説明

一体型磁気装置および該一体型磁気装置の製造方法

本発明は、鉄製エレメント(P1)を磁気的クランプするための磁気装置に関するものであり、この磁気装置は、少なくとも1つのポールピース(30A)をその厚さ(S)内に保持する支持構造(11)と、対向する大きな表面において前記支持構造(11)に形成された第1および第2のサイド(12,13)とを有し、前記ポールピース(30A)は少なくとも1つの第1のピースコレクタ(50)を有し、該第1のポールピースコレクタ(50)は、当該磁気装置により発生された第1の磁束(F1)を前記第1のサイド(12)に伝達するように構成されている。本発明は、前記第1のポールピースコレクタ(50)が前記支持構造(11)の厚さ(S)内に保持されており、前記支持構造(11)とともに1つの部材により形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1記載された一体型磁気装置およびそのような装置の製造方法に関する。
【0002】
ここで用語「磁気装置」は以下のことを意味する。
・永久磁石装置、すなわちその状態をアクティブからインアクティブに、またはその反対に切り替えるため、またはクランプのために使用される場合に電力を必要としない装置であって、装置内に適切に配置された永久磁石により形成されるもの。
・電気永久磁石装置、すなわちクランプのために使用する場合には電力を必要としないが、それが作動および非作動されるためには電力を必要とする装置であって、可逆永久磁石と、必要であれば装置内に適切に配置された静止永久磁石により形成されるもの。
・電磁石装置、すなわちクランプのために電力供給を必要とし、磁気コアが強磁性材料からなるもの。
【背景技術】
【0003】
図1Aと1Bに示された従来技術の磁気クランプ装置の製造方法は、例えば電気永久磁石デュアルマグネット型であり、ブロックからなるハウジング2を有し、このハウジングは底部2Bと、底部の内面2C上に配置されたN個のポールピース3Aとを備える。
【0004】
その他、ハウジング2は種々のコンポーネントを、当業者には公知の方法により組み立てることによって作製することができる。
【0005】
各ポールピース3A(図1B参照)は、電気永久磁石デュアルマグネット装置の場合、少なくとも、
・1つのポールピースコレクタ5、
・1つの可逆永久磁石コア4、そして
・可逆永久磁石コア4の周囲に拡がる磁化状態を変化するための1つの電気コイル3(ソレノイドとしても知られる)を有する。
【0006】
とりわけ図1Bから、電気コイル3は、可逆永久磁石4を収容するための空間を画定するように構成されていることが分かる。可逆永久磁石はAlNiCo型の磁石であり、その上にポールピースコレクタ5が配置される。
【0007】
さらにポールピース3Aはまた、フェライトまたはNdFeBからなる1つまたは複数の静止磁石9を有する。この静止磁石9は、金属エレメントPをクランプするために付加的な永久磁界を発生することができるよう適切に配向されている。
【0008】
図1Aと1Bを参照すると、各ポールピース3Aのポールピースコレクタ5が、正方形の平面形状を備える、平行六面体の強磁性ピースからなることが分かる。
【0009】
ここで使用されるよう用語「ポールピースコレクタ5」とは、一方の側5Aの表面が、磁気装置1が非作動のときに磁気的に中性であり、磁気装置1が作動されるときに磁気的にアクティブになるエレメントを指すよう意図するものである。
【0010】
したがって言い替えると、ポールピースコレクタ5は、その6つの面のうちの4つの面で磁界が1つの方向に配向されており、第5の面では磁界の方向を、他の4つの面の磁界方向と同じまたは反対の極性に変化することができ、第6の面は、
・第5の面に発生された磁界が、他の4つの面の磁界と反対の極性を有するとき(磁気装置が非作動である)、磁気的に中性であり、または
・第5の面に発生された磁界が、他の4つの面の磁界と同じ極性を有するとき(磁気装置が作動されている)、磁気的にアクティブである。
【0011】
簡単に言えば、ポールピースコレクタ5は、可逆永久磁石コア4により発生された磁束を面5Aに伝達し、磁気的なクランプ表面2Aを形成するように設計されたエレメントである。
【0012】
「N個の」ポールピースコレクタ5の面5Aは全体として、機械加工すべきおよび/または他の操作をすべき金属エレメントPをしっかりとクランプするための磁気的クランプ面2Aを形成する。
【0013】
言い替えると、装置1がアクティブ状態であるとき、「N個の」ポールピースコレクタ5の表面5Aが活性化され、鉄製エレメントP1を磁気的にクランプする。
【0014】
さらにここで使用される、磁気装置に関しての「アクティブ/インアクティブ」の用語は、可逆永久磁石4の磁化状態を、電気コイル3により発生される適切な磁界の作用によって変化できることを意味するためのものである。
【0015】
したがってこの工程は、ポールピース3Aが、例えば適切なホール7に収容されたネジ6によってハウジング2と関連されるステップを含んでおり、ソレノイド3と可逆磁石4をパック内に、アセンブリとしてクランプすることができる。
【0016】
とりわけ別個のエレメントとして知られる各ポールピースコレクタ5は、ハウジング2内に収容されており、その底部2Bにネジ6によって固定されている。
【0017】
部磁6は通例、ポールピースコレクタ5に対して中央位置に配置されている。
【0018】
それにもかかわらず、ポールピースコレクタ5をハウジング2の底部に単純に固定しているため、ポールピースコレクタが、クランプされたワークピースPの機械加工中に安定して維持されることが保障されない。
【0019】
実際、各ポールピース3Aのポールピースコレクタ5は、クランプされたワークピースPの機械加工中に発生する振動に対して非常に脆弱であり、この振動は磁気クランプ装置の精度および寿命に有害な影響を与える。
【0020】
さらに、鉄製エレメントPをマッチングするためにとくに必要であれば、ポール延長部14を1つまたは複数のポールピース3Aに関連させることができる。
【0021】
ポール延長部14の使用は、それぞれのポールピースコレクタ5に引き起こされる機械的ストレスを増大させる。なぜならこれらは梃子として作用し、振動を増幅するからである。
【0022】
さらに充填ステップ10が設けられており、これにより磁気装置1は不純物および/または液体の浸透に対して実質的に不浸透性であり、隙間を充填することができる。
【0023】
使用される充填物の例はレジン100である。
【0024】
このようにして得られたクランプ面2Aには結合力があるが、複数の異なるタイプの材料を使用して形成される。
【0025】
したがってクランプ面2Aは、各ポールピースコレクタ5を形成する強磁性材料と、このポールピースコレクタ5を包囲する充填材料から作製される。
【0026】
そのため、おもに(レジンのような)充填材料のため、クランプ面2Aの頑強性が異なる。レジンの耐性は比較的弱く、クランプ面2Aの頑強性全体に影響し、機械加工されるワークピースPに及ぼされる応力の限界を決定する。
【0027】
さらにクランプ面2Aを形成する材料の熱膨張率が異なることは、磁気装置1の動作温度およびクランプ面2Aの温度の変化のため、鉄製ワークピースP1の機械加工の品質と精度に影響する。
【0028】
しかし磁気装置1のハウジング2の底部2Bは、1種の材料、例えば強磁性材料から作製される。
【0029】
このことは底部2Bに、クランプ面2Aと比較して大きな頑強性を与える。なぜなら一体的な強磁性材料は、クランプ面2Aを形成する種々の材料のアセンブリよりも耐性があるからである。
【0030】
したがってハウジング2の底部2Bは、クランプ面2Aよりも強度が高い。
【0031】
クランプ面2Aの強度の弱さを部分的に補償するために、磁気装置1のハウジング2を、例えばリブ形成および/または底部2Bの厚さの増大により補強しなければならない。
【0032】
機械的強度の脆弱性とクランプ面2Aの安定性の問題は、例えばリブが形成され、および/または底部2Bの厚さが増大されても除去することができない。なぜならこのような手段は、ポールピースコレクタの安定性条件の弱さの改善にはつながらないからである。
【0033】
しかしリブを設けることはクランプ面2Aの磁気活性エリアを減少させ、底部2Bの厚さの増大は磁気装置1を形成するのに必要な材料量を増大させる。それゆえ、機械加工されるワークピースを機械加工する工作機械に対して使用可能なスペースが減少する。
【0034】
さらに機械加工中に発生する応力は、時間とともに充填材料100に割れ目を引き起こす。
【0035】
これは冷却液の浸透の原因ともなり、冷却液が電気コイル3に達し、短絡を引き起こす。
【0036】
さらに各ポールピースコレクタ5は、適切なホール7に収容された1つのネジ5によってのみ保持されているので、ソレノイド3と可逆磁石4のアセンブリを1つのパックにまとめることができるが、ポールピースコレクタ5は、鉄製ワークピースの機械加工中に発生する機械的応力に対する抵抗力が低い。
【0037】
上記のことは、鉄製エレメントをクランプする磁気装置の製造と、そのユーザの両方に対して、より迅速、簡単かつ信頼性のある組立て工程と、磁気装置のさらなる耐性と信頼性が非常に欠けていることを示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0038】
したがって本発明が基礎とする課題は、上記の必要性を満たす構造および機能を特徴とし、上記従来技術の欠点を除去する、金属ワークピースをクランプするための磁気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0039】
この課題は、請求項1に記載された、鉄製エレメントを磁気的にクランプする磁気装置により解決される。
【0040】
この課題はまた、請求項18に記載された、鉄製エレメントを磁気的にクランプする磁気装置の製造方法により解決される。
【0041】
本発明は、工作機械により機械加工される鉄製エレメントに伝達される機械的振動を格段に減衰し、向上された機械的安定性を付与する。
【0042】
本発明はまた、クランプ面が完全に金属製である磁気装置を提供し、またクランプ面と機械加工されるワークピースとの間の振動を低減することができる。
【0043】
さらに本発明により、強磁性材料の1つのピースを成形のために使用することができる。このことは従来技術では複数の別個のワークピースから行われており、これにより機械加工時間が短縮される。
【0044】
また時間短縮は取付け工程でも得られる。なぜならただ1つのピースが処理加工されるので、作業中に締め付けのためのネジが必要ないからである。
【0045】
このようにして得られた磁気装置はまた、電気コイル付近での液体の浸透から効率的に保護される。なぜなら一体型構造が連続的に金属表面を形成するからである。
【0046】
最後に、コアリングにより形成された容器に静止磁石を容易に適合できることに加えて、この工程は、独立して単一のポールピースを提供する。このポールピースは、種々のポールピースの距離および垂直/水平配向のような特定の寸法に束縛されず、所望のポールピース配置構成を可能にする。
【0047】
本発明の磁気装置のさらなる側面および利点は、有利な実施例の以下の説明および添付図面から明らかである。この実施例は説明のためのものであり、限定ではない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1A】従来技術の磁気装置の斜視図である。
【図1B】デュアルマグネットモードで動作するときの、図1Aの磁気装置のラインII−IIに沿った部分断面図である。
【図2A】磁気装置の第1の実施形態の斜視図である。
【図2B】図2Aの磁気装置の部分断面斜視図である。
【図2C】図2Aの磁気装置のポールピースを形成するデバイスの展開図である。
【図2D】図2Aの磁気装置の支持構造の平面図および断面図である。
【図2E】図2Aの磁気装置の支持構造の平面図および断面図である。
【図2F】両面が磁気的にアクティブである、図2Aの磁気装置の断面図である。
【図3A】磁気装置の第2の実施形態の斜視図である。
【図3B】図3Aの磁気装置の部分断面図である。
【図4】図3Aに示された磁気装置の可能な使用形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明を、電気永久磁石デュアルマグネット型の磁気装置を参照して説明するが、永久磁石または電磁石を使用しても同様の結果が得られる。
【0050】
添付の図2Aから2Eを参照すると、数字10は本発明の第1の実施形態による磁気クランプ装置を示す。
【0051】
磁気装置10は、厚さS内に少なくとも1つのポールピース30Aを備える支持構造11を有する。
【0052】
この支持構造11は、ポールピース30Aを収容するための少なくとも1つの容器または凹部Rを有する。
【0053】
好ましくは、磁気装置は複数の「N個の」のポールピース30Aを有し、各ポールピースはそれぞれ凹部Rに収容されている。
【0054】
とりわけ支持構造11は、それぞれ対向する大きな平面にある第1と第2のサイド12,13により形成されている。
【0055】
好ましくは第1と第2のサイド12,13は互いに平行に延在しており、これによりそれぞれの平面を規定している。
【0056】
より良く説明するためにこの後、第1のサイド12により規定される表面は、機械加工される鉄製エレメントP1を磁気的にクランプするクランプ面として作用し、第2のサイド13により規定される表面は、磁気装置に対するベースとして、および/または所定の条件が満たされる限りにおいて付加的な鉄製エレメントP2を磁気的にクランプする付加的クランプ面として作用する。
【0057】
1つのポールピース30Aは、少なくとも1つの第1のポールピースコレクタ50を有し、その側方部分50Aは第1のサイド12の一部を形成する。
【0058】
好ましくは、複数N個のポールピース30はそれぞれ1つのポールピースコレクタ50を含み、これによりすべての側方部分50Aは磁気装置10のクランプ面を形成することができる。
【0059】
図2Bと2Cを参照すると、磁気装置10の部分断面図とポールピースユニット30Aの展開図がそれぞれ示されており、このようなポールピースユニット30Aがさらに、可逆永久磁石コアである磁気コア40と、この可逆永久磁石コア40の磁化状態を変化するための電気コイル30を有することが分かる。
【0060】
例えば可逆永久磁石コア40はAlNiCo磁石により実現されている。
【0061】
なお図2Bと2Cを参照すると、ポールピース30Aが、永久的に磁化された非可逆型の磁気コアである磁気コア90を付加的に含むことができる。
【0062】
非可逆型磁気コア90はフェライトまたはNdFeBからなり、適切に配向され、第1のポールピースコレクタ50の側面50Cの近傍に配置されている。
【0063】
ポールピース30Aも強磁性エレメント60を有し、この強磁性エレメント60は、第1の磁気コア40を凹部Rに導入した後に残る隙間を充填するために、第1の磁気コア40に接して配置されるよう構成されている。さらに電気コイル30は第1のコレクタ50の底部50Bに接している。
【0064】
とりわけ強磁性エレメント60の側方部分60Aは、第2のサイド13の一部分を形成する。
【0065】
さらに図2Bと2Cを参照すると、例えばレジン100を鋳込むことにより、電気コイル30を被覆し、また強磁性エレメント60、第1の磁気コア40および電気コイル30の密着を保障するための隙間充填ステップが設けられている。
【0066】
したがってレジン100は、これらのエレメントが剥がれないことを保障し、不純物および/または液体が電気コイル30のゾーンに浸透しないことを保障する。
【0067】
磁気装置10の好ましい実施形態では、ポールピース30Aを形成するこれらのエレメントは、円形平坦形状のエレメントにより実現されている。
【0068】
有利には、第1のポールピースコレクタ50は、支持構造11とともに1つの部材から形成され、一体型磁気装置10Aを形成している。
【0069】
したがって図2B,2C,2Eに示すように、第1のポールピース50は支持構造11の一部分である。
【0070】
この目的のために凹部(または容器)Rが、支持構造11の厚さS内に保持されており、これも支持構造11の一部分である。
【0071】
図2Cと2Eを参照すると、凹部Rは特定の形状を有しており、
・第2のサイド13の表面から決定される直径D1と深さS'を有する凹部Rの第1の部分と、
・凹部の第1の部分の直径に等しい外径を有する凹部Rの第2の部分とを有し、この第2の部分は、第2のサイド13の表面から決定される内径D2と深さS^を有する。これにより第2の部分は環状のリング空洞部を形成する。
【0072】
とりわけこのような環状リングは、凹部Rの第2の部分の深さS^と凹部Rの第1の部分の深さS'との差に等しい深さS''を有する。
【0073】
言い替えると、磁気装置10の好ましい構成では、
・第1のポールピースコレクタ50の底部50Bを形成することに加えて、凹部Rの第1の部分が、磁気コア40、磁気コア40の磁化状態を変化させるための電気コイル30、および強磁性エレメント60を受け入れ、
・側方部分50Aに対して横方向に延在するコレクタ50の側面50Cを形成することに加えて、凹部Rの第2の部分は非可逆的永久静止磁石90を受け入れる。
【0074】
したがって第1のポールピースコレクタ50は、支持構造11とともに1つの部材から形成されている。
【0075】
実際、第1のコレクタ50は支持構造と、厚さS'''にわたり一体であり、この厚さは以下の関係により定義される。
【0076】
S'''=S−S^
ここで
・Sは支持構造11の厚さであり、
・S^は凹部Rの深さであり、深さS^は凹部Rの第1の部分の深さS'と環状リングの深さS''の和に等しい。
【0077】
したがって第1のポールピースコレクタ50は、支持構造11からの1つの部材により形成され、支持構造と一体である。
【0078】
このようにして得られた支持構造11は、装置10の補強リブ11Aを形成し、ハニカム構造を有している。
【0079】
ポールピース30Aを形成するエレメントに関し、磁気装置10の好ましい実施形態では、環状の形状は別にして、上記のエレメントは凹部Rの厚さSと直径D1の内に完全に保持されるよう配置されている。
【0080】
このために図2Cを参照すると、
・磁気コア40は、高さH、直径Dのシリンダ体により実現されており、
・電気コイル30は、高さH、外径D3、内径は直径Dよりわずかに大きく、磁気コア40を包囲することのできる環状エレメントにより実現されており、
・強磁性エレメント60は、高さH2、磁気コア40の直径と同じ直径Dのシリンダ体により実現されている。
【0081】
しかし磁気コア900に関して、これは有利には環状リングの深さS''内に保持される。
【0082】
とりわけ軸コア90は、その合成物が環状エレメントを形成する複数の部材により実現されている。このような環状エレメントは、深さS''に等しいか、またはそれより小さい高さH3を有し、外径および内径は凹部Rの第2の部分の外径D1および内径D2に等しいか、またはそれよりわずかに小さい。
【0083】
とりわけ添付図面に示されるように、ポールピース30Aを形成するエレメントの接続はネジ固定部を必要としない。なぜなら機械加工中に発生する強い機械的応力が、第2のサイド13より頑強である磁気装置の第1のサイド12により受け止められるからである。
【0084】
ポールピース30Aにネジ固定部を使用することを回避することができる。なぜなら、第2のサイド13に適用された充填材料(例えばレジン)により密着が保証されているからである。このような充填剤は、第2のサイド13に及ぼされる小さな機械適応力に十分に耐えることができ、この第2のサイド13は、図4に示した形式では作業面(表面17参照)と常にしっかりと結合されている。
【0085】
ネジ固定がなくても有利には、固体の磁気コア40をポールピース30Aに使用することができる。
【0086】
その結果、磁気装置10の性能が格段に改善されるか、または前記磁気コア40の作製に必要な磁気材料の量が節約される。
【0087】
支持構造11を備える第1のコレクタ50が一体的に設計されているので、磁気装置10は図1Aおよび1Bに示した実施形態と比較して、機械的応力をより良好に分散することができる。
【0088】
したがって支持構造11は、ワークピース(図示せず)の機械加工中に発生する応力および振動をより効率的に吸収するよう構成されている。
【0089】
「N個の」ポールピース30Aは支持構造11内に自由に配置することができる。すなわち、所定の幾何パターンにしたがうことなく自由に配置することができる。
【0090】
それにもかかわらず好ましい実施例によれば、「N個の」ポールピース30Aが構造11内に所定のパターンにしたがって配置されており、例えば「N個の」ポールピース30Aは、マトリクスパターンにしたがって配置することができる。
【0091】
好ましくは「N個の」ポールピース30Aのこのパターンの中心Cは、マトリクスを形成する列および/または行に沿って配置される。
【0092】
装置10の通常の使用モードによれば、めくらホール15をポールピースコレクタ50の中心Cに形成することができる。
【0093】
好ましくはこれらのめくらホール15は、ねじ付きめくらホールであるか、またはヘリコイル型の別個のネジ付きインサートにより満たされる。
【0094】
整合性を良くするために付属物をねじ付きめくらホール15に関連させることができる。これは例えばポール延長部の脚である(図示せず)。
【0095】
とりわけねじ付きめくらホール15がポールピース30Aの中心Cに形成されており、ポールピース30Aがマトリクスパターンに配列されていれば、ねじ付きめくらホール15は直交デカルト座標軸X−Yの基準系の軸に平行な所定の軸に沿って整列される。
【0096】
支持構造11は付加的な複数のめくらホール15Aを有し、これらのめくらホールは装置10の第1のサイド12上に配置されている。
【0097】
とりわけめくらホール15Aは、「N個の」ポールピースの間に挿入されている。
【0098】
「N個の」ポールピース30Aがマトリクスパターンで配置されている場合、このようなめくらホール15Aは所定の直交デカルト軸X−Yに沿って配列される。
【0099】
有利には、めくらホール15Aは第1のサイド12上に、磁気装置10Aの頂点のような基準点に関して100分の一の精度で形成されており、基準マスクを形成する。
【0100】
付加的なめくらホール15Aがあることにより有利には、機械加工される鉄製ワークピースの適切な位置決めが促進される。またはこのようなめくらホール15Aは、鉄製ワークピース上で工作機械により実行される機械加工のための絶対的基準を提供する。
【0101】
さらにこれらのホール15と15Aは、どのホールが受け入れのために設計されており、どれが基準ホールとして設計されているかを容易に決定することができるように、異なる直径で穿孔されて形成されている。
【0102】
支持構造の一体的な側面に加えて、磁気装置10は、第1のサイド12により規定される表面が、いわゆる「全体強磁性クランプ面」であるという側面も有する。
【0103】
言い替えると、第1のサイド12により形成されるクランプ面は、有利には充填材料を含まないように構成されている。
【0104】
この側面は、レジンまたは他の材料(例えば真鍮)がクランプ面にないことにより、エラーのないこと、および(レジンの剥離のような)変形が、クランプ面温度を上昇を含む機械加工プロセス時に発生しないことを保証する。
【0105】
言い替えると、第1のサイド12の表面は、1種の材料、すなわち例えば磁気装置10の支持構造11と、ポールピース30Aの各ポールピースコレクタ50を形成する材料からなる平坦な表面である。
【0106】
したがって磁気装置10の特別の実施形態では、第1のサイド12により規定されたクランプ面が、ホール15および/または15Aは別にして別個のポールピースゾーンが可視でない連続強磁性表面として現れる。
【0107】
このような連続強磁性表面は、小さなワークピースを保持する場合には改善された性能を有する。なぜなら連続強磁性表面がより効率的に磁束を分散させ、以前は不可能であった個所でも使用することができるようになるからである。
【0108】
図2Dと2Eを参照すると、磁気装置10のサポート面11が、所定の幅L、長さl、および構造11の厚さSに等しい厚さの強磁性プレートから形成されていることが分かる。
【0109】
とくに図2Eでは、支持構造11が、ポールピース30Aを形成するエレメントを収容する2つの凹部Rを有する。
【0110】
凹部Rの第1の部分は、フライス盤を使用して材料を除去することにより得られ、凹部Rの第2の部分はコアラーを使用して得られる。
【0111】
これらのツールは、通例、Oリングのための容器を作製するために、または大直径のホールを非常にわずかな材料除去で、時間と機械電力を節約して形成するために使用される。
【0112】
しかしこの特殊なケースでは、多数のコアリングステップが、側方表面50Aに対して横方向に延在するポールピースコレクタ50の側方表面50Cを画定するために、上記の強磁性プレート上で実行される。
【0113】
言い替えると、コアリングステップは、凹部Rの第2の部分を形成する環状リングを規定するために連続的に反復される。
【0114】
とりわけコアリングプロセスは有利には、凹部Rの深さS^が、外径D1と内径D2の差の少なくとも2倍であることを可能にする。
【0115】
いずれにしろ、凹部Rをコアリングにより形成するプロセスは、通常のターニング、フライス、または穿孔よりも、凹部Rの外径D1と内径D3の差が6mmを越えない場合には効率的である。
【0116】
このことは磁気装置の製造コストを格段に節約する。なぜなら、
・装置を形成するために除去される強磁性材料の量が、従来の形式による磁気装置から除去される材料量の約50%以下であり、
・装置を形成するために必要な強磁性材料の量が、従来の形式で必要とされる材料量の約35%以下だからである。
【0117】
第1のコレクタ50が支持構造11とともにワンピースで成形されていれば、ポールピースコレクタを個別に形成し、処理する必要がない。
【0118】
このことは磁気装置の組立ておよび較正のための時間を格段に節約する。
【0119】
有利にはコアリングプロセスは、凹部の第2の部分を得るために実行され、単独の独立したポールピース30Aのポールピースコレクタ50を提供する。このポールピースコレクタ50は、ポールピース30Aまたは単独のポールピース30A間の垂直/水平距離のような特別の寸法により制限されないという利点を備える。
【0120】
図2Fを参照すると、上記の磁気装置10が運転状態で図示されている。運転状態では、両方のサイド12と13が磁気的にアクティブであり、したがって自己締着状況にある。
【0121】
したがって磁気装置10は、クランプ面12と支承面14の両方が磁気的に活性化可能であるように実現される。
【0122】
このことは、強磁性エレメント60が、磁気コア40、すなわち前記強磁性エレメント60により発生される磁束のすべてまたはほとんどを伝達できるように形成されている場合に可能である。
【0123】
この状況では、磁気ポールピースを磁気装置10の第2のサイド13に、第2のポールピース60に近接して設けることができ、これにより第2のサイド13の表面が磁気的にアクティブとなり、したがって第2のサイド13の表面上で鉄製エレメントを自己クランプするのに適したものとなる。
【0124】
磁気装置10が自己クランプ型であれば、強磁性エレメント60は第2のポールピースコレクタにより実現される。
【0125】
この状況でポールピース30Aは、磁気装置10Aがアクティブであるときに、少なくとも第1の磁束F1を第1のサイド12に発生する。
【0126】
このような磁束F1は、第1のサイド12の表面に接触して配置された第1の鉄製エレメントを磁気的にクランプすることができる。
【0127】
有利には第1の磁束F1は、第2のサイド13における付加的な磁気クランプ面を規定する。この付加的な磁気クランプ面は、第2の鉄製エレメントP2を磁気的にクランプするためのものである。
【0128】
言い替えると、磁気装置10が動作状態にあるとき、ポールピース30Aは、第2の鉄製エレメントP2の磁気的クランプを保証する少なくとも同じ磁束F1を発生する。
【0129】
したがって少なくとも第1の磁束F1は、第2のサイド13から所定の磁界深度Tで放射される。
【0130】
ここで使用される用語「磁界深度T」は、磁束が2つの異なる隣接ポールピース30A間で完全に短絡されるために必要な、強磁性材料の最小厚さを意味するものである。
【0131】
とりわけ磁気装置10により第2のサイド13の表面から発生され、第2のサイド13から放射される磁界は磁界深度Tを有しており、これは第2のポールピースコレクタ60の最大長さ寸法に等しい。
【0132】
第2のポールピースコレクタ60の最大長さ寸法とは、最大厚さおよび/または直径の値を意味する。
【0133】
したがって磁束は、サイド13の表面から発生され、鉄製エレメントP2を磁気装置10にしっかりと確保するのに十分な磁力を発生するような磁界深度Tを有する。
【0134】
さらに磁気コア90は第2の磁束F2を第1のクランプサイド12に発生することができる。これにより第1の鉄製エレメントP1は前記第1の磁束F1と第2の磁束F2により磁気的にクランプされる。
【0135】
したがって上記の自己クランプ構成では、磁気装置10を工作機械ベッドにクランプするために、第2のサイド13に十分な磁力を供給することができる。その典型的な構成が図4に示されている。
【0136】
磁気装置10を機械工具ベッドにクランプするために十分な磁力とは、このような磁気装置10が第1のサイド12の表面から機械加工されるワークピースに発揮することのできる最大力よりも少なくとも15%大きな力の値を意味する。
【0137】
この実施形態でも、第2のポールピースコレクタ60の側方部分60Aが、第2のサイド13の一部分を形成する。
【0138】
図3Aと3Bを参照すると、磁気装置10Aの第2の実施形態が示されており、前に説明したエレメントには同じ参照番号が付してある。
【0139】
図2Aから2Eを参照して上に説明した実施形態とは異なり、磁気装置10Aはポール延長部と共働するめくらホール15を備えていない。
【0140】
この場合、凹部Rの第2の部分は静止磁石90を含むようには設計されておらず、第1のポールピースコレクタ50の側方表面50Cを配置するためにだけ用いられる。
【0141】
とりわけ図3Aと3Bの磁気装置は、自己クランプ構成でだけ形成することができる。
【0142】
有利には一体的な側面に加えて、磁気装置10Aはまた、サイド12の表面が「完全に強磁性クランプ面」であるという側面を有する。すなわちホールが形成されていない平坦な表面である。
【0143】
有利には、第1のサイド12により規定されるクランプ面は1種の材料、例えば磁気装置の支持構造11を形成する材料から作製される。
【0144】
自己クランプ構成にある磁気装置10と、前に図3Aと3Bを参照して説明した磁気装置10Aは、同じ性能条件の下で従来の装置よりも薄い厚さSを有する。これは装置の底部を短絡する磁束がないためである。
【0145】
さらに自己クランプ構成にある磁気装置10と磁気装置10Aは、サイド12の表面のクランプ力を、第1のサイド12に取り付けられるポールピース30Aの数を増大することにより上昇させることができる。なぜなら、装置のハウジング2に補強用のリブを形成する必要がないからである。
【0146】
その他の点で別の実施形態では、磁気コア40により発生される磁束のすべて、またはほとんどを短絡するように強磁性エレメント60を形成することができ、これにより第2のサイド13の表面が磁気的に中立になる。すなわち磁力値は、磁気装置10Aをその第2のサイド13によりクランプするに不十分である。
【0147】
図4を参照すると、磁気装置10または10Aの可能な動作構成が示されている。
【0148】
図4に示されるように、磁気装置10または10Aの第2のサイド13は、工作機械のベッド18に磁気的に保持される。または磁気装置10または10Aと工作機械ベッドとの間に挿入される機械的手段により機械的に確保される。
【0149】
磁気装置10または10Aのこの実施形態では、鉄製エレメントP1が機械加工される場合、磁気装置10または10Aが一体構造であり、磁気装置10または10Aのクランプ面が「全体で強磁性クランプ面」であることにより、サイド12上での不所望な機械的応力が防止され、これにより磁気装置10または10Aの耐性が増大し、したがい鉄製エレメントP1の機械加工精度が改善される。
【0150】
上記の説明から明らかなように、本発明の磁気装置は上記の必要性を満たし、本明細書の導入部分に述べた従来技術の欠点を克服する。
【0151】
当業者であれば、請求項に請求された本発明の枠を逸脱することなしに多数の変更および変形の実施が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄製エレメント(P1)を磁気的クランプするための磁気装置であって、
・所定の幅(L)、長さ(l)および厚さ(S)の強磁性材料から形成された支持構造(11)と、
・前記支持構造(11,11A)における比較的大きな、対向する表面に形成された第1および第2のサイド(12,13)と、
・少なくとも1つの第1のポールピースコレクタ(50)を備える少なくとも1つのポールピース(30A)と、第1の磁気コア(40)と、該第1の磁気コア(40)の磁化状態を変化させるための電気コイル(30)とを有し、
前記第1のピースコレクタ(50)は、当該磁気装置により発生された磁束(F1)を前記第1のサイド(12)に伝達するように構成されている磁気装置において、
前記ポールピース(30A)は、前記支持構造(11)の厚さ(S)内に保持されており、前記第1のポールピースコレクタ(50)は前記支持構造(11)とワンピースに成形されており、一体型磁気装置(10A)を形成する、ことを特徴とする磁気装置。
【請求項2】
各第1のポールピースコレクタ(50)の側方部分(50A)が前記第1のサイド(12)の一部分を形成し、前記第1のサイド(12)は前記強磁性材料の平坦な表面から形成され、該第1のサイド(12)は全体が金属表面である請求項1記載の磁気装置。
【請求項3】
前記支持構造(11)は、該支持構造(11)の厚さ(S)内に保持された少なくとも1つの凹部(R)を有する請求項1記載の磁気装置。
【請求項4】
前記凹部(R)は、前記第2のサイド(13)の表面から規定される第1の深さ(S')と直径(D1)を備える第1の部分を有し、前記凹部(R)の前記第1の部分は前記第1のピースコレクタ(50)の底部(50B)を形成する請求項3記載の磁気装置。
【請求項5】
前記凹部(R)は、前記第2のサイド(13)の表面から規定される第2の深さ(S^)と、凹部の第1の部分の前記直径(D1)に等しい外径と、内径(D2)を備える第2の部分を有し、
前記凹部(R)の前記第2の部分は、前記第1のピースコレクタ(50)の側方表面(50C)を形成し、該側方表面(50C)は前記側方部分(50A)に対して横方向に延在している請求項3記載の磁気装置。
【請求項6】
前記凹部(R)の前記第2の部分の第2の深さ(S^)は、前記凹部(R)の前記第1の部分の前記直径(D1)と、前記凹部(R)の前記第2の部分の前記内径(D2)との差の少なくとも2倍である請求項5記載の磁気装置。
【請求項7】
前記ポールピース(30A)は、強磁性エレメント(60)と、該強磁性エレメント(60)の側方部分(60A)と、磁化状態を変化させるための電気コイル(30)と、前記第1のコレクタ(50)の底部(50B)と前記強磁性エレメント(60)との間に挿入された前記第1の磁気コア(40)とを有し、
前記側方部分(60A)は前記第2のサイド(13)の一部分を形成する請求項1記載の磁気装置。
【請求項8】
前記ポールピース(30A)は第2の磁気コア(90)を有する請求項1記載の磁気装置。
【請求項9】
前記凹部(R)の第1の部分は、前記第強磁性エレメント(60)、前記第1の磁気コア(40)、および前記第1の磁気コア(40)の磁化状態を変化させるための前記電気コイル(30)を収容するように構成されている請求項7記載の磁気装置。
【請求項10】
前記凹部(R)の前記第2の部分は、前記第2の磁気コア(90)を収容するように構成されている請求項8記載の磁気装置。
【請求項11】
複数(N)の前記ポールピース(30A)が前記支持構造(11)に配置されており、所定数の行および列を備えるマトリクスを形成している請求項1記載の磁気装置。
【請求項12】
前記強磁性エレメント(60)は、前記第1の磁束(F1)を前記第2のサイド(13)に伝達するよう設計された第2のポールピースコレクタであり、該強磁性エレメント(60)は前記第1の磁気コア(40)の直径に等しい直径と所定の高さ(H2)を有する請求項7記載の磁気装置。
【請求項13】
前記ポールピース(30A)が前記磁気装置の少なくとも1つの動作状態にあるとき、前記第2の磁束(F1)は、前記第2の鉄製エレメント(P2)を磁気的にクランプするための前記第2のサイド(13)における第2の磁気的クランプ面を規定し、該磁束(F1)は所定の深さ(T)を備える第2のサイド(13)から到来する請求項12記載の磁気装置。
【請求項14】
前記第2の鉄製エレメント(P2)を前記第2のサイド(13)の前記第2のクランプ面に対してしっかり確保するために必要な磁力は、磁気装置が前記第1のサイド(12)のクランプ面上に発揮することのできる最大の磁力よりも少なくとも15%高い力の値である請求項13記載の磁気装置。
【請求項15】
前記第1のサイド(13)から発する前記第1の磁束(F1)の前記所定の磁界深度(T)は、前記第2のポールピースコレクタ(60)の最大長さ寸法に等しいかまたはこれより大きく、当該磁界深度は前記第2の鉄製エレメント(P2)をしっかりクランプするように構成されている請求項13記載の磁気装置。
【請求項16】
ポールピース(30A)は円形平坦形状を有する請求項1記載の磁気装置。
【請求項17】
前記第1の磁気コア(40)は永久的に磁化された可逆型磁気コアであり、前記第2の磁気コア(90)は永久的に磁化された非可逆型磁気コアである請求項8記載の磁気装置。
【請求項18】
請求項1記載の磁気装置の製造方法であって、
・所定の幅(L)、長さ(l)および厚さを備える強磁性材料のプレートを準備し、該プレートは対向する大きな平面に第1と第2のサイド(12,13)を規定する磁気装置の製造方法において、
・強磁性材料の前記プレートから、少なくとも1つの凹部(R)を形成するための前記第2のサイド(13)から前記強磁性材料を除去し、
このとき前記凹部(R)が、所定の深さ(S')と直径(D1)の第1の部分から形成されるようにし、該凹部(R)の前記第1の部分が第1のポールピースコレクタ(50)の底部(50B)を形成するようにし、
・強磁性材料の前記プレートから、前記凹部(R)の第2の部分を形成するための前記強磁性材料をさらに除去し、該凹部(R)の前記第2の部分が前記第1のポールピースコレクタ(50)の側方表面(50C)を形成するようにし、
・これにより前記第1のポールピースコレクタ(50)が、前記支持構造(11)とともに1つの部材から形成されるようにする、ことを特徴とする製造方法。
【請求項19】
前記凹部(R)の前記第2の部分が側方表面(50C)を形成し、該側方表面は前記側方部分(50A)に対して横方向に延在し、
前記凹部(R)の前記第2の部分は、
・前記第1の部分の直径(D1)に等しい外径と内径(D2)と、
・前記第2のサイド(13)の表面から規定される深さ(S^)とを有し、
該深さ(S^)は、前記第1の部分の直径(D1)に等しい外径と前記凹部(R)の第2の部分の内径との差の少なくとも2倍である請求項18記載の磁気装置の製造方法。
【請求項20】
・第1の磁気コア(40)を設け、
・電気コイル(30)を設け、
・強磁性エレメント(60)を設け、該強磁性エレメント(60)の側方部分(60A)が前記第2のサイド(13)の一部分を規定するようにし、
・前記電気コイル(30)が前記第1の磁気コア(40)を包囲するようにし、該第1の磁気コア(40)と前記電気コイル(30)を、前記凹部(R)の前記第1の部分の中に、前記第1のコレクタ(50)の底部(50B)と前記強磁性エレメント(60)との間で収容する請求項18記載の磁気装置の製造方法。
【請求項21】
・第2の磁気コア(90)を設け、
・該第2の磁気コア(90)を、前記凹部(R)の第2の部分の中に収容する請求項20記載の磁気装置の製造方法。
【請求項22】
隙間をレジン(100)の鋳物により充填する付加的ステップを含む請求項20記載の製造方法。
【請求項23】
強磁性材料を強磁性材料の前記支持構造(11)から付加的に除去して、前記凹部(R)の前記第2の部分を形成するステップは、コアラーを使用して実行される請求項18記載の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−519733(P2011−519733A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−505641(P2011−505641)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【国際出願番号】PCT/IT2008/000278
【国際公開番号】WO2009/130721
【国際公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(509323200)テクノマグネーテ ソチエタ ペル アツィオーニ (6)
【氏名又は名称原語表記】TECNOMAGNETE S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Nerviano 31, I−20020 Lainate (MI), Italy
【出願人】(501193001)ポリテクニコ ディ ミラノ (18)
【氏名又は名称原語表記】POLITECNICO DI MILANO
【住所又は居所原語表記】Piazza Leonardo da Vinci,3220133 MILANO−Italy
【Fターム(参考)】