説明

一体型断熱ガラス枠を有する窓サッシを組み立てるための方法

一体型断熱ガラス枠を有する窓サッシを組み立てるための方法に関する。窓サッシはプラスチック中空プロファイル(21)から形成されるフレーム(51)を有し、前記フレーム(51)は、内面(23)と、内面(23)から離れて面する外面(22)と、内面(23)と外面(22)とを互いに接続する2つの側面(24、25)とを有する。フレーム(51)は、その内面(23)に、互いに平行な2つのウェブ(26、27)を有し、これらのウェブは、窓サッシの窓開口を全周にわたって画定するとともに、2つのウェブ(26、27)によって離間された状態に保持される2枚のガラスプレート(52、53)に対して接着固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1の前文に特定される特徴を備える方法から始まる。そのような方法は、スライドサッシを製造するための米国特許第6,286,288B1号及び米国特許第7,097,724B2号から知られる。これらの公報は、「サッシライト(sashlite)」の識別表示で知られるスライドサッシのための窓サッシ及びその製造方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
「サッシライト」方法のケースでは、押出プラスチック中空プロファイル(hollow profile)から長方形または正方形のフレームが最初に形成される。この場合、フレームの4つの脚が、プラスチック中空プロファイルからカットされて、それらの端部で対をなして超音波により互いに溶接され、それにより、フレームの角部が形成される。フレームは、その内面に、互いに平行な2つのウェブを有する。水分結合材料、特に粉末の形状のモレキュラーシーブが埋め込まれるペースト状の接着化合物がこれらの2つのウェブ間の空間内に注入される。2枚のガラスプレートのためのスペーサとしての機能を果たす2つのウェブに対して2枚のガラスプレートを接着固定するシール・接着化合物のラインが、2つのウェブの外側で、フレームの4つの全ての脚の全周にわたって塗布される。そのようなシール・接着化合物を以下ではシール化合物と称する。このシール化合物は、内側に方向付けられるフレームのウェブとガラスプレートとの間で固定接続を達成するとともに、また、水分が侵入しないように、且つ場合によりガラスプレート間の空間に充填される重いガス(heavy gas)が損失しないようにウェブとガラスプレートとの間の隙間をシールするという目的を有する。
【0003】
事前に製造されるフレームは、水平コンベアトラック上に配置されて、処理ステーションへと搬送され、この処理ステーションにおいて、水分結合材料を含む接着化合物が最初にフレームの4つの全ての脚で2つのウェブ間の空間内に注入される。上記空間は、フレームのそれぞれの対向する脚へ向けて開放している。その後、シール化合物のラインが、2つのウェブのうち上側に位置する一方のウェブに対して塗布され、また、そのウェブに対して第1のガラスプレートが接着固定される。その後、フレームが水平コンベアトラック上で回転され、それにより、第1のガラスプレートが接着されてなるウェブが下側に位置付けられ、2つの平行なウェブのうちの第2のウェブが上側に位置付けられる。その後、このとき上側に位置付けられるウェブの全周にわたってシール化合物のラインが塗布され、このラインに対して第2のガラスプレートが接着固定される。
【0004】
ガラスプレートによって覆われる領域の外側で、2つのウェブのうちの一方は、ガラスプレート間の空間に通じる孔を有する。2枚のガラスプレートがウェブに押し付けられるときにこの孔によって2枚のガラスプレート間の空間を通気することができ、これにより、ガラスプレート間の空間が減少される。ガラスプレートの押し付けは、例えば、2つのウェブの領域でローラがガラスプレートに作用して、これによりガラスプレートがウェブに押し付けられることにより行われ、それにより、シール化合物が平坦化されて、2枚のガラスプレート間の隙間がシールされる。サッシライト窓の2枚のガラスプレートを窓フレームの2つのウェブに押し付けることができる他の可能性として、ウェブの一方に設けられる孔を通じて2枚のガラスプレート間の空間から空気を吸引することが知られており、これにより、ウェブに対してガラスプレートを引き寄せ、したがってシール化合物を平坦化する低い圧力が空間内に形成される。
【0005】
サッシライト方法のケースでは、窓フレームの2つのウェブのうちの一方の孔内に2つの小管を挿入することが更に知られている。重いガス、例えばアルゴンが、小管のうちの一方を通じて、2枚のガラスプレート間の空間内に吹き込まれる。
【0006】
空気、または、空気と重いガスとの混合物が、他方の小管を通じた吸引により、2枚のガラスプレート間の空間から引き出される。これにより、ガラスプレート間の空間内の空気が重いガスと部分的に置き換わり、それにより、2枚のガラスプレート間の熱伝達が困難になる。そのようなガス交換の後、フレームのウェブの孔がシールされる。
【0007】
最後に、ガラスプレートの縁部を外側へ向けて覆うカバーストリップもフレーム内に挿入される。このようにして、一体型断熱ガラス枠を有する窓サッシが仕上げられる。
【0008】
大部分において、公知のサッシライト方法は手作業で行われる。人件費が高く、品質欠陥を避けることができないのが欠点である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第6,286,288B1号
【特許文献2】米国特許第7,097,724B2号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、これを改善するという目的を有する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る方法は特許請求項1の主題である。方法の有利な改良が従属請求項の主題である。
【0012】
一体型断熱ガラス枠を有する窓サッシを組み立てるための本発明に係る方法であって、窓サッシがプラスチック中空プロファイルから形成されるフレームを有し、上記フレームが、内面と、内面から離れて面する外面と、内面と外面とを互いに接続する2つの側面とを有し、フレームが、その内面に、互いに平行な2つのウェブを有し、これらのウェブが、窓サッシの窓開口を全周にわたって画定するとともに、2つのウェブによって離間された状態に保持される2枚のガラスプレートに対して接着固定される方法は、
− フレーム及びガラスプレートを垂直位置に或いは垂直線に対して数度だけ傾けられる位置にセットアップするステップと、
− 水分結合材料が埋め込まれるペースト状化合物を2つのウェブ間の空間内に機械によって注入するステップと、
− シール化合物の連続ラインを互いに離れて面するウェブの2つの外面上に機械によって塗布するステップと、
− 2枚のガラスプレートが適合するべく、或いはほぼ適合するべく互いに対向して位置するように、また、フレームが2枚のガラスプレート間で立ってガラスプレートと2つのウェブの縁部とが互いの方へ中心付けられるべくフレームが方向付けられるように、2枚のガラスプレート及びフレームを機械によって方向付けて保持するステップと、
− 2枚のガラスプレートをそれらと対向するウェブに対して機械によって押し付けるステップと、
によって行われる。
【0013】
フレーム及びガラスプレートの垂直位置または垂直線に対して数度だけ傾けられる位置でのセットアップが機械ベースでも行われることが好ましい。
【0014】
これは、以下のようなかなりの利点を有する。
− フレーム及びガラスプレートの垂直位置または垂直線に対して数度だけ傾けられる位置でのセットアップ、及び、組み立てられた窓サッシをもたらす作業ステップをそのような位置で行うことは、組み立て方法のかなりの合理化のための基本的原理である。
− 人件費が節約される。
− 行われなければならない作業ステップは、作業要員の個々の弱点及びミスに依存しない。
− 窓サッシの品質は、かなり高められるとともに、窓サッシの断熱ガラス枠の寿命のかなりの長期化をもたらす。
【0015】
ガラスプレート及びフレームは、水平コンベア上にセットアップされて、倒れないように固定されるのが好ましい。水平コンベア上での処理は、高い生産性を得るための基本原理である。
【0016】
ガラスプレート及びフレームは、水平搬送によって、最初に、所定の位置に至らされ、この所定の位置では、ガラスプレート及びフレームが互いに隣り合って位置するとともに、ガラスプレートの垂直縁部とフレームの2つのウェブの垂直縁部とが搬送方向で互いに対して中心付けられるが、ガラスプレートの下縁部とフレームの下縁部とが依然として共通の平面内に位置付けられるのが好ましい。その後においてのみ、ガラスプレートの水平縁部とフレームの2つのウェブの水平縁部とが互いに対して中心付けられるまで、ガラスプレートがフレームに対して上昇され、また、フレームがガラスプレートに対して下降される。これにより、完成した窓サッシのガラスプレートの下縁部がフレームの下縁部の上側に位置しなければならない場合であっても、全ての準備作業にわたって、また、ガラスプレート及びフレームの下縁部が同じ高さになる実際の組み立ての最初の段階に至るまで、ガラスプレート及びフレームを搬送できる。この手法は、自動的に作動する製造ラインのセットアップを容易にするとともに処理時間を短くするという利点を有する。
【0017】
ガラスプレートの水平縁部とフレームのウェブの水平縁部とを互いに対して中心付けるため、特に互いに離れて面するガラスプレートの側面に作用する吸引装置によってガラスプレートが保持されるのが好ましい。その後、フレームがその上に立っている状態の水平コンベアを下降させることができ、また、その後、ガラスプレートの高さを窓サッシのためのフレームへと正確に方向付けることができる。その後、フレームに対するガラスプレートの接合が接着によって直ちに行われ、それにより、方向の誤りをもはや心配する必要がなくなる。
【0018】
フレームの下降中、フレームの上側水平脚がその内面で好ましくは調整装置によって捕捉され、調整装置は、ガラスプレートをそれらと対向するフレームのウェブに対して押し付ける前にフレームの上脚の位置を調整する。この手法により、特に大型窓サッシの場合に、フレームの上脚の不都合な撓みを補償できる。好ましくは、第1の水平コンベアによって、ガラスプレートが、分岐部を介して、3つのコンベアトラックを有する準備ステーションへ搬送され、3つのコンベアトラックは、互いに隣接して平行に位置するとともに、一緒に横方向に移動させることができ、そのうちの2つの外側のコンベアトラックは2枚のガラスプレートのためのものであり、中央のコンベアトラックは窓サッシのフレームのためのものである。最初に、準備ステーションの2つの外側のコンベアトラックが分岐部のコンベアトラックと連続的に一直線に合わせられ、それにより、2枚のガラスプレートが準備ステーションの2つの外側のコンベアトラック上で搬送される。この後においてのみ、窓サッシのフレームは、第1の水平コンベアに隣接して設けられる第2の水平コンベアによって搬送されるのが好ましい。分岐部は、それが2枚のガラスプレートを準備ステーションへ供給した後に、準備ステーションを第2の水平コンベアに接続するようになっている。その後、分岐部は、窓サッシのためのフレームを引き取って、準備ステーションの水平コンベアと一直線をなす元の状態へと回動し、それにより、側方移動によって、分岐部が第1の水平コンベアと一直線をなす元の状態へ未だ回動されていないときに、水平コンベアの中央コンベアトラックが分岐部のコンベアトラック或いは第1の水平コンベアのそれぞれと一直線に合わせられる。その後、フレームは、準備ステーションで、2枚のガラスプレート間の空間内に搬送される。これは、一般に熱いままでフレーム上に塗布されて、好ましくは反応性のホットメルトであるシール化合物が最短の想定し得る遅延内で2枚のガラスプレートと接触され、それにより、適切な接着を達成できるという利点を有する。準備ステーションから、2枚のガラスプレート、及び、これらのガラスプレート間に位置するフレームは、準備ステーションの後に続く組み立てステーションへと一緒に搬送され、組み立てステーションでは、ガラスプレート及びフレームが互いに対して中心付けられるとともに、ガラスプレートがフレームのウェブに対して押し付けられる。
【0019】
第1の水平コンベアは、ガラスプレートのための洗浄機を分岐部に接続することが好ましい。これにより、保管から適切なサイズにカットするまで、ガラスプレートを製造ライン上に配置することができる。ガラスプレートがその場所でのみ洗浄され、それにより、組み立てステーションに清浄な状態で到達するための最良な条件が得られる。
【0020】
第1のステーションが第2の水平コンベアに割り当てられるのが好ましく、その場合、第1のステーションでは、水分結合材料が埋め込まれるペースト状の接着化合物がフレームの2つのウェブ間の空間内に注入される。シール化合物の連続ラインが互いに離れて面するウェブの2つの外面上に塗布されるステーションも第2の水平コンベアに割り当てられる。これは、水分結合材料が埋め込まれるペースト状の接着化合物が塗布された後においてのみ行われるのが好ましい。また、これにより、窓サッシの最終的な組立体に対する熱いシール化合物の塗布間の時間も可能な限り短くなる。同じ理由により、シール化合物が2つのウェブに同時に塗布される。
【0021】
また、分岐部によって準備ステーション及び組み立てステーションに接続される2つの別個の水平コンベアを設けると、実際の組立体に対するシール化合物の塗布間の時間が可能な限り短くなる。また、製造ラインを通じたスループット(throughput)がかなり高められる。
【0022】
窓サッシに組み込まれる断熱ガラス枠が重いガスを含むようになっている場合、これは、2枚のガラスプレートのうちの一方が、フレームのウェブに押し付く前にフレームから離れるように曲げられ、それにより、ガラスプレートがウェブに押し付けられた後、曲げられたガラスプレートとそれに対向して位置するウェブとの間で、2枚のガラスプレート間の空間への少なくとも1つのアクセスが開放したままになるという点において達成されるのが好ましい。その後、このアクセスを通じて、重いガスをガラスプレート間の空間に充填することができる。その後、ガラスプレートの曲げが反転され、これにより、2枚のガラスプレート間の空間が緊密に閉じられる。この作用過程を製造ラインにおいて特に有利な方法で自動化することができる。また、それにより、公知のサッシライト方法を用いた場合よりもかなり高い度合いの充填レベルが達成されるとともに、重いガスの損失及び水分の侵入をもたらす可能性がある漏れの危険がサッシライト方法の場合よりも低くなるという利点が得られる。これは、サッシライト方法の場合には、フレームの別個の孔がガス充填のために設けられており、この孔をその後に閉じなければならないからである。そのような孔は永久的な弱点である。本発明によれば、そのような孔が回避される。
【0023】
一方のガラスプレートは、対角線上に互いに対向して位置する2つの隅でガス充填のためにフレームから離れるように曲げられることが好ましい。これは、急速充填プロセス及び高度充填において特に有利である。
【0024】
一方のガラスプレートは、ガラスプレートの外面上に配置される吸引装置によって曲げられることが好ましい。この手法は、穏やかな作業形式と、所定の位置でのガラスプレートの望ましい固定とを兼ね備える。
【0025】
ガラスプレートとフレームとの接合中、ガラスプレートは、吸引装置が取り付けられる2つのフレームワークが互いに近接して移動されることにより、フレームのウェブに押し付けられることが好ましい。これにより、ガラスプレートが移動される所定の経路が良好に制御されつつ可能である。また、吸引装置は、組み立てプロセスの特定の緩衝に寄与し得る。組み立て中、ガラスプレートがスラストプレートによって緩衝されるのが好ましく、スラストプレートは、圧縮空気シリンダによって作用されるとともに、ガラスプレートの縁部の領域で両方のガラスプレートに同時に作用する。このようにすると、圧縮空気シリンダが空気圧スプリングとして作用することができ、それにより、特に均一な押し付けに達するために予め選択された圧力がスラストプレートの圧縮空気シリンダに作用するときに、ガラスの破壊が防止されると同時に、最適な接着接続がもたらされる。
【0026】
以下、添付図面を用いて、本発明の典型的な実施形態について明確に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】一体型断熱ガラス枠を有する窓サッシのための組み立てラインの第1の領域を平面図で示している。
【図2】一体型断熱ガラス枠を有する窓サッシのための組み立てラインの第2の領域を平面図で示している。
【図3】図1の準備ステーションを斜視図で示している。
【図4】搬送方向と平行な方向から見た図3の準備ステーションを側面図で示している。
【図5】図4の領域Aを詳細に示している。
【図6】図4の領域Bを詳細に示している。
【図7】図1の組み立てステーションを斜視図で示している。
【図8】搬送方向と平行な方向から見た組み立てステーションを側面図で示している。
【図9】図8の組み立てステーションの後部を正面図で示している。
【図10】図8の組み立てステーションの前部を装置の後部から見た図で示している。
【図11】互いに隣り合って平行に位置する2枚のガラスプレートと窓フレームとを有する組み立てステーションの出口端を詳細な斜視図として示している。
【図12】組み立てステーションの後部の領域を細部Cとして示している。
【図13】組み立てステーションの前部の領域を細部Dとして示している。
【図14】図13の第1の領域を示している。
【図15】調整が変えられた図13の第2の領域を示している。
【図16】窓サッシのその上縁部の領域で示される組み立ての段階を示している。
【図17】窓サッシのその上縁部の領域で示される組み立ての段階を示している。
【図18】窓サッシのその上縁部の領域で示される組み立ての段階を示している。
【図19】ガス交換中の折り曲げられるガラスプレートを有する部分的に組み立てられた窓サッシの領域を示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1及び図2は、一体型断熱ガラス枠を有するドアの窓サッシまたはウイング(wings)のための製造ラインを概略平面図で示している。状況を簡略化するため、この特許出願では窓サッシのみについて説明する。しかしながら、同じことがドアのウイングにも適用される。ドアのウイングは本発明に含まれるべきである。用語「サッシ」は、移動可能サッシ及び回動可能サッシを含むようになっている。
【0029】
図2の例図は、図1の例図の右端に接続する。
【0030】
製造ラインは、第1の水平コンベア1と、該第1の水平コンベアに対して横方向に延びる第2の水平コンベア2とを有しており、これらのコンベアは水平に搬送する分岐部4に通じ、該分岐部には、第1の水平コンベア1と一直線をなして配置される第3の水平コンベア3が接続する。第1の水平コンベア1は、個々のガラスプレート52、53が前後に配置される領域5から始まる複数の領域と、ガラスプレートを洗浄して乾燥するための機械6を通じて案内する領域と、中間輸送を果たすとともに必要に応じてガラスプレート52、53を保持するための2つの領域7、8とからなる。また、領域7では、洗浄されたガラスプレートが実際にきれいであるかどうかを更にチェックできる。領域5〜8において、第1の水平コンベア1は、支持壁10の下縁部で領域5、7、8に位置する同期駆動ローラ9の水平な列を有しており、支持壁10は、垂直線に対して数度、例えば6°だけ後方に傾けられるとともに、エアクッション壁として具現化されるのが好ましい。ガラスプレートは、ローラ9上で立ちながら支持壁10に寄り掛かりつつ搬送される。ガラスプレートは、洗浄ブラシ及びローラの配列により洗浄・乾燥機6内で本質的に知られた方法で支持される。
【0031】
第2の水平コンベア2も複数の領域11、12、13、14、15を有し、これらの領域には、いずれの場合にも、支持壁17の下縁部に水平に延びる上側搬送路を備える連続コンベアベルト16が設けられ、支持壁17は、支持壁10と同じ角度で垂直位置から後方へ傾けられる。上側搬送路は、支持壁10に対して直角に配置され、したがって、数度だけ後方へ傾けられることが有益である。第2の水平コンベア2は、プラスチック中空プロファイルから形成される長方形または正方形のフレーム51(図1参照)を搬送する役目を果たす。これらのフレームは、それらの脚部のうちの1つによりコンベアベルト16上に配置されて支持壁17に寄り掛かり、該支持壁には、摩擦を減らすための剛毛、特に軟らかい剛毛を備えることが好ましいストリップが挿入され、或いは接着固定される。支持壁17の真下に部分的に位置付けられるが支持壁を越えて突出していずれの場合にもコンベアベルト16の上側搬送路に対して垂直に延びる軸を有する自走ガイドローラ18の列が、コンベアベルト16の上側に近接して位置付けられる。支持壁17から距離を隔てて支持ローラ19の更なる列が設けられるのが好ましく、支持ローラ19の高さは、調整できるとともに、必要に応じてコンベアベルト16上に立つフレームの傾きを防止する役目を果たす。
【0032】
第2の水平コンベア2の領域11には、プラスチック中空プロファイル21から形成されるフレームが水平コンベア2上に配置される。
【0033】
システム20が第2の水平コンベア2の領域12に割り当てられ、該システム20は、乾燥剤が埋め込まれる接着化合物をプラスチック中空プロファイルの2つのウェブ間の空間内へ注入する役目を果たし、上記プラスチック中空プロファイルから窓サッシのためのフレーム51が形成される。そのようなプラスチック中空プロファイルの例が図16〜図19の断面図に示されている。図示のプラスチック中空プロファイル21は、平らな外面22と、構造化された内面23と、2つの側面24、25と、幾つかの中空室とを有する。側面24、25に対して平行で且つ互いに対して平行な2つのウェブ26、27は、それらの間の空間がフレーム51の内面へ向けて開放しており、内面23上に位置付けられる。ウェブ26、27は、それらの自由端が曲げられることにより突起28を形成しており、図18に示されるように、該突起にはガラスプレート52、53が当て付くことができ、そのため、ウェブ26、27はスペーサとしての機能を果たす。乾燥剤が埋め込まれる接着化合物29が、システム20により、ウェブ26、27間の空間内に注入される。ポリイソブチレンが接着化合物29として特に適しており、また、モレキュラーシーブが乾燥剤として特に適している。接着化合物29はノズル30によって注入されるのが有益であり、ノズル30は、支持壁17と平行に上下に移動できるとともに、支持壁17に対して垂直な軸を中心に回転できる。接着化合物29を垂直ウェブ28間の空間内に注入するため、ノズル30が上下にそれぞれ移動され、一方、中空プロファイル21から形成されるフレーム51は静止している。接着化合物29が水平ウェブ26、27間の空間内に注入され、一方、中空プロファイル21から形成されるフレーム51は前後にそれぞれ水平に搬送され、また、ノズル30は静止している。
【0034】
シール化合物のライン35を互いから離れて面するウェブ26、27の面に対して塗布するためのシステム31が、第2の水平コンベア2の領域14に割り当てられる。この目的のため、第1のノズル32が支持壁17の前方に位置され、また、第2のノズル33が支持壁17の背後に位置され、この位置から、第2のノズルが、下端から上端へ延びる支持壁17のスロット34を貫通して支持壁17に係合できる。ノズル32、33は、ノズル30と同じ方法で移動でき、それらが同時にシール化合物を2つのウェブ26、27の外面に塗布するように同期して移動されて作動される。シール化合物のライン35が図16〜図18に示されている。
【0035】
第2の水平コンベア2の領域13、15はフレームの中間輸送に役立つ。必要に応じて、格子バーを領域13でフレーム51に挿入できる。
【0036】
図1に示される製造ラインの領域は分岐部4から始まり、該分岐部を図1に示される2つの位置間で前後に回動させることができる。分岐部4は水平コンベアを有しており、該水平コンベアは、第2の水平コンベア2の領域のうちの1つと同じであり或いは類似し、したがって、第2の水平コンベア2の回動可能な連続部であると見なすことができる構造を有する。分岐部4が第1の水平コンベア1と一直線をなす位置では、分岐部は、その場所へ搬送されたガラスプレート52、53を引き取ることができるとともに、それらのガラスプレートを準備ステーション36へと移送できる。分岐部4が第2の水平コンベア2と一直線をなす位置では、分岐部は、窓サッシのためのフレーム51を上記第2の水平コンベア2から引き取ることができる。しかしながら、フレーム51を準備ステーション36へと移送できるようにするため、分岐部4は、最初に、それが準備ステーション36及び第1の水平コンベア1と一直線をなす位置へと回動されなければならない。
【0037】
準備ステーション36が図3〜図6に示されている。準備ステーションは、フレーム形状のフレームワーク39をサブフレーム37上に有しており、サブフレーム37は後方に傾けられる2つのレール38を有する。フレームワーク39は、その前面に、後方に傾けられるとともにレール38と直角をなして上方へ突出する2つのポスト40を有する。レール38は、第1及び第3の水平コンベア1、3のそれぞれの搬送方向に対して直角をなして延びる。ポスト40は、支持壁10と同じ角度で後方に傾けられる。3つの水平ビーム41、42、43の配列が上下に移動できるようにポスト40で支持され、それにより、ビーム41、42、43の高さを調整できる。3つのビーム41、42、43は、いずれの場合にも、ポスト40と平行に延びる軸を中心に回転され得る自走支持ローラ44の水平な列を支持する。3つの連続するコンベアベルト47、48、49のための水平支持体46を取り囲む3トラック水平コンベア45は、その上側搬送路が互いに距離を隔てて平行に配置されるととともにポスト40と同じ角度をなして後方に傾けられており、その下側領域がフレームワーク39に取り付けられる。2つの外側コンベアベルト47、49はガラスプレート52、53を搬送する役目を果たし、一方、外側コンベアベルト47、49よりも幅広い中央コンベアベルト48は窓サッシのためのフレーム51を搬送するようになっている。コンベアベルト47〜49は個別に駆動させることができる。支持体には、自走支持ローラ50がコンベアベルト47、49の両側に配置される。これらの自走支持ローラは、ガラスプレートの下縁部及び窓サッシのためのフレームの下縁部を案内するという目的を果たす。自走支持ローラの軸は、ビーム41、42、43に取り付けられるローラ44の軸と平行に延びる。
【0038】
サブフレーム37のレール38上でフレームワーク39を横方向に移動させることにより、3つのコンベアベルト47、48、49のそれぞれを分岐部4の水平コンベアと一直線に合わせることができる。図1に示される位置では、分岐部4が、窓サッシのためのフレーム51を中央コンベアベルト48へ移送することができ、また、分岐部4の支持ローラ18が、後側コンベアベルト49と中央コンベアベルト48との間に配置されてポスト40と同じ角度で後方に傾けられる支持ローラ50と一直線をなす。ガラスプレート53を後側コンベアベルト49へ移送するため、後側コンベアベルト49は、コンベアベルト49の背後に配置される支持ローラ50が分岐部4の支持ローラ18と一直線をなすように支持体46を横方向に移動させることにより位置決めされる。ガラスプレート52を前側コンベアベルト47へ移送できるようにするため、前側コンベアベルト47は、前側コンベアベルト47と中央コンベアベルト48との間に配置される支持ローラ50が分岐部4の支持ローラ18と一直線をなすように支持体46を横方向に移動させることによって位置決めされる。
【0039】
準備ステーション36において、フレーム51及び2枚のガラスプレート52、53は、その前側垂直縁部が互いにほぼ隣り合って位置されてその後の組み立てステーション54に隣接するように位置決めされるのが好ましい。
【0040】
組み立てステーション54が図7〜図15に示されている。組み立てステーションはレール56を備えるサブフレーム55を有し、レール56の傾きは準備ステーション36のレール38の傾きに対応する。フレームワーク57がサブフレーム55に取り付けられており、フレームワーク57は、準備ステーション36のフレームワーク39に類似しており、そのため、3つのビーム58、59、60の配列を有し、これらのビームにはいずれの場合にも支持ローラ61の水平な列が取り付けられ、支持ローラの軸は、略垂直に、すなわちレール56と直角をなして延びる。準備ステーション36におけるビーム41〜43の配列の場合と同様に、ビーム58〜60の配列は、高さ調整可能な方法でフレームワーク57のポストに取り付けられる。しかしながら、準備ステーション36における移動可能なフレームワーク39とは異なり、フレームワーク57は、移動できないようにサブフレーム55に固定される。3トラック水平コンベア62は、その構造が準備ステーション36における3トラック水平コンベア45に対応しており、高さ調整できるようにサブフレーム55に取り付けられる。
【0041】
一対のレール56上で移動され得る前側フレームワーク63が、固定フレームワーク57の前方に配置される。同様に一対のレール56上で移動され得る後側フレームワーク64が固定フレームワーク57の背後に配置される。図2は後側フレームワーク64の図を示している。後側フレームワーク64の2つの側部ポスト65は、それらの下端に、レール56の周囲に係合するアンダーカットガイド部66を有する。ポスト65には水平トラバース67が取り付けられ、トラバース67は、モータ69により駆動されるギアベルト68によってポスト65で上下に移動させることができる。スラストプレート70がトラバース67に取り付けられ、該スラストプレート70は、図7及び図8には示されるが図9ではトラバース67の背後に位置するために見えない圧力媒体シリンダ71によって、特に空気圧シリンダによって作動させることができる。各スラストプレート70の上側には調整装置72が設けられ、該調整装置72は図16に示されるように空気圧シリンダ73からなり、該シリンダのピストンロッド74がヘッド75を有し、このヘッド75には、ピストンロッド74と平行に案内される引き込み可能なバー76が取り付けられる。調整装置72は、フレーム51の上脚を位置決めするという目的を果たすとともに、フレーム51の上脚の想定し得る撓みを除去する役目を果たす。これについては図16〜図18を参照されたい。
【0042】
同様に圧力媒体シリンダにより個別に作動されるスラストプレート70、更には、吸引装置78の列が、後側フレームワーク64の下側トラバース77に取り付けられる。更なる吸引装置78が水平トラバース68に取り付けられる。吸引装置78及びスラストプレート70は、圧力媒体シリンダ89によって、特に空気圧シリンダによって個別に移動させることができる。ポスト65と平行な直立トラバース80が水平に移動できるように下側トラバース77と後側フレームワーク64の上側トラバース79とに対して取り付けられる。直立トラバース80は、水平トラバース67と交差するとともに、水平トラバースの背後に配置される。直立トラバース80の移動は、モータ82によって駆動される2つのギアベルト81によって水平トラバース67の場合と同じ方法で行われる。圧力媒体シリンダによって同様に個別に作動させることができる更なるスラストプレート70、70aが、直立トラバース80と、該トラバースと平行なポスト65とに対して取り付けられる。スラストプレート70の大部分は、トラバース67、77、80及びポスト65に対して取り付けられて、いずれの場合にもスライド83上にある。スライド83は、スライド可能な格子グレート84に取り付けられる更に小さいスラストプレート70aに沿って引きずられ、それにより、スライド可能な格子グレート84によって接続されるスラストプレート70、70a同士の距離が変化する。スライド可能な格子グレート84により行われる長さ調整により、スラストプレート70、70aの位置をフレーム51の高さ及び幅に対して最適に適合させることができる。トラバース67、80の可動性は、窓サッシのためのフレーム51の高さ及び幅に適合させる役目も果たす。
【0043】
図9は、吸引装置78よりも大きい2つの吸引装置85、86を更に示している。図9を見ると、下側吸引装置85は、トラバース67、77、68及びポスト65によって画定される領域の左下隅に位置しており、下側トラバース77に取り付けられる。上側吸引装置86は、この領域の対角線上に対向する隅に位置する。下側吸引装置85は、前後に移動させることしかできず、それ以外はその位置を下側トラバース77で維持するが、上側吸引装置86は更にトラバース67、80の動きに追従することができ、それにより、上側吸引装置は、トラバース67、80の位置によって決定される領域の隅にその位置を維持する。トラバース76、70、68及びポスト65がまたがる領域で吸引装置78により保持されるガラスプレート53は、これらの吸引装置85、86により、2つの対角線上に対向する隅で後方に曲げることができる。また、大きい方の吸引装置85、86は、3トラック水平コンベア62を下降させることができる前に行われなければならないガラスプレート52、53の固定に寄与する。大きい方の吸引装置85、86は、小さい方の吸引装置78と同じ方法で、圧力媒体シリンダにより、特に空気圧シリンダ89により移動させることができる。
【0044】
大きい方の吸引装置85、86を用いると、窓サッシの2枚のガラスプレート52、53間の空間へのアクセスをガス交換の目的で窓サッシの組み立て中に一時的に開放したままの状態に保つことができる。ガラスプレート52、53間の空間内の空気は、ガス交換中に重いガスと置き換えられる。重いガスは、下側吸引装置85の近傍の下側隅の領域で供給されて、それと対角線上に対向して位置する上側吸引装置86の領域の開口を通じて空気を移動させるのが有益である。下側吸引装置85により開放したままの状態に保たれるアクセスによって重いガスが再び排出されないように、その場所には2脚シール87が設けられ、この2脚シール87は、フレーム51の下側隅でフレーム51と後側ガラスプレート53との間の隙間を覆い、それにより、ガラスプレート52、53間の空間へのアクセスをシールする。シール87は、例えば気泡ゴム等からなる成形品であってもよい。供給されるべき重いガスのための供給ライン88がシール87を貫通して延びる。シール87を貫通して案内される供給ライン88の端部は、その端が閉じられる多孔質パイプ部品であることが好ましく、多孔質パイプ部品は例えば焼結プラスチックからなることができ、該焼結プラスチックから、重いガスが、拡散して逃げるとともに、ガラスプレート52、53間の空間に流れ込んでその場所で空気を上方へ移動させ、それにより、上側吸引装置86によって設けられる開口を介して空気が上記空間から出る。
【0045】
図10は、組み立てステーションの3トラック水平コンベア62の前方に配置される、図9の図に対応する前側フレームワーク63の図を示している。この前側フレームワーク63は後側フレームワーク64の略鏡像であり、そのため、詳細に関しては後側フレームワーク64の説明を参照できる。しかしながら、前側フレームワーク63は、大きい方の吸引装置85、シール87を有しておらず、また、重いガスのための供給ライン88も有していない。
【0046】
窓サッシは、以下の方法にしたがって前述した製造ラインで組み立てられる。
窓サッシのために必要とされる2枚のガラスプレート52、53は、第1の水平コンベア1の領域5に配置される。プラスチック中空プロファイルから事前に製造される窓サッシのために必要とされるフレーム51は、第2の水平コンベア2の領域11に配置される。ガラスプレート52、53は、洗浄・乾燥機6を通じて連続的に搬送され、第1の水平コンベア1の領域7で清浄度をチェックできるとともに、第1の水平コンベア1の領域8に達し、それに続く分岐部4または準備ステーション36の準備が未だできていない場合には、必要に応じて、領域8においてガラスプレートを保管できる。分岐部4は、それが第1の水平コンベア1と一直線をなし、且つ空いているときには、ガラスプレート52、53をいつでも受け入れられる状態にある。この場合、2枚のガラスプレート52、53は分岐部4へと連続的に搬送される。準備ステーション36がいつでも受け入れられる状態にある場合、準備ステーションは、後側コンベアベルト49の背後に配置される支持ローラ50または前側コンベアベルト47と中央コンベアベルト48との間に配置される支持ローラ50が分岐部4の支持ローラ18と一直線に合わせられるように側方移動によって位置決めされる。最後に述べたケースでは、第1のガラスプレート52は、その後に前側コンベアベルト47上で搬送され、それにより準備ステーション36の出口端の真向かいで搬送され、そこで停止される。フレームワーク39を横方向に移動させることにより、後側コンベアベルト49を伴う第2のガラスプレート53を対象にするコンベアトラックが分岐部4と一直線に合わされるように移動され、そして、分岐部4が第2のガラスプレート53を後側コンベアベルト49へ搬送し、後側コンベアベルト49は、その第2のガラスプレート53を準備ステーション36の出口端まで搬送して、そこでその第2のガラスプレート53を停止させる。その後、3トラック水平コンベア62が、幅広いコンベアベルト48を備えるその中央コンベアトラックが第1の水平コンベア1と一直線をなすように位置決めされる。
【0047】
第1の水平コンベア1を通じた2枚のガラスプレート52、53の通過に合わせて重なり合って、乾燥剤が埋め込まれる接着化合物が、第2の水平コンベア2の領域12で、第2の水平コンベア2上のフレーム51の2つのウェブ26、27間の空間に注入される。必要に応じて、第2の水平コンベア2の領域13で格子バーをフレーム51に挿入できる。第2の水平コンベア2のその後の領域14では、シール化合物の連続ライン35が障害を伴うことなく2つのウェブ26、27の外面に塗布される。第2の水平コンベア2のその後の領域15では、この方法で前処理されてコーティングされるフレーム51を、分岐部4が空いて分岐部4が第2の水平コンベア2と一直線をなすその位置へと回動されるまで保管することができる。その後、フレーム51が分岐部4へと搬送される。これが行われたら直ぐに、分岐部4は、第1の水平コンベア1と一直線をなす元の状態へと回動する。そのときまでこれが行われなかった場合、準備ステーション36のフレームワーク39は、サブフレーム37上で横方向に移動することにより、中央コンベアベルト48と後側コンベアベルト49との間に配置される一連の支持ローラ50が分岐部4の支持ローラ18と一直線に合わせられる。これが行われたら直ぐに、フレーム51が、中央コンベア48上に搬送されるとともに、それにより準備ステーション36の出口端へと更に搬送される。その後の組み立てステーション54がいつでも受け入れられる状態になれば、フレーム51が停止することなく組み立てステーション54に流れ込むことができ、また、2枚のガラスプレート52、53が準備ステーション36から組み立てステーション54へと同時に搬送される。しかしながら、組み立てステーション54が未だ受け入れられる状態にない場合には、フレーム51が準備ステーション36で停止される。その後、フレーム51及びガラスプレート52、53は図1に示される位置をとる。組み立てステーション54がいつでも受け入れられる状態になると直ぐに、フレーム51及び2枚のガラスプレート52、53は、組み立てステーション54へ同時に搬送されて組み立てステーションの出口端の近傍へ移動され、そこで停止される。例えば、位置センサにより制御される。これにより、2枚のガラスプレート52、53の搬送方向の直立縁部がフレーム51の2つのウェブ26、27の直立縁部の方へ中心付けられる。コンベアベルト47、48、49の上側搬送路が共通の平面内に位置するという事実に起因して、ガラスプレート52、53の高さは、それらがフレーム51においてとらなければならない高さへ向けて未だ正確に方向付けられない。これについては図11を参照されたい。
【0048】
これを達成するため、組み立てステーション54の2つのフレームワーク63、64に設けられる吸引装置78が、空気圧シリンダ89を作動させることにより、隣り合うガラスプレート52または53まで押し進められる。いずれの場合にも、空気圧シリンダ89のピストンロッドに吸引装置78が取り付けられて作動され、それにより、2枚のガラスプレートが吸引されてそれらの位置に固定される。それぞれのガラスプレート52、53の長さ及び高さのために必要とされる吸引装置78だけが前方に押し進められて作動される。ガラスプレート52、53の寸法は、製造計画から知ることができるとともに、組み立てステーション54の制御によって与えることができ、或いは、組み立て装置54に設けられる位置センサによって決定することができる。このようにすると、トラバース67、80をガラスプレート52、53の現在の寸法に合わせて、或いは対応するフレーム51に合わせてそれぞれ自動的に調整できる。現在のフレーム51の寸法に合わせたトラバース67、80の調整はスラストプレート70、70aの方向付けを含み、その目的のため、スライド83がそのような位置へ移動され、その位置で、スラストプレート70、70aは、可能な限り均等な距離でガラスプレート52、53の縁部と対向して位置付けられる。図9に関して言うと左下に位置しトラバース66、67、80及びポスト65によって画定される領域に位置する吸引装置78だけが作動される。また、大きい方の吸引装置85、86がガラスプレート52、53に対して前方に押し進められて作動される。
【0049】
吸引装置78と同時に、スラストプレート70、70aもそれらの空気圧シリンダ71によって延ばされて図16に見られるようにガラスプレート52、53に接触する。また、このとき、調整装置72が作動される。この目的のため、空気圧シリンダ73を作動させることによりバー76が延ばされ、それにより、図16に見られるように、バーがフレーム51の上脚の側面24、25の真下に達する。
【0050】
ここで、組み立てステーション54において3トラック水平コンベア62を下降させることができる。これにより、図17に見られるようにフレーム51の上脚がバー76上に配置され、また、フレーム51の上脚の想定し得る撓みが克服される。3トラック水平コンベア62は、ガラスプレート52、53の水平縁部がウェブ26、27の水平縁部に中心付けられるまで下降される。このとき、シール化合物のライン35がガラスプレート52、53と対向して該ガラスプレートの縁部に近接して位置付けられる。
【0051】
次に、ビーム58、59、60が上昇され、それにより、支持ローラ61がガラスプレート52、53から外れる。その後、前側フレームワーク63及び後側フレームワーク64の両方が互いの方へ移動され、それにより、ガラスプレート52、53がウェブ26、27上に位置するシール化合物のライン35に押し付く。これにより、フレームワーク63、64の動きがスラストプレート70、71aの空気圧シリンダ71によってやわらげられ、それにより、図18に見られるようにガラスプレート52、53がフレーム51のウェブ26、27に対して所定の圧力で押し付く。
【0052】
このようにして窓サッシが組み立てられる。スラストプレート70、70a及び調整装置72の空気圧シリンダが再びそれらのピストンロッドを引き込んで、吸引装置78、85、86の動作が停止されて引き戻され、準備ステーション36の水平コンベアの高さに対応する元の高さまで3トラック水平コンベア62が上昇されて戻され、また、窓サッシが組み立てステーション54から出口コンベア90へと搬送される。必要に応じて、ここではガラスプレート52、53の縁部を覆うカバーストリップをそれ自体知られる方法でフレーム51に挿入できる。
【0053】
窓サッシに組み込まれる断熱ガラス枠を重いガスで満たすべき場合、これは、一方のガラスプレート53をフレーム51に押し付ける前に、後側ガラスプレート53が吸引装置85、86によって対角線上に対向する隅で外側に曲げられるという点において行われる(図19参照)。この場合、吸引装置85によって形成されたアクセスを通じて重いガスが導入され、また、吸引装置86によって達成された開口を通じて空気が2枚のガラスプレート52、53間の空間から移動される。重いガスの十分に高い充填度合いに達すると、吸引装置85、86の作動が停止され、それにより、開口が、ガラスプレート52、53の弾性抵抗に起因して容易に閉じるとともに、空気圧作動されるスラストプレート70、70aの衝撃によって閉じられる。図19は、取り付けられたシール87、重いガスを供給する多硬質供給ライン88の領域、及び、シール87とガラスプレート53との間の吸引装置85のエラストマー吸引プレートの部分と共に、窓サッシの下隅のアクセス91を詳細に示している。
【符号の説明】
【0054】
1 第1の水平コンベア
2 第2の水平コンベア
3 第3の水平コンベア
4 分岐部
5 領域
6 洗浄・乾燥機
7 領域
8 領域
9 ローラ
10 支持壁
11 第2の水平コンベアの領域
12 第2の水平コンベアの領域
13 第2の水平コンベアの領域
14 第2の水平コンベアの領域
15 第2の水平コンベアの領域
16 コンベアベルト
17 支持壁
18 ガイドローラ
19 ガイドローラ
20 接着化合物を注入するためのシステム
21 プラスチック中空プロファイル
22 プラスチック中空プロファイルの外面
23 プラスチック中空プロファイルの内面
24 プラスチック中空プロファイルの側面
25 プラスチック中空プロファイルの側面
26 ウェブ
27 ウェブ
28 突起
29 埋め込まれた乾燥剤を備える接着化合物
30 ノズル
31 シール化合物を塗布するためのシステム
32 ノズル
33 ノズル
34 スロット
35 シール化合物のライン
36 準備ステーション
37 サブフレーム
38 レール
39 フレームワーク
40 ポスト
41 ビーム
42 ビーム
43 ビーム
44 支持ローラ
45 3トラック水平コンベア
46 支持体
47 コンベアベルト
48 コンベアベルト
49 コンベアベルト
50 支持ローラ
51 フレーム
52 後側ガラスプレート
53 前側ガラスプレート
54 組み立てステーション
55 サブフレーム
56 レール
57 固定フレームワーク
58 ビーム
59 ビーム
60 ビーム
61 支持ローラ
62 3トラック水平コンベア
63 前側フレームワーク
64 後側フレームワーク
65 63または64のそれぞれのポスト
66 ガイド部
67 トラバース
68 ギアベルト
69 モータ
70 スラストプレート
70a スラストプレート
71 圧力媒体シリンダ(空気圧シリンダ)
72 調整装置
73 空気圧シリンダ
74 ピストンロッド
75 ピストンロッドのヘッド
76 バー
77 下側トラバース
78 吸引装置
79 上側トラバース
80 直立トラバース
81 ギアベルト
82 モータ
83 スライド
84 スライド可能な格子グレート
85 下側吸引装置
86 上側吸引装置
87 シール
88 供給ライン
89 空気圧シリンダ
90 出口コンベア
91 アクセス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型断熱ガラス枠を有する窓サッシを組み立てるための方法であって、窓サッシがプラスチック中空プロファイル(21)から形成されるフレーム(51)を有し、前記フレーム(51)は、内面(23)と、内面(23)から離れて面する外面(22)と、内面(23)と外面(22)とを互いに接続する2つの側面(24、25)とを有し、フレーム(51)は、その内面(23)に、互いに平行な2つのウェブ(26、27)を有し、これらのウェブは、窓サッシの窓開口を全周にわたって画定するとともに、2つのウェブ(26、27)によって離間された状態に保持される2枚のガラスプレート(52、53)に対して接着固定される方法において、
フレーム(51)及びガラスプレート(52、53)を垂直位置に或いは垂直線に対して数度だけ傾けられる位置にセットアップするステップと、
水分結合材料が埋め込まれるペースト状化合物(29)を2つのウェブ(26、27)間の空間内に機械によって注入するステップと、
シール化合物の連続ライン(35)を互いに離れて面するウェブ(26、27)の2つの外面(22)上に機械によって塗布するステップと、
2枚のガラスプレート(52、53)が適合するべく或いはほぼ適合するべく互いに対向して位置するように、また、フレーム(51)が2枚のガラスプレート(52、53)間で立ってガラスプレート(52、53)と2つのウェブ(26、27)の縁部とが互いの方へ中心付けられるべくフレーム(51)が方向付けられるように、2枚のガラスプレート(52、53)及びフレーム(51)を機械によって方向付けて保持するステップと、
2枚のガラスプレート(52、53)をそれらと対向するウェブ(26、27)に対して機械によって押し付けるステップと、
によって行われる方法。
【請求項2】
ガラスプレート(52、53)及びフレーム(51)は、水平コンベア(1、2、3)上にセットアップされて、倒れないように固定され、
ガラスプレート(52、53)及びフレーム(51)は、水平搬送によって、最初に、所定の位置に至らされ、この所定の位置では、ガラスプレート(52、53)及びフレーム(51)が互いに隣り合って位置するとともに、ガラスプレート(52、53)の垂直縁部とフレーム(51)の2つのウェブ(26、27)の垂直縁部とが搬送方向で互いに対して中心付けられるが、ガラスプレート(52、53)の下縁部とフレーム(51)の下縁部とが依然として共通の平面内に位置し、
その後、ガラスプレート(52、53)の水平縁部とフレーム(51)の2つのウェブ(26、27)の水平縁部とがそれらの高さ位置に関して互いに対して中心付けられるまで、ガラスプレート(52、53)がフレーム(51)に対して上昇され、或いは、フレーム(51)がガラスプレート(52、53)に対して下降される、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ガラスプレート(52、53)の水平縁部とフレーム(51)のウェブ(26、27)の水平縁部とを互いに対して中心付けるため、特に互いに離れて面するガラスプレート(52、53)の側面に作用する吸引装置(78、85、86)によってガラスプレート(52、53)が保持され、その後、フレーム(51)がその上に立っている状態の水平コンベア(62)が下降される、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
下降中、フレーム(51)の上側水平脚が調整装置(72)によって捕捉され、調整装置(72)は、ガラスプレート(52、53)をそれらと対向するフレーム(51)のウェブ(26、27)に対して押し付ける前にフレーム(51)の上脚の位置を調整することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第1の水平コンベア(1)によって、ガラスプレート(52、53)が、分岐部(4)を介して、3つのコンベアトラック(47、48、49)を有する準備ステーション(36)へ搬送され、3つのコンベアトラックは、互いに隣接して平行に位置するとともに、一緒に横方向に移動させることができ、そのうちの2つの外側のコンベアトラック(47、49)は2枚のガラスプレート(52、53)のためのものであり、中央のコンベアトラック(48)は窓サッシのフレーム(51)のためのものであり、
最初に、準備ステーション(36)の2つの外側のコンベアトラック(47、49)が分岐部(4)のコンベアトラック(16)と連続的に一直線に合わせられ、それにより、2枚のガラスプレート(52、53)が準備ステーション(36)の2つの外側のコンベアトラック(47、49)上で搬送され、
窓サッシのフレーム(51)は、第1の水平コンベア(1)に隣接して設けられる第2の水平コンベア(2)によって搬送され、
分岐部(4)は、それが2枚のガラスプレート(52、53)を準備ステーション(36)へ供給した後に、準備ステーション(36)を第2の水平コンベア(2)に接続し、
その後、分岐部(4)は、窓サッシのためのフレーム(51)を引き取って、準備ステーション(36)の水平コンベア(45)と一直線をなす元の状態へと側方移動により回動し、それにより、水平コンベアの中央コンベアトラック(48)が分岐部(4)のコンベアトラック(16)或いは第1の水平コンベア(1)のそれぞれと一直線に合わせられ、
フレーム(51)は、準備ステーション(36)で、2枚のガラスプレート(52、53)間の空間内に搬送され、
2枚のガラスプレート(52、53)、及び、これらのガラスプレート間に位置するフレーム(51)は、準備ステーション(36)の後に続く組み立てステーション(54)へと一緒に搬送され、組み立てステーション(54)では、ガラスプレート(52、53)及びフレーム(51)が互いに対して中心付けられるとともに、ガラスプレート(52、53)がフレーム(51)のウェブ(26、27)に対して押し付けられる、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
第1の水平コンベア(1)は、ガラスプレート(52、53)のための洗浄機(6)を分岐部(4)に接続することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
第1のステーション(12)及びその下流側の第2のステーション(14)が第2の水平コンベア(2)に割り当てられ、第1のステーション(12)では、水分結合材料が埋め込まれるペースト状の接着化合物(29)がフレーム(51)の2つのウェブ(26、27)間の空間内に注入され、第2のステーション(14)では、シール化合物の連続ライン(35)が互いに離れて面するウェブ(26、27)の2つの外面(22)上に塗布されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
シール化合物が両方のウェブ(26、27)に同時に塗布されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
2枚のガラスプレート(52、53)のうちの一方は、フレーム(51)のウェブ(26、27)に押し付く前にフレーム(51)から離れるように曲げられ、それにより、ガラスプレート(52、52)がウェブ(26、27)に押し付けられた後、曲げられたガラスプレート(53)とそれに対向して位置するウェブ(27)との間で、2枚のガラスプレート(52、53)間の空間への少なくとも1つのアクセス(91)が開放したままとなり、このアクセス(91)を通じて、ガラスプレート(53)の曲げが反転される前に、重いガスがガラスプレート(52、53)間の空間に充填され、これにより2枚のガラスプレート(52、53)間の空間が緊密に閉じられることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
一方のガラスプレート(53)は、対角線上に互いに対向して位置する2つの隅でフレーム(51)から離れるように曲げられることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ガラスプレートは、ガラスプレート(53)の外面(22)上に配置される吸引装置(85、86)によって曲げられることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ガラスプレート(52、53)は、吸引装置(78、85、86)が取り付けられる2つのフレームワーク(63、64)が互いに近接して移動されることにより、フレーム(51)のウェブ(26、27)に押し付けられることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ガラスプレート(52、53)の押し付けがスラストプレート(70、70a)によってやわらげられ、スラストプレートは、圧縮空気シリンダ(71)によって作用されるとともに、ガラスプレート(52、53)の縁部の領域で両方のガラスプレート(52、53)に同時に作用することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
均一な押し付けを達成するために、予め選択された圧力がスラストプレート(70、70a)の圧縮空気シリンダ(71)に作用することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
フレーム(51)及びガラスプレート(52、53)の垂直位置または垂直線に対して数度だけ傾けられる位置でのセットアップが機械ベースで行われることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2013−506769(P2013−506769A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531259(P2012−531259)
【出願日】平成22年9月11日(2010.9.11)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005577
【国際公開番号】WO2011/038831
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(510247629)バイストロニック レンハート ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】