公知の方法でRFIDレーザー機器(図示せず)からアンテナ構造5.2経由で受け取り、RFIDチップ5.1へと送る。
【0025】
RFIDトランスポンダー5の取付け深さを低減するため、これは例えばトランスポンダーインレーの形に形成されてよく、すなわちRFIDチップ5.1と付属するアンテナ構造5.2は支持層5.3上、例えば薄い紙層又はプラスチックフィルム上に配設される。アンテナ構造5.2は、ここでは支持層5.3上に通常一面に銅又はアルミニウムのフィルムとしてかぶせられ、感光性のフォトレジストによってコーティングされ、及び露光後に腐食浴でアンテナ構造5.2に相当する範囲を裸にされる。続いてRFIDチップ5.1を形成されたアンテナ構造5.2の接続箇所にはめ込み、これと伝導するように結合する。RFIDトランスポンダー2のアンテナ構造5.2は、例えば双極子又は誘導ループを形成する。このことによって、RFIDトランスポンダー5が非常に平らに形成される。
【0026】
好ましい一実施形態では、本発明によるはめ込み要素4を図2dに従った円板状の基本要素2のくぼみ2.2にはめ込む場合、アンテナ構造5.2と向かい合っている側の支持層5.3の上に、電気伝導性遮蔽層、特にアルミニウム製又は銅製の金属箔が備えられ、この金属箔はアンテナ構造5.2の空間的な広がりをほぼ備えている。この種の電気伝導性遮蔽層は、RFIDチップ5.1又はそのアンテナ構造5.2にとって、金属製の基本要素2に起因する渦電流に対する効果的な遮蔽であることが可能である。これに関して、電気伝導性遮蔽層の強磁性の粒子は、支持層5.3上への固定後に、RFIDトランスポンダー5のアンテナ構造5.2内に誘導された磁場に対して平行に置かれることで、生じた渦電流を効果的に抑制するように配列される。
【0027】
平らなはめ込み要素4を製造するために、RFIDトランスポンダー5はプラスチック外被6に覆われるか又はRFIDトランスポンダー5は周りにプラスチックを注入され、それによってRFIDトランスポンダー5を外部影響から効果的に保護できる。ここでは例えば射出成形法が使用される。プラスチックはここでは好ましくは基本要素2の色と同じ色を備えている。
【0028】
プラスチック外被6はセラミック製及び/又は金属製の粒子を含んでいてよい。プラスチック外被6内に一体化したRFIDトランスポンダー5又はこのことによって形成された平らな、好ましくは円板状のはめ込み要素4は、以下に記述したように、基本要素2のくぼみ又は穴2.2にはめ込まれる。
【0029】
第一の実施態様では、円形のはめ込み要素4の直径Dは、くぼみ又は穴2.2の直径Dにほぼ相当する。すなわちはめ込み要素3の直径Dとくぼみ又は穴2.2の直径Dの間にはほとんど遊びがない。平らな、円板状のはめ込み要素4をくぼみ又は穴2.2内にはめ込むため、はめ込み要素4はくぼみ又は穴2.2の上に位置決めされ、プレス工程でくぼみ又は穴2.2内に圧入される。このことによって、基本要素2とはめ込み要素4の間にプレス結合が生じる。その後で、硬貨の刻印及び必要に応じて例えばラッカー層又は塗料層などの保護層が施される。
【0030】
第二の実施態様に従い、円形のはめ込み要素4の直径Dはくぼみ又は穴2.2の直径Dとは異なる。すなわち、特段大きな力をかけることなくはめ込み要素4を基本要素3のくぼみ又は穴2.2に挿入するために、はめ込み要素4の直径Dとくぼみ又は穴2.2の直径Dの間に十分な遊びがある。はめ込み要素4を基本要素2のくぼみ又は穴2.2内に固定するため、後続のプレス工程を使用して、圧力下でくぼみ又は穴2.2の直径Dが縮小し、それゆえに基本要素2へのはめ込み要素4の固定が生じるように、少なくとも基本要素2を変形させる。その次に再び前述の実施態様と同様に硬貨1の基本要素2に刻印が行われる。
【0031】
硬貨1の基本要素2は、例えばプレス工程及び/又は刻印工程の前に2.0から3.0mmの厚みを、好ましくは2.25mmの厚みを備えている。プレス工程及び/又は刻印工程の後、厚みは1.5〜2.0mmに、好ましくは1.8mmになる。平らなはめ込み要素4は、プレス工程及び/又は刻印工程前の基本要素の厚みより格段に小さく、すなわち1.5〜2.0mm、好ましくは約1.8mmである。
【0032】
好ましくは、プレス工程のためのプレスダイは、基本要素2の方向に形成された丸み、つまり凸形の丸みを備えるように形成され、その結果基本要素2上にプレス工程で生じたプレス力は半径方向に内側から外側へ作用する。プレス工程中、少なくとも基本要素(2)に100〜250Nmのプレス圧が加えられる。
【0033】
はめ込み要素4内に一体化したRFID識別装置5が刻印工程で損傷することを避けるため、刻印ダイはRFID識別装置5の範囲にくぼみを備え、このくぼみはその形状及び寸法がはめ込み要素4と一致する。また硬貨1の外側の縁2.1を形成するために、刻印ダイの直径は基本要素2の直径より小さく選択されてよい。
【0034】
結合強度を高めるため、好ましい一実施形態では、はめ込み要素3’の外側の縁4‘とくぼみ又は穴2.2の内側の縁2.2’が形状接合を形成する。特に、図4に示された実施例に従い、はめ込み要素3’の外側の縁4’は凹形に、及びくぼみ又は穴2.2の内側の縁2.2’は凸形又はその逆に形成されてよい。
【0035】
同様に図5に示された実施例に従い、形状接合は溝結合及び突起結合で実現されてよく、すなわち例えばはめ込み要素3’の外側の縁4’が少なくとも1つの突起を、くぼみ又は穴2.2の内側の縁2.2’が少なくとも1つの溝を、又はその逆を備えていてよい。
【0036】
本発明は上記で1つの実施例により説明された。本発明は、そのために発明の概念を離れることなく、さまざまな変更及び修正が可能であることは自明である。
【符号の説明】
【0037】
1 硬貨
1.1 表面
1.2 裏面
1.3 硬貨縁
2 基本要素
2.1 外輪
2.2 内側の縁のくぼみ又は穴2.2’
3 刻印
4 外側の縁のはめ込み要素4’
5 RFID識別装置又はRFIDトランスポンダー
5.1 RFIDチップ
5.2 アンテナ構造
5.3 支持層
6 プラスチック外被
円形のはめ込み要素の直径
くぼみ又は穴の直径
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
好ましくは円板状の、金属製の基本要素(2)及び少なくとも1つの平らなはめ込み要素(4)を備えた硬貨であって、該はめ込み要素が前記円板状の金属製の基本要素(2)内に収容されている硬貨において、前記平らなはめ込み要素(4)が非伝導性の材料から、好ましくはプラスチックから作られており、及び前記平らなはめ込み要素(4)内に少なくとも1つのRFID識別装置(5)が備えられていることを特徴とする、硬貨。
【請求項2】
少なくとも1つの円板状の、金属製の基本要素(2)が、好ましくは前記円板状の、平らなはめ込み要素(4)を収容するために少なくとも1つのくぼみ又は穴(2.2)を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の硬貨。
【請求項3】
前記プラスチックが、前記RFID識別装置(5)のプラスチック外被(6)を形成していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の硬貨。
【請求項4】
前記RFID識別装置が、RFIDトランスポンダー(5)によって形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の硬貨。
【請求項5】
前記RFIDトランスポンダー(5)が、少なくとも1つのRFIDチップ(5.1)及び少なくとも1つの、前記RFIDチップと接続されたアンテナ構造(5.2)を備えていることを特徴とする、請求項4に記載の硬貨。
【請求項6】
前記RFIDトランスポンダー(5)がパッシブユニットとして、自給のエネルギー供給なしで形成されていることを特徴とする、請求項請求項4又は5に記載の硬貨。
【請求項7】
前記RFIDチップ(5.1)及び前記付属するアンテナ構造(5.2)が、支持層(5.3)の上、例えば薄い紙層又はプラスチックフィルム上に配設されることを特徴とする、請求項4〜6のいずれか一項に記載の硬貨。
【請求項8】
前記RFIDトランスポンダー(5)が、前記RFIDチップ(5.1)又はそのアンテナ構造(5.2)を前記金属製の基本要素(2)に起因する渦電流から遮蔽するために少なくとも1つの電気伝導性遮蔽層を備えていることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか一項に記載の硬貨。
【請求項9】
前記平らなはめ込み要素(4)が、前記平らなはめ込み要素(4)を取り囲んでいる前記基本要素(2)とプレス加工されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬貨。
【請求項10】
前記平らなはめ込み要素(4)の平面比率が前記硬貨(1)の前記基本要素(2)の表面と比較して、5%未満であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬貨。
【請求項11】
一体化したRFID識別装置(5)を備え、好ましくは円板状の、金属製の基本要素(2)から成る硬貨(1)を製造する方法において、前記基本要素(2)内にくぼみ又は穴(2.2)が作られ、前記くぼみ又は穴(2.2)内に平らなはめ込み要素(4)が、その中に収容されるRFID識別装置(5)と共に収容され、及び前記平らなはめ込み要素(4)が前記基本要素(2)とプレス加工されることを特徴とする、硬貨(1)を製造する方法。
【請求項12】
前記平らなはめ込み要素(4)が非伝導性材料から、好ましくはプラスチックから作られることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基本要素(2)が、100〜250Nmのプレス圧を加えられることを特徴とする、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記基本要素(2)が、前記くぼみ又は穴(2.2)内に収容される平らなはめ込み要素(4)と共に刻印されることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記硬面の表側及び裏面(1.1、1.2)に、例えばラッカー層又は塗料層の形で保護層が施されることを特徴とする、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記基本要素(2)内に収容された平らなはめ込み要素(4)が、プレス工程において除外されることを特徴とする、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−522296(P2012−522296A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502448(P2012−502448)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【国際出願番号】PCT/DE2010/000350
【国際公開番号】WO2010/112002
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(511223431)ミュンツェ ウスターライヒ アーゲー (1)
【Fターム(参考)】