説明

一続きのバッグをローディングするための装置および方法

好ましい実施形態は、1つづつが各搬送テープを巻き取るための2つのスプール12a、12b、およびスプール間に配置された差動ギアユニット20を含む、一連の瓦状に重ねた包装バッグ51a、51b、51cを組み込んである一続きのバッグの、2つの搬送テープ52a、52bを巻き取るための装置である。使用の際、装置は、例えばスナップ式取付具などによって、差動ギアユニットが、バッグローダのシャフト112によって駆動され、かつスプールを回転させてそれぞれの供給テープを等しい張力で巻き取らせるように、脱着可能にバッグローダに接続されている。スプールは、装置に同軸に配置される。同様に、このような装置を使用して、一続きのバッグをバッグローダに装着する方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープを巻き取るための装置に関し、該テープ上で、包装に適した一連の瓦状に重ねた(imbricated)バッグが搬送される。例えば、バッグローダによってバッグをテープから取り外しながら、食肉切身または鶏肉をバッグに詰めることができる。
【背景技術】
【0002】
テープ付きの瓦状に重ねたバッグを使用することは、何年も前から知られており、これらのバッグを使用する最も一般的な形態では、別々の2つの接着式の搬送テープを使用し、各テープの接着面が、瓦状に重ねて並べられたそれぞれのバッグの露出部分と接触するように、テープの上に瓦状に重ねて並べられたバッグが置かれる。通常、並べられたバッグのうちの先頭のバッグが、口があいた方の端部でテープに取り付けられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
米国特許第4,798,412号は、カセットに装填できる2つの駆動軸を駆動するための差動駆動ユニットを含む、バッグローダを開示している。カセットは、一続きのバッグの各テープに1つづつ、2個のテープ巻回スプールを含む。バッグローダの差動駆動ユニットは、テープをスプールに等しい張力で巻き上げることができる。しかし、バッグローダの駆動ユニットは複雑であり、バッグローダから2つのシャフトが、軸が平行であるが同軸ではないように延在しなければならないので、多くの構成部品を必要とする。さらに、そのようなカセットは、スプールを定位置に保持する必要があり、バッグローダ駆動ユニットの2つのシャフトに接続できるようにするために、スプールを横に並べて配置するので、必然的に非常に大きくなりかさばることになる。
【0004】
英国特許第2,064,477号は、互いに同軸に配置された2つのテープ巻回スプールを駆動する差動駆動ユニットを含むバッグローダを開示する。差動駆動ギアは、バッグローダに恒久的に(一体に)取り付けられている。したがって、一連の瓦状に重ねたテープ付きのバッグにローディングを行うために、作業者は、2つの使用済みのテープをスプールから取り外す必要があり、またバッグローダの同じ空のスプールに新しいテープを接続する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、1対の搬送テープによって搬送される一連の瓦状に重ねた包装バッグを巻き取るための装置を提供し、前記装置が、互いに同軸に配置される2つの搬送テープ巻回スプールと、前記スプール間に配置される差動ギアユニットとを備え、前記差動ギアユニットが、使用の際にバッグローダのシャフトに脱着可能に接続可能であり、それによって2つの搬送テープが、等しい張力で前記スプールに巻き上げられるように構成されている。
【0006】
したがって、バッグローダは、単一の駆動シャフトのみを備えることにより複雑さが低減し、バッグローダの差動駆動ユニットには多数のギアは必要ではなくなる。本発明の装置の差動ギアユニットのギアは、1回の一続きのバッグに使用する必要があるだけなので、例えば射出成形プラスチックなどの安価な材料で製造することができる。装置を再利用可能とする場合は、より堅い磨耗性材料を使用する必要があろう。したがって、次の1組のバッグは、工具を使用せずに、バッグローダの単一のシャフトに固定するためのただ1つの構成部品によって、容易に取り付けることができる。
【0007】
装置の寸法は、2つのスプールを横に並べてカセット内部に配置していたときのカセット寸法と比較して、大幅に小さくすることができる。これは、スプールと差動ギアユニットが同軸に配置されていることによって、はじめて可能になる。その結果、カセットハウジングの必要がなくなり、または同軸の構成を備えたハウジングの容積が減少するので、装置の価格が削減され、また寸法がより小さくなるので、所与の剛性および強度のための壁の厚さを減らすことができる。装置に差動駆動ユニットを備える必要があるために生じる価格の増加は、装置に必要な材料の量の減少によって相殺される。
【0008】
本発明はまた、バッグローダで一続きのバッグをローディングする方法を提供し、この方法は、一連の瓦状に重ねた包装バッグを組み込んである一続きのバッグを2つの供給テープに持っていくステップであって、ローディング作業中にバッグが供給テープから取り外され、供給テープが2つのテープ巻回スプールに装着される先端を有し、差動ギアユニットがスプール間に同軸に配置される、一続きのバッグを2つの供給テープに持っていくステップと、差動ギアユニットを前記バッグローダのシャフトに接続するステップと、瓦状に重ねたバッグのそれぞれを次々にローディング位置に持ってくるために、前記テープを等しい張力で前記スプールに巻き上げるように前記スプールを駆動するステップであって、バッグがローディング位置でローディングされテープから取り外される、前記スプールを駆動するステップとを含む。
【0009】
本発明は、添付の図面を参照して例のみによって説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明が、バッグローダ機械100での用途にどのように利用されるかを概略的に示す。一続きのバッグ50は、(通常、バッグ幅の約2分の1離れた)2つの平行な搬送テープ52a、52b上に、瓦状に重ねて配置される複数の包装バッグ51a、51b、51cを含む。バッグ51a、51b、51cは、接着剤によってテープ52a、52bに取り付けられている。テープ52a、52bの端部は、カセット10内に配置されている。カセット10は、バッグローダ100のシャフト112に工具を使わずに手で装着され、ユニットは、使用の際にシャフトに脱着可能に接続可能なように構成されている。この構成には、スナップ式取付具、蝶ナット、またはオーバーセンターバックルなどを使用してもよい。いずれも工具を使用せずに手でユニットを取り付け、時間やスキルをほとんど必要としない方法を、使用することができる。図にはカセット10を保護するドアが示されているが、実際にはこれは必ずしも必要としない。シャフト112がモータ110によって回転される。シャフト112は、カセット10に係合し、テープ52a、52bを巻き取るようにカセットの内部機構を駆動する。テープ52a、52bを巻き取ると、一連のバッグ51a、51b、51cは、バッグローダ機械100に近づけられる。テープを巻き取りながら、連続したバッグ51a、51b、51cをテープ52a、52bから取り外し、詰めることができる。
【0011】
バッグ51a、51b、51cをバッグローダ100に向かって引き寄せる間、通常は進行方向を向いているバッグの開口部が、バッグローダ100に対して常に同じ向きに(すなわち、通常はバッグローダに対して平行に)なるように、2本のテープ52a、52bの張力を等しく保つことが必要であり、それによって、バッグをテープから自動的に取り外すことができるようになる。本発明では、これは、テープ52a、52bが、ローラまたは固定ピン54a、54bの周りでバッグローダに向かって引き込まれるとき、テープ52a、52bを確実に等しい張力に保つようにするカセット10を使用することによってなされる。これは、図2に示すカセット10の内部機構によって達成される。
【0012】
次に、カセット10が搬送テープ52a、52bを等しい張力で巻き取る方法を、図2を参照して説明する。カセット10は、一続きのバッグ50のテープ52a、52bが巻回される2つの搬送テープ巻回スプール12a、12bを含む。スプール12a、12bは、例えば互いにスナップ嵌めできる第1の構成部品14a、第2の構成部品14bを含むカセット10のハウジング内に収容されている。第1の構成部品14aに形成されたスロット15によって、テープ52a、52bがハウジング内に入り、それによって、一方のテープ52aがスプール12aに、他方のテープ52bがスプール12bに進むことが可能にされている。テープ52a、52bをそれぞれ導入するために1つづつ、2つのスロットを備えることもできる。テープをバッグに取り付けるとき、テープが離れているのと同じ距離を置いてスロットが配置されている場合は、ローラまたは固定ピン54a、54bは必要ない。テープ52a、52bは、例えばスプールの外側フランジの穴を通し、外側から穴に挿入したピンによって定位置に保持するなど、任意の好都合な方法でスプール12a、12bに取り付けられる。テープ52a、52bは、同じ方向でスプール12a、12bに巻回される。
【0013】
スプール12a、12bは、ハウジング内部で互いに同軸に配置される。スプール12a、12bはそれぞれ、必ずしも事実であるとは限らないが、中央切抜き13を有するものとして示されている。実際、バッグローダのシャフト112が、スプール12aと12bの間に同軸に配置された差動ギアユニット20に達するようにするために、スプール12a、12bの一方のみに中央切抜き13が必要なこともある。シャフト112は、ハウジング14bの切抜き16を通り、スプール12bの中央切抜き13を通り、差動ギアユニット20のコア21にある対合孔22と噛合する。したがって、カセットがバッグローダに装着されると、スプール12a、12bおよび差動ギアユニットのコア21が、バッグローダのシャフト112と同軸になる。
【0014】
コア21には、少なくとも1つのベベルピニオン24が設置されている。好ましい実施形態では、コア21外側の周囲に4つのベベルピニオン24が対称に配置されている。ベベルピニオン24はコアに設置され、ベベルピニオン24は、対合孔22の長手方向軸に対して垂直な軸の周囲で自由に回転できる。
【0015】
差動ギアユニット20は、互いに向き合うスプール12a、12bの表面の陥凹部内に配置されることによって、前記スプール12a、12bとほぼ同軸に保持され、それによってスプールを互いに近接させ、場合によっては接触もさせて配置することができる。カセットがシャフト112と係合する動作によって、スプール12a、12bおよび差動ギアユニットのコア21を軸方向に整列させ、ともに保持することができる。あるいは、シャフト112のみが差動ギアユニット20と係合するように、スプールおよび差動ギアユニットは、カセット10またはシャフト112の助けなしに、互いにスナップ嵌めされる(またはその他の方法でともに保持する)ように構成することもできる。
【0016】
各スプール12a、12bは、カセット10が組み付けられるとき、前記スプール12a、12bのもう一方と向き合い、ベベルピニオン24と噛合する一体成形のべベルギア26を(陥凹部内に)備える。このようにして、テープ52a、52bに等しい張力がかかり、バッグローダのシャフト112がコア21を回転させる場合、ベベルピニオン24はその回転軸周りで回転せず、コアおよびスプールのアセンブリ全体が、シャフト112の長手方向軸周りで同じ速度で回転するので、2つのスプール12a、12bは同じ速度で回転する。しかし、テープ52a、52bの一方にかかる張力が低下した場合、テープが巻回されているスプール12a、12bの一方が、他方のスプールよりも速く回転する。そうなるのは、ベベルピニオン24が回転を始め、スプール12a、12bにそれぞれ巻回されているテープ52a、52bにかかる張力が等しくなるまで回転するからである。このようにして、一続きのバッグ50をある向きに維持することが可能であり、連続的に瓦状に重ねたバッグ51a、51b、51cはそれぞれ、テープ52a、52bがカセット10のスプール12a、12bによって巻き取られるにつれて、テープ52a、52bから取り外されるのに最適の向きでバッグローダに到着する。
【0017】
図3に示すように、カセットハウジングは、本発明が正しく機能するために必須ではないことが明らかになるであろう。スプールおよび駆動ユニットは、別々に直接シャフト112に組み付けることができ、あるいはシャフト112に一体として組み付け、スナップ嵌めまたは他の方法で適宜互いに固定することもできる。スプールの中央貫通孔を通って係合するリップおよびフランジをコア21に設けるのが、これを行うための満足できる方法である。
【0018】
カセットハウジング構成部品14a、14b、スプール12a、12b、および差動ギアユニットの部品は、すべてプラスチック材料の射出成形によって形成することができる。これは安価であり、このように製造された構成部品は、数百枚のバッグを含みうる一続きのバッグの最後まで持ちこたえるだけの耐久性を容易に有する。
【0019】
最初にテープ52a、52bをスプール12a、12bに接続する必要なしに、一続きのバッグ50全体をバッグローダに容易に装着できるように、例えば輸送中は、各テープの先端を、各スプールに接続した状態でカセットを保管することが予想される。
【0020】
カセット10は再使用可能にすることができる。使用の際、機械の作業者は、機械がまだ他の一続きのバッグを使用して作業している間に、次の一続きのバッグをスペアカセットのスプールに取り付ける。他の一続きのバッグが終了すると、作業者は、古いカセットをスペアカセットに取り替え、機械を再び始動させることができる。
【0021】
以上、本発明を例のみを使用して説明してきたが、変形が可能である。特に、上述したように、カセット10は、図3に示すように本発明が機能するのに必須ではない。カセットのハウジングの構造はさまざまでありうる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】バッグローダに装着したカセットを備えた一続きのバッグを示す斜視図である。
【図2】本発明のカセットを示す分解図である。
【図3】本発明の一連の瓦状に重ねた包装バッグを巻き取るための装置を示す分解図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対の搬送テープによって搬送される一連の瓦状に重ねた包装バッグを巻き取るための装置であって、前記装置が、
互いに同軸に配置される2つの搬送テープ巻回スプールと、
前記スプール間に配置される差動ギアユニットとを備え、
前記差動ギアユニットが、使用の際にバッグローダのシャフトに脱着可能に接続可能であり、それによって2つの搬送テープが等しい張力で前記スプールに巻き上げられるように構成される装置。
【請求項2】
前記各スプールが、表面に他方のスプールに面する陥凹部を備え、前記差動ギアユニットが、前記陥凹部に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記各スプールが、前記スプールと同軸のベベルギアと一体に形成される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記差動ギアユニットが、コアと、前記コアに取り付けられかつ各ベベルギアと噛合するように配置された少なくとも1つの衛星ピニオンギアとを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記コアが、バッグローダのシャフトと対合するための対合孔を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記スプールおよび差動ギアユニットが、カセットハウジングに配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記差動ギアユニットが、工具を使用せずに前記シャフトに脱着可能に接続可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
1対の平行な搬送テープによって搬送される一連の瓦状に重ねた包装バッグと、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置とを含む一続きのバッグ。
【請求項9】
前記搬送テープの端部が、前記装置のスプールにそれぞれ接続される、請求項8に記載の一続きのバッグ。
【請求項10】
バッグローダで一続きのバッグをローディングする方法であって、該方法が、
一連の瓦状に重ねた包装バッグを組み込んである一続きのバッグを2つの供給テープに持っていくステップであって、ローディング作業中にバッグが供給テープから取り外され、供給テープが2つのテープ巻回スプールに装着される先端を有し、差動ギアユニットが、スプール間に同軸に配置される、一続きのバッグを2つの供給テープに持っていくステップと、
差動ギアユニットを前記バッグローダのシャフトに接続するステップと、
瓦状に重ねた各バッグを次々にローディング位置に持ってくるために、前記テープを等しい張力で前記スプールに巻き上げるように前記スプールを駆動するステップであって、バッグがローディング位置でローディングされかつテープから取り外される、前記スプールを駆動するステップとを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−501117(P2006−501117A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−540726(P2004−540726)
【出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010754
【国際公開番号】WO2004/031036
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(500256772)クライオバック・インコーポレイテツド (25)
【Fターム(参考)】